JP3861072B2 - ピストン用半製品の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有底円筒状のカップ部とアーム部とを有するピストン用半製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮機等に用いられるピストン部材は、圧縮機内のシリンダボアを往復スライド移動するものであり、ピストン部材は、このシリンダボアを摺動するヘッド部と、そのヘッド部を往復移動させる駆動装置と連結(接続)させるアーム部とを有している。そして、このヘッド部は、軽量化を図るため中空構造とされており、ヘッド部の製作は、有底筒状のカップ部と、それとは別体の蓋状のキャップ部材とを、圧接(摩擦溶接)等により一体化させ中空としている。
【0003】
従来、この中空のヘッド部を構成する有底円筒状のカップ部を有するピストン用半製品を作成する方法としては、二軸方向からの金型移動により行なう鍛造成型方法が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、図14(a)(b)(c)に示すように、第一軸51方向(図14の紙面方向)に移動する(図外の)金型により、被加工材53に対して熱間鍛造によるバリ出し成型を(図14(b)に示す予備成型を介して)行い、アーム部に相当する部位57,57を有する第一加工品54を成型する。その後、一旦、この第一加工品54を金型から取り出して、図14(d)のようにバリ取り加工(トリム工程)を経て、上記第一軸51に直角な第二軸52方向から、(図外の)金型(パンチ)により、図14(e)のように第一加工品54のカップ部となるべき部分(両側)を熱間(又は冷間)による鍛造成型し、第二加工品55としている。その後、第二加工品55の両端部側に、別工程により製造したキャップ部材56を圧接(摩擦溶接)して、図14(f)のような中空ヘッド部を形成した第三加工品58としている。そして、この第三加工品58をセンター(図14(f)の矢印部)にて2分割に切断して、切削加工、表面処理等を行いピストン製品としている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−259781公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の製法においては、図14(c)に示すように、第一加工品54は、バリが多く形成され、材料の歩留りが悪いという問題点がある。また、ピストン製品(半製品)を得るまでの工程が多く必要で、特に、鍛造による成型の途中にバリ取りのトリム工程が必要となり、製造工程が複雑化してしまう。また、二軸方向からの金型による鍛造成型は、装置を巨大化させたり、又は、複数のプレス機が必要となったり、装置が複雑となる。
【0006】
また、従来の方法により成型された製品は、図14(f)に示す如く、キャップ部材56との接合部59(圧接加工部)が、アーム部57′に近い部位であるため、この部位は圧縮機の運転状態において、シリンダボアから出たり入ったりする部位であり熱歪みの影響を受けやすいため、運転後、この接合部59において割れや歪みが生じやすく、弱点となるおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、材料の歩留りが良く、また生産管理が容易で成形性の良いピストン用半製品の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るピストン用半製品の製造方法は、一軸方向一方側からのピン型の押圧により被加工材を押出成型して被加工材本体部と該被加工材本体部から突出状となる中間成型アーム部を成型する第一工程と、該一方側からのパンチの押し込みにより該被加工材本体部を該パンチの外周空間部に進入させて該被加工材本体部をカップ部に成型する第二工程と、上記中間成型アーム部を他方側から押圧して所定形状のアーム部に成型する第三工程と、を有し、上記第一工程において、上記中間成型アーム部は、そのアーム軸心が上記被加工材本体部の軸心と偏心するよう押出成型され、かつ、上記被加工材本体部と上記中間成型アーム部との間に繋ぎ部を形成し、該繋ぎ部は、該中間成型アーム部の配設側に向かってボリュームが増大するよう傾斜状に成型され、さらに、上記第二工程において、該被加工材本体部を上記パンチの上記外周空間部に進入させる際に、上記繋ぎ部を押し潰して該繋ぎ部を該被加工材本体部側へ塑性流動させ、上記中間成型アーム部が該被加工材本体部側へ引き込まれて変形するのを防止する。
