JP3644589B2 - 切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置 - Google Patents

切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺状の素材から異形断面の鍛造品を得る切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、棒状等の長尺状の素材から軸の一端に単純な頭部形状をもつ鍛造品を大量生産する場合、横形自動鍛造機としての多段ヘッダが用いられている。この多段ヘッダは、長尺状の素材から所定寸法に切断されたシャー材を段階的に据え込み成形することにより、最終的には軸対称形状の鍛造品とするものである。
【0003】
上記多段ヘッダは、長尺の素材を所定寸法のシャー材に切断する切断装置と、第1、第2、…の複数のダイスが所定間隔を隔てて水平方向に並設された上下型のうちの一方と、各ダイスにそれぞれ垂直方向に対向する第1、第2、…の複数のパンチが所定間隔を隔てて水平方向に並設された上下型のうちの他方と、切断装置から第1ダイス及び第1パンチ間、第2ダイス及び第2パンチ間、…へと順次シャー材を送り込む搬送装置とを備えている。
【0004】
かかる構成の多段ヘッダでは、長尺状の素材が垂直方向(上下方向)から供給され、切断装置で所定寸法のシャー材に切断される。搬送装置は、切断装置と第1ダイス及び第1パンチとの間、第1ダイス及び第1パンチと第2ダイス及び第2パンチとの間、…にそれぞれ把持手段を備えている。各把持手段は、シャー材の軸直角方向、すなわち水平方向の両側から各シャー材をそれぞれ把持しつつ水平方向に移動させ、第1ダイス及び第1パンチ間、第2ダイス及び第2パンチ間、…に各シャー材をそれぞれ配置する。そして、上下型を相対運動させることにより、第1ダイス及び第1パンチ間、第2ダイス及び第2パンチ間、…で各シャー材をそれぞれ軸方向に圧縮して、各段階の据え込み成形を同時に行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記多段ヘッダは、シャー材を軸方向に圧縮して据え込み成形するものであるから、軸対称形状の鍛造品しか成形することができず、軸に非対称の鍛造品を成形することができなかった。
【0006】
また、上記多段ヘッダでは、長尺状の素材を切断した後に、シャー材を把持手段で把持しつつ移動させて各ダイス及び各パンチ間にセットする必要がある。このため、細線材等の素材を切断して得られた微細なシャー材を成形しようとする場合、シャー材の把持及び搬送や、シャー材の方向性を制御しつつダイス内にセットすることが困難となる。したがって、多段ヘッダでは、細線材等の素材から微細な鍛造品を生産性高く成形することができなかった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、軸に非対称の形状の鍛造品を成形することができるとともに、細線材等の素材から微細な鍛造品を成形する場合であっても生産性高く成形することのできる切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の切断・密閉鍛造の同時加工方法は、シャーダイス部及び鍛造ダイス部を備えたダイスと、シャーパンチ部及び鍛造パンチ部を備えたパンチとを用いて、長尺状の素材を切断してシャー材を得るとともに該シャー材を密閉鍛造する切断・密閉鍛造の同時加工方法であって、
上記シャーダイス部に上記素材の先端部を供給、配置する配置工程と、
上記シャーダイス部に配置された上記素材の長手方向と垂直をなす方向に上記パンチを作動させて、上記シャーパンチ部と上記シャーダイス部とで該素材を所定寸法に切断してシャー材を得る切断工程と、
上記切断工程における上記パンチのストロークと同じストローク内で、上記鍛造パンチ部と上記鍛造ダイス部とで上記シャー材を密閉鍛造する密閉鍛造工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0009】
上記課題を解決する本発明の切断・密閉鍛造の同時加工装置は、パンチとダイスとを用いて、長尺状の素材を切断してシャー材を得るとともに該シャー材を密閉鍛造する切断・密閉鍛造の同時加工装置であって、
