JP4980007B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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この発明は、走行制御装置に関するものである。
自車両に搭載されたレーダなどを用いて自車両の直前を走行する車両(先行車両)を認識し、先行車両との車間制御を行う車両制御装置、および、運転者が設定した設定速度で定速走行制御を行う車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両制御装置では、運転者が車両内部に設けられたスイッチなどを用いて、車両制御装置をON、自車両の設定速度、先行車両までの距離モード等を設定すると、車両制御装置はその設定に基づいて、先行車両との車間距離を一定に保ち、または、自車両の車速を一定に保つ車両制御(以下、車間制御機能付きクルーズコントロールという)を行う。
また、車両制御装置には、渋滞路での追従走行を想定し、低速域において、先行車が低速状態から停止状態に至るまで車間制御を行い、先行車停止時には自車両を停止保持させるものもある。この場合、低速域では車間制御のみ行い、運転者が設定した設定速度に基づいた定速走行制御を行わない。
この種の車両制御装置における先行車両の検知手法に、自車両のヨーレートや舵角に基づいて自車両の推定軌跡を算出し、その推定軌跡上に存在する車両を先行車両とする方法がある。
特開2003−173500号公報
しかしながら、自車両が低速で走行している場合には、運転者の操舵のふらつき等によって自車両の推定軌跡を正しく算出することができない場合がある。また、低速域での走行環境は、複雑な道路形状である場合が多く、自車両のヨーレートや舵角等から複雑な道路形状を正しく算出するのは困難である。
そのため、低速域において運転者により車両制御装置がONされたときに、自車両の推定軌跡が安定して算出されないときには、路側の停止車両や路側の障害物などの非車両物体を制御対象として検知し、その制御対象に対して車両制御を実行してしまう虞がある。
そこで、この発明は、車間制御を行う際に制御対象を正しく決定することができる走行制御装置を提供するものである。
この発明に係る走行制御装置は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、自車の走行速度を検出する車速検出手段(例えば、後述する実施例における車速センサ12)と、自車両の進行方向の検知領域に向けて電磁波を発信し該電磁波が前記検知領域内に存在する物体により反射された反射波を受信して該物体との距離および相対速度を検出する物体検出手段(例えば、後述する実施例におけるレーダ装置15)と、自車両の走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段(例えば、後述する実施例における自車軌跡推定部31)と、前記物体検出手段の検出結果および前記走行軌跡推定手段の推定結果に基づいて自車両の制御対象とすべき物体を決定する制御対象決定手段(例えば、後述する実施例における制御対象決定部34)と、目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段(例えば、後述する実施例における制御目標値決定部36)と、運転者の走行制御開始意思を検出する走行制御開始意思検出手段(例えば、後述する実施例における走行制御開始意志検出部33)と、前記走行制御開始意思検出手段により運転者の走行制御開始意思が検出された場合に、前記物体検出手段により検出された物体との距離および前記目標車間距離に基づき走行制御を行う走行制御手段(例えば、後述する実施例における車両制御部37)と、を備えた走行制御装置(例えば、後述する実施例における走行制御装置1)において、前記物体検出手段の出力に基づき前記物体の走行状態を判定する物体走行状態判定手段(例えば、後述する実施例におけるステップS207)を備え、前記制御対象決定手段は、前記走行制御開始意思検出手段により運転者の走行制御開始意思が検出された際に、前記物体走行状態判定手段により自車両の進行方向と同方向の加速度で加速している物体と判定されたときには該物体を制御対象とすることを特徴とする。
運転者が車間制御走行を行おうとする場合には、通常、制御対象とする先行車両としての意識は、自車両と同様の走行状態である車両の方に強く働く。請求項1に係る発明では、走行制御開始意思検出手段により運転者の走行制御開始意思が検出された際に、物体走行状態判定手段により自車両の進行方向と同方向の加速度で加速している物体と判定されたときには該物体を制御対象とするので、運転者の制御対象決定の意向に添う物体を制御対象に決定することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の発明において、自車走行速度との相対速度差が小さい物体ほど制御対象の優先度を大きくすることを特徴とする.
