JP4723118B2 - 回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルク特性及び低トルクリップルの要求が厳しい分野に用いられる回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベータ用の回転電機等においては、トルク力に対して厳しい要求がある。限られたスペースにおいてこの要求されるトルク力を達成するためには、小型で大きなトルク力が得られる回転電機の開発が要求される。
【0003】
また、トルク力に対する要求とともに、低トルクリップルに対しても厳しい要求がある。
例えば、誘導電動機などの回転電機においては、固定子あるいは回転子に、コイルを収めるための鉄心に打ち抜いた溝、いわゆるスロットが空隙部近傍に形成され、このスロット部と鉄心部との磁気抵抗の差異により、空隙部に形成される磁界の磁束密度には、疎密が生じる。このために空隙部の磁束分布に多くの高調波成分が含まれ、誘導電導機にトルクの大小が発生する。この誘導電導機に発生するトルクの大小は、いわゆるトルクリップル(トルク脈動)といわれるものであり、このトルクリップルの問題を解決することが必要になる。
【0004】
従来は、この問題を解決するために、固定子または回転子に形成されたスロットを回転軸方向から斜めにずらす、いわゆる斜めスロットが採用される。また、実開平4−97459号公報に開示された回転電機のように、1つの回転子に対して複数個の固定子を設けて、この複数個の固定子に形成されるスロットの位置を互いに回転方向にずらしたり、1つの固定子に対して回転子を複数個設けて、この複数個の回転子のスロットの位置を互いに回転方向にずらすとともに、スロット内に納められた各巻線を直列に接続したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、誘導電動機などの回転電機において、トルク力を大きくするためには、回転軸の中心軸方向の軸長を長くする、あるいは回転子及び固定子の径を大径にして、回転子と固定子との間に形成される空隙の面積を大きくすることになり、トルク力の増大と小型化とは両立させるのが困難であるという問題がある。
【0006】
また、トルクリップルの問題を解決するために、斜めスロットを採用した回転電機あるいは実開平4−97459号公報に開示された回転電機では、回転子の磁極と固定子の磁極との対向面積が減少する等のため、トルク力が低下してしまうという問題がある。
【0007】
特に、固定子を構成するコアに形成されたティースに巻線を集中的に巻回した、いわゆる磁極集中巻の回転電機においては、上記のような従来のトルクリップルの低減方法では、トルク力の低下が大きくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、限られた軸長においてトルク力を増大させることができる回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置を提供するものである。
【0009】
また、トルク力を低下させることなく、トルクリップルを低減することができる回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の回転電機は、回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、上記各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と上記空隙半径との積を相互に等しくしたものである。
【0011】
本発明に係る第2の回転電機は、回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたものである。
【0012】
本発明に係る第3の回転電機は、上記第2の回転電機において、2組のモータ部それぞれが三相交流の電源で駆動され、該モータ部の相対距離の差を位相差で表したとき、上記モータ部間の位相差が電気角で90度の奇数倍であるものである。
【0013】
本発明に係る第4の回転電機は、上記第2または第3の回転電機において、モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と空隙半径との積を相互に等しくしたものである。
【0014】
本発明に係る第5の回転電機は、上記第1ないし第4のいずれかの回転電機において、固定子は、固定子を構成する固定子コアに形成されたティースそれぞれに巻線を集中的に巻回した、磁極集中巻型であるものである。