上記パンチは、上記素材を切断するためのシャーパンチ部と、上記シャー材を密閉鍛造するための鍛造パンチ部とを備え、
上記ダイスは、上記パンチが出入り可能なパンチ出入り穴と、該パンチ出入り穴に開口するとともに該パンチ出入り穴が延びる方向に対して垂直をなす方向に延びる素材供給孔と、該素材供給孔の開口端に設けられ、該素材供給孔から該パンチ出入り穴に供給された素材の先端部を上記シャーパンチ部とで切断するためのシャーダイス部と、該パンチ出入り穴内に設けられ、上記シャー材を上記鍛造パンチ部とで密閉鍛造するための鍛造ダイス部とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る切断・密閉鍛造の同時加工方法では、ダイスのシャーダイス部に長尺状の素材の先端部を配置してから(配置工程)、素材の長手方向と垂直をなす方向にパンチを作動させて、該パンチのシャーパンチ部と該ダイスのシャーダイス部とで該素材を所定寸法に切断し、シャー材を得る(切断工程)。そして、この切断工程における該パンチのストロークと同じストローク内で、該パンチの鍛造パンチ部と該ダイスの鍛造ダイス部とで、切断工程で得られたシャー材を密閉鍛造する(密閉鍛造工程)。
【0011】
このように本発明方法では、パンチの一ストロークによって、素材の切断及びシャー材の密閉鍛造を行うことができる。すなわち、切断工程と密閉鍛造工程とがそれぞれ独立してなされるのではなく、実質的には切断工程と密閉鍛造工程とで一工程をなす。このため、生産性が向上する。また、本発明方法では、長尺状の素材をシャーダイス部に配置した後、そのまま切断するとともに密閉鍛造する。このため、従来の多段ヘッダのように素材を切断後に搬送装置でシャー材を搬送したり、据え込み成形すべくシャー材を改めてダイス内へセットし直したりする必要がない。したがって、本発明方法によれば、細線材等の素材から微細な鍛造品を成形する場合であっても、生産性高く成形することが可能となる。
【0012】
また、本発明方法では、シャーダイス部に供給、配置される長尺状の素材の長手方向と垂直をなす方向にパンチを作動させて、素材の切断及びシャー材の密閉鍛造を行うことから、密閉鍛造工程では、長尺状の素材の長手方向と垂直をなす方向にシャー材が圧縮成形される。このため、自己の長手方向(軸方向)と素材の長手方向とが一致するようにシャー材を切断した場合は、このシャー材は軸直角方向に圧縮されて密閉鍛造されることになる。したがって、本発明方法によれば、軸対称形状の鍛造品のみならず、軸に非対称の鍛造品を成形することも可能となる。
【0013】
かかる本発明方法は、以下に示す本発明に係る切断・密閉鍛造の同時加工装置を用いて実施することができる。
【0014】
すなわち、本発明装置は、長尺状の素材を切断してシャー材を得るとともに該シャー材を密閉鍛造するためのパンチ及びダイスを備えている。
【0015】
上記パンチは、素材を切断するためのシャーパンチ部と、シャー材を密閉鍛造するための鍛造パンチ部とを備えている。シャーパンチ部は、ダイスのシャーダイス部とで素材を切断しうるものであれば特に限定されない。また、鍛造パンチ部は、ダイスの鍛造ダイス部とで所望の鍛造品形状に密閉鍛造しうるものであれば特に限定されない。
【0016】
一方、上記ダイスは、上記パンチが出入り可能なパンチ出入り穴と、該パンチ出入り穴に開口するとともに該パンチ出入り穴が延びる方向に対して垂直をなす方向に延びる素材供給孔と、該素材供給孔の開口端に設けられ、該素材供給孔から該パンチ出入り穴に供給された素材の先端部を上記シャーパンチ部とで切断するためのシャーダイス部と、該パンチ出入り穴内に設けられ、上記シャー材を上記鍛造パンチ部とで密閉鍛造するための鍛造ダイス部とを備えている。シャーダイス部は、上記パンチのシャーパンチ部とで素材を切断しうるものであれば特に限定されない。また、鍛造ダイス部は、上記パンチの鍛造パンチ部とで所望の鍛造品形状に密閉鍛造しうるものであれば特に限定されない。
【0017】
上記構成の本発明装置によれば、素材供給孔からパンチ出入り穴に素材の先端部を供給、配置した状態で、パンチ出入り穴内で素材の長手方向と垂直をなす方向にパンチを作動させることにより、ダイスのシャーダイス部とパンチのシャーパンチ部とで素材の先端部を切断して所定長さのシャー材を得ることができる。そして、この切断工程におけるパンチのストロークと同じストロークで、該パンチの鍛造パンチ部と該ダイスの鍛造ダイス部とで該シャー材を密閉鍛造することができ、このとき素材の長手方向と垂直をなす方向にシャー材を圧縮成形することができる。