【0009】
た、上記第一工程において、上記ピン型による押圧方向と反対方向から上記押出成型されていく上記中間成型アーム部を押圧制御しながら成型する。
また、上記第二工程において、上記被加工材本体部の上記外周空間部への進入に対向して、進入する該被加工材本体部を押圧制御しながら成型する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
【0011】
本発明の製造方法により作製されるピストン用半製品は、例えばエアコン等に用いられる圧縮機用のピストン部材を構成するものである。ピストン部材は圧縮機のシリンダボアを往復スライド移動するものであり、図13に示すように、ピストン部材はシリンダボアに実際に摺動するヘッド部30と、ヘッド部30を往復移動させる駆動装置と連結(接続)させるアーム部(羽部)6と、を有する。そして、このヘッド部30は軽量化を図るため中空構造とされている。
本発明により作製されるピストン用半製品29は、図13において実線にて示した部分であり、ピストン用半製品29は、中空ヘッド部30を(中空ヘッド部30の全体のうち7割〜8割を)構成する有底円筒状のカップ部4と、カップ部4に連続するアーム部6と、を備える。そして、別工程により作製されたキャップ部材28がカップ部4の開口端部に接合(圧接)されて、中空ヘッド部30が構成される。なお、キャップ部材28を、図13において二点鎖線により示している。
【0012】
図1〜図8は、本発明に係る製造方法を説明する製造装置(金型)の断面側面図であり、図10〜図13は、被加工材1が成型されてピストン用半製品29となるまでの図を示す。
本発明の製造方法は、熱間(又は温間又は冷間)にて行なうものであり、第一工程、第二工程、第三工程を有し、第一工程では、一軸方向一方側からのピン型11の押圧により被加工材1を押出成型して、被加工材本体部2と被加工材本体部2から突出状となる中間成型アーム部3を成型する(図1〜図2)。第二工程では、上記一軸方向一方側からのパンチ12の押し込みにより、被加工材本体部2をパンチ12の外周空間部13に進入させて、被加工材本体部2をカップ部4に成型する(図3〜図4)。そして、第三工程では、中間成型アーム部3を他方側から押圧して所定形状のアーム部6に成型する(図5〜図8)。なお、図1〜図4は、製品に対して、同一の一方向から見た断面側面図であるが、図5〜図8は、製品に対して、その直交方向から見た断面側面図である。また、上記「一方側」とは、製品において、カップ部4となる側であり、「他方側から」とはアーム部6となる側である。
【0013】
つまり、第一工程では、短円柱形の被加工材1を押出成型により、被加工材本体部2と中間成型アーム部3とを有する第一中間品7を成型し(図10〜図11)、第二工程では、第一中間品7の被加工材本体部2をカップ部4に成型して第二中間品8とし(図12)、第三工程では、第二中間品8の中間成型アーム部3を製品の軸方向直交方向である径方向に凹凸部のあるアーム部6に成型してピストン用半製品29を成型する(図13)。
【0014】
次に、各工程ごとについて説明する。先ず、第一工程において、図1に示すように、第一下型9の第一空間部14の第一大径空間部15内に被加工材1を装着する。被加工材1の外周形状はこの大径空間部15の内周形状と略同一(僅かに小さい)とされている。第一空間部14は、第一工程において得られる被加工材本体部2の外周形状に対応する直線状の第一大径空間部15と、第一工程において得られる中間成型アーム部3の外周形状に対応する直線状の第一小径空間部16と、を有し、空間部14は、第一下型9を(上下)貫通している。
