JP2004338222A - 蛍光持続性の改良されたアクリル系樹脂フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光着色されたアクリル系樹脂フィルムの長期間使用における蛍光性の低下を改善し、蛍光持続性の優れたフィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】透明性を有するアクリル系樹脂(A)に特定波長を吸収する紫外線吸収剤を配合してなり、特定の光線透過率を有するフィルム状アクリル系樹脂組成物(I)を、透明性を有するアクリル系樹脂(B)に特定の蛍光着色剤を添加することからなる蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)に積層してなる得られるアクリル系樹脂フィルム。
【解決手段】透明性を有するアクリル系樹脂(A)に特定波長を吸収する紫外線吸収剤を配合してなり、特定の光線透過率を有するフィルム状アクリル系樹脂組成物(I)を、透明性を有するアクリル系樹脂(B)に特定の蛍光着色剤を添加することからなる蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)に積層してなる得られるアクリル系樹脂フィルム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光持続性の優れたアクリル系樹脂フィルムに関するものである。さらに詳しくは、蛍光着色されたアクリル系樹脂フィルムとそのフィルムの蛍光持続性を維持するためのアクリル系樹脂の保護フィルムを2層以上にしたアクリル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクリル系樹脂は、その透明性を活かして蛍光着色剤を配合し、パチンコ部品、各種ランプ類のケースやカバー、交通安全のための道路標識やポール等の再帰性反射シート、その他各種電気製品のハウジング等の幅広い分野に使用されている。しかしながら、アクリル系樹脂においては、他の樹脂に比べて、蛍光着色剤添加樹脂製品の多くは長時間の使用や屋外での使用、又はランプ類での使用において、紫外線、熱、水などの影響を受け、蛍光性の低下が生じ、商品としての価値が低下しやすいという傾向がある。
【0003】
この蛍光持続性を改善する方法として、特許文献1には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂等にある種の蛍光着色剤を2種以上併用する方法が開示されているが、JIS A 1415に示される方法を用いて蛍光持続性の試験が成されているものの、連続1000時間までの試験に留まっており、それ以上の時間に渡って蛍光持続性を維持できるか不明確な上、開示されている蛍光着色剤は、赤色系やオレンジ系の蛍光色に限定されている。世間的に一般的な蛍光色である黄色については、赤色系やオレンジ系よりも蛍光色の持続性が悪いことが知られている。
【0004】
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂に蛍光着色剤と光安定剤を配合する方法が開示されているが、アクリル系樹脂その他の透明樹脂については比較例として蛍光持続性には良くないことが記載されており、アクリル系樹脂にはこの方法は応用できない。また、特許文献3においては、蛍光着色剤を含むポリカーボネートなどの樹脂層に、紫外線吸収剤を含むスクリーン層をオーバーレイしたフィルムの開示があり、スクリーン層の光線透過率について言及されているが、遮断すべき入射光の波長は400nmを上限とし、400〜700nmの可視光に対しては実質的に透明であることが必要と明示されている。さらに、樹脂層の基材がアクリル樹脂であると効果が無いと記載されており、この方法もアクリル系樹脂には応用できない。なお、特許文献2及び3においては、用途が再帰性反射シート(逆反射性シートともいう)のみに限定されている。
【0005】
アクリル系樹脂としては、特許文献4に、蛍光着色剤を配合した樹脂と紫外線吸収剤を配合した樹脂を積層してなるシートが開示されているが、この方法では、蛍光発色性を維持するために、370nmの光線透過率を30%以上とする必要があり、370nm付近の紫外線を遮断しないため、樹脂や蛍光着色剤の劣化が著しく、実用に耐えない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−30220号公報
【0007】
【特許文献2】
特表平10−510313号公報
【0008】
【特許文献3】
特許第3002042号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平2−16042号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような蛍光着色剤入りのアクリル系樹脂の長期間使用における蛍光性の低下を改善し、蛍光持続性の優れた樹脂組成物、フィルム及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の蛍光着色剤を配合した樹脂組成物と特定の紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物を多層にすることにより、アクリル系樹脂の蛍光着色品単体に比べて飛躍的に蛍光持続性を向上させることができることを見いだし、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、透明性を有するアクリル系樹脂(A)にベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の中から少なくとも1種以上の紫外線吸収剤を配合してなり、波長250〜410nmの光線透過率が5%以下で、かつ全光線透過率が85%以上である厚さ10〜200μmのフィルム状アクリル系樹脂組成物(I)1種以上を、透明性を有するアクリル系樹脂(B)100重量部に対して、チオキサンテン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ペリレン系蛍光染料、メチン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料の中から選択される少なくとも1種以上の蛍光着色剤(C)0.001〜10重量部を添加してなる蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)1種以上に積層して得られるアクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0013】
その好ましい実施態様としては、アクリル系樹脂組成物(I)及び/又は蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)に、それぞれの樹脂組成物100重量部に対して、光安定剤1種以上を0.1〜3重量部添加してなる上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0014】
さらに好ましい実施態様としては、共押出法、押出しラミネーション法、熱ラミネーション法のいずれかで積層されたことを特徴とする上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0015】
また別の好ましい実施態様としては、アクリル系樹脂(A)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(a−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(a−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)95〜5重量部を混合したもの、及び/または、アクリル系樹脂(B)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(b−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(b−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)95〜5重量部を混合して得られるものであることを特徴とする上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムの主成分は、アクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、透明性、耐候性という点で優れており、ショーケース、航空機の窓等に利用されている。アクリル系樹脂は通常、メタクリル酸エステルを主成分とし、必要に応じてアクリル酸エステルなどのその他の成分を共重合して得られるものである。特に、共重合成分として、アクリル酸アルキルエステルを使用することで、フィルムに柔軟性を付与できるので好ましい。
【0017】
