JP4602229B2 - 繊維処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は水中油型乳化物を含有する繊維処理剤組成物に関する。
シリコーン化合物は洗浄剤、仕上げ剤、繊維処理剤、潤滑剤などの様々な分野に応用され、特に衣料などの繊維製品の仕上げ剤には対象物の風合いを改善するなどの効果を付与する目的から汎用されている。また、シリコーン化合物と高分子化合物を併用した技術も多く開示されている。特許文献1〜13には、一般に糊基剤として知られている水溶性高分子化合物及びシリコーン化合物を含有する繊維処理剤組成物が開示されている。また、特許文献14には特定多糖誘導体が開示されており、該特許文献の多糖誘導体は疎水性化合物を安定化できることが記載されている。
特開2000−129570号公報 特開2000−129577号公報 特開2000−129578号公報 特開2000−239970号公報 特開2003−89978号公報 特開平5−239774号公報 特開平8−260356号公報 特開平9−13272号公報 特開平9−111662号公報 特開平11−229266号公報 特表平10−508911号公報 特表平10−508912号公報 特開平5−44169号公報 国際公開第00/73351号パンフレット
シリコーン化合物は水に不溶性の化合物であり、一般家庭において衣料の洗濯に用いられる仕上げ剤などの水性組成物に応用する場合には、界面活性剤などにより乳化させて配合することが行われている。また、このような水性組成物は洗濯工程の濯ぎの段階で添加される場合が多く、大過剰の水によって希釈されて衣料等の繊維製品に接触させる方法が採用されている。ところが、界面活性剤などで乳化されたシリコーン化合物は、大過剰の水に希釈されると界面活性剤の乳化力が極端に低下し乳化が壊れ、シリコーン化合物が安定に存在できなくなる。このため、繊維にシリコーン化合物を効率よく吸着することができず、水性組成物中のシリコーン化合物の大部分は排水に流出するかもしくは洗濯槽に付着し、シリコーン化合物の効果を十分に繊維製品に付与することが困難な状況にある。
特許文献1〜13には水溶性高分子化合物とシリコーン化合物を併用した技術が開示されているが、これらは水溶性高分子化合物を糊基剤あるいは皮膜形成剤として用いており、シリコーン化合物を乳化させる目的で水溶性高分子化合物を用いるものではなく、また、これら特許文献に記載のシリコーン化合物は界面活性剤で乳化させているため、大過剰の水に希釈した場合の問題を解決し得るものではない。
特許文献14には長鎖アルキル基で変性された多糖誘導体が開示されており、該特許文献の実施例には多糖誘導体とシリコーン化合物を併用した技術が開示されている。しかしながら、該特許文献はシリコーン化合物の溶液安定化を目的としており、シリコーン化合物を含有する水性組成物を大過剰に希釈した場合の問題を何ら示唆するものではなく、ましてやシリコーン化合物の吸着性を向上させる点について何ら想起させるものではない。
従って本発明の課題は、シリコーン化合物を含有する水性組成物を大過剰の水に希釈しても乳化が壊れず、しかも繊維製品などの対象表面へのシリコーン化合物の吸着性を向上させて、良好な柔軟性を付与し、更に残香性も付与することができる繊維処理剤組成物を提供することにある。
本発明は、下記(b)成分及び(c)成分を含有する混合溶液(A)が、下記(a)成分で乳化された水中油型乳化物を含有し、該水中油型乳化物が、(a)成分1質量部に対し、(b)成分1〜100質量部、(c)成分0.005〜30質量部の割合である繊維処理剤組成物を提供する。
(a)成分:ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物
(b)成分:シリコーン化合物
(c)成分:logPowが2.0以上の香料成分を20質量%以上含有する香料
本発明の繊維処理剤組成物は、シリコーン化合物と香料を高分子化合物で乳化することで大過剰の水に希釈しても乳化状態を保つことができ、しかも、繊維製品などの対象表面へのシリコーン化合物の吸着性を向上させて、良好な柔軟性を付与することができ、更に、良好な柔軟性と共に繊維製品に対して高い残香性も付与することができる。
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物である。
構成単位(a1)中の、ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる官能基は、高分子化合物に水溶性を与える効果、及び繊維製品に吸着する効果の両者を併せ持つ基であり、構成単位(a2)中の炭素数8〜22の炭化水素基は(b)成分のシリコーン化合物の液滴に吸着し、油剤を水溶液に安定化させる効果を有するもので、何れも本発明において重要な働きを有する。また、(a1)と(a2)のモル比は、(a)成分が下記(i)の化合物の場合、(a1−1)/(a2−1)のモル比は、100/30〜150/1が好ましく、100/20〜100/1がより好ましく、100/15〜100/3が特に好ましい。一方、(a)成分が下記(ii)の化合物の場合、(a1−2)/(a2−2)のモル比は、1000/100〜1000/1が好ましく、1000/80〜750/1がより好ましく、1000/50〜1000/4が特に好ましい。このような比率に調整することで、シリコーン化合物を安定に乳化させ、しかも大過剰の水に希釈しても乳化が壊れず、且つ繊維製品などの対象表面への吸着を促進する効果を得ることが可能になる。
本発明の(a)成分としては、下記(i)又は(ii)から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物が挙げられる。
(i)一般式(1)で表されるモノマー単位(a1−1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位(a2−1)を含有し、(a1−1)/(a2−1)がモル比で100/30〜150/1であり、分子中の全モノマー単位に対する(a1−1)と(a2−1)の合計モノマー単位の割合が50〜100モル%である高分子化合物。
Figure 0004602229
[式中;R1a及びR2aはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1b及びR2bはそれぞれ独立に、水素原子又は−COOM1(M1は水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R1c及びR2cはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、R2dは炭素数8〜22の炭化水素基であり、Aは−COOM2、−OH、−CON(R1d)(R1e)、−COO−R1f−N+(R1g)(R1h)(R1i)・X-、−COO−R1f−N(R1g)(R1h)、−CON(R1d)−R1f−N+(R1g)(R1h)(R1i)・X-、−CON(R1d)−R1f−N(R1g)(R1h)、もしくは環内にアミノ基又はアミド基を少なくとも1つ有する5又は6員環構造の複素環基である。ここで、M2は水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子、R1d、R1e、R1g、R1h及びR1iはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R1fは炭素数1〜5のアルキレン基、X-は有機又は無機の陰イオン基を示す。Bは−O−、−COO−、−OCO−又は−CONR2e−(R2eは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基)から選ばれる基であり、Dはエーテル基、エステル基、陽イオン基又はアミド基から選ばれる基を介してR2dと結合し、B及びR2dを連結する炭素数2〜6の2価の炭化水素基、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1〜300のポリオキシアルキレン基及びグリセリル基の平均付加モル数1〜10のポリグリセリル基から選ばれる少なくとも1種の基である。aは0又は1の数を示す。]
(ii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−2)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3)で表される基で置換されている単糖単位(a2−2)を有し、(a1−2)/(a2−2)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
−R3a−(OR3b)b−E−R3c (3)
