JP2004142471A - ブレーキ装置用マスタシリンダを製造するための方法および工具ならびにこれらによって製造されるシリンダ - Google Patents

ブレーキ装置用マスタシリンダを製造するための方法および工具ならびにこれらによって製造されるシリンダ Download PDF

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クーケンベルフ,レオナルドゥス ヘルハルドゥス プレヘルムス
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ヨングストラ,ヘールト ヤン
Henricus Johannes M Alferink
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Abstract

【課題】ブレーキ装置用マスタシリンダを冷間鍛造によって製造すること。
【解決手段】筒状本体と、それに一体的に結合された少なくとも1つのフランジと、筒状本体内で前記少なくとも1つのフランジを通って延びる穴とを含むブレーキ装置用マスタシリンダを製造するための方法であって、該マスタシリンダが冷間鍛造で製造されることを特徴とする方法。好ましくは、フランジは据込み鍛造によって冷間鍛造される。その後、筒状本体には穴が設けられる。前記穴は一連の鍛造段階で実現され、穴がフランジを貫通する少なくとも一部が別個の段階で実行される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状本体と、それに結合された少なくとも1つのフランジと、筒状本体内に、前記少なくとも1つのフランジを通って延びる穴とを含むブレーキ装置用マスタシリンダを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるシリンダは先行技術から周知である。それらは、ブレーキ装置、たとえば自動車産業または機械製造産業において使用され、ダイカストまたは射出成形によって一般に製造される。これらの製造方法は設計者に対して広範な自由を与え、製造が相対的に容易である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法で製造されたシリンダは、製造者または使用者によって設定される基準を必ずしも満足するとは限らない。たとえば、周知の方法は、含有物、空洞または微細孔等によって生じる表面の問題をもたらし得る。これらの凹凸は、たとえば、融解材料中に閉じ込められた気体、または冷却中の該材料の収縮に起因して生じる。これらの表面の凹凸は、特に該穴で生じるとき、シリンダ内のピストンの滑らかな移動を妨害し、過度の磨耗、機能不全または早期の故障をもたらす。さらに、含有物および空洞は、シリンダの均質性に影響を及ぼし、局部的なピーク応力を生じさせ得る。これらのピーク応力は、ヘアクラックの形成を加速させ、最終的に製品の故障をもたらし得る。また、微細孔または空洞が連なって形成されるとき、漏出が生じ得る。
【0004】
本発明は、請求項1の前提部分に記載のシリンダ製造方法を提供することを主な目的とし、これによって周知のシリンダおよび製造方法に関する少なくともいくつかの問題が回避され得る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に従った方法は請求項1の特徴部分によって特徴付けられる。
【0006】
冷間鍛造によってシリンダを製造することによって、含有物、微細孔、またはその他の凹凸は形成されない。したがって、表面の問題、多孔性、過度の磨耗、局部的な応力点、ヘアクラック等のそれらに関連する不都合を回避することができる。シリンダの内側表面は、ブレーキ装置または機械装置などの油圧装置においてピストンと協同するために十分に滑らかになるであろう。
【0007】
さらに、製品が冷却時間を必要としないので、サイクル時間は相対的に短くすることができ、特に実質的な収縮が生じないので、製品の精度を高くすることができる。また、適切に実行された場合、ほとんどの余剰材料を後で除去する必要がないので、冷間鍛造によって材料の有効利用が可能となる。
【0008】
冷間鍛造は、金属製品を製造するための周知の方法ではあるけれども、現在までこの方法は、筒状本体およびフランジを有するシリンダであって、該本体の穴が、相対的に長く、フランジを通って延び、それに加えて、筒状本体がしばしば(ただし本質的ではないが)非対称の断面を有する、上述のタイプの製品の製造には使用されていなかった。