本発明の透明性を有するアクリル系樹脂(A)と(B)は、同一のものでも異なるものでも特に限定されない。アクリル系樹脂(A)と(B)の重合方法は特に限定されないが、乳化重合でグラフト共重合したものが、樹脂の粒子径や分子量をコントロールでき、透明性や強度が優れたフィルムが得られるという点で好ましい。アクリル系樹脂(A)の好ましい一例として、以下のような重合処方が挙げられる。アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(a−1)5〜85重量部の存在下にメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(a−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)95〜5重量部を混合するのが好ましい。同様に、アクリル系樹脂(B)も、以下のような重合処方で得られるものが好ましい。アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(b−1)5〜85重量部の存在下にメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(b−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)95〜5重量部を混合するのが好ましい。ここで、弾性共重合体(a−1)および(b−1)は規定の単量体の範囲内であれば、単層でも多層でも特に限定されず、(a−1)と(b−1)は同一であっても異なっても良い。グラフト成分(a−2)および(b−2)も同様に単層でも多層でも特に限定されず、(a−2)と(b−2)は同一であっても異なっても良い。もちろん、本発明のアクリル系樹脂はこれら重合処方に限定されず、必要な強度、透明性、柔軟性を有するフィルムを得ることができるものであればよい。
【0018】
弾性共重合体(a−1)および(b−1)に用いられるアクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−オクチル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、炭素数が8を超える場合には反応速度が遅くなる。また、弾性共重合体(a−1)および(b−1)に用いられる1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体は、架橋剤、グラフト交叉剤として使用する成分であり、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジブチレングリコールジメタクリレート等のジアルキレングリコールジメタクリレート又はこれらのメタクリレートをアクリレートにしたもの、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペート等のビニル基含有多官能性単量体等、さらにアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等のアリル基含有多官能性単量体等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
グラフト成分(a−2)および(b−2)に用いられるアクリル酸アルキルエステルは、弾性重合体(a−1)や(b−1)に用いられるものと同様のものが用いられ、メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、例えば、代表例として、メタクリル酸メチルが挙げられるが、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖上でもよいが、炭素数が4を超える場合には反応速度が遅くなる。
【0020】
弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)又は(B−1)の製造方法は特に限定されない。例えば、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられるが、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、これらの単量体と共重合しうる1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体を用い、乳化重合法で製造するのが好ましい。さらに詳しくは、例えば、乳化重合法を用いて、弾性重合体(a−1)あるいは(b−1)を得て、それぞれグラフト成分(a−2)あるいは(b−2)を同一重合機で製造することができる。
【0021】
本発明におけるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)および(B−2)は、規定の単量体の範囲内であれば、重合体中の組成比が一定であっても、分布を持っていても、特に限定されない。また、(A−2)および(B−2)は同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0022】
アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)又は(B−2)の製造方法は特に限定されない。弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)又は(B−1)と同様の方法が用いられるが、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルを共重合させるために懸濁重合法で製造するのが好ましい。
【0023】
本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)をフィルム状にする際に従来のように紫外線領域だけでなく、可視光領域の一部を遮蔽することで蛍光持続性の効果が格段に向上する。そのためにアクリル系樹脂組成物(I)を厚さ10〜200μmのフィルム状とし、その際のフィルムの、波長250〜410nmの光線透過率が5%以下、好ましくは2%以下で、かつ全光線透過率が85%以上、好ましくは90%であることが必要である。250〜410nmの光線透過率が5%を超える場合、蛍光持続性が低下する。全光線透過率が85%未満の場合は、蛍光発色性が悪くなる。ここで全光線透過率とは、JIS K 7361−1に示される方法で評価されるものであり、具体的には波長380〜780nmでの平均透過率を示す。
【0024】
本発明において、アクリル系樹脂組成物(I)をフィルムにした際、そのフィルムの透過率を上記範囲に制御するため、透明性を有するアクリル系樹脂(A)にベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の中から少なくとも1種以上の紫外線吸収剤を配合する。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられ、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の例としては、2−ヒドロキシ−4−フェニルメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドレイトベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−フェニルプロポキシベンゾフェノン等が挙げられ、トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。また、紫外線吸収剤は2種以上を組み合わせて用いても構わない。これら、紫外線吸収剤の使用量は特に限定されず、250〜410nmの光線を効率的にカットでき、かつ全光線透過率に影響を及ぼさない量を適宜選択しうるが、好ましくは、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは、0.5〜10重量部、より好ましくは、1〜8重量部である。
【0025】
さらに本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)100重量部に対して、光安定剤を0.1〜3重量部添加するのが好ましい。ここで添加される光安定剤としては特に限定されず、公知の光安定剤が使用できるが、具体的には、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどが挙げられる。またこれらを2種以上組み合わせて使用しても良い。さらに必要に応じて、アクリル系樹脂組成物(I)には、各種の酸化防止剤、その他の着色剤を添加することができる。例えば、380〜410nmの可視光領域の一部を吸収するのを補助するために、黄色系の染料や顔料を配合することもできる。
【0026】
