JP4712176B2 - 遊技機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作に応じて遊技が行われる遊技機に関し、特に、遊技に応じて遊技媒体を払い出すように構成されている遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機として、遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が賞球として遊技者に払い出される遊技機がある。遊技機は、入賞に応じて賞球払出を行うので、少なくとも賞球払出を行うことができる払出機構を備えている必要がある。
【0003】
また、遊技者は、遊技球を借り出し、借り出した遊技球および入賞に応じて払い出された遊技球を用いて遊技を行う。その際、遊技者からの遊技球貸し要求はカードユニット等の貸出要求処理装置で一旦受け付けられ、遊技機の貸出制御手段は貸出要求処理装置と通信することによって遊技者からの貸出要求を受け付ける。そして、貸出管理手段が、払出機構を制御して遊技球の貸出を行う。あるいは、コイン投入に応じて遊技球を払い出す球貸し機にコインを投入することによって、遊技者が球貸し機から遊技球を借り出すことを前提とした遊技機もある。
【0004】
遊技店における各遊技機の払出機構に対する遊技球の補給は、一般に、遊技店における遊技機設置島に備えられているいる補給機構から一括して行われる。すなわち、遊技機外部から遊技球の補給がなされる。遊技機外部から補給された遊技球は、遊技機内部に設けられている払出機構まで誘導される必要があるが、外部から補給された遊技球は遊技機における上部に設置された貯留タンクに貯留され、貯留タンクから払出機構に流下する構造がとられることが多い。さらに、払出機構から払い出された遊技球を、払出機構から遊技機前面に設けられている皿貯留部に流下させる構造が採用されることが多い。遊技機のコスト低減や軽量化の要請から、遊技球の流下路は合成樹脂製の流路で実現される。
【0005】
すると、遊技球と流下路との間の摩擦等によって遊技球が帯電し、遊技球間で放電現象を生ずる可能性がある。そして、放電によって、遊技機に設けられている各種電気部品および基板の信号線や電源線にノイズが乗ることがある。その結果、ノイズによって、誤動作が生じたり、信号エラーが生じたりする場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
補給路における遊技球の帯電を防止するために、遊技球の流下路が設けられている機構板の球通路部分等に金属等の導体板を設置して導体板を接地(アース)する構造が採用されていた。しかし、金属等の導体板を設置すると機構板の重量が大きくなったり、遊技機の組立工程が煩雑になるといった問題がある。さらに、接地された金属等の導体板に遊技球が接触する際に、遊技球と導体板との間で急激に電荷の移動が生じノイズが発生する可能性もある。
【0007】
そこで、本発明は、遊技媒体の払出機構を備えた遊技機において、球の流路を構成する部材と遊技球との間の大きな放電を防止しつつ、遊技機内の経路を通過する遊技媒体が帯電しても電荷を効果的に放出させてノイズの発生を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、記録媒体を用いて遊技者に遊技媒体を貸し出すための処理を行なう機能を有し接地部を有する記録媒体処理装置に電気的に接続可能であり、遊技媒体を貸し出す操作が行われたときに遊技媒体を払い出す払出装置が備えられ、遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材が所定部位に配置されるとともに、導電性合成樹脂部材に、導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部設けられ、記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、基板に、接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、第1のコネクタと電気的に接続され、記録媒体処理装置の接地部に配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられたことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の態様の遊技機は、記録媒体を用いて遊技者に遊技媒体を貸し出すための処理を行なう機能を有し接地部を有する記録媒体処理装置に電気的に接続可能であり、遊技媒体を貸し出す操作が行われたときに遊技媒体を払い出す払出装置が備えられ、遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、遊技媒体と接触可能な位置に導電性を有する金属部材が配置され、金属部材と電気的に接続される部材であって導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材が配置され、導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部が設けられ、記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、基板に、接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、第1のコネクタと電気的に接続され、記録媒体処理装置の接地部に配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられたことを特徴とする。
【0010】
導電性合成樹脂部材が遊技媒体と接触しない位置に配置された金属部材と電気的に接続され、接地接続部を、金属部材が電気的に接地されるように設けた構成としてもよい。
【0011】
導電性合成樹脂部材は、例えば、遊技者に払い出される遊技媒体を貯留する貯留タンクを含む。
【0012】
導電性合成樹脂部材は、例えば、遊技者に払い出された遊技媒体を貯留する貯留部に遊技媒体を誘導する樋部材を含む。
【0013】
導電性合成樹脂部材は、例えば、遊技媒体を払い出す払出装置の外郭を形成するケース体を含む。
【0014】
導電性合成樹脂部材の電気的抵抗は金属部材の電気的抵抗よりも大きい。
