JP4639466B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前側に景品玉排出口が開口形成された前面枠と、前記前面枠の背面側に配設されると共に前記景品玉排出口に向けて景品玉を払い出すための各種の機構が装備された機構板とを備えてなる弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾球遊技機で入賞玉が発生したときには、機構板に装備される所定個数の景品玉を払い出すための各種の機構を作動させて景品玉を払い出す。機構板から払い出された景品玉は、例えばプラスチック材料で区画形成された玉誘導経路を経由して、弾球遊技機の前側に設けられた打球供給皿(いわゆる上受け皿)や、余剰玉受皿(いわゆる下受け皿)等に供給及び貯留される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遊技客の一部には、遊技に負けた腹いせにティッシュペーパー等を丸めて打球供給皿又は余剰玉受皿の景品玉排出口等に突っ込み、これにライター等で火を付けるイタズラあるいは放火をする者がある。特に余剰玉受皿は遊技機でも人目に付きにくい低い位置にあること多く、そのような放火の対象となりやすい。しかし、これが単なるイタズラであったとしても、火が遊技機の内部に燃え広がれば重大な火事ともなりかねない。それ故、そのような放火がなされても、火が遊技機内部に燃え広がり難くなるような対策を行うことが望ましい。
【0004】
また、遊技機を提供するメーカーがいわれ無き製造物責任を問われる事態を回避するためにも、有効な放火対策を行うことが望ましい。即ち、仮に遊技機の内部で火災が発生した場合、現状の遊技機では、その原因が上述のような放火によるものか、それとも遊技機の内部機構(特に電源系統)の過熱による自然発火によるものかという原因の究明が難しい。仮に小さなボヤ程度の小火災であれば、放火の痕跡も残り易くその事後的発見も容易であるので、遊技機自体の欠陥を疑われにくい。しかし、運悪くイタズラの放火が大火災に発展した場合、放火の痕跡を事後的に発見することは困難なことが多く、遊技機自体の欠陥が火災の原因とされ、メーカーが製造物責任を問われる事態も生じかねない。このような事情等もあり、有効な放火対策を行うことが望ましい。
【0005】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、景品玉排出口への放火によるイタズラがあった場合でも、火が燃え広がりにくい弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
【0007】
請求項1に記載の発明は、前面枠と、前記前面枠の下部に設けられ、前側に開口形成された景品玉排出口と、前記前面枠の背面側に配されているとともに同前面枠に対して開閉可能に設けられ、前記景品玉排出口に向けて景品玉を払い出すための各種の機構が装備された機構板と、前記機構板の下部に取り付けられ、弾球遊技機に必要な電力を供給する電源ユニットと、前記機構板に設けられ、前記景品玉を案内する玉通路部と、前記前面枠に取り付けられ、前記景品玉排出口に対して当該景品玉排出口の背後から接続するようにして配設された接続樋部材とを備え、前記機構板が前記前面枠に対して閉じている状態にて前記接続樋部材を介して前記景品玉排出口が前記玉通路部と連なる弾球遊技機において、前記電源ユニットは、前記玉通路部と前記接続樋部材との境界部位の上方であって、前記玉通路部に対して当該玉通路部を形成する通路壁部を隔てた後側に配置されており、前記通路壁部において前記境界部位と前記電源ユニットとの間となる部位に当該通路壁部から後方に凸となるようにして取り付けられているとともに、前記境界部位に沿って延びる板状をなし前記電源ユニットの下面を当該境界部位側から覆うようにして形成されている金属製の遮蔽部材を備えていることを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
