JP4717975B2 - 樹脂成形品、樹脂組成物および成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐光性に優れた樹脂成形品および樹脂成形品用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック成形品の大部分は太陽光線に暴露されることが多く、太陽光線に暴露されたポリマーは紫外線を吸収し主鎖の分解や官能基の生成などさまざまな劣化を引き起こしてしまう。これを防ぐために通常耐光安定剤をプラスチックに添加するか、または耐光安定剤が入った樹脂組成物で、多層成形やコーティングによって最表層に保護層を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の方法では、耐光安定剤の量が多く必要であるとか、成形工程が煩雑になるなどの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は下記[1]〜[4]である。
[1]樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤(S)からなり、それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が次の関係式(1)および(2)を満たす樹脂成形品用樹脂組成物。
1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1)
5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2)
[式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、(U)および(S)のSP値を示す。]
[2]該組成物を成形してなる樹脂成形品。
[3]ワックス(W)(15〜90質量%)、耐光安定剤(U)(5〜15質量%)および界面活性剤(S)(3〜20質量%)からなる該樹脂成形品用の改質剤組成物(M)。
[4]該樹脂成形品のコア部に存在している(U)を表層部にマイグレートさせて、表層部の(U)の濃度がコア部の2倍以上である樹脂成形品を製造することからなる樹脂成形品の製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる樹脂(R)としては、樹脂成形品の製造に用いられる樹脂であれば特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム類が挙げられる。
熱可塑性樹脂類としては、例えば、ポリエチレン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン(炭素数3〜12)共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂〔ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜12)共重合体など〕、塩素含有ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、(メタ)アクリル系樹脂〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどからなる群より選ばれた1種以上のモノマーの(共)重合物など〕、スチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、HIPSなど)などのビニル系樹脂;ポリアミド樹脂(6ナイロン、66ナイロン、11ナイロン、12ナイロンなど)、熱可塑性ポリエステル樹脂(エラストマーを含む)(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートなど)、ポリオキシフェニレンなどの縮合系樹脂;熱可塑性ポリウレタン樹脂(エラストマーを含む)などの重付加系樹脂;ポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数:2〜4)系樹脂、ポリアセタール樹脂などの開環重合系樹脂が挙げられる。これらのうち耐光性の効果発現の観点から、好ましくはポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。
熱可塑性樹脂の軟化点(測定法:環球式またはビカット式)としては、70〜350℃が好ましい。
また重量平均分子量(測定法:GPC法)としては5000〜7000000が好ましい。
【0007】
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂(グリコール、不飽和二塩基酸および飽和二塩基酸から誘導される不飽和ポリエステル類と他のビニルモノマーとの架橋共重合物など)、エポキシ系樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂のポリアミン類、酸無水物などによる硬化物など)、熱硬化性ポリウレタン樹脂(ポリウレタンフォームを含む)、高吸水性樹脂(架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体など)などが挙げられる。これらのうち耐光性の効果発現の観点から、好ましくは熱硬化性ポリウレタン樹脂(ポリウレタンフォームを含む)、高吸水性樹脂(架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体など)である。
【0008】
ゴム類としては、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。
合成ゴムとしては、ブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体など)などのジエン系ゴム;エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのオレフィン系ゴム、アクリルゴムなどのビニル系ゴム;含フッ素系ゴムなどが挙げられる。これらのうち配合のし易さの観点から、好ましくは合成ゴム、特にブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、EPDM、アクリルゴムである。
【0009】