【0015】
導電性合成樹脂部材は、例えば、カーボンを含有した導電性合成樹脂からなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、例えばスロット機であってもよい。
【0017】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。また、遊技球を払い出すための通路が設けられている機構部は、機構板およびそれに取り付けられている部品を含む。
【0018】
図1に示すように、ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(貯留部)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3からあふれた遊技球を貯留する余剰玉受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、複数種類の図柄を可変表示するための可変表示部(特別図柄表示装置)9が設けられている。可変表示部9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがある。可変表示部9の下方には、始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ(図示せず)によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド(図示せず)によって開状態とされる。
【0020】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド(図示せず)によって開状態とされる開閉板20が設けられている。この実施の形態では、開閉板20が大入賞口を開閉する手段となる。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(Vゾーン)に入った入賞球はV入賞スイッチ(図示せず)で検出される。また、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ(図示せず)で検出される。可変表示部9の下部には、始動入賞口14に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。この例では、4個を上限として、始動入賞がある毎に、特別図柄始動記憶表示器18は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0021】
遊技盤6には、複数の入賞口19,24,32,33が設けられ、遊技球のそれぞれの入賞口19,24,32,33への入賞は、対応して設けられている入賞口スイッチ(図示せず)によって検出される。遊技領域7における下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。
【0022】
入賞口32に遊技球が入賞すると、7セグメントLEDによる普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、入賞口32に入った入賞球数を表示する4個の表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。この例では、4個を上限として、入賞口32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯している表示部を1つずつ増やす。そして、可変入賞球装置15の開放が開始される毎に、点灯している表示部を1つ減らす。
【0023】
また、遊技領域7の外側の左右上部のガラス扉枠2には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周のガラス扉枠2には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0024】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球の払出残があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0025】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0026】
打球発射装置から発射された金属製の遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9内の図柄が回転を始める。図柄の変動を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を1増やす。
【0027】
可変表示部9内の画像の回転は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の画像の組み合わせが大当り図柄の組み合わせであると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しV入賞スイッチで検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0028】
停止時の可変表示部9内の画像の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、高確率状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0029】
打球が入賞口32に入賞するると、普通図柄表示器10の表示数字が連続的に変化する状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、高確率状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
【0030】
図2は、ガラス扉枠2を取り外した状態での遊技盤6の前面を示す正面図である。発射装置から発射された金属製の遊技球は、ステンレススチール製の発射レール201の上を進み、遊技盤6に設置されている円周状のステンレススチール製の外レール202に渡り、外レール202に誘導されて遊技領域7に進入する。また、遊技盤6には、ステンレススチール製の内レール203が、外レール202とともに遊技領域7を囲むように設置されている。外レール202と内レール203とを接合している接合部材204は、ステンレススチール等の導電性部材で形成されている。従って、外レール202と内レール203とは、電気的に導通している。