【0015】
本発明に係る第6の回転電機は、上記第5の回転電機において、固定子を構成する固定子コアのティースは、個々に分割されている、またはティースのコイルを巻回する巻回部が隣合うティースとの間で広げることができるように接続されているものである。
【0016】
本発明に係る第7の回転電機は、上記第1ないし第6のいずれかの回転電機において、固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して平行に配置されているラジアルギャップ型であるものである。
【0017】
本発明に係る第8の回転電機は、上記第1ないし第6のいずれかの回転電機において、固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して垂直に配置されているアキシャルギャップ型であるものである。
【0018】
本発明に係る第9の回転電機は、上記第7の回転電機において、固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の中心軸方向に対して斜めに配置されているものである。
【0019】
本発明に係る第10の回転電機は、上記第8の回転電機において、固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の径方向に対して斜めに配置されているものである。
【0020】
本発明に係る第1の滑車駆動装置は、回転軸に固定された滑車部と、該滑車部と一体に形成されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明における実施の形態1の構成を示す部分断面図である。図において、1は回転機部、2は回転機部1を駆動する駆動部である。回転機部1は概略回転対称であるため、回転軸の片側のみ示してある。
【0022】
まず、回転機部1の構成について説明する。回転機部1には、モータA3及びモータB4が配置されている。回転子6は、円筒状のヨーク部(鉄心部)6aの外周に永久磁石3aが固定され、ヨーク部6aの内周に永久磁石4aが固定され、永久磁石3aと永久磁石4aが回転軸5の中心軸と垂直な方向に直列に配置されてなる。フレーム7には、永久磁石3aに対向する固定子3bと永久磁石4aに対向する固定子4bが固定され、永久磁石3aと固定子3bが組をなしてモータA3を構成し、永久磁石4aと固定子4bが組をなしてモータB4を構成している。すなわち、モータA3及びモータB4は、ヨーク部6aを共有し、回転軸5の中心軸と垂直な方向に直列に配置された構成になっている。フレーム7及びブラケット8と回転軸5との間にはベアリング9が配置され、回転軸5を回転可能に支持している。
【0023】
モータB4の固定子4bを固定するフレーム7の内側には空間が形成され、この空間に、回転位置検出装置として機能するエンコーダ10が配置され、エンコーダ10の回転部10aは回転軸5に固定され、エンコーダ10の固定部10bはフレーム7に固定されている。
【0024】
次に、駆動部2との関係について説明する。回転機部1の駆動用として、電圧及び周波数を可変とする可変電源2a及び2bが設けられ、それぞれモータA3とモータB4に接続され、モータA3にはパワー部Aより、また、モータB4にはパワー部Bよりそれぞれ電流が供給される。すなわち、モータA3とモータB4はそれぞれ独立の可変電源2a及び可変電源2bにより駆動される。エンコーダ10から出力される回転位置信号は、可変電源2bのコントローラBに伝えられ、このコントローラBからさらに、可変電源2aのコントローラAに伝えられる。即ち、エンコーダ信号をコントローラA及びコントローラBで共有する構成となっている。
【0025】
次に、モータA3及びモータB4について説明する。モータA3及びモータB4は、永久磁石3a,4aに対向する固定子3b,4bが、電機子巻線と固定子コアを有する、いわゆる回転界磁型の同期電動機である。
【0026】
図2は、図1中のII−II断面(ただし巻線省略)を示す図であり、図3は、図2の巻線の様子を説明するための部分拡大図であり、図4は、電機子巻線の結線を示す図であり、図5は、固定子コアを構成するティースを示す平面図である。これらの図を用いて、モータA3およびモータB4の構成を説明する。
【0027】
本実施の形態では図2に示したように、回転子6のヨーク6aに固定された永久磁石3a,4aの極数を32、固定子3b,4bに形成されたスロット数を36としている。また、図3に示したように、固定子3b,4bに配置された電機子巻線3c,4cは、それぞれの固定子コア3d,4dのティース3f,4fに集中的に巻回された、いわゆる磁極集中巻により構成されている。
