JP4713675B1 - ホース用口金具の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】突起部11、ソケット部41、頭部33及び首部32が同一材料で一体成形されてなる中間成形品を素材とし、突起部11に冷間塑性加工を施して管状のニップル部12を成形した後、ニップル部の軸孔13を頭部側まで延長する。ニップル部の成形及び軸孔の延長成形に伴う余肉により、頭部がソケット部から離間する方向に首部が伸びるように変形するのは許容し、それ以外の方向への変形は抑制し、変形後にホース用口金具として必要な寸法となるように、成形前の中間成形品の寸法は変形量だけ小さくされる。軸孔はソケット部よりも外径を細くされた首部に開けられるため、塑性加工による孔開けが可能となり、ニップル部12が成形され、且つ軸孔13が開けられるのに伴って生じる余肉を頭部33の偏倚に利用することにより、上記課題を達成できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、このような問題に鑑み、塑性加工による軸孔の孔開けを可能とすると共に、ニップル部が成形され、且つ軸孔が開けられるのに伴って生じる余肉を頭部の偏倚に利用することにより、切削加工を可及的に少なくして切削加工にかかる加工時間を抑制することを課題とする。
第1発明によれば、軸孔はソケット部よりも外径を細くされた首部に開けられるため、冷間塑性加工による孔開けが可能とされ、ニップル部が成形され、且つ軸孔が開けられるのに伴い押しのけられる材料(余肉)によって首部が伸びて頭部をソケット部から離間する方向へ偏倚するように変形させ、その変形によってホース用口金具として予め定められた寸法となるように製造されるので、切削加工は基本的には無くすことができ、生産性を向上できる。
第2発明によれば、軸孔が開けられる首部の断面減少率が塑性加工による孔開けが可能な範囲に設定されているため、加工用パンチの破損や軸孔の曲がりなどの不具合なく孔開けが可能となる。
第3発明によれば、軸孔を貫通させないため、軸孔の成形後、頭部の成形を行う際に、折角成形した軸孔が潰れることを防止できる。軸孔を貫通させるために切削加工が必要となるが、貫通させるための切削量は上記潰れを防止する程度の僅かな量とすることができ、かかる切削加工に伴う時間は僅かで済み、全体として生産性を向上できる。
第4発明によれば、切削加工は成形時に生ずるバリ取りや軸孔の変形の修正程度で、軸孔を始めから切削加工するものに比べて加工時間は僅かで済み、全体として生産性を向上できる。
図7には、本発明の製造方法にて製造されるホース用口金具であるブレーキホース用口金具の構造及び使われ方が示されている。ブレーキホース用口金具は、円筒状のホース接続部であるソケット部42と、ソケット部42の軸線に対して直交するように配置されたリング状の部品接続部である頭部37と、頭部37とソケット部42とを繋ぐ首部32とを備えている。首部32は、ソケット部42より細い円柱状(外径 7±0.2 mm程度)に成形されている。ソケット部42は、その内部にニップル部12を有する。ソケット部42とニップル部12との間には、ホース本体61が挿入されてカシメられて、ホース本体61がホース接続部に固定されている。頭部37の孔37aにはボルト71が挿入され,パッキン73,74を介して相手部品80にネジ込まれ、ホース用口金具が固定される。ホース本体61内を流れるブレーキオイルは、ニップル部12および首部32の内部に成形されたオイル通路となる軸孔13を通り、ボルト71の内部に成形されたオイル通路72を通って相手部品80のオイル通路81に導かれる(オイルの流れは逆でもよい)。
まず、図1Aにおいて長尺の金属線材(例えば、材質SWCH)を所定長さに切断して素材Wとする。図1Bでは、素材Wの両端面を矯正して所定長さの素材30とする。ここでは素材30の両端面が平滑化される。図1Cでは、素材30の一端側が絞りにより伸長されて軸部31が形成される。図1Dでは、予備据込によって軸部31の他端側に拡径部40aが成形される。図1Eでは、再度の据込によって拡径部40aが更に大きく膨出されて拡径部40bが成形されると共に、次工程の冷間塑性加工に備えて拡径部40bの端面に窪み40cが形成される。図1Fでは、拡径部40bの端面に対して冷間塑性加工を施して有底筒状のソケット部41とソケット部41の突出長さの略半分程度の長さの突起部11とが同心状に成形される。図1Gでは、リヘッターにより液滴状のプレ頭部33aが形成される。図1Hでは、プレ頭部33aが球状に成形されて球状頭部33が形成され、中間成形品とされる。ここで、次の成形に備えて中間成形品に対し焼鈍処理が行われる。