【0031】
ガラス扉枠2の裏面(遊技盤側)には、ガラス扉枠2が閉じられた状態で外レール202と接触する金属板が設置されている。また、ステンレススチール製の発射レール201は溝状に形成され、溝の一方の壁部分は、ガラス扉枠2が閉じられた状態で、ガラス扉枠2に設置されている金属板に接触するようになっている。従って、発射レール201と外レール202とは、ガラス扉枠2が閉じられた状態では電気的に導通している。従って、遊技が行われる状態では、発射レール201と外レール202および内レール203とは電気的に導通している。
【0032】
さらに、発射レール201の一部に、配線(例えば被覆銅線、以下の配線も同様)205を接続するための接続部(例えば、配線205の端部に設けられている金具をねじ止めするような構造)が設けられている。配線205は、直接に、または他の導電性の部材を介して、後述する機構板の受け金具に接続される。後述するように、機構板の受け金具は、直接に、または他の導電性の部材を介して接地される。従って、発射装置から発射された遊技球が接触する発射レール201、外レール202および内レール203は接地されていることになる。打球レール(発射レール201、外レール202および内レール203)において、発射レール201、外レール202および内レール203に接する遊技球の電位は、発射レール201、外レール202および内レール203と同電位になるので、遊技球の帯電は防止される。その結果、放電によってノイズが生ずることが防止される。
【0033】
また、遊技領域7を流下しているときの遊技球の帯電を防止する機構を設けてもよい。例えば、遊技盤6の表面の木材部材の下層に金属板等の導電性部材を積層し、遊技領域に多数打ち込まれている釘を導電性部材に接触させる。そして、その導電性部材を接地することによって、遊技領域7に設けられている釘、打球レールおよび遊技球を同電位にすることができる。よって、放電防止効果が増進する。さらに、遊技領域7に設けられている風車、各入賞球装置、飾り部材等を導電性の合成樹脂で形成してもよい。
【0034】
図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。図5は、機構板を遊技機表側の斜め方向から見た斜視図である。
【0035】
この実施の形態では、機構板のベース体36として、ステンレス繊維を6重量%含有するABS樹脂の板が用いられている。従って、機構板のベース体36は導電性を有する。図3〜図5に示すように、パチンコ遊技機1の裏面では、機構板の上部に貯留タンク38が設けられている。そして、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が貯留タンク38に供給される。図3および図4に示すように、貯留タンク38内の遊技球は、誘導レール39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置に至る。貯留タンク38から傾斜して横方向に延びる誘導レール39は、途中で屈曲し、さらに2条に分かれて球払出装置に至る。
【0036】
ステンレス繊維を含有する合成樹脂として、ベースとしての合成樹脂に直径6〜10μmの極細のステンレス繊維をフィラーとして添加した合成樹脂を使用可能である。極細のステンレス繊維を使用しているので、少ない添加量で、温度や湿度の環境変化に対しても変わらない導電性を発揮することができる。当然、防錆性にも優れている。ベースとしての合成樹脂として種々の熱可塑性樹脂を使用することができる。ベースとしてABS樹脂を用いフィラーとしてのステンレス繊維を6重量%添加すると、ステンレス繊維を6重量%含有するABS樹脂を得ることができる。ベースとしてポリカーボネートを使用すれば、ステンレス繊維を含有するポリカーボネートを得ることができる。
【0037】
また、ステンレス繊維を含有する合成樹脂は、フィラーとしてカーボンのみを用いたカーボン含有樹脂に比べて難燃性が高い。パチンコ遊技機の設置環境は喫煙環境下であることが多い。また、遊技機内部や遊技機設置島と遊技機との間には多数の電気配線が存在するので短絡等による発火の可能性も否定できない。従って、遊技機において、難燃性の高い部材を使用することは、遊技機の安全性をより高めることになる。また、ステンレス繊維を含有する合成樹脂は、フィラーとしてカーボンのみを用いたカーボン含有樹脂に比べて比抵抗が低い。従って、高い導電性を得ることができ、接触する遊技球の帯電防止のために効果的である。
【0038】
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示部9を制御する図柄制御基板を含む可変表示制御ユニット29、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。さらに、遊技盤6に設けられている各種飾りLED、特別図柄始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示器41、枠側に設けられている天枠ランプ60a、左枠ランプ60b、右枠ランプ60c、賞球ランプ51および球切れランプ52に信号を送るためのランプ制御基板35、スピーカ27からの音発生を制御するための音制御基板70も設けられている。また、また、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910が設けられている。
【0039】
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール39を通り、図4に示されるように、球供給樋186a,186bを経て球払出装置に至る。球払出装置の上部には、球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)には設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
【0040】
