JP4717254B2 - 合成樹脂製容器の蝶番 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製容器の蝶番に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ヒンジ式キャップや、コンパクトその他の合成樹脂製容器のヒンジには、ポリプロピレン(PP)が多く用いられており、そのためキャップや容器の素材樹脂もPPに限定されるという問題があった。
素材樹脂がPPであると、PP自体は不透明であるため、透明なキャップや容器を得ることができず、また、ドーム状の湾曲面には印刷も簡単にできないので、加飾も限定されるという問題があった。
【0003】
また、コンパクト容器等において、ヒンジとして可撓性シートを用いることも知られている(たとえば、実公平3−19292号公報参照)。
上記の技術は、可撓性シートで角形容器全体を覆い、容器の直線状端縁で折り曲げるようにしているから、インサート成形は容易にはできるが、ヒンジ式キャップ、円形の容器等では、ヒンジを取り付ける部分は、対向する円弧縁となるので、ヒンジ部を容易に形成することができず、前記問題点を解決することはできなかった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決することを課題として、素材樹脂としてPP以外の樹脂を用いることを可能とし、フィルムをヒンジとしてインモールド成形したヒンジ式キャップ、コンパクト、その他ヒンジを具えた成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジ式キャップとして、キャップ基体と、該キャップ基体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、蝶番を取り付ける部分が対向する円弧縁であるヒンジ式キャップにおいて、蝶番が、キャップ基体の側周壁と開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とする構成を採用する。
【0006】
フィルムの別実施態様として、フィルムが、キャップ基体の側周壁の所定の位置と、開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする構成、または、フィルムが、キャップ基体の頂壁周辺部の上面と側周壁の所定の位置、および開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする構成を採用する。
【0007】
また三点ヒンジの蝶番機構として、蝶番が、キャップ基体の側周壁と開閉蓋の側周壁の所定の位置と、その両側の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって三点ヒンジとして形成されていることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
コンパクトとして、ケース本体と、該ケース本体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、蝶番を取り付ける部分が対向する円弧縁であるコンパクトにおいて、蝶番が、ケース本体の側周壁と、開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とする構成を採用し、フィルムが、ケース本体と、開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする構成を採用する。
【0009】
ケース本体と、該ケース本体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、横断面が楕円形の合成樹脂容器、或いは側縁を円弧状とした合成樹脂容器においては、蝶番が、ケース本体の側周壁と、開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とする構成を採用し、フィルムが、ケース本体の側周壁の所定の位置と開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする構成を付加する。
【0010】
フィルムの加飾として、フィルムが、開閉蓋に接着される被覆部に、模様が印刷されていることを特徴とする構成、フィルムが、ケース本体と開閉蓋の双方に接着される被覆部に、模様が印刷されていることを特徴とする構成を採用する。