また、第一下型9の上方位置には第一上型10が配設され、これら下型9と上型10とは、プレス機(図外)等に設置されて相互接近離間可能とされており、上型10には、下型9の大径空間部15の内周形状に対応する外周形状のピン型11が取着されている。
【0015】
そして、図2では、第一上型10を下降させて第一下型9に接近させ、ピン型11の先端を被加工材1の上端面に当接させ、さらに押し込んで、ピン型11により、空間部14に装着された被加工材1を前方押出成型して、被加工材1の下部を空間部14の小径空間部16の形状に対応する中間成型アーム部3とし、被加工材1の上部を大径空間部15の形状に対応する被加工材本体部2に成型する。
【0016】
また、この第一工程において、被加工材本体部2と中間成型アーム部3との間に繋ぎ部5を形成する。この繋ぎ部5は、後にも説明するが、図4に示す第二工程において、被加工材本体部2をパンチ12の外周空間部13に進入させる際に、繋ぎ部5が押し潰されて繋ぎ部5が被加工材本体部2側へ塑性流動され、中間成型アーム部3が被加工材本体部2側へ引き込まれて変形するのを防止させるためのものであり、繋ぎ部5は、塑性流動用のボリューム部となるものである。
【0017】
繋ぎ部5の形状について具体的に説明すると、図11に示すように、第一中間品7を成型する第一工程において、中間成型アーム部3は、そのアーム軸心C1 が被加工材本体部2の軸心C2 と(平行であるが)偏心するよう、押出成型されており、繋ぎ部5は、中間成型アーム部3の配設側に向かってボリュームが増大するよう傾斜状に成型される。つまり、被加工材本体部2の軸心C2 からアーム軸心C1 方向へ向かって、軸方向の肉厚が増大する繋ぎ部5を成型する。そして、この繋ぎ部5の肉厚は、直線的に増大するようされている。つまり、繋ぎ部5の中間成型アーム部3側の面が直線状傾斜面となる。
【0018】
この繋ぎ部5の肉厚勾配(繋ぎ部5の直線状傾斜面と軸心直交面との成す角度)θは、10°〜25°の範囲で設定されるのが好ましく、これが下限値未満であると、第二工程におけるカップ部4の成型の際の充当(塑性流動)させるボリュームとして不足し、上限値を超えると、第二工程における成型に際し大きな負荷が局部的に発生し成型不良を起こすおそれがある。
つまり、第一下型9の第一空間部14は、第一段付き面部31を介して第一大径空間部15と第一小径空間部16とが連続しており、第一段付き面部31の傾斜角度を10°〜25°に設定されればよい。なお、図1と図2では、角度θを20°としている。
【0019】
さらに、図1〜図2に示すように、第一工程において、ピン型11による下方への押圧方向と反対方向から、ピン型11により前方押出成型されていく中間成型アーム部3を押圧制御しながら(背圧P1 をかけながら)成型している(ダイクッション)。これを具体的に説明すると、貫通状である空間部14において、ピン型11の挿入側と反対側に、小径空間部16の内周形状に対応する外周形状を持つ対抗ピン17が小径空間部16の所定待機位置に挿入状態とされている。そして、ピン型11による押出成型により形成されていく中間成型アーム部3の先端面に対抗ピン17の先端面を当接させながら対抗ピン17を抵抗を持たせて(矢印a方向に)後退させ、成型されていく中間成型アーム部3に負荷(流動抵抗)をかけながら成型を行ない、第一中間品7を得る。つまり、対抗ピン17の後退していく方向(矢印a)と反対方向の背圧P1 を作用させる。
【0020】
対抗ピン17が、成型されていく中間成型アーム部3の先端面を押し付けながら後退することにより、押し出される中間成型アーム部3の各部の素材流れは速度が不均等とならず、成型の均一化が図れる。
また、図示省略するが、図2の状態からピン型11を上方の離間位置に後退させ、さらに、後退した対抗ピン17を上昇させ、第一中間品7を押し上げることで、第一下型9から第一中間品7を容易に取り出すことができる。
【0021】
次に、第二工程について説明する。図3に示すように、第一工程において成型した第一中間品7を第二下型18に装着する。第二下型18の第二空間部20は、第二工程において得られるカップ部4の外周形状に対応する直線状の第二大径空間部21と、第一工程において得られた中間成型アーム部3の外周形状に対応する───第一下型9の第一小径空間部16と同じ形状の───直線状の第二小径空間部22と、を有し、空間部20は第二下型18を(上下)貫通する。