本発明における蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)を製造するための透明性を有するアクリル系樹脂(B)に添加する蛍光着色剤(C)は、チオキサンテン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ペリレン系蛍光染料、メチン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料の中から選択される少なくとも1種からなるものである。チオキサンテン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Yellow 98等、クマリン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Yellow 160:1、Macrolex Fluorescent Red G(バイエル社製)及びKayaset Yellow SF−G(日本化薬社製)等、ペリレン系蛍光染料の具体例としては、CI Vat Red 15、CI Vat Orange 7、CI Solvent Yellow 5、Lumogen F Yellow 083(ビーエーエスエフ社製)及びLumogen F Red 305(ビーエーエスエフ社製)等、メチン系蛍光染料の具体例としては、CI Disperse Yellow 82等、ベンゾピラン系蛍光染料の具体例としては、Kayaset Red SF−B(日本化薬社製)等、チオインジゴ系蛍光染料の具体例としては、CI Vat Red 1、CI Vat Red 2、及びCI Vat Red 41等、アンスラキノン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Red 150、CI Solvent Red 197、及びCI Solvent Red 150等が挙げられる。
【0027】
これら蛍光着色剤(C)は単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。これら蛍光着色剤(C)の使用量は透明性を有するアクリル系樹脂(B)100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは、0.005〜5重量部、さらに好ましくは、0.01〜1重量部である。蛍光着色剤(C)の使用量が0.001重量部未満では十分な蛍光性、蛍光持続性が得られず、10重量部を超えると成形品からブリードし、外観を損ねる。
【0028】
蛍光着色剤(C)の添加方法は特に限定されない。例えば、アクリル系樹脂(B)に必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤や他の染料・顔料等を添加し、ニーダー法、ヘンシェルミキサー、バンバリー等の通常の混合法を用いて混合するような公知の混合方法や蛍光着色剤を溶剤に溶解し樹脂に添加し、乾燥して混合する方法等が挙げられる。
【0029】
蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)100重量部に対して、光安定剤を0.1〜3重量部添加するのが好ましい。ここで添加される光安定剤としては特に限定されず、公知の光安定剤が使用できるが、アクリル系樹脂組成物(I)に使用したものと同一のものが使用され、これらを2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0030】
このようにして得られたアクリル系樹脂組成物(I)と蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)を多層フィルムとする方法は特に限定されない。2台の押出機で溶融混練し、合流させることによって多層とする共押出法、一方の樹脂組成物をフィルム状に成形しておき、もう一方の樹脂組成物を押出ししながら、先に成形したフィルムと貼合せ、多層化する押出しラミネーション法、別々にフィルムとしておき、フィルム同士を貼り合わせる熱ラミネーション法等が挙げられる。生産性、コスト、品質の点から別々の押出機で同時に樹脂組成物を押出し、T型ダイスに溶融樹脂を流し込み多層化する共押出法が好ましく用いられる。さらに本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)と蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)はそれぞれ単層であっても、2層以上であっても構わない。但しアクリル系樹脂組成物(I)を2種以上用いる場合は、合計してフィルム厚さ及び光線透過率の規定を満たす必要がある。
【0031】
本発明の蛍光多層フィルムの用途としては、特許文献2及び3にある再帰性反射シート以外に、工事用の安全認識シート、各種装飾用の看板等、耐候性が必要とされる屋外用途の他、建材に用いられる内装用の化粧シートにも用いられる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の記載において、「部」又は「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。また、以下の記載における略号は、それぞれ下記の物質を示す。
B A;アクリル酸ブチル
MMA;メタクリル酸メチル
S T;スチレン
CHP;クメンハイドロパーオキサイド
AMA;メタクリル酸アリル
tDM;ターシャリードデシルメルカプタン
BPO;ベンゾイルパーオキサイド
(1)透明性を有するアクリル系樹脂(A)および(B)
A−1の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合器に以下の物質
水 200部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
硫酸第一鉄・2水塩 0.0015部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.25部
を仕込み、器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素の無い状態とした後、内温を60℃にし、MMA3部、BA27部、AMA0.4部、CHP0.02部の混合物を15部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた。添加終了後に1時間重合を継続し、重合転化率を98%とし、弾性共重合体(a−1)を得た。弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径は80nmであった。その後、MMA63部、BA7部、tDM0.2部、CHP0.3部の混合物を10部/時間の割合で連続的に添加して重合させ、さらに、1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にして、弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)のラテックスを得た。前記ラテックスを塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥を行い、弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)の乾燥粉末を得た。
【0033】
A−2の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合機に以下の物質、
水 200部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.05部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.55部
硫酸ソーダ 1.6部
を仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素のない状態とした後、内温を80℃とし、MMA95部、BA5部、BPO1.5部を仕込み、重合させ、重合転化率を98%以上にし、アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)のスラリーを得た。前記スラリーを水洗、脱水、乾燥を行い、アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)の乾燥粉末を得た。
【0034】
B−1の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合器に以下の物質、
水 200部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2部
硫酸第一鉄・2水塩 0.0015部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.05部
を仕込み、器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素の無い状態とした後、内温を60℃にし、MMA6部、BA40部、ST4部、AMA1.0部、CHP0.1部の混合物を15部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた。添加終了後に1時間重合を継続し、重合転化率を98%とし、弾性共重合体(b−1)を得た。弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径は180nmであった。その後、MMA45部、BA5部、CHP0.2部の混合物を10部/時間の割合で連続的に添加して重合させ、さらに、1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にして、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)のラテックスを得た。前記ラテックスを塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥を行い、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)の乾燥粉末を得た。