本発明に用いられる耐光安定剤(U)には紫外線吸収剤および酸化防止剤が包含される。具体例としては、ベンゾフェノン類(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、サリチレート類(フェニルサリチレート、4−t−ブチルフェニルサリチレートなど)、ベンゾトリアゾール類[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよびその(共)重合体など]、アクリレート基含有耐光安定剤[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]、金属錯塩含有耐光安定剤{ニッケル[2,2’−チオビス−4−(t−オクチル)フェノレート]−n−ブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,5−(ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスフェート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、[1−フェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピラゾレート(5)2]ニッケルなど}、ヒンダードアミン類[ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−4−)セバケート、フェニル−β−ナフチルアミンなど]、ヒンダードフェノール類(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、硫黄含有耐光安定剤(ラウリルステアリルチオジプロピオネートなど)、リン含有耐光安定剤(ホスファイト類、例えばトリデシルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト、テトラキス2,4−ジ−t−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスファイトなど)およびヒドラジン類(N−サリチロイル−N’−アルデヒドヒドラジンなど)などが挙げられる。これらのうち2種以上を同時に併用しても何ら問題ない。
【0010】
これらのうち好ましいのはベンゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系およびリン系の各耐光安定剤である。重量平均分子量(測定法:GPC法)が250〜20000、またはそれ以上の耐光安定剤は成形品からの脱落等が少なく耐光安定効果が持続して好ましく、ポリ(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチルメタクリレート−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール共重合体など重量平均分子量が700以上である耐光安定剤は、長期にわたって耐光安定効果が持続して特に好ましい。
また、耐光安定剤(U)の軟化点または融点としては、0〜180℃が好ましい。
【0011】
耐光安定剤(U)の添加量は、樹脂(R)の質量に基づいて、好ましくは0.05〜1.2質量%、さらに好ましくは0.06〜0.7質量%である。0.05質量%以上であるとより十分な紫外線吸収効果が得られ、1.2質量%以下であるとコスト的にも有利である。
【0012】
本発明に用いられる界面活性剤(S)としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、たとえば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド(炭素数2〜4例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用)を付加させたもの(分子量158〜200000);グリコール類にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリアルキレングリコール類(分子量150〜6000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコールに高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量250〜30000)、高級脂肪酸アミドにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量200〜30000)、多価アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量120〜30000)など]、および多価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤(多価アルコール脂肪酸[炭素数3〜60]エステル、多価アルコールアルキル[炭素数3〜60]エーテル、脂肪酸[炭素数3〜60]アルカノールアミドなど)などが挙げられる。
なお上記多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多価アルコールが挙げられる。
【0013】
アニオン界面活性剤としては、たとえば、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルカノールアミンなどの塩、カルボキシメチル化物の塩(炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのエチレンオキシド[1〜10モル]付加物などのカルボキシメチル化物の塩など)、硫酸エステル塩〔高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩など)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのエチレンオキシド(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩など]、硫酸化油、硫酸化脂肪酸(炭素数8〜30)エステル、硫酸化オレフィン(炭素数8〜50)など〕、スルホン酸塩〔アルキル(炭素数8〜30)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜30)ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル(炭素数8〜50)型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など〕およびリン酸エステル塩〔高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)エチレンオキシド(1〜60モル)付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールエチレンオキシド(1〜60モル)付加物リン酸エステル塩など〕が挙げられる。
【0014】
カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[テトラアルキル(炭素数4〜100)アンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイドなど;トリアルキル(炭素数3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム);アルキル(炭素数2〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライドなど;ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)トリアルキルアンモニウム塩、例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライドなど;サパミン型第4級アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなど]、アミン塩型[脂肪族高級アミン(炭素数12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなど)の無機酸塩または有機酸塩;低級アミン類(炭素数1〜11)の高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)塩;脂肪族アミン(炭素数1〜30)のエチレンオキシド付加物などの無機酸塩または有機酸塩;3級アミン類(トリエタノールアミンモノステアレートなど)の無機酸塩または有機酸塩など]などが挙げられる。なお、上記の無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、沃化水素酸などが挙げられ、有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、フェノール類などが挙げられる。
【0015】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面活性剤アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステルのリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
【0016】
界面活性剤(S)の添加量は、本発明の樹脂組成物に含まれる耐光安定剤(U)の質量に対し、好ましくは20〜200質量%であり、さらに好ましくは25〜150質量%である。20質量%以上ではより十分な耐光安定効果が得られ、200質量%以下であるとコスト面でも有利になる。
【0017】
本発明の樹脂成形品は、その表層部とコア部で耐光安定剤(U)が濃度勾配を有する。通常、樹脂(R)の連続層中における耐光安定剤(U)の分布は、表層部の濃度がコア部の濃度の2倍以上であり、好ましくは3倍以上である(耐光安定剤濃度の測定法:例えば耐光安定剤のIRスペクトルでの特定吸収濃度のピーク高さ比較など)。ここで、表層部とは成形品表面から深さ1mmまでの部分をさし、コア部とは成形品の中心部またはその付近で(U)の濃度がほぼ一定となった領域をさす。耐光安定剤の表層部濃度がコア部濃度の2倍未満では十分な耐光安定能が得られず好ましくない。
【0018】
本発明の請求項3に用いる、または請求項5に係る樹脂成形品は、成形直後には成形品のどの部分でも耐光安定剤濃度は実質的に同じ、すなわち均一な樹脂成形品となっている。均一な樹脂成形品のコア部に存在している(U)を表層部にマイグレートさせることにより本発明の樹脂成形品が得られる。マイグレーションは均一な樹脂成形品を通常15℃以上、好ましくは25℃以上、さらに好ましくは27〜150℃または(R)の軟化点温度より20℃低い温度に加温することにより行うことができる。マイグレーションに要する時間は(R)および主として温度によって異なり、通常25℃で40時間以上、40℃で10時間以上経過すると、耐光安定剤(U)が表層部にマイグレートして、成形品表層部の耐光安定剤濃度が成形品中心部の耐光安定剤濃度より高くなり、少ない耐光安定剤添加量で効率的な耐光性を得ることができる。このとき、その成形品の横断面をとると、成形品表層部から中心部に向かって耐光安定剤(U)の濃度が連続的に減少しており、通常成形品表層部の耐光安定剤濃度が最も高く、樹脂成形品の質量に基づいて、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜4.8質量%である。
【0019】
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤(S)は、それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が次の関係式(1)および(2)を満たしていることが好ましい。
1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1)
5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2)
[式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、(U)および(S)のSP値を示す。]
また、下記式(3)を満たす組み合わせとすると、耐光安定剤の成形品表層部への集積度が高くなり、少量の耐光安定剤で効率的な耐候性が発現しより好ましい。
|SPr−SPu|≦|SPr−SPs| (3)
さらにSP値の関係において、
|SPr−SPu|が2.5〜7.4、特に3.0〜7.0、
|SPr−SPu|が|SPs−SPu|の5.5倍以上、特に6〜10倍、
|SPr−SPs|−|SPr−SPu|が0.1以上、特に0.1〜3.0
のいずれかを満たせば、より一層少量の耐光安定剤で十分な紫外線吸収効果が得られさらに好ましい。
【0020】
また、SPrは通常7〜18、好ましくは7.5〜13、SPuは通常8〜20、好ましくは9〜18、SPsは通常7.5〜20、好ましくは8〜18.5である。
なお、SP値は、Fedorsの方法(Polymer engineering and science, vol.14, P152)によって計算できるが、実用的には新版プラスチック配合剤−基礎と応用−(大成社刊)などの公知の文献に記載されている値を用いればよい。
【0021】
本発明に用いられるワックス(W)としては、例えば、植物系ワックス(キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油など)、動物系ワックス(みつろう、ラノリン、鯨ろうなど)、鉱物系ワックス[モンタンワックス、オゾケライト、セレシンおよびこれらの誘導体、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムおよびこれらの誘導体など)など]、合成炭化水素ワックス(分子量500〜50000、例えばフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよびこれらの変性{不飽和カルボン酸[マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸など]および/またはその無水物による変性、酸化変性など}物(変性の程度は例えば酸価で1〜120など)、水素化ワックス(硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体など)、高級脂肪酸(炭素数16〜60またはそれ以上の脂肪酸およびその金属塩、酸アミド誘導体など)などである。このうち融点、加工の容易さの観点からモンタンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびこれらの誘導体、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスおよびこれらの変性物などが好ましく、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれらの不飽和カルボン酸および/またはその無水物による変性物が特に好ましい。
