JP2020121783A - ヒンジキャップ - Google Patents
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しかし、合成樹脂がPPであると、PP自体は不透明であるため、透明なキャップや容器を得ることができず、また、ドーム状の湾曲面には印刷も簡単にできないので、加飾も限定されるという問題があった。
また、ヒンジキャップをポリエチレンテレフタレート(PET)で作成しようとすると、PET樹脂が硬いために、ヒンジ部が曲がり難かったり、白化するという問題があった。
また、本発明のヒンジキャップは、キャップ本体および蓋体をポリエチレンテレフタレート製とし、ヒンジ部をポリエチレンテレフタレートフィルム製とした場合に、PET容器のヒンジキャップをPET樹脂で作成でき、容器とヒンジキャップを分別せずに、一緒にリサイクルすることができる。
なお、以下の説明において、図1(a)でみて、左方向を「正面」とし、右方向を「背面」とし、上方向を「上」とし、下方向を「下」とする。
容器Aは、上部に口部1を有し、口部1の外周面には、嵌合突条2が設けられている。
また、注出筒6は、内容液を注ぎ易くするために、本実施例では、正面側(ヒンジ部Cと反対側)は、ヒンジ部C側よりも高く形成され、リップ部6bは、ラッパ状に広がっている。
外周壁10は、内周下部に容器Aの口部1の嵌合突条2と係合する係合突部11が設けられている。
本実施例では、凹溝12は、装着部3の外周壁10の上面からヒンジ部C側を除く全周にわたって所定深さで形成され、断面がU字状の縦溝であり、具体的には、約300°の範囲にわたって形成されているが、凹溝12は、装着部3の上面からヒンジ部C側を除き周方向に少なくともヒンジ部C近傍の所定範囲に形成されていればよい。例えば、図2(a)で示す装着部3の正面側180°の範囲には、凹溝12を形成しないで、ヒンジ部C側180°の範囲には、図示の凹溝12を残すようにすればよい。
さらに、凹溝12の深さは、ヒンジ部Cの近傍では、後述するフィルム16の本体被覆部18の縦方向長さ以上にすることが望ましいが、正面側(ヒンジ部Cと反対側)では、ヒンジ部Cの近傍の深さよりも浅くしてもよいし、凹溝を形成しなくても構わない。
係合凹所14は、蓋体Dが衝撃を受けた場合に、後述する蓋体Dの外筒23の先端部23aが係合するようになっている。
なお、本実施例では、案内突条13は、全周に設けられているが、ヒンジ部C側のみに設けても構わない。
本実施例では、フィルム16は、図4(b)に示すように、可動金型31のキャップ本体B側を被覆する本体被覆部18と、可動金型31の蓋体D側を被覆する蓋体被覆部19と、本体被覆部18と蓋体被覆部19との間に設けられたヒンジ形成部17とを備えている。
頂壁20は、内面からシール筒22と、シール筒22の外側に位置し、注出筒6より大径の外筒23とが垂設されている。
また、シール筒22の段部22aと注出筒6の段部6aとの間に空間が設けられ、容器Aの落下等による衝撃を受けて、仮シール部bに少量の内容液が侵入したときの液だめ部cとなって内容液を留めることができる。
側周壁21の正面側の外周には、周方向に円弧状の把手部26が延設され、把手部26の中央部下面には、指掛け部27が設けられている。
本実施例のヒンジキャップは、図4に示す固定金型30と可動金型31と可動コア32とによって図2に示すように、開蓋した状態で成形される。
まず、固定金型30から分離した可動金型31と可動コア32の上に、フィルム16のヒンジ形成部17がヒンジ部Cの成形位置に来るように位置決め固定し、その後、ヒーター等でフィルム16を加熱軟化させ、蓋体被覆部19を可動金型31の複数箇所に形成された吸引孔33によって吸引し、フィルム16のヒンジ形成部17および蓋体被覆部19を金型内面に密着させる。
その際に、図4(a)に示すように、キャップ本体Bの中央付近から圧入された合成樹脂は、外周壁10に向けて流入するが、ヒンジ部C側を除き、凹溝12が凹設されているために、一旦、矢印方向に下降した後、外周壁10の外周面に沿って上昇する。
すなわち、外周壁10の上面からヒンジ部C側を除き、凹溝12を周方向に沿って凹設したことにより、ヒンジ部C側以外の外周壁10では、合成樹脂が矢印で示すように上下方向に流入し、外周壁10の周方向からヒンジ部C側に流入するのを低減したことにより、合成樹脂がフィルム16の本体被覆部18の外側(可動金型31と接する側)へ回り込むのを防止することができる。
その際、蓋体Dのシール筒22の外周下部は、キャップ本体Bの注出筒6の内周に密着して、シール部aが形成されるとともに、シール筒22の外周下部の下部シール筒22bは、内周面が注出筒6の注出口5に近接あるいは当接して仮シール部bが形成される。
また、閉蓋途中に、蓋体Dの外筒23は、ヒンジ部C側からキャップ本体Bの基壁4の案内突条13に向かって下降し、その後、外筒23は、案内突条13の外周面に案内されながら、外筒23の先端部23aが基壁4の係合凹所14内に挿入され、係合凹所14の底面に近接する。
打栓工程は、装着部3の内筒9と外周壁10との間に形成された環状溝に容器Aの口部1を当てがい、蓋体Dの上から押圧力が加えられ、外周壁10の係合突部11が口部1の嵌合突条2を乗り越えて嵌合し、容器Aの口部1が内筒9の外周と外周壁10の内周および蓋係合部8とによって挟持されることで装着される。
