JP2000144000A - 樹脂成形品、樹脂組成物および成形品の製造方法 - Google Patents

樹脂成形品、樹脂組成物および成形品の製造方法

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幸生 柴田
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Hisato Ogawa
久人 小川
Sunao Ozasa
直 小笹
Shoichi Higuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形が容易で、耐光性に優れた樹脂成形品を
得る。 【解決手段】 樹脂(R)と耐光安定剤(U)からなる
樹脂成形品において、表層部の(U)の濃度がコア部の
2倍以上であることを特徴とする樹脂成形品;樹脂
(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤(S)から
なり、それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が特定
の関係式を満たす樹脂成形品用樹脂組成物;並びに、ワ
ックス(W)、耐光安定剤(U)および界面活性剤
(S)からなる樹脂成形品用の改質剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐光性に優れた樹
脂成形品および樹脂成形品用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック成形品の大部分は太陽光線
に暴露されることが多く、太陽光線に暴露されたポリマ
ーは紫外線を吸収し主鎖の分解や官能基の生成などさま
ざまな劣化を引き起こしてしまう。これを防ぐために通
常耐光安定剤をプラスチックに添加するか、または耐光
安定剤が入った樹脂組成物で、多層成形やコーティング
によって最表層に保護層を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、耐光安定剤の量が多く必要であるとか、成形工
程が煩雑になるなどの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は下記〜である。 樹脂(R)と耐光安定剤(U)からなる樹脂成形品
において、表層部の(U)の濃度がコア部の2倍以上で
あることを特徴とする樹脂成形品。 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤
(S)からなり、それぞれの溶解度パラメーター(SP
値)が次の関係式(1)および(2)を満たす樹脂成形
品用樹脂組成物。 1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1) 5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2) [式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、
(U)および(S)のSP値を示す。] 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤
(S)からなる樹脂成形品のコア部に存在している
(U)を表層部にマイグレートさせて、表層部の(U)
の濃度がコア部の2倍以上である樹脂成形品を製造する
ことからなる樹脂成形品の製造方法。 ワックス(W)(15〜90質量%)、耐光安定剤
(U)(5〜15質量%)および界面活性剤(S)(3
〜20質量%)からなる樹脂成形品用の改質剤組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる樹脂(R)と
しては、樹脂成形品の製造に用いられる樹脂であれば特
に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム
類が挙げられる。熱可塑性樹脂類としては、例えば、ポ
リエチレン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−α−オレ
フィン(炭素数3〜12)共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂〔ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜1
2)共重合体など〕、塩素含有ビニル系樹脂(ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、(メタ)アクリル
系樹脂〔(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシルなどからなる群より選ばれた1種以上
のモノマーの(共)重合物など〕、スチレン系樹脂(ポ
リスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジ
エン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、スチレン−
アクリル酸エステル樹脂、HIPSなど)などのビニル
系樹脂;ポリアミド樹脂(6ナイロン、66ナイロン、
11ナイロン、12ナイロンなど)、熱可塑性ポリエス
テル樹脂(エラストマーを含む)(ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ートなど)、ポリオキシフェニレンなどの縮合系樹脂;
熱可塑性ポリウレタン樹脂(エラストマーを含む)など
の重付加系樹脂;ポリオキシアルキレン(アルキレン基
の炭素数:2〜4)系樹脂、ポリアセタール樹脂などの
開環重合系樹脂が挙げられる。これらのうち耐光性の効
果発現の観点から、好ましくはポリオレフィン樹脂、ス
チレン系樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。熱可塑性樹脂
の軟化点(測定法:環球式またはビカット式)として
は、70〜350℃が好ましい。また重量平均分子量
(測定法:GPC法)としては5000〜700000
0が好ましい。
【0007】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ル系樹脂(グリコール、不飽和二塩基酸および飽和二塩
基酸から誘導される不飽和ポリエステル類と他のビニル
モノマーとの架橋共重合物など)、エポキシ系樹脂(ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂のポリアミ
ン類、酸無水物などによる硬化物など)、熱硬化性ポリ
ウレタン樹脂(ポリウレタンフォームを含む)、高吸水
性樹脂(架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架
橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体など)な
どが挙げられる。これらのうち耐光性の効果発現の観点
から、好ましくは熱硬化性ポリウレタン樹脂(ポリウレ
タンフォームを含む)、高吸水性樹脂(架橋ポリアクリ
ルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−ア
クリルアミド共重合体など)である。
【0008】ゴム類としては、天然ゴムおよび合成ゴム
が挙げられる。合成ゴムとしては、ブタジエンゴム、ブ
チルゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニトリ
ルゴム(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体など)
などのジエン系ゴム;エチレン−プロピレンゴム、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのオレ
フィン系ゴム、アクリルゴムなどのビニル系ゴム;含フ
ッ素系ゴムなどが挙げられる。これらのうち配合のし易
さの観点から、好ましくは合成ゴム、特にブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、EPD
M、アクリルゴムである。
【0009】本発明に用いられる耐光安定剤(U)には
紫外線吸収剤および酸化防止剤が包含される。具体例と
しては、ベンゾフェノン類(2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなど)、
サリチレート類(フェニルサリチレート、4−t−ブチ
ルフェニルサリチレートなど)、ベンゾトリアゾール類
[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ
エチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよびその(共)
重合体など]、アクリレート基含有耐光安定剤[エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチ
ル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジ
ル)アクリレートなど]、金属錯塩含有耐光安定剤{ニ
ッケル[2,2’−チオビス−4−(t−オクチル)フ
ェノレート]−n−ブチルアミン、ニッケルジブチルジ
チオカルバメート、ニッケルビス[o−エチル−3,5
−(ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホス
フェート、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェー
ト、[1−フェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピ
ラゾレート(5)2]ニッケルなど}、ヒンダードアミ
ン類[ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ
ル−4−)セバケート、フェニル−β−ナフチルアミン
など]、ヒンダードフェノール類(2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエ
ートなど)、硫黄含有耐光安定剤(ラウリルステアリル
チオジプロピオネートなど)、リン含有耐光安定剤(ホ
スファイト類、例えばトリデシルホスファイト、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス2,4−ジ−t−
ブチルフェニルホスファイト、テトラキス2,4−ジ−
t−ブチルフェニル−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホ
スファイトなど)およびヒドラジン類(N−サリチロイ
ル−N’−アルデヒドヒドラジンなど)などが挙げられ
る。これらのうち2種以上を同時に併用しても何ら問題
ない。
【0010】これらのうち好ましいのはベンゾフェノン
系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロ
ニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードフェノール系、ヒ
ンダードアミン系およびリン系の各耐光安定剤である。
重量平均分子量(測定法:GPC法)が250〜200
00、またはそれ以上の耐光安定剤は成形品からの脱落
等が少なく耐光安定効果が持続して好ましく、ポリ
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチルメタクリレー
ト−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシ
エチルフェニル)ベンゾトリアゾール共重合体など重量
平均分子量が700以上である耐光安定剤は、長期にわ
たって耐光安定効果が持続して特に好ましい。また、耐
光安定剤(U)の軟化点または融点としては、0〜18
0℃が好ましい。
【0011】耐光安定剤(U)の添加量は、樹脂(R)
の質量に基づいて、好ましくは0.05〜1.2質量
%、さらに好ましくは0.06〜0.7質量%である。
0.05質量%以上であるとより十分な紫外線吸収効果
が得られ、1.2質量%以下であるとコスト的にも有利
である。
【0012】本発明に用いられる界面活性剤(S)とし
ては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチ
オン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。非イオ
ン界面活性剤としては、たとえば、アルキレンオキシド
(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤[高級アル
コール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜
24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等
に直接アルキレンオキシド(炭素数2〜4例えば、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