【0028】
固定子コア3d,4dに形成されたティース3f,4fは、1個ずつに分割され、巻線工程の後にリング状に形成される、分割構造のコアとなっている。この分割構造については、各ティース3f,4fが完全に分離していてもよいし、例えば図5(a)に示したように、分割されたティース3f,4fが薄肉部3h,4hで連結された構造、あるいは図5(b)に示したように、分割されたティース3f,4fがジョイント部3j,4jによりつながった構造でもよい。すなわち、各ティース3f,4fのコイル巻回部3k,4kの間隔をコイル巻回時には広げ、コイル巻回後に狭めて円形状にするための薄肉部3h,4hあるいはジョイント部3j,4jといった接続部を設けるものである。
なお、図3は正確には固定子3b、即ち対向面よりも半径方向外側に固定子がある場合の図であるが、固定子4bについても考え方は同様であるため併せて記述した。
【0029】
また、図4に示したように、電機子巻線3c,4cの結線については同相の集中巻きコイルが3つずつ直列につながったものがさらに4組並列につながった三相星型結線としている。
【0030】
本実施の形態では、上記のように構成したので、ある定められた回転軸5の軸長に対し、トルクを発生する空隙面を2箇所設けることになり、その結果、回転軸5の中心軸方向の厚みが薄く、かつトルクの大きい回転電機が得られる。
【0031】
また、2つのモータA3及びモータB4はいずれも回転界磁型の永久磁石式同期電動機とすることによって、回転子6側へ給電する必要がなく、ブラシや整流子、スリップリングなどが不要で信頼性の高いモータとすることができる。
【0032】
また、固定子3b,4bは磁極集中巻とすることによって、コイルエンド部の長さが短くなり、回転軸5方向の長さを短くすることができる。
【0033】
さらに、分割コアとすることによって、占積率も高くなり、さらにモータA3及びモータB4の回転軸の中心軸方向長さである軸長を短くすることができる。
【0034】
実施の形態2.
図6は、本発明における実施の形態2の構成を示す断面図であり、図1におけるII−II断面を示している。
【0035】
同図に示したように、モータA3及びモータB4の回転子6のヨーク6aに固定された永久磁石3a,4aは、同一の極性の磁極が回転軸5の周方向における同一位置に配置され、モータA3の固定子3bの磁極(+U1)とモータB4の固定子4bの磁極(+U1)は、回転軸5の周方向の位置をずらして配置している。例えば、ある基準位置θを定めたときに、回転子6に固定された永久磁石3a,4aのN極中心が、モータA3及びモータB4の双方においてθ=0゜の位置にきている。一方、固定子3b,4bについては、モータA3における1つのU相巻線軸の中心がθ=0゜の位置に置かれるが、モータB4における同じU相巻線軸の中心がθ=5.625°の位置に置かれている。すなわち、回転子6の永久磁石3a,4aは回転軸5に対して回転軸5の周方向が同じ位置に取り付けられているのに対し、固定子3b,4bの設置角度は機械角で5.625°の位相差が生じるようにしている。本実施の形態では32極機なので、設置角度のずれは、後述するように電気角5.625×(32/2)=90°に相当する。このように、本発明では、モータ部A3,B4における回転子6及び固定子3b,4bの同一磁極の回転軸5の周方向における相対距離を、モータ部A3,B4で互いに異なるようにするものである。
【0036】
次に、モータA3及びモータB4に発生するトルクリップルについて説明する。永久磁石モータにおいては、永久磁石が形成する磁界分布に含まれる空間高調波成分に起因してトルクリップル(トルクの脈動)が発生することが知られている。本実施の形態のように三相星型結線により駆動されるモータにおいては、3n次高調波磁束(n=1,2,3…)に起因する誘起電圧はキャンセルされるので、5次、7次、11次、13次、…の誘起電圧高調波成分が発生する。この誘起電圧と電流との積がトルクになるが、三相巻線の機械的な配置を考慮すると、一般にトルクは次式(1)であらわされる。
T=T_0+T_6・cos(6・ω・t+δ_6)+T_12・cos(1
2・ω・t+δ_12)+… (1)
ただし、T_0は平均トルク、ωは電源電流の角周波数、T_nはn次のトルク脈動成分の振幅、δ_nはn次成分トルクリップルの初期位相である。
【0037】
