JP4723717B2 - ボールペン用水性インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はボールペン用水性インキに関し、特に、高粘性の多糖類液中における顔料粒子の分離を長期にわたって防止することができるボールペン用水性インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、着色剤、多糖類及び水を少なくとも含有するボールペン用水性インキ組成物が各種提供されている(特開昭59−74175号、特開平2−279777号、特開平4−214782号、特開平6−88050号、特開平8−151547号、特開平11−29734号、特開平11−80629号、特開平11−130998号)。これらの水性インキは、静置時では高粘性を維持しているが、筆記したときにはボールの回転によって剪断力が作用し、低い粘性を呈して良好な筆記状態を与えることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこれらの水性インキは、長期にわたるインキの保存安定性が必ずしも十分であるとは言い難い。特に、着色剤として着色顔料を配合したボールペン用水性インキでは、長期間使用すると、ボールペンのインキ貯蔵管内で着色顔料が含まれた低粘度成分とそれ以外の高粘度成分とに分離していく。従って、かかる分離現象を呈するインキが充填されているホールペンを下向きにして保存した場合、低粘度成分がペン先に集まってインキ漏れが発生する。また、このインキを用いて筆記すると、インキの流出が過剰になって筆記性が低下するとともに、インキによる筆跡の乾燥も遅い。しかも、低粘度成分には上記の通り着色顔料が過剰に含まれていることから、その筆跡は濃くなって過度の色相変化が生じる。
【0004】
通常、これらの原因を、顔料粒子の凝集作用に求め、顔料粒子の均一分散が破壊されたことによるものと考えられている。例えば、特開平6−8805号は、多糖類としてサクシノグリカンを採用することによって、顔料粒子の凝結(粒子径の拡大)を阻止して顔料粒子の均一分散を維持し、インキの長期保存安定性を図ろうとしている。しかし、かかるインキでも、実際は、既述の通り、ボールペンのインキ貯蔵管内で、着色顔料が過剰に含まれた低粘度成分の分離を引き起こす傾向が生じ、筆跡に発色の濃淡が現れる色別れ現象が生じる場合があった。また、長期間使用すると、甚だしい場合は、筆記時に濃厚な顔料液がペン先から流出するものである。
【0005】
特に、ラムザンガム、ウェランガム、キサンタンガム及びサクシノグリカンなどの多糖類、水溶性有機溶剤及び水とともに、着色剤として着色顔料のほかアルミニウム粉顔料を共存させたボールペン用水性インキの場合では、既述した分離現象のほかに、さらに着色顔料とアルミニウム金属粉顔料との間でも経時的に分離現象が進行し、色別れが発生する場合があった。また、長期間使用すると、甚だしい場合は、アルミニウム粉顔料の高粘度成分と着色顔料の低粘度成分がそれぞれ上液層と下液層にまで成長するといった分離現象を呈した。これらの現象は、長期に横向き保存した場合でも着色顔料の沈降が目視で確認される結果、外観を著しく損ねるという問題が生じた。また、ペン先下向きで長期保存し、分離現象が生じた場合、このインキを用いて筆記すると、アルミニウム金属粉顔料がほとんど含まれていない濃厚な着色顔料液がまずペン先から流出するため、筆跡には所望とするメタリック調の着色が得られない問題が発生した。
【0006】
本発明の目的は、長期間使用しても、インキ中の着色顔料の分離現象を阻止して、筆跡に発色の濃淡が現れる色別れ現象を阻止し、安定した色相を持つ筆跡を与えることができ、またインキ漏れやインキの過剰流出の発生を防止することができる長期保存安定性に優れたボールペン用水性インキを提供するところにある。
【0007】
また、本発明の目的は、長期間使用しても、インキ中に、着色顔料の分離現象と、着色顔料と金属粉顔料との分離現象が現われることを阻止し、筆跡に発色の濃淡が現れる色別れ現象を阻止し、安定した色相を持つメタリック調の筆跡が得られ、またインキ漏れやインキの過剰流出の発生を防止することができる長期保存安定性に優れたボールペン用水性インキを提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中において、着色顔料の顔料粒子が斑点状に集合してなる凝集相を形成したボールペン用水性インキであれば、この着色顔料の凝集相がそれ以外の成分と分離し難い。従って、長期間の使用によってもボールペンの貯蔵管内に滞留しているインキ中に、高濃度の着色顔料の分離液が現出することがない。
従来の着色顔料をあらかじめ分散した液を含む相と多糖類等を溶解した液を含むビヒクル相(着色顔料を含む相以外の相)との混合によりインキを調整した場合、インキ調整直後は両相が均一に混合されたように見えるが、着色顔料を含む相と多糖類が完全に相溶しないため、経時的に両相の分離が生じると推測される。
本発明では、着色顔料の凝集相を形成させることにより、着色顔料を含む相(「顔料相」と称する。)とビヒクル相(着色顔料を含む相以外の相)の接触面積が小さくなることで相溶性が改善された結果、両相の分離を起こり難くさせているものと考えられる。
【0009】