およびこれらの2種以上の併用)を付加させたもの(分
子量158〜200000);グリコール類にアルキレ
ンオキシドを付加させて得られるポリアルキレングリコ
ール類(分子量150〜6000)に高級脂肪酸などを
反応させたもの;多価アルコールに高級脂肪酸を反応さ
せて得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加
させたもの(分子量250〜30000)、高級脂肪酸
アミドにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量
200〜30000)、多価アルコールアルキル(炭素
数3〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させ
たもの(分子量120〜30000)など]、および多
価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤
(多価アルコール脂肪酸[炭素数3〜60]エステル、
多価アルコールアルキル[炭素数3〜60]エーテル、
脂肪酸[炭素数3〜60]アルカノールアミドなど)な
どが挙げられる。なお上記多価アルコールとしては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価
〜8価またはそれ以上の多価アルコールが挙げられる。
【0013】アニオン界面活性剤としては、たとえば、
カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪
酸)またはその塩(ナトリウム、カリウム、アンモニウ
ム、アルカノールアミンなどの塩、カルボキシメチル化
物の塩(炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/ま
たはそのエチレンオキシド[1〜10モル]付加物など
のカルボキシメチル化物の塩など)、硫酸エステル塩
〔高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂
肪族アルコールの硫酸エステル塩など)、高級アルキル
エーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アル
コールのエチレンオキシド(1〜10モル)付加物の硫
酸エステル塩など]、硫酸化油、硫酸化脂肪酸(炭素数
8〜30)エステル、硫酸化オレフィン(炭素数8〜5
0)など〕、スルホン酸塩〔アルキル(炭素数8〜3
0)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜3
0)ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステ
ル(炭素数8〜50)型、α−オレフィン(炭素数12
〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など〕およびリン
酸エステル塩〔高級アルコール(炭素数8〜60)リン
酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)エチ
レンオキシド(1〜60モル)付加物リン酸エステル
塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールエチレンオ
キシド(1〜60モル)付加物リン酸エステル塩など〕
が挙げられる。
【0014】カチオン系界面活性剤としては、第4級ア
ンモニウム塩型[テトラアルキル(炭素数4〜100)
アンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステ
アリルトリメチルアンモニウムブロマイドなど;トリア
ルキル(炭素数3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例
えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
(塩化ベンザルコニウム);アルキル(炭素数2〜6
0)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロラ
イドなど;ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)トリ
アルキルアンモニウム塩、例えばポリオキシエチレント
リメチルアンモニウムクロライドなど;サパミン型第4
級アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチル
メチルアンモニウムメトサルフェートなど]、アミン塩
型[脂肪族高級アミン(炭素数12〜60、例えばラウ
リルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛
脂アミン、ロジンアミンなど)の無機酸塩または有機酸
塩;低級アミン類(炭素数1〜11)の高級脂肪酸(ス
テアリン酸、オレイン酸など)塩;脂肪族アミン(炭素
数1〜30)のエチレンオキシド付加物などの無機酸塩
または有機酸塩;3級アミン類(トリエタノールアミン
モノステアレートなど)の無機酸塩または有機酸塩な
ど]などが挙げられる。なお、上記の無機酸としては、
塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、沃化水素酸な
どが挙げられ、有機酸としては、カルボン酸、スルホン
酸、スルフィン酸、フェノール類などが挙げられる。
【0015】両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性
界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)
のプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面
活性剤アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイ
ン、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル
(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム
塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリ
ウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタ
デシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸な
ど)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン
高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステルのリン酸エステ
ルアミン塩]などが挙げられる。
【0016】界面活性剤(S)の添加量は、本発明の樹
脂組成物に含まれる耐光安定剤(U)の質量に対し、好
ましくは20〜200質量%であり、さらに好ましくは
25〜150質量%である。20質量%以上ではより十
分な耐光安定効果が得られ、200質量%以下であると
コスト面でも有利になる。
【0017】本発明の樹脂成形品は、その表層部とコア
部で耐光安定剤(U)が濃度勾配を有する。通常、樹脂
(R)の連続層中における耐光安定剤(U)の分布は、
表層部の濃度がコア部の濃度の2倍以上であり、好まし
くは3倍以上である(耐光安定剤濃度の測定法:例えば
耐光安定剤のIRスペクトルでの特定吸収濃度のピーク
高さ比較など)。ここで、表層部とは成形品表面から深
さ1mmまでの部分をさし、コア部とは成形品の中心部
またはその付近で(U)の濃度がほぼ一定となった領域
をさす。耐光安定剤の表層部濃度がコア部濃度の2倍未
満では十分な耐光安定能が得られず好ましくない。
【0018】本発明の請求項3に用いる、または請求項
5に係る樹脂成形品は、成形直後には成形品のどの部分
でも耐光安定剤濃度は実質的に同じ、すなわち均一な樹
脂成形品となっている。均一な樹脂成形品のコア部に存
在している(U)を表層部にマイグレートさせることに
より本発明の樹脂成形品が得られる。マイグレーション
は均一な樹脂成形品を通常15℃以上、好ましくは25
℃以上、さらに好ましくは27〜150℃または(R)
の軟化点温度より20℃低い温度に加温することにより
行うことができる。マイグレーションに要する時間は
(R)および主として温度によって異なり、通常25℃
で40時間以上、40℃で10時間以上経過すると、耐
光安定剤(U)が表層部にマイグレートして、成形品表
層部の耐光安定剤濃度が成形品中心部の耐光安定剤濃度
より高くなり、少ない耐光安定剤添加量で効率的な耐光
性を得ることができる。このとき、その成形品の横断面
をとると、成形品表層部から中心部に向かって耐光安定
剤(U)の濃度が連続的に減少しており、通常成形品表
層部の耐光安定剤濃度が最も高く、樹脂成形品の質量に
基づいて、通常0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜
4.8質量%である。
【0019】本発明の樹脂組成物を構成する樹脂
(R)、耐光安定剤(U)および界面活性剤(S)は、
それぞれの溶解度パラメーター(SP値)が次の関係式
(1)および(2)を満たしていることが好ましい。 1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1) 5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2) [式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、
(U)および(S)のSP値を示す。]また、下記式
(3)を満たす組み合わせとすると、耐光安定剤の成形
品表層部への集積度が高くなり、少量の耐光安定剤で効
率的な耐候性が発現しより好ましい。 |SPr−SPu|≦|SPr−SPs| (3) さらにSP値の関係において、|SPr−SPu|が
2.5〜7.4、特に3.0〜7.0、|SPr−SP
u|が|SPs−SPu|の5.5倍以上、特に6〜1
0倍、|SPr−SPs|−|SPr−SPu|が0.
1以上、特に0.1〜3.0のいずれかを満たせば、よ
り一層少量の耐光安定剤で十分な紫外線吸収効果が得ら
れさらに好ましい。
【0020】また、SPrは通常7〜18、好ましくは
7.5〜13、SPuは通常8〜20、好ましくは9〜
18、SPsは通常7.5〜20、好ましくは8〜1
8.5である。なお、SP値は、Fedorsの方法
(Polymer engineering and
science, vol.14, P152)によっ
て計算できるが、実用的には新版プラスチック配合剤−
基礎と応用−(大成社刊)などの公知の文献に記載され
ている値を用いればよい。
【0021】本発明に用いられるワックス(W)として
は、例えば、植物系ワックス(キャンデリラワックス、
カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ
油など)、動物系ワックス(みつろう、ラノリン、鯨ろ
うなど)、鉱物系ワックス[モンタンワックス、オゾケ
ライト、セレシンおよびこれらの誘導体、石油ワックス
(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ペトロラタムおよびこれらの誘導体など)など]、
合成炭化水素ワックス(分子量500〜50000、例
えばフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワ
ックス、ポリプロピレンワックスおよびこれらの変性
{不飽和カルボン酸[マレイン酸、イタコン酸、アクリ
ル酸など]および/またはその無水物による変性、酸化
変性など}物(変性の程度は例えば酸価で1〜120な
ど)、水素化ワックス(硬化ひまし油、硬化ひまし油誘
導体など)、高級脂肪酸(炭素数16〜60またはそれ
以上の脂肪酸およびその金属塩、酸アミド誘導体など)
などである。このうち融点、加工の容易さの観点からモ
ンタンワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびこれら
の誘導体、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クスおよびこれらの変性物などが好ましく、ポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックス、およびこれらの
不飽和カルボン酸および/またはその無水物による変性
物が特に好ましい。
【0022】本発明の樹脂成形品改質剤組成物の構成成
分量比は、耐光安定効果と樹脂物性のバランスの観点か
ら、組成物の質量に基づいて(W)は好ましくは15〜
90%、さらに好ましくは50〜85%、(U)は好ま
しくは5〜15%、さらに好ましくは6〜12%、
(S)は好ましくは3〜20%、さらに好ましくは4〜
15%である。