[式中、R3aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R3bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、bは1〜300の数を示し、b個のR3bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R3cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。]
<(i)の高分子化合物>
(i)の高分子化合物は、重合可能な不飽和化合物をラジカル重合などの通常の方法で合成した合成高分子化合物である。
一般式(1)においてR1a、R1bは水素原子が好ましく、R1cは水素原子又はメチル基が好ましい。R1d、R1e、R1g、R1h、R1iは水素原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましく、特にR1e、R1g、R1h、R1iはメチル基が最も好ましく、R1dは水素原子又はメチル基が最も好ましい。R1fはエチレン基又はプロピレン基が好ましい。また、複素環基としては、ピロリドン基、ピリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、イミダゾール基、カプロラクタム基等が挙げられ、ピロリドン基が好ましい。X-としては、クロルイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられ、クロルイオン又はエチル硫酸エステルイオンが好ましい。
一般式(2)においてR2a、R2bは水素原子が好ましく、R2cは水素原子又はメチル基が好ましい。R2dは好ましくは炭素数8〜20、更に好ましくは炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、アルキル基が特に好ましい。Bは−COO−又は−CONR2e−が好ましく、R2eは水素原子が好ましい。DはB及びR2dを連結する基であり、B及びR2dを含めた好ましい具体的構造の例として、−B−[CH2CH(OH)CH2O]c−(C24O)d−(C36O)e−R2d、−B−Cn2n−N+(CH3)2(R2d)・X-、−B−Cn2n−COO−R2d、−B−Cn2n−CONH−R2dを挙げることができる。ここで、cは0〜10の数、好ましくは0〜5の数である。dは0〜300の数、好ましくは0〜100の数、より好ましくは0〜75の数、特に好ましくは0〜50の数であり、eは0〜300の数、特に好ましくは0〜100の数である。cが0の場合はd+eは1〜300、好ましくは1〜100、特に好ましくは1〜50の数であり、cが1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1又は2、特に好ましくは1の場合は、d+eは0〜300の数である。nは2〜6の数、好ましくは2又は3の数である。X-は前記と同様の陰イオン基である。
本発明の(i)の高分子化合物では、一般式(2)においてaが1の構成単位が本発明の効果を得る目的から好ましく、高分子化合物の主鎖とシリコーン化合物と親和性のある疎水基R2dの間にスペーサーを設けることで乳化粒子の安定性が向上するものと推定される。本発明では、一般式(2)において、Dが−(C24O)d−で、dが5〜40であるモノマー単位が最も好ましい。
上記モノマー単位を有する(i)の高分子化合物は、モノマー単位(a1−1)に由来する単量体(a1’)、及びモノマー単位(a2−1)に由来する単量体(a2’)をラジカル重合などの公知の方法で共重合して得ることができる。また、モノマー単位(a2−1)は、C(R2a)((R2b)=C(R2c)(Y)で示される単量体(a2”)を、モノマー単位(a1−1)に由来する単量体(a1’)と予め共重合した高分子化合物に、R2d−Zを反応させて得ることもできる。なおここで、Y及びZは反応して−B−(D)a−R2dを形成する反応基である。
モノマー単位(a1−1)に由来する単量体(a1’)の具体例としては、(メタ)アクリル酸(又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、(無水)マレイン酸(又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、α−ヒドロキシアクリル酸(又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、(メタ)アクリル酸ジアルキル(炭素数1〜3)アミド、(メタ)アクリル酸ジアルカノール(炭素数2〜3)アミド、(メタ)アクリル酸モノアルカノール(炭素数2〜3)アミド、酢酸ビニル(酢酸ビニルは重合後ケン価してビニルアルコール骨格に変換する)、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルカノール(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜3)−N,N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩(塩としてはクロル塩、メチル硫酸エステル塩、エチル硫酸エス テル塩が好適)、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N−ジアルカノール(炭素数1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(炭素数1〜3)−N,N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アンモニウム塩(塩としてはクロル塩、メチル硫酸エステル塩、エチル硫酸エステル塩が好適)、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、3−ビニルピペリジン、N−ビニルイミダゾ−ル、N−ビニル−2−カプロラクタム等を挙げることができる。
モノマー単位(a2−1)に由来する単量体(a2’)としては以下の化合物を挙げることができる。
CH2=CHCOO(C24O)d−R2d
CH2=C(CH3)COO(C24O)d−R2d
CH2=CHCOOC24+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=C(CH3)COOC24+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=CHCONHC36+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=C(CH3)CONHC36+(CH3)2(R2d)・X-
CH2=CHCOOR2d
CH2=C(CH3)COOR2d
(上記一連の式中、R2d、d及びX-は前記の意味を示す。)
また、単量体(a1’)と酢酸ビニルを共重合させた後、ケン価して得られるビニルアルコール単位のOHに、式(4)
Figure 0004602229
(式中、R2d及びdは前記の意味を示す。)
で表されるグリシジルエーテル化合物を反応させて、モノマー単位(a2−1)を得ることも可能であり、単量体(a1’)とオキシエチレン基の平均付加モル数1〜300、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50のポリオキシエチレンビニルエーテルを共重合させた後、式(5)
Figure 0004602229
(式中、R2dは前記の意味を示す。)
で表される化合物を反応させて、モノマー単位(a2−1)を得ることも可能である。さらに単量体(a1’)と、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミン及び/又はN−(メタ)アクリロイルアミノプロピル−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミンを共重合させた後、式R2d−Cl(R2dは前記の意味を示す)で表される化合物などのアルキル化剤を用いて4級化反応を行いモノマー単位(a2−1)を得ることも可能である。
(i)の高分子化合物は、モノマー単位(a1−1)及び(a2−1)を分子中に合計で、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは55〜100モル%、特に好ましくは60〜100モル%含有する高分子化合物であり、単量体(a1’)及び単量体(a2’)あるいは単量体(a2”)と共重合可能な他の単量体を共重合させることも可能である。共重合可能な他の単量体としては、エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの化合物を挙げることができる。
