JPH09164638A - (メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム及び(メタ)アクリル酸エステル系樹脂積層フィルム - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム及び(メタ)アクリル酸エステル系樹脂積層フィルム

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JPH09164638A
JPH09164638A JP34837595A JP34837595A JPH09164638A JP H09164638 A JPH09164638 A JP H09164638A JP 34837595 A JP34837595 A JP 34837595A JP 34837595 A JP34837595 A JP 34837595A JP H09164638 A JPH09164638 A JP H09164638A
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meth
film
based resin
acrylic acid
acid ester
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Application number
JP34837595A
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Takeo Azuma
健夫 東
Masamichi Akatsu
正道 赤津
Takeya Mizuno
斌也 水野
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被接着層を紫外線から有効に保護し、紫外線
遮断効果、耐候性を有する(メタ)アクリル酸エステル
系樹脂フィルムおよびその積層フィルムを提供する。 【解決手段】 紫外線吸収剤および抗酸化剤を含有する
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムにおいて、
紫外線吸収剤の含有量W1(mg/cm3)、抗酸化剤の
含有量W2(mg/cm3)およびフィルム層厚d(c
m)が、下記式(1)〜(3)を満足する。 【数1】 0.055<W1×d<0.19 (1) 0.032<W2×d<0.38 (2) 0.5<W1/W2<1.7 (3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収剤と抗
酸化剤とを特定の割合で含有する(メタ)アクリル酸エ
ステル系樹脂フィルムおよびその積層フィルムに関し、
より詳細には、紫外線遮断性に優れる(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂フィルム、およびこれを接着層に使用
し、被接着層を紫外線から有効に保護し、品質劣化を防
止して優れた耐候性を有する積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂は、
透明性、耐候性、表面硬度、化学的性質等に優れ、看
板、ディスプレイ、弱電・工業部門、自動車等を中心と
する車両部門、建材・店装、照明器具等に極めて多岐に
使用されている。また、(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂の中にはそれ自体で接着性を発揮するものがあり、
または他のアクリル酸エステルや他のモノマーとの共重
合体が接着性を発揮する場合がある。これらはその接着
性を利用し、塗料の原料、繊維の仕上げ剤、接着剤等と
して、または積層フィルムや積層体の製造においては上
下層の接着層として使用されることも多い。
【0003】一方、テント、雨樋、家屋・自動車等の
幌、建築資材等の屋外で使用されるものには、その性質
上耐候性が要求される。このため構成部材の表面を耐候
性のフィルムで覆い、構成部材を風雨等から保護する積
層体とすることが多い。特に長期間屋外で使用される構
造体は、太陽光線に含まれる290nm以上の紫外線の
影響を受けて劣化する。これは、紫外線エネルギーによ
る自動酸化の開始反応が生じ、励起された活性種がラジ
カル反応によりプラスチックを分解するからである。従
って紫外線による劣化を防ぐために、構造物を構成する
組成物自体に紫外線吸収剤や抗酸化剤を配合する工夫等
がなされている。例えば特開平2−175782号公報
には、接着性フィルムの貼着状態を維持するため、接着
層に紫外線吸収剤と光酸化防止剤とを配合した例が開示
されている。当該公開公報に記載の接着性フィルムは、
装飾や表面保護を目的として被貼着体の表面に貼着して
用いるものである。従って、紫外線により接着性フィル
ムの接着層が劣化すれば接着層の貼着性が低下する。こ
のため、接着層自体に耐候性を付与する観点から、接着
層を構成する組成物自体に紫外線吸収剤と光酸化防止剤
とを配合したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし一般に、紫外線
による劣化は接着層のみならず、接着フィルムが貼着さ
れた被貼着体にもおよぶ。上記公開公報が開示した接着
フィルムは、接着層自体の紫外線劣化を低下させるもの
であり、上記フィルムを添付した被貼着体の紫外線劣化
の防止を目的としたものではない。一方、紫外線劣化を
防止するために紫外線吸収剤を単に添加したのでは、紫
外線吸収剤の価格が高く製品単価を高める。このため、
紫外線吸収剤と他剤とを有効に組み合わせ、上記目的を
達成する必要がある。従って、(メタ)アクリル酸エス
テル系樹脂フィルムを積層または貼着した積層体や被貼
着体において、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィ
ルム自体だけでなく、当該フィルムの積層下層や被貼着
体への紫外線による劣化をも有効に防止しながら紫外線
吸収剤の使用量を低減させた(メタ)アクリル酸エステ