また、蓋体Dは、側周壁21に設けられた係合凹部25の正面側が薄肉に形成されているので、開蓋時に把手部26を持ち上げると、側周壁21の係合凹部25が変形して、蓋係合部8の係止突条7に対する抵抗が少なくなり、スムースに開蓋することができる。
以下、第1実施例と同一部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する。
図5において、Aは容器、Baは容器Aに装着されるキャップ本体、Cはヒンジ部、Daはヒンジ部Cを介してキャップ本体Baに開閉可能に取り付けられた蓋体である。
注出筒36は、下端部から内方に注出口縁部37が突設され、本実施例では、注出口縁部37は、内側下方に傾斜した形状となっている。
また、注出口縁部37の縁端部37aによって形成される注出口35の開口形状は、図6(a)に示すように、ヒンジ部C側と正面側を結ぶ方向に、細長くなった略菱形状となっている。
さらに、本実施例では、略菱形状に開口された注出口35の短径部を結ぶように、縁端部37aから下方に張り出した梁部38が形成されており、梁部38の中央には、成形時に使用するゲートを設けることもできる。
頂壁20は、内面から第1シール筒42と、第1シール筒42の内側に位置し、注出口縁部37に合わせた外周形状の第2シール筒43とが垂設されている。
本実施例では、第2シール筒43の外周形状は、注出口縁部37に合わせて、縁端部37aに基づく注出口35の形状と同じ細長い略菱形状となっている。
また、第2シール筒43は、閉蓋時において、注出筒36の内周下部に設けられた注出口縁部37の縁端部37aに、外周面で近接あるいは当接するように形成されており、縁端部37aとで第2シール部eが形成される。
なお、第2シール部eの位置は、第1シール部dの下方であればどのような位置でも構わない。
本実施例のヒンジキャップは、第1実施例で説明した成形方法により、図6に示すように、開蓋した状態で成形される。
さらに、図5に示すように、ヒンジキャップを閉蓋状態にして容器Aに打栓する点は、実施例1と同様である。
とくに、本実施例では、注出口縁部37は、下方に傾斜した形状となっているため、落下等から引き起こされる内容液による圧力によって、第2シール部eのシール性が高められることになり、内容液による衝撃を抑えることができる。
本実施例では、注出口縁部37によって、注出口35の形状が円形状の他に、菱形状の変形した形状のものとしたが、注出口35の形状は、楕円形状、扇状、ひょうたん状、縦細長形状など種々の変形形状とすることができる。
B、Ba キャップ本体
C ヒンジ部
D、Da 蓋体
a シール部
b 仮シール部
c 液だめ部
d 第1シール部
e 第2シール部
1 口部
2 嵌合突条
3 装着部
4、34 基壁
5、35 注出口
6、36 注出筒
6a 段部
6b リップ部
7 係止突条
8 蓋係合部
9 内筒
10 外周壁
11 係合突部
12 凹溝
13 案内突条
14 係合凹所
16 フィルム
17 ヒンジ形成部
18 本体被覆部
19 蓋体被覆部
20 頂壁
21 側周壁
22 シール筒
22a 段部
22b 下部シール筒
23 外筒
23a 先端部
24 被係合部
25 係合凹部
26 把手部
27 指掛け部
30 固定金型
31 可動金型
32 可動コア
33 吸引孔
37 注出口縁部
37a 縁端部
38 梁部
42 第1シール筒
43 第2シール筒
Claims (5)
- 容器に装着されるキャップ本体と、ヒンジ部を介してキャップ本体に開閉可能に取り付けられた蓋体とからなるヒンジキャップであって、
キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部の上面からヒンジ部側を除き周方向に少なくともヒンジ部近傍の所定範囲に形成された凹溝とを備え、
蓋体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設された側周壁とを備え、
ヒンジ部は、キャップ本体の装着部と蓋体の側周壁とを連設し、インサート成形されたフィルムによって形成されたことを特徴とするヒンジキャップ。 - 凹溝は、装着部の上面からヒンジ部側を除く全周にわたって形成されたことを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
- フィルムは、金型のキャップ本体側を被覆する本体被覆部と、蓋体側を被覆する蓋体被覆部と、本体被覆部と蓋体被覆部との間のヒンジ形成部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。
- キャップ本体の装着部は、蓋体の側周壁と係合する蓋係合部と、蓋係合部の外周側から垂設される外周壁とを備え、
凹溝は、外周壁の上面から形成された所定深さの縦溝であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。 - キャップ本体および蓋体は、ポリエチレンテレフタレート製とし、
ヒンジ部は、ポリエチレンテレフタレートフィルム製としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒンジキャップ。
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