【0035】
B−2の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合機に以下の物質、
水 190部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.06部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.59部
硫酸ソーダ 1.6部
を仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素のない状態とした後、内温を80℃とし、MMA90部、BA10部、BPO2.0部を仕込み、重合させ、重合転化率を98%以上にし、アクリル系熱可塑性樹脂(B−2)のスラリーを得た。前記スラリーを水洗、脱水、乾燥を行い、アクリル系熱可塑性樹脂(B−2)の乾燥粉末を得た。
【0036】
(2)蛍光着色剤(C)
C−1:チオキサンテン系蛍光染料 クラリアント社製 黄色蛍光染料 Hostasol Yellow 3G
C−2:クマリン系蛍光染料 日本化薬社製 赤色蛍光染料 カヤセット Red SF−B
C−3:ペリレン系蛍光染料 ビーエーエスエフ社製 黄色蛍光染料 Lumogen F Yellow 083
C−4:ペリレン系蛍光染料 ビーエーエスエフ社製 赤色蛍光染料 Lumogen F Red 305
C−5:チオインジゴ系蛍光染料 有本化学工業社製 赤色蛍光染料 Plast Red D−54
C−6:アンスラキノン系蛍光染料 有本化学工業社製 橙色蛍光染料 Plast Red 8365
(3)アクリル系樹脂組成物(I)の製造
(サンプルI−1〜4)
表1に示す弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)に、Tinuvin326(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物をベント式押出機にて200℃設定で押出し、アクリル系樹脂組成物(I)のペレットを得た。
【0037】
(4)蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)の製造
(サンプルII−1〜7)
表2に示す弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、表2に示す蛍光着色剤(C)及びTinuvin234(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物をベント式押出機にて250℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)のペレットを得た。
【0038】
(サンプルII−8〜10)
表2に示す弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、メチルエチルケトンで蛍光着色剤(C)を0.5%濃度で溶解させた溶液を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、溶剤を乾燥させた。乾燥させたものにTinuvin234(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ベント式押出機にて200℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)のペレットを得た。
【0039】
(サンプルII−11)
表2に示すように、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、メチルエチルケトンで蛍光着色剤(C−1)と(C−2)を0.5%濃度で溶解させた溶液を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、溶剤を乾燥させた。乾燥させたものをベント式押出機にて200℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−11)のペレットを得た。
【0040】
(5)2層以上のアクリル系樹脂フィルム(III)の製造
(実施例1〜12)
表3に示すアクリル系樹脂組成物(I−1)〜(I−4)のペレット、及び蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−1)〜(II−11)のペレットを別々に乾燥し、水分が500ppm以下になったことを確認し、2台の押出機で別々にT型ダイスに供給し、T型ダイス内で合流させ二層とし、表3に示す膜厚でフィルム成形を実施した。
【0041】
(実施例14)
表1に示すアクリル系樹脂組成物(I−1)のペレットを乾燥し、水分が500ppmになったことを確認し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。当該フィルムの膜厚は25μmであり、全光線透過率は93%、250〜410nmでの光線透過率の最大値は1.8%であった。別に、表2に示す蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−2)のペレットのみを水分が500ppm以下になるまで乾燥し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。当該フィルムの膜厚は100μmであった。この2種類のフィルムを熱ラミネーションにて、貼合せフィルムとした。
【0042】
(比較例1)
表4に示す蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−3)のペレットのみを水分が500ppm以下になるまで乾燥し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。
【0043】
(比較例2〜4)
表4に示す無色アクリル系樹脂組成物(I−2)、(I−4)のペレット、及び蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−1)、(II−3)、(II−7)のペレットを別々に乾燥し、水分が500ppm以下になったことを確認し、2台の押出機で別々にT型ダイスに供給し、T型ダイス内で合流させ二層とし、表4に示す膜厚でフィルム成形を実施した。
【0044】
各表に示す各種の試験の測定方法は、当該フィルムを用い、下記の条件に基づき実施した。
【0045】
(1)フィルム膜厚
キーエンス社製デジタルマイクロハイスコープVH−7000型を用いて、断面を500倍に拡大し、アクリル系樹脂組成物(I)の層、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)の層をそれぞれ計測した。単位;μm。
【0046】
(2)全光線透過率
アクリル系樹脂組成物(I)のみを表3及び表4に示すフィルム膜厚に成形した際の全光線透過率をヘイズメーター(日本電色社製ヘイズメーターNDH−2000型)を用いて、JIS K 7161−1に準拠して測定した。単位;%。
【0047】
(3)250〜410nmでの光線透過率
アクリル系樹脂組成物(I)のみを表3及び表4に示すフィルム膜厚に成形した際の光線透過率を、水素放電管を光源として取り付けた分光光度計(島津製作所社製分光光度計UV−240型)を用いて、250〜410nmの光線透過率をJIS K 7105に準拠して測定し、この波長範囲で最も光線透過率の高い数値を記載した。単位;%。
【0048】
(4)蛍光持続性、褪色
当該フィルムを用い、下記の条件に基づき、促進耐候性試験を行い、目視確認により判断した。
【0049】
○:蛍光性を有し、褪色が少ない。
【0050】
△:蛍光性を有するが、褪色が見られる。
【0051】
×:蛍光性がなく、褪色も著しい。
【0052】
促進耐候性試験方法
試験方法 : JIS A 1415
試験装置種類: WS型 サンシャインカーボンアーク燈を用いるもの。
【0053】
試験機 : スガ試験機製サンシャインウェザーオーメーター
WEL−SUN−DCH−B型
試験条件 : ブラックパネル温度:63℃
雨あり(60分中12分スプレー)
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】表5から明らかなように本発明の蛍光着色アクリルフィルムは、長期間の使用における蛍光持続性に優れたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光持続性の優れたアクリル系樹脂フィルムに関するものである。さらに詳しくは、蛍光着色されたアクリル系樹脂フィルムとそのフィルムの蛍光持続性を維持するためのアクリル系樹脂の保護フィルムを2層以上にしたアクリル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクリル系樹脂は、その透明性を活かして蛍光着色剤を配合し、パチンコ部品、各種ランプ類のケースやカバー、交通安全のための道路標識やポール等の再帰性反射シート、その他各種電気製品のハウジング等の幅広い分野に使用されている。しかしながら、アクリル系樹脂においては、他の樹脂に比べて、蛍光着色剤添加樹脂製品の多くは長時間の使用や屋外での使用、又はランプ類での使用において、紫外線、熱、水などの影響を受け、蛍光性の低下が生じ、商品としての価値が低下しやすいという傾向がある。
