JP4712666B2 - 繊維処理剤組成物 - Google Patents
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(a)成分:ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物
(b)成分:HLBが0を越え7以下であるポリエーテル変性シリコーン
本発明の(a)成分は、(a)ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物である。
(i)一般式(1)で表されるモノマー単位(a1−1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位(a2−1)を含有し、(a1−1)/(a2−1)がモル比で100/30〜150/1であり、分子中の全モノマー単位に対する(a1−1)と(a2−1)の合計モノマー単位の割合が50〜100モル%である高分子化合物。
(ii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−2)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3)で表される基で置換されている単糖単位(a2−2)を有し、(a1−2)/(a2−2)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
[式中、R3aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R3bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、bは1〜300の数を示し、b個のR3bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R3cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。]
(iii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−3)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3−1)で表される基で置換されている単糖単位(a2−3)を有し、(a1−3)/(a2−3)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
(式中、R3dはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていても良い炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、R3eはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていても良い炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R3dとR3eの炭素数の合計は8〜30である。E3は、−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基、3p,3qはそれぞれ独立に0又は1を示す。)
(i)の高分子化合物は、重合可能な不飽和化合物をラジカル重合などの通常の方法で合成した合成高分子化合物である。
CH2=C(CH3)COO(C2H4O)d−R2d
CH2=CHCOOC2H4N+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=C(CH3)COOC2H4N+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=CHCONHC3H6N+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=C(CH3)CONHC3H6N+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=CHCOOR2d
CH2=C(CH3)COOR2d
(上記一連の式中、R2d、d及びX-は前記の意味を示す。)
また、単量体(a1’)と酢酸ビニルを共重合させた後、ケン価して得られるビニルアルコール単位のOHに、式(4)
で表されるグリシジルエーテル化合物を反応させて、モノマー単位(a2−1)を得ることも可能であり、単量体(a1’)とオキシエチレン基の平均付加モル数1〜300、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50のポリオキシエチレンビニルエーテルを共重合させた後、式(5)
で表される化合物を反応させて、モノマー単位(a2−1)を得ることも可能である。さらに単量体(a1’)と、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン及び/又はN−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミンを共重合させた後、式R2d−Cl(R2dは前記の意味を示す)で表される化合物などのアルキル化剤を用いて4級化反応を行いモノマー単位(a2−1)を得ることも可能である。
(ii)の高分子化合物において、単糖単位(a1−2)を構成する単糖単位としては、グルコース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース等を挙げることができ、グルコースが最も好ましい。また、高分子化合物に水溶性を付与する目的からヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはヒドロキシエチル化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはカルボキシメチル化、もしくはカチオン化された単糖単位が好適である。
G−(OR3b)b−E−R3c (6)
(式中、Gは、ヒドロキシ基と反応してエーテル結合もしくはエステル結合を形成する基を示し、R3b、b,E及びR3cは前記の意味を示す。)
で表される化合物を上記(a1−2)/(a2−2)のモル比の範囲内に入るように反応させることで得られる。
また、多糖類がカルボキシアルキル化糖である場合には
R3c−O−(C2H4O)b−H
R3c−OCOCH2O−(C2H4O)b−H
(式中、b及びR3cは前記の意味を示す。)
などを利用することも可能である。
