JP4717742B2 - 車両用物体検知装置 - Google Patents
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Description
ところで、先行車両の中心位置を算出する方法として、複数の走査領域(以下、チャンネルという)に分割された検知領域をレーダ装置で走査し、先行車両からの反射波の受信レベルが最大となったチャンネルを先行車両の中心位置として算出する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、図4において他車両VT2,VT3で示すように先行車両が検知領域の端部に存在するため検知レベルが山形パターンにならず、図5(B)、(C)に示すように検知領域の端部に位置するチャンネル(端チャンネル)の検知レベルが最大となった場合(以下、非山形パターン)には、最大検知レベルのチャンネルが他車両VT2,VT3の中心位置か否か疑わしく、また、車両制御に必要な検知データか否か疑わしいので、この場合には誤検知防止のため中心位置を算出しない。
なお、図5において、実線で検知レベルが示されているチャンネルは実際に反射波が検知されたチャンネルを表し、破線で検知レベルが示されているチャンネルは、レーダ装置の検知領域が広ければ反射波が検知されるはずのチャンネルを表している。
そのため、結果的に、特に低速域で追従距離が比較的に近くなった場合に、レーダ装置の検知領域を有効に活用できないという課題があった。
そこで、この発明は、自車両から近い領域においてもレーダ装置の検知領域を有効に活用することができる車両用物体検知装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、自車両の進行方向の検知領域に向けて電磁波を発信し該電磁波が前記検知領域内に存在する物体により反射された反射波を受信して前記物体を検知する物体検知手段(例えば、後述する実施例におけるレーダ装置15)と、自車両の走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段(例えば、後述する実施例における自車軌跡推定部31)と、前記物体検知手段の検知結果および前記走行軌跡推定手段の推定結果に基づいて自車両の制御対象とすべき物体を決定する制御対象決定手段(例えば、後述する実施例における制御対象決定部36)と、を備えた車両用物体検知装置(例えば、後述する実施例における車両用物体検知装置1)において、前記物体の中心位置を算出する中心位置算出手段(例えば、後述する実施例における物体検知特性確認部33)と、前記物体からの反射波に基づいて該物体の一部が前記検知領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段(例えば、後述する実施例における物体検知特性確認部33)と、運転者の加速抑制意志または減速意志を検知する減速意志検知手段(例えば、後述する実施例における運転意志判断部34)と、を備え、前記検知領域は複数の走査領域に分割され、前記物体検知手段は複数の走査領域に分割された検知領域を走査することにより物体を検知し、前記中心位置算出手段は、連続して隣り合う複数の前記走査領域で物体が検知され、且つ、前記検知領域の端部に位置していない走査領域の検知レベルが他の連続して隣り合う走査領域の検知レベルよりも大きいことを中心位置算出条件として、この中心位置算出条件を満たす場合にこの検知レベルの大きい走査領域を物体の中心位置として算出し、前記制御対象決定手段は、前記走行軌跡推定手段により推定された走行軌跡に基づいて設定した制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記中心位置算出条件を満たす場合に該物体を自車両の制御対象とすべき物体であると決定し、前記制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記領域端判定手段により前記物体が検知領域の左端または右端に位置すると判定され、且つ、前記中心位置算出条件を満たしていない場合には該物体を制御対象から除外するが、前記制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記領域端判定手段により前記物体が検知領域の左端または右端に位置すると判定され、且つ、前記中心位置算出条件を満たしていない場合であっても、前記減速意志検知手段により運転者の加速抑制意志または減速意志が検知された場合には、該物体を制御対象とすべき物体であると決定することを特徴とする。
このように構成することにより、物体が検知領域の端部に位置し、且つ中心位置算出条件を満たしていない場合であっても、減速意志検知手段により運転者の加速抑制意志または減速意志が検知された場合には該物体に対する運転者の注目度、重要度が高いと推測し、該物体を制御対象とするので、レーダ装置の検知領域を有効に活用することが可能になる。また、検知領域の端部から自車両に接近する物体に対し、該物体を制御対象として認識するタイミングを迅速化させることが可能になる。
このように構成することにより、検知領域の端部の走査領域でのみ物体が検知されている場合には、物体の中心位置算出精度が低く、信頼性が低いので、中心位置算出条件を満たしていないとして処理するが、このような場合であっても、運転者の加速抑制意志または減速意志が検知された場合には、該物体を制御対象とすることができる。