景品玉排出口への放火によるイタズラがあった場合でも、火が燃え広がりにくくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0010】
手段1.前側に景品玉排出口が開口形成された前面枠と、前記前面枠の背面側に配設されると共に前記景品玉排出口に向けて景品玉を払い出すための各種の機構が装備された機構板とを備えてなる弾球遊技機において、前記前面枠の背面側であって前記景品玉排出口の近傍に、当該景品玉排出口内で発生した火が当該弾球遊技機の内部に広がるのを防止するための遮蔽部材を設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【0011】
この構成によれば、前面枠の背面側であって景品玉排出口の近傍に遮蔽部材を設けることで、景品玉排出口に対する放火があったとしても、その火が弾球遊技機の内部に広がることが遮蔽部材によって極力防止される(防火作用)。又、かかる遮蔽部材を設けることで、弾球遊技機において生じた火災が景品玉排出口に対する放火によるものか、それとも遊技機内部機構の自己発火によるものかの原因究明が容易になる(発火原因究明作用)。即ち火災が生じた場合でも、遮蔽部材を境として景品玉排出口側とその反対側とで火の燃え広がり具合に差が生じるはずであり、その差を事後的検証により確認することで発火原因を特定することが容易となる。尚、請求項1に記載した「景品玉排出口内で発生した火」には、景品玉排出口を介して外部から進入する火も含まれる。
【0012】
以下、本発明のより好ましい態様や追加的構成要件について列挙すると共に、必要に応じて簡単な注釈を加える。
【0013】
手段2.前記遮蔽部材は、景品玉排出口と、機構板に装備された各種の機構との間に設けられてなる手段1に記載の弾球遊技機。
【0014】
このように景品玉排出口と機構板の各種機構との間に遮蔽部材が介在することで、遮蔽部材の防火作用や発火原因究明作用の実効性が確保される。
【0015】
手段3.前記遮蔽部材は、景品玉排出口と、弾球遊技機に必要な電力を供給する電源ユニットとの間に設けられてなる手段1に記載の弾球遊技機。
【0016】
このように景品玉排出口と電源ユニットとの間に遮蔽部材が介在することで、遮蔽部材の防火作用や発火原因究明作用の実効性が確保される。特に、景品玉排出口への放火に起因して電源ユニットが過熱状態に陥り、電源ユニットの発火が誘発される事態が極力回避される。又、発火原因の究明に際しても、遮蔽部材があることで、景品玉排出口への放火によるものか、電源ユニットの自己発火によるものかの判別が付きやすくなる。
【0017】
手段4.前記景品玉排出口は、接続樋部材を介して機構板に設けられた余剰玉通路と連通しており、前記遮蔽部材は前記接続樋部材と余剰玉通路との境界位置又はその近傍に配置されてなる手段1に記載の弾球遊技機。
【0018】
景品玉排出口への放火によって最初に火が燃え移る可能性が高いのは接続樋部材であるため、接続樋部材と余剰玉通路との境界位置又はその近傍に遮蔽部材が存在することは好ましい。
【0019】
手段5.前記遮蔽部材は、景品玉排出口よりも上方に設けられてなる手段1〜4のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0020】
一般に火は上昇気流に乗って上方に燃え広がりやすいため、景品玉排出口よりも上方に遮蔽部材が位置することで、遮蔽部材はその機能を十分に発揮することが可能となる。
【0021】
手段6.前記遮蔽部材は、金属で構成されてなる手段1〜5のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0022】
一般に金属は難燃性であり遮蔽部材の構成材料として適している。加えて、金属には輻射熱を遮り又は反射する効果があるため、景品玉排出口内で燃える可燃物からの輻射熱を遮って、弾球遊技機の内部機構(特に電源ユニットや各種電子制御ユニット)が輻射熱の悪影響を受ける事態を回避できる。
【0023】