一般に、このようなトルクリップルの中で、より低次の成分のほうが絶対値が大きいことが知られており、実用上問題となるのは6次成分である。
【0038】
次に、固定子に工作誤差がある場合、一般に2n次のトルクリップルが発生することが知られている。すなわち、この時のトルクTは、次式(2)とあらわされ、式の中で、特に2次の成分の値が大きい。
T=T_0+T_2・cos(2・ω・t+δ_2)+T_4・cos(4・
ω・t+δ_4)+T_6・cos(6・ω・t+δ_6)+T_8・c
os (8・ω・t+δ_8)+T_10・cos(10・ω・t+
δ_10)+T_12・cos(12・ω・t+δ_12)+… (2)
ただし、T_0は平均トルク、ωは電源の角周波数、T_nはn次のトルク脈動成分の振幅、δ_nはn次成分トルクリップルの初期位相である。
【0039】
上記式(1)及び(2)のように、永久磁石の作る高調波に起因する成分と、固定子の工作誤差に起因する成分とが合成されて、トルクリップルが発生し、そのうち、特に、2次と6次の成分が大きくなる。
【0040】
工作誤差に起因するトルクリップルの要因としては、各相巻線のアンバランス、偏心、固定子内径歪などが挙げられる。これらの要因のうち、特に、分割構造のコアを用いた場合において、固定子の内径の歪がトルクリップルに対して大きく影響する。
【0041】
発明者らの実験により、固定子の歪は溶接位置でほぼ規定される傾向にあり、特に分割構造のコアの場合は、その傾向が顕著であることがわかっている。例えば、図7に例示(但し実際とティース数は異なる)したように、複数のティース部3f,4fからなる2つのコアブロック3g,4gを溶接することで円形のコアに仕上げた場合、図8に模式的に示したように2箇所の溶接部3y,4yにより上下矢印の方向に歪が生じ、楕円形状に変形してしまう。溶接点数が異なる場合も同様である。従って、モータA3とモータB4において、溶接部3y,4yの位置を同一としておけば、上記説明の位相差をモータA3とモータB4の間で設けることによって、安定に再現性よく、トルクリップルを低減することができる。
【0042】
次に、モータA3とモータB4とを独立の可変電源2a,2bで駆動し、独立に制御した場合のトルクリップル抑制方法について説明する。
【0043】
モータA3とモータB4の6次トルクリップルおよび2次トルクリップルの位相を反転させることによって、トルクリップルを相殺することが可能である。反転させるための角度は、6次トルクリップルについては、基本波成分(電源周波数)の1/6であるから、電気角で180/6=30°の奇数倍(30°、90°、150°、…)であればよい。また、2次トルクリップルについては、基本波成分(電源周波数)の1/2であるから、電気角で180/2=90°の奇数倍(90°、270°、450°、…)であればよい。すなわち、これらの電気角度に共通する位相差として、電気角で90°の奇数倍であれば、6次および2次の双方のトルクリップルを相殺することが可能である。
【0044】
このときの駆動電流波形としては、モータA3,モータB4それぞれに最適な通電位相で通電されることになる。即ち、モータA3とモータB4とでは、通電タイミングが電気角90°分だけずれるようになる。
【0045】
以上の説明から明らかなように、固定子3b,4b、回転子6のヨーク部6a及びヨーク部6aに固定された永久磁石3a,4aの組からなるモータA3及びモータB4における、固定子3b,4bと永久磁石3a,4aの磁極の位置関係を互いに回転軸5の周方向にずらし、モータA3及びモータB4それぞれを独立に可変電源2a,2bで駆動することによって、トルク力が低下しないようにするとともに、トルクリップルを低減することができる。
【0046】
特に、従来、トルクリップル対策によってトルク力の低下が大きくなった集中巻モータに対して、本実施の形態のモータA3及びモータB4を備えた場合、トルク力を低下させず、かつトルクリップルを抑制する効果が顕著になる。
【0047】
また、モータA3及びモータB4それぞれが三相交流の可変電源で駆動される回転電機において、モータA3とモータB4との間の位相差を電気角で90度の奇数倍とすることによって、高調波磁束に起因して発生するトルクリップル(電源周波数の6倍の周期)、及び固定子の工作誤差(回転子との対向面の歪、あるいは偏心など)に起因して発生するトルクリップル(電源周波数の2倍の周期)の両者を相殺することができる。
【0048】