(i)の高分子化合物はいかなる重合法によって得てもよいが、ラジカル重合法が特に好ましく、塊状、溶液、又は乳化系にてこれを行うことができる。ラジカル重合は加熱によりこれを開始してもよいが、開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(N,N−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、などのアゾ系開始剤、過酸化水素及び、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、過安息香酸などの有機過酸化物、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素−Fe3+などのレドックス開始剤、など既存のラジカル開始剤を用いてもよいし、光増感剤の存在/又は非存在下での光照射や、放射線照射により重合を開始させてもよい。
(i)の高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは2000〜20万、より好ましくは3000〜15万、特に好ましくは4000〜12万である。なお、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリエチレングリコールを標準として求めることができる。
<(ii)の高分子化合物>
(ii)の高分子化合物において、単糖単位(a1−2)を構成する単糖単位としては、グルコース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース等を挙げることができ、グルコースが最も好ましい。また、高分子化合物に水溶性を付与する目的からヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはヒドロキシエチル化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはカルボキシメチル化、もしくはカチオン化された単糖単位が好適である。
(ii)の高分子化合物において、単糖単位(a2−2)を構成する単糖単位としては、グルコース、マンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロースを挙げることができ、グルコースが最も好ましい。また、高分子化合物に水溶性を付与する目的からヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはヒドロキシエチル化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、好ましくはカルボキシメチル化、もしくはカチオン化された単糖単位が好適である。
単糖単位(a2−2)は、単糖単位(a1−2)のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、前記一般式(3)で表される基で置換されたものである。
一般式(3)において、R3aは、好ましくはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数2又は3のアルキレン基を示し、R3bは、好ましくは炭素数2又は3のアルキレン基、より好ましくはエチレン基を示し、bは好ましくは3〜120、より好ましくは5〜60、特に好ましくは8〜60であり、b個のR3bは同一でも異なってもよい。Eはエーテル結合(−O−)又はエステル結合(−COO−又は−OCO−)を示すが、エーテル結合が好ましい。R3cは、好ましくは炭素数8〜20、より好ましくは炭素数8〜18、特に好ましくは10〜18、最も好ましくは12〜18の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基で、直鎖アルキル基が更に好ましい。具体的には、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ヘキシルデシル基、オクチルデシル基等が好ましい。
本発明において(ii)の高分子化合物は(a1−2)/(a2−2)がモル比で1000/100〜1000/1、好ましくは1000/80〜750/1、特に好ましくは1000/50〜1000/4の多糖誘導体である。このような多糖誘導体は、多糖類又は、これら多糖類のヒドロキシアルキル化物、カルボキシアルキル化物又はカチオン化物のヒドロキシ基に、式(6)
G−(OR3b)b−E−R3c (6)
(式中、Gは、ヒドロキシ基と反応してエーテル結合もしくはエステル結合を形成する基を示し、R3b、b,E及びR3cは前記の意味を示す。)
で表される化合物を上記(a1−2)/(a2−2)のモル比の範囲内に入るように反応させることで得られる。
(ii)の高分子化合物に用いられる多糖類としては、セルロース、グァーガム、スターチ、ブルラン、デキストラン、フルクタン、マンナン、寒天、カラギーナン、キチン、キトサン、ペクチン、アルギン酸、ヒアルロン酸等の多糖:これらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げられる。これらの置換基は、構成単糖残基中に単独で又は複数の組合せで置換することができ、これら多糖誘導体の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルグァーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグァーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグァーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグァーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグァーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグァーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。これら多糖類のうち、セルロース、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。また、上記多糖誘導体の置換基は、ヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシ基に更に置換して、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することで、構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であり、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10.0、特に0.5〜5.0が好ましい。また、これら多糖類の重量平均分子量は、1万〜1000万、更に10万〜500万、特に10万〜75万の範囲が好ましい。
式(6)で表される化合物としては、以下の化合物が好ましい。
Figure 0004602229
(式中、b,R3c及びnは前記の意味を示す。)
また、多糖類がカルボキシアルキル化糖である場合には
3c−O−(C24O)b−H
3c−OCOCH2O−(C24O)b−H
(式中、b及びR3cは前記の意味を示す。)
などを利用することも可能である。
本発明では、式(6)で表される化合物として、式(6−1)で表される化合物が最も好ましい。
Figure 0004602229
(式中、b及びR3cは前記の意味を示す。)
多糖類がヒドロキシアルキル化物の場合には、ヒドロキシアルキル基の導入率(単糖単位中のヒドロキシアルキル基の数)は、好ましくは0.01〜3.5、より好ましくは0.01〜3.0であり、多糖類がカルボキシアルキル化物の場合はカルボキシアルキル基の導入率(単糖単位中のヒドロキシアルキル基の数)は、好ましくは0.01〜3.0、より好ましくは0.1〜2.5であり、多糖類がカチオン化物の場合にはカチオン基の導入率は、好ましくは0.01〜3.0、より好ましくは0.1〜2.5である。
本発明の(ii)の高分子化合物としてはヒドロキシエチル基の導入率0.01〜3.5のヒドロキシエチルセルロースに、前記式(6−1)で表される化合物を、上記(a1−2)/(a2−2)のモル比の範囲内に入る比率で反応させた化合物が最も好ましい。
なお、本発明の(ii)の高分子化合物は、国際公開第00/73351号パンフレットに記載の方法で製造することができる。
[(b)成分]
本発明の(b)成分はシリコーン化合物であり、水不溶性のシリコーン化合物が好適である。ここで水不溶性化合物とは20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下の化合物である。具体的にはジメチルポリシロキサン、4級アンモニウム変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、フッ素変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。