【0003】
この蛍光持続性を改善する方法として、特許文献1には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂等にある種の蛍光着色剤を2種以上併用する方法が開示されているが、JIS A 1415に示される方法を用いて蛍光持続性の試験が成されているものの、連続1000時間までの試験に留まっており、それ以上の時間に渡って蛍光持続性を維持できるか不明確な上、開示されている蛍光着色剤は、赤色系やオレンジ系の蛍光色に限定されている。世間的に一般的な蛍光色である黄色については、赤色系やオレンジ系よりも蛍光色の持続性が悪いことが知られている。
【0004】
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂に蛍光着色剤と光安定剤を配合する方法が開示されているが、アクリル系樹脂その他の透明樹脂については比較例として蛍光持続性には良くないことが記載されており、アクリル系樹脂にはこの方法は応用できない。また、特許文献3においては、蛍光着色剤を含むポリカーボネートなどの樹脂層に、紫外線吸収剤を含むスクリーン層をオーバーレイしたフィルムの開示があり、スクリーン層の光線透過率について言及されているが、遮断すべき入射光の波長は400nmを上限とし、400〜700nmの可視光に対しては実質的に透明であることが必要と明示されている。さらに、樹脂層の基材がアクリル樹脂であると効果が無いと記載されており、この方法もアクリル系樹脂には応用できない。なお、特許文献2及び3においては、用途が再帰性反射シート(逆反射性シートともいう)のみに限定されている。
【0005】
アクリル系樹脂としては、特許文献4に、蛍光着色剤を配合した樹脂と紫外線吸収剤を配合した樹脂を積層してなるシートが開示されているが、この方法では、蛍光発色性を維持するために、370nmの光線透過率を30%以上とする必要があり、370nm付近の紫外線を遮断しないため、樹脂や蛍光着色剤の劣化が著しく、実用に耐えない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−30220号公報
【0007】
【特許文献2】
特表平10−510313号公報
【0008】
【特許文献3】
特許第3002042号公報
【0009】
【特許文献4】
特開平2−16042号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような蛍光着色剤入りのアクリル系樹脂の長期間使用における蛍光性の低下を改善し、蛍光持続性の優れた樹脂組成物、フィルム及びその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の蛍光着色剤を配合した樹脂組成物と特定の紫外線吸収剤を配合した樹脂組成物を多層にすることにより、アクリル系樹脂の蛍光着色品単体に比べて飛躍的に蛍光持続性を向上させることができることを見いだし、本発明を完成させた。
【0012】
すなわち本発明は、透明性を有するアクリル系樹脂(A)にベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の中から少なくとも1種以上の紫外線吸収剤を配合してなり、波長250〜410nmの光線透過率が5%以下で、かつ全光線透過率が85%以上である厚さ10〜200μmのフィルム状アクリル系樹脂組成物(I)1種以上を、透明性を有するアクリル系樹脂(B)100重量部に対して、チオキサンテン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ペリレン系蛍光染料、メチン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料の中から選択される少なくとも1種以上の蛍光着色剤(C)0.001〜10重量部を添加してなる蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)1種以上に積層して得られるアクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0013】
その好ましい実施態様としては、アクリル系樹脂組成物(I)及び/又は蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)に、それぞれの樹脂組成物100重量部に対して、光安定剤1種以上を0.1〜3重量部添加してなる上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0014】
さらに好ましい実施態様としては、共押出法、押出しラミネーション法、熱ラミネーション法のいずれかで積層されたことを特徴とする上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0015】
また別の好ましい実施態様としては、アクリル系樹脂(A)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(a−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(a−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)95〜5重量部を混合したもの、及び/または、アクリル系樹脂(B)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(b−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(b−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)95〜5重量部を混合して得られるものであることを特徴とする上記アクリル系樹脂フィルム(III)に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルムの主成分は、アクリル系樹脂である。アクリル系樹脂は、透明性、耐候性という点で優れており、ショーケース、航空機の窓等に利用されている。アクリル系樹脂は通常、メタクリル酸エステルを主成分とし、必要に応じてアクリル酸エステルなどのその他の成分を共重合して得られるものである。特に、共重合成分として、アクリル酸アルキルエステルを使用することで、フィルムに柔軟性を付与できるので好ましい。
【0017】
本発明の透明性を有するアクリル系樹脂(A)と(B)は、同一のものでも異なるものでも特に限定されない。アクリル系樹脂(A)と(B)の重合方法は特に限定されないが、乳化重合でグラフト共重合したものが、樹脂の粒子径や分子量をコントロールでき、透明性や強度が優れたフィルムが得られるという点で好ましい。アクリル系樹脂(A)の好ましい一例として、以下のような重合処方が挙げられる。アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(a−1)5〜85重量部の存在下にメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(a−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)95〜5重量部を混合するのが好ましい。同様に、アクリル系樹脂(B)も、以下のような重合処方で得られるものが好ましい。アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(b−1)5〜85重量部の存在下にメタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(b−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)95〜5重量部を混合するのが好ましい。ここで、弾性共重合体(a−1)および(b−1)は規定の単量体の範囲内であれば、単層でも多層でも特に限定されず、(a−1)と(b−1)は同一であっても異なっても良い。グラフト成分(a−2)および(b−2)も同様に単層でも多層でも特に限定されず、(a−2)と(b−2)は同一であっても異なっても良い。もちろん、本発明のアクリル系樹脂はこれら重合処方に限定されず、必要な強度、透明性、柔軟性を有するフィルムを得ることができるものであればよい。
【0018】
弾性共重合体(a−1)および(b−1)に用いられるアクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、1〜8が好ましく、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−オクチル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよいが、炭素数が8を超える場合には反応速度が遅くなる。また、弾性共重合体(a−1)および(b−1)に用いられる1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体は、架橋剤、グラフト交叉剤として使用する成分であり、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジブチレングリコールジメタクリレート等のジアルキレングリコールジメタクリレート又はこれらのメタクリレートをアクリレートにしたもの、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペート等のビニル基含有多官能性単量体等、さらにアクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等のアリル基含有多官能性単量体等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