【0023】本発明の樹脂成形品用改質剤組成物(M)
は、通常少なくとも(W)、(U)および(S)の3成
分を溶融混合して得られる。溶融混合条件としては、好
ましくは、温度80〜280℃、圧力0〜150気圧に
て通常の混練機(ニーダー、押出機、スタティックミキ
サー、コンティニアスニーダー、ブラベンダー、ロール
混練機など)で30秒〜1時間混合する。さらに好まし
くはワックスの軟化点より0〜100℃高い温度で混合
する。混合順序は特に限定されず、3成分を同時に混合
してもよいし、(U)と(S)を予め溶融混合したもの
を(W)と溶融混合してもよい。(R)が熱硬化性樹脂
などの場合は、不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、
ポリオール、ポリイソシアネートなどの(R)の前駆体
と溶融混合した後、硬化させる。(U)と(S)を予め
混合するときは、混合時の粘度がかなり低い場合が多い
ので、撹拌装置付きの反応槽でも行うことができる。
(U)と(S)を予め溶融混合する方が樹脂成形品の耐
光安定効果がより一層よくなり好ましい。
【0024】本発明の樹脂組成物は、通常(R)、
(U)および(S)の3成分、または(R)および
(M)の2成分[(R)が熱硬化性樹脂などの場合は、
不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂などの(R)の前
駆体]を溶融混練して得られる。溶融混練条件として
は、通常、温度80〜280℃、圧力0〜150気圧に
て通常の混練機(ニーダー、押出機、スタティックミキ
サー、コンティニアスニーダー、ブラベンダー、ロール
混練機など)を用い平均滞留時間などで示される混練時
間で15秒〜1時間混練する。熱可塑性樹脂の場合は好
ましくは樹脂の軟化点より10〜50℃高い温度で混練
する。混練順序は、(R)、(U)、(S)の3成分を
混練する場合は3成分を同時に混練してもよいし、耐光
安定剤(U)と界面活性剤(S)をあらかじめ溶融混合
したものを樹脂(R)もしくはその前駆体と溶融混練し
てもよい。(U)と(S)を予め混合するときは、混合
時の粘度がかなり低い場合が多いので、撹拌装置付きの
反応槽でも行うことができる。(R)および(M)の2
成分混練する方法、または(R)、(U)、(S)の3
成分混練で(U)と(S)を予め溶融混合する方法が、
樹脂組成物の紫外線吸収効果がより一層よくなり好まし
い。
【0025】また本発明の樹脂組成物は、その特性を阻
害しない範囲で他の樹脂用添加剤を、樹脂組成物の合計
質量に基づいて通常40%以下、好ましくは35%以下
の範囲で任意に組み合わせて使用することができる。該
添加剤としては、フタル酸エステル系(ジオクチルフタ
レートなど)、リン酸エステル系、アジピン酸系、セバ
チン酸エステル系、グリコール酸エステル系、ポリエス
テル系、エポキシ系などの可塑剤;鉛白、塩基性亜硫酸
鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル
共沈けい酸鉛、金属液状安定剤、ラウレート系有機ス
ズ、マレエート系有機スズ、メルカプタイド系有機ス
ズ、アンチモン系、エポキシ化合物、亜リン酸エステル
などの分解・架橋安定剤;炭酸カルシウム、タルク、ク
レー、けい酸、けい酸塩、アスベスト、マイカ、ガラス
繊維、ガラスバルーン、カーボン繊維、金属繊維、セラ
ミックウィスカ、チタンウィスカなどの充填材;低級脂
肪族炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、フッ素化脂肪族
炭化水素、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、ホ
ウ水素化ナトリウム、アゾ系(アゾジカルボンアミドな
ど)、ニトロソ系(ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ンなど)、ヒドラジド系(p−トルエンスルホニルヒド
ラジドなど)、トリヒドラジノトリアジン系などの発泡
剤;リン酸エステル系[トリクレジルホスフェート、ト
リス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなど]、
臭素系(デカブロモビフェニルエーテルなど)、三酸化
アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩系(ホウ酸
亜鉛、メタホウ酸バリウムなど)、水酸化アルミニウ
ム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニ
ウム、ヘット酸、テトラブロモビスフェノールAなどの
難燃剤;ポリマー型帯電防止剤(ポリエーテルエステル
アミドなど);フルオロカーボン、脂肪酸エステル(炭
素数12〜100)、脂肪族アルコール(炭素数12〜
100)、多価(2価〜6価またはそれ以上)アルコー
ル(炭素数12〜100)、金属石けんなどの滑剤・離
型剤;酸化チタン、ベンガラ、黄鉛、カドミウム系、群
青、アゾ系、フタロシアニン系、建染染料系、キナクリ
ドン系、ジオキサジン系、染付レーキなどの顔料;アン
トラキノン系、インジゴイド系、アゾ系などの染料;ジ
ベンジリデンソルビトールなどの核剤等が挙げられる。
【0026】本発明の樹脂成形品は多層成形を行うこと
や、一旦成形したものに耐光安定能を有するコーティン
グ層を設けることなどの複雑な複合成形法を用いる必要
がなく、通常の成形機を用いて得ることができ、効果的
な耐光安定能を有している。通常の成形機としては、例
えば、射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、注型成
形機などが挙げられ、これらの成形機で成形された成形
品をそのまま使用できる。また本発明の樹脂成形品の効
果を損なわない範囲で、2次加工を施すこともできる。
例えば、耐擦傷性向上を目的にハードコートするなど、
本発明の樹脂成形品の上にコーティング層を設けたり、
他の樹脂を積層したりしても差し支えない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】実施例1 耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−
3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=
10.6)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N
−ジヒドロキシエチルラウリルアミン(SP値=10.