【0022】
本発明の樹脂成形品改質剤組成物の構成成分量比は、耐光安定効果と樹脂物性のバランスの観点から、組成物の質量に基づいて(W)は好ましくは15〜90%、さらに好ましくは50〜85%、(U)は好ましくは5〜15%、さらに好ましくは6〜12%、(S)は好ましくは3〜20%、さらに好ましくは4〜15%である。
【0023】
本発明の樹脂成形品用改質剤組成物(M)は、通常少なくとも(W)、(U)および(S)の3成分を溶融混合して得られる。溶融混合条件としては、好ましくは、温度80〜280℃、圧力0〜150気圧にて通常の混練機(ニーダー、押出機、スタティックミキサー、コンティニアスニーダー、ブラベンダー、ロール混練機など)で30秒〜1時間混合する。さらに好ましくはワックスの軟化点より0〜100℃高い温度で混合する。
混合順序は特に限定されず、3成分を同時に混合してもよいし、(U)と(S)を予め溶融混合したものを(W)と溶融混合してもよい。(R)が熱硬化性樹脂などの場合は、不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリオール、ポリイソシアネートなどの(R)の前駆体と溶融混合した後、硬化させる。(U)と(S)を予め混合するときは、混合時の粘度がかなり低い場合が多いので、撹拌装置付きの反応槽でも行うことができる。(U)と(S)を予め溶融混合する方が樹脂成形品の耐光安定効果がより一層よくなり好ましい。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、通常(R)、(U)および(S)の3成分、または(R)および(M)の2成分[(R)が熱硬化性樹脂などの場合は、不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂などの(R)の前駆体]を溶融混練して得られる。溶融混練条件としては、通常、温度80〜280℃、圧力0〜150気圧にて通常の混練機(ニーダー、押出機、スタティックミキサー、コンティニアスニーダー、ブラベンダー、ロール混練機など)を用い平均滞留時間などで示される混練時間で15秒〜1時間混練する。熱可塑性樹脂の場合は好ましくは樹脂の軟化点より10〜50℃高い温度で混練する。
混練順序は、(R)、(U)、(S)の3成分を混練する場合は3成分を同時に混練してもよいし、耐光安定剤(U)と界面活性剤(S)をあらかじめ溶融混合したものを樹脂(R)もしくはその前駆体と溶融混練してもよい。(U)と(S)を予め混合するときは、混合時の粘度がかなり低い場合が多いので、撹拌装置付きの反応槽でも行うことができる。
(R)および(M)の2成分混練する方法、または(R)、(U)、(S)の3成分混練で(U)と(S)を予め溶融混合する方法が、樹脂組成物の紫外線吸収効果がより一層よくなり好ましい。
【0025】
また本発明の樹脂組成物は、その特性を阻害しない範囲で他の樹脂用添加剤を、樹脂組成物の合計質量に基づいて通常40%以下、好ましくは35%以下の範囲で任意に組み合わせて使用することができる。
該添加剤としては、フタル酸エステル系(ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル系、アジピン酸系、セバチン酸エステル系、グリコール酸エステル系、ポリエステル系、エポキシ系などの可塑剤;鉛白、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈けい酸鉛、金属液状安定剤、ラウレート系有機スズ、マレエート系有機スズ、メルカプタイド系有機スズ、アンチモン系、エポキシ化合物、亜リン酸エステルなどの分解・架橋安定剤;炭酸カルシウム、タルク、クレー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラミックウィスカ、チタンウィスカなどの充填材;低級脂肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、フッ素化脂肪族炭化水素、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、ホウ水素化ナトリウム、アゾ系(アゾジカルボンアミドなど)、ニトロソ系(ジニトロソペンタメチレンテトラミンなど)、ヒドラジド系(p−トルエンスルホニルヒドラジドなど)、トリヒドラジノトリアジン系などの発泡剤;リン酸エステル系[トリクレジルホスフェート、トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなど]、臭素系(デカブロモビフェニルエーテルなど)、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩系(ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなど)、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、ヘット酸、テトラブロモビスフェノールAなどの難燃剤;ポリマー型帯電防止剤(ポリエーテルエステルアミドなど);フルオロカーボン、脂肪酸エステル(炭素数12〜100)、脂肪族アルコール(炭素数12〜100)、多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコール(炭素数12〜100)、金属石けんなどの滑剤・離型剤;酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カドミウム系、群青、アゾ系、フタロシアニン系、建染染料系、キナクリドン系、ジオキサジン系、染付レーキなどの顔料;アントラキノン系、インジゴイド系、アゾ系などの染料;ジベンジリデンソルビトールなどの核剤等が挙げられる。
【0026】
本発明の樹脂成形品は多層成形を行うことや、一旦成形したものに耐光安定能を有するコーティング層を設けることなどの複雑な複合成形法を用いる必要がなく、通常の成形機を用いて得ることができ、効果的な耐光安定能を有している。通常の成形機としては、例えば、射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、注型成形機などが挙げられ、これらの成形機で成形された成形品をそのまま使用できる。また本発明の樹脂成形品の効果を損なわない範囲で、2次加工を施すこともできる。例えば、耐擦傷性向上を目的にハードコートするなど、本発明の樹脂成形品の上にコーティング層を設けたり、他の樹脂を積層したりしても差し支えない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=10.6)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミン(SP値=10.9)50質量部を撹拌装置付きフラスコで80℃にて混合した。この混合物0.8質量部と樹脂(R)としてポリプロピレン(MI=10、SP値=7.9)100質量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(A1)を得た。