そして、この空間部20は、第二段付き面部32を介して大径空間部21と小径空間部22とが連続しており、この第二段付き面部32と、第二下型18に装着された第一中間品7の繋ぎ部5の傾斜面との間には、小隙間部23が形成されることとなる。つまり、第二下型18の第二段付き面部32は、軸心直交面に対して0°〜5°の角度を持つ平面に形成されている。なお、図3と図4では、この角度を5°としている。
【0022】
この第二工程において、図外の第二上型に取着させたパンチ12と、第二下型18とをプレス機等に設置し、相互接近させ(第二上型を降下させ)、パンチ12の先端面を第一中間品7の被加工材本体部2の端面に当接させ、さらに、押圧し、被加工材本体部2をカップ部4に成型する(後方押出成型)。そして、被加工材本体部2をパンチ12の外周空間部13に進入させる際に、繋ぎ部5を押し潰してその繋ぎ部5を被加工材本体部2側へ塑性流動させ、中間成型アーム部3が被加工材本体部2側へ引き込まれて(引張りを受けて)変形するのを防止する。つまり、パンチ12の押し込みと第二段付き面部32により、繋ぎ部5の傾斜角度が小さくなるよう押し潰され(例えば20°から5°に押し潰され)、潰されて圧縮される(塑性流動する)繋ぎ部5の部分がパンチ12の外周空間部13側へ充当される。
【0023】
また、この図4に示す第二工程において、被加工材本体部2の外周空間部13への進入に対向して(対抗して)、進入する被加工材本体部2を、全周にわたって均等に、押圧制御しながら(背圧P2 をかけながら)成型している(ダイクッション)。これを具体的に説明すると、空間部20において、大径空間部21の内周形状に対応する外周形状を持ちかつパンチ12に外嵌状となって摺動可能で副第二上型19に取着される環状対抗型25が、パンチ12の第二下型18への接近(降下)と共に被加工材本体部2に当接するまで前進し、環状対抗型25がパンチ12に外嵌状でかつ第二大径空間部21に挿入状態とされる。
そして、パンチ12による押し込み成型により徐々に形成されていくカップ部4の環状先端面に環状対抗型25の先端面を当接させながらその環状対抗型25を抵抗を持たせて(矢印b方向に)後退させ、成型されていくカップ部4に負荷(流動抵抗)をかけながら成型を行ない、第二中間品8を得る。つまり、パンチ12を前進方向である押し込み方向(矢印c)に進ませながら、環状対抗型25をそれとは反対方向へ後退させる。また、環状対抗型25の後退していく方向(矢印b)と反対方向に背圧P2 を作用させる。
環状対抗型25が素材を押し付けながら後退することにより、成型されたカップ部4の周方向各部の素材流れが全周にわたって速度が不均等とならず、成型の均一化が図れる。
【0024】
また、図3と図4に示すように、第二下型18の第二小径空間部22の下部には、ピン部材26が挿入状とされており、かつ、第一中間品7の中間成型アーム部3の先端面とピン部材26の先端面は第二工程において当接状態を維持する。従って、パンチ12による成型が行なわれても、中間成型アーム部3の部分は変形(塑性流動)することなく、そのままの形状が維持される。
【0025】
また、図4の状態からパンチ12及び環状対抗型25を上方の離間位置に後退させ、さらに第二小径空間部22に挿入状とされていたピン部材26を上昇させて、第二中間品8を押し上げることで、第二下型18から第二中間品8を容易に取り出すことができる。
【0026】
次に、第三工程について説明する。図5に示すように、第二工程において成型した第二中間品8を第三下型33に装着する。第二中間品8は、第一及び第二工程における姿勢と逆向きとしている(カップ部4が中間成型アーム部3より下方位置となる姿勢としている)。
第三下型33は、カップ部4に密着外嵌状となる孔部34を有する本体部35と、カップ部4に密着挿入状となる下パンチ36と、カップ部4の開口先端面を全周にわたって受ける環状型37と、本体部35の上面に配設されピストン用半製品29の外形状のアーム部6側の略半分を形成させる分割型38a,38bと、を有し、第二中間品8を図6のように保持させる。
