JPH1129734A - 水性メタリックインキ組成物 - Google Patents

水性メタリックインキ組成物

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JPH1129734A
JPH1129734A JP19934097A JP19934097A JPH1129734A JP H1129734 A JPH1129734 A JP H1129734A JP 19934097 A JP19934097 A JP 19934097A JP 19934097 A JP19934097 A JP 19934097A JP H1129734 A JPH1129734 A JP H1129734A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色濃度の経時変化を抑制できるとともに、
非吸収面に対する定着性が高い塗膜を形成できる水性メ
タリックインキ組成物を提供する。 【解決手段】 真鍮粉顔料又はアルミニウム粉顔料と、
着色剤と、水と、水溶性有機溶剤とを少なくとも含有し
てなるインキ中に、天然多糖類及びセルロース誘導体を
含有させて水性メタリックインキ組成物を得る。天然多
糖類には、微生物産系多糖類又はその誘導体、水溶性植
物系多糖類又はその誘導体、水溶性動物系多糖類又はそ
の誘導体が含まれる。セルロース誘導体には、カルボキ
シメチルセルロース又はその塩、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルエチルセルロースが含まれる。インキ組成物
全量に対して天然多糖類は0.01〜4重量%、セルロ
ース誘導体は0.01〜40重量%含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性メタリックイ
ンキ組成物、特に筆記用具インキ、印刷用インキ、塗料
関連分野において有用な水性メタリックインキ組成物に
関し、さらに詳しくは印字の発色濃度が高く、非吸収面
に対する定着性が優れた塗膜を形成できる水性メタリッ
クインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性メタリックインキ組成物は、
例えば、金属粉顔料及び着色剤を含む水溶液に、必要に
応じて水溶性有機溶剤を添加し、さらに、粘度調整剤な
どとして水溶性樹脂を添加している。水性メタリックイ
ンキ組成物として、例えば、特開平8−199108号
では、金属粉顔料と、樹脂と、潤滑性を付与できる特定
の化合物と、水溶性有機溶剤と、水とを少なくとも含む
ボールペン用水性顔料インキが開示されている。この文
献では、樹脂は、定着剤(バインダー樹脂)および粘度
調整剤として用いており、バインダー樹脂には、例え
ば、水溶性アクリル樹脂やアクリルエマルジョンなどが
含まれ、粘度調整剤としては、ザンサンガムが好ましい
と記載されるとともに、粘度調整剤としてのセルロース
誘導体は、ゲル化などを生じるため好ましくないと記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、慣用の
水溶性樹脂を一種含有した水性メタリックインキ組成物
を用いて、紙(例えば、慣用のコピー用紙など)などの
吸収面(水性インキを吸収又は浸透することができる
面)に塗布すると、顔料(着色剤)が紙内部に浸透し、
時間の経過とともに(例えば、筆記直後から筆記数分後
にかけて)塗膜の発色濃度が低下する。塗膜の印字又は
画像が滲み易くなるなどの問題も生じている。また、非
吸収面(水性インキをほとんど吸収又は浸透しない面)
に対する塗膜の定着性(接着性)が低い。さらに、水溶
性樹脂として、セルロース誘導体のみを用いると、ゲル
化などにより分散性が低下する場合が生じる。
【0004】本発明の目的は、塗膜の発色濃度の経時安
定性を改善できるとともに、非吸収面に対する塗膜の定
着性を向上できる水性メタリックインキ組成物を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、前記特性を有する
とともに、分散性が高い水性メタリックインキ組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、金属粉顔料、着色剤、水及び水溶性有機溶
剤を少なくとも含有してなる水性メタリックインキ中
に、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有させた水性
メタリックインキ組成物を用いると、発色濃度の経時安
定性が高く、さらに非吸収面に対する定着性が改善され
た塗膜を形成できることを見出だし本発明を完成させる
に至った。請求項1の発明は、金属粉顔料、着色剤、水