【0009】
本発明に従った方法において、冷間鍛造中の材料および工具に作用する力は、製品の非対称な、および/または異なる壁厚によって少なくとも部分的に非対称になり得るけれども、一連の連続する段階であって、各段階で鍛造工具の特に適合されたセットが利用される一連の段階において、鍛造工程を分割することによって、材料の流れが十分に制御され、上述のタイプのシリンダが首尾よく製造され得ることが意外にも発見された。
【0010】
好ましい実施形態において、本発明に従った方法は請求項4の特徴によって特徴付けられる。
【0011】
該穴の鍛造に先行して該フランジを鍛造することによって、シリンダ壁の欠陥は防止され得る。順序が逆にされた場合、フランジは、前記フランジの形成に必要な相対的に大量の材料のために、該シリンダ壁から材料を引離し、特に該フランジの近傍の領域における壁をへこんだままにするであろう。
【0012】
より一般的にいうと、相対的に大量の材料を要するシリンダの部分(本実施形態のフランジ)は、このような部分が材料をシリンダのより小さい他の部分から吸引し、これらの部分を材料が不足したままにしておくことから防ぐために、第一に鍛造されるべきである。したがって、フランジが製品全体のうち、より小さい材料割合を占める本発明に従ったシリンダの他の実施形態において、請求項4において推奨される鍛造順序が逆にされ得ることが理解されるべきである。
【0013】
好ましくは、フランジを鍛造する段階と、筒状本体内の穴を鍛造する段階とが、それぞれ一連の下位の段階に再分割される。これらの下位の段階は、材料および鍛造工具上の力分布の非対称性がそれぞれの段階において許容可能な範囲内で保たれ、材料の流れが望ましくない応力が最終製品に実質的に残らないようにされるように、選択され得る。このようにして、鍛造工程が、製造される最終製品の形状に関係なく、各段階において制御された、好ましくは実質的に対称的な材料の流れを得るために、必要なだけの下位の段階に分割可能である。
【0014】
さらに詳細には、本発明に従った方法は請求項8の特徴によって特徴付けられる。
【0015】
複数の段階において該穴を実現することによって、筒状部分の非対称の断面、および/または異なる壁厚によって鍛造工具に作用する非対称の力は、許容可能なレベルに制限され得る。結果として、前記工具のそりが最小限にされ、好ましくは完全に回避され得る。
【0016】
さらに、該工具は、鍛造中に該工具が、そり方向とは反対である特定の方向に強制されるように輪郭を形成される。こうしてそりは補償され得る。輪郭は、たとえば該工具の自由端の一部に沿って延びる面取りされた端面を含む。このような輪郭は、該穴の形成の最終段階中に特に有利になり得る。
【0017】
フランジの貫通は、該穴の実現において重要な段階を構成するので、これは好ましくは別々の段階で実行される。そうすることによって、流動欠陥および/またはクラックの開始のリスクは最小限にされる。
【0018】
非常に有利な実施形態において、本発明に従った方法は、請求項9または10の特徴によって特徴付けられる。
【0019】
フランジ、あるいは前記フランジの一方側において延びる筒状本体の一部を、据込み鍛造によって鍛造することは相対的に大きな変形率を達成できるという有利な点を提供し、これはフランジの表面がその厚みに対して大きくなり得るということを意味する。
【0020】
その代わりに、該フランジを実現するための変形率が相対的に低い場合、フランジは半径方向の押出しによって冷間鍛造され、圧力は該材料の対向する2つの側面に加えられる。
【0021】
さらに有利な実施形態において、本発明に従った方法は請求項11、12および/または13の特徴によって特徴付けられる。
【0022】
冷間鍛造工程前、冷間鍛造工程中および/または冷間鍛造工程後に、1つまたはそれ以上の適切な処理を材料が受けることによって、材料の所望の特性を向上することができる。たとえば、材料の成形性は、材料が軟化焼鈍し処理を受けることによって向上され得る。また、硬さおよび耐摩耗性は、最終製品が焼鈍し処理を受けることによって向上され得る。
【0023】
好ましくは、鍛造工程を容易にし、材料の流れを容易にし、かつ工具と製品との接触面を保護するために、製品および/または工具は、1つまたはそれぞれの鍛造段階の前に潤滑される。すべての連続鍛造段階がそれぞれの段階の直後に実行されるトランスファプレスを使用する場合においては、第1鍛造段階に先行して一度だけ製品を潤滑すれば十分である。潤滑油はすべての後続する鍛造段階の間中、有益な機能を維持するであろう。