本発明では特に分子量千〜100万、好ましくは3千〜100万、特に好ましくは5千〜100万、25℃における粘度が2〜100万mm2/s、好ましくは500〜100万mm2/s、特に好ましくは1千〜100万mm2/sのジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン、好ましくはポリオキシエチレン)変性ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種以上が好ましい。アミノ変性ジメチルポリシロキサンとしては、アミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、1,500〜40,000g/mol、好ましくは2,500〜20,000g/mol、更に好ましくは、3,000〜10,000g/molである。ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンとしては、界面活性剤便覧(産業図書(株)発行 昭和35年7月5日発行)、324頁〜325頁に記載の曇数Aが、0〜18、好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜5のものである。
本発明では特に、ジメチルポリシロキサンとしては、25℃における粘度が1万〜100万mm2/sのジメチルポリシロキサンが、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンとしては、曇数Aが0〜5であるものが、アミノ変性ジメチルポリシロキサンとしては、25℃における粘度が100〜2万mm2/sであるものが好ましい。
ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンとしては、下記一般式(7)で表される化合物、一般式(8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004602229
〔式中、R7aは水素原子又は1価の炭化水素基を示し、水素原子又はメチル基が好ましい。R7bは炭素数1〜20の2価炭化水素基を示し、炭素数3〜6の2価炭化水素基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。R7cは炭素数1〜3のアルキル基、水素原子又はヒドロキシ基を示し、メチル基が好ましい。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。fはオキシエチレン基の平均付加モル数、gはオキシプロピレン基の平均付加モル数、hは平均で0以上の数、iは平均で0以上の数を示し、これらの値は所望の粘度を有するように選択されるが、f、gは、それぞれ0〜60の数が好ましく、0〜35の数が更に好ましい。hは、平均で1〜500の数が好ましい。iは、平均で1〜100の数が好ましい。尚、複数個のR7a、R7b、R7c、f、g及びhは同一でも異なっていてもよい〕。
Figure 0004602229
〔式中、R8aは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基から選ばれ、特にメチル基が好ましい。R8b、R8cはそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基、水素原子、ヒドロキシ基から選ばれ、特にメチル基が好ましい。p、qは平均重合度であり、これらの値は所望の粘度を有するように選択されるが、pは10〜10000、好ましくは10〜1000であり、qは1〜1000、好ましくは3〜100である。R8dは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、R8eは、−(EO)j−(PO)k−L(Lは炭素数1〜3のアルキル基あるいは水素原子、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、j及びkはそれぞれ平均付加モル数を示し、その合計は1〜100、好ましくは2〜100、特に好ましくは2〜50である。)で表される基を示す。〕
これらのポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサンの中ではHLBが0を越え10以下であるものが好ましく、0を越え7以下であるものがより好ましい。
尚、一般式(7)で表される化合物のHLBは、曇数Aから、下記式で求められる値である。
HLB=曇数A×0.89+1.11
また、一般式(8)で表される化合物のHLBは、下記式で求められる値である。
HLB=[(EO)の重量%+(PO)の重量%]÷5
また上記シリコーン化合物で40℃において流動性の低いものは、流動パラフィン、流動イソパラフィン、低級アルコール、低級脂肪酸、低分子量エステル化合物と混合して用いることができる。
[(c)成分]
本発明の(c)成分はlogPowが2.0以上、好ましくは2.0以上、7.0以下、更に好ましくは3.0以上、7.0以下の香料成分(以下香料成分(c1)という)を20質量%以上含有する香料である。(c)成分中の香料成分(c1)の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。一方で、よりlogPowの高い香料成分、即ち、より疎水性の香料成分を含有していることが好ましい。logPowが3.0以上の香料成分を(c)成分中に20質量%以上含有していることが好ましく、30質量%以上含有していることが更に好ましく、40質量%以上含有していることが特に好ましい。ここでlogPowとは化学物質の1−オクタノール/水分配係数で、f値法(疎水性フラグメント定数法)により計算で求められた値をいう。具体的には、化合物の化学構造を、その構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数(f値)を積算して求めることができ、CLOGP3 Reference Manual Daylight Software 4.34, Albert Leo, David Weininger, Version1, March 1994を参考にすることができる。このような(c)成分は非水溶性の化合物であり、界面活性剤を含有する水性組成物において界面活性剤に可溶化されて存在するが、組成物を疎水的に変化させるために安定性や組成物の外観に影響を与える性質を有する。
香料成分(c1)としては、(i)炭化水素系香料、(ii)アルコール系香料、(iii)アルデヒド、ケトン系香料、(iv)エステル系香料、(v)フェノール系香料、(vi)エーテル系香料から選ばれる化合物を選択することができる。
(i)炭化水素系香料としては、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、リモネン、ジテルペン、テルピノーレン、ミルセン、p−サイメン、β−カリオフィレンを挙げることができ、特にリモネンが好適である。
(ii)アルコール系香料としては、サンダルマイソールコア、サンタロール、テルピネオール、l−メントール、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、エチルリナルール、ゲラニオール、リナロール、ムゴール、ミルセノール、ネロール、ネロリドールを挙げることができ、特にゲラニオール、ジヒドロミルセノール、リナロール、サンダルマイソールコアが好適である。
(iii)アルデヒド、ケトン系香料としては、アルデヒドC−111、グリーナール、マンダリンアルデヒド、トリメチルウンデセナール、シトラール、シトロネラール、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、リリアール、ジヒドロジャスモン、シス−ジャスモン、l−カルボン、イオノンα、メチルイオノンα、メチルイオノンGが挙げられる。特にアルデヒドC−111、シトラール、シトロネラール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルイオノンG、リリアール、が好適である。