球払出装置から払い出された遊技球は、連絡口45および誘導樋(樋部材)206を通ってパチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿(上皿)3に誘導される。連絡口45の側方には、パチンコ遊技機1の前面に設けられている余剰玉受皿(下皿)4に連通する余剰玉通路46が形成されている。
【0041】
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達した後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰玉通路46を経て余剰玉受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー47が満タンスイッチ48を押圧して満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止する。
【0042】
図4に示すように、球払出装置の側方には、球供給樋186a,186bから遊技機下部の排出口192に至る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路191の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレバー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成され、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出口192から遊技機外に排出される。
【0043】
機構板の側部(図4に示す例では、球抜き通路191の近傍)には、貯留タンク38の位置付近から上皿への連絡口45の位置付近まで高さ方向に延びるステンレススチール製の金具209が設置されている。機構板のベース体36は導電性を有しているので、金具209が機構板のベース体36に設置されることによって、機構板のベース体36と金具209とは電気的に導通していることになる。
【0044】
この実施の形態では、カードユニット50からの信号は全て払出制御基板37に入力される構成になっている。従って、球貸し制御に関して、カードユニット50から主基板31に信号が入力されることはなく、主基板31にカードユニット50の側から不正に信号が入力される余地はない。また、カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。よって、遊技機とカードユニット50との接続は簡便であり、例えば、図3に示すように、払出制御基板37に設置されたコネクタ208から延伸するケーブル(図示せず)のみがカードユニット50に接続され、遊技機内のその他の基板とカードユニット50とを接続する必要はない。
【0045】
一般に、カードユニット50は接地線を介して接地されているので、遊技機側の接地必要箇所をカードユニット50のFG(フレームグラウンド)端子に接続すれば、容易に遊技機側の接地必要箇所を接地することができる。この実施の形態では、金具209と電気的に接続されるコネクタ207が払出制御基板37に設けられている(図3参照)。コネクタ207から延びる配線216は金具209に接続される(図5参照)。そして、払出制御基板37において、金具209と電気的に接続されている線はコネクタ208に接続される。コネクタ208およびケーブルを介して、金具209と電気的に接続されている線は、カードユニットのFG端子に接続される。従って、導電性の貯留タンク38および機構板の金具209は、カードユニット50を介して接地される。金具209におけるコネクタ208からの配線を接続する部分は、接地接続部に相当する。
【0046】
この実施の形態では、貯留タンク38は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂で形成されている。従って、貯留タンク38は導電性を有する。また、貯留タンク38の遊技機正面側の一部には金属製のアース板(金属板)218が取り付けられている。アース板218は、貯留タンク38に貯留されている遊技球と接触可能である。従って、遊技球の電位は、貯留タンク38に貯留されているときにアース板218の電位と同じになる。さらに、貯留タンク38におけるアース板218以外の部分はカーボンを含有した合成樹脂で導電性を有するので、遊技球の電位は、貯留タンク38全体の電位と同じになる。さらに、遊技店において、遊技球は遊技機設置島に設けられている補給路を通ってから遊技機の貯留タンク38に補給されるので、貯留タンク38に補給される前に既に遊技球が帯電していることが多い。しかし、貯留タンク38が、カーボンを含有する導電性合成樹脂で形成され、かつ、接地されているので、遊技球の電荷は貯留タンク38を介してアース側に逃げ遊技機の帯電が解消される。
【0047】
また、誘導レール39や球供給樋186a,186bは、ステンレス繊維を6重量%含有するABS樹脂で形成されている。さらに、打球供給皿(上皿)3、余剰玉受皿(下皿)4、余剰玉通路46および球抜き通路191等も、ステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されていることが好ましい。すなわち、機構部における遊技球が通過する全ての経路がステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されていることが好ましい。
【0048】
図4に示すように、貯留タンク38の側部には、配線211を接続するための接地接続部としての接続部(例えば、配線211の端部に設けられている金具をねじ止めするような構造)212が設けられている。また、図5に示すように、配線211は、接続部213によって機構板の金具209に接続される。金具209は、カードユニット50を介して接地されるので、貯留タンク38の電位も接地レベルになる。
【0049】
図6は、機構板の下部を示す部分斜視図である。この実施の形態では、遊技球を遊技機前面の打球供給皿3に導くための誘導樋206は、カーボンを8重量%含有したABS樹脂で形成されている。従って、誘導樋206は導電性を有する。また、誘導樋206の近傍において流下した遊技球が接触可能な位置には、誘導樋206と接触する金属製のアース板(金属板)221が設置されている。従って、誘導樋206を流れる遊技球の電位は、誘導樋206およびアース板221の電位と同じになる。
【0050】