【0024】
本発明は、請求項13〜16の特徴に従った、実質的に冷間鍛造によって製造されたマスタシリンダに関する。冷間鍛造されたマスタシリンダが微細孔またはその他の含有物を有する可能性は、ゼロでなければ最小であろう。したがってこのようなシリンダは、漏出を実質的になくし、シリンダの内側は滑らかにされ、または容易に滑らかにされ得、ピストンの望ましい機能を確保する。
【0025】
本発明はさらに、本発明に従った方法において使用される冷間鍛造工具のセットに関する。
【0026】
本発明に従った方法、マスタシリンダおよび冷間鍛造工具のセットのさらに有利な実施形態は従属項において与えられる。
【0027】
本願においては、用語「冷間鍛造」は全工程に関して使用され、材料、特に金属は、十分な可塑性を有して、室温、少なくとも関係する材料の再結晶温度以下の温度で流れるような高い圧力を受ける。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1(A)〜図1(C)は、本発明に従った、冷間鍛造によって製造され得る非対称の製品1の典型例を示す。製品1は、たとえば自動車産業または機械製造産業において応用されるブレーキ装置のマスタシリンダを表す。なお図1(A)は本発明に従った冷間鍛造によって製造されたブレーキ装置用マスタシリンダの平面図を示し、図1(B)は図1(A)の切断面線A−Aから見た縦断面図を示し、図1(C)は図1(B)の切断面線B−Bから見た横断面図を示す。マスタシリンダは、筒状本体3であって、該本体3の第1の端11から反対側端12に向かって長手方向に延び、全長に沿って一定の円形断面を有する穴6を備えた筒状本体3を含む。第1の開放端11の近傍には、フランジ5が本体3の外周と一体的に結合される。
【0029】
図1(B)に見られるように、フランジ5は、本体3をそれぞれ異なる断面を有する2つのシリンダ部分8,9に分割する。開放端11に隣接する第1のシリンダ部分8は、穴6に関して同軸に位置する円形の断面を有する。底端12に隣接する他方のシリンダ部分9は、図1(C)に最も良く見られるように、穴6と同軸の半円形断面14および多角形断面16を含む非対称の断面10を有する。多角形断面16は、ほとんど接線方向に半円形断面14から延びる2つの実質的に平行な第1側面17と、円形断面14と多角形断面16との間で(仮想的な)交差する平面Pに実質的に平行に延びる第2側面18と、第1側面17から第2側面19に向かって先細になる2つの第3側面19とを有し、それぞれは各第1側面17に対して異なる鈍角で囲む。したがって、シリンダ部分9の壁厚は、穴6の円周に沿って非対称に相当に変化する。
【0030】
フランジ5は、丸いコーナを有する、実質的に菱形に形成される。本体3の開放端11に臨む面であるフランジ5の頂面には、菱形の両方の鋭角のコーナを囲む隆起部13が設けられる。その機能は、さらに後で明らかになるであろう。
【0031】
フランジ5は、フランジ5の中心(2つの対角線L、Sの交差点によって定められる)が穴6の中心線Mに一致するように、穴6および第1シリンダ部分8に関して対称的に配置される(図1(A)参照)。第2シリンダ部分9に関して、フランジ5は、最も長い対角線Lが円形断面14および多角形断面16の交差面P内に位置するように配置される。フランジ5は、図1(C)に見られるように、第2シリンダ部分9の第2側面18がフランジ5の鈍角のコーナーの1つと同一平面に位置するような寸法にされる。
【0032】
さらに、本体3の底端12は、面取りされた端面を有し、先細になる穴7を備え、その中心線は穴6の中心線Mと一直線にされる。
【0033】
図1(A)〜図1(C)に示される製品は、図3に示される出発材料の中実棒状片(以下、スラグ15と称す)から冷間鍛造された。本実施形態において、このスラグ15は、以下においてより詳細に検討されるように、スラグ15が冷間鍛造工具を削ることを防ぐために、第2シリンダ部分9の外周に類似するがわずかに小さい寸法を有する一定の外周を有する。スラグ15は、たとえば所望の長さに、輪郭をプレスされた棒をのこ引きすることで製造され得る。それぞれのスラグ15の長さは、スラグ15の全材料体積が製造されるべき製品の材料体積と等しくなるように選択される。
【0034】