【0018】
上記ダイスの型構造としては、ダイス製造の容易性・高精度性やダイス寿命及びコスト面等を考慮して、以下に示すように分割構造とすることが好ましい。すなわち、上記ダイスは、上記パンチ出入り穴、上記素材供給孔及び上記シャーダイス部を備えた第1型と、上記鍛造ダイス部を備えた第2型とから構成することが好ましい。
【0019】
上記第1型は、さらに、上記素材供給孔を縦断する面で分割された2分割型部から構成することが好ましい。これは、素材供給孔の加工の容易性や高精度性等を主に考慮したものである。すなわち、ドリル加工により素材供給孔を貫設する場合、孔径が小さくなるほど、また孔の長さ(加工肉厚)が長くなるほど、ドリルの破損等により、その加工が困難となる。この点、素材供給孔を縦断する面で2分割すれば、それぞれの分割面にフライス加工等により半円形状等の溝を穿設することによって、素材供給孔を形成することができる。そして、フライス加工等による溝加工は径や長さに制限されることなく容易、かつ正確に行うことができることから、孔径の小さいものや長さの長いものであっても、容易かつ高精度に素材供給孔を形成することが可能となる。また、上記2分割型部のうち上記シャーダイス部を備えた一方の分割型部には、型寿命等を向上させるべく、他方の分割型部よりも耐摩耗性、硬度や靭性に優れた高級材料(具体的には、粉末ハイス(YXR3等)、ハイス(SKH51等)や超鋼(V50等)等)を用い、上記2分割型部のうちの他方には、型費削減のため低級材料(具体的には、ダイス鋼(SKD11)等)を用いることが好ましい。
【0020】
また、上記第2型も、さらに、上記鍛造ダイス部が形成された鍛造型部と、該鍛造型部の外周側面を囲繞するケース型部とから構成することが好ましい。こうすることで、鍛造型部に用いる材料をケース型部に用いる材料よりも耐摩耗性や硬度に優れた高級材料(具体的には、ダイス鋼(SKD11等)、粉末ハイス(YXR3等)、ハイス(SKH51)や超鋼(V50等)等)とすることにより、型寿命等を向上させるとともに全体の型費削減を図ることができる。また、上記鍛造型部と上記ケース型部とは、ケース型部から鍛造型部へ圧縮応力が付与されうるような構造となっていることが好ましい。鍛造型部は密閉鍛造時に大きな内圧が作用するため割れるおそれがあるが、ケース型部から鍛造型部へ圧縮応力が付与されれば、内圧がかかっても応力がキャンセルされ円周方向引張りがかからないため、鍛造型部の割れを防止することができる。かかるケース型部の材料としては、鍛造型部の材料よりも靭性の高い材料(具体的には、ダイス鋼(SKD61等)等)を用いることが好ましい。
【0021】
ここに、本発明に係る切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置は、上述のとおり、線材、特に細線材を素材とする場合であっても、生産性高く異形断面に成形することができるものである。このため、本発明に係る切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置では、長尺状の素材として細線材を採用することが好ましい。具体的には、直径が0.1〜2mm程度の細線材であることが好ましい。ただし、素材として細線材に限定されるものではなく、通常の線材(直径が2mm超〜20mm程度)の他、棒材や板材を採用してもよい。また、素材の材質も特に限定されず、ステンレスや鋼等とすることができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0023】
本実施例は、ステンレス製の細線材(直径が0.6mm)よりなる長尺状の素材1を切断してシャー材1aを得るとともに該シャー材1aを密閉鍛造して微細な鍛造品10を成形するものである。
【0024】
成形しようとする鍛造品10は、図5及び図6に示すようにように、上面が凸状球面11をなすとともに下面が凹状球面12をなし、正面及び背面(図6(a)に示す側面形状における両側面)13、13、並びに両側面(図6(b)に示す正面形状における両側面)14、14がいずれも下方に向かうほど幅が狭くなるテーパ面をなしている。この鍛造品10は、具体的には、自動車エンジン用の燃料噴射孔を形成するための孔形成用ピースである。