及び水溶性有機溶剤を少なくとも含有してなる水性メタ
リックインキ中に、天然多糖類及びセルロース誘導体を
含有することを特徴とする水性メタリックインキ組成物
である。
【0006】本発明の水性メタリックインキ組成物は、
天然多糖類及びセルロース誘導体を含有しているため、
着色剤が吸収面内部(例えば、画用紙などの内部)に浸
透し難く、塗膜の発色濃度の低下を抑制できる。これ
は、セルロース誘導体を天然多糖類と組み合わせている
とともに、セルロース誘導体で金属粉顔料をコーティン
グしているため、金属粉顔料に対して、セルロース誘導
体の作用が有効に働くためであると思われる。すなわ
ち、セルロース誘導体のカルボキシル基及び/又はヒド
ロキシル基が金属粉顔料に作用して、金属粉顔料の親水
性を強めるため、金属粉顔料と着色剤とのなじみ(結合
性)が高くなり、着色剤が金属粉顔料に捕捉され又は吸
着し、吸収面内への着色剤の吸収が抑制されるからであ
ると思われる。また、天然多糖類及びセルロース誘導体
を含有していることにより、塗膜の非吸収面(例えば、
アート紙等の面)に対する定着性が改善できる。これ
は、セルロース誘導体のカルボキシル基及び/又はヒド
ロキシル基と、非吸収面とが水素結合による結合性を有
するためであると思われる。したがって、本発明の水性
メタリックインキ組成物は、天然多糖類とセルロース誘
導体とを含有しているため、塗膜の発色濃度の低下を抑
制できるとともに、非吸収面に対して塗膜の定着性が高
い。
【0007】さらに、天然多糖類及びセルロース誘導体
を含有しているため、水性メタリックインキ組成物の粘
度を調整できるとともに、分散性を大きく向上できる。
これは、金属粉顔料がセルロース誘導体でコーティング
されるため、インキ組成物中において金属イオンの溶出
を抑制でき、天然多糖類に対する金属イオンの影響を抑
制又は防止できるからである。また、水性メタリックイ
ンキ組成物は、セルロース誘導体を含有しているにもか
かわらず、セルロース誘導体と天然多糖類とを組み合わ
せて用いているため、高い分散安定性を有している。
【0008】天然多糖類としては、微生物産系多糖類又
はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、お
よび水溶性動物系多糖類又はその誘導体から選択された
少なくとも一種を用いることができる。また、セルロー
ス誘導体には、カルボキシメチルセルロース又はその
塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースおよびヒドロキシプロピルエチルセルロ
ースから選択された少なくとも一種が含まれる。天然多
糖類の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01
〜4重量%であり、セルロース誘導体の含有量は、イン
キ組成物全量に対して0.01〜40重量%である。
【0009】また、金属粉顔料としては、真鍮粉顔料や
アルミニウム粉顔料を用いることができる。金属粉顔料
としては、特に、アルミニウム粉顔料を好適に使用でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】
(天然多糖類)本発明の水性メタリックインキ組成物の
特色は、天然多糖類とセルロース誘導体とを組み合わせ
て用いている点にある。そのため、メタリックインキ中
の着色剤が、吸収面の内部に浸透するのを抑止すること
ができるとともに、非吸収面に対する定着性を改善でき
る。また、インキ組成物の分散性が高い。
【0011】天然多糖類としては、微生物産系多糖類又
はその誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、水
溶性動物系多糖類又はその誘導体を用いることができ
る。
【0012】微生物産系多糖類又はその誘導体として
は、例えば、プルラン、ザンサンガム、ウェランガム、
ラムザンガム、サクシノグルカン、デキストランなどが
提示できる。
【0013】水溶性植物系多糖類又はその誘導体には、
例えば、トラガンシガム、グァ−ガム、タラガム、ロ−
カストビ−ンガム、ガディガム、アラビノガラクタンガ
ム、アラビアガム、クイスシードガム、ペクチン、デン
プン、サイリュームシードガム、カラギーナン、アルギ
ン酸、寒天などが含まれる。水溶性動物系多糖類又はそ
の誘導体には、例えば、ゼラチン、カゼインなどが含ま
れる。
【0014】好ましい天然多糖類としては、微生物産系
多糖類又はその誘導体、特に、ザンサンガム、ウェラン
ガム、ラムザンガムなどが挙げられる。
【0015】天然多糖類は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。天然多糖類の使用量は、例えば、イン