図6に示すように、機構板の金具209には、金属製の受け金具222が取り付けられている。誘導樋206と受け金具222との間には配線224が這わされ、誘導樋206には配線224を接続するための接地接続部としての接続部(例えば、配線224の端部に設けられている金具をねじ止めするような構造)223が設けられ、受け金具222には配線224を接続するための接続部(例えば、配線224の端部に設けられている金具をねじ止めするような構造)225が設けられている。
【0051】
この実施の形態では、発射レールからの配線205(図2参照)は誘導樋206に接続されている。誘導樋206は導電性であり、かつ、受け金具222、金具209および払出制御基板37を介してカードユニット50のFG端子に接続される。よって、誘導樋206の電位も接地レベルになっている。
【0052】
図7は、球払出装置の構成例を示す分解斜視図である。この例では、賞球ケース40Aとしての3つのケース140,141,142の内部に球払出装置が形成されている。ケース140,141の上部には、球供給樋186a,186bと連通する穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,171から球払出装置に流入する。
【0053】
球払出装置は駆動源となる払出モータ(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モータ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸には、凹部を有するスプロケット292が嵌合している。穴170,171から流入した遊技球は、スプロケット292の凹部によって、スプロケット292の下方の球通路293に1個ずつ落下させられる。
【0054】
球通路293には遊技球の流下路を切り替えるための振分部材311が設けられている。振分部材311はソレノイド310によって駆動され、賞球払出時には、球通路293における一方の流下路を遊技球が流下するように倒れ、球貸し時には球通路293における他方の流下路を遊技球が流下するように倒れる。なお、払出モータ289およびソレノイド310は、払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUによって制御される。また、払出制御用CPUは、主基板31に搭載されている遊技制御用のCPUからの指令に応じて払出モータ289およびソレノイド310を制御する。
【0055】
賞球払出時に選択される流下路の下方には球払出装置によって払い出された遊技球を検出する賞球センサ301Aが設けられ、球貸し時に選択される流下路の下方には球払出装置によって払い出された遊技球を検出する球貸しセンサ301Bが設けられている。賞球センサ301Aの検出信号と球貸しセンサ301Bの検出信号は払出制御基板37の払出制御用CPUに入力される。払出制御用CPUは、それらの検出信号にもとづいて、実際に払い出された遊技球の個数を計数する。
【0056】
この実施の形態では、球払出装置を収容する賞球ケース40A(ケース140,141,142)および球通路293の側部の壁は、カーボンを8重量%含有したポリカーボネートで形成されている。従って、遊技球が通過する球通路293は導電性であり、球通路293の電位とそこを通過する遊技球の電位とは同じになる。また、球通路293の側部の壁と賞球ケース40Aとは接しているので、球通路を通過する遊技球と賞球ケース40Aとは同電位である。
【0057】
さらに、図4に示すように、賞球ケース40Aの上部において、ステンレススチール製の押え金具231によって、賞球ケース40Aは機構板のベース体36に固定される。従って、導電性の賞球ケース40Aとステンレススチール製の押え金具231とは接している。また、押え金具231には、配線214を介して、機構板の金具209に設けられている接続部(例えば、配線214の端部に設けられている金具をねじ止めするような構造)215と電気的に接続可能な接続部210が設けられている(図4および図5参照)。よって、賞球ケース40Aの電位は金具209の電位と同じになる。上述したように、金具209の電位は接地レベルになっているので、賞球ケース40Aの電位も接地レベルになっている。
【0058】
球払出装置において、ケース140,141,142は、カーボンを8重量%含有したポリカーボネートで形成されているが、カーボンを含有した材料は燃焼性を有しているので、難燃性のステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成してもよい。なお、ギア209,291は、遊技球とは接触しないので、導電性を有さない合成樹脂で形成されている。また、スプロケット292は遊技球が一時接触するだけであるから、やはり、導電性を有さない合成樹脂で形成されている。なお、ケース140,141,142の材料として、ABS樹脂ではなくポリカーボネートを用いるのは、ポリカーボネートの方がABS樹脂よりも耐摩耗性が高いからである。
【0059】
以上に説明したように、上記の実施の形態の遊技機では、機構板に遊技媒体を払い出す払出機構が設置された構造において、機構部を構成する部材(上記の例では、機構板のベース体36および遊技球の通路)が、ステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されている。従って、遊技機の難燃性が高まるとともに、遊技球の帯電防止の効果も向上する。特に、遊技媒体を払い出す払出機構において、遊技球が流れる球通路がステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されているので、帯電防止の効果は大きい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、遊技媒体を払い出す払出機構において、貯留タンク38および誘導樋206はカーボンを8重量%含有するABS樹脂で形成され、賞球ケース40Aはカーボンを8重量%含有するポリカーボネートで形成されていた。すなわち、遊技媒体の貯留、誘導および払出のための部材が導電性の合成樹脂で形成されているので、特に金属部品を用いなくても遊技球の接触部分における導電性を確保することができ、帯電防止対策を施すことができる。
【0061】
