JP4716601B2 - 媒体処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道用乗車券等の発券や改札処理等に関連する磁気記録媒体を処理する媒体処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の分野では、例えば特開平11−11732号公報の技術を利用した装置が実用化されている。この装置は、入場、出場あるいは乗り換えの際に利用する情報を磁気記録媒体に記録し、また記録された情報を読取る機能等を有している。そして近年、鉄道関係等において、自動発券端末や改札口の券処理機の利用が益々増え、そのための磁気記録媒体を扱う装置が多様化してきている。
【0003】
上記のような従来の券売機等において、磁気記録媒体に情報を書込み、またそこに記録されている磁気情報を読取る機構は下記のように構成されている。即ち、磁気ヘッドとゴム製の回転ローラとが対向して設けられており、これら磁気ヘッドと回転ローラとの間隔を適当に離間させ、この間隔にこの間隔よりも厚い媒体を介在させることにより回転ローラがつぶれて磁気ヘッドと磁気記録媒体とに適当な圧力が生じ、磁気ヘッドが磁気記録媒体へ情報を書込んだり記録されている磁気情報を読取るものである。この場合、磁気ヘッドと回転ローラとの間隔を適当に離間させる構造とすると、調整機構等が必要で非常に高価で調整に手間の掛かる構造となってしまう。従って、特開平11−11732号公報では、この隙間を0とし、磁気ヘッドに対向させたローラを適当な押圧で密着させる方式で、簡単かつ安価な構成としている。
【0004】
図1はそのような従来方式のローラ部の構造図、図2はそこで使用されるローラの構造を示す断面図である。これらの図において、1は磁気記録媒体、2,3は媒体走行ガイド、4は磁気書込みヘッド、5は磁気読取りヘッドであり、それぞれのヘッドには弾性体ローラ21,22が対向配置されている。これらのローラ21,22は軸受8で支持された軸7の回転を利用して回転する。また、これらのローラ21,22は軸7に取付けられたボス9を介してゴム等の弾性部材からなるパッド10が付けられており、このパッド10の周囲をフッ素系の樹脂等のより摩擦係数が低いフィルム体23で覆っている。11,12はローラ21,22を支持するプレッシャアーム、13,14はプレッシャアーム11,12と図示しない枠体との間に張設したスプリングであり、各プレッシャアーム11,12の支点15,16を介して、ローラ21,22を磁気書込みヘッド4と磁気読取りヘッド5とにそれぞれ密着させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構造は、図3(a)に示すように、磁気ヘッド4(符号31は磁気ヘッド4のトラックが有る部分を示す)に対応した一定幅の媒体1に対して磁気記録等を行う場合には有効な構造であった。しかし近年の多様化するニーズの中は、様々の券長、券幅の媒体を扱うことが必要となってきている。同一の装置内で幅の異なる媒体に磁気情報を記録等する場合、同一の磁気ヘッドを利用しようとすると、図3(b)のように、媒体のA側とB側とで磁気ヘッド4への押し当て圧力が異なってしまい、磁気情報を記録等することが困雑であった。そこで従来は、異なる幅の媒体毎に磁気記録機構を設ける等していたため、装置が非常に高価なものとなったり大型化する等していた。
従って、本発明は、券幅の異なる媒体でも安定した磁気書込み及び/又は磁気読取りを簡単な構成で可能とした、各種券処理装置等に用いられる媒体処理装置を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、前記ローラをその左右端にそれぞれ配したアームで支持し、前記ローラの左側を支持するアームと前記ローラの右側を支持するアームの傾きを相互に釣り合わせるスタビライザーを備え、前記スタビライザーが中間部を支点に回動可能に保持された部材からなり、前記部材の一端で前記ローラの左側を支持するアームを、前記部材の他端で前記ローラの右側を支持するアームを、それぞれ支持したことを特徴とする。
【0007】
また、弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、後辺部が固定された板バネの前辺部に前記弾性体ローラを配し、前記前辺部の一端に前記ローラの左側を支持するアームを、前記前辺部の他端に前記ローラの右側を支持するアームをそれぞれ備えたことを特徴とする。
【0008】
また、弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、前記弾性体ローラを複数の弾性体ローラを並列させて構成するとともに、各ローラを支持するローラ支持機構を各ローラ毎に備えたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面に共通な要素には同一符号を付す。
また、ローラ部の磁気書込み側と磁気読取り側は同一構造のため構造、以下では磁気書込み側を取上げて説明する。
【0010】
参考形態1.