このように構成することにより、自車走行速度との相対速度差が小さい物体ほど制御対象に決定され易くなる。
請求項に係る発明は、請求項または請求項に記載の発明において、自車両との距離が近い物体ほど制御対象の優先度を大きくすることを特徴とする。
このように構成することにより、自車両との距離が近い物体ほど制御対象に決定され易くなる。
請求項に係る発明は、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発明において、走行制御開始意思検出手段は、走行制御スイッチON操作またはアクセルペダル踏込み操作またはブレーキペダル開放操作または音声入力に基づいて、運転者の走行制御開始意思を検出することを特徴とする。
このように構成することにより、運転者の走行制御開始意思を適正に検出することができる。
請求項1に係る発明によれば、運転者の制御対象決定の意向に添う物体を制御対象に決定することができるので、運転者の意向に添った車間距離制御を実行することができる。
請求項に係る発明によれば、自車走行速度との相対速度差が小さい物体ほど制御対象に決定され易くなるので、運転者の意向に添った車間距離制御を実行することができる。
請求項に係る発明によれば、自車両との距離が近い物体ほど制御対象に決定され易くなるので、運転者の意向に添った車間距離制御を実行することができる。
請求項に係る発明によれば、運転者の走行制御開始意思を適正に検出することができる。
以下、この発明に係る走行制御装置の実施例を図1から図7の図面を参照して説明する。
この発明に係る走行制御装置1は、図1の機能ブロック図に示すように、ヨーレートセンサ11、舵角センサ12、車速センサ(車速検出手段)13、ナビゲーション装置14、レーダ装置(物体検出手段)15、アクセルセンサ16、ブレーキセンサ17、設定スイッチ18、減速アクチュエータ21、加速アクチュエータ22、制御状態告知装置23、制御装置30とを備えた車両に搭載されている。
この走行制御装置1では、設定スイッチ18の制御モードスイッチによって、先行車両との車間制御のみを行う車間制御モードと、先行車両との車間制御を行うとともに車間制御対象が存在しないときに自車速度を一定に保つ車間制御機能付きクルーズモードのいずれかのモードを選択することができる。
ヨーレートセンサ11は自車両のヨーレートを検出し、舵角センサ12は自車両の操舵角を検出し、車速センサ13は自車両の車速を検出して、それぞれ検出結果に応じた検出信号を制御装置30へ出力する。
ナビゲーション装置14は、例えば装置内部で記憶する地図データに対して、GPS(Global Positioning System)やD−GPS(Differential GPS)等を利用して得た現在位置情報に基づいてマップマッチングを行うことで自車両の現在位置を算出し、算出した現在位置に基づいて目的地までの経路探索や経路誘導等の処理を行い、自車両の現在位置等の情報を制御装置30へ出力する。
レーダ装置15(物体検出手段)は、例えばレーザ光やミリ波等の電磁波を適宜の検知方向(例えば、自車両の進行方向前方)に向けて発信すると共に、この発信した電磁波が自車両の外部の物体(例えば、先行車両)によって反射されたときにその反射波を受信し、発信した電磁波と受信した電磁波(反射波)とを混合してビート信号を生成し、制御装置30へ出力する。
アクセルセンサ16はアクセルペダルの変位量(踏み込み量)を検出し、ブレーキセンサ17はブレーキペダルの変位量(踏み込み量)を検出して、それぞれ検出結果に応じた検出信号を制御装置30へ出力する。
設定スイッチ18は、運転者が走行制御システムへの指示内容を設定する各種スイッチからなり、例えば、走行制御システムをON/OFFさせる走行制御メインスイッチ(走行制御スイッチ)、車間制御モードと車間制御機能付きクルーズモードの一方を選択可能な制御モードスイッチ、クルーズコントロール時の設定車速を増減する加減速操作スイッチ、車間制御時の車間距離の大きさを設定する車間距離設定スイッチ等が含まれ、指令内容に応じた指令信号を制御装置30へ出力する。
減速アクチュエータ21は、制御装置30の指令にしたがって例えばスロットル開度やブレーキ液圧を制御し、自車両を減速するものである。
加速アクチュエータ22は、制御装置30の指令にしたがって例えばスロットル開度を制御し、自車両を加速するものである。
制御状態告知装置23は、制御装置30から入力した情報をメータ等の表示手段を用いて運転者に告知するものである。
制御装置30は、自車軌跡推定部(走行軌跡推定手段)31、制御対象領域設定部32、走行制御開始意志検出部(走行制御開始意志検出手段)33、制御対象決定部(制御対象決定手段)34、制御モード決定部35、制御目標値決定部(目標車間距離算出手段)36、車両制御部(走行制御手段)37とを備えて構成されている。