また、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中に、着色顔料及び金属粉顔料の両顔料粒子が、同じ顔料相に斑点状に集合してなる複合凝集相を形成しているボールペン用水性インキであれば、筆跡に発色の濃淡又は発色の有無が現れる現象を防止することができることを見出した。また、このインキの場合、長期間使用しても、着色顔料と金属粉顔料との間で液−液分離を引き起こし難く、また、着色顔料及び金属粉顔料の両顔料粒子は、上記の通り、同じ顔料相に集合する複合凝集相を形成しているため、筆跡に着色顔料粒子の色相を持つメタリックの色調が得られる。
【0010】
かかる凝集相又は複合凝集相を構成する顔料粒子集合の結合媒体としては、水溶性高分子が用いられる。本発明の顔料粒子の凝集相又は複合凝集相は、顔料粒子が互いに直接凝結する凝結体というよりは、粒子同士の結合媒体として働く例えば水溶性高分子の働きにより、顔料粒子が斑点状に集合する凝集体である。
【0011】
なお、本発明における「斑点状」は、概ね点状態で斑に散らばった状態を示しているが、斑状の顔料相が部分的に繋がっている状態も含まれる。要するに、本発明の「斑点状」とは、顔料相が後述の図17〜図28の様な連続した帯状の流れではなく、図1〜図16に示される様な状態を示し、非帯状の不連続な顔料相が斑状態で散らばっている状態を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(着色顔料)
本発明の着色顔料としては、特に制限されない。例えば、無機顔料、有機顔料、蛍光顔料などが適用できる。具体的には、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料などが挙げられる。また、これらを顔料分散体として用いることもできる。また、着色剤として、さらに染料(例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料など)を用いたり、顔料または染料により着色されたプラスチックピグメントなどを用いることができる。
【0013】
着色顔料は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。着色剤の使用量は、例えば、インキ全量に対して0.05〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。着色剤の使用量がインキ全量に対して0.05重量%より少ないと、発色性が低下する。一方、15重量%より多いと、固形分が多くなるため、筆記性が低下する。
【0014】
(金属粉顔料)
金属粉顔料としては、リーフィングタイプであってもよく、ノンリーフィングタイプであってもよい。金属粉顔料としては、例えば、真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料、特にアルミニウム粉顔料を好適に用いることができる。金属粉顔料は金属粉顔料分散体の形態で用いることもできる。
【0015】
アルミニウム粉顔料としては、具体的には、商品名:アルペーストWJP−U75C(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWE1200(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWXM7675(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWXM0630(東洋アルミニウム社製)、商品名:1110W(昭和アルミニウム社製)、商品名:2172SW(昭和アルミニウム社製)、商品名:AW−808C(旭化成社製)、商品名:AW−7000R(旭化成社製)などが例示できる。
【0016】
真鍮粉顔料としては、例えば、商品名:BS−605(東洋アルミニウム社製)、商品名:BS−607(東洋アルミニウム社製)、商品名:ブロンズパウダーP−555(中島金属箔粉工業(株)製)、商品名:ブロンズパウダーP−777(中島金属箔粉工業(株)製)などを用いることができる。
【0017】
金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)の平均粒子径は、好ましくは5〜15μmである。平均粒子径がこれらの範囲の金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)は、筆記性が優れている。
金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)の使用量は、例えば、インキ全量に対して1〜30重量%、好ましくは2〜6重量%である。金属粉顔料、特にアルミニウム粉顔料の使用量がインキ全量に対して1重量%未満であると、充分な金属光沢が発現しない。一方、金属粉顔料、特にアルミニウム粉顔料の使用量がインキ全量に対して30重量%を超えると、固形分が多くなるため、筆記性が低下する。
【0018】
(多糖類)
多糖類としては、インキの粘度を調整できるものであれば特に制限されないが、チキソトロピー性を与える多糖類を用いることが好ましい。多糖類としては、例えば微生物産系多糖類又はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、水溶性動物系多糖類又はその誘導体などが挙げられる。
【0019】
微生物産系多糖類又はその誘導体としては、例えば、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグリカン、デキストランなどが提示できる。