なお、上記本実施の形態の説明においては、2つのモータ部の位相関係を用いてトルクリップルを低減し、斜めスロット構成を採用しない場合について説明してきたが、さらに、それぞれのモータ部に斜めスロット(スキュー)構成を採用してもよい。スキュー構成を採用することによって、トルクリップルをより確実に除去できる。また、高調波磁束に起因して発生するトルクリップルおよび固定子の工作誤差に起因して発生するトルクリップル以外のトルクリップルをも除去することができる。
【0049】
図9は、スキュー構成の一例として、回転子側の永久磁石(磁極)をスキュー構成とした例について示したものであり、図9(a)は、回転子と固定子の対向面が回転軸の軸方向と平行に配置されたラジアルギャップ型における回転子の永久磁石を平面展開図で示しており、図9(b)は、後述のアキシャルギャップ型の回転子の永久磁石を示す平面図である。図9(a)において、永久磁石3a,4aは回転軸の軸方向を示す矢印に対して斜めになるように設置されている。このように、永久磁石3a,4aを軸方向に対して斜めになるように設置することによって、固定子に鎖交する磁束の位相が軸方向でずれることになり、その結果、トルクリップルを相殺することができる。
【0050】
スキュー角は軸方向に対して斜めになっている割合であり、図9(a)中に示したa(軸方向から傾けたときの下端のずれ量),b(S+N磁石の幅)を用いて定義すると、電気角で360×a/b(deg)で表される。このスキュー角を適当に調整することで、以下のような効果を得ることができる。
すなわち、スキュー角を電気角で180°相当にすることによって、電源周波数の6倍の周期を持つ成分と、電源周波数の2倍の周期をもつ成分の両者を相殺することが可能となり、2つの独立したモータを設け、位相をずらすことと相俟って、より確実にトルクリップルを低減することができる。
【0051】
また、スキュー角を電気角で180°以外の値にした場合であっても、上記電源周波数と関係した成分以外の成分が発生した場合に、この成分を相殺することも可能になる。例えば、回転子の工作誤差(界磁磁極の位置ずれ等)に起因して、1回転当りのスロット数と同数のトルク脈動(本実施の形態では1回転あたり36回のトルク脈動となる)が発生する場合があるが、この場合、スキュー角を電気角で160°とすることによって、上記36回のトルク脈動を低減することが可能になる。
【0052】
図9(b)に示したアキシャルギャップ型の場合には、スキューなしの場合に比較して、永久磁石の回転軸径方向の角度をずらせばよく、このずらした角度がスキュー角であり、このスキュー角を調整することによって、図9(a)のラジアルギャップ型の場合と同様の効果が得られる。
【0053】
なお、図9(c)に示したように、永久磁石3a,4aを2段に構成し、各段を横方向にずらすスキュー構成としても、図9(a)のように斜めにしたスキュー構成と同様の効果が得られる。
【0054】
また、図9では、回転子側の磁極をスキュー構成にした例について示したが、固定子側の磁極をスキュー構成にしてもよく、また、回転子側および固定子側両方の磁極を互いに逆方向になるようなスキュー構成としてもよい。
【0055】
実施の形態3.
図10は、本発明における実施の形態3の構成を示す断面図であり、図1と同一符号は同一部分または相当部分を示す。また、回転機部1のみを示し、駆動部は省略している。
【0056】
本実施の形態は、図に示したように、モータA3とモータB4との軸長を変えたものである。即ち、モータA3、モータB4における回転軸5の中心から永久磁石3a,4aと固定子3b,4bとの間に形成される空隙の中心までの距離を空隙径と定義し、モータA3の空隙径をRa、モータB4の空隙径をRb、モータの回転軸5の中心軸方向の長さである軸長をモータA3ではLa、モータB4ではLbとしたとき、次式(3)の関係を満たすように軸長を調整している。
Ra・La=Rb・Lb (3)
【0057】
上記のように、空隙径と軸長との積がモータA3とモータB4で互いに等しくなるように調整することによって、モータA3及びモータB4が同一のトルクを発生している状態において、各モータA3,B4の電流密度すなわち磁束密度をほぼ同等にすることができる。すなわち、磁気飽和の度合いがほぼ等しくなるため、トルク脈動の大きさが両者でほぼ等しくなり、トルクリップルの相殺をより容易に実現することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、2つのモータの場合について説明したが、3つ以上の場合についても同様に、空隙径と軸長との積が複数のモータで互いに等しくなるように調整すればよい。
【0059】
実施の形態4.