手段7.前記遮蔽部材は、耐火性材料、難燃性樹脂又は自己消火性樹脂で構成されてなる手段1〜5のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0024】
これらの材料又は樹脂で遮蔽部材を構成すれば、遮蔽部材に耐火性、難燃性又は自己消火性が付与され、防火作用や発火原因究明作用が高められる。
【0025】
手段8.前記景品玉排出口は余剰玉受皿用の景品玉排出口である手段1〜7のいずれかに記載の弾球遊技機。
【0026】
一般に余剰玉受皿は弾球遊技機でも人目に付きにくい低い位置にあり、その景品玉排出口は放火を受け易い。このため、余剰玉受皿用の景品玉排出口に対応させて遮蔽部材を配設することは極めて有益である。
【0027】
以下に、弾球遊技機としてのパチンコ遊技機の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、パチンコ遊技機とは、弾発された打球が遊技盤に形成された入賞口等に入賞した場合に、その入賞玉に基づいて所定個数の景品玉を払い出す形式の遊技機をいう。
【0028】
図7に示すように、パチンコ遊技機は主に、前面枠1、遊技盤2、機構板3及び外枠4から構成されている。遊技盤2は前面枠1の内側(裏側)に組み付けられている。機構板3は前面枠1に対しヒンジ機構H1を介して回動可能に取り付けられており、両者の合体時には前面枠1及び遊技盤2の背面側に機構板3が配置される。同様に、前面枠1は外枠4に対してヒンジ機構H2を介して回動可能に取り付けられており、パチンコ遊技機の使用時には、機構板3と一体化された前面枠1及び遊技盤2が外枠4内に収納される。
【0029】
図1に示すように、前面枠1及び遊技盤2はパチンコ遊技機の正面側を構成し両者が一体となって遊技者とのインターフェイスを提供する。その一体物の正面は、その略上半部を占めると共に手前にガラス板(図示略)が嵌め込まれた遊技盤領域と、その一体物の略下半部を占めると共に前面枠1に造作された操作領域とに区分できる。遊技盤領域には、各種の図柄表示装置21(例えば液晶ディスプレイ)、大小様々の入賞口22、風車23、ランプ、スピーカ、その他の遊技性を高めるための器具や装置が設けられている。
【0030】
他方、前面枠1上の操作領域には、弾発のための発射操作ハンドル24、打球供給皿としての上受け皿25、余剰玉受皿としての下受け皿26、その他の器具や装置が設けられている。上受け皿25の左寄り位置には上受け皿25用の景品玉排出口27が開口形成され、下受け皿26の中央付近には下受け皿26用の景品玉排出口28が開口形成されている。これらの景品玉排出口27,28は機構板3によって提供される玉誘導経路とつながっており、これら景品玉排出口27,28を介して上下両受け皿25,26は、機構板3に設けられた景品玉払出装置から景品玉を供給される。
【0031】
更に、遊技盤2の背面側には、前記図柄表示装置21の表示制御を司る表示制御ユニット、ランプの表示制御やスピーカの音声制御等のための各種電子制御ユニットが設けられている。これらの電子制御ユニットは、役物カバー29(図4参照)によって覆われており、図面には表れていない。又、図4に示すように、前面枠1及び遊技盤2の背面側下部領域には、発射操作ハンドル24の操作に応答して弾発動作をする発射機構10が設けられている。この発射機構10は打球モータ11を含む各種のアクチュエータや駆動関連部品から構成されている。
【0032】
次に、図2、図3及び図4を参照して機構板3の概要を説明する。機構板3は前記前面枠1及び遊技盤2の背後にあって、遊技盤2に打ち込まれた入賞を含む打球を処理したり景品玉の払出処理に関する各種機構が組み付けられた組立体である。機構板3は、図2に示すようなプラスチック製の基体上に各種の電子ユニットや機械装置類を組み付けて構成されている。機構板3の基体は主として、上部基体31、中間部基体32および下部基体33の三つを組み合わせて構成され、図2に示す背面側から見て全体として「コ」字状を呈している。前記三つの基体31〜33群によって囲まれた領域は開口領域Sとなっているが、機構板3を遊技盤2に合体させたとき、その開口領域Sには遊技盤2の背面側に突出した構造物(例えば役物カバー29)が配置される(図4参照)。なお、開口領域Sを挟んで中間部基体32と反対側には、上部基体31と下部基体33とを連結する連結補強材34が設けられているが、この連結補強材34を配設することは必須ではない。