【0020】
水溶性植物系多糖類又はその誘導体には、例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−カストビ−ンガム、ガティガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、クイスシードガム、ペクチン、デンプン、サイリュームシードガム、カラギーナン、アルギン酸、寒天などが含まれる。水溶性動物系多糖類又はその誘導体には、例えば、ゼラチン、カゼインなどが含まれる。
【0021】
好ましい多糖類としては、微生物産系多糖類又はその誘導体、特に、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグリカンなどが挙げられる。
【0022】
多糖類は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。多糖類の使用量は、例えば、インキ全量に対して0.1〜2重量%、好ましくは0.15〜0.5重量%である。
【0023】
(水溶性高分子)
本発明の水溶性高分子は、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中において、顔料粒子を斑点状に凝集させた凝集相を構成させることが重要である。さらに、金属粉顔料、特にアルミニウム粉顔料を上記着色顔料と併存させた場合には、両顔料粒子が同じ顔料相内に斑点状に集合してなる複合凝集相を形成させ得るものでなければならない。これらの要求を満足する水溶性高分子としては、特にポリエチレングリコール及びセルロース誘導体が好適である。特に、高分子量のポリエチレングリコールが最適である。
【0024】
またこれらの要求を満足する水溶性高分子の数平均分量としては、7000〜1100000が好ましい。中でも、ポリエチレングリコールの数平均分子量は8000〜1100000が好適である。ポリエチレングリコールとしては、例えば、商品名:PEO−1(住友精化(株)製、数平均分子量:150000〜400000)、商品名:PEO−3(住友精化(株)製、数平均分子量:600000〜1100000)などを用いることができる。
【0025】
また、セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロースを例示することができる。また、これらの例示を含むセルロース誘導体の数平均分子量は7000〜400000が好適である。
【0026】
これらの水溶性高分子の好適な量は、インキ全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜4重量%である。これらの水溶性高分子の量がインキ全量に対して0.1重量%未満であると、水溶性高分子の量が少なすぎるため、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中において、着色顔料の顔料粒子が集合する凝集相を形成し難い。
特に、アルミニウムなどの金属粉顔料と着色顔料を、水溶性有機溶剤及び水を含む多糖類液中で併存させたインキの場合では、着色顔料と金属粉顔料との間で経時的に相分離を起こし易く、色別れが発生し、メタリック調の筆跡が得られない傾向が生じる。これらの水溶性高分子の量がインキ全量に対して10重量%を超えると、インキの粘度が高くなり、筆記性が低下する。
【0027】
(水溶性有機溶剤)
水溶性有機溶剤は、水と混和し、インキの乾燥や低温時の凍結を防止できるものであれば、特に制限されない。水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール類のほか、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど)、グリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなど)、カルビトール類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなど)、グリセリン、トリメチロールプロパンなどを好適に用いることができる。水溶性有機溶剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
水溶性有機溶剤の量は、特に制限されないが、インキ全量に対して1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。水溶性有機溶剤の量がインキ全量に対して1重量%より少ないと、ペン先がインキによって乾燥しやすく、目詰まりを起こして筆記できなくなる場合がある。一方、40重量%より多いと、筆記後、インキが乾燥しにくい。
【0029】
(水)
水としては、慣用的に用いられている水(例えば、イオン交換水、蒸留水など)が使用される。水の量は、特に制限されず、他の成分の種類や量や、目的とするインキの粘度などに応じて選択することができる。水の量は、広い範囲、例えば、インキ全量に対して1〜80重量%の範囲から選択できる。好ましい水の量は、20〜70重量%である。
【0030】
本発明のインキの粘度は、着色顔料やアルミニウム粉顔料が沈降せず、筆記性に適した粘度であれば、特に制限されない。本発明では、例えば、20℃において、1,500〜10,000cpsが好適な粘度範囲である。なお、粘度はELD型粘度計を用い、コーン:3°R14コーン、回転数:0.5rpm、温度:20℃にて測定される。