グラフト成分(a−2)および(b−2)に用いられるアクリル酸アルキルエステルは、弾性重合体(a−1)や(b−1)に用いられるものと同様のものが用いられ、メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、例えば、代表例として、メタクリル酸メチルが挙げられるが、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。前記メタクリル酸アルキルエステルのアルキル基は直鎖状でも分岐鎖上でもよいが、炭素数が4を超える場合には反応速度が遅くなる。
【0020】
弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)又は(B−1)の製造方法は特に限定されない。例えば、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられるが、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、これらの単量体と共重合しうる1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体を用い、乳化重合法で製造するのが好ましい。さらに詳しくは、例えば、乳化重合法を用いて、弾性重合体(a−1)あるいは(b−1)を得て、それぞれグラフト成分(a−2)あるいは(b−2)を同一重合機で製造することができる。
【0021】
本発明におけるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)および(B−2)は、規定の単量体の範囲内であれば、重合体中の組成比が一定であっても、分布を持っていても、特に限定されない。また、(A−2)および(B−2)は同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0022】
アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)又は(B−2)の製造方法は特に限定されない。弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)又は(B−1)と同様の方法が用いられるが、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルを共重合させるために懸濁重合法で製造するのが好ましい。
【0023】
本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)をフィルム状にする際に従来のように紫外線領域だけでなく、可視光領域の一部を遮蔽することで蛍光持続性の効果が格段に向上する。そのためにアクリル系樹脂組成物(I)を厚さ10〜200μmのフィルム状とし、その際のフィルムの、波長250〜410nmの光線透過率が5%以下、好ましくは2%以下で、かつ全光線透過率が85%以上、好ましくは90%であることが必要である。250〜410nmの光線透過率が5%を超える場合、蛍光持続性が低下する。全光線透過率が85%未満の場合は、蛍光発色性が悪くなる。ここで全光線透過率とは、JIS K 7361−1に示される方法で評価されるものであり、具体的には波長380〜780nmでの平均透過率を示す。
【0024】
本発明において、アクリル系樹脂組成物(I)をフィルムにした際、そのフィルムの透過率を上記範囲に制御するため、透明性を有するアクリル系樹脂(A)にベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の中から少なくとも1種以上の紫外線吸収剤を配合する。ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等が挙げられ、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の例としては、2−ヒドロキシ−4−フェニルメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシトリハイドレイトベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−フェニルプロポキシベンゾフェノン等が挙げられ、トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。また、紫外線吸収剤は2種以上を組み合わせて用いても構わない。これら、紫外線吸収剤の使用量は特に限定されず、250〜410nmの光線を効率的にカットでき、かつ全光線透過率に影響を及ぼさない量を適宜選択しうるが、好ましくは、アクリル系樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは、0.5〜10重量部、より好ましくは、1〜8重量部である。
【0025】
さらに本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)100重量部に対して、光安定剤を0.1〜3重量部添加するのが好ましい。ここで添加される光安定剤としては特に限定されず、公知の光安定剤が使用できるが、具体的には、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどが挙げられる。またこれらを2種以上組み合わせて使用しても良い。さらに必要に応じて、アクリル系樹脂組成物(I)には、各種の酸化防止剤、その他の着色剤を添加することができる。例えば、380〜410nmの可視光領域の一部を吸収するのを補助するために、黄色系の染料や顔料を配合することもできる。
【0026】
本発明における蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)を製造するための透明性を有するアクリル系樹脂(B)に添加する蛍光着色剤(C)は、チオキサンテン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ペリレン系蛍光染料、メチン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料の中から選択される少なくとも1種からなるものである。チオキサンテン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Yellow 98等、クマリン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Yellow 160:1、Macrolex Fluorescent Red G(バイエル社製)及びKayaset Yellow SF−G(日本化薬社製)等、ペリレン系蛍光染料の具体例としては、CI Vat Red 15、CI Vat Orange 7、CI Solvent Yellow 5、Lumogen F Yellow 083(ビーエーエスエフ社製)及びLumogen F Red 305(ビーエーエスエフ社製)等、メチン系蛍光染料の具体例としては、CI Disperse Yellow 82等、ベンゾピラン系蛍光染料の具体例としては、Kayaset Red SF−B(日本化薬社製)等、チオインジゴ系蛍光染料の具体例としては、CI Vat Red 1、CI Vat Red 2、及びCI Vat Red 41等、アンスラキノン系蛍光染料の具体例としては、CI Solvent Red 150、CI Solvent Red 197、及びCI Solvent Red 150等が挙げられる。
【0027】
これら蛍光着色剤(C)は単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。これら蛍光着色剤(C)の使用量は透明性を有するアクリル系樹脂(B)100重量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは、0.005〜5重量部、さらに好ましくは、0.01〜1重量部である。蛍光着色剤(C)の使用量が0.001重量部未満では十分な蛍光性、蛍光持続性が得られず、10重量部を超えると成形品からブリードし、外観を損ねる。
【0028】
蛍光着色剤(C)の添加方法は特に限定されない。例えば、アクリル系樹脂(B)に必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤や他の染料・顔料等を添加し、ニーダー法、ヘンシェルミキサー、バンバリー等の通常の混合法を用いて混合するような公知の混合方法や蛍光着色剤を溶剤に溶解し樹脂に添加し、乾燥して混合する方法等が挙げられる。
【0029】
蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)100重量部に対して、光安定剤を0.1〜3重量部添加するのが好ましい。ここで添加される光安定剤としては特に限定されず、公知の光安定剤が使用できるが、アクリル系樹脂組成物(I)に使用したものと同一のものが使用され、これらを2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0030】
このようにして得られたアクリル系樹脂組成物(I)と蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)を多層フィルムとする方法は特に限定されない。2台の押出機で溶融混練し、合流させることによって多層とする共押出法、一方の樹脂組成物をフィルム状に成形しておき、もう一方の樹脂組成物を押出ししながら、先に成形したフィルムと貼合せ、多層化する押出しラミネーション法、別々にフィルムとしておき、フィルム同士を貼り合わせる熱ラミネーション法等が挙げられる。生産性、コスト、品質の点から別々の押出機で同時に樹脂組成物を押出し、T型ダイスに溶融樹脂を流し込み多層化する共押出法が好ましく用いられる。さらに本発明においては、アクリル系樹脂組成物(I)と蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)はそれぞれ単層であっても、2層以上であっても構わない。但しアクリル系樹脂組成物(I)を2種以上用いる場合は、合計してフィルム厚さ及び光線透過率の規定を満たす必要がある。
【0031】
本発明の蛍光多層フィルムの用途としては、特許文献2及び3にある再帰性反射シート以外に、工事用の安全認識シート、各種装飾用の看板等、耐候性が必要とされる屋外用途の他、建材に用いられる内装用の化粧シートにも用いられる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の記載において、「部」又は「%」は、特に断らない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表す。また、以下の記載における略号は、それぞれ下記の物質を示す。
B A;アクリル酸ブチル
MMA;メタクリル酸メチル
S T;スチレン
CHP;クメンハイドロパーオキサイド
AMA;メタクリル酸アリル
tDM;ターシャリードデシルメルカプタン
BPO;ベンゾイルパーオキサイド
(1)透明性を有するアクリル系樹脂(A)および(B)
A−1の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合器に以下の物質
水 200部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.15部
硫酸第一鉄・2水塩 0.0015部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.25部
を仕込み、器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素の無い状態とした後、内温を60℃にし、MMA3部、BA27部、AMA0.4部、CHP0.02部の混合物を15部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた。添加終了後に1時間重合を継続し、重合転化率を98%とし、弾性共重合体(a−1)を得た。弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径は80nmであった。その後、MMA63部、BA7部、tDM0.2部、CHP0.3部の混合物を10部/時間の割合で連続的に添加して重合させ、さらに、1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にして、弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)のラテックスを得た。前記ラテックスを塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥を行い、弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)の乾燥粉末を得た。
【0033】
A−2の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合機に以下の物質、
水 200部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.05部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.55部
硫酸ソーダ 1.6部
を仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素のない状態とした後、内温を80℃とし、MMA95部、BA5部、BPO1.5部を仕込み、重合させ、重合転化率を98%以上にし、アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)のスラリーを得た。前記スラリーを水洗、脱水、乾燥を行い、アクリル系熱可塑性樹脂(A−2)の乾燥粉末を得た。
【0034】
B−1の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合器に以下の物質、
水 200部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.2部
硫酸第一鉄・2水塩 0.0015部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.006部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 0.05部
を仕込み、器内を窒素ガスで十分に置換して実質的に酸素の無い状態とした後、内温を60℃にし、MMA6部、BA40部、ST4部、AMA1.0部、CHP0.1部の混合物を15部/時間の割合で連続的に添加し、重合させた。添加終了後に1時間重合を継続し、重合転化率を98%とし、弾性共重合体(b−1)を得た。弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径は180nmであった。その後、MMA45部、BA5部、CHP0.2部の混合物を10部/時間の割合で連続的に添加して重合させ、さらに、1時間重合を継続し、重合転化率を98%以上にして、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)のラテックスを得た。前記ラテックスを塩化カルシウムで塩析し、水洗、乾燥を行い、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)の乾燥粉末を得た。
【0035】
B−2の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、モノマー供給管、還流冷却器を備えた8リットル重合機に以下の物質、
水 190部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.06部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.59部
硫酸ソーダ 1.6部
を仕込み、器内を窒素ガスで充分に置換して実質的に酸素のない状態とした後、内温を80℃とし、MMA90部、BA10部、BPO2.0部を仕込み、重合させ、重合転化率を98%以上にし、アクリル系熱可塑性樹脂(B−2)のスラリーを得た。前記スラリーを水洗、脱水、乾燥を行い、アクリル系熱可塑性樹脂(B−2)の乾燥粉末を得た。
【0036】
(2)蛍光着色剤(C)
C−1:チオキサンテン系蛍光染料 クラリアント社製 黄色蛍光染料 Hostasol Yellow 3G
C−2:クマリン系蛍光染料 日本化薬社製 赤色蛍光染料 カヤセット Red SF−B
C−3:ペリレン系蛍光染料 ビーエーエスエフ社製 黄色蛍光染料 Lumogen F Yellow 083
C−4:ペリレン系蛍光染料 ビーエーエスエフ社製 赤色蛍光染料 Lumogen F Red 305
C−5:チオインジゴ系蛍光染料 有本化学工業社製 赤色蛍光染料 Plast Red D−54
C−6:アンスラキノン系蛍光染料 有本化学工業社製 橙色蛍光染料 Plast Red 8365
(3)アクリル系樹脂組成物(I)の製造
(サンプルI−1〜4)
表1に示す弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)に、Tinuvin326(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物をベント式押出機にて200℃設定で押出し、アクリル系樹脂組成物(I)のペレットを得た。
【0037】
(4)蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)の製造
(サンプルII−1〜7)
表2に示す弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、表2に示す蛍光着色剤(C)及びTinuvin234(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物をベント式押出機にて250℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)のペレットを得た。