多糖類がヒドロキシアルキル化物の場合には、ヒドロキシアルキル基の導入率(単糖単位中のヒドロキシアルキル基の数)は、好ましくは0.01〜3.5、より好ましくは0.01〜3.0であり、多糖類がカルボキシアルキル化物の場合はカルボキシアルキル基の導入率(単糖単位中のカルボキシアルキル基の数)は、好ましくは0.01〜3.0、より好ましくは0.1〜2.5であり、多糖類がカチオン化物の場合にはカチオン基の導入率は、好ましくは0.01〜3.0、より好ましくは0.1〜2.5である。
(iii)の高分子化合物において、単糖単位(a1−3)を構成する単糖単位としては、グルコース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース等を挙げることができ、グルコースが最も好ましい。また、高分子化合物に水溶性を付与する目的からヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはヒドロキシエチル化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはカルボキシメチル化、もしくはカチオン化された単糖単位が好適である。
R3d-2−CH(OH)CH2− (3-1-2)
R3d-3− (3-1-3)
R3d-4−CO− (3-1-4)
R3d-4−OCO−CH2− (3-1-5)
(上記一連の式中、R3d-1は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3d-2は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3d-3はヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3d-4はヒドロキシ基で置換されていても良い炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
また、多糖類がカルボキシアルキル化糖である場合には
R3d-3−OH
R3d-4−OCOCH2OH
(式中、R3d-3及びR3d-4は前記の意味を示す。)
などを利用することも可能である。
本発明の(b)成分はHLBが0を越え7以下であるポリエーテル変性シリコーンである。
<曇数の測定法>
曇数Aは公知の方法〔界面活性剤便覧、324頁〜325頁(産業図書(株) 昭和35年7月5日発行)〕に準じて、以下のようにして測定される。
無水のポリエール変性シリコーン2.5gを秤量し、98%エタノールを加え25mlに定容(25mlメスフラスコ使用)する。次に、これを5mlホールピペットで分取し、50mlビーカーに入れ25℃の低温に保ち攪拌(マグネティックスターラー使用)しながら、2%フェノール水溶液で25mlビューレットを使用して測定する。液が混濁したところを終点とし、この滴定に要した2%フェノール水溶液のml数を曇数Aとする。
HLB=[(EO)の重量%+(PO)の重量%]÷5
本発明の水中油型乳化物は、(a)成分と(b)成分を必須成分とするが、乳化物の安定性を向上させる目的、及び油剤の対象表面への吸着を促進させる目的から(d)成分として界面活性剤を用いることができる。用いることができる界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤を挙げることができ、乳化物の安定性の点から非イオン界面活性剤(d1)が好適であり、対象表面への吸着促進の観点から陽イオン界面活性剤(d2)を併用することが好適である。
[式中、R10aは炭素数8〜32、好ましくは10〜28、より好ましくは10〜24、特に好ましくは10〜18のアルキル基又はアルケニル基、R10bは炭素数2又は3のアルキレン基である。R10cは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Jは−O−、−COO− 、−CON<又は−N<から選ばれる連結基であり、Jが−O−又は−COO−の場合にはxは1であり、Jが−CON<又は−N<の場合にはxは2である。wは数平均で1〜150、好ましくは2〜80、特に好ましくは4〜50の値である。ここで、複数個のR10b及びR10cは同一でも異なっていても良い。]
一般式(10)において、R10aは炭素数10〜18のアルキル基が最も好ましく、R10bはエチレン基が最も好ましく、R10cは水素原子が最も好ましい。また、Jは−O−又は−COO−、特に−O−が好ましい。
[式中、R10a及びwは前記の意味を示す。]
陽イオン界面活性剤(d2)としては一般式(11)で表される化合物が対象表面への油剤の吸着促進の点から好適である。
一般式(11)で表される化合物において、R11aは好ましくは炭素数14〜18のアルキル基、又はアルケニル基が好適であり、yは1の数が好ましい。陽イオン界面活性剤(d2)としては、R11cがR11a−[W−R11b]y−である化合物(d2−2)、及びR11cがメチル基またはヒドロキシエチル基である化合物(d2−1)の混合物が好ましく、(d2−2)/(d2−1)の質量比が、100/1〜100/10、好ましくは100/2〜100/6の混合物が油剤の吸着性を促進させる目的から好適である。R11dはメチル基またはヒドロキシエチル基が好ましく、R11eは水素原子、又はメチル基が好適である。T-はハロゲンイオン(好ましくはクロルイオン)、炭素数1から3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適である。
本発明の繊維処理剤組成物中の、(a)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8.0質量%がより好ましく、0.1〜5.0質量%が特に好ましい。(b)成分の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、1.0〜50質量%がより好ましく、3.0〜45質量%が特に好ましい。また(a)成分と(b)成分の配合比率は、(a)成分/(b)成分(質量比)=9/100〜30/100であるが、(a)成分が(i)の化合物の場合、10/100〜28/100が好ましく、11/100〜26/100がより好ましく、12/100〜25/100が特に好ましい。一方(a)成分が(ii)の化合物の場合、10/100〜25/100が好ましく、10/100〜20/100がより好ましく、10/100〜17/100が特に好ましい。本発明の繊維処理剤組成物中の(c)成分である水の含有量は、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が特に好ましい。