このように製造された中間成形品は、有底筒状のソケット部41と、ソケット部41の底部中央からソケット部内に突出する円柱状の突起部11と、ソケット部41よりも細い外径で、ソケット部41の底部中央から反突起部側に伸びる首部32と、首部32を介して設けられた頭部33とを有し、突起部11、ソケット部41、首部32及び頭部33が同一材料で一体成形されてなる。なお、かかる中間成形品の製造方法については、例えば、特開平11−19747により既に公知である。
このようにニップル部12の軸孔13から続く軸孔21を塑性加工によって孔開けし、それに伴う首部32の伸びを考慮して中間成形品の寸法管理を行うことにより孔開けのための切削加工を無くすことができる。
ストッパ93は、球状頭部33から僅かに離れた位置に先端がくるように設けられ、球状頭部33がソケット部41から離間する方向に変形するとき、その変形量が最終製品であるホース用口金具の長さよりも長くなってしまうことがないように球状頭部33の移動を規制している。なお、上記変形量は球状頭部33がストッパ93に当接することはないように予め設定されるので、ストッパ93はなくても良いが、製造バラツキを考慮して設けられている。
このように軸孔21の切削加工を僅かに残す理由は、塑性加工による軸孔13、21の孔開けが行われた後に頭部34〜36の成形が行われる際に軸孔13、21が潰されて変形するのを防止するためである。
この場合は、孔開けよりも頭部の成形が先に行われているため、軸孔22の潰れもないので、切削加工は殆ど必要としないが、図6Eにおいて図2Eの場合と同様に縦孔37aの壁面を綺麗にすることと、軸孔22の成形時にできる縦孔37a側のバリを取る程度に軸孔22の浚い加工が行われる。
このように図6の製造方法の場合、切削加工は殆どないに等しいので、生産性を高めることができる。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
12 ニップル部
13、21、22 軸孔
32 首部
33〜37 頭部
41、42 ソケット部
Claims (4)
- ホース接続部である有底筒状のソケット部と、該ソケット部の底部中央からソケット部内に突出する円柱状の突起部と、前記ソケット部よりも細い外径で、ソケット部の底部中央から反突起部側に伸びる首部と、該首部を介して設けられた部品接続部である頭部とを有し、突起部、ソケット部、首部及び頭部が同一金属材料で一体成形されてなる中間成形品を素材とし、前記突起部に前記ソケット部と同心の管状のニップル部を形成すると共に、該ニップル部の軸孔を前記頭部側まで延長する成形を冷間塑性加工により行うホース用口金具の製造方法において、前記ニップル部の成形及び軸孔の延長成形に伴い押しのけられる材料により、頭部がソケット部から離間する方向に首部が伸びる変形は許容し、それ以外の方向への変形は抑制し、変形後にホース用口金具として予め定められた寸法となるように、成形前の中間成形品の寸法は変形量だけ小さくされていることを特徴とするホース用口金具の製造方法。
- 請求項1のホース用口金具の製造方法において、前記首部の外径D1と、前記軸孔の孔径D2とに基づき、D22/D12によって定まる断面減少率が10〜80%とされていることを特徴とするホース用口金具の製造方法。
- 請求項1又は2のホース用口金具の製造方法において、ニップル部及び軸孔の延長成形後に頭部に対して必要な成形が行われるものであり、前記軸孔はニップル部成形後、更に頭部側に延長されるが、頭部側開口に到達する貫通位置の手前で成形を止め、冷間塑性加工による成形後に切削加工により軸孔を貫通させることを特徴とするホース用口金具の製造方法。
- 請求項1又は2のホース用口金具の製造方法において、ニップル部及び軸孔の延長成形前又は後に頭部に対して必要な成形が行われるものであり、前記軸孔はニップル部成形後、更に頭部側に延長され、頭部側開口に到達する貫通位置まで成形し、冷間塑性加工による成形後に、成形過程で変形した軸孔の内径、若しくは前記頭部側開口を切削加工により浚い、本来の孔径で貫通させることを特徴とするホース用口金具の製造方法。
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