また、フィルムの素材として、フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、またはポリスチレンの延伸フィルムであることを特徴とする構成を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、Aはヒンジ式キャップであって、キャップ基体A1と、開閉蓋A2とを具え、両者は蝶番部を具えたフィルムBを介して連設されている。
ヒンジ式キャップAの樹脂材料として、PP、PEなどが使用され、フィルムBは、PET、PE、AS、PSの延伸フィルムまたは未延伸フィルムが使用される。
【0012】
図2に示すように、キャップ基体A1は、頂壁1と側周壁2とを有しており、頂壁1には、中央に注出孔3を穿孔した注出筒4が立設されており、周縁は段差部5となっている。
頂壁1の下面には、容器口部の内周に係合し、容器内を密封する密封リング6が垂設されている。
側周壁2の内周には、容器口部の外周に螺設されたねじに係合するねじ7が螺設されており、蝶番側の外周上部面には、フィルムBの蝶番部B1が接着されている。
【0013】
開閉蓋A2は、頂壁10と側周壁11とを備えており、頂壁10の下面には、注出孔3を塞ぐ栓体12が垂設されている。
開閉蓋A2には、頂壁10と側周壁11の表面全体を覆うようフィルムBのドーム状の被覆部B2が接着されている。
側周壁11の蝶番の反対側には、摘み13が設けられている。
【0014】
図3に示すように、フィルムBは、前記蝶番部B1と被覆部B2とからなっており、蝶番部B1は、一定の巾を有し、被覆部B2には、蝶番部B1の両側縁から延びる一定長の切れ目14a,bが刻設されている。
【0015】
蝶番部B1は、開閉蓋A2の側では、開閉蓋A2の側周壁11の下端面と、両側端の切れ目14a,bの先端、中心部の下端面近傍の三点を結ぶ湾曲線15aとによって囲まれる部分を非接着層16aとしており、キャップ基体A1の側では、開閉蓋A2の非接着層16aに対称的な非接着層16bとなっている。
すなわち、湾曲線15a,15bと両側端縁に囲まれる部分を非接着層とし、蝶番部B1,被覆部B2のその他の部分は、接着層となっている。
【0016】
蝶番部B1の蝶番軸に直交する横断面での連結部の長さL は、各側周壁の上、下端面から湾曲線までの距離hの2倍の長さとしており、そのことによって次の作用がもたらされる。
【0017】
すなわち、開閉蓋A2の開閉にあたって、閉蓋時には、図1に示すように、蝶番部B1は、開閉蓋A2の下端面に接合し、被覆部B2との間に切れ目14a,bがあっても面一となっている。
開蓋時には、図3に示すように、蝶番部B1は、湾曲線15a,bに沿って接合が離され、蝶番軸に直交する方向の断面は、アーチ状となっている。
【0018】
次に、成形方法について説明する。
図4において、20は固定金型、21は可動金型で、それぞれキャップ基体A1部分の割型22a,b、開閉蓋A2部分の割型23a,bと蝶番形成部24a,bとを具えている。
25は可動コアー、26はヒーターである。
【0019】
成形は、まずはじめに、可動金型21のキャップ基体A1の上面を治具27で密閉し、その上にフィルムBを所定の位置に位置決めして押え枠でおさえ、ヒーター26によってフィルムBを加熱軟化させ、開閉蓋A2部分と蝶番形成部24b部分を真空吸引し、フィルムBを開閉蓋A2と蝶番形成部24の金型通りに成形するとともに型内面に装着する。
【0020】
次いで、押え枠、ヒーター26を取り去り、フィルムBの開閉蓋周辺からのはみ出し部分、蝶番部B1の不要な部分をカットした後に型締めして、キャビティに樹脂を圧入して成形する。
【0021】
次に、本実施形態のヒンジ式キャップの作用効果について説明する。
キャップ基体A1と開閉蓋A2がフィルムBによって連結され、連結部は、蝶番と同様に作用する。
その際、フィルムBの蝶番部B1は、その断面が湾曲面として変形されるので、従来の蝶番のように、キャップの素材として特別なヒンジ効果は要求されない。
したがって、キャップの素材樹脂として、とくにPPに限らず、ヒンジ効果に乏しい樹脂でも使用することができる。
【0022】
また、蝶番部B1がフィルムであるため、開閉にあたって、開閉蓋A2がぐらつくことがあるが、閉蓋時には、開閉蓋A2の側周壁11が、段差部5に係合することによって位置決めされ、開蓋時にもフィルムBの蝶番部B1の剥離部分はわずかであるから、一定の位置を保つことができる。