スラグ15を図1(A)〜図1(C)に示される製品1に冷間鍛造するために必要な工具は、図2(A)および図2(B)を参照して記載され、同一または対応する部分は同一または対応する参照符によって示される。
【0035】
冷間鍛造工具のセットは、一般的に金型および付属のパンチを含み、イジェクタおよびストリッパをさらに含んでもよく、ともに前記金型および/またはパンチから鍛造された製品を取除くために意図される。該工具は、たとえば水平式、垂直式、油圧式、または機械式のプレスなどの、当該技術分野において周知のいずれかの適切なタイプであってもよいプレスに搭載される。このようなプレスは広く知られているので、そのさらなる記載は必要としない。
【0036】
図2(A)において、金型20は平面図および断面図で示される。金型20は、製造されるべき製品1の外側輪郭に、少なくともその実質的な一部におおむね対応する内側輪郭を有するキャビティ22を含む。キャビティ22は、菱形の底部24を有し、垂直の周側壁26によって囲まれた第1の部分(以下、フランジ形成キャビティ22Aと称す)を含む。底部24の寸法は、フランジ5の寸法と同様である。底部24には、キャビティ22の第2の部分(以下、本体形成キャビティ22Bと称す)に開口する開口部27が設けられる。この部分22Bは、製造されるべき製品1の第2の筒状部分9の外側輪郭に適合する内部断面を有する。キャビティ22は、その上端ではスラグ15を受けるために、反対側の下端では冷間鍛造の後に、キャビティ22からスラグ15を排出するためのイジェクタ29を受けるために開口する。
【0037】
金型20は、複数のパンチ、本実施形態では図2(B)に示されるように、本発明に従った冷間鍛造方法における6つの連続する段階を実行するための6つのパンチと協同し得る。
【0038】
第1の5つのパンチ25A〜25Eには、垂直の周側壁26によって定められるようなフランジ形成キャビティ22Aの内側輪郭に適合する外側輪郭が設けられる。パンチ25A〜25Eの底面28には、製品1の第1の対称的なシリンダ部分8を形成するための凹部30A〜30Eが設けられる。
【0039】
第1のパンチ25Aの凹部30Aは、六角形のアクセス開口32と、より小さい円形の頂壁34と、アクセス開口32から頂壁34に向かって先細になる周側壁35とを有する。
【0040】
第2のパンチ25Bは、類似する外側輪郭を有し、第1の凹部30Aのアクセス開口32および頂壁34と類似するがわずかに大きい面積を有する六角形のアクセス開口32および円形の頂壁34、ならびに該アクセス開口32に実質的に垂直に延びる第1部分35Aで始まり、該頂壁34に向かって先細になる第2部分35Bで終端する周側壁35を備えた凹部30Bを有する。図2(B)においては示されていないが、類似の先細になる壁の部分35Bは、第1のパンチ25Aの凹部30Aに組込むことができる。第2の凹部30Bの最大深さHは、凹部30Aの最大深さよりもわずかに小さい。
【0041】
第3のパンチ25Cは、先の2つのパンチ25A、Bと同一の外側輪郭を同様に特徴とし、さらに第1シリンダ部分8の外側輪郭(図1(B)参照)とおおむね適合する凹部30Cを含む。凹部30Cは、頂壁34に向かって2回縮小される円形の断面を有する。前記頂壁34から、円形の断面を有する棒状のコア36は、凹部30C内で同軸に延びる。その自由端は、パンチ25Cの底面28と実質的に同一平面上に位置する。
【0042】
第4のパンチ25Dには、菱形の鋭角のコーナ周りに底面28から延びる浅い深さの溝38が設けられる。凹部30Dは、凹部30Cにおおむね対応する。しかしながら、頂壁34に隣接した縮小断面31は取除かれ、凹部30Dの深さは凹部30Cの深さよりも大きい。
【0043】
第5のパンチ25Eは、第4のパンチ25Dにおおむね対応する。しかしながらコア36Eは、以下に説明する理由のために、パンチ25Eの底面28を越えて延び、フランジ5の厚みD(図1(B)において示される)と少なくとも等しい所定の間隔Hにわたって延びる。
【0044】
最後に、第6のパンチ25Fは、穴6の内側輪郭に対応する一定の円形の外側輪郭を有する棒状部分39を含む。棒39の自由端には、少なくとも部分的に面取りされた端面40が設けられる。
【0045】