(iv)エステル系香料としては、フェニルエチルアセテート、アリルアミルグリコレート、リファローム、シス−3−ヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、ヘプチルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノン、p−t−ブチルシクロヘキサノン、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、リナリルアセテート、アセチルオイゲノール、シンナミルアセテート、エチルシンナメート、ヘキシルサリシレート、イソブチルサリシレートが挙げられる。特に、フェニルエチルアセテート、アリルアミルグリコレート、スチラリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノン、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、リナリルアセテート、アセチルオイゲノール、シンナミルアセテートが好適である。
(v)フェノール系香料としては、オイゲノール、イソオイゲノール、モスシンス、チモール、バニトロープが挙げられる。特にオイゲノール、モスシンスが好適である。
(vi)エーテル系香料としては、アニソール、アンブロキサン、セドロキサイド、シトロネリルエチルエーテル、アネトール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ネロリンヤラヤラ、が挙げられる。特にアンブロキサン、アネトール、ネロリンヤラヤラが好適である。
本発明の(c)成分は、特に上記(i)〜(iv)から選ばれる香料成分を30質量%以上含有する香料が好適であり、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上含有する香料である。
また、組成物中の安定性の点から、(ii)の香料成分+(iii)の香料成分+(iv)の香料成分の合計含有量が、(c)成分中20〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることが更に好ましい。また、(c)成分中の(ii)の香料成分/(iii)の香料成分の質量比が、2/8〜8/2であることが好ましく、7/3〜3/7であることが更に好ましい。
本発明の(c)成分には上記香料成分以外に、logPowが−0.5以上2.0未満の香料成分、希釈剤、保留剤を含有することが出来る。logPowが−0.5以上2.0未満の香料成分の好適な例としては、フェニルエチルアルコール、シス−3−ヘキセノール、ヘリオナール、ベンズアルデヒド、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、マルトール、クマリン、アニスアルデヒド等を挙げることができる。又、希釈剤、保留剤の好適な例としては、ジプロピレングリコール、パルミチン酸イソプロピルエステル、ジエチルフタレート、ペンジルベンゾエート、流動パラフィン,イソパラフィン、油脂等を挙げることができる。香料成分と保留剤の質量比は1/0〜2/8が好ましい。
[(d)成分]
本発明の(d)成分は水であり、微量に存在する重金属などを取り除いたイオン交換水や蒸留水を用いることができる。また、塩素などで滅菌した滅菌水を用いることも可能である。
[その他成分]
本発明の水中油型乳化物は、(a)成分〜(d)成分を必須成分とするが、組成物のレオロジーを制御する目的、及び乳化物の安定性の点から水溶性溶剤(e)を併用することが好ましい。具体的に好ましい水溶性溶剤の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオールが好適であり、特にグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールが好ましい。
本発明の組成物は、乳化物の安定性を向上させる目的、及び油剤の対象表面への吸着を促進させる目的から(f)成分として界面活性剤を用いることができる。用いることができる界面活性剤としては非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤を挙げることができ、乳化物の安定性の点から非イオン界面活性剤(f1)が好適であり、対象表面への吸着促進の観点から陽イオン界面活性剤(f2)を併用することが好適である。
非イオン界面活性剤(f1)としては一般式(9)で表される化合物が乳化物の安定性の点から好適である。
9a−J−[(R9b−O)r−R9c]s (9)
[式中、R9aは炭素数8〜32、好ましくは10〜28、より好ましくは10〜24、特に好ましくは10〜18のアルキル基又はアルケニル基、R9bは炭素数2又は3のアルキレン基である。R9cは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基、Jは−O−、−COO− 、−CON<又は−N<から選ばれる連結基であり、Jが−O−又は−COO−の場合にはsは1であり、Jが−CON<又は−N<の場合にはsは2である。rは数平均で1〜150、好ましくは2〜80、特に好ましくは4〜50の値である。ここで、複数個のR9b及びR9cは同一でも異なっていても良い。]
一般式(9)において、R9aは炭素数10〜18のアルキル基が最も好ましく、R9bはエチレン基が最も好ましく、R9cは水素原子が最も好ましい。また、Jは−O−又は−COO−、特に−O−が好ましい。
非イオン界面活性剤(f1)としては特に一般式(9−1)で表される化合物が最も好ましい。
9a−O−(C24O)r−H (9−1)
[式中、R9a及びrは前記の意味を示す。]
陽イオン界面活性剤(f2)としては一般式(10)で表される化合物が対象表面への油剤の吸着促進の点から好適である。
Figure 0004602229
[式中;R10aは炭素数11〜24の炭化水素基、Wは−COO−又は−CONH−から選ばれる基であり、R10bは炭素数2又は3のアルキレン基である。tは0又は1の数である。R10cは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基、もしくはR10a−[W−R10b]t−である。R10dは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基であり、R10eは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2又は3のヒドロキシアルキル基、もしくは水素原子である。T-は、有機又は無機の陰イオンである。]
一般式(10)で表される化合物において、R10aは好ましくは炭素数14〜18のアルキル基、又はアルケニル基が好適であり、tは1の数が好ましい。陽イオン界面活性剤(f2)としては、R10cがR10a−[W−R10b]t−である化合物(f2−2)、及びR10cがメチル基またはヒドロキシエチル基である化合物(f2−1)の混合物が好ましく、(f2−2)/(f2−1)の質量比が、100/1〜100/10、好ましくは100/2〜100/6の混合物が油剤の吸着性を促進させる目的から好適である。R10dはメチル基またはヒドロキシエチル基が好ましく、R10eは水素原子、又はメチル基が好適である。T-はハロゲンイオン(好ましくはクロルイオン)、炭素数1から3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適である。
本発明では、繊維処理剤に用いられる通常の添加剤、例えば防腐剤、染料、顔料、粘度調節剤、無機塩、ハイドロトロープ剤などの成分を必要に応じて用いることができる。
[繊維処理剤組成物]
本発明の繊維処理剤組成物中の、(a)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8.0質量%がより好ましく、0.1〜5.0質量%が特に好ましい。(b)成分の含有量は、3〜50質量%が好ましく、4〜45質量%がより好ましく、5〜40質量%が特に好ましい。また(a)成分と(b)成分の配合比率は、(a)成分1質量部に対し(b)成分1〜100質量部であるが、(a)成分が(i)の化合物の場合、(a)成分1質量部に対し(b)成分2〜80質量部が好ましく、3〜60質量部がより好ましい。一方(a)成分が(ii)の化合物の場合、(a)成分1質量部に対し(b)成分2〜80質量部が好ましく、3〜70質量部がより好ましい。本発明の繊維処理剤組成物中の(c)成分の含有量は、0.0001〜15質量%が好ましく、0.001〜12質量%がより好ましく、0.01〜10質量%が特に好ましい。また、また(a)成分と(c)成分の配合比率は、(a)成分1質量部に対し(c)成分0.005〜30質量部であるが、0.01〜15質量部が好ましく、0.02〜10質量部がより好ましい。本発明の繊維処理剤組成物中の(d)成分である水の含有量は、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が特に好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物の使用方法は、対象の繊維衣料に対して処理する量としては、(b)成分のシリコーン化合物が衣料に対して、0.01〜5.0質量%となる量が好ましく、0.03〜4.0質量%となる量が更に好ましく、0.05〜3.0質量%となる量が特に好ましい。具体的には、本発明の繊維処理剤組成物を、繊維製品を含む洗濯水や濯ぎ水に上記の質量%の範囲になるように添加、処理することで、効率的に(b)成分を繊維に吸着させることができる。また、処理する繊維製品と水の質量比率(浴比=水の質量/繊維製品の質量)が5〜30、好ましくは8〜20の条件下で、上記記載の質量%になるように、本発明の繊維処理剤組成物を添加することが好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物中の(e)成分の含有量は、貯蔵安定性の点から0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、4〜20質量%が特に好ましい。