【0029】
実施例2
耐光安定剤(U)としてメチルメタクリレート−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール共重合体(SP値=11.4)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)50質量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この混合物0.8質量部と樹脂(R)としてポリプロピレン(MI=10、SP値=7.9)100質量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(A2)を得た。
【0030】
実施例3
耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SP値=11.3)25質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)25質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)25質量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この混合物0.8質量部と樹脂(R)としてポリエチレン(MI=5、SP値=8.2)100質量部を、二軸押出機にて170℃で溶融混練し樹脂組成物(A3)を得た。
【0031】
実施例4
耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SP値=11.3)25質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)25質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)25質量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この混合物1.4質量部と樹脂(R)としてポリウレタン(ポリエーテル系ウレタン樹脂、SP値=10.1)100質量部を、二軸押出機にて170℃で溶融混練し樹脂組成物(A4)を得た。
【0032】
実施例5
耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=10.6)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロキシエチルラウリルアミン(SP値=10.9)50質量部を撹拌装置付きフラスコで80℃にて混合した。
この混合物28部とワックス(W)としてポリエチレンワックス(三洋化成(株)社製サンワックス131−P:分子量3500、SP値=8.1)40質量部、カーボンブラック(三菱化学(株)社製)12質量部、ポリプロピレン(グランドポリマー(株)社製J109G:MI=10、SP値=7.9)20部を2軸押出機を用い210℃にて溶融混練し樹脂成形品用改質剤組成物(M1)を得た。
【0033】
実施例6
(M1)5質量部とポリプロピレン(グランドポリマー(株)社製J109G)95質量部を溶融混練し樹脂組成物(A5)を得た。
比較例1
耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=10.6)0.5質量部と樹脂(R)としてポリプロピレン(MI=10、SP値=7.9)100質量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(B1)を得た。
【0034】
比較例2
耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SP値=11.3)0.5質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)0.5質量部と樹脂(R)としてポリエチレン(MI=5、SP値=8.2)100質量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(B2)を得た。
【0035】
比較例3
耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](SP値=11.3)0.9質量部、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)0.9質量部および樹脂(R)としてポリウレタン(ポリエーテル系ウレタン樹脂、SP値=10.1)100質量部を、二軸押出機にて180℃で溶融混練し樹脂組成物(B3)を得た。
【0036】
実施例1〜4、6、比較例1〜3で得られた樹脂組成物の構成成分のSP値の関係を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例7
樹脂組成物(A1)を射出成形機にて190℃で成形し、1cm×2cm×5cmのテスト用成形品(P1)を作製した。作製直後の(P1)の断面組成はIR分析の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時間温度調節した後に、表層部(成形品表面部で深さ1mm×タテ1.5cm×ヨコ1.5cmまでの部分)とコア部(成形品中心部で厚さ3mm×タテ3mm×ヨコ3mmの部分)のメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度を測定した。その濃度比は4.2:1であった。
【0039】
実施例8
樹脂組成物(A2)を射出成形機にて190℃で成形し、1cm×2cm×5cmのテスト用成形品(P2)を作製した。作製直後の(P2)の断面組成はIR分析の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時間、72時間温度調節した後に、表層部(実施例5に同じ)とコア部(実施例5に同じ)とのメチルメタクリレート−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール共重合体の濃度を測定した。その濃度比は24時間後で2.1:1、72時間後で3.3:1であった。
【0040】
実施例9