先に記載された工具は以下の方法で使用され得る。最初に、金型20および第1のパンチ25Aがプレスに搭載される。次いで、スラグ15が金型20のキャビティ22内に配置される。スラグ15の外側輪郭はキャビティ22の内側輪郭よりもわずかに小さいので、スラグ15を、キャビティ22の側壁を損傷、すなわち削ることなく挿入することができる。キャビティ22の深さは、挿入されたスラグ15の上部がフランジ形成部分22Aにおいて延びるような大きさにされる。次に、プレスが、矢符A方向(図2(A))に、金型20に向かって、フランジ形成部分22A内にパンチ25Aを移動させるように動作される。加えられた高い圧力のために、スラグ15における応力は材料の降伏点を超え、この結果、材料は塑性変形して流れ始め、こうして金型20およびパンチ25Aの間の空間を満たす。パンチ25Aは最初の位置に向かって後退し、第2のパンチ25Bと交換される。これらの段階は、6つのパンチ25A〜25Fの全てに繰返され、その後製品1は図1(A)〜図1(C)に示されるような最終的な形に達する。
【0046】
上記の方法において、第1の3つのパンチ25A〜25Cは、金型20のフランジ形成キャビティ22Aと協同して、3つの連続する段階において、スラグ15の上部を据込み鍛造することによって、製品1のフランジ5を形成するであろう。同時に、第1シリンダ部分8は、パンチ25A〜25Cにおける凹部30A〜30Cによって、フランジ5に加えて形成される。凹部30Bの(提供される場合においては、および凹部30Aの)周側壁35の先細になる第2部分35Bは、所望の方向に材料の流れを導くことに寄与する。
【0047】
第3の段階において、第1シリンダ部分8には穴6をが設けられる。そして第4のパンチ25Dによって、シリンダ部分8は最終の長さに押出される。この段階中、前段階からの余剰な材料は第4のパンチ25Dの外側輪郭に沿って、溝38に廃棄され得る。これは、最終製品(図1(A)および図1(B)参照)のフランジ5上の隆起部13の形成を生じるであろう。したがって、隆起部13は、シリンダ1の機能的部分を形成しているのではなく、鍛造工程の第4および予定されるその後の段階中の、余剰材料のはみ出しであるに過ぎない。
【0048】
第5のパンチ25Eによって、第1シリンダ部分8の穴6は少なくともフランジ5を越えるまで延ばされる。これは、この段階中に、フランジ5が貫通され、フランジと本体との間に望ましくない材料の流れを開始するので、穴6の形成において重要な段階である。最終製品において流動欠陥を生じさせ得るこれらの副作用を最小限にするために、第5の段階は、フランジ5をちょうど通過するまでしか穴を延ばさないことに制限される。その後、穴6は、第6のパンチ25Fによって、第6の段階において最終的な長さに完成され得る。同時に、第2シリンダ部分9は、穴6から除去された材料を使用して最終的な長さに押出される。この第6の段階のために、別の金型20’(図示せず)が提供されてもよく、シリンダ部分9の長さの増加の要求を満たすことができる。さらに、パンチ25Eの面取りされた端面40は、第2シリンダ部分9の非対称の断面によってパンチに作用する合力によって生じるそりを防止するために、特定方向にパンチを導くように支援する。
【0049】
上述の冷間鍛造方法を適用することによって、複雑な非対称の筒形状、フランジおよび前記フランジを通って延びる穴を有する製品が首尾よく製造され得る。他の周知の製造技術によって生じ得る含有物、微細孔、成形による継ぎ目またはその他の凹凸は最小限にされ得る。さらに、材料を除去する必要がほとんどまたは全くないので、正確な製品寸法および材料の効率的な使用とともに短いサイクル時間が達成され得る。また、結果として生じる製品は、望ましい均質的な材料構造を有し、繊維は、ほとんどまたは全く中断なくシリンダの全長に実質的に沿って延びる。
【0050】
特別に設計された工具とともに変形工程全体の一部にそれぞれ寄与する適切な数の段階に鍛造工程を分割することによって、変形工程、および生じる材料の流れを、正確に制御することができ、これによって、極めて非対称な製品であっても材料を適切に分配することを確保し、望ましくない内部応力の形成を回避することができる。
【0051】
図1(A)〜図1(C)は、冷間鍛造工程から直接にできた未加工形状の製品を示す。所望の特性を有する製品を提供するために、製品が当該技術分野において知られている処理を続いて受けることは明白であろう。たとえば、取付孔がフランジ5に穿設されてもよい。製品1の特定の表面、たとえば穴6、またはフランジ5の先端面は、特定の表面の基準に合うように機械加工されてもよい。また、隆起部13は除去されてもよい。製品1は、強度および耐摩耗性を高めるために焼鈍しをされてもよい。
【0052】