自車軌跡推定部31には、ヨーレートセンサ11、舵角センサ12、車速センサ13の検出信号、およびナビゲーション装置14で算出した自車両の現在位置等の情報が入力され、自車軌跡推定部31は、これら入力に基づいて自車両の推定走行軌跡を算出し、制御対象領域設定部32へ出力する。
制御対象領域設定部32は、自車軌跡推定部31から入力した自車両の推定走行軌跡の垂直方向に一定の距離範囲内を制御対象とする範囲(以下、制御対象領域という)に設定し、設定した制御対象領域を制御対象決定部34へ出力する。
走行制御開始意志検出部33には、アクセルセンサ16、ブレーキセンサ17の検出信号、および設定スイッチ18の指令信号が入力され、走行制御開始意志検出部33はこれら入力に基づいて運転者に走行制御開始意志があるか否かを検出し、検出結果を制御対象決定部34へ出力する。例えば、設定スイッチ18の走行制御メインスイッチからON信号が出力されたときに、走行制御開始意志検出部33は運転者に走行制御開始意志があると判定する。また、渋滞路での低速追従走行を想定し、先行車両が低速状態から停止状態に至るまで車間制御を行い、先行車両停止時に自車両を停止保持させ、先行車両が発進したときに車間制御を再開する走行制御システムを採用している場合には、アクセルセンサ16によりアクセルペダルの踏み込み操作が検出されたとき、あるいは、ブレーキセンサ17によりブレーキペダルの開放操作が検出されたときに、走行制御開始意志検出部33は運転者に走行制御開始意志があると判定する。
また、運転者の発話内容から走行制御システムへの指示内容を識別しその指示内容に応じた指令信号を制御装置30へ出力する音声認識装置(図示略)を備える場合には、この音声認識装置からの走行制御開始意志指令出力が検知されたときに、走行制御開始意志検出部33は運転者に走行制御開始意志があると判定する。
制御対象決定部34は、レーダ装置15によって検出された物体の検出データの中から、制御対象領域設定部32で設定された制御対象領域に存在する物体を抽出するとともに、該物体と自車両との相対距離、相対速度等を算出し、さらに、該物体の移動特性や、走行制御開始意志検出部33により判定された走行制御開始意志の有無に基づいて、制御対象とすべき物体(すなわち、先行車両)を決定する。また、制御対象決定部34は、先行車両であると判断した際に、自車両と先行車両との相対距離、相対速度等の情報を制御目標値決定部36へ出力する。
制御モード決定部35は、設定スイッチ18の制御モードスイッチおよび自車両の車両制御状態に基づいて、自車の制御モードが車間制御機能付きクルーズモードか車間制御モードのいずれであるかを判定し、判定結果を制御目標値決定部36へ出力する。
また、制御モード決定部35で決定された制御モードに応じて、制御対象決定部34は車間制御の際の制御対象の決定方法を最適化する。
制御目標値決定部36は、設定スイッチ18の車間距離設定スイッチからの出力に基づいて目標車間距離を算出し、算出された目標車間距離と、制御対象決定部34から入力される自車両と先行車両との相対距離、相対速度等の情報に基づいて、車両制御に必要な制御目標値、例えば目標車速、目標加減速度等を決定する。なお、前記車間距離設定スイッチは、例えば自車両と先行車両との車間距離を時間に換算して設定するスイッチであり、例えば短距離、中距離、長距離の3等級から選択可能になっていて、各等級に対応して設定された時間に自車速度を乗じて目標車間距離を算出する。
車両制御部37は、制御目標値決定部36で決定された制御目標値(目標車速や目標加減速度等)に基づいて、減速アクチュエータ21および加速アクチュエータ22を制御するとともに、現在の制御状態を制御状態告知装置23へ出力する。
次に、制御対象決定部34において実行される車間制御の制御対象決定の手順を、図2および図5のフローチャートに従って説明する。
初めに、図2のフローチャートに従って第1の制御対象決定の手順を説明する。図2のフローチャートに示す制御対象決定処理ルーチンは制御装置30によって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、レーダ装置15により物体を検知する。
次に、ステップS102に進み、自車両の推定走行軌跡を算出する。
次に、ステップS103に進み、アクセルセンサ16の出力および車速センサ13の出力に基づいて、自車両が運転者による加速中かあるいは定速走行中かを判定する。
ステップS103における判定結果が「YES」(加速中あるいは定速走行中)である場合には、ステップS104に進み、自車両の推定走行軌跡に基づいて設定された制御対象領域に制御対象候補が存在するか否か判定する。
ステップS104における判定結果が「YES」(制御対象候補あり)である場合には、ステップS105に進み、運転者による走行制御開始意志があるか否かを判定する。