【0033】
図2及び図4に示すように、上部基体31には、玉タンク35と、玉整列レール36と、電源用外部端子ユニット37とが設けられている。玉タンク35は、上方が解放されたボックス形状をなし、多量の景品玉を貯留する。玉整列レール36は玉タンク35の直下に配設され、玉タンク35から供給される景品玉を整列しながら下流側(中間部基体32の上部領域)に誘導する。電源用外部端子ユニット37は、外部電源(例えばAC100V)を受け入れるための端子器具であり、図4に示すように電源用外部端子ユニット37には、電源コードが接続されている。なお、玉タンク35内の景品玉が不足した場合には、玉タンク35の近傍に設けられた玉欠乏検知器(図示略)から、遊技場を管理する管理コンピュータに景品玉補給要求信号が出力される。
【0034】
中間部基体32には、その上部に通路体38が止着され、その通路体38の下方には、賞球払出装置39や貸球払出装置40等から構成される景品玉払出装置群が設けられている。通路体38内には景品玉通路が設定され、この景品玉通路を介して玉整列レール36から前記景品玉払出装置群(39,40)に景品玉が供給される。景品玉の各払出装置は、賞球モータ(例えばステッピングモータ)によってスクリューを回転し玉を一つずつ賞球センサで計数しながら、入賞に基づく景品玉を払い出す。つまり各払出装置は、モータ等のアクチュエータ類やセンサ類から構成される景品玉の供給制御駆動手段である。この供給制御駆動手段は、後述する払出制御ユニット47によって電気的に制御される。
【0035】
図3は主に下部基体33をその背面側から透視した状態を示し、図3には、下部基体33の正面側(遊技盤2の背面と対向する面)に存在している玉誘導経路を構成する壁や仕切り部が破線で示されている。図3に示すように、下部基体33の正面側には上皿連通口41が形成されている。この上皿連通口41は、景品玉払出通路(図示略)を介して前記景品玉払出装置群(39,40)とつながっており、これら景品玉払出装置群(39,40)から払い出された景品玉を最初に受け入れる受入口として機能する。この上皿連通口41はまた、遊技盤2の前面の上受け皿25と連通しており、払い出された景品玉は上皿連通口41及び景品玉排出口27を介して上受け皿25に導かれる。
【0036】
図3に示すように、下部基体33には、前記上皿連通口41の側方から下方にかけて連絡通路42が設けられ、その連絡通路42の末端(下端)は余剰玉通路43につながっている。他方、図5は前面枠1、遊技盤2及び機構板3を合体させた状態における下端部付近を背面側から斜めに見た様子を示す。図5に示すように、余剰玉通路43の端部は、プラスチック製の下部基体33の底壁部に開口している。又、余剰玉通路43の開口端にほぼ符合する位置において、前面枠1の下部背面には、下受け皿26用の景品玉排出口28が開口している。そして、図5に破線で示すように、前面枠1の下部背面には、余剰玉通路43の開口端と景品玉排出口28とを接続する通路を構成すべく接続樋部材44が取り付けられている。接続樋部材44を破線で描いたのは、図5上に余剰玉通路43と景品玉排出口28との位置関係を明示することの他に、接続樋部材44自体が景品玉の流れを外部から把握し易いように透明又は半透明なプラスチック材料で構成されることが多いためである。
【0037】
入賞に基づく景品玉が多数払い出されて上受け皿25が満杯になり、ついには上皿連通口41を区画するボックス内も景品玉で満杯になると、そのボックスから溢れ出した景品玉は連絡通路42を介して余剰玉通路43に導かれ、更にそこから接続樋部材44及び景品玉排出口28を経由して下受け皿26に排出される。なお、下受け皿26までもが満杯になった場合には、余剰玉通路43の一側壁に設けられた満タン検出器(図示略)が作動し、景品玉払出装置群(39,40)のモータ駆動が停止され、景品玉の払出し動作が不能動化される。