また、貯留タンク38、誘導樋206および賞球ケース40A等のカーボン含有合成樹脂による部材において、カーボン含有合成樹脂に接続部212,223が設けられていたり、カーボン含有合成樹脂に接触するように設けられている金属部材としての押え金具231等に、配線を接続するための接続部が設けられているので、カーボン含有合成樹脂による部材を接地するための配線作業が容易である。
【0062】
なお、機構部における遊技媒体の接触部分の一部である貯留タンク38、球払出装置内の球通路293および誘導樋206にカーボン含有合成樹脂を用いたが、それらにもステンレス繊維を含有する合成樹脂を用いてもよい。
【0063】
また、上記の実施の形態では、機構部を構成する部材の一部がステンレス含有合成樹脂で形成されたが、機構部を構成する全ての部材をステンレス含有合成樹脂で形成してもよい。
【0064】
図8は、帯電防止効果(静電気除去効果)を説明するための説明図である。図8(A)は、遊技球401の通路にカーボン403を含有したカーボン含有合成樹脂400を用い、カーボン含有合成樹脂400が接地されている場合の従来例を示す。カーボン含有樹脂400の比抵抗は一般に10〜10Ω・cm程度と大きく導電率は高くない。従って、遊技球401が帯電した場合、カーボン含有樹脂400への電荷の移動の程度や接地板402への電荷の移動の程度は比較的小さい。すなわち、遊技球401が帯電した場合の放電効果は、図8(B)に示す場合に比べて小さい。
【0065】
図8(B)は、ステンレス繊維413を含有する合成樹脂(ステンレス含有合成樹脂410)を用いた場合の例を示す。ステンレス含有合成樹脂410の比抵抗はカーボン含有合成樹脂400の比抵抗に対して格段に小さく、金属板を合成樹脂内に埋め込んだ場合と同程度の電荷吸収性能を期待することができる。また、金属板を合成樹脂内に埋め込んだ場合と同程度に、静電気発生を防止する効果を期待できる。すなわち、カーボン含有合成樹脂400を用いた場合に比べて、高い帯電防止効果を奏する。
【0066】
なお、合成樹脂に対してステンレス繊維のみを含有させた場合には、合成樹脂自体の熱変形等に起因してステンレス繊維の接触が弱まって導電性が低下する可能性があることが報告されている。そのような可能性を排除するために、ステンレス含有合成樹脂にさらにカーボンを含有させたものを用いてもよい。すなわち、機構部を構成する部材を、ステンレス繊維およびカーボンを含有する合成樹脂で形成してもよい。また、合成樹脂に対してステンレス繊維のみを含有させた場合でもそのような合成樹脂は高いシールド性を示すのであるが、さらにカーボンを含有させた場合には、高温、低温が繰り返されるような環境下にあっても、シールド効果が低下しない。
【0067】
図9は、機構板36に取り付けられている各部材を、打球レール、払出制御基板37およびカードユニット50とともに示す結線図である。上述したように、打球レール(発射レール201、外レール202および内レール203)は、ステンレススチール製であり、かつ、発射レール201、外レール202および内レール203は、遊技が行われるときには電気的に導通している。
【0068】
誘導樋206はカーボンを8重量%含有したABS樹脂で形成され、かつ、誘導樋206にはアース板221が接触している。発射レール201と誘導樋206とは配線205で接続されている。また、誘導樋206は、配線224によって、機構板の金具209に接続された受け金具222に接続されている。金具209および受け金具222はステンレススチール製である。従って、打球レールおよび誘導樋206の電位は、機構板の金具209の電位と同じである。
【0069】
貯留タンク38はカーボンを8重量%含有したABS樹脂で形成され、かつ、その一部にはアース板218取り付けられている。貯留タンク38は、配線211によって、機構板の金具209に接続されている。よって、貯留タンク38の電位は、機構板の金具209の電位と同じである。
【0070】
また、賞球ケース40Aはカーボンを8重量%含有したポリカーボネートで形成されている。そして、ステンレススチール製の押え金具231が賞球ケース40Aに接している。さらに、押え金具231は、配線214によって、機構板の金具209に接続されている。よって、賞球ケース40Aの電位は、機構板の金具209の電位と同じである。
【0071】
従って、発射装置から発射された遊技球の通路となる打球レール、払い出される遊技球の通路の主要部となる貯留タンク38、球払出装置内の球通路293および誘導樋206の電位は、機構板の金具209および金具209が取り付けられている機構板のベース体36の電位と同じである。金具209は、払出制御基板37およびカードユニット50を介して接地されている。よって、打球レール、貯留タンク38、球払出装置内の球通路293、誘導樋206および機構板のベース体36の電位は接地レベルである。
【0072】
図9に明示されているように、遊技媒体と接触可能な位置(上記の例では、貯留タンク38、誘導樋209等)に導電性合成樹脂部材が用いられ、さらに、導電性合成樹脂部材が間接的に接地されている。従来の静電気ノイズ対策として、遊技媒体と接触する位置に金属製のアース板を設ける方法があったが、そのような方法によると、帯電した遊技球がアース板と接触する際に急激に放電して、遊技機に設置されている制御基板内の電子回路に対して静電気ノイズとしての電磁妨害を与える可能性があった。しかし、上記の実施の形態のように、遊技媒体と接触可能な位置に導電性合成樹脂部材を配置するように構成すれば、急激な放電の発生が緩和され、制御基板内の電子回路に対して電磁妨害を与える可能性がなくなる。例えば、カーボン含有合成樹脂の比抵抗は10〜10Ω・cm程度と金属に比べて大きいので、急激な放電が発生することはない。
【0073】
ただし、貯留タンク38の一部において金属部材としての金属板(アース板)218が接触し、誘導樋206と接する位置に金属部材としての金属板(アース板)221が設置されている。従って、遊技球との間の急激な放電を防止しつつ、帯電した遊技球からの電荷移動の程度(静電気除去効果)がさらに高くなる。すなわち、遊技球の帯電防止効果は、貯留タンク38や誘導樋209に導電性合成樹脂部材のみを用いた場合に比べて高くなっている。なお、金属板218,221が、貯留タンク38や誘導樋206と直接に接触していなくても、それらと電気的な導通がとられていれば上記の効果を奏することができる。