【0031】
なお、本発明の水性インキには、必要に応じて、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトレートなど)、防腐防黴剤(例えば、ベンゾイソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を添加することができる。
【0032】
(製造方法)
本発明のインキの製造方法は格別限定されるものではないが、インキ中に顔料粒子が斑点状に集合してなる凝集相を形成する本ボールペン用水性インキを得るには、まず水及び水溶性有機溶剤中に分散された着色顔料の分散液に、水溶性高分子を加え、その後に多糖類及び必要に応じて各種の添加剤を混合する製法を採用できる。なお、金属粉顔料も配合する場合は、まず水及び水溶性有機溶剤中に分散された着色顔料及び金属粉顔料の分散液を調整し、次にこれに水溶性高分子を加え、その後に多糖類及び必要に応じて各種の添加剤を混合する製法を採用することが好適である。なお、インキの調製に際して行う分散、脱泡、濾過などの方法については、公知の方法により行うことができる。
【0033】
【実施例】
まず、次の組成により、青色顔料分散体及び赤色顔料分散体をそれぞれ調整した。
(青色顔料分散体)
フタロシアニンブルー 25重量%
(大日本インキ工業社製、商品名「ファーストゲンブルーBSW」)
スチレンアクリル樹脂 5重量%
(ジョンソンポリマー社製、商品名「ジョンクリル679」)
プロピレングリコール 5重量%
水酸化ナトリウム 0.06重量%
イオン交換水 残部
上記成分をビーズミルにて分散し、顔料濃度が15重量%となるようにイオン交換水で希釈して、平均粒子径0.10μmの青色顔料分散液を得た。
【0034】
(赤色顔料分散体)
ナフトールアゾレッド 25重量%
(大日本インキ工業社製、商品名「シムラファーストレッド4127」)
スチレンアクリル樹脂 5重量%
(ジョンソンポリマー社製、商品名「ジョンクリル679」)
プロピレングリコール 5重量%
水酸化ナトリウム 0.06重量%
イオン交換水 残部
上記成分をビーズミルにて分散し、顔料濃度が15重量%となるようにイオン交換水で希釈して、平均粒子径0.15μmの赤色顔料分散液を得た。
【0035】
(実施例1〜8)
次の表1に示す組成(単位:重量%)により前記製造方法によってそれぞれ調製した。
【0036】
【表1】
Figure 0004723717
【0037】
表注)
アルミニウム粉顔料:東洋アルミニウム社製、商品名「アルペーストWXM0630」
ポリエチレングリコール:住友精化社製、商品名「PEO-1」(10%水溶液)
ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達社製、商品名「HPC-SL」(10%水溶液)
カルボキシメチルセルロース:第一工業製薬社製、商品名「セロゲン6A」(10%水溶液)
サクシノグリカン:三晶社製、商品名「レオザン」(1%水溶液)
ラムザンガム:三晶社製、商品名「K7C233」(1%水溶液)
ウエランガム:三晶社製、商品名「K1C376」(1%水溶液)
防腐防黴剤(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン):ゼネカ社製、商品名「プロクセルXL−2」
【0038】
(比較例)
比較例1〜6に係るインキは、上記のポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロースを添加混合することを除いて、それぞれ表2に示す配合にて、既述した製造方法に基づいて調製した。
【0039】
【表2】
Figure 0004723717
【0040】
(評価)
各実施例及び各比較例のインキを、洋白ボールペンチップ(ボールの材質:超硬合金、ボール直径:0.8mmφ)を一端に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペン用インキ収容部にそれぞれ充填し、インキ中の気泡を遠心分離により除去してボールペンの試験サンプルを作製した。なお、各実施例及び各比較例のインキの状態を、サンプル作成後の2日後に偏光顕微鏡(仕様:日本光学工業社製、商品名「OPTIHOT XP-M」)を用いて倍率200倍で調べた。
【0041】
表3及び表4に示した「インキ状態の偏光顕微鏡」の図番は、各実施例及び各比較例について撮影した上記偏光顕微鏡写真にかかる図面代用写真の図番を示している。また図2は図1の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図、図4は図3の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。同様に、図6、図8、図10、図12、図14及び図16は、それぞれ図5、図7、図9、図11、図13及び図15の実施例にかかる顕微鏡写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。また同様に、図18、図20、図22、図24、図26及び図28は、それぞれ図17、図19、図21、図23、図25及び図27の比較例にかかる顕微鏡写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【0042】