樹脂組成物(A3)を射出成形機にて190℃で成形し、3cm×8cm×8cmのテスト用成形品(P3)を作製した。作製直後の(P3)の断面組成はIR分析の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時間、72時間温度調節した後に、表層部(実施例5に同じ)とコア部(実施例5に同じ)とのトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の濃度を測定した。その濃度比は24時間後で3.0:1、72時間後で3.5:1であった。
【0041】
実施例10
樹脂組成物(A4)をプレス成形機にて170℃で成形した後、トリミングを行い5mm×8cm×8cmのテスト用成形品(P4)を作製した。作製直後の(P4)の断面組成はIR分析の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時間、72時間温度調節した後に、表層部(実施例5に同じ)とコア部(実施例5に同じ)とのトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の濃度を測定した。その濃度比は24時間後で3.4:1、72時間後で3.6:1であった。
【0042】
実施例11
樹脂組成物(A5)を射出成形機にて230℃で成形し厚み1cm×ヨコ2cm×タテ5cmのテスト用樹脂成形品(P5)を得た。この(P5)を40℃にて72時間温度調節した後に、表層部(成形品表面から深さ1mmまでの部分)と中心部(成形品中心から3mm×3mm×3mm以内の部分)とのメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度を測定した。その濃度比は4.6:1であった。
比較例4
樹脂組成物(B1)を用いる以外は実施例7と同様にしてテスト成形品(P6)を得た。作製直後の(P6)は均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後の、成形品表層部とコア部のメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度を測定した。その濃度比は1.2:1であった。
【0043】
比較例5
樹脂組成物(B2)を用いる以外は実施例7と同様にしてテスト成形品(P7)を得た。作製直後の(P7)は均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後の、成形品表層部とコア部のメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度を測定した。その濃度比は1.3:1であった。
【0044】
比較例6
樹脂組成物(B3)を用いる以外は実施例10と同様にしてテスト成形品(P8)を得た。作製直後の(P8)は均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後の、成形品表層部とコア部のトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の濃度を測定した。その濃度比は1.2:1であった。
【0045】
実施例12〜15、比較例7、8
促進耐光性試験機を用いて実施例テスト成形品(P1)〜(P3)、(P5)および、比較例テスト成形品(P6)、(P7)の耐光性を評価した。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
試験条件 :アイスーパーUVテスター[岩崎電気(株)製]を用いて、60mW/cm2 の強度で96時間照射。
MI増加率:促進耐光試験前後の成形品のMI(メルトフローインデックス)を測定し増加率を算出。(増加率が大きいほど分子量が低下して劣化している)
【0048】
実施例16、比較例9
促進耐光性試験機を用いてテスト成形品(P4)、(P8)の耐光性を評価した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【0051】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、簡易な成形法で成形でき、得られた成形品は含有する耐光安定剤が少量にもかかわらず優れた耐光安定性を有することから、その有用性は極めて高い。
Claims (13)
- 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤(S)からなり、それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が次の関係式(1)および(2)を満たす樹脂成形品用樹脂組成物。
1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1)
5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2)
[式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、(U)および(S)のSP値を示す。] - 請求項1記載の組成物を成形してなる 樹脂成形品。
- 均一な樹脂成形品のコア部に存在していた(U)を表層部にマイグレートさせてなる請求項 2記載の樹脂成形品。
- (U)の濃度が成形品表層部からコア部に向かって連続的に減少している請求項2または3記載の樹脂成形品。
- 表層部の(U)の濃度がコア部の2倍以上である請求項2〜4いずれか記載の樹脂成形品。
- (R)、(U)および(S)のSP値が次の関係式(3)を満たす請求項1〜5いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
|SPr−SPu|≦|SPr−SPs| (3) - (U)の含量が(R)の質量に基づいて0.05〜1.2質量%である請求項1〜6いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
- (S)の含量が(U)の質量に対して20〜200質量%である請求項1〜7いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
- (U)と(S)を溶融混合したものと(R)もしくはその前駆体とを溶融混練して得られる請求項1〜8いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
- さらにワックス(W)を含む請求項1〜9いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
- ワックス(W)(15〜90質量%)、耐光安定剤(U)(5〜15質量%)および界面活性剤(S)(3〜20質量%)からなる請求項10記載の樹脂成形品用の改質剤組成物(M)。
- さらに(R)もしくはその前駆体および/または他の添加剤を50質量%までの量含有させてなる請求項11記載の改質剤組成物。
- 請求項2〜10いずれか記載の樹脂成形品のコア部に存在している(U)を表層部にマイグレートさせて、表層部の(U)の濃度がコア部の2倍以上である樹脂成形品を製造することからなる樹脂成形品の製造方法。
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