キ組成物全量に対して0.01〜4重量%、好ましくは
0.3〜2重量%である。天然多糖類の使用量が少なす
ぎると、アルミニウム粉顔料の分散性が低下し、アルミ
ニウム粉顔料が沈降する。一方、多すぎると、インキ組
成物の粘度が高くなり、筆記性、印刷適正が低下する。
【0016】(セルロース誘導体)セルロース誘導体と
しては、例えば、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチル
セルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロ−ス又はその塩
(ナトリウム塩、アンモニウム塩など)などが挙げられ
る。好ましいセルロース誘導体には、カルボキシメチル
セルロース又はその塩、ヒドロキシエチルセルロース、
さらに好ましくはカルボキシメチルセルロース又はその
塩(ナトリウム塩やアンモニウム塩など)が含まれる。
これらのセルロース誘導体、特にカルボキシメチルセル
ロース又はその塩は、アルミニウム粉顔料に対する作用
(前述のように、アルミニウム粉顔料の親水性を高める
効果)を顕著に発現できる。
【0017】セルロース誘導体の数平均分子量は、特に
制限されないが、例えば、8,000〜400,00
0、好ましくは10,000〜100,000の範囲か
ら選択できる。
【0018】セルロース誘導体は単独で又は二種以上組
み合わせて用いることができる。セルロース誘導体の使
用量は、例えば、インキ組成物全量に対して0.01〜
40重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。セ
ルロース誘導体の使用量が少なすぎると、アルミニウム
粉顔料に対する着色剤の定着性が低下し、塗膜の発色濃
度の低下を抑制できない。一方、多すぎると、アルミニ
ウム粉顔料間で凝集が起こり、粘度に対して影響(粘度
上昇)が生ずる。
【0019】(金属粉顔料)金属粉顔料としては、金属
光沢を有するものが使用でき、水に対する分散性が高い
ものが好ましい。金属粉顔料としては、リーフィングタ
イプであってもよく、ノンリーフィングタイプであって
もよい。金属粉顔料としては、特に制限されず、例え
ば、真鍮粉顔料やアルミニウム粉顔料、特にアルミニウ
ム粉顔料を好適に用いることができる。アルミニウム粉
顔料では、前記天然多糖類及びセルロース誘導体の作用
を顕著に発現できる。
【0020】真鍮粉顔料としては、例えば、商品名:B
S−605(東洋アルミニウム社製)、商品名:BS−
607(東洋アルミニウム社製)、商品名:ブロンズパ
ウダーP−555(中島金属箔粉工業(株)製)、商品
名:ブロンズパウダーP−777(中島金属箔粉工業
(株)製)などを用いることができる。
【0021】アルミニウム粉顔料としては、具体的に
は、商品名:アルペーストWJP−U75C(東洋アル
ミニウム社製)、商品名:アルペーストWE1200
(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペーストWX
M7675(東洋アルミニウム社製)、商品名:アルペ
ーストWXM0630(東洋アルミニウム社製)、商品
名:1110W(昭和アルミニウム社製)、商品名:2
172SW(昭和アルミニウム社製)、商品名:AW−
808C(旭化成社製)、商品名:AW−7000R
(旭化成社製)などが例示できる。
【0022】金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉
顔料)の平均粒子径は、例えば、5〜30μm、好まし
くは5〜15μmである。平均粒子径がこれらの範囲、
特に5〜15μmの金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニ
ウム粉顔料)は、筆記性、印刷適正が優れている。
【0023】金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉
顔料)は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
金属粉顔料(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔料)の使用
量は、例えば、インキ組成物全量に対して3〜30重量
%、好ましくは4〜15重量%である。金属粉顔料の使
用量が過小であると、金属光沢が発現しない。一方、過
多であると、固形分が多くなるため、インキ組成物の粘
度・流動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下に
より、筆記性などが低下する。
【0024】(着色剤)着色剤としては、水性インキに
対して分散性が良好であれば特に制限なく使用できる。