【0023】
キャップの加飾にあたっては、フィルムBの開閉蓋被覆部B2に印刷することによって、種々の模様を付けることができ、フィルムBの接着側の面に印刷を施すと、深みのある加飾を得ることができる。
【0024】
次に、第2実施形態について説明する。
本実施形態は、前実施形態のヒンジ式キャップにおいて、接着するフィルムを蝶番部のみとし、形状、貼着方法を変更したものである。
前記キャップ基体、開閉蓋の構成、貼着されたフィルムについて、同一の形状である部分については、同一の符号に添字aを付して示して説明を簡略にし、以下相違点を中心に説明する。
【0025】
図5において、Aaはヒンジ式キャップであって、キャップ基体A1aと、開閉蓋A2aとを具え、両者は蝶番として機能するフィルムBaを介して連設されている。
キャップ基体A1aは、頂壁1aと側周壁2aとを有しており、頂壁1aには、中央に注出孔3aを穿孔した注出筒4aが立設されており、周縁は、段差部5aとなっている。
【0026】
頂壁1aの下面には、容器口部の内周に係合し、容器内を密封する密封リング6aが垂設されている。
側周壁2aの内周には、容器口部の外周に螺設されたねじに係合するねじ7aが螺設されている。
【0027】
開閉蓋A2aは、頂壁10aと側周壁11aとを備えており、頂壁10aの下面には、注出孔3aを塞ぐ栓体13aが垂設されている。
フィルムBaは、前記キャップ基体A1aの側周壁2aと、開閉蓋A2aの側周壁11aに、前記第1実施形態と同様に接続部に湾曲線15Aと非接着層16Aを設けて接着されており、蝶番を形成している。
【0028】
次に、成形方法について説明する。
成形は、前記第1実施形態と同様のキャップ基体A1a部分の割型、開閉蓋A2a部分の割型と蝶番形成部とを具えた金型を用いて行われる。
フィルムBaを、可動金型の蝶番形成部をまたいで、キャップ基体A1aと開閉蓋A2aの各側周壁に吸引吸着して貼着する。
次いで、第1実施形態と同様に可動金型と固定金型を型締めし、キャビティに樹脂を圧入して成形する。
【0029】
フィルムBaをヒンジとしたことによって、前記第1実施形態と同様に、キャップの素材として特別なヒンジ効果は要求されないので、キャップの素材樹脂として、とくにPPに限らず、ヒンジ効果に乏しい樹脂でも使用することができる。
【0030】
次に、第3実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第1実施形態のヒンジ式キャップにおいて、開閉蓋とともに、キャップ基体の頂壁上面にもフィルムを接着したものである。
キャップ基体、開閉蓋の構成について、第1実施形態と同一である部分については、同一の符号に添字bを付して示して説明を簡略にし、以下相違点を中心に説明する。
図6において、Abはヒンジ式キャップであって、キャップ基体A1bと、開閉蓋A2bとを具え、両者は蝶番部B1bを具えたフィルムBbを介して連設されている。
【0031】
キャップ基体A1bは、頂壁1bと側周壁2bとを有しており、頂壁1bには、中央に注出孔3bを穿孔した注出筒4bが立設されており、周縁は、段差部5bとなっている。
頂壁1bの上面には、注出筒4bを除いてフィルムBbの環状の被覆部B3bが接着されている。
頂壁1bの下面には、容器口部の内周に係合し、容器内を密封する密封リング6bが垂設されている。
側周壁2bの内周には、容器口部の外周に螺設されたねじに係合するねじ7bが螺設されている。
【0032】
開閉蓋A2bは、頂壁10bと側周壁11bとを備えており、頂壁10bの下面には、注出孔3bを塞ぐ栓体12bが垂設されている。
頂壁10bと側周壁11bの表面全体を覆うよう、フィルムBbのドーム状の被覆部B2bが接着されている。
側周壁11bの反対側には、摘み13bが設けられている。
【0033】
フイルムBbは、前記被覆部B3bと被覆部B2bと、両者を接続する蝶番部B1bとからなっている。
図7に示すように、蝶番部B1bは、一定の巾を有しており、開閉蓋側においては、被覆部B2bとの間に、開閉蓋A2bに向かって延びる一定長の切れ目30a,bが刻設されており、切れ目30a,bの先端と中心部の下端面近傍の三点を結ぶ湾曲線31aによって囲まれる部分は、非接着層32となっている。
【0034】
キャップ基体A1b側においては、環状の被覆部B3bの端縁から湾曲線31bまで続く部分は、キャップ基体A1bの側周壁2bに接着されており、湾曲線31bを境に折り曲げられ、折曲げ部分33は、非接着層32とともに蝶番の連結部を構成している。