図4は本発明の参考形態1に係るローラ部の構造図及び動作説明図である。参考形態1のローラ部(作動機構をも含む)の構造は、以下の点を除いて図1及び図2に示したローラ部(作動機構をも含む)の構造と同じ構成となっている。即ち、図4(a)に示すように、参考形態1では、ローラ21の中央部にフィルム体及びパッドの上層部を切欠いて環状の溝25を形成している点が従来の構成と相違している。この溝25の位置は、処理しようとする媒体の幅に応じて定めるもので、この図のように溝25をローラ21の中央部に形成した場合には、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体に加えて、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体の使用にも対応させたものである。
なお、図4では、ボス9、パッド10、フィルム体23等の表示を省略している。
【0011】
上記の構造において、図4(b)に示すように、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体1がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過すると、弾性体であるローラ21が変形するが、ローラ21の中央表面部に溝25があるため、その変形は媒体1が通過している片側半分のみに一様な圧縮変形が生じ、これによって媒体1には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
また、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過する際には、弾性体であるローラ21の全体に亘って一様な圧縮変形が生じ、これによって媒体には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
なお、ローラ21の溝25は、使用する媒体に応じて2個以上設けることもできる。
【0012】
参考形態2.
図5は本発明の参考形態2に係るローラ部の構造図及び動作説明図である。参考形態2のローラ部(作動機構をも含む)の構造は、以下の点を除いて図1及び図2に示したローラ部(作動機構をも含む)の構造と同じ構成となっている。即ち、図5(a)に示すように、参考形態2では、ローラ21を構成するパッド10を固定するためのボス9の外径を磁気ヘッド4の媒体処理領域31に対応する領域内で変化させ、ローラ21の外径は軸方向で一定としたまま弾性部材であるパッド10の肉厚を軸方向で変化させ、パッド10の軸方向における硬度を変化させた点が従来の構成と相違している。ここでは、パッド10の中央部の肉厚をその両側に比べて厚くしている。
【0013】
上記の構造において、図5(b)に示すように、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体1がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過すると、弾性体であるローラ21が変形するが、ローラ21の中央部と両側部とでパッド10の肉厚が相違するため、ローラ21の中央部では弾性体の変形がその側部より大きく生じる。このため、ローラ21を磁気記録媒体1に追従してそこに押しつけることができ、ローラ21を磁気記録媒体1の全体に亘ってほぼ均一に押当てることが出来、安定した磁気記録を実現することができる。
また、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過する際には、弾性体であるローラ21の全体に亘って一様な圧縮変形が生じ、これによって媒体には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
【0014】
なお、ボス9の形状及びパッド10の肉厚は、使用する媒体の幅に応じて適宜決定される。例えば、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体とローラ21の約半分に相当する幅を有する媒体との2種類を処理するためには、図6(a),(b)に示すように、ローラ21の中央部がその両側部より厚肉となるようにボス9の形状を決定するとよい。言い換えれば、使用する媒体の内側縁部に当接するローラ部分がより変形し易くなるように、ボス9の形状及びパッド10の肉厚を決定すればよく、その形状は図6(a),(b)等に限られるものではない。
【0015】
実施形態1.
図7は本発明の実施形態1に係るローラ部の構造図及び動作説明図である。図7(a)に示すように、実施形態1のローラ部(作動機構をも含む)の構造は、図1で使用したと同じローラ21を用いているものの、その作動機構が従来のものと相違している。即ち、ローラ21の左右端に配したプレッシャアーム11,11でローラ21を支持するとともに、そのプレッシャアーム11,11をスタビライザーとして機能する細長部材43により支持している。細長部材43はコの字状に形成され、その中間部は留め具45等により固定板41(固定板41は図示していない枠体等に固定される)に回動可能に取付けられている。また、プレッシャアーム11,11には、それらを下方へ付勢するスプリング33が取付けられている。
【0016】
上記の構造において、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体1がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過すると、媒体1の有無による段差のためにローラ21が一時的に傾き、それに伴って細長部材43の左右端部にもねじりが生じて傾くが、細長部材43はその中間部を固定板41に回動可能に取付けられているのでそのねじりによる傾きを修正する方向に動いて、すぐに図7(b)に示すような安定状態に復帰する。即ち、細長部材43がスタビライザーとして作用することで、媒体1の全体に亘ってほぼ均等な力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
また、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過する際には、ローラ21に傾きが生じないのでローラ21の左右端部は細長部材43によりほぼ均等な力で支持され、これによって媒体には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
【0017】
なお、この例ではスタビライザーとして機能させる部材として細長部材43を用いたが、上記のような機能を果たすものであればその形状や取付態様は自由に決定してよい。
【0018】
実施形態2.