任意成分ではあるが本発明の繊維処理剤組成物中には、その安定性を向上させる目的から(f1)成分を用いることが好ましいが、多量配合は逆に本発明の効果を損なうおそれがあるため、注意を要する。本発明の組成物中の(f1)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。また、[(b)成分+(a)成分]/(f1)成分(質量比)は、1/1〜50/1が好ましく、3/1〜30/1がより好ましく、5/1〜20/1が特に好ましい。(f2)成分は(b)成分の対象表面への吸着を向上させる目的から併用することが好ましいが、(f1)成分と同様多量配合は本発明の効果を損なうおそれがある。本発明の繊維処理剤組成物中の(f2)成分の含有量は、0〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。また、[(b)成分+(a)成分]/(f2)成分(質量比)は、1/5〜80/1が好ましく、1/1〜60/1がより好ましく、5/1〜40/1が特に好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物は20℃におけるpHを2〜8、好ましくは4〜7.5に調整することが安定性の点から好適である。pH調整剤としては塩酸や硫酸など無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸などの有機酸などの酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸、クエン酸から選ばれる酸と、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。
本発明の繊維処理剤組成物の20℃における粘度は、取り扱いやすさ、および乳化物の安定性の観点から、2〜300mPa・sが好ましく、5〜200mPa・sがより好ましく、10〜150mPa・sが特に好ましい。このような粘度調整には(e)成分や通常の粘度調整剤等を用いて行う。
[繊維処理剤組成物の製造法]
本発明の組成物はO/W型の乳化形態が対象表面への(b)成分の吸着を促進できる点で好ましい。又(a)成分を外殻として(b)成分及び(c)成分を内包するカプセル状の粒子が分散したO/W型乳化組成物がより好適である。これは(a)成分中のヒドロキシル基が被処理対象物と相互作用する為であるか、(a)成分中のアルキル基が(b)成分と相互作用し効率良く乳化する為であると考えられる。
本発明の組成物の製造方法としては、特に限定されないが、下記製造方法で製造することが出来る。
常温にて(a)成分、必要に応じて(e)成分、(f1)成分及び(f2)成分を、必要量の15%相当量の(d)成分に添加し、次に昇温後80℃にて攪拌した後、25℃まで冷却する(この溶液を(F)とする)。次に、必要に応じて(f1)成分及び(f2)成分を攪拌しながら添加し、攪拌放置する。その後、(b)成分及び(c)成分をゆっくり添加する。(b)成分が常温で固体、若しくは流動しない状態の場合には融点、若しくは流動点以上に加温して添加することが望ましい。また、その場合には溶液(F)も(b)成分の融点、又は流動点以上の温度に加温することが望ましい。添加後さらに攪拌した後、配合物の温度を60℃、若しくは(b)成分の融点、若しくは流動点以上に上昇させ、さらに攪拌し、組成物を得る。そのままの温度か必要に応じて40℃程度まで冷却し、上記の方法で得られた組成物に残りの(d)成分をゆっくり添加し、攪拌する。また、必要に応じてpHを調整した後、ゆっくり常温まで配合物の温度を下げて、本発明の水中油型乳化物を得る。上記製造方法において(b)成分の一部を(a)成分と一緒に添加してもよい。
本発明では(F)の溶液を20〜75℃、好ましくは30〜60℃に調整し、(d)の水を20〜90℃、好ましくは30〜70℃で混合することが好適である。(f1)成分及び(f2)成分は溶液(F)に予め添加していてもよく、(e)成分に予め溶解していてもよく、さらに溶液(F)と(d)成分を混合した後に添加しても差し支えない。
このような方法によると、(a)成分を外殻とし(b)成分及び(c)成分を内包した粒径0.1〜50μmのカプセル状粒子を含む水中油型乳化物が得られる。
本発明では、シリコーン化合物及び香料を内包した水中油型乳化物を含む繊維処理剤組成物を提供することができ、本発明によれば希釈により乳化が壊れず、かつ対象表面にシリコーン化合物及び香料を効率的に吸着させることができ、繊維に対し効率的に柔軟性と残香性を付与することができる。
実施例に用いる配合成分を以下にまとめて示す。また、例中の「%」は、特記しない限り「質量%」である。
<配合成分>
・(a)成分
(a−1):ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリレート及びジメチルアミノプロピルメタクリレートのラウリルクロライドによる4級アンモニウム塩の共重合体(スタイリーゼW−20、アイエスピー・ジャパン(株)製、(a1−1)/(a2−1)=90/10(モル比))
(a−2):合成例1で製造した高分子化合物(a−2)
(a−3):合成例2で製造した多糖誘導体(a−3)
(a−4):合成例3で製造した多糖誘導体(a−4)
(a−5):合成例4で製造した多糖誘導体(a−5)
(a−6):合成例5で製造した多糖誘導体(a−6)
・比較の化合物
(a’−1):ラウリルアルコールにエチレンオキサイドをアルコール1モル当たり平均12モル付加させた非イオン性界面活性剤
・(b)成分
(b−1):信越化学工業(株)製 KF−96A(ジメチルポリシロキサン、粘度5000mm2/s)
(b−2):信越化学工業(株)製 KF−96A(ジメチルポリシロキサン、粘度20万mm2/s)
(b−3):東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SH−200(ジメチルポリシロキサン、粘度100万mm2/s)
(b−4):日本ユニカー(株)製 FZ−2203(ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、粘度5000mm2/s、HLB:1)
(b−5):日本ユニカー(株)製 FZ−2207(ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、粘度2500mm2/s、HLB:3)
(b−6):信越化学工業(株)製 KF−6013(ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、粘度400mm2/s、HLB:10)
(b−7):信越化学工業(株)製 KF−864(アミノ変性シリコーン、粘度1700mm2/s、アミノ当量4300)
(b−8):東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 DC2−8630(アミノ変性シリコーン、粘度1500mm2/s、アミノ当量4300)
・(c)成分及び比較の香料等
香料として表1記載の本発明の(c)成分である(c−1)〜(c−4)及び比較の香料(c’−1)〜(c’−2)を使用した。
Figure 0004602229
(c’−3):ベンジルベンゾエート(香料の希釈剤として使用)
・(d)成分:水
・(e)成分
(e−1):グリセリン
・(f)成分
(f1−1−1):ポリオキシエチレン(EO=21)ラウリルエーテル
(f1−1−2):2−エチルヘキシルグリセリルエーエル
(f2−2−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
(f2−1−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−2−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
合成例1:高分子化合物(a−2)の合成例