【0035】
開閉蓋A2bの開閉にあたって、閉蓋時には、図6,7に示すように、蝶番部B1bは、キャップ基体A1b側においては、折り曲げ部分33は側周壁2bの接着部分と重なることになるが、フイルム自体肉薄のものであり、また非接着層32の部分は、開閉蓋A2bの下端面に接合し、被覆部B2bとの間に切れ目30a,bがあってもほぼ面一となっている。
【0036】
開蓋時には、蝶番部B1bの折曲げ部分33は湾曲線31bに影響されて変形し、非接着層32の部分は、その中心部では、開閉蓋A2bの下端にほぼ接合しているが、両側に近づくにしたがって接合点は下方に下り、両側端では、切れ目30a,bの先端までの接合が離れる。
【0037】
次に、成形方法について説明する。
成形は、前記第1実施形態と同様のキャップ基体A1b部分の割型、開閉蓋A2b部分の割型と蝶番形成部とを具えた金型を用いて行われる。
成形は、まずはじめに、可動金型21のキャップ基体A1bの上面を治具27で密閉し、その上にフィルムBbを所定の位置に位置決めして押え枠でおさえ、ヒーター26によってフィルムBbを加熱軟化させ、開閉蓋A2b部分と蝶番形成部24b部分を真空吸引し、フィルムBbを開閉蓋A2bと蝶番形成部24bの金型通りに成形するとともに型内面に装着する。
【0038】
次いで、押え枠、ヒーター26を取り去り、フィルムBbの開閉蓋周辺からのはみ出し部分、キャップ基体A1bのはみ出し部分と注出筒部の穿孔、蝶番部B1bの不要な部分をカットした後に型締めして、キャビティに樹脂を圧入して成形する。
その際、キャップ基体A1b上面のフイルムの被覆部B3bは固定金型の割型面に接合し金型面通りに成形され、樹脂に接着される。
【0039】
次に、本実施形態の作用効果について述べると、本実施形態のヒンジ式キャップは、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができるが、さらにキャップ基体A1bの上面にフイルムBbを接着させたことによってキャップ基体A1bの加飾ができるという効果がもたらされる。
【0040】
次に、蝶番の別実施例について説明する。
前記第2実施形態では蝶番を一枚のフィルムのみで形成しているが、蝶番部の両側に連結片を設け、三点ヒンジとしてもよい。
図8において、35はキャップ基体A1cと開閉蓋A2cを接続するフイルムによって形成された蝶番、36a,bは蝶番の外側に配設された連結片である。
連結片36a,bは、境界線37a,bの上下でそれぞれ開閉蓋A2cとキャップ基体A1cに接着されており、中間部38は非接着層となっている。
連結片36a,bを設けたことによって、開閉時に開閉蓋A2cの安定性を増加させることができる。
【0041】
次に、コンパクトに係る第4実施形態について説明する。
図9において、Cはコンパクトであって、C1はケース本体、C2は開閉蓋であり、ケース本体C1と開閉蓋C2の表面には、共通する一枚のフィルムBcが接着されている。
ケース本体C1は、底壁40と側周壁41とからなっており、側周壁41の上端面には、内周縁に沿って突出部42が立設されている。
側周壁41の蝶番部の反対側には、切込み43が形成され、内側には係止片44が設けられている。
【0042】
開閉蓋C2は、頂壁45と側周壁46とからなっており、側周壁46の蝶番部の反対側には、ケース本体C1の係止片44に係合する掛留片47に摘み48が設けられている。
【0043】
図10,11に示すようにフィルムBcは、ケース本体C1の表面を覆うドーム状の被覆部B2c、開閉蓋C2の表面を覆うドーム状の被覆部B3cおよび二つの被覆部B2c,B3cを結ぶ蝶番部B1cとからなっている。
蝶番部B1cは、一定巾を有し、その両側に沿って各被覆部B2c,B3cに向かって延びる一定長の切れ目50a,b、51a,bが刻設されている。
【0044】
蝶番部B1cは、ケース本体C1の側では、ケース本体C1の側周壁41の端面と、両側端の切れ目50a,bの先端、中心部の端面近傍の三点を結ぶ湾曲線52とによって囲まれる部分を非接着層53aとしており、開閉蓋C2の側では、ケース本体C1と対称的に非接着層53bが設けられている。
蝶番部B1cの蝶番軸に直交する横断面での連結部の長さL は、各側周壁の上、下端面から湾曲線までの距離hの2倍の長さとしている。
【0045】
次に、コンパクトの成形方法について説明する。