【0038】
更に図4及び図5に示すように、機構板3の背面側には、電源ユニット46や各種の電子制御ユニット(47,48)が装着されている。即ち、下部基体33の背面中央部右寄り位置にボックス状の電源ユニット46が装着され、その電源ユニット46の上に重ねて、払出制御ユニット47及び主制御ユニット48が配設されている。なお、払出制御ユニット47の位置は、下部基体33と中間部基体32との双方にまたがっている。
【0039】
払出制御ユニット47は、前記景品玉の払出装置39,40の動作を制御するための払出制御回路基板を収納した電子制御ユニットである。主制御ユニット48は、遊技盤2に設けられた可動式の入賞口等の遊技装置の動作を制御したり、遊技盤2に設置された各種電子制御ユニット(例えば図柄表示装置21用の表示制御ユニット)や前記払出制御ユニット47に対して制御指令を発する主制御基板を収納した電子制御ユニットである。
【0040】
電源ユニット46は、前記電源用外部端子ユニット37と給電線を介して接続されている。電源ユニット46の基本機能は、電源用外部端子ユニット37から供給される高電圧(例えばAC100V)を変圧して所定電圧(例えばDC33V,DC24V,DC12V,DC5V等)を生成し、必要な電圧値の電力を各種装置(10,11,21,39,40等)や各種電子制御ユニット(47,48等)に安定供給することである。故に、電源ユニット46の内部には大容量のコンデンサや変圧器等の電子部品が組み込まれ発熱し易い環境にある。このため図4及び図5に示すように、電源ユニット46のプラスチック製カバーケースには多数の通気孔が形成され、放熱性の向上が図られている。
【0041】
なお、電源用外部端子ユニット37が上部基体31の右端に位置するにもかかわらず電源ユニット46を下部基体33上に設置したのは、パチンコ遊技機全体の重心バランスを考慮すると、比較的重量物となりがちな電源ユニット46を低い位置に配置することが好ましいとの配慮による。かかる次第で本実施形態のパチンコ遊技機では、電源ユニット46が接続樋部材44及び景品玉排出口28に接近している。
【0042】
本実施形態のパチンコ遊技機には、特に図5に示すように、遮蔽部材50が設けられている。図6(A)及び(B)はそれぞれ、遮蔽部材50の正面及び平面を示す。これらの図に示すように、遮蔽部材50は板状の部材として提供され、遮蔽部材50の本体右半部51は本体左半部52よりも少し背が高くなるように設計されている。遮蔽部材50の本体部(51,52)の上辺及び下辺位置には、その本体部に対して略直角に折れ曲がった複数のタブ53が設けられ、各タブ53にはネジ孔が形成されている。なお、図2に示すように、下部基体33の底辺付近には、遮蔽部材50の各タブ53のネジ孔と符合するネジ孔が形成されており、双方の対応するネジ孔を一致させてネジ(図示略)を螺合することにより、遮蔽部材50が下部基体33の底辺付近に装着される。
【0043】
図5に示すように、下部基体33に装着された遮蔽部材50は、下部基体33の底面に開口した余剰玉通路43と接続樋部材44との境界面にほぼ沿って位置する。そして、その装着状態ではパチンコ遊技機の下側から見て、電源ユニット46の下面全体が遮蔽部材50の本体部(51,52)によってほぼ覆われ、又、払出制御ユニット47の下面が遮蔽部材50の本体右半部51によってほぼ覆われている。このため遮蔽部材50は、景品玉排出口28から進入する火から、景品玉排出口28の直上にある電源ユニット46及び払出制御ユニット47を守る防護材又は防火区画材として機能する。
【0044】