N,N−ジメチルアクリルアミド94.2g,ALE−900(日本油脂(株)製 ラウロキシポリエチレングリコール(EO=18)モノアクリレート)51.7g、エタノール200gを混合した。この溶液中に窒素ガスを吹き込み(20ml/min,1時間)、系内を脱気した後、60℃に昇温した。その後V−65(和光純薬工業(株)製、重合開始剤)エタノール溶液(3%)82.8gを60℃に保ちながら滴下した。滴下終了後60℃で12時間熟成を行った。反応終了後、得られた反応終了物をジイソプロピルエーテル2kg中に滴下した。得られた白色固体を濾別し、更にジイソプロピルエーテルで洗浄した(500g×2回)。減圧乾燥の後、式(11)で表される高分子化合物(a−2)を115g得た。得られた(a−2)のラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレートの導入率[m2/(m1+m2)]をNMRより測定した結果、0.054であった。また、重量平均分子量は65000であった。
Figure 0004602229
合成例2:多糖誘導体(a−3)の合成例
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(NATROZOL250G,ハーキュレス社製)160g、含水80%イソプロピルアルコール1280g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に次式(12)
Figure 0004602229
で表される化合物31.8gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール700gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−3))152gを得た。
得られた多糖誘導体(a−3)のポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.014であった。
合成例3:多糖誘導体(a−4)の合成例
重量平均分子量50万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP4400H,ユニオンカーバイド社製)80g、含水80%イソプロピルアルコール640g、48%水酸化ナトリウム水溶液5.34gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に前記式(12)で表される化合物12.78gを加え80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール500gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−4))73gを得た。
得られた多糖誘導体(a−4)のポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.004であった。
合成例4:多糖誘導体(a−5)の合成例
重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP100MH,ユニオンカーバイド社製)80g、含水80%イソプロピルアルコール640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.34gを混合してスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。この溶液に前記式(12)で表される化合物12.78gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物をイソプロピルアルコール500gで2回、減圧下60℃で1昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−5))72.0gを得た。
得られた多糖誘導体(a−5)のポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.004であった。
合成例5:多糖誘導体(a−6)の合成例
重量平均分子量20万、ヒドロキシエチル基の置換度2.5のヒドロキシエチルセルロース(NATROZOL250G,ハーキュレス社製)160g、含水80%イソプロピルアルコール1280g、48%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを混合して、スラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分撹拌した。この溶液に次式(13)
Figure 0004602229
で表される化合物31.8gを加え、80℃で8時間反応させてポリオキシアルキレン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物を濾別した。反応生成物をイソプロピルアルコール700gで2回洗浄後、減圧下60℃で一昼夜乾燥し、ポリオキシアルキレン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(多糖誘導体(a−6))152gを得た。
得られた多糖誘導体(a−6)のポリオキシアルキレン基を含む置換基の置換度は0.015であった。
実施例1
表2に示す配合成分を用い、下記に記す方法で、表2に示す組成の繊維処理剤組成物を調製した。得られた繊維処理剤組成物について、下記方法で香りの強さ及び柔軟性を評価した。これらの結果を表2に示す。
<繊維処理剤組成物の製造方法>
(a)成分、1/5(質量比)の(b)成分及び(e)成分を、表2の組成にするのに必要な(d)成分の15%(25℃)に添加し、25℃にて1時間攪拌した後、(f)成分を添加し、更に20分攪拌した後、残りの(b)成分及び(c)成分を添加する。次に、25℃で1時間攪拌した後、配合物の温度を60℃に上昇させ、1時間攪拌し、組成物を得る。上記の方法で得られた組成物を1時間かけて40℃まで冷却した後、残りの(d)成分(40℃)を添加し、30分攪拌し、pHを調整した後、1時間かけて25℃にまで配合物の温度を下げて、水中油型乳化物を含む繊維処理剤組成物を得た。尚、攪拌速度は全ての工程で400rpmである。
<香りの強さの評価法>
(1)繊維処理剤組成物による木綿布の処理
市販の木綿肌着(グンゼ(株)、綿100%)を2槽式洗濯機(東芝(株)製2槽式洗濯機VH−360S1)で市販洗剤を用いて洗濯し(花王(株)アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、浴比17、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。その肌着を全自動洗濯機(松下電器(株)製NA−F50K1)で市販洗剤を用いて再度洗濯する(花王(株)アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、浴比17、水量30L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水40秒)。最後のためすすぎ段階で、表2記載の繊維処理剤組成物、又は対照繊維処理剤組成物(表2の(a)成分の代わりに、それぞれ(a’−1)を5質量%に相当する量使用し、同様の方法で調製したもの)1mLを添加し、5分攪拌後脱水し、その後各試験布を広げ、平干しにして20℃、45%RHの条件で12時間放置し自然乾燥させる。
(2)香りの強さの評価
香りの強さを以下の基準で評価した。
○:対照繊維処理剤組成物で処理した木綿布よりも強い香り
△:対照繊維処理剤組成物で処理した木綿布からの香りの強さと同程度
×:対照繊維処理剤組成物で処理した木綿布よりも弱い香り
<柔軟性の評価法>
(1)柔軟処理タオルAの調整方法
市販の木綿タオル(白色、34cm×86cm、68g/1枚、綿100%)24枚を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、水道水30L(水温20℃)使用、水温20℃、10分間)。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。次に30Lの水道水(水温20℃)を注水し、5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。このサイクルを5回繰り返した後、室温で風乾した。この風乾した木綿タオルの質量を測定した。
次に、この木綿タオルを衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した〔東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水(水温20℃)使用、水温20℃、5分間〕。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ液を排水し、3分間脱水した。次に、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。次に、風乾した木綿タオルの質量の1.34質量%に相当する表2に示す繊維処理剤組成物を添加し、3分間攪拌した。その後、水を排出し、3分間脱水し自然乾燥した。