9)50質量部を撹拌装置付きフラスコで80℃にて混
合した。この混合物0.8質量部と樹脂(R)としてポ
リプロピレン(MI=10、SP値=7.9)100質
量部を、二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成
物(A1)を得た。
【0029】実施例2 耐光安定剤(U)としてメチルメタクリレート−(2’
−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール共重合体(SP値=11.
4)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒ
ドロキシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)5
0質量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この
混合物0.8質量部と樹脂(R)としてポリプロピレン
(MI=10、SP値=7.9)100質量部を、二軸
押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(A2)を
得た。
【0030】実施例3 耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](SP値=11.3)25
質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)
25質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロ
キシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)25質
量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この混合
物0.8質量部と樹脂(R)としてポリエチレン(MI
=5、SP値=8.2)100質量部を、二軸押出機に
て170℃で溶融混練し樹脂組成物(A3)を得た。
【0031】実施例4 耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](SP値=11.3)25
質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.9)
25質量部、界面活性剤(S)としてN,N−ジヒドロ
キシエチルラウリルアミド(SP値=11.7)25質
量部をブラベンダーで180℃にて混合した。この混合
物1.4質量部と樹脂(R)としてポリウレタン(ポリ
エーテル系ウレタン樹脂、SP値=10.1)100質
量部を、二軸押出機にて170℃で溶融混練し樹脂組成
物(A4)を得た。
【0032】実施例5 耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−
3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=
10.6)50質量部、界面活性剤(S)としてN,N
−ジヒドロキシエチルラウリルアミン(SP値=10.
9)50質量部を撹拌装置付きフラスコで80℃にて混
合した。この混合物28部とワックス(W)としてポリ
エチレンワックス(三洋化成(株)社製サンワックス1
31−P:分子量3500、SP値=8.1)40質量
部、カーボンブラック(三菱化学(株)社製)12質量
部、ポリプロピレン(グランドポリマー(株)社製J1
09G:MI=10、SP値=7.9)20部を2軸押
出機を用い210℃にて溶融混練し樹脂成形品用改質剤
組成物(M1)を得た。
【0033】実施例6 (M1)5質量部とポリプロピレン(グランドポリマー
(株)社製J109G)95質量部を溶融混練し樹脂組
成物(A5)を得た。 比較例1 耐光安定剤(U)としてメチル−2−カルボメトキシ−
3−(パラメトキシベンジル)アクリレート(SP値=
10.6)0.5質量部と樹脂(R)としてポリプロピ
レン(MI=10、SP値=7.9)100質量部を、
二軸押出機にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(B
1)を得た。
【0034】比較例2 耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](SP値=11.3)0.
5質量部と2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.
9)0.5質量部と樹脂(R)としてポリエチレン(M
I=5、SP値=8.2)100質量部を、二軸押出機
にて200℃で溶融混練し樹脂組成物(B2)を得た。
【0035】比較例3 耐光安定剤(U)としてトリエチレングリコール−ビス
[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](SP値=11.3)0.
9質量部、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール(SP値=11.