【0025】
なお、上記鍛造品10の寸法については、図6(a)に示す側面形状における幅は、上端が最大となるD1=1.5mm、下端が最小となるd1=0.9mmであり、図6(b)に示す正面形状における幅は、上端が最大となるD2=0.74mm、下端が最小となるd2=0.34mmである。また、鍛造品10の正面及び背面(図6(a)に示す側面形状における両側面)13、13の中心線に対する傾斜角θ1は34°であり、鍛造品10の両側面(図6(b)に示す正面形状における両側面)14、14の中心線に対する傾斜角θ2は23°である。
【0026】
本実施例では、図1〜図4に示す切断・密閉鍛造の同時加工装置を用いた。この加工装置は、パンチ20及びダイス30を備えている。
【0027】
パンチ20は断面長方形状をなし、図1〜図3に示すように、下端面が凹状球面とされている。そして、パンチ20は、長方形断面の一の短辺に相当する一側面の下端(この下端は凹状球面の一端でもある)にシャー切り刃部としてのシャーパンチ部21を有している。また、パンチ20は、このシャーパンチ部21を一端とする上記凹状球面からなる鍛造パンチ部22を有している。なお、この鍛造パンチ部22の凹状球面は、上記鍛造品10の凸状球面11に相等する形状とされている。また、パンチ20は鋼材よりなる。
【0028】
ダイス30は、上記パンチ20が出入り可能な第1パンチ出入り穴31a、この第1パンチ出入り穴31aに一端が開口するとともに第1パンチ出入り穴31aが延びる方向に対して垂直をなす方向に延びる素材供給孔32、及び第1パンチ出入り穴31a側の素材供給孔32の開口端に設けられ、素材供給孔32から第1パンチ出入り穴31aに供給された素材1の先端部を上記シャーパンチ部21とで切断するためのシャーダイス部33を有する第1型40と、この第1型40の上記第1パンチ出入り穴31aと連続して設けられた第2パンチ出入り穴31b、この第2パンチ出入り穴31b内に設けられ、上記シャー材1aを上記鍛造パンチ部22とで密閉鍛造するための鍛造ダイス部34、及びこの鍛造ダイス部34に開口し、成形された鍛造品10を脱型するためのノックアウトピン35が出入り可能な貫孔36を有する第2型50とから構成されている。
【0029】
なお、第1パンチ出入り穴31aの幅(素材1の長手方向、すなわち図1の左右方向における幅)は、素材1の先端部を所定長さに切断すべく、得られるシャー材1aの寸法に合わせて(本実施例では同等に)設定されている。また、このダイス30の全体形状は、略円柱状の外形状をなしている。
【0030】
上記第1型40は、さらに、上記素材供給孔32を縦断する面で2分割された上分割型部41及び下分割型部42から構成されている。
【0031】
また、上記第2型50は、さらに、上記第2パンチ出入り穴31b、鍛造ダイス部34及び貫孔36が形成された鍛造型部51と、この鍛造型部51の外周側面を囲繞するリング状のケース型部52とから構成されている。この鍛造型部51の外周側面は、下端から上端に向かうに連れて徐々に縮径する円錐状外周側面51aとされている。一方、ケース型部52は、鍛造型部51が圧入により嵌合される嵌合孔52aを有し、この嵌合孔52aの内周側面は、下端から上端に向かうに連れて徐々に縮径する円錐状内周側面とされている。こうして、鍛造型部51がケース型部52の嵌合孔52a内に圧入により嵌合されることにより、ケース型部52から鍛造型部51へ圧縮応力が付与されうるような構造となっている。
【0032】
ここで、上記第1型40の上分割型部41は比較的低廉な低級材料(具体的にはSKD11)よりなり、上記第1型40の下分割型42は耐摩耗性等の優れた高級材料(具体的にはSKH51)よりなる。また、上記第2型50の鍛造型部51は耐摩耗性等に優れた高級材料(具体的にはSKH51)よりなり、上記第2型50のケース型部52は比較的低廉でかつ靭性の高い材料(具体的にはSKD61)よりなる。
【0033】
また、上記第1型40の素材供給孔32は、該第1型40を構成する上分割型部41及び下分割型部42のそれぞれの分割面に、フライス加工により略半円形状の溝を穿設することによって形成されている。
【0034】