図面代用写真から描き起こした図面中、1は顔料粒子が斑点状に凝集してなる凝集相(顔料相)、2は多糖類含有相(ビヒクル相)、3は有色顔料の顔料粒子と金属粉顔料の顔料粒子とが同じ顔料相に斑点状に凝集してなる複合凝集相、4は多糖類含有相(ビヒクル相)、5は帯状の流れの顔料相(顔料分離相)、6は多糖類含有相(ビヒクル相)、7は金属粉顔料の顔料相、8は金属粉顔料の顔料相7と顔料相7の間を流れる帯状の流れの有色顔料の顔料相、9は多糖類含有相(ビヒクル相)である。
【0043】
表3及び表4に示す保存性能の評価は、すべてペン先を下向きに立てた状態で行っている。また保存性能の評価は、表3及び表4に示す様に、まず初期性能を評価した後に、50℃で1週間後保存して評価した。また、これとは別に、室温で1年間保存して評価した。表3及び表4には、各実施例及び各比較例の保存性能の結果を示している。
【0044】
【表3】
Figure 0004723717
【0045】
【表4】
Figure 0004723717
【0046】
前記の顕微鏡写真によれば、実施例1〜4のインキはいずれも着色顔料の顔料粒子が集合して斑点状の凝集相を形成し、この斑点状の凝集相で顔料相を構成していることが認められる。これに対して、比較例1〜3のインキは、前記の顕微鏡写真によれば、いずれも非斑点状の帯状顔料相をなしている。実施例1〜4と比較例1〜3のそれぞれのインキの初期性能を比較すると、実施例及び比較例とも「筆跡」は同等の色相を有している。一方、50℃にて1週間後の「筆跡」をさらに追跡していくと、比較例1では濃青色を呈し、色相変化を生じていることが認められる。さらに、室温1年後の観察によれば、実施例1〜4のインキでは「筆跡」及びボールペンチップからのインキの「流出性」についてはいずれも初期状態から変化しておらず、また外観も変化なく、インキ洩れも生じていない。これに対して、比較例1〜3のインキの場合、外観上著しい変化はないが、いずれも色相が変化して濃青色又は濃赤色となり、またインキ洩れが生じている。
【0047】
一方、アルミニウム粉顔料を配合した実施例5〜8のインキを、アルミニウム粉顔料を配合していない比較例4〜6のインキと比較すると、前記の顕微鏡写真によれば、比較例のインキではいずれも着色顔料の帯状の流れとは別に、アルミニウム粉顔料の顔料粒子が、独立した集合群を形成して不均一に分散されている。これに対して、実施例5〜8のインキではいずれも上記比較例のインキに見られた着色顔料の帯状の流れが消えており、むしろアルミニウム粉顔料の凝集群を構成する顔料相が青又は赤に着色しているもので、アルミニウム顔料の凝集群に、着色顔料の顔料粒子の凝集群が複合した複合凝集相を形成した状態にて顔料相を構成している。
【0048】
また、この実施例5〜8のインキと比較例4〜6のインキの初期性能を比較すると、表3及び表4に示す様に、実施例5〜8のインキではいずれも金属光沢を伴った色相を呈しており、かつ筆跡は均一な筆跡として現れる。これに対して比較例4〜6のインキもいずれも金属光沢を伴った色相を呈している。一方、50℃にて1週間後の実施例5〜8のインキは、初期性能と同様に、金属光沢を伴った色相を持ったインキであるが、同条件の比較例4〜6のインキは、比較例5及び比較例6では同様の色相の筆跡をしていたが、比較例4では濃青色の金属光沢のないインキとなっていた。さらに、室温1年後の観察によれば、実施例5〜8のインキでは「筆跡」及びボールペンチップからのインキの「流出性」についてはいずれも初期状態から変化しておらず、また外観も変化なく、インキ洩れも生じていない。これに対して、比較例4〜6のインキは、室温1年後ではいずれも濃青色又は濃赤色の金属光沢のないインキとなっており、ボールペンチップからのインキの流出性も流出過剰を呈していた。また外観も、着色顔料が過剰に含まれている濃厚色の低粘度成分と、アルミニウム顔料が過剰に含まれている高粘度成分とに分離する現象が起こっていた。また、室温1年後の比較例4〜6のインキでは、インキ洩れが発生していた。
【0049】
これらの現象を総合的に検討すると、インキの長期保存安定性は、着色顔料相の形成状態乃至凝集状態に大きく影響されていることが理解できる。すなわち、着色顔料の顔料粒子が斑点状に集合して凝集相を形成し、この凝集相の状態で着色顔料の顔料相を形成しているインキの場合では、既述の通り、筆跡のインキの色相も安定し、インキの流出性、外観及びインキ洩れの点でも支障が生じていない。これに対して、着色顔料が帯状の不均一相(顔料相)を形成している比較例のインキでは、着色顔料の帯状の不均一相が筆跡に色別れ現象を現出せしめていると考えらる。また、この着色顔料の帯状の不均一相化が長期保存においてさらに発展し、着色顔料が過剰に含まれたこの低粘度成分の分離傾向が増大し、室温1年後のインキが、濃青色又は濃赤色で、流出過剰が起こり、インキ洩れを呈するものと思われる。
【0050】
また、アルミニウム粉顔料を含有しているインキの場合でも、インキの長期保存安定性は着色顔料相の形成状態乃至凝集状態に大きく影響されていることが理解できる。すなわち、着色顔料及び金属粉顔料の両顔料粒子が、同じ顔料相に集合して複合凝集相を形成しているインキの場合では、既述の通り、筆跡にはインキの色及び当該色相を持った金属光沢色を呈し、インキの流出性、外観及びインキ洩れの点でも支障が生じていない。これに対して、着色顔料がアルミニウム粉顔料の集合群とは別に、帯状の不均一相(顔料相)を形成している比較例のインキでは、前記と同様に、着色顔料の帯状の不均一相が色別れ現象を現出せしめていると考えらる。またこの着色顔料の帯状の不均一相化が長期保存においてさらに発展し、着色顔料が過剰に含まれたこの低粘度成分が、アルミニウム粉顔料が含まれた高粘度成分から分離する傾向が増大するもので、これにより、室温1年後のインキでは、着色顔料が過剰に含まれたこの低粘度成分によって濃青色又は濃赤色を呈し、かつ流出過剰が起こり、インキ洩れを呈するものと思われる。