ステップS105における判定結果が「YES」(走行制御開始意志あり)である場合には、ステップS106に進み、自車両の車速、制御対象候補の相対速度に基づいて、制御対象候補が停止物体、あるいは、自車両の走行速度よりも所定値以上遅い速度で移動する物体であるか否かを判定する。
ステップS106における判定結果が「YES」(停止物体あるいは遅い物体)である場合には、ステップS107に進み、この制御対象候補を制御対象とせず、本ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、ステップS106における判定結果が「NO」(停止物体でも遅い物体でもない)である場合には、ステップS108に進み、この制御対象候補を制御対象として、本ルーチンの実行を一旦終了する。
また、ステップS103またはS104またはS105における判定結果が「NO」である場合には、それ以降の処理を行わずに本ルーチンの実行を一旦終了する。
このように制御することにより、例えば、図3に示すように、自車両が渋滞中のカーブ手前に差し掛かったときに、本来先行車両とすべき他車両VT1が加速し始めたため、図4に示すように自車両の運転者が加速を行いながら例えば設定スイッチ18の走行制御メインスイッチをONした場合に、自車両の走行車線の隣の車線で停止あるいは極低速で移動している車両VT2を車間制御の制御対象とするのを防止することができる。したがって、運転者の制御対象決定の意向に添わない物体が制御対象に決定されるのを防止することができ、その結果、運転者の意向に添わない車間距離制御の実行を防止することができる。
この実施例においては、制御装置30がステップS106の処理を実行することにより、低速物体判定手段が実現される。
なお、図2のフローチャートにおけるステップS107の処理を、制御対象候補を制御対象として決定するまでの時間を遅延させる処理にしてもよく、そのようにしても上述と同様の作用・効果を得ることができる。
次に、図5のフローチャートに従って第2の制御対象決定の手順を説明する。図5のフローチャートに示す第2の制御対象決定処理ルーチンは制御装置30によって一定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS201において、レーダ装置15により物体を検知する。
次に、ステップS202に進み、自車両の推定走行軌跡を算出する。
次に、ステップS203に進み、アクセルセンサ16およびブレーキセンサ17の出力および車速センサ13の出力に基づいて、自車両が停止状態から発進したか否かを判定する。
ステップS203における判定結果が「YES」(停止から発進)である場合には、ステップS204に進み、アクセルセンサ16の出力および車速センサ13の出力に基づいて、自車両が運転者による加速中あるいは定速走行中か否かを判定する。
ステップS204における判定結果が「YES」(加速中あるいは定速走行中)である場合には、ステップS205に進み、自車両の推定走行軌跡に基づいて設定された制御対象領域に制御対象候補が存在するか否か判定する。
ステップS205における判定結果が「YES」(制御対象候補あり)である場合には、ステップS206に進み、運転者による走行制御開始意志があるか否かを判定する。
ステップS206における判定結果が「YES」(走行制御開始意志あり)である場合には、ステップS207に進み、自車両の車速、制御対象候補の相対速度に基づいて、制御対象候補が自車両の停止からの加速度と同等の加速度を持つ物体か否かを判定する。
ステップS207における判定結果が「YES」である場合には、ステップS208に進んでこの制御対象候補をカテゴリーAとし、さらに、ステップS209に進んで、カテゴリーAとした制御対象候補について優先順位を決定して、ステップS212に進む。
一方、ステップS207における判定結果が「NO」である場合には、ステップS210に進んでこの制御対象候補をカテゴリーBとし、さらに、ステップS211に進んで、カテゴリーBとした制御対象候補について優先順位を決定して、ステップS212に進む。
なお、優先順位を決定する際の優先度の設定方法は、例えば、自車両と制御対象候補との相対速度差が小さいほど優先度を大きくし、自車両と制御対象候補との相対距離が小さいほど優先度を大きくする。したがって、自車両と制御対象候補との相対距離が小さく相対速度差も小さい場合に優先度は一番大きくなり、自車両と制御対象候補との相対距離が大きく相対速度差も大きい場合に優先度は一番小さくなる。
ステップS212においては、総ての制御対象候補について優先順位の決定がなされたか否かを判定する。
ステップS212における判定結果が「NO」である場合には、ステップS207に戻る。
ステップS212における判定結果が「YES」である場合には、ステップS213に進み、カテゴリーBの制御対象候補よりもカテゴリーAの制御対象候補の優先順位を高くし、全制御対象候補の優先順位を決定し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