本発明の水中油型乳化物は、組成物(A)の攪拌下に、水((c)成分)を添加することにより得ることが出来る。(c)成分である水は微量に存在する重金属などを取り除いたイオン交換水や蒸留水を用いることができる。また、塩素などで滅菌した滅菌水を用いることも可能である。本発明の組成物はO/W型の乳化形態が対象表面への(b)成分の吸着を促進できる点で好ましい。又(a)成分を外殻として(b)成分を内包するカプセル状の粒子が分散したO/W型乳化組成物がより好適である。これは(a)成分中のヒドロキシル基が被処理対象物と相互作用する為であるか、(a)成分中のアルキル基が(b)成分と相互作用し効率良く乳化する為であると考えられる。
・(a)成分
(a−1):ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリレート及びジメチルアミノプロピルメタクリレートのラウリルクロライドによる4級アンモニウム塩の共重合体(スタイリーゼW−20、アイエスピー・ジャパン(株)製、(a1−1)/(a2−1)=90/10(モル比))
(a−2):合成例1で製造した高分子化合物(a−2)
(a−3):合成例2で製造した多糖誘導体(a−3)
(a−4):合成例3で製造した多糖誘導体(a−4)
(a−5):合成例4で製造した多糖誘導体(a−5)
(a−6):合成例5で製造した多糖誘導体(a−6)
(a−7):合成例6で製造した多糖誘導体(a−7)
・比較の化合物
(a’−1):ポリアクリル酸ナトリウム(日本触媒(株)製、アクアリックDL−384、重量平均分子量:8000)
(a’−2):ラウリルアルコールにエチレンオキサイドをアルコール1モル当たり平均12モル付加させた非イオン性界面活性剤
・(b)成分
(b−1):SM−3775M(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製ポリエーテル変性シリコーン、HLB値5)
(b−2):FZ−2109(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製ポリエーテル変性シリコーン、HLB値1)
(b−3)下記式(8−1)で表されるポリエーテル変性シリコーン(HLB値1)
(b−4)下記式(8−2)で表されるポリエーテル変性シリコーン(HLB値1)
(b−5)下記式(8−3)で表されるポリエーテル変性シリコーン(HLB値1)
・(b’)成分((b)成分のの比較品)
(b’−1):KF96A−5,000(信越化学工業(株)メチルポリシロキサン)
・(c)成分:水
・(d)成分
(d1−1):ポリオキシエチレン(EO=21)ラウリルエーテル
(d2−2−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
(d2−1−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−2−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
・(e)成分
(e−1):グリセリン
N,N−ジメチルアクリルアミド94.2g,ALE−900(日本油脂(株)製 ラウロキシポリエチレングリコール(EO=18)モノアクリレート)51.7g、エタノール200gを混合した。この溶液中に窒素ガスを吹き込み(20ml/min,1時間)、系内を脱気した後、60℃に昇温した。その後V−65(和光純薬工業(株)製、重合開始剤)エタノール溶液(3%)82.8gを60℃に保ちながら滴下した。滴下終了後60℃で12時間熟成を行った。反応終了後、得られた反応終了物をジイソプロピルエーテル2kg中に滴下した。得られた白色固体を濾別し、更にジイソプロピルエーテルで洗浄した(500g×2回)。減圧乾燥の後、式(14)で表される高分子化合物(a−2)を115g得た。得られた(a−2)のラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレートの導入率[m2/(m1+m2)]をNMRより測定した結果、0.054であった。また、重量平均分子量は65000であった。
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE400,ダイセル化学工業(株)製)160g、含水80%イソプロピルアルコール850g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に次式(15)
重量平均分子量50万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP4400H,ユニオンカーバイド社製)80g、含水80%イソプロピルアルコール640g、48%水酸化ナトリウム水溶液5.34gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に前記式(15)で表される化合物12.78gを加え80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール500gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−4))73gを得た。
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(NATROZOL250G,ハーキュレス社製)160g、含水80%イソプロピルアルコール1280g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に次式(16)
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE400,ダイセル化学工業(株)製)100g、含水85%イソプロピルアルコール500g、並びに次式(17)
得られた多糖誘導体(a−6)のアルキル基の置換度は0.006であった。
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(SE400,ダイセル化学工業(株)製)100g、含水85%イソプロピルアルコール500g、並びに次式(18)
得られた多糖誘導体(a−7)のアルキル基の置換度は0.004であった。
表1に示す(a)〜(e)成分を用い、下記に記す方法で、表1に示す組成の繊維処理剤組成物を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その吸着率を求めた。また、下記方法で得られた組成物の保存安定性を評価した。これらの結果を表1に示す。