【0051】
またこれらの現象は、上記実施例及び比較例より、サクシノグリカン、ラムザンガム及びウエランガムに共通する多糖類一般の現象としてみることができる。特に、サクシノグリカンを含有する比較例1及び比較例4のインキの場合、ラムザンガム及びウエランガムを含有する他のインキと比較して、着色顔料が過剰に含まれた低粘度成分を形成する傾向が強いが、サクシノグリカンを含有するインキの場合でも、実施例1、実施例3、実施例5及び実施例7にみられる様に、着色顔料の顔料粒子が斑点状の凝集相を形成したり、アルミニウム粉顔料の顔料粒子の凝集相と複合凝集相を形成して顔料相を構成するインキの場合は、着色顔料が過剰に含まれた低粘度成分の分離傾向を抑制することができ、長期保存安定性を確保することができる。
【0052】
ところで、実施例1〜4のインキ中で形成される凝集相の平均粒子径を測定すると、顕微鏡写真上での実測値は0.5μm〜10μmであるが、実施例1〜4のインキをそれぞれイオン交換水で10倍に希釈した液についてそれぞれ光子相関法によって測定すると、約0.1μmの平均粒子径となった。これらのことから実施例1〜4のインキは、顔料粒子の集合群として凝集相を形成しているが、その集合状態は各顔料粒子が凝結して集合しているのではなく、イオン交換水で希釈して解離できる程度に各顔料粒子が互いに弱い結合にて凝集しているものと認められる。これらの現象はまた、サクシノグリカン、ラムザンガム及びウエランガムに共通する多糖類一般の現象としてみることができる。
【0053】
これらのことを更に明らかにするため、次の表5に示す配合にて実施例9〜12及び比較例7のインキを調製し、それぞれのインキについてイオン交換水で10倍に希釈し、10倍に希釈した各液について光子相関法(大塚電子株式会社製、商品名「LPA3000/3100を使用。)及び液層沈降法(堀場製作所株式会社製、商品名「CAPA−700」を使用。)によって顔料粒子の粒子径を測定した。図29は表5の測定結果をプロットしたグラフであって、水希釈後のカルボキシメチルセルロース(CMC)濃度(%)と顔料の粒子径との関係を示している。
【0054】
【表5】
Figure 0004723717
【0055】
表5及び図29より、CMC濃度が大きくなるに従って顔料粒子径が増大していることが認められる。また、CMC濃度の低い実施例11及び実施例12では、イオン交換水により10倍希釈して測定液を調製すると、CMC濃度が非常に低くなる結果、CMCが配合されていない比較例7とほぼ同じ粒子径の顔料粒子として測定される。これらの結果から、CMC濃度の増大に伴い顔料粒子径は増大するものであり、先の顕微鏡写真の結果と照らし合わせると、各実施例のインキでは、顔料粒子が集合する凝集群としての顔料相を形成しているものと認められる。
【0056】
次に、表6に示す配合にて実施例9、13、14のインキを調製し、それぞれのインキについてイオン交換水で10倍に希釈し、10倍に希釈した各液について光子相関法(大塚電子株式会社製、商品名「LPA3000/3100を使用。)によって顔料粒子の粒子径を測定した。図30は表6の測定結果をプロットしたグラフであって、水希釈後の顔料分散体濃度(%)と顔料の粒子径との関係を示している。
【0057】
【表6】
Figure 0004723717
【0058】
表6及び図30より、インキ中の顔料濃度が大きくなるにしたがって顔料粒子径が増大していることが認められる。これらの結果から、顔料濃度の増大に伴い顔料粒子径は増大するものであり、先の顕微鏡写真の結果と照らし合わせると、各実施例のインキにおける顔料粒子は凝集状態で集合する凝集群としての顔料相を形成しているものと認められる。
【0059】
表5及び表6は水溶性高分子としてCMCを配合した場合の顔料粒子の粒子径の変化を示しているが、水溶性高分子としてポリエチレングリコールを配合した場合も同様の傾向を示している。なお、表5及び表6に示した各成分は、前記実施例1で用いたものと同一である。
【0060】
表5及び表6の結果から、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含む本発明のインキの場合、凝集相を構成する顔料粒子に対して水溶性高分子が結合媒体として作用し、粒子間の凝結はしていないが、一種の凝集群を形成しており、この顔料粒子の凝集群が顔料相を構成する結果、インキの長期保存安定性が図られているものと思われる。そしてこれらの機構はラムザンガム、ウェランガム及びサクシノグリカンなどの多糖類の種類に関係なく現れている。
【0061】
(凝集レベルの数値化)