したがって、着色剤は、水溶性の着色剤を好適に使用で
きる。具体的には、着色剤には、例えば、フタロシアニ
ンα、フタロシアニンβ、塩素化フタロシアニン、アン
トラキノン、ペリレン、キナクリドン、ジオキサジン、
ジケトピロロピロール、イソインドリン、ファーネスカ
ーボン、アゾメチン、ナフトールなどが含まれる。
【0025】着色剤は単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。着色剤の使用量は、例えば、インキ組成物
全量に対して0.05〜15重量%、好ましくは1〜1
0重量%である。着色剤の使用量が過小であると、メタ
リック調の塗膜が得られない。一方、過多であると、固
形分が多くなるため、インキ組成物の粘度・流動性に影
響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、筆記性な
どが低下する。
【0026】(水)水としては、慣用の水(例えば、イ
オン交換水、蒸留水など)であれば何ら問題なく用いる
ことができる。水の使用量は、特に制限されず、他の成
分(天然多糖類、セルロース誘導体、金属粉顔料、着色
剤、水溶性有機溶剤など)の種類や使用量や、目的とす
るインキ組成物の粘度などに応じて選択することができ
る。水の使用量は、広い範囲、例えば、インキ組成物全
量に対して1〜80重量%程度の範囲から選択できる。
好ましい水の使用量は、20〜70重量%(さらに好ま
しくは30〜60重量%)程度である。
【0027】(水溶性有機溶剤)水溶性有機溶剤として
は、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコールなど)、グリ
コールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメ
チルエーテルなど)、カルビトール類(例えば、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテルなど)、グリセリ
ン、トリメチロールプロパンなどを好適に用いることが
できる。水溶性有機溶剤は単独で又は二種以上組み合わ
せて使用できる。水溶性有機溶剤の使用量は、例えば、
インキ組成物全量に対して1〜40重量%、好ましくは
5〜20重量%である。水溶性有機溶剤の使用量が過小
であると、インキ組成物が乾燥しやすく、ボールペン等
に用いると、目詰まりが起こり、塗布できない。一方、
過多であると、塗布後、インキが乾燥しにくい。
【0028】本発明の水性メタリックインキ組成物に
は、必要に応じて、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウ
ムナイトレートなど)、防腐防黴剤(例えば、ベンゾイ
ソチアゾリン系防腐防黴剤、ペンタクロロフェノール系
防腐防黴剤、クレゾール系防腐防黴剤など)、分散剤
(例えば、水溶性アクリル樹脂、水溶性マレイン酸樹
脂、水溶性スチレン−アクリル共重合体、水溶性スチレ
ン−マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂など)、界面活
性剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、p
H調整剤、擬塑性付与剤等の慣用の添加剤を添加しても
よい。
【0029】水性メタリックインキ組成物の粘度は、慣
用的に使用されている粘度、すなわち金属粉顔料が沈降
せず、筆記性や印刷適正に適した粘度であれば、特に制
限されない。本発明において、水性メタリックインキ組
成物の粘度は、例えば、20℃において、3,000〜
40,000cps、好ましくは3,000〜15,0
00cpsの範囲から選択できる。
【0030】(製造方法)本発明の水性メタリックイン
キ組成物は、前記成分、金属粉顔料、着色剤、水、水溶
性有機溶剤、天然多糖類及びセルロース誘導体などを慣
用の方法により混合して調製できる。例えば、水と、水
溶性有機溶剤と、金属(真鍮粉顔料、アルミニウム粉顔
料)とを混合して金属粉顔料分散体を調製し、これに、
セルロース誘導体を投入する。この分散溶液に、着色剤
を投入して分散させ、さらに、天然多糖類と、必要に応
じて各種添加剤とを投入して、水性メタリックインキ組
成物を調製できる。なお、着色剤は、予め分散剤により
分散させた着色剤分散体として用いてもよい。
【0031】なお、水性メタリックインキ組成物の調製
に際して行う分散、脱泡、濾過などの方法としては、慣
用の方法により行うことができる。
【0032】本発明の水性メタリックインキ組成物は、
吸収面における塗膜の発色濃度の経時変化が小さく、ま
た、非吸収面に対する塗膜の定着性が良好である。従っ
て、この水性メタリックインキ組成物を用いると、発色