このように構成することにより、検知領域の端部に向かって検知レベルが上昇している場合には、物体の中心位置算出精度が低く、信頼性が低いので、中心位置算出条件を満たしていないとして処理するが、このような場合であっても、運転者の加速抑制意志または減速意志が検知された場合には、該物体を制御対象とすることができる。
このように構成することにより、運転者の加速抑制意志または減速意志を迅速且つ適切に判断することが可能となる。
請求項4に係る発明によれば、運転者の加速抑制意志または減速意志を迅速且つ適切に判断することが可能となる。
この発明に係る車両用物体検知装置1は、図1の機能ブロック図に示すように、ヨーレートセンサ11、舵角センサ12、車速センサ13、ナビゲーション装置14、レーダ装置(物体検知手段)15、アクセルセンサ16、ブレーキセンサ17、音声認識装置18、タッチパネル19、設定スイッチ(加減速操作スイッチ)20、減速アクチュエータ21、加速アクチュエータ22、制御状態告知装置23、制御装置30とを備えた車両に搭載されている。この車両用物体検知装置1は、例えば自車両の直前を走行する先行車両に基づいて自車両の車両制御(例えば車間制御付きクルーズコントロールなど)を行う際に、先行車両の検出に使用される。なお、この実施例では、前記車両制御として車間制御付きクルーズコントロールを例にして説明する。
ナビゲーション装置14は、例えば装置内部で記憶する地図データに対して、GPS(Global Positioning System)やD−GPS(Differential GPS)等を利用して得た現在位置情報に基づいてマップマッチングを行うことで自車両の現在位置を算出し、算出した現在位置に基づいて目的地までの経路探索や経路誘導等の処理を行い、自車両の現在位置等の情報を制御装置30へ出力する。
音声認識装置18は、運転者の発話内容から車両制御システムへの指示内容を識別し、その指示内容に応じた指令信号を制御装置30へ出力する。
タッチパネル19は、運転者が車両制御システムへの指示内容を設定するパネル型スイッチ群であり、指令内容に応じた指令信号を制御装置30へ出力する
設定スイッチ20は、運転者が車両制御システムへの指示内容を設定する各種スイッチ(例えば、車間制御付きクルーズコントロールON/OFFスイッチや、クルーズコントロール時の設定車速を増減する加減速操作スイッチ等)であり、指令内容に応じた指令信号を制御装置30へ出力する。
加速アクチュエータ22は、制御装置30の指令にしたがって例えばスロットル開度を制御し、自車両を加速するものである。
制御状態告知装置23は、制御装置30から入力した情報をメータ等の表示手段を用いて運転者に報知するものである。
自車軌跡推定部31には、ヨーレートセンサ11、舵角センサ12、車速センサ13の検出信号、およびナビゲーション装置14で算出した自車両の現在位置等の情報が入力され、自車軌跡推定部31は、これら入力に基づいて自車両の走行軌跡を推定し制御対象領域設定部32へ出力する。
制御対象領域設定部32は、自車軌跡推定部31から入力した自車両の走行軌跡に基づいて自車線を決定し、設定した自車線の垂直方向に一定の距離範囲内を制御対象とする範囲(以下、制御対象領域という)に設定し、設定した制御対象領域を制御対象決定部36へ出力する。ここで、自車線とは、自車両の進行方向を示す直線である。
また、物体検知特性確認部33は、物体からの反射波に基づいて該物体の一部が検知領域の左端または右端に位置しているか否かを判定し、判定結果を制御対象決定部36へ出力する。ここで、検知領域の端部に位置するチャンネル(以下、端チャンネルと称す)で物体からの反射波が検知された場合には、該物体の一部が検知領域の左端または右端に位置していると判定する。
さらに、物体検知特性確認部33は、物体からの反射波の検知レベルのパターンを検出し、検出された検知レベルのパターンが図5(A)の如く山形パターンである場合(すなわち、連続して隣接する複数のチャンネルで反射波が検知され、且つ、検知領域の端部に位置していないチャンネルの検知レベルが他の連続して隣り合うチャンネルの検知レベルよりも大きい場合)には、中心位置算出条件を満足しているとして、最大の検知レベルが検出されたチャンネル位置を物体の中心位置として算出し、該物体と自車両との相対距離、相対速度を算出して制御対象決定部36へ出力する。
なお、この実施例においては、物体検知特性確認部33によって、中心位置算出手段、領域端判定手段が実現される。
また、制御対象決定部36は、制御対象とすべき先行車両を決定した際に、その先行車両との相対距離、相対速度等の情報を制御目標値決定部37へ出力する。
車両制御部38は、制御目標値決定部37で決定された制御目標値(目標車速や目標加減速度等)に基づいて、加速アクチュエータ22および減速アクチュエータ21を制御するとともに、現在の制御状態を制御状態告知装置23へ出力する。
まず、ステップS101において、レーダ装置15により障害物(先行車両)を検知する。
次に、ステップS102に進み、レーダ装置15の検出データに基づき障害物の物体検知特性(すなわち、検知レベルのパターン等)を確認する。
次に、ステップS103に進み、自車両の走行軌跡に基づいて制御対象領域を設定する。
次に、ステップS104に進み、レーダ装置15により検知された障害物が制御対象領域内に存在するか否かを判定する。
