JP5912661B2 - 合成樹脂製ヒンジキャップ - Google Patents
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キャップ本体と上蓋とを外周縁の所定円周範囲にわたって連結するヒンジには、当該範囲の中央部でキャップ本体の上端縁と上蓋の下端縁とを連結する中央ヒンジ部と、中央ヒンジ部の両側に設けられ、それぞれの上端縁、下端縁より上下に離隔した位置で連結する両側ヒンジ部とからなるものが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたヒンジ部20、弾性板21が、ここで言うそれぞれ中央ヒンジ部、両側ヒンジ部に相当する。
図5に示すように、当該切り欠き凹部32aは、キャップ本体の上端縁6aと上蓋の下端縁25aから所定高さ離隔した少なくとも両側ヒンジ部との連結部位まで、縮径した外周凹面35aを形成している。
この外周凹面35aは、通常は、縮径幅dが上下方向に一定な垂直壁面をなしている。
このように、嵌合膨出部24aがまくれあがって異常変形してしまうと、この部分で気密性が低下して内容物がもれたり、嵌合強度が弱くなって不用意な開蓋が生じたりするという問題があった。
また、傾斜面が、嵌合膨出部の上部付け根部より上方の高さ位置から上蓋の下端縁まで設けられている実施形態では、嵌合膨出部が設けられた高さ部位において離型時に傾斜面との間に空間が生じるので、上蓋の側周壁が外方に逃げるように変形して嵌合膨出部のまくれによる異常変形を確実に防止することができる。
キャップ本体Aは、ねじ2によって容器の口部1に取着されている。
外筒4の外周縁上端には、上蓋Bと重なり合う上端縁6と、上端縁6の内周縁に立設された係合壁7とを有する段部5が設けられ、係合壁7の上部には、後述する上蓋Bの嵌合膨出部24と係合する環状の蓋係合部8が外方に突出して、上壁3の上部に連続している。
上壁3の下面には、容器の口部1の内周に嵌合する内筒14が垂設され、内筒14の内周面は注出筒9の注出口13に連通している。
注出口13には、容器を使用するまで内容物を密閉するためのシール板15が貼着されている。
側周壁21の内周面下部には、キャップ本体Aの蓋係合部8と係合する環状の嵌合膨出部24が、内方に突出して設けられている。
図1に示されるように、閉蓋時には、上蓋Bの嵌合膨出部24がキャップ本体Aの蓋係合部8を乗り越えて嵌合し、嵌合膨出部24の上部面と蓋係合部8の下部面とで環状のシール面を形成する。
両側ヒンジ部31は、キャップ本体Aの上端縁6と上蓋Bの下端縁25からそれぞれ縮径した切り欠き凹部32を経て上下に離隔した位置で、外筒4および側周壁21と連結している。
このように、連結部位の異なる中央ヒンジ部30と両側ヒンジ部31とを設けることにより、所定の開蓋状態を維持することができる。
両側ヒンジ部31は、図3(a)に示すように、中央ヒンジ部30の両側端位置T1から両側ヒンジ部31の両側端位置T2に向けて、キャップ本体Aと上蓋Bのそれぞれ上端縁6と上蓋Bの下端縁25から離れるように傾斜して連結しており、両側端には肉厚の補強端部34が形成されている。
本実施例では、中央ヒンジ部30と両側ヒンジ部31とは、一体にT1位置でつながっているが、先に先行技術文献としてあげた特許文献1記載のヒンジ部20と弾性板21のように、中央ヒンジ部30と両側ヒンジ部31は、一体でなくT1位置で離隔したものであってもよい。
図4(b)は、本実施例の変形実施例であり、傾斜面36が外周凹面35の途中から始まって、下端縁25において切り欠き凹部32の幅がD2まで広がるように形成されている。
この変形実施例の傾斜面36の始点37の下端縁25からの高さは、嵌合膨出部24の上部付け根部27の高さhよりも高い高さHに設定されている
本発明のようなキャップ本体Aと上蓋BがヒンジCで連結された合成樹脂製ヒンジキャップは、前述したとおり、通常は射出成形などにより一体成形される。
本実施例のヒンジキャップは、図2のように開蓋した状態で、上金型と下金型とを上下から圧接して、金型により形成されるキャビティ内に合成樹脂を射出して成形する。
同時に、上蓋Bの側周壁21の内周下部に設けられた嵌合膨出部24は内方に突出しているので、嵌合膨出部24の当該形状に一致する上金型が上昇するのにともなって、成形されたヒンジキャップの嵌合膨出部24が上金型によって押圧されるようになるが、側周壁21の外周側には、上金型との間に傾斜面36に対応する前記空間が生じているので、側周壁21が外方に変形して、嵌合膨出部24への押圧力を緩和することができる。
なお、本実施例では、図4(a)に示すように、傾斜面36は切り欠き凹部32の底部から始まって、外周凹面35全体が傾斜面26となっているが、図4(b)に示す変形実施例のように、傾斜面36の始点37が嵌合膨出部24の上部付け根部27より高い位置にあれば、離型時に製品が逃げることができる前記空間を生じ、本実施例と同様の効果を期待することができる。
また、ヒンジキャップの形状は、本実施例のようにねじ2により取着され、くびれ部11を有する注出筒9を具えたキャプ本体Aなどに限定されず、適宜の形状が採用可能である。
B 上蓋
C ヒンジ
1 容器の口部
2 ねじ
3 上壁
4 外筒
5 段部
6, 6a 上端縁
7 係合壁
8 蓋係合部
9 注出筒
10 基部筒
11 くびれ部
12 口筒部
13 注出口
14 内筒
15 シール板
20 頂壁
21 側周壁
22 密封筒
23 先端嵌合部
24,24a 嵌合膨出部
25,25a 下端縁
26 摘み部
27 上部付け根部
30 中央ヒンジ部
31 両側ヒンジ部
32,32a 切り欠き凹部
33 中間部
34 補強端部
35,35a 外周凹面
36 傾斜面
37 始点
100 だれ
Claims (2)
- 容器に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設する上蓋とからなる合成樹脂製ヒンジキャップにおいて、
上蓋は、頂壁と頂壁周縁から垂設される側周壁とからなり、側周壁の内周面下部には、内方に突出し、キャップ本体と係合する環状の嵌合膨出部が設けられており、
ヒンジは、キャップ本体と上蓋とを外周縁で互いに重ね合わせる端縁付近で円周方向の所定範囲にわたって連結し、当該所定範囲の中央部でキャップ本体の上端縁と上蓋の下端縁とを連結する中央ヒンジ部と、中央ヒンジ部の両側に設けられ、前記上端縁、下端縁から縮径した切り欠き凹部を経て上下に離隔した位置で連結した両側ヒンジ部とからなり、
上蓋の側周壁の切り欠き凹部における外周面を形成する外周凹面には、下端縁に向けて切り欠き凹部の径方向の幅が広がるように傾斜する傾斜面が設けられていることを特徴とする合成樹脂製ヒンジキャップ。 - 傾斜面は、嵌合膨出部の上部付け根部より上方の高さ位置から、上蓋の下端縁まで設けられていることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製ヒンジキャップ。
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JP2012042846A JP5912661B2 (ja) | 2012-02-29 | 2012-02-29 | 合成樹脂製ヒンジキャップ |
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