また、ステップS203またはS204またはS205またはS206における判定結果が「NO」である場合には、それ以降の処理を行わずに本ルーチンの実行を一旦終了する。
このように制御することにより、例えば、図6(a)に示すように直線路で自車両が渋滞により先行車両VT3の後に停止していて、図6(b)に示すように前方の先行車両VT3が発進し加速し始めたので、図7に示すように自車両の運転者がブレーキペダルを開放しアクセルペダルを踏み込んで加速し始め、これにより走行制御開始意志が検知された場合に、自車両と同等の加速度で加速している先行車両VT3を車間制御の制御対象とすることができ、自車両の走行車線の隣の車線で停止あるいは極低速で移動している車両VT4を車間制御の制御対象とするのを防止することができる。したがって、運転者の制御対象決定の意向に添う物体を制御対象に決定することができるので、運転者の意向に添った車間距離制御を実行することができる。
この実施例においては、制御装置30がステップS207の処理を実行することにより、物体走行状態判定手段が実現される。
なお、図5のフローチャートにおけるステップS207の処理を、制御対象候補が自車両と同等の加速度で加速した履歴を持つ物体か否かを判定する処理にしてもよく、そのようにしても上述と同様の作用・効果を得ることができる。
この発明に係る車両用物体検知装置の実施例における機能ブロック図である。 実施例の車両用物体検知装置における第1の制御対象決定処理のフローチャートである。 コーナー手前で前記第1の制御対象決定処理が実行されるときの説明図である。 前記第1の制御対象決定処理が実行されるときの自車速とスイッチ状態の経時変化を示す図である。 実施例の車両用物体検知装置における第2の制御対象決定処理のフローチャートである。 直線渋滞路で前記第2の制御対象決定処理が実行されるときの説明図である。 前記第2の制御対象決定処理が実行されるときの自車速とスイッチ状態の経時変化を示す図である。
符号の説明
1 走行制御装置
12 車速センサ(車速検出手段)
15 レーダ装置(物体検出手段)
18 設定スイッチ(走行制御スイッチ)
31 自車軌跡推定部(走行軌跡推定手段)
33 走行制御開始意志検出部(走行制御開始意志検出手段)
34 制御対象決定部(制御対象決定手段)
37 車両制御部(走行制御手段)
S106 低速物体判定手段
S207 物体走行状態判定手段

Claims (4)

  1. 自車の走行速度を検出する車速検出手段と、
    自車両の進行方向の検知領域に向けて電磁波を発信し該電磁波が前記検知領域内に存在する物体により反射された反射波を受信して該物体との距離および相対速度を検出する物体検出手段と、
    自車両の走行軌跡を推定する走行軌跡推定手段と、
    前記物体検出手段の検出結果および前記走行軌跡推定手段の推定結果に基づいて自車両の制御対象とすべき物体を決定する制御対象決定手段と、
    目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
    運転者の走行制御開始意思を検出する走行制御開始意思検出手段と、
    前記走行制御開始意思検出手段により運転者の走行制御開始意思が検出された場合に、前記物体検出手段により検出された物体との距離および前記目標車間距離に基づき走行制御を行う走行制御手段と、
    を備えた走行制御装置において、
    前記物体検出手段の出力に基づき前記物体の走行状態を判定する物体走行状態判定手段を備え、
    前記制御対象決定手段は、前記走行制御開始意思検出手段により運転者の走行制御開始意思が検出された際に、前記物体走行状態判定手段により自車両の進行方向と同方向の加速度で加速している物体と判定されたときには該物体を制御対象とすることを特徴とする走行制御装置。
  2. 自車走行速度との相対速度差が小さい物体ほど制御対象の優先度を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。
  3. 自車両との距離が近い物体ほど制御対象の優先度を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の走行制御装置。
  4. 走行制御開始意思検出手段は、走行制御スイッチON操作またはアクセルペダル踏込み操作またはブレーキペダル開放操作または音声入力に基づいて、運転者の走行制御開始意思を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の走行制御装置。
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