9)0.9質量部および樹脂(R)としてポリウレタン
(ポリエーテル系ウレタン樹脂、SP値=10.1)1
00質量部を、二軸押出機にて180℃で溶融混練し樹
脂組成物(B3)を得た。
【0036】実施例1〜4、6、比較例1〜3で得られ
た樹脂組成物の構成成分のSP値の関係を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例7 樹脂組成物(A1)を射出成形機にて190℃で成形
し、1cm×2cm×5cmのテスト用成形品(P1)
を作製した。作製直後の(P1)の断面組成はIR分析
の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時
間温度調節した後に、表層部(成形品表面部で深さ1m
m×タテ1.5cm×ヨコ1.5cmまでの部分)とコ
ア部(成形品中心部で厚さ3mm×タテ3mm×ヨコ3
mmの部分)のメチル−2−カルボメトキシ−3−(パ
ラメトキシベンジル)アクリレートの濃度を測定した。
その濃度比は4.2:1であった。
【0039】実施例8 樹脂組成物(A2)を射出成形機にて190℃で成形
し、1cm×2cm×5cmのテスト用成形品(P2)
を作製した。作製直後の(P2)の断面組成はIR分析
の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時
間、72時間温度調節した後に、表層部(実施例5に同
じ)とコア部(実施例5に同じ)とのメチルメタクリレ
ート−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキ
シエチルフェニル)ベンゾトリアゾール共重合体の濃度
を測定した。その濃度比は24時間後で2.1:1、7
2時間後で3.3:1であった。
【0040】実施例9 樹脂組成物(A3)を射出成形機にて190℃で成形
し、3cm×8cm×8cmのテスト用成形品(P3)
を作製した。作製直後の(P3)の断面組成はIR分析
の結果、均一であった。この成形品を40℃にて24時
間、72時間温度調節した後に、表層部(実施例5に同
じ)とコア部(実施例5に同じ)とのトリエチレングリ
コール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の濃度を測定
した。その濃度比は24時間後で3.0:1、72時間
後で3.5:1であった。
【0041】実施例10 樹脂組成物(A4)をプレス成形機にて170℃で成形
した後、トリミングを行い5mm×8cm×8cmのテ
スト用成形品(P4)を作製した。作製直後の(P4)
の断面組成はIR分析の結果、均一であった。この成形
品を40℃にて24時間、72時間温度調節した後に、
表層部(実施例5に同じ)とコア部(実施例5に同じ)
とのトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]の濃度を測定した。その濃度比は24時間後で
3.4:1、72時間後で3.6:1であった。
【0042】実施例11 樹脂組成物(A5)を射出成形機にて230℃で成形し
厚み1cm×ヨコ2cm×タテ5cmのテスト用樹脂成
形品(P5)を得た。この(P5)を40℃にて72時
間温度調節した後に、表層部(成形品表面から深さ1m
mまでの部分)と中心部(成形品中心から3mm×3m
m×3mm以内の部分)とのメチル−2−カルボメトキ
シ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度
を測定した。その濃度比は4.6:1であった。 比較例4 樹脂組成物(B1)を用いる以外は実施例7と同様にし
てテスト成形品(P6)を得た。作製直後の(P6)は
均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後
の、成形品表層部とコア部のメチル−2−カルボメトキ
シ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度
を測定した。その濃度比は1.2:1であった。
【0043】比較例5 樹脂組成物(B2)を用いる以外は実施例7と同様にし
てテスト成形品(P7)を得た。作製直後の(P7)は
均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後
の、成形品表層部とコア部のメチル−2−カルボメトキ
シ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートの濃度
を測定した。その濃度比は1.3:1であった。
【0044】比較例6 樹脂組成物(B3)を用いる以外は実施例10と同様に
してテスト成形品(P8)を得た。作製直後の(P8)
は均一な樹脂組成物であった。40℃で24時間温調後
の、成形品表層部とコア部のトリエチレングリコール−
ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]の濃度を測定した。そ
の濃度比は1.2:1であった。
【0045】実施例12〜15、比較例7、8 促進耐光性試験機を用いて実施例テスト成形品(P1)
〜(P3)、(P5)および、比較例テスト成形品(P
6)、(P7)の耐光性を評価した。結果を表2に示
す。
【0046】
【表2】
【0047】試験条件 :アイスーパーUVテスター
[岩崎電気(株)製]を用いて、60mW/cm2 の強
度で96時間照射。 MI増加率:促進耐光試験前後の成形品のMI(メルト
フローインデックス)を測定し増加率を算出。(増加率
が大きいほど分子量が低下して劣化している)
【0048】実施例16、比較例9 促進耐光性試験機を用いてテスト成形品(P4)、(P
8)の耐光性を評価した。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】試験条件 :アイスーパーUVテスター
[岩崎電気(株)製]を用いて、60mW/cm2 の強
度で96時間照射。試料数5枚 表面劣化度:目視による促進耐光試験前後の成形品の比
較で ○外観(形状)に変化が認められず着色も進行していな
い △外観(形状)に変化が認められないが着色が進行して