図11は、本発明における実施の形態4の構成を示す部分断面図であり、上記実施の形態1、2または3の回転電機を用いたモータ一体形の滑車駆動装置の例である。図において、実施の形態1,2及び3と同一符号は同一部分または相当部分を示し、その詳細説明は省略する。
【0060】
図に示したように、巻上機11は、モータA3及びモータB4の回転子6のヨーク部(鉄心部)6aと滑車部12とが一体に構成され、この一体構成されたものが回転軸5に固定されている。すなわち、ヨーク部6aがヨーク部6aと一体化された滑車部12を介して回転軸5に固定されている。
【0061】
巻上機11を駆動する駆動部2には、実施の形態1,2及び3と同様、2つの可変電源2a,2bが設けられ、それぞれモータA3とモータB4に接続される。すなわち、モータA3とモータB4はそれぞれ独立した可変電源2a,2bによって駆動される。
【0062】
本実施の形態においては、ヨーク部6aの回転軸5に対する固定を回転軸5に固定された滑車部12と一体化することによって行っているので、部品点数の削減により生産性が向上し、コンパクトになるほか、モータA3,B4で発生する回転トルクを、ヨーク6aと一体化された滑車部12に直接伝達することができ、機械強度を得やすいという利点がある。
【0063】
なお、上記実施の形態1ないし4においては、図2に示したように、回転子6のヨーク部6aに固定した永久磁石3a,4aの同一磁極が回転軸5の周方向において同一位置になるように取り付け、固定子3b,4bの磁極が回転軸5の周方向に電気角90°ずれるようにした例について示したが、トルクリップル(トルク脈動)を相殺できる配置であればこれに限られるものではない。図12はその一例であり、図1のII−II断面を示している。図12に示したように、この例では固定子3b,4bの同一の磁極が回転軸5の周方向における同一位置になるように取り付け、回転子6に固定された永久磁石3a,4aの同一極性の磁極が回転軸5の周方向に電気角90°ずれるように構成している。
【0064】
また、回転子6の極数を32、固定子3b,4bのスロット数を36とした例について示したが、これに限られるものではない。
【0065】
また、回転位置検出装置としてエンコーダ10を用いた例を示したが、これに限られるものではなく、レゾルバなどでもよい。
【0066】
また、エンコーダ10からの回転位置信号は、センサ信号のまま共有し、双方のコントローラにおいて演算処理を行っても良いし、マスタースレーブのようにして、一方(マスター側)のみで信号処理を行い、他方(スレーブ側)はスイッチングのタイミング情報のみをマスター側から受け取っても良い。
【0067】
また、モータA3とモータB4の2つの場合を示したが、3つ以上のモータとしてもよい。この場合も、2つのモータの場合と同様に、モータ部における回転子のヨーク部に固定された永久磁石及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部でずらすようにして設ければよい。
【0068】
また、モータ部は全て、固定子3b,4bと回転子6に固定された永久磁石3a,4aの対向面が円筒面となった、いわゆるラジアルフラックス型のモータであるので、固定子3b,4bと回転子6との間に働く電磁力を周方向で相殺し、ベアリング9に働く力を小さく抑えることができ、ベアリング寿命を延ばすことができるという効果がある。
【0069】
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5を示す断面図であり、図1と同一符号は同一部分または相当部分を示す。本実施の形態においては、図に示したように、モータA3,B4が、固定子3b,4bと回転子6に固定された永久磁石3a,4aの対向面が円筒面ではなく側面(すなわち平面部)になった、いわゆるアキシャルフラックス型のモータである。
【0070】
本実施の形態では、固定子3b,4bと永久磁石3a,4aとの対向面にかかる電磁力に抗して空隙長を保持することが必要となるため、支持構造をより強固にする必要があるが、機械的な面精度は円筒面に比べて向上するので、面精度に起因するトルクリップルを低減させることができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る第1の回転電機によれば、回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、上記各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と上記空隙半径との積を相互に等しくしたものであるので、一定の軸長の回転電機に対してトルク力を増大させることができ、小型化とトルク力の増大とを両立させることができるとともに、複数のモータ部が同一のトルク力を発生している状態で、電流密度すなわち磁束密度を同等にでき、トルクリップルの相殺をより容易に実現することができる。