この遮蔽部材50の構成材料は、好ましくは金属(例えばステンレス鋼)である。金属は一般に耐火性に優れ、少々の火炎で溶融したり燃えたりすることがない。また、使用する金属としては、空気にさらされても容易に酸化せず、金属光沢又は光反射特性を長期間維持できるものが好ましく、入手のし易さ等も考慮するとステンレス鋼が好ましい。遮蔽部材50自体が金属光沢又は光反射特性を有することで、輻射熱を効果的に遮り又は反射することが可能となる。
【0045】
次に、余剰玉受皿としての下受け皿26用の景品玉排出口28と下部基体33の余剰玉通路43とを接続する接続樋部材44の直上付近に遮蔽部材50を配置したことによる作用及び効果(利点)を説明する。
【0046】
仮に何者かが下受け皿26の景品玉排出口28にティッシュペーパー等の可燃物を突っ込み、ライター等で放火したとする。景品玉排出口28の背後にある接続樋部材44はプラスチック製なので、接続樋部材44が燃える事態も想定される。しかしその場合でも、接続樋部材44の直上付近に配設された遮蔽部材50は、上方に燃え広がろうとする火を遮る。それ故、それ以上火がパチンコ遊技機内部に燃え広がる事態が回避され、自然鎮火に到らしめることができる。
【0047】
パチンコ遊技機の営業時において、電源ユニット46は前述のように発熱し易い環境にあり、ユニット内は例えば80〜95℃といった高温状態になることもある。このような高温状態にある電源ユニット46の直下において、火災が発生した場合には、可燃物からの輻射熱が電源ユニット46を更に加熱し、ユニット内の電子部品が過熱状態に陥って自己発火する虞がある。つまり、ティッシュペーパー等の火が電源ユニット46に直接燃え移るのではなく、燃えているティッシュペーパー等が輻射熱源となり、そこからの輻射熱によって電源ユニット46の過熱状態が助長される虞がある。この点、本実施形態によれば、ステンレス鋼製の遮蔽部材50は、電源ユニット46と景品玉排出口28及び接続樋部材44との間にあって、景品玉排出口28方面から電源ユニット46に向かう輻射熱を遮り又は反射して、輻射熱による電源ユニット46の加熱を極力防止することができる。従って、イタズラによる放火が引き金となって電源ユニット46が自己発火する事態を極力回避することが可能となる。
【0048】
更に、景品玉排出口28内で発生した火災の広がりを遮蔽部材50によって完全に阻止できない場合でも、遮蔽部材50を設けたことの意義は大きい。仮に上記パチンコ遊技機において遮蔽部材50を設けなかった場合、景品玉排出口28内への放火によって接続樋部材44ばかりか電源ユニット46のカバーケース及び基板までもが燃える大規模な火災となる可能性が高い。他方、本実施形態のように遮蔽部材50を設けた場合には、火の広がりを完全に阻止できなかったとしても、電源ユニット46のカバーケース及び基板の燃え方が比較的小さくて済み、プラスチック製カバーケースの一部が溶融する程度の火災でとどめることも可能である。つまり少なくとも、遮蔽部材50が存在する場合と存在しない場合とでは、上部構造物への火の燃え広がり具合に明らかな差ができる。このため、鎮火後に火災を起こしたパチンコ遊技機を検証すれば、火災の原因が放火によるものか、それとも電源ユニット46等の内部機構の自己発火によるものかの判別が付き易い。従って、パチンコ遊技機の製造メーカーがいわれ無き製造物責任を追及される事態を防止することが可能となる。
【0049】
遮蔽部材50を導電性材料(ちなみにステンレス鋼は導電性材料)で構成すると共に適切な電気的接地を施した場合には、機構板3又はその設置物で発生した静電気(静電ノイズ)をアースするための放電経路構成材として機能させることもできる。
【0050】
(変更例)上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・本発明の主要な構成要素である遮蔽部材は、図5及び図6に示すような形状の遮蔽部材50に限定されるものではなく、上下左右にもっと大きく延びる板材であってもよい。又、遮蔽部材は板状の部材である必要はなく、遮蔽材としての機能を損なわない限り、どのような形状(例えば凹凸のある形状、ブロック形状等)であってもよい。
【0051】