ステップS104における判定結果が「NO」(存在しない)である場合には、ステップS105に進み、制御対象とせず、本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS106においては、障害物の検知レベルのパターンから、端チャンネルを含む連続して隣り合う複数のチャンネルで反射波が検知され且つこの端チャンネルの検知レベルが他の連続して隣り合うチャンネルの検知レベルよりも大きいか、あるいは、端チャンネルでのみ反射波が検知されているか、を判定する。なお、このステップS106の処理を実行することにより、障害物の一部が検知領域の左端または右端に位置しているか否かも同時に判定することになる。
図3(A)は、他車両が制御対象領域外に存在しており、進行方向右側の端チャンネルでのみ他車両が検知されている場合である。このときには、他車両の中心位置は端チャンネルよりも検知領域外側にあると判断される。この場合、この他車両を制御対象としない。
なお、従来は、このように他車両の中心位置が端チャンネルよりも検知領域外側にあると判断された場合には、運転者の加速抑制意志あるいは減速意志の有無に関わらず、この他車両を制御対象としていなかった。
なお、従来は、このように他車両の中心位置が端チャンネルよりも検知領域外側にあると判断された場合には、運転者の加速抑制意志あるいは減速意志の有無に関わらず、この他車両を制御対象としていなかった。
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、前述した実施例では、制御対象を車間制御付きクルーズコントロールの場合における制御対象としたが、他の車両制御における制御対象であってもよい。
15 レーダ装置(物体検知手段)
16 アクセルセンサ
17 ブレーキセンサ
20 設定スイッチ(加減速操作スイッチ)
31 自車軌跡推定部(走行軌跡推定手段)
33 物体検知特性確認部(中心位置算出手段、領域端判定手段)
34 運転意志判断部(減速意志検知手段)
36 制御対象決定部(制御対象決定手段)
Claims (4)
- 自車両の進行方向の検知領域に向けて電磁波を発信し該電磁波が前記検知領域内に存在する物体により反射された反射波を受信して前記物体を検知する物体検知手段と、
自車両の走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段と、
前記物体検知手段の検知結果および前記走行軌跡推定手段の推定結果に基づいて自車両の制御対象とすべき物体を決定する制御対象決定手段と、
を備えた車両用物体検知装置において、
前記物体の中心位置を算出する中心位置算出手段と、
前記物体からの反射波に基づいて該物体の一部が前記検知領域の左端または右端に位置するか否かを判定する領域端判定手段と、
運転者の加速抑制意志または減速意志を検知する減速意志検知手段と、
を備え、
前記検知領域は複数の走査領域に分割され、
前記物体検知手段は複数の走査領域に分割された検知領域を走査することにより物体を検知し、
前記中心位置算出手段は、連続して隣り合う複数の前記走査領域で物体が検知され、且つ、前記検知領域の端部に位置していない走査領域の検知レベルが他の連続して隣り合う走査領域の検知レベルよりも大きいことを中心位置算出条件として、この中心位置算出条件を満たす場合にこの検知レベルの大きい走査領域を物体の中心位置として算出し、
前記制御対象決定手段は、
前記走行軌跡推定手段により推定された走行軌跡に基づいて設定した制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記中心位置算出条件を満たす場合に該物体を自車両の制御対象とすべき物体であると決定し、
前記制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記領域端判定手段により前記物体が検知領域の左端または右端に位置すると判定され、且つ、前記中心位置算出条件を満たしていない場合には該物体を制御対象から除外するが、
前記制御対象領域内に前記物体検知手段により検知された物体が存在し、且つ、前記領域端判定手段により前記物体が検知領域の左端または右端に位置すると判定され、且つ、前記中心位置算出条件を満たしていない場合であっても、前記減速意志検知手段により運転者の加速抑制意志または減速意志が検知された場合には、該物体を制御対象とすべき物体であると決定することを特徴とする車両用物体検知装置。 - 前記中心位置算出手段は、前記検知領域の端部に位置する走査領域に物体が検知され、且つ、該走査領域に対して前記検知領域の中心側に隣接する走査領域に物体が検知されていない場合には、中心位置算出条件を満たしていないとして処理することを特徴とする請求項1に記載の車両用物体検知装置。
- 前記中心位置算出手段は、前記検知領域の端部に位置する走査領域を含む連続して隣り合う複数の走査領域で物体が検知され、且つ、前記端部に位置する走査領域の検知レベルが他の連続して隣り合う走査領域の検知レベルよりも大きい場合には、中心位置算出条件を満たしていないとして処理することを特徴とする請求項1に記載の車両用物体検知装置。
- 前記減速意志検知手段は、アクセルペダルまたはブレーキペダルまたは加減速操作スイッチの操作状態に基づいて運転者の加速抑制意志または減速意志を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用物体検知装置。
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