次に、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各水性インキに関して、それぞれの偏光顕微鏡写真(第1図、第3図、第17図、第19図)を、コンピューターを用いて、デジタル画像処理した。画像のコンピューター(OS:Windows95)への取り込みは、スキャナー(キャノン製商品名「CanoScan600」、解像度:カラー 150dpi)を用い、ソフトウェア:キャノン社製商品名「Scancraft CS VERSION3.0.1」によりなされた。次に、Horie-MS製、商品名「ImagePlus2」のソフトウェアを用いて、これを0〜255のグレースケールに変換して灰色256階調の画像にし、これをヒストグラム解析で横軸を黒強度(白黒の度合い、黒レベル)、縦軸をピクセル(画素)とするヒストグラムにて表示した。第31図は、実施例1(第1図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。第32図は、実施例2(第3図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。第33図は、比較例1(第17図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。第34図は、比較例2(第19図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。
【0062】
顔料粒子の凝集〜非凝集の程度は、黒強度(黒レベル)の大きさと、そのピクセル数によって表示され、最大ピーク位置の黒強度(黒レベル)の大きさが大きいほど、またそのピクセル数が多いほど、凝集の程度が大きいことを示している。また、最大ピーク位置の半値幅が狭いほど、凝集の程度が大きく、ほぼ同じ様な斑点状の凝集が形成されていることを示している。
【0063】
次に、顔料粒子の好ましい凝集の程度を数値化するために、上記各ヒストグラムを表計算ソフトウェア(商品名「エクセル/EXCEL」、マイクロソフト社製)で解析し数値データ化し、次の第7表の通りの値を得た。
【0064】
【表7】
Figure 0004723717
【0065】
なお、表7中、ピーク幅Wpは、ヒストグラムの全ピクセル数を合計し、その合計の0.03%以上の強度を持つ点の幅で示される。表7中、下限値Wminは、ピーク幅Wpの下限値(黒強度値)を示し、上限値Wmaxはピーク幅Wpの上限値(黒強度値)を示している。表7中、最大ピーク位置Pmaxは、ヒストグラムの最大ピークの黒強度値を示しており、表7中、相対ピーク位置Prは、ピーク幅Wpを1とした場合の最大ピーク位置Pmaxの指数表示値で示している。表7中、半値幅Phは、最大ピークの半分の強度のピークの幅(黒強度幅)を読み取り、半値幅としている。表7中、Wr(半値幅Ph/ピーク幅Wp)は、ピーク幅Wpに対する半値幅Phの比で示され、最大ピークの半分の強度のピークを相対値で示している。第31〜第34図中、Wp、Pmax、Phは上記と同様、ヒストグラムのピーク幅、最大ピーク位置、半値幅を示している。
【0066】
これらの結果から、着色顔料粒子の凝集相を画像処理し、グレースケール変換して示したヒストグラム分布における黒色強度(黒強度)の相対ピーク値Prが0.8以上、好ましくは0.89以上、最適には0.90以上であり、Wr(半値幅Ph/ピーク幅Wp)が0.1以下、好ましくは0.09以下、最適には0.07以下のヒストグラム分布の凝集相(斑点状に集合してなる顔料粒子の凝集相)を持つ着色顔料粒子が含まれた水性インキであれば、既述の通り、長期保存安定性に優れたボールペン用水性インキとすることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明は、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中に、着色顔料の顔料粒子が、斑点状に集合してなる凝集相を形成しているので、長期間使用しても、インキ中の着色顔料の分離現象を阻止することができ、安定した色相を持つ筆跡を与えることができる。また、インキ漏れやインキの過剰流出の発生を防止することができるもので、長期保存安定性に優れたボールペン用水性インキである。
【0068】
また特に、水溶性有機溶剤、水及び多糖類を含むインキ中に、着色顔料及び金属粉顔料の両顔料粒子が、同じ顔料相に凝集状態で集合する複合凝集相を形成している水性インキの場合、長期間使用しても、インキ中に、着色顔料の分離現象と、着色顔料と金属粉顔料との分離現象が現われることを阻止し、筆記線の色別れ現象を抑止して、安定した色相を持つメタリック調の筆跡が得られ、またインキ漏れやインキの過剰流出の発生を防止することができる長期保存安定性に優れたボールペン用水性インキとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図2】図1の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図3】本発明の実施例2に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図4】図3の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図5】本発明の実施例3に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図6】図5の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図7】本発明の実施例4に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図8】図7の