・遮蔽部材50の配設位置は、接続樋部材44と下部基体33との境界面に沿った位置に限定されるものではなく、放火がされやすい下受け皿26用の景品玉排出口28と、それよりも上に位置する上部構造物との間であれば、どのような位置にあってもよい。又、上受け皿25用の景品玉排出口27の背後近傍又はその直上に、前記と同様の遮蔽部材を設けてもよい。
【0052】
・遮蔽部材50は金属製である必要はなく、耐火性材料や難燃性樹脂で構成されてもよい。あるいは、遮蔽部材50を自己消火性樹脂で形成してもよい。自己消火性樹脂とは、PE樹脂、PP樹脂、PS樹脂、PVC樹脂、ABS樹脂等の汎用樹脂に有機系(リン系、ハロゲン系、塩素系等)又は無機系(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アンチモン系等)の難燃剤を添加して構成されるものであり、高温にならない限り燃焼しないような特性を有するものである。なお、前記接続樋部材44を、金属材料、耐火性材料、難燃性樹脂又は自己消火性樹脂で構成してもよい。
【0053】
・上記実施形態では、遮断部材50はそれ自体独立した一個の部材として存在したが、例えば下部基体33と一体成形された場合の一部分が遮断部材として機能するような態様で本発明が具体化されてもよい。つまり、本明細書の特許請求の範囲に記載された遮断部材とは、それ自体独立した一個の部材であるか、ある種の部材の一部分であるかを問わない概念又は構成要素である。
【0054】
以上詳述したように実施の形態によれば、弾球遊技機の景品玉排出口への放火があった場合でも、内部に火が燃え広がりにくくなる。又、火災が生じた遊技機を事後的に検証した場合に、火災の原因が放火によるものか、遊技機内部での自己発火によるものかを判別することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 弾球遊技機の正面図。
【図2】 弾球遊技機の機構板を構成する三つの基体を示す背面図。
【図3】 機構板を構成する下部基体における玉誘導経路を示す透視図。
【図4】 各種ユニットを組み付けた状態での前面枠、遊技盤及び機構板の背面図。
【図5】 前面枠、遊技盤及び機構板の下部背面側の概略を示す斜視図。
【図6】 遮蔽部材を示し、(A)はその正面図、(B)はその平面図。
【図7】 前面枠、遊技盤、機構板及び外枠の回動連結関係を示す概略平面図。
【符号の説明】
1…前面枠、2…遊技盤、3…機構板、25…上受け皿(打球供給皿)、26…下受け皿(余剰玉受皿)、27…上受け皿用の景品玉排出口、28…下受け皿用の景品玉排出口、43…余剰玉通路、44…接続樋部材、46…電源ユニット、50…遮蔽部材。
Claims (1)
- 前面枠と、
前記前面枠の下部に設けられ、前側に開口形成された景品玉排出口と、
前記前面枠の背面側に配されているとともに同前面枠に対して開閉可能に設けられ、前記景品玉排出口に向けて景品玉を払い出すための各種の機構が装備された機構板と、
前記機構板の下部に取り付けられ、弾球遊技機に必要な電力を供給する電源ユニットと、
前記機構板に設けられ、前記景品玉を案内する玉通路部と、
前記前面枠に取り付けられ、前記景品玉排出口に対して当該景品玉排出口の背後から接続するようにして配設された接続樋部材と
を備え、
前記機構板が前記前面枠に対して閉じている状態にて前記接続樋部材を介して前記景品玉排出口が前記玉通路部と連なる弾球遊技機において、
前記電源ユニットは、前記玉通路部と前記接続樋部材との境界部位の上方であって、前記玉通路部に対して当該玉通路部を形成する通路壁部を隔てた後側に配置されており、
前記通路壁部において前記境界部位と前記電源ユニットとの間となる位置に当該通路壁部から後方に凸となるようにして取り付けられているとともに、前記境界部位に沿って延びる板状をなし前記電源ユニットの下面を当該境界部位側から覆うようにして形成されている金属製の遮蔽部材を備えていることを特徴とする弾球遊技機。
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