【0072】
本発明に係る第2の回転電機によれば、回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたものであるので、一定の軸長の回転電機に対してトルク力を増大させることができ、小型化とトルク力の増大とを両立させることができるとともに、トルクを低下させることなく、安定に再現性よくトルクリップルを低減することができ、高性能な回転電機を提供することができる。
【0073】
本発明に係る第3の回転電機によれば、2組のモータ部それぞれが三相交流の電源で駆動され、該モータ部の相対距離の差を位相差で表したとき、上記モータ部間の位相差が電気角で90度の奇数倍であるので、高調波磁束に起因して発生するトルクリップル(電源周波数の6倍の周期)、及び固定子の工作誤差(回転子との対向面の歪、あるいは偏心など)に起因して発生するトルクリップル(電源周波数の2倍の周期)の両者を相殺できるという効果がある。
【0074】
本発明に係る第4の回転電機によれば、モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と空隙半径との積を相互に等しくしたものであるので、複数のモータ部が同一のトルク力を発生している状態で、電流密度すなわち磁束密度を同等にでき、トルクリップルの相殺をより容易に実現することができる。
【0075】
本発明に係る第5の回転電機によれば、固定子は、固定子を構成する固定子コアに形成されたティースそれぞれに巻線を集中的に巻回した、磁極集中巻型であるものであり、従来、トルクリップル対策によってトルク特性の低下が大きくなった集中巻モータに対して、トルク特性を低下させず、かつトルクリップルを抑制することができる。また、生産性が向上するという効果がある。
【0076】
本発明に係る第6の回転電機によれば、固定子を構成する固定子コアのティースは、個々に分割されている、またはティースのコイルを巻回する巻回部が隣合うティースとの間を広げることができるように接続されているので、巻線時の生産性が向上することができ、また、各モータ部の軸長を短くすることができるという効果がある。
【0077】
本発明に係る第7の回転電機によれば、固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して平行に配置されているラジアルギャップ型であるものであるので、固定子と回転子との間に働く電磁力を周方向で相殺し、ベアリングに働く力を小さく抑えることができ、ベアリング寿命を延ばすことができるという効果がある。
【0078】
本発明に係る第8の回転電機によれば、固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して垂直に配置されているアキシャルギャップ型であるので、対向面の面精度を円筒面に比べて高めることができ、工作誤差に起因するトルクリップルを抑制できるという効果がある。
【0079】
本発明に係る第9の回転電機によれば、固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の軸方向に対して斜めに配置されているものであるので、より確実にトルクリップルを低減することができる。また、電源周波数の種々の成分と関係したトルクリップル、あるいは電源周波数の成分以外の成分が発生した場合に、この成分を相殺することも可能になる。
【0080】
本発明に係る第10の回転電機によれば、固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の径方向に対して斜めに配置されているものであるので、より確実にトルクリップルを低減することができる。また、電源周波数の種々の成分と関係したトルクリップル、あるいは電源周波数の成分以外の成分が発生した場合に、この成分を相殺することも可能になる。
【0081】
本発明に係る第1の滑車駆動装置は、回転軸に固定された滑車部と、該滑車部と一体に形成されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたものであるので、一定の軸長の回転電機部に対してトルク力を増大させることができ、トルクを低下させることなく、安定に再現性よくトルクリップルを低減することができ、高性能で小型化とトルク力の増大とを両立させることが可能な滑車駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における実施の形態1の構成を示す部分断面図である。
【図2】 図1のII−II断面を示す図である。
【図3】 本発明における実施の形態1の巻線の様子を説明するための部分拡大図である。
【図4】 本発明における実施の形態1の巻線の結線状態を説明する図である。
【図5】 実施の形態1における固定子コアのティースの接続状態を示す平面図である。