まず成形金型について述べると、図9において、60は固定金型、61は可動金型で、それぞれケース本体C1部分の割型62a,b、開閉蓋C2部分の割型63a,bと蝶番形成部64a,bとを具えている。
65はヒーターである。
【0046】
成形は、まずはじめに、所定のフィルムBcを可動金型61の定位置に載置し、押え枠で固定する。
次いで、ヒーター65によって加熱してフィルムBcを軟化させ、真空吸引し、フィルムBcをケース本体C1と開閉蓋C2および蝶番部B1cを金型通りに成形するとともに型内面に装着する。
【0047】
次いで、押え枠、ヒーター65を取り去り、可動金型61と固定金型60を型締めして、キャビティに樹脂を圧入して成形する。
【0048】
次に、本実施形態のコンパクトの作用効果について説明する。
前記各実施形態と同様にフィルムBcの連結部は、蝶番と同様に作用する。
その際、フィルムBcの蝶番部B1cは、前記と同様に、その断面が湾曲面として変形されるので、従来の蝶番のように、キャップの素材として特別なヒンジ効果は要求されない。
したがって、キャップの素材樹脂として、とくにPPに限らず、ヒンジ効果に乏しい樹脂でも使用することができる。
【0049】
また、蝶番部B1cがフィルムであるため、開閉にあたって、閉蓋時には、開閉蓋C2の側周壁46が、突出部42に係合することによって位置決めされ、開蓋時にもフィルムBcの蝶番部B1cの非接着部分はわずかであるから、一定の位置を保つことができる。
【0050】
コンパクトの加飾にあたっては、フィルムBc全体に印刷することによって種々の模様を付けることができ、フィルムの接着側の面に印刷を施すと、深みのある加飾を得ることができる。
【0051】
上記第4実施形態では、フィルムBcをケース本体C1と開閉蓋C2の表面に接着するようにしているが、第2実施形態と同様にフィルムを蝶番部B1cのみとして、ケース本体C1と開閉蓋C2の蝶番部B1cの所定の表面に接着するように、インモールド成形してもよい。
また加飾についても、開閉蓋C2の表面にのみ印刷を施すだけでもよい。
【0052】
前記各実施形態でヒンジ式キャップとコンパクトについて説明したが、ヒンジ機構を有する合成樹脂容器であれば、ヒンジ部にフィルムをインサート成形し、フィルムをヒンジとして用いることができ、キャップ、コンパクトに限定されない。
とくに、ケース本体と該ケース本体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、横断面が楕円形の合成樹脂容器、或いは側縁を円弧状とした合成樹脂容器の場合に適用すると各実施形態との作用効果と同等の効果をえることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
容器の蝶番部に、フィルムをインモールド成形することによって、所定の位置に接着して蝶番としているから、成形品にPP以外の素材を使用することができ、また、インモールドフィルムに印刷することによって、加飾効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態ヒンジ式キャップの斜視図である。
【図2】開蓋状態にあるヒンジ式キャップを示す図で、(a)は一部断面正面図、(b)は上面図である。
【図3】開蓋状態にあるヒンジの詳細説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A線における断面図である。
【図4】成形の説明図である。
【図5】 第2実施形態のヒンジ式キャップの説明図で、(a)は閉蓋時の一部断面正面図、(b)は開蓋時の一部断面正面図、(c)は蝶番部フィルムの説明図である。
【図6】 第3実施形態のヒンジ式キャップの説明図で、(a)は閉蓋時の一部断面正面図、(b)は開蓋時の一部断面正面図、(c)は蝶番部フィルムの説明図である。
【図7】 開蓋状態にあるヒンジの詳細説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A線における断面図である。
【図8】 三点ヒンジの蝶番機構の説明図である。
【図9】 第4実施形態のコンパクトの断面正面図である。
【図10】 開蓋時の状態を示す図で、(a)は一部断面正面図、(b)は上面図である。
【図11】 開蓋状態にある蝶番部の詳細説明図で、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A線における断面図である。
【図12】 成形の説明図である。