【0038】
(サンプルII−8〜10)
表2に示す弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、メチルエチルケトンで蛍光着色剤(C)を0.5%濃度で溶解させた溶液を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、溶剤を乾燥させた。乾燥させたものにTinuvin234(チバガイギー社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、アデカスタブLA−52(旭電化工業社製、ヒンダードアミン系光安定剤)を添加し、ベント式押出機にて200℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)のペレットを得た。
【0039】
(サンプルII−11)
表2に示すように、弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)とアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)に、メチルエチルケトンで蛍光着色剤(C−1)と(C−2)を0.5%濃度で溶解させた溶液を添加し、ヘンシェルミキサーで混合した後、溶剤を乾燥させた。乾燥させたものをベント式押出機にて200℃設定で押出し、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−11)のペレットを得た。
【0040】
(5)2層以上のアクリル系樹脂フィルム(III)の製造
(実施例1〜12)
表3に示すアクリル系樹脂組成物(I−1)〜(I−4)のペレット、及び蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−1)〜(II−11)のペレットを別々に乾燥し、水分が500ppm以下になったことを確認し、2台の押出機で別々にT型ダイスに供給し、T型ダイス内で合流させ二層とし、表3に示す膜厚でフィルム成形を実施した。
【0041】
(実施例14)
表1に示すアクリル系樹脂組成物(I−1)のペレットを乾燥し、水分が500ppmになったことを確認し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。当該フィルムの膜厚は25μmであり、全光線透過率は93%、250〜410nmでの光線透過率の最大値は1.8%であった。別に、表2に示す蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−2)のペレットのみを水分が500ppm以下になるまで乾燥し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。当該フィルムの膜厚は100μmであった。この2種類のフィルムを熱ラミネーションにて、貼合せフィルムとした。
【0042】
(比較例1)
表4に示す蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−3)のペレットのみを水分が500ppm以下になるまで乾燥し、T型ダイス付き押出機でダイスの設定温度を240℃とし、フィルム成形を実施した。
【0043】
(比較例2〜4)
表4に示す無色アクリル系樹脂組成物(I−2)、(I−4)のペレット、及び蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II−1)、(II−3)、(II−7)のペレットを別々に乾燥し、水分が500ppm以下になったことを確認し、2台の押出機で別々にT型ダイスに供給し、T型ダイス内で合流させ二層とし、表4に示す膜厚でフィルム成形を実施した。
【0044】
各表に示す各種の試験の測定方法は、当該フィルムを用い、下記の条件に基づき実施した。
【0045】
(1)フィルム膜厚
キーエンス社製デジタルマイクロハイスコープVH−7000型を用いて、断面を500倍に拡大し、アクリル系樹脂組成物(I)の層、蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)の層をそれぞれ計測した。単位;μm。
【0046】
(2)全光線透過率
アクリル系樹脂組成物(I)のみを表3及び表4に示すフィルム膜厚に成形した際の全光線透過率をヘイズメーター(日本電色社製ヘイズメーターNDH−2000型)を用いて、JIS K 7161−1に準拠して測定した。単位;%。
【0047】
(3)250〜410nmでの光線透過率
アクリル系樹脂組成物(I)のみを表3及び表4に示すフィルム膜厚に成形した際の光線透過率を、水素放電管を光源として取り付けた分光光度計(島津製作所社製分光光度計UV−240型)を用いて、250〜410nmの光線透過率をJIS K 7105に準拠して測定し、この波長範囲で最も光線透過率の高い数値を記載した。単位;%。
【0048】
(4)蛍光持続性、褪色
当該フィルムを用い、下記の条件に基づき、促進耐候性試験を行い、目視確認により判断した。
【0049】
○:蛍光性を有し、褪色が少ない。
【0050】
△:蛍光性を有するが、褪色が見られる。
【0051】
×:蛍光性がなく、褪色も著しい。
【0052】
促進耐候性試験方法
試験方法 : JIS A 1415
試験装置種類: WS型 サンシャインカーボンアーク燈を用いるもの。
【0053】
試験機 : スガ試験機製サンシャインウェザーオーメーター
WEL−SUN−DCH−B型
試験条件 : ブラックパネル温度:63℃
雨あり(60分中12分スプレー)
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
【発明の効果】表5から明らかなように本発明の蛍光着色アクリルフィルムは、長期間の使用における蛍光持続性に優れたものである。
Claims (5)
- 透明性を有するアクリル系樹脂(A)にベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤の中から少なくとも1種以上の紫外線吸収剤を配合してなり、波長250〜410nmの光線透過率が5%以下で、かつ全光線透過率が85%以上である厚さ10〜200μmのフィルム状アクリル系樹脂組成物(I)1種以上を、透明性を有するアクリル系樹脂(B)100重量部に対して、チオキサンテン系蛍光染料、クマリン系蛍光染料、ペリレン系蛍光染料、メチン系蛍光染料、ベンゾピラン系蛍光染料、チオインジゴ系蛍光染料、アンスラキノン系蛍光染料の中から選択される少なくとも1種以上の蛍光着色剤(C)0.001〜10重量部を添加してなる蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)1種以上に積層して得られるアクリル系樹脂フィルム(III)。
- アクリル系樹脂組成物(I)及び/又は蛍光着色アクリル系樹脂組成物(II)に、それぞれの樹脂組成物100重量部に対して、光安定剤1種以上を0.1〜3重量部添加してなる請求項1記載のアクリル系樹脂フィルム(III)。
- 共押出法、押出しラミネーション法、熱ラミネーション法のいずれかで積層されたことを特徴とする請求項1または2記載のアクリル系樹脂フィルム(III)。
- アクリル系樹脂(A)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(a−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(a−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(a−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(A−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(A−2)95〜5重量部を混合したものであることを特徴とする請求項1〜3記載のアクリル系樹脂フィルム(III)。
- アクリル系樹脂(B)が、アクリル酸アルキルエステル50〜99.9重量%、他の共重合ビニル単量体1種以上0〜49.9重量%および共重合可能な1分子当たり2個以上の非共役二重結合を有する多官能性単量体0.1〜10重量%からなる少なくとも一層の弾性共重合体(b−1)5〜85重量部の存在下に、メタクリル酸アルキルエステル50〜100重量%と、これと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%とからなる単量体またはその混合物である少なくとも一層のグラフト成分(b−2)95〜15重量部を共重合しており、かつその弾性共重合体(b−1)の重量平均粒子径が50〜400nmである弾性体含有アクリル系樹脂(B−1)5〜100重量部と、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%とメタクリル酸アルキルエステル100〜50重量%を共重合してなるアクリル系熱可塑性樹脂(B−2)95〜5重量部を混合して得られるものであることを特徴とする請求項1〜4記載のアクリル系樹脂フィルム(III)。
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