濃度の経時安定性とともに、定着性が高い塗膜を、吸収
面、非吸収面において形成できる。また、このインキ組
成物は、高い分散性を有している。そのため、本発明の
水性メタリックインキ組成物は、記録用インキ(例え
ば、印刷用インキ、筆記用インキ、インクジェット記録
用インキなど)や塗料関連分野で用いられる水性メタリ
ックインキとして有用である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0034】(着色顔料分散体の調製例1)着色剤(フ
タロシアニンブルー)と、分散剤(スチレン−アクリル
共重合体)とを、フタロシアニンブルー/スチレン−ア
クリル共重合体=5/1(重量比)の割合で、イオン交
換水に投入し、水酸化ナトリウムを用いて、ボールミル
により分散させて、平均粒径0.08μm、固形分濃度
10重量%の顔料分散体を調製した。以下、この顔料分
散体を顔料ベース1と称する。 (着色顔料分散体の調製例2)着色剤(イソインドリ
ン)と、分散剤(スチレン−アクリル共重合体)とを、
イソインドリン/スチレン−アクリル共重合体=5/1
(重量比)の割合で、イオン交換水に投入し、水酸化ナ
トリウムを用いて、ボールミルにより分散させて、平均
粒径0.15μm、固形分濃度10重量%の顔料分散体
を調製した。以下、この顔料分散体を顔料ベース2と称
する。
【0035】(実施例1〜5および比較例1〜7)各実
施例および各比較例では、それぞれ表1又は表2に示す
割合(表1及び表2中の各種成分の配合量はいずれも重
量%である)で配合してインキ組成物を調製した。具体
的には、各実施例および各比較例では、イオン交換水及
び水溶性有機溶剤の混合液に、金属粉顔料(真鍮粉顔料
又はアルミニウム粉顔料)を、室温(20〜25℃)で
1時間攪拌して分散させた後、セルロース誘導体を投入
して、さらに1時間攪拌して、金属粉顔料にセルロース
誘導体を吸着させてコーティングした。この分散体に、
顔料ベースを加え、室温(20〜25℃)で1時間攪拌
し、金属粉顔料上に、着色剤を吸着させて着色させた。
この着色した金属粉顔料の分散体に、天然多糖類と、各
種添加剤とを投入し、さらに、室温(20〜25℃)
で、1時間攪拌して、水性メタリックインキ組成物を得
た。
【0036】なお、原料としては、次の金属粉顔料、天
然多糖類、セルロース誘導体などの着色用接着樹脂、防
腐防黴剤などを用いた。 (金属粉顔料) ・アルミニウム粉顔料1 商品名:アルペーストWXM0630、東洋アルミニウ
ム(株)社製、リーフィングタイプ、平均粒径:約8μ
m ・アルミニウム粉顔料2 商品名:アルペーストWXM7675、東洋アルミニウ
ム(株)社製、ノンリーフィングタイプ、平均粒径:約
15μm ・真鍮粉顔料1 商品名:BS−605、東洋アルミニウム(株)社製 ・真鍮粉顔料2 商品名:BS−607、東洋アルミニウム(株)社製 (天然多糖類) ・キサンタンガム 商品名:KELZAN、三晶(株)社製 ・ウェランガム 商品名:K1A96、三晶(株)社製 ・ラムザンガム 商品名:K7C233、三晶(株)社製 (着色用接着樹脂) ・カルボキシメチルセルロース1(「CMC1」と称す
る) 商品名:セロゲン7A、第一工業製薬(株)社製、数平
均分子量:27,000〜33,000 ・カルボキシメチルセルロース2(「CMC2」と称す
る) 商品名:セロゲンPR、第一工業製薬(株)社製、数平
均分子量:47,000〜54,000 ・ヒドロキシエチルセルロース(「HEC」と称する) 商品名:ダイセルSP550、ダイセル化学工業(株)
社製 ・ポリビニルアルコール 商品名:PVA−117、クラレ(株)社製、数平均分
子量:1800 ・デキストリン 商品名:エスイ−100、松谷化学工業社製、還元澱粉
加水分解物 ・ポリアクリル酸ナトリウム 商品名:ジュリマーAC−20N、日本純薬(株)社製 ・スチレンアクリルエマルジョン(「St−Aエマルジ
ョン」と称する) 商品名:ジョンクリル1535、ジョンソンポリマー
(株)社製 ・アクリル酢酸ビニルエマルジョン(「A−Acエマル
ジョン」と称する) 商品名:モビニールSK−3000、ヘキスト合成
(株)社製 (防腐防黴剤) ・1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 商品名:プロクセルGXL、ヘキスト合成(株)社製 (防錆剤) ・ベンゾトリアゾール
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】(インキ組成物の評価)実施例1〜5およ
び比較例1〜7で得られたメタリックインキ組成物を、
それぞれ、試験管に入れ、室温(20〜25℃)で1日
間放置して、色分れを目視観察して分散性を評価した。
実施例で得られたインキ組成物では、色分れは観察され