【図6】 本発明における実施の形態2を示す断面図である。
【図7】 実施の形態2におけるモータコアの溶接の様子を説明するための図である。
【図8】 実施の形態2におけるモータコア溶接時の固定子内径変形の様子を説明するための図である。
【図9】 本発明における回転子のスキュー構成を示す平面図である。
【図10】 本発明における実施の形態3の構成を示す断面図である。
【図11】 本発明における実施の形態4の構成を示す断面図である。
【図12】 実施の形態2及び3の固定子と回転子の位置関係の別例を示す断面図である。
【図13】 本発明における実施の形態5の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転機部、2 駆動部、2a,2b 可変電源、3 モータA、
3a,4a 永久磁石、3b,4b 固定子、3c,4c 電機子巻線、
3d,4d 固定子コア、3f,4f ティース、3g,4g コアブロック、
3h,4h 薄肉部、3j,4j ジョイント部、3k,4k コイル巻回部、
3y,4y 溶接部、4 モータB、5 回転軸、6 回転子、6a ヨーク部、
7 フレーム、8 ブラケット、9 ベアリング、10 エンコーダ、10a 回転部、10b 固定部、11 巻上機、12 滑車部。
Claims (11)
- 回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、上記各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と上記空隙半径との積を相互に等しくしたことを特徴とする回転電機。
- 回転軸に固定されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたことを特徴とする回転電機。
- 2組のモータ部それぞれが三相交流の電源で駆動され、該モータ部の相対距離の差を位相差で表したとき、上記モータ部間の位相差が電気角で90度の奇数倍であることを特徴とする請求項2記載の回転電機。
- モータ部における永久磁石と固定子との間に形成される空隙の中心と回転軸の中心軸との距離を空隙半径と定義し、各モータ部における回転軸の中心軸方向の長さである軸長と上記空隙半径との積を相互に等しくしたことを特徴とする請求項2または3に記載の回転電機。
- 固定子は、固定子を構成する固定子コアに形成されたティースそれぞれに巻線を集中的に巻回した、磁極集中巻型であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回転電機。
- 固定子を構成する固定子コアのティースは、個々に分割されている、またはティースのコイルを巻回する巻回部が隣合うティースとの間で広げることができるように接続されていることを特徴とする請求項5記載の回転電機。
- 固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して平行に配置されているラジアルギャップ型であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の回転電機。
- 固定子と回転子の対向面が、回転軸の中心軸方向に対して垂直に配置されているアキシャルギャップ型であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の回転電機。
- 固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の中心軸方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項7記載の回転電機。
- 固定子に設けられた磁極、または回転子に設けられた磁極のいずれか一方または両方が回転軸の径方向に対して斜めに配置されていることを特徴とする請求項8記載の回転電機。
- 回転軸に固定された滑車部と、該滑車部と一体に形成されたヨーク部と該ヨーク部に固定された永久磁石とからなる複数個の回転子が、上記回転軸の中心軸と垂直な方向に直列に配列され、上記複数個の回転子の永久磁石それぞれに固定子が対向配置されて構成された、回転子と固定子との組からなる複数のモータ部と、該複数のモータ部それぞれを独立に駆動する電源とを備え、上記各モータ部の固定子および/または回転子は、上記回転軸周方向に複数個に分割されたものを溶接により接合して一体化した構造であり、上記固定子および/または回転子の溶接位置は、当該溶接個所が存在する部材における同一磁極に対する上記回転軸周方向位置が上記各モータ部で互いに同一となるようにし、上記モータ部における回転子及び固定子の同一磁極の回転軸周方向における相対距離を、各モータ部で互いに異なるようにしたことを特徴とする滑車駆動装置。
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