図8は本発明の実施形態2に係るローラ部の構造図である。実施形態2のローラ部(作動機構をも含む)の構造は、図7に示したプレッシャアーム11,11、スプリング33,33及び細長部材43を、1つの板バネ部材に置き換えたものである。即ち、図8に示すように、ローラ21の左右端を支持するアーム部51を前辺部52に備えたバネ性を有する板材50を、その後辺部53において図示しない枠体等に固定された固定板41に固定し、板材50のバネ力を利用してローラ21を支持するようにしたものである。
なお、板材50はその中央部54を矩形に切欠いてそのバネ性を高めると共に、その前辺部52を利用して左右のアーム部51を互いに連結させている。
また、板材50に設けられたアーム部51は、板材50を折り曲げて形成してもよく、また板材50とは別に作られたアーム部材を後から取付固定して形成してもよい。
【0019】
上記の構造において、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体1がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過すると、媒体1の有無による段差のためにローラ21が一時的に傾き、それに伴って板材50のアーム部51及び左右辺部55,56もねじりが生じて傾くが、板材50はそのバネ性によりねじりによる傾きを修正するように作用して、すぐに安定な状態に復帰する。これにより、媒体1の全体に亘ってほぼ均等な力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
【0020】
実施形態3.
図9は本発明の実施形態3に係るローラ部の構造図及び動作説明図である。実施形態3では、図9(a)に示すように、使用する媒体の幅に対応した幅を有するローラ21を複数個並列させて、それぞれ独立に支持したものである。この場合、ローラ21は磁気ヘッドが備えるトラック数分並置することができる。また、この例で、ローラ21は実施形態4と同様バネ性を有する板材60で支持しているが、各ローラ21を従来のように、プレッシャアームとスプリングとを利用して支持することもできる。
なお、実施形態3において、各ローラ21の幅は実施形態2でのそれに比べてかなり狭いので、板材50の場合と違って、板材60の左右のアーム部61を連結する前辺部62は必ずしも備える必要はない。
【0021】
上記の構造において、図9(b)に示すように、ローラ21の全幅長の約半分に相当する幅を有する媒体1がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過すると、対応するローラ21だけが板材60のバネ性によりローラ21の厚さ分上方に持ち上げられて、媒体1には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
また、ローラ21の全幅長に相当する幅を有する媒体がローラ21と磁気書込みヘッド4との間を通過する際には、複数のローラ21の全体が板材60のバネ性によりローラ21の厚さ分上方に持ち上げられて、媒体1には全体にほぼ均一の押当て力が掛かり、安定した磁気記録を実現することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の媒体処理装置によれば、幅の異なる媒体でも安定した磁気書込みや磁気読取りが可能となるので、異なる幅の券を利用す券処理装置等が簡単な構成で実現できる事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のローラ部の構造図。
【図2】 ローラの構造を示す断面図。
【図3】 従来のローラ部の動作説明図。
【図4】 本発明の参考形態1に係るローラ部の構造図及び動作説明図。
【図5】 本発明の参考形態2に係るローラ部の構造図及び動作説明図。
【図6】 参考形態2におけるローラを構成するボスの形状図。
【図7】 本発明の実施形態1に係るローラ部の構造図及び動作説明図。
【図8】 本発明の実施形態2に係るローラ部の構造図。
【図9】 本発明の実施形態3に係るローラ部の構造図及び動作説明図。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、
4 磁気書込みヘッド、
9 ボス、
10 パッド、
11 プレッシャアーム、
21 弾性体ローラ、
25 環状溝、
41 固定板、
43 細長部材、
50 板材。
Claims (3)
- 弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、
前記ローラをその左右端にそれぞれ配したアームで支持し、
前記ローラの左側を支持するアームと前記ローラの右側を支持するアームの傾きを相互に釣り合わせるスタビライザーを備え、
前記スタビライザーが中間部を支点に回動可能に保持された部材からなり、前記部材の一端で前記ローラの左側を支持するアームを、前記部材の他端で前記ローラの右側を支持するアームを、それぞれ支持したことを特徴とする媒体処理装置。 - 弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、
後辺部が固定された板バネの前辺部に前記弾性体ローラを配し、前記前辺部の一端に前記ローラの左側を支持するアームを、前記前辺部の他端に前記ローラの右側を支持するアームをそれぞれ備えたことを特徴とする媒体処理装置。 - 弾性体ローラと磁気ヘッドとの間に磁気記録用媒体を通し前記弾性体ローラで前記媒体を前記磁気ヘッドに押し当てて磁気書込み及び/又は磁気読取りを行う媒体処理装置において、
前記弾性体ローラを複数の弾性体ローラを並列させて構成するとともに、各ローラを支持するローラ支持機構を各ローラ毎に備えたことを特徴とする媒体処理装置。
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JP2000187707A (ja) * | 1998-12-21 | 2000-07-04 | Tamura Electric Works Ltd | カード処理装置 |
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2001
- 2001-05-29 JP JP2001160499A patent/JP4716601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109859390B (zh) * | 2019-01-16 | 2021-01-12 | 深圳市证通电子股份有限公司 | 水平移动推板装置 |
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