【0074】
また、導電性合成樹脂部材による貯留タンク38、賞球ケース40Aおよび誘導樋206と接地部(カードユニット50の接地)との間には、導電性合成樹脂部材と接地部とを電気的に接続可能な金属製の金具209が介在している。すなわち、各導電性合成樹脂部材から比較的近い箇所に設置されている金具209に対して配線を施し、金具209から一系統の配線を接地箇所まで引き延ばせばよい。従って、各導電性合成樹脂部材を直接接地する場合に比べて、接地のための配線が容易になっている。
【0075】
さらに、遊技機において、機構部のみならず、打球供給皿(上皿)3および余剰玉受皿(下皿)4を含む遊技機における遊技媒体の通路部分もステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成してもよい。すなわち、遊技機において、遊技機外部より遊技球が補給される貯留タンク38、機構部、および遊技者に払い出された遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)3および余剰玉受皿(下皿)4を含む通路部分をステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成してもよい。また、そのような遊技球の通路部分における一部がステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されていても、通路部分の全てがステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成されている場合と程度の差はあるものの、静電気除去効果を発揮させることができる。さらに、遊技機において、遊技盤6に設けられる構成部品(入賞装置や装飾部材等)も含む遊技球が接触しうる全ての部分をステンレス繊維を含有する合成樹脂で形成してもよい。
【0076】
上記の実施の形態では、遊技球と接触可能な位置に配置された導電性合成樹脂部材として、貯留タンク38、誘導樋206、払出装置の賞球ケース40A等を例示したが、遊技機におけるその他の遊技球接触箇所が、導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材で形成され、その導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように構成してもよい。なお、導電性合成樹脂部材は、カーボンを含有した合成樹脂部材でもよいが、金属を含有した合成樹脂など導電性を有していればどのようなものであってもよい。さらに、導電性合成樹脂部材が配置される所定の部位として、遊技球と接触可能な位置を例示したが、そのような部位に限らず、他の箇所に導電性合成樹脂部材を配置してもよい。例えば、遊技球と接触可能な位置には金属その他の導電性の高い部材を配置し、そのような部材と接地との間に導電性合成樹脂部材を配置してもよい。
【0077】
また、カーボンを含有した導電性合成樹脂部材と金属を含有した導電性合成樹脂部材との併用例として、機構部に設けられている貯留タンク38、誘導樋206および払出装置の賞球ケース40A等(カーボンを含有した導電性合成樹脂部材)と機構板のベース体38(導電性合成樹脂部材)とについて説明したが、カーボンを含有した導電性合成樹脂部材と金属を含有した導電性合成樹脂部材との併用は、そのような機構部における部材に限られず、遊技機における遊技球と接触可能な他の箇所において適用することもできる。
【0078】
さらには、上記の実施の形態では、ステンレスを含有する合成樹脂としてステンレス繊維をフィラーとする合成樹脂が用いられたが、フィラーとしてフレーク状等のステンレススチールを含有する合成樹脂を用いてもよい。
【0079】
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0080】
また、パチンコ遊技機に限られず、スロット機等においても、遊技媒体を払い出す払出機構が機構板に備えられている場合などには本発明を適用することができる。
【0081】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、遊技機を、導電性合成樹脂部材が所定部位に配置されるとともに、導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部が設けられた構成にしたので、そのような接地接続部を介して接地することによって、金属部材を設置し金属部材が直接接地されるように構成されている場合に比べて、大きな放電が緩和され、ノイズの発生を低減するとともに遊技媒体の帯電を解消することができる効果がある。また、記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、基板に、接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、第1のコネクタと電気的に接続され、記録媒体処理装置の接地部に配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられているので、容易に遊技機側の接地必要箇所を接地することができる。
【0082】
請求項2記載の発明では、遊技機を、遊技媒体と接触可能な位置に導電性を有する金属部材が配置され、金属部材と電気的に接続される部材であって導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材が配置され、導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部が設けられた構成にしたので、そのような接地接続部を介して接地することによって、金属部材が直接接地されるように構成されている場合に比べて、遊技媒体と接触部分との間の大きな放電が緩和され、ノイズの発生を低減するとともに遊技媒体の帯電を解消することができる効果がある。また、接触部分が導電性合成樹脂部材のみで形成されている場合に比べて、遊技媒体からの電荷移動の効果が大きくなることが期待され、帯電防止効果を増大させることができる。また、記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、基板に、接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、第1のコネクタと電気的に接続され、記録媒体処理装置の接地部に配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられているので、容易に遊技機側の接地必要箇所を接地することができる。