上述の後続処理に加えて、またはその代わりに、製品は、それぞれの、または特定の鍛造段階に先行して処理されてもよい。好ましくは、製品はそれぞれの段階に先行して潤滑される。さらに、製品は、それぞれの、または特定の鍛造段階に先行して軟化焼鈍しをされ、これによって材料を軟化し、その変形能力を向上するために、製品は加熱されるので、必要な鍛造圧力を減少させることができる。
【0053】
上述の製品は、本発明に従った冷間鍛造方法で製造され得る製品の一例を示すに過ぎないことが理解されるべきである。この製品においては、多くの変形例が実現可能である。たとえば、筒状部分の断面は異なる外側輪郭を有していてもよい。フランジ5の位置は変化してもよく、たとえばこれまでに示された位置よりも本体3の底端12により近付けて配置されるていてもよい。さらに、フランジ5の向きは、穴6の中心線Mに対して回転されてもよい。また、フランジ5の形状は異なっていてもよい。たとえば、フランジ5は、たとえば本体3から一半径方向だけに延びることによって、非回転対称形状、またはさらに非対称の形状を有していてもよい。
【0054】
さらに、該方法は、極めて非対称な設計の筒状部分を有し、壁厚を変化させ、同様に非対称な設計とされていてもよいフランジ部分が組合されたその他の製品に首尾よく用いられてもよい。適切な段階に鍛造工程を分割することにより、このような製品を冷間鍛造によって製造することができる。
【0055】
さらに、鍛造工程は、示された6つの段階よりも多い段階、または少ない段階に分割されてもよい。一般的に、必要な段階の数は、とりわけ、製造されるべき形状の複雑性および材料の機械的特性に密接に関係するであろう。
【0056】
パンチの代わりに、またはこれに加えて、金型は、全ての段階において、またはある特定の段階においてだけ同様に交換されてもよい。自動移動手段が、連続する段階間の(中間)製品と、関連する工具とを移動するために設けられてもよい。
【0057】
これらおよび多くの変形例は、請求項によって説明されるような本発明の範囲内に含まれるものとみなされる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ブレーキ装置用マスタシリンダが冷間鍛造によって製造されるので、含有物、空洞または微細孔などの凹凸が形成されることはない。したがって、表面の問題、多孔性、過度の磨耗、局部的な応力点、ヘアクラック等のそれらに関連する不都合を回避することができる。シリンダの内側表面は、ブレーキ装置または機械装置などの油圧装置においてピストンと協同するために十分に滑らかになるであろう。
【0059】
さらに、本発明によれば、製品が冷却時間を必要としないので、サイクル時間を相対的に短くすることができ、特に実質的な収縮が生じないので、製品の精度を高くすることができる。また、適切に実行された場合、ほとんどの余剰材料を後で除去する必要がないので、冷間鍛造によって材料の有効利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜図1(C)は、本発明に従った冷間鍛造によって製造されたブレーキ装置用マスタシリンダを、平面図、縦断面図および横断面図で示す。
【図2】図2(A)は図1に示された製品を製造するための本発明に従った冷間鍛造方法で使用する金型を示し、図2(B)は本発明に従った冷間鍛造方法の6つの連続する段階において、図2(A)に従った金型と協同する6つのパンチを示す。
【図3】図1のシリンダが冷間鍛造され得るスラグを示す。
【符号の説明】
1 製品
3 筒状本体
5 フランジ
6 穴
7 先細になる穴
8 第1シリンダ部分
9 第2シリンダ部分
10 非対称の断面
11 開放端
12 底端
13 隆起部
14 円形断面
15 スラグ
16 多角形断面
17 第1側面
18 第2側面
19 第3側面
20 金型
22 キャビティ
22A フランジ形成キャビティ
22B 本体形成キャビティ
24 菱形の底部
25A,25B,25C,25D,25E,25F パンチ
26 周側壁
27 開口部
28 底面
29 イジェクタ
30A,30B,30C,30D,30E 凹部
32 アクセス開口
34 頂壁
35 周側壁
35A 周側壁の第1部分
35B 周側壁の第2部分
36C,36D,36E コア
38 溝
39 棒状部分
40 面取りされた端面

Claims (19)

  1. 筒状本体と、それと一体的に結合された少なくとも1つのフランジと、該筒状本体内に前記少なくとも1つのフランジを通って延びる穴とを含むブレーキ装置用マスタシリンダを製造するための方法において、マスタシリンダは冷間鍛造によって製造されることを特徴とする方法。