【符号の説明】
A、Aa、Ab ヒンジ式キャップ
A1、A1a、A1b、A1c キャップ基体
A2、A2a、A2b、A2c 開閉蓋
B、Ba、Bb、Bc フィルム
B1、B1a、B1b、B1c 蝶番部
B2、B2a、B2b、B3b、B2c、B3c 被覆部
C コンパクト
C1 ケース本体
C2 開閉蓋
1、1a、1b 頂壁
2、2a、2b 側周壁
10、10a、10b 頂壁
11、11a、11b 側周壁
14a,b、30a,b、50a,b、51a,b 切れ目
15a,b、15A、31a,b、52 湾曲線
16a,b、16A、32、53a,b 非接着層
20、60 固定金型
21、21a、61 可動金型
22a,b、23a,b 割型
24a,b、64a,b 蝶番形成部
25 可動コア
26,65 ヒーター
27 治具
35 蝶番
36a,b 連結片
37a,b 境界線
38 中間部
40 底壁
41 側周壁
45 頂壁
62a,b、63a,b 割型
66 側周壁

Claims (11)

  1. キャップ基体と、該キャップ基体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、蝶番を取り付ける部分が対向する円弧縁であるヒンジ式キャップにおいて、
    蝶番が、キャップ基体の側周壁と開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、
    蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とするヒンジ式キャップ。
  2. フィルムが、キャップ基体の側周壁の所定の位置と、開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする請求項1記載のヒンジ式キャップ。
  3. フィルムが、キャップ基体の頂壁周辺部の上面と側周壁の所定の位置、および開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジ式キャップ。
  4. 蝶番が、キャップ基体の側周壁と開閉蓋の側周壁の所定の位置と、その両側の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって三点ヒンジとして形成されていることを特徴とする請求項1記載のヒンジ式キャップ。
  5. ケース本体と、該ケース本体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、蝶番を取り付ける部分が対向する円弧縁であるコンパクトにおいて、
    蝶番が、ケース本体の側周壁と、開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、
    蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とするコンパクト。
  6. フィルムが、ケース本体と、開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする請求項5記載のコンパクト。
  7. ケース本体と、該ケース本体に蝶番を介して取着された開閉蓋とからなり、横断面が楕円形の合成樹脂容器であって、
    蝶番が、ケース本体の側周壁と、開閉蓋の側周壁の所定の位置にインモールド成形によって接着されたフィルムによって形成されており、
    蝶番部には、両側縁から延び中央部を蝶番の軸線近くまで接近する湾曲線を形成し、その軸線側を非接着部としていることを特徴とする容器。
  8. フィルムが、ケース本体の側周壁の所定の位置と開閉蓋の表面全面に接着されていることを特徴とする請求項7記載の容器。
  9. フィルムが、開閉蓋に接着される被覆部に、模様が印刷されていることを特徴とする請求項2または6または8に記載の容器。
  10. フィルムが、ケース本体と開閉蓋の双方に接着される被覆部に、模様が印刷されていることを特徴とする請求項6記載のコンパクト。
  11. フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、またはポリスチレンの延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の容器。
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