さらに、上記第2型50の鍛造ダイス部34は、成形しようとする鍛造品10の上記正面、背面13、13及び両側面14、14に相等する形状とされている。そして、上記ノックアウトピン35の上端面は、鍛造品10の上記凹状球面12に相等する形状の凸状球面35aとされており、このノックアウトピン35の凸状球面35aも密閉鍛造時の型面を構成する。
【0035】
かかる構成を有する本実施例装置によれば、素材供給孔32から第1パンチ出入り穴31aに素材1の先端部を供給、配置した状態で、第1及び第2パンチ出入り穴31a及び31b内で素材1の長手方向と垂直をなす方向にパンチ20を作動させることにより、ダイス30のシャーダイス部33とパンチ20のシャーパンチ部21とで素材1の先端部を切断して所定長さのシャー材1aを得ることができる。そして、この切断工程におけるパンチ20のストロークと同じストロークで、パンチ20の鍛造パンチ部22とダイス30の鍛造ダイス部34及びノックアウトピン35の凸状球面35aとでシャー材1aを密閉鍛造することができ、このとき素材1の長手方向と垂直をなす方向にシャー材1aを圧縮成形することができる。
【0036】
したがって、この装置を用いれば、以下のように切断・密閉鍛造の同時加工方法を実施することができる。
【0037】
(配置工程)
図1に示すように、パンチ20を上昇させた状態で、素材供給孔32から第1パンチ出入り穴31a内に素材1の先端部を挿入、供給する。そして、素材1の先端面を第1パンチ出入り穴31aの奥の壁面に当接させて、シャーダイス部33に対する素材1の配置を完了する。
【0038】
(切断工程)
図2に示すように、第1パンチ出入り穴31a内でパンチ20を作動させて下降させることにより、パンチ20のシャーパンチ部21とダイス30のシャーダイス部33とで素材1を切断し、所定長さのシャー材1を得る。
【0039】
(密閉鍛造工程)
図3に示すように、上記切断工程におけるパンチ20のストロークと同じストローク内で、パンチ20の鍛造パンチ部22により上記シャー材1aを下方に押し込むとともに、この鍛造パンチ部22とダイス30の鍛造ダイス部34及びノックアウトピン35の凸状球面35aとでシャー材1を密閉鍛造する。
【0040】
このように本実施例方法では、パンチ20の一ストロークによって、素材1の切断及びシャー材1aの密閉鍛造を行うことができ、実質的には切断工程と密閉鍛造工程とで一工程をなす。このため、切断工程と密閉鍛造工程とをそれぞれ独立して行う場合と比較して生産性が向上する。また、本実施例では、素材1を素材供給孔32から第1パンチ出入り穴31a内に供給し、素材1の先端面をこの第1パンチ出入り穴31aの奥側壁面に当接させることのみで、素材1を所定長さに切断するための配置が完了する。さらに、本実施例方法では、長尺状の素材1をシャーダイス部33に配置した後、そのまま切断するとともに密閉鍛造する。この際、ダイス30及びパンチ20により密閉された空間内で素材1の切断及びシャー材1の成形が行われるため、微細なシャー材1であっても飛散や脱落等のおそれがない。そして、切断工程から密閉鍛造工程に至る過程で、シャー材1aを搬送したり改めてセットし直したりする必要がない。したがって、細線材よりなる素材1から微細な鍛造品10を成形する場合であっても、生産性高く成形することが可能となる。
【0041】
また、本実施例方法では、シャーダイス部33に配置される長尺状の素材1の長手方向と垂直をなす方向にパンチ20を作動させて、素材1の切断及びシャー材1aの密閉鍛造を行うことから、密閉鍛造工程では、素材1の長手方向と垂直をなす方向にシャー材1aが圧縮成形される。このため、自己の長手方向(軸方向)と素材の長手方向とが一致するようにシャー材1aを切断することにより、このシャー材1aを軸直角方向に圧縮して密閉鍛造することができる。したがって、本実施例方法によれば、図5に示すような3次元形状で、軸に非対称形状の鍛造品10を成形することが可能となる。
【0042】
したがって、本実施例によれば、米粒程度の微細なシャー材1を極めて生産性高く3次元形状に成形することが可能となる。
【0043】
一方、上記装置では、素材供給孔32を有する第1型40が該素材供給孔32を縦断する面で2分割された上分割型41及び下分割型42から構成されていることから、フライス加工等による溝加工によって該素材供給孔32を形成することができ、したがって素材供給孔32の加工が容易かつ高精度となる。また、上分割型41が耐摩耗性等に優れた高級材料よりなり、かつ、下分割型42が低廉な低級材料よりなるため、型寿命を向上させつつ型費削減を図ることができる。