(2)柔軟処理タオルBの調製方法
市販の木綿タオル(白色、34cm×86cm、68g/1枚、綿100%)24枚を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した〔東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、水道水30L(水温20℃)使用、水温20℃、10分間〕。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。次に、30Lの水道水(水温20℃)を注水し、5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。このサイクルを5回繰り返した後、室温で風乾した。この風乾した木綿タオルの質量を測定した。
次に、この木綿タオルを衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した〔東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水(水温20℃)使用、水温20℃、5分間〕。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ液を排水し、3分間脱水した。次に、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。次に、風乾した木綿タオルの質量の0.47質量%に相当するジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド15%を含む組成物を添加し、3分間攪拌した。その後、水を排出し、3分間脱水し自然乾燥した。
(3)風合い評価
上記処理した木綿タオルを八つ折りにし、両手で軽く握りしめた時の風合いを10人のパネラー(30代男性10人)により、下記の基準で判定し、平均点を求めた。平均点が0.5以上を◎、0以上0.5未満を○、0未満を×として判定した。
−1:処理タオルAに比べて、処理タオルBが柔らかい
0:処理タオルAと、処理タオルBの柔らかさは同等であった
+1:処理タオルAのほうが、処理タオルBよりも柔らかい
Figure 0004602229
*:20℃におけるpH、1/10規定硫酸水溶液及び1/10規定水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。

Claims (4)

  1. 下記(b)成分及び(c)成分を含有する混合溶液(A)が、下記(a)成分で乳化された水中油型乳化物を含有し、(a)成分の含有量が0.5〜5質量%、(b)成分の含有量が5〜40質量%、(c)成分の含有量が0.01〜10質量%である繊維処理剤組成物を、下記(b)成分が繊維製品に対して0.05〜3.0質量%となる量にて、繊維製品と水の質量比率(浴比、水の質量/繊維製品の質量)が5〜30の条件下で処理する、繊維処理剤組成物の使用方法
    (a)成分:ヒドロキシ基、カルボン酸基、4級アンモニウム基、アミノ基及びアミド基から選ばれる基を1つ以上有し、総炭素数が2〜20である構成単位(a1)(但し(a2)の構成単位は除く)、及び炭素数8〜22の炭化水素基を有する構成単位(a2)を、(a1)/(a2)=100/30〜1000/1のモル比で含有する高分子化合物
    (b)成分:HLBが0を越え7以下であるポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン及びアミノ当量(窒素原子1個当たりの分子量)が2,500〜10,000g/molであるアミノ変性ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種以上のシリコーン化合物
    (c)成分:logPowが2.0以上の香料成分を20質量%以上含有する香料
  2. (a)成分が、下記(i)又は(ii)から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物である請求項1記載の繊維処理剤組成物の使用方法
    (i)一般式(1)で表されるモノマー単位(a1−1)及び一般式(2)で表されるモノマー単位(a2−1)を含有し、(a1−1)/(a2−1)がモル比で100/30〜150/1であり、分子中の全モノマー単位に対する(a1−1)と(a2−1)の合計モノマー単位の割合が50〜100モル%である高分子化合物。
    Figure 0004602229
    [式中;R1a及びR2aはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1b及びR2bはそれぞれ独立に、水素原子又は−COOM1(M1は水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子)から選ばれる基であり、R1c及びR2cはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又はヒドロキシ基から選ばれる基であり、R2dは炭素数8〜22の炭化水素基であり、Aは−COOM2、−OH、−CON(R1d)(R1e)、−COO−R1f−N+(R1g)(R1h)(R1i)・X-、−COO−R1f−N(R1g)(R1h)、−CON(R1d)−R1f−N+(R1g)(R1h)(R1i)・X-、−CON(R1d)−R1f−N(R1g)(R1h)、もしくは環内にアミノ基又はアミド基を少なくとも1つ有する5又は6員環構造の複素環基である。ここで、M2は水素原子又はアルカリ金属原子もしくはアルカリ土類金属原子、R1d、R1e、R1g、R1h及びR1iはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、R1fは炭素数1〜5のアルキレン基、X-は有機又は無機の陰イオン基を示す。Bは−O−、−COO−、−OCO−又は−CONR2e−(R2eは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基)から選ばれる基であり、Dはエーテル基、エステル基、陽イオン基又はアミド基から選ばれる基を介してR2dと結合し、B及びR2dを連結する炭素数2〜6の2価の炭化水素基、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1〜300のポリオキシアルキレン基及びグリセリル基の平均付加モル数1〜10のポリグリセリル基から選ばれる少なくとも1種の基である。aは0又は1の数を示す。]
    (ii)単糖単位、又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位(a1−2)、及び単糖単位又はヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)化、カルボキシアルキル(炭素数1〜3)化、もしくはカチオン化された単糖単位のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、一般式(3)で表される基で置換されている単糖単位(a2−2)を有し、(a1−2)/(a2−2)がモル比で1000/100〜1000/1である多糖誘導体。
    −R3a−(OR3b)b−E−R3c (3)
    [式中、R3aはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、R3bはヒドロキシ基又はオキソ基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖の2価の飽和炭化水素基を示し、bは1〜300の数を示し、b個のR3bは同一又は異なっていてもよい。Eは−O−、−COO−又は−OCO−から選ばれる基を示し、R3cはヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示す。]
  3. 混合溶液(A)に、攪拌下、水を添加して乳化させることにより調製した水中油型乳化物を含有する請求項1又は2記載の繊維処理剤組成物の使用方法
  4. 混合溶液(A)が、さらに(e)水溶性溶剤及び(f)界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜いずれかに記載の繊維処理剤組成物の使用方法
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