いる ×外観(形状)に劣化が認められ着色も進行している
【0051】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、簡易な成形法で
成形でき、得られた成形品は含有する耐光安定剤が少量
にもかかわらず優れた耐光安定性を有することから、そ
の有用性は極めて高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/02 C08L 67/02 75/04 75/04 77/00 77/00 (72)発明者 小笹 直 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 樋口 彰一 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂(R)と耐光安定剤(U)からなる
    樹脂成形品において、表層部の(U)の濃度がコア部の
    2倍以上であることを特徴とする樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 成形品の耐光安定剤(U)の濃度が成形
    品表層部からコア部に向かって連続的に減少している請
    求項1記載の樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界
    面活性剤(S)からなる均一な樹脂成形品のコア部に存
    在していた(U)を表層部にマイグレートさせてなる請
    求項1または2記載の樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界
    面活性剤(S)からなり、それぞれの溶解度パラメータ
    ー(SP値)が次の関係式(1)および(2)を満たす
    樹脂組成物を成形してなる請求項1〜3のいずれか記載
    の樹脂成形品。 1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1) 5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2) [式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、
    (U)および(S)のSP値を示す。]
  5. 【請求項5】 樹脂(R)、耐光安定剤(U)および界
    面活性剤(S)からなり、それぞれの溶解度パラメータ
    ー(SP値)が次の関係式(1)および(2)を満たす
    樹脂成形品用樹脂組成物。 1.0≦|SPr−SPu|≦7.5 (1) 5×|SPs−SPu|≦|SPr−SPu| (2) [式中SPr、SPuおよびSPsはそれぞれ(R)、
    (U)および(S)のSP値を示す。]
  6. 【請求項6】 (R)、(U)および(S)のSP値が
    次の関係式(3)を満たす請求項3〜5いずれか記載の
    樹脂成形品または樹脂組成物。 |SPr−SPu|≦|SPr−SPs| (3)
  7. 【請求項7】 (U)の含量が(R)の質量に基づいて
    0.05〜1.2質量%である請求項1〜6いずれか記
    載の樹脂成形品または樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (S)の含量が(U)の質量に対して2
    0〜200質量%である請求項3〜7いずれか記載の樹
    脂成形品または樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (U)と(S)を溶融混合したものと
    (R)もしくはその前駆体とを溶融混練して得られる請
    求項3〜8いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 (U)がベンゾフェノン類、サリチレ
    ート類、ベンゾトリアゾール類、アクリレート基含有耐
    光安定剤、金属錯塩含有耐光安定剤、ヒンダードフェノ
    ール類、ヒンダードアミン類およびリン含有耐光安定剤
    からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜9い
    ずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (U)の分子量が250以上である請
    求項1〜10のいずれか記載の樹脂成形品または樹脂組
    成物。
  12. 【請求項12】 (R)、(U)および(S)からなる
    均一な樹脂成形品のコア部に存在している(U)を表層
    部にマイグレートさせて、表層部の(U)の濃度がコア
    部の2倍以上である樹脂成形品を製造することからなる
    樹脂成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】 さらにワックス(W)を含む請求項1
    〜11いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 ワックス(W)(15〜90質量
    %)、耐光安定剤(U)(5〜15質量%)および界面
    活性剤(S)(3〜20質量%)からなる請求項13記
    載の樹脂成形品用の改質剤組成物(M)。
  15. 【請求項15】 さらに(R)もしくはその前駆体およ
    び/または他の添加剤を50質量%までの量含有させて
    なる請求項14記載の改質剤組成物。
  16. 【請求項16】 (R)がポリオレフィン樹脂、スチレ
    ン系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
    脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂および熱硬化性ポリウレ
    タン樹脂からなる群より選ばれる1種以上である請求項
    1〜11、13いずれか記載の樹脂成形品または樹脂組
    成物。
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