【0027】
第三下型33の上方位置にある第三上型39は、分割型38a,38bの外周部に形成されたテーパー面40に面でもって当接する内テーパ面41を有して閉状態の分割型38a,38bを締めつけ固定する押さえ型42と、閉状態となった分割型38a,38bにて構成される空間部43内において中間成型アーム部3を押圧してアーム部6に成型する上パンチ44と、を有する。そして、第三上型39の押さえ型42の鉛直方向下向きの(図外のプレス機による)押さえ力と、テーパー面40と内テーパー面41との作用により、左右に分割可能な分割型38a,38bを、成型荷重を超える力にて側方(水平方向)から締めつけ、隙間が生じるのを防いでいる。
【0028】
そして、図6から図7に示すように、上パンチ44を降下させ、上パンチ44により第二中間品8の中間成型アーム部3を押圧し、カップ部4の形状は第三下型33により維持されたまま、中間成型アーム部3を、その軸方向長さを縮めるよう圧縮させて軸方向直交方向に膨出させ、所定形状のアーム部6に成型する。そして、図8に示すように、第三上型39を上昇させ、分割型38a,38bを開状態とし、環状型37を上昇させれば、成型されたピストン用半製品29を第三下型33の本体部35から容易に取り出すことができる。
【0029】
また、図5に示すように、第二成型工程にて作製された第二中間品8を、第三工程における第三下型33の本体部35へ装着する際に、位相決め手段により、第三下型33に対して第二中間品8が所定の位相(向き)にて装着できるようしている。つまり、ピストン用半製品29は、アーム部6とカップ部4とが偏心した状態とされるため、第二中間品8は、第三上型39と第三下型33に対して位相決めを行なって装着させる必要がある。
【0030】
位相決め手段は、図9(a)と(b)に示すように、第二工程において成型される第二中間品8が有するカップ部4の外周面の一部と、第三工程において第二中間品8が装着される第三下型33の空間部の内周面の一部のうち、一方に形成した(断面蒲鉾型の)凸部46と、他方に形成した凹溝47とにより構成され、図9(a)と(b)では、第二中間品8に(例えば、半径1mm程度の断面円形の)凸部46が第二工程において同時に形成され、第三下型33に凸部46に嵌合する凹溝47が予め形成されている。凸部46は、軸心方向に形成された直線的な凸条、又は、突起とすればよく、凹溝47は、それに対応した形状とすればよい。これによれば、凸部46と凹溝47とが嵌合する状態でしか、第二中間品8は第三下型33に装着できず、第二中間品8の第三下型33に対する位相決めが簡単に行なえる。
【0031】
また、位相決め手段の他の実施例としては、図9(c)と(d)に示すように、第二工程において成型される第二中間品8が有するカップ部4の内周面の一部と、第三工程において第二中間品8のカップ部4を外嵌状に装着させる下パンチ36の外周面の一部のうち、一方に形成した凸部46と、他方に形成した凹溝47とにより構成されてもよく、図9(c)と(d)では、第二中間品8のカップ部4に凸部46が第二工程において同時に形成され、下パンチ36に凸部46に嵌合する凹溝47が予め形成され、第二中間品8を下パンチ36に装着することで、位相を合わしている。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような効果を奏する。
【0033】
(請求項1によれば)各工程において段階的に塑性加工を進めるため、最適な金型形状を持って成型が行なえ、バリが生じず材料の歩留りが良く、金型負荷を極めて小さくすることができ、金型寿命を長くできる。つまり、成型するための荷重が小さくて済み、その結果、成型品に無理な負荷をかけない。また、金型の簡素化によりイニシャルコストの低減が可能で、かつランニングコストも低減でき生産性が向上する。
さらに、工程ごとで異なる部分の成型を順番に行なうため、型の動作が単純であり、作業管理が行ないやすい。従って、製品精度を向上させ、不良品の発生を無くすることができる。