ル系樹脂フィルムの開発、ならびに当該フィルムを用い
た耐候性に優れる積層フィルムの開発が求められてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、紫外線遮
断効果について鋭意研究を行った結果、紫外線吸収剤と
抗酸化剤とを特定の割合で配合することにより、少量の
紫外線吸収剤で優れた紫外線遮断効果を有する(メタ)
アクリル酸エステル系樹脂フィルムが得られること、お
よび当該フィルムを用いることにより耐候性に優れる積
層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち本発明は、紫外線吸収剤および抗
酸化剤を含有する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フ
ィルムにおいて、紫外線吸収剤の含有量W1(mg/c
3)、抗酸化剤の含有量W2(mg/cm3)およびフ
ィルム層厚d(cm)が、下記式(1)〜(3)を満足
することを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂フィルムを提供するものである。また、紫外線吸収剤
および抗酸化剤を含有する(メタ)アクリル酸エステル
系樹脂フィルムにおいて、紫外線吸収剤の含有量W
1(mg/cm3)、抗酸化剤の含有量W2(mg/c
3)およびフィルム層厚d(cm)が、下記式(4)
〜(6)を満足することを特徴とする(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂フィルムを提供するものである。ま
た、紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化合物、ベン
ゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サ
リチル酸系化合物、アクリロニトリル系化合物の群から
選ばれる1種または2種以上の化合物であって、抗酸化
剤がヒンダードアミン系抗酸化剤であることを特徴とす
る前記(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムを提
供するものである。さらに、ポリフッ化ビニリデン系樹
脂フィルム層と前記(メタ)アクリル酸エステル系樹脂
フィルム層とを有することを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸エステル系樹脂積層フィルムを提供するものであ
る。加えて、ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム層、
前記(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム層およ
び塩化ビニル系樹脂フィルム層とをこの順に積層したこ
とを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系樹脂積層
フィルムを提供するものである。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0007】
【数3】 0.055<W1×d<0.19 (1) 0.032<W2×d<0.38 (2) 0.5<W1/W2<1.7 (3)
【0008】
【数4】 0.067<W1×d<0.13 (4) 0.032<W2×d<0.14 (5) 0.5<W1/W2<1.7 (6)
【0009】本発明で使用できる(メタ)アクリル酸エ
ステル系樹脂は、その使用目的に応じて各種モノマーを
選択することができ、または他のモノマーとの共重合体
であってもよい。本発明で使用できるモノマーとして
は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、アクリ
ルアマイド、N−メチロールアクリルアマイドなどを例
示することができる。また、他のモノマーとしては、ス
チレンやα−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、
アクリロニトリル、無水マレイン酸などを挙げることが
できる。
【0010】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィル
ムの厚みは使用目的に応じて適宜定めることができ、特
に限定されないが、通常、10〜100μm、より好ま
しくは10〜80μm、特には10〜50μmである。
【0011】本発明で使用できる紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノ
アクリレート系、サリチル酸系、アクリロニトリル系等
の紫外線吸収剤を使用することができる。これらの中で
もベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、吸収波長領域
が280〜360nmと広く、特に好ましい。ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,
2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブ
チル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)
フェノール等を例示することができる。ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、2,−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
−2’−カルボキシベンゾフェノン、を例示することが
できる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、
エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレートを例示することができる。サリチル酸
系紫外線吸収剤としては、2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニル
サリチレート、レゾルシノールモノベンゾエート、4−
tert−ブチルフェニルサリチレートを例示すること
ができる。これらは単独でも2種以上を併用してもよ
い。
【0012】紫外線吸収剤の配合量は、(メタ)アクリ
ル酸エステル系樹脂100重量部に対して10重量部以
下であることが好ましく、5重量部以下であることがよ
り好ましい。10重量部を超えるとフィルム製造時に紫
外線吸収剤のブリードアウトをおこし加工性が低下する
からである。また、紫外線吸収剤の配合量はフィルム厚
をd(cm)とした場合に、0.055<W1×d<
0.19の範囲であることが好ましく、特には0.06
7<W1×d<0.13の範囲である。(メタ)アクリ
ル酸エステル系樹脂に上記範囲で紫外線吸収剤を配合さ
せて得たフィルムは、この配合範囲で十分な紫外線吸収
効果を発揮し、被接着層を紫外線から有効に保護するこ
とができる。
【0013】本発明で使用できる抗酸化剤としては、ヒ
ンダードアミン系、フェノール系、チオ系、リン系の抗
酸化剤を使用することができ、特に種々の抗酸化作用を
示す点でヒンダードアミン系が好ましい。ヒンダードア
ミン系抗酸化剤としては、ビス−(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン]縮合物、ポリ{[6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,
5−トリアジン−2,4−ジイル[(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレ
ン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノール]}、テトラキス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル−トリデシル−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビ
ス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,
4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカンとブ
タンテトラカルボン酸のエステル等を例示することがで
きる。フェノール系抗酸化剤としては、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−
3−(3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート等を例示することができる。チ
オ系抗酸化剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロ
ピオネート等を例示することができる。リン系抗酸化剤
としては、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト等を例示す
ることができる。これらは単独でも2種以上を併用して
もよい。
【0014】抗酸化剤の配合割合は、(メタ)アクリル
酸エステル系樹脂フィルムのフィルム厚をd(cm)と
した場合に、0.032<W2×d<0.38の範囲で
あることが好ましく、特には0.032<W2×d<
0.14の範囲である。この配合範囲で十分な紫外線吸
収剤の保護効果を発揮するからである。さらに、抗酸化
剤の配合割合は前記紫外線吸収剤W1との比が、0.5
<W1/W2<1.7、特には1.0<W1/W2<1.7
の範囲であることが好ましい。この範囲で抗酸化剤を併
用すると、紫外線吸収剤単独時での紫外線遮断効果と同
程度の紫外線遮断効果を、より少ない紫外線吸収剤の使
用量で得ることができる。このため価格の高い紫外線吸
収剤の使用量を減少させ、製品コストを低下させること
ができる。
【0015】本発明の(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂積層フィルムは、上記(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂フィルムとポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等との積層フィルム
にすることができる。これらの中でもポリフッ化ビニリ
デン系樹脂フィルムとの積層フィルムとすることが好ま
しい。ポリフッ化ビニリデン系樹脂は耐候性に優れるた
め、積層フィルムまたは積層体の最外層または表面近傍
層に使用することにより(メタ)アクリル酸エステル系
樹脂層以下の層を保護することができるからである。
【0016】本発明で使用するポリフッ化ビニリデン系
樹脂層に使用するポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ
化ビニリデン樹脂単独でもよいが、フッ化ビニリデンと
共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよ
い。例えば、フッ化ビニリデンを構成単位として70モ
ル%以上含有する共重合体、またはこれら重合体の混合
物を使用することができる。フッ化ビニリデンと共重合
されるモノマ−としては、四フッ化エチレン、六フッ化
プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレ
ン、フッ化ビニル等が挙げられ、これらの1種または2
種以上を用いることができる。なお、フッ化ビニリデン
系樹脂には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、
滑剤、界面活性剤などを目的に応じて適宜配合すること
ができる。
【0017】本発明の(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂積層フィルムは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィル
ムと(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムの他
に、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹
脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、ポリスチ
レン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、A
BS樹脂系樹脂フィルム等を積層したものであってもよ
い。これらの中でもポリ塩化ビニル系樹脂フィルムが好
ましい。なお、「フィルム」には、これら樹脂組成物を
板状に成形したものや繊維を編織した布帛等の厚地のも
のも含むものとする。本発明の積層フィルムにおいて、
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムを積層の接
着層として使用することにより、紫外線遮断効果による
耐候性を付与し、樹脂層の劣化を有効に防止することが
できる。
【0018】本発明の(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂フィルムの製造方法は、一般的な(メタ)アクリル酸
エステル系樹脂の溶融押出成形法を採用することができ
る。成形時の樹脂組成物の溶融温度としては200〜2
50℃が好ましく、より好ましくは220〜240℃で
ある。押出は、好ましくはTダイを用い、厚さ10〜1
00μm、より好ましくは10〜50μmの範囲に製膜
する。積層フィルムを製造する場合にも、一般的な共押
し出し法を採用することができる。
【0019】本発明の(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂積層フィルムは表面層上に、光沢、防曇性、紫外線遮
断性などの諸機能を付与するため、または機械的強度、
耐湿性などを改良するため他の表面保護層を設けること
ができる。本発明の(メタ)アクリル酸系樹脂積層フィ
ルムの各層には、所望により、酸化防止剤、滑剤、紫外
線吸収剤、顔料、充填剤、帯電防止剤などの各種添加剤
を添加することができる。
【0020】本発明の(メタ)アクリル酸エステル系樹
脂フィルムおよびその積層フィルムは、耐候性に優れて
いるため屋外で使用する自動車、店舗、家屋等の幌、テ
ント、包装材、建築資材等の表面保護用フィルムとして
使用することできる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。物性の測定法は次のとおりである。
【0022】(1)紫外線透過率 スーパーUVテスター(大日本プラスチック社製SUV
−W11)を使用し、湿度60%、ブラックパネル温度
63℃、照射強度83mW/cm2の条件下で試験片に
144時間または240時間、紫外線を照射した。照射
後の試験片について、波長350nmの紫外線透過率を
紫外線可視自記分光光度計(島津製作所社製UV220
0)を使用し測定した。 (2)色差 白色テント地に試験片を熱ラミネート後、上記紫外線透
過率の条件と同様にして紫外線を照射し、紫外線照射前
のフィルムをΔE=0とし、144時間及び240時
間、紫外線を照射した後の色差を色差計(日本電色工業
社製Z−Σ80)を使用し測定した。
【0023】(実施例1)70℃で一晩乾燥したメタク
リル酸エステル系樹脂(メチルメタアクリレート/n−
ブチルアクリレート=80/20の共重合体、MI=
3.5)100重量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)フェノール](旭電化(株)製「アデカ
スタブLA−31」)2.5重量部および抗酸化剤とし
てビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート(旭電化(株)製「アデカスタブLA
−77」)1.7重量部をハンドブレンドし、次いで、
温度220℃の条件下、50φ押出機を使用し、溶融混
練を行いペレットを得た。このペレットは温度240℃
の条件下、50φ押出機を使用し、フッ化ビニリデン系
樹脂(呉羽化学工業(株)製「KF#1000」)は温
度240℃の条件下、25φ押出機を使用して共押し出
しし、メタクリル酸エステル系樹脂の厚さ26μm、フ
ッ化ビニリデン系樹脂の厚さ4μmの積層フィルムを得
た。得られた積層フィルムを試験片とし、フッ化ビニリ
デン系樹脂側から紫外線を照射することにより、上記の
紫外線透過率測定試験および色差測定試験(メタクリル
酸エステル系樹脂側に白色テント地を熱ラミネート)を
行い、その結果を表−1示した。
【0024】(実施例2〜6)実施例1で使用した紫外
線吸収剤と抗酸化剤の配合量を表−1に示す配合量に変
えた以外は、実施例1と同様に操作して積層フィルムを
得た。得られた積層フィルムについて実施例1と同様に
紫外線透過率測定試験および色差測定試験を行い、その
結果を表−1示した。
【0025】(比較例1〜5)実施例1で使用した紫外
線吸収剤と抗酸化剤の配合量を表−1に示す配合量に変
えた以外は、実施例1と同様に操作して積層フィルムを
得た。得られた積層フィルムについて実施例1と同様に
紫外線透過率測定試験および色差測定試験を行い、その
結果を表−1示した。
【0026】(比較例6、実施例7、8)実施例1で使
用した紫外線吸収剤と抗酸化剤の配合量を表−2に示す
配合量に変え、メタクリル酸エステル系樹脂の厚さを4
6μmに変えた以外は実施例1と同様に操作して、積層
フィルムを得た。得られた積層フィルムについて紫外線
透過率測定試験および色差測定試験を行い、その結果を
表−2示した。なお、比較例1〜3の結果も、比較対照
のために掲げた。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】(結果) (1) 表−1は、メタクリル酸エステル系樹脂フィル
ムの厚さを26μmとし、紫外線吸収剤と抗酸化剤の配
合量を変化させたときの紫外線透過率と色差を示したも
のである。 紫外線吸収剤の配合量(W1)が1.5重量部であ