【0083】
請求項3記載の発明では、導電性合成樹脂部材が遊技媒体と接触しない位置に配置された金属部材と電気的に接続され、金属部材が電気的に接地されるように接地接続部が設けられた構成になっているので、遊技媒体と接触する部分を接地するための配線作業が容易である。
【0084】
請求項4記載の発明では、貯留タンクが導電性合成樹脂部材となっているので、貯留タンクにおいて、遊技媒体が帯電していても、遊技媒体の電荷を効果的に移動させて帯電を解消することができる。
【0085】
請求項5記載の発明では、樋部材が導電性合成樹脂部材となっているので、樋部材において、遊技媒体が帯電していても、遊技媒体の電荷を効果的に移動させて帯電を解消することができる。
【0086】
請求項6記載の発明では、払出装置のケース体が導電性合成樹脂部材となっているので、払出装置のケース体において、遊技媒体が帯電していても、遊技媒体の電荷を効果的に移動させて帯電を解消することができる。
【0087】
請求項7載の発明では、導電性合成樹脂部材の電気的抵抗が金属部材の電気的抵抗よりも大きいので、遊技媒体とその接触部分との間で急激な放電が生ずることが防止され、その結果、ノイズの発生が防止される。
【0088】
請求項8記載の発明では、導電性合成樹脂部材がカーボンを含有した導電性合成樹脂であって、遊技媒体と接触部分との放電を緩和するための構造を安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】 各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図である。
【図5】 機構板を遊技機表側の斜め方向から見た斜視図である。
【図6】 機構板の下部を示す部分斜視図である。
【図7】 球払出装置の構成例を示す分解斜視図である。
【図8】 帯電防止効果を説明するための説明図である。
【図9】 機構盤に取り付けられている各部材を、打球レール、払出制御基板およびカードユニットとともに示す結線図である。
【符号の説明】
36 機構板のベース体
38 貯留タンク
37 払出制御基板
39 誘導レール
40A 賞球ケース
50 カードユニット
201 発射レール
202 外レール
203 内レール
206 誘導樋
209 機構板の金具
218 アース板(金属板)
221 アース板(金属板)
231 押え金具

Claims (8)

  1. 記録媒体を用いて遊技者に遊技媒体を貸し出すための処理を行なう機能を有し接地部を有する記録媒体処理装置に電気的に接続可能であり、遊技媒体を貸し出す操作が行われたときに遊技媒体を払い出す払出装置が備えられ、遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、
    導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材が所定部位に配置されるとともに、前記導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部設けられ、
    前記記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、
    前記基板に、
    前記接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、
    前記第1のコネクタと電気的に接続され、前記記録媒体処理装置の前記接地部に前記配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられた
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 記録媒体を用いて遊技者に遊技媒体を貸し出すための処理を行なう機能を有し接地部を有する記録媒体処理装置に電気的に接続可能であり、遊技媒体を貸し出す操作が行われたときに遊技媒体を払い出す払出装置が備えられ、遊技者が遊技媒体を用いて所定の遊技を行う遊技機であって、
    遊技媒体と接触可能な位置に導電性を有する金属部材が配置され、
    前記金属部材と電気的に接続され、導電性を有する合成樹脂からなる導電性合成樹脂部材が配置され、
    前記導電性合成樹脂部材が電気的に接地されるように接地接続部設けられ、
    前記記録媒体処理装置と通信を行うための配線ケーブルが接続される基板を備え、
    前記基板に、
    前記接地接続部に電気的に接続される第1のコネクタと、
    前記第1のコネクタと電気的に接続され、前記記録媒体処理装置の前記接地部に前記配線ケーブルを介して電気的に接続される第2のコネクタとが設けられた
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 導電性合成樹脂部材は、遊技媒体と接触しない位置に配置された金属部材と電気的に接続され、
    前記金属部材が電気的に接地されるように前記接地接続部を設けた
    請求項1または請求項2記載の遊技機。
  4. 導電性合成樹脂部材は、遊技者に払い出される遊技媒体を貯留する貯留タンクを含む
    請求項1ないし請求項3記載の遊技機。
  5. 導電性合成樹脂部材は、遊技者に払い出された遊技媒体を貯留する貯留部に遊技媒体を誘導する樋部材を含む
    請求項1ないし請求項4記載の遊技機。
  6. 導電性合成樹脂部材は、遊技媒体を払い出す払出装置の外郭を形成するケース体を含む
    請求項1ないし請求項5記載の遊技機。
  7. 導電性合成樹脂部材の電気的抵抗は、金属部材の電気的抵抗よりも大きい
    請求項1ないし請求項6記載の遊技機。
  8. 導電性合成樹脂部材は、カーボンを含有した導電性合成樹脂からなる
    請求項1ないし請求項7記載の遊技機。
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