【0044】
また、上記第2型50も、鍛造ダイス部34が形成された鍛造型部51と、ケース型部52とから構成され、鍛造型部51のみに耐摩耗性に優れた高級材料を用いていることから、型寿命を向上させつつ型費削減を図ることができる。さらに、鍛造型部51とケース型部52との圧入嵌合により、ケース型部52から鍛造型部51へ圧縮応力が付与されうる構造となっているため、密閉鍛造時に作用する内圧により鍛造型部51が割れることを効果的に防止することができる。また、ケース型部52は鍛造型部51よりも靭性が高くされているため、ケース型部52と鍛造型部51との圧入時に、ケース型部52自身が割れることを効果的に防止することができる。
【0045】
なお、上記実施例では、冷間鍛造の例について示したが、特にこれに限定されるものではなく、予め素材を加熱しておき、温間又は熱間鍛造をしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る切断・密閉鍛造の同時加工方法及びその装置によれば、素材の長手方向と垂直をなす方向に作動するパンチの一ストロークによって、素材の切断及びシャー材の密閉鍛造を行うことができることから、軸に非対称の形状の鍛造品を成形することが可能となるとともに、細線材等の素材から微細な鍛造品を成形する場合であっても生産性高く成形することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係り、素材供給孔からパンチ出入り穴内に素材の先端部を供給、配置する配置工程を示す部分断面図である。
【図2】 本実施例に係り、素材の先端部を切断してシャー材を得る切断工程を示す部分断面図である。
【図3】 本実施例に係り、シャー材を密閉鍛造する密閉鍛造工程を示す部分断面図である。
【図4】 本実施例に係り、(a)は切断・密閉鍛造の同時加工装置の全体構成を示す断面図であり、(b)は同装置の側面図である。
【図5】 本実施例に係り、本実施例で得られる鍛造品の斜視図である。
【図6】 本実施例に係り、(a)は本実施例で得られる鍛造品の側面図であり、(b)は同鍛造品の正面図である。
【符号の説明】
1…素材 1a…シャー材 10…鍛造品
20…パンチ 21…シャーパンチ部 22…鍛造パンチ部
30…ダイス 40…第1型 50…第2型
31a…第1パンチ出入り穴 31b…第2パンチ出入り穴
32…素材供給孔 33…シャーダイス部 34…鍛造ダイス部
35…ノックアウトピン

Claims (2)

  1. シャーダイス部及び鍛造ダイス部を備えたダイスと、シャーパンチ部及び鍛造パンチ部を備えたパンチとを用いて、長尺状の素材を切断してシャー材を得るとともに該シャー材を密閉鍛造する切断・密閉鍛造の同時加工方法であって、
    上記シャーダイス部に上記素材の先端部を供給、配置する配置工程と、
    上記シャーダイス部に配置された上記素材の長手方向と垂直をなす方向に上記パンチを作動させて、上記シャーパンチ部と上記シャーダイス部とで該素材を所定寸法に切断してシャー材を得る切断工程と、
    上記切断工程における上記パンチのストロークと同じストローク内で、上記鍛造パンチ部と上記鍛造ダイス部とで上記シャー材を密閉鍛造する密閉鍛造工程とを順に実施することを特徴とする切断・密閉鍛造の同時加工方法。
  2. パンチとダイスとを用いて、長尺状の素材を切断してシャー材を得るとともに該シャー材を密閉鍛造する切断・密閉鍛造の同時加工装置であって、
    上記パンチは、上記素材を切断するためのシャーパンチ部と、上記シャー材を密閉鍛造するための鍛造パンチ部とを備え、
    上記ダイスは、上記パンチが出入り可能なパンチ出入り穴と、該パンチ出入り穴に開口するとともに該パンチ出入り穴が延びる方向に対して垂直をなす方向に延びる素材供給孔と、該素材供給孔の開口端に設けられ、該素材供給孔から該パンチ出入り穴に供給された素材の先端部を上記シャーパンチ部とで切断するためのシャーダイス部と、該パンチ出入り穴内に設けられ、上記シャー材を上記鍛造パンチ部とで密閉鍛造するための鍛造ダイス部とを備えていることを特徴とする切断・密閉鍛造の同時加工装置。
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