表1の(a)成分、(b)成分の1/5(質量比)及び(e)成分を表1の組成にするのに必要な(c)成分の15%(25℃)に添加し、25℃にて1時間攪拌した後、(d1)成分を添加し、更に20分攪拌した後、残りの(b)成分を添加する。次に、25℃で1時間攪拌した後、配合物の温度を60℃に上昇させ、1時間攪拌し、組成物を得る。上記の方法で得られた組成物を30分かけて40℃まで冷却した後、残りの(c)成分から(d2)成分を30%含有する組成物を調製するのに必要な分を除いた量(40℃)を上記組成物に添加し、30分攪拌する。更に、この組成物に別に調製しておいた(d2)成分を30%含有する組成物(40℃)を添加し、30分攪拌し、pHを調整した後、1時間掛けて、25℃にまで配合物の温度を下げて、水中油型乳化物を含む繊維処理剤組成物を得た。尚、攪拌速度は全ての工程で400rpmである。
木綿金巾#2003(谷頭商店製)を2槽式洗濯機(東芝(株)製2槽式洗濯機VH−360S1)で市販洗剤を用いて洗浄し(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。このものを裁断し、約16g×8枚(トータルで約150g)の試験布を得る。20℃、4度硬水2250ml中に各組成物を2g添加し、1分間攪拌する(National 電気せんたく機 NA-35使用)。その後、上記試験布を加え5分間処理する。
処理終了後脱水(3分)を行い一晩乾燥(風乾)させる。乾燥後、処理布から1gづつ切り取り、スクリュー管バイアルに入れ、クロロホルム50gを添加し、一晩放置する。その後バス式ソニケターにて30分超音波照射する。この溶液に標準液(内部標準:テレフタル酸ジメチル、約500mgを100mlに溶解した溶液を使用)を1.0ml添加し、激しく攪拌する。得られた溶液をエバポレーターにてクロロホルムを留去する。残さを重クロロホルム1.5mlに溶解させ、1H−NMRを測定し(b)成分を算出する。
組成物の吸着率(%)は、標準溶液中のテレフタル酸ジメチルの量,テレフタル酸ジメチルの芳香環プロトンのピーク面積,シリコーン分子のメチル基のピーク面積を使用し算出した。
繊維処理剤組成物を室温及び40℃で1ヶ月保存し、分離の有無を目視により観察し、下記基準で評価した。
○:分離は観察されない
×:分離している
Claims (8)
- 下記(b)成分を含有する組成物(A)が、下記(a)成分で乳化された水中油型乳化物を含有する繊維処理剤組成物。
(a)成分:ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物
(b)成分:HLBが0を越え7以下であるポリエーテル変性シリコーン - 組成物中の(a)成分と(b)成分の質量比が、(a)成分/(b)成分=9/100〜30/100である請求項1記載の繊維処理剤組成物。
- 組成物(A)が、さらに水溶性溶剤((e)成分)を含有する、請求項1又は2記載の繊維処理剤組成物。
- 組成物(A)の攪拌下に、水((c)成分)を添加して得られた水中油型乳化物を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維処理剤組成物。
- (a)成分が、下記(i)又は(ii)から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維処理剤組成物。
(i)一般式(1)で表されるモノマー単位(a1−1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位(a2−1)を含有し、(a1−1)/(a2−1)がモル比で100/30〜150/1であり、分子中の全モノマー単位に対する(a1−1)と(a2−1)の合計モノマー単位の割合が50〜100モル%である高分子化合物。
(ii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−2)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3)で表される基で置換されている単糖単位(a2−2)を有し、(a1−2)/(a2−2)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
−R3a−(OR3b)b−E−R3c (3)
[式中、R3aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R3bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、bは1〜300の数を示し、b個のR3bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R3cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。] - (a)成分が、下記(iii)に示す高分子化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維処理剤組成物。
(iii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−3)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3−1)で表される基で置換されている単糖単位(a2−3)を有し、(a1−3)/(a2−3)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
R3d−(E3)3p−(R3e)3q− (3−1)
(式中、R3dはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていても良い炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基、R3eはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていても良い炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R3dとR3eの炭素数の合計は8〜30である。E3は、−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基、3p,3qはそれぞれ独立に0又は1を示す。) - (a)成分を0.01〜10質量%、(b)成分を0.1〜50質量%、及び(c)成分を40〜95質量%含有する、請求項1〜6いずれかに記載の繊維処理剤組成物。
- (a)成分を外殻とし(b)成分を内包した粒径0.1〜50μmのカプセル状粒子を含むものである、請求項1〜7いずれかに記載の繊維処理剤組成物。
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