なかった。
【0040】また、実施例1〜5および比較例1〜7で
得られたメタリックインキ組成物を、それぞれ、インキ
収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心分離により除去
してボールペンの試験サンプルを作製した。この試験サ
ンプルを用いて、次の発色性試験、接着性試験により、
筆跡の発色性、接着性を評価し、その結果を表1又は表
2に示した。なお、インキ収容部としては、洋白ボール
ペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一端に連設し
たポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボールペン用イ
ンキ収容部を用いた。
【0041】(発色性試験)試験サンプルを用いて、黒
画用紙上(吸収面)に筆記し、筆跡の発色性を以下の基
準により目視で評価した。 ○:着色顔料の色とともに、良好な金属光沢を有する筆
跡である。 ×:着色顔料の色がなく、アルミニウム粉顔料の色のみ
の筆跡である。
【0042】(接着性試験)試験サンプルを用いて、黒
アート紙上(非吸収面)に筆記し、乾燥させた。その筆
跡に対して、荷重1kgで一回擦り、その後の筆跡の状
態を、以下の基準により目視で評価した。 ○:擦過前後で、筆跡の変化は全くない △:擦過後、筆跡の一部が剥がれる ×:擦過後、筆跡が残っていない
【0043】実施例1及び4では、青色のメタリック調
の筆跡が得られ、その筆跡の非吸収面に対する接着性は
高かった。実施例2、3及び5では、金色のメタリック
調の筆跡が得られ、その筆跡の非吸収面に対する接着性
は高かった。
【0044】一方、比較例1及び6では、メタリック調
の筆跡が得られず、また、筆跡の非吸収面に対する接着
性も低かった。比較例2及び7では、金色のメタリック
調の筆跡が得られたが、筆跡の非吸収面に対する接着性
も低かった。比較例3〜5では、メタリック調の筆跡が
得られず、非吸収面に対して筆跡の接着性の強さが十分
でなかった。
【0045】従って、実施例1〜5で得られた水性メタ
リックインキ組成物を用いると、発色濃度が高いメタリ
ック調の筆跡が得られるとともに、非吸収面に対して接
着性が高い筆跡が得られる。
【0046】
【発明の効果】本発明の水性メタリックインキ組成物を
用いると、金属粉顔料、着色剤、水、水溶性有機溶剤、
天然多糖類及びセルロース誘導体を含有しているため、
発色濃度の高いメタリック調の塗膜を形成できるととも
に、非吸収面に対する定着性が高い塗膜を形成できる。
また、このインキ組成物は、分散性が高い。さらに、本
発明では、セルロース誘導体で金属粉顔料(真鍮粉顔料
やアルミニウム粉顔料など)がコーティングされている
ため、金属イオン(銅イオンやアルミニウムイオンな
ど)の溶出を抑制でき、天然多糖類に対する金属イオン
の影響(例えば、粘度変化など)を抑制できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉顔料、着色剤、水及び水溶性有機
    溶剤を少なくとも含有してなる水性メタリックインキ中
    に、天然多糖類及びセルロース誘導体を含有することを
    特徴とする水性メタリックインキ組成物。
  2. 【請求項2】 金属粉顔料が真鍮粉顔料又はアルミニウ
    ム粉顔料である請求項1記載の水性メタリックインキ組
    成物。
  3. 【請求項3】 天然多糖類が、微生物産系多糖類又はそ
    の誘導体、水溶性植物系多糖類又はその誘導体、および
    水溶性動物系多糖類又はその誘導体から選択された少な
    くとも一種である請求項1又は2記載の水性メタリック
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】 セルロース誘導体が、カルボキシメチル
    セルロース又はその塩、メチルセルロース、ヒドロキシ
    エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
    ドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプ
    ロピルエチルセルロースから選択された少なくとも一種
    である請求項1、2又は3記載の水性メタリックインキ
    組成物。
  5. 【請求項5】 インキ組成物全量に対して、天然多糖類
    0.01〜4重量%、およびセルロース誘導体0.01
    〜40重量%を含有する請求項1及至4のいずれかの項
    に記載の水性メタリックインキ組成物。
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