  2. 該シリンダが一連の連続する段階において最終的な所望の形状に冷間鍛造され、それぞれの段階で異なる鍛造工具のセットが使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 該シリンダがプレスされた実質的に塊状のスラグから冷間鍛造され、該スラグは製造されるべきシリンダの材料体積と等しい材料体積と、該筒状本体の外周に実質的に対応する外周とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 該フランジが、第一に冷間鍛造され、その後、該筒状本体に、該穴が設けられ、該筒状本体が最終的な所望の長さに押出されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の方法。
  5. 該筒状本体の一部が、少なくとも部分的に該フランジと同時に冷間鍛造されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の方法。
  6. 該フランジが、複数の連続する段階において冷間鍛造されることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれかに記載の方法。
  7. 該穴が、複数の連続する段階において冷間鍛造されることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれかに記載の方法。
  8. 該フランジが該筒状本体の各端からある間隔をあけて延び、該穴が3つの連続する段階において冷間鍛造され、第1段階中に、該穴の第1部分が該本体の一端から該フランジまで延びるように実現され、第2段階中に、該穴の第2部分が該第1部分から該フランジを越えて延びるように実現され、こうして該フランジを貫通し、第3段階中に、該穴が該筒状本体の反対側端からある間隔をあけて終端し、完成されることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれかに記載の方法。
  9. 該フランジが、該スラグの端を据込み鍛造することによって冷間鍛造されることを特徴とする請求項3〜8のうちいずれかに記載の方法。
  10. 先端面において該フランジを越えて延びる該筒状本体の一部が、該スラグの端を据込み鍛造することによって、少なくとも部分的に該フランジとともに鍛造されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 第1の、および/またはその後の鍛造段階に先行して、該スラグが、該材料の成形性を高める処理、たとえば軟化焼鈍し処理を受けることを特徴とする請求項3〜10のうちいずれかに記載の方法。
  12. 該スラグが、好ましくはそれぞれの鍛造段階に先行して、潤滑されることを特徴とする請求項3〜11のうちいずれかに記載の方法。
  13. 冷間鍛造された後、該製品が後続処理、たとえば焼鈍しを受けることを特徴とする請求項1〜12のうちいずれかに記載の方法。
  14. 実質的に冷間鍛造によって製造されるブレーキ装置用マスタシリンダにおいて、非対称の筒状本体と、該本体と一体的に結合される少なくとも1つのフランジであって、該本体の質量中心線に関して偏心して位置する少なくとも1つのフランジとを含むことを特徴とするマスタシリンダ。
  15. 前記の少なくとも1つのフランジが、該本体の中心線に対して実質的に垂直に延び、かつ非回転対称形状であることを特徴とする請求項14に記載のマスタシリンダ。
  16. 該本体が、長手方向に少なくとも2つの異なる断面を有し、該断面のうちの少なくとも1つが非対称の形状を有することを特徴とする請求項14または15に記載のマスタシリンダ。
  17. 該シリンダが、アルミニウム、またはアルミニウム合金から形成されることを特徴とする請求項14〜16のうちいずれかに記載のマスタシリンダ。
  18. 請求項1〜13のうちいずれかに記載の方法に使用される冷間鍛造工具のセット。
  19. 少なくとも1つの金型と、それと対になる一連のパンチとを有し、該パンチが連続冷間鍛造段階中に、前記少なくとも1つの金型と交互に協同し得ることを特徴とする請求項18に記載の冷間鍛造工具のセット。
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