各工程ごとで、潤滑油の供給と排出を金型の形状(製品形状)に見合った方法にて行なえる。
【0034】
また、繋ぎ部5の素材をカップ部4成型時に引き込ませることにより、中間成型アーム部3を変形させることがない。繋ぎ部5の素材を、成型されていくカップ部4側へ充当させることで、カップ部4の成型を容易にさせる。
また、複雑な形状であるピストン用半製品に対して安定して成型が行なえ、所望する製品形状を無理なく塑性加工できる。
(請求項によれば)押し出される中間成型アーム部3の素材流れの速度を均一化でき、寸法精度の良い製品を得ることができる。
(請求項によれば)特に、アーム軸心C1 と被加工材本体部2の軸心C2 とが偏心するような場合、カップ部4の周壁部における周方向の素材流れの速度(押し上げ高さ)が不均等となりやすいが、それを防止することができ、カップ部4の形状を均一化させることができ、製品精度の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第一工程を説明する製造装置の断面図である。
【図2】第一工程における成型後の状態を示す製造装置の断面図である。
【図3】第二工程における成型前の状態を示す製造装置の断面図である。
【図4】第二工程における成型後の状態を示す製造装置の断面図である。
【図5】第三工程における準備状態を示す製造装置の断面図である。
【図6】第三工程における成型開始時の状態を示す製造装置の断面図である。
【図7】第三工程における成型後の状態を示す製造装置の断面図である。
【図8】第三工程における製品取出し作業を説明する製造装置の断面図である。
【図9】位相決め手段を説明する断面図である。
【図10】被加工材の側面図である。
【図11】第一中間品の側面図及び正面図である。
【図12】第二中間品の側面図及び正面図である。
【図13】ピストン用半製品の平面図と側面図と正面図である。
【図14】従来の製造方法を説明する製品の側面図である。
【符号の説明】
1 被加工材
2 被加工材本体部
3 中間成型アーム部
4 カップ部
5 繋ぎ部
6 アーム部
11 ピン型
12 パンチ
13 外周空間部
1 アーム軸心
2 軸心

Claims (3)

  1. 一軸方向一方側からのピン型(11)の押圧により被加工材(1)を押出成型して被加工材本体部(2)と該被加工材本体部(2)から突出状となる中間成型アーム部(3)を成型する第一工程と、該一方側からのパンチ(12)の押し込みにより該被加工材本体部(2)を該パンチ(12)の外周空間部(13)に進入させて該被加工材本体部(2)をカップ部(4)に成型する第二工程と、上記中間成型アーム部(3)を他方側から押圧して所定形状のアーム部(6)に成型する第三工程と、を有し、
    上記第一工程において、上記中間成型アーム部(3)は、そのアーム軸心(C 1 )が上記被加工材本体部(2)の軸心(C 2 )と偏心するよう押出成型され、かつ、上記被加工材本体部(2)と上記中間成型アーム部(3)との間に繋ぎ部(5)を形成し、該繋ぎ部(5)は、該中間成型アーム部(3)の配設側に向かってボリュームが増大するよう傾斜状に成型され、
    さらに、上記第二工程において、該被加工材本体部(2)を上記パンチ( 12 )の上記外周空間部( 13 )に進入させる際に、上記繋ぎ部(5)を押し潰して該繋ぎ部(5)を該被加工材本体部(2)側へ塑性流動させ、上記中間成型アーム部(3)が該被加工材本体部(2)側へ引き込まれて変形するのを防止することを特徴とするピストン用半製品の製造方法。
  2. 上記第一工程において、上記ピン型( 11 )による押圧方向と反対方向から上記押出成型されていく上記中間成型アーム部(3)を押圧制御しながら成型する請求項1記載のピストン用半製品の製造方法。
  3. 上記第二工程において、上記被加工材本体部(2)の上記外周空間部( 13 )への進入に対向して、進入する該被加工材本体部(2)を押圧制御しながら成型する請求項1又は2記載のピストン用半製品の製造方法。
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