る場合、すなわちW1×dが0.046のとき、紫外線
透過率および色差は共に高値を示し、抗酸化剤(W2
を配合した場合も紫外線透過率および色差に対する顕著
な抑制効果は得られなかった(比較例1〜3)。 一方、紫外線吸収剤が2.5、3.5または5重量
部である場合、すなわちW1×dが0.076、0.1
1または0.15のときは、抗酸化剤と紫外線吸収剤と
の配合比に依存して紫外線透過率および色差を顕著に抑
制した。具体的には、W1/W2が1.5および0.75
の場合はいずれも紫外線透過率を0に抑え、色差も抗酸
化剤の配合量に比例して抑制した(実施例1〜6)。し
かし、W1/W2が2.5および2.3の場合は、紫外線
透過率および色差は高い値を示したままであった(比較
例4、5)。 (2) 表−2は、紫外線吸収剤の配合量を1.5重量
部とし、メタクリル酸エステル系樹脂フィルムの厚さを
変化させた場合の紫外線透過率と色差を示したものであ
る。 フィルム厚(d)が26μmの場合、すなわちW1
×dが0.046のときは、抗酸化剤を配合しても紫外
線透過率および色差は高値を示した(比較例1〜3)。 一方、フィルム厚(d)を46μmにした場合、す
なわちW1×dが0.082のときは、抗酸化剤と紫外
線吸収剤との配合比に依存して紫外線透過率および色差
の変化を抑制した。 具体的には、W1/W2が1.5および1.0の場合に顕
著な紫外線透過率の抑制を示した(実施例7、8)。し
かし、W1/W2が3.0の場合には紫外線透過率および
色差は高い値を示したままであった(比較例6)。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、紫外線吸収剤と抗酸化
剤とを特定の割合(メタ)アクリル酸エステル系樹脂に
配合することによって、紫外線遮断性に優れるフィルム
を得ることができ、このフィルムを積層フィルムの接着
層に使用することによって積層フィルムの構成地を有効
に紫外線から保護し、劣化を防止し、優れた耐候性を有
する積層フィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3435 LHX C08K 5/3435 LHX C08L 33/06 LHV C08L 33/06 LHV

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤および抗酸化剤を含有する
    (メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムにおいて、
    紫外線吸収剤の含有量W1(mg/cm3)、抗酸化剤の
    含有量W2(mg/cm3)およびフィルム層厚d(c
    m)が、下記式(1)〜(3)を満足することを特徴と
    する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム。 【数1】 0.055<W1×d<0.19 (1) 0.032<W2×d<0.38 (2) 0.5<W1/W2<1.7 (3)
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤および抗酸化剤を含有する
    (メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルムにおいて、
    紫外線吸収剤の含有量W1(mg/cm3)、抗酸化剤の
    含有量W2(mg/cm3)およびフィルム層厚d(c
    m)が、下記式(4)〜(6)を満足することを特徴と
    する(メタ)アクリル酸エステル系樹脂フィルム。 【数2】 0.067<W1×d<0.13 (4) 0.032<W2×d<0.14 (5) 0.5<W1/W2<1.7 (6)
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系化
    合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系
    化合物、サリチル酸系化合物、アクリロニトリル系化合
    物の群から選ばれる1種または2種以上の化合物であっ
    て、抗酸化剤がヒンダードアミン系抗酸化剤であること
    を特徴とする請求項1または2記載の(メタ)アクリル
    酸エステル系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム層
    と請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸
    エステル系樹脂フィルム層とを有することを特徴とする
    (メタ)アクリル酸エステル系樹脂積層フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム
    層、請求項1〜3のいずれかに記載の(メタ)アクリル
    酸エステル系樹脂フィルム層および塩化ビニル系樹脂フ
    ィルム層とをこの順に積層したことを特徴とする(メ
    タ)アクリル酸エステル系樹脂積層フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000144000A (ja) * 1998-09-08 2000-05-26 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂成形品、樹脂組成物および成形品の製造方法
JP2008076764A (ja) * 2006-09-21 2008-04-03 Nitto Denko Corp 光学フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2014071484A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Gunze Ltd 透明導電性積層体およびタッチパネル

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