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例5に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図10】図9の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図11】本発明の実施例6に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図12】図11の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図13】本発明の実施例7に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図14】図13の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図15】本発明の実施例8に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図16】図15の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図17】本発明の比較例1に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図18】図17の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図19】本発明の比較例2に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図20】図19の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図21】本発明の比較例3に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図22】図21の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図23】本発明の比較例4に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図24】図23の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図25】本発明の比較例5に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図26】図25の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図27】本発明の比較例6に係るインキの状態を偏光顕微鏡により撮影した図面代用写真である。
【図28】図27の写真から描き起こしたインキの状態を示す概略図である。
【図29】表5におけるCMC濃度(%)と顔料の粒子径との関係を示すグラフである。
【図30】表6における顔料分散体濃度(%)と顔料の粒子径との関係を示すグラフである。
【図31】実施例1(第1図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。
【図32】実施例2(第3図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。
【図33】比較例1(第17図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。
【図34】比較例2(第19図)の水性インキに係る黒強度(横軸)とピクセル(縦軸)との関係を示すヒストグラムである。
【符号の説明】
1 凝集相(顔料相)
2 多糖類含有相(ビヒクル相)
3 複合凝集相(顔料相)
4 多糖類含有相(ビヒクル相)

Claims (9)

  1. 水溶性有機溶剤、ポリエチレングリコール、水及び多糖類を含むインキ中に、着色顔料及び金属粉顔料の両顔料粒子が、同じ顔料相に斑点状に集合してなる複合凝集相を形成しているボールペン用水性インキ。
  2. 多糖類が、ラムザンガム、ウェランガム、キサンタンガム及びサクシノグリカンの群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のボールペン用水性インキ。
  3. ポリエチレングリコールの数平均分子量が8000〜1100000である請求項記載のボールペン用水性インキ。
  4. セルロース誘導体を含有する請求項記載のボールペン用水性インキ。
  5. セルロース誘導体の数平均分子量が7000〜400000である請求項記載のボールペン用水性インキ。
  6. ポリエチレングリコールが、インキ全量中0.1〜10重量%含有されている請求項1乃至5のいずれかに記載のボールペン用水性インキ。
  7. チキソトロピー性を有する請求項1記載のボールペン用水性インキ。
  8. ELD型粘度計によるインキの粘度が、1,500〜10,000cps(測定条件:3°R14コーン、回転数0.5rpm、温度20℃)である請求項記載のボールペン用水性インキ。
  9. 同じ顔料相に斑点状に集合してなる着色顔料と金属粉顔料の複合凝集相と、水溶性有機溶剤と、水と、ポリエチレングリコールと、多糖類とを含む水性インキが、インキ収容部内に充填されているボールペン。
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