JP4712052B2 - 太陽電池素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池素子に関する。
従来の太陽電池では、例えば厚さ200μm〜300μmのp型多結晶シリコン基板の表面全体から内部に向けてn型の拡散層が形成され、表面の受光面上に、光を閉じ込めるための微小な凹凸及び発電された電流を取り出すための表面電極が設けられている。そして、上記の微小凹凸上には、反射防止膜として、シリコン窒化膜が形成されている。他方、多結晶シリコン基板の裏面上には、裏面電極及び接続用電極が設けられている。
次に、太陽電池素子の製造方法を記載する。先ず、p型多結晶シリコン基板に対して、アルカリ溶液とアルコールとの混合液でウェットエッチングプロセスを用いるか、若しくは、RIE (リアクティブイオンエッチング)法のドライエッチングプロセスを用いて、多結晶シリコン基板の表面上に微小凹凸を形成する。この表面の凹凸は、外からの光の反射を抑えて光を基板内に閉じ込めて、光を電気に変換する効率を上げるために形成される。次に、オキシ塩化リン(POCl3)ガス中で気相拡散法によりp型多結晶シリコン基板内にn型拡散層を形成する。その上で、基板をフッ化水素溶液に浸して表面に形成された酸化膜を除去した後に、基板の表面に反射防止膜である窒化シリコンをプラズマCVD(化学的気層成長)法により形成する。次に、銀ペーストを用いて印刷法により表電極及び裏面の接続用電極の形成を行い、更に、アルミニウムペーストを用いて印刷法により裏面電極の形成を行う。そして、基板を150℃で乾燥した後に700℃〜800℃で焼成し、これにより太陽電池素子が完成される。焼成により、裏面電極は基板のシリコンと反応してアルミニウム−シリコン合金層を形成し、当該合金層の上に、金属拡散により、p+層であるBSF(Back Surface Field)層が形成される。
特開2000−114556号公報 特開2002−217435号公報
太陽電池セルの裏面一面に形成されたアルミニウム電極は、シリコンと比較して非常に大きな熱膨張率を有するため、裏面電極形成後の焼成工程で700℃〜800℃の温度で素子全体が焼成された後に冷却されたときに、裏面電極を成すアルミニウム電極の残留応力により、素子全体が凸状に反ってしまうと言う問題点があった。又、近年、シリコンの供給不測のためにシリコンの価格が高騰し、コスト低減化のために、シリコンウェハーの厚さを200μm〜300μmから200μm以下に薄くしたために、ウェハー強度が低下し、反りが大きくなると言う問題点があった。そのために、生産プロセスでの搬送エラーを引き起こし、取り出し電極への配線不良及び太陽電池モジュール組立時のクラックの発生等、基板の強度不足等に起因する不具合が発生していた。この様な不具合を解決するためには、基板の反りが小さくなる様な残留応力の小さいアルミニウムペーストを裏面全面に塗布すれば良いが、その様なアルミニウムペーストは、密着力が弱くシリコンとアルミニウムとの接合面にBSF(Back Surface Field)層が十分な厚みで形成されないため、セル特性が劣ることとなり、結果的にその様なアルミニウムペーストを使用することが出来ない。或いは、裏面電極のアルミニウムの膜厚を薄く設定することで残留応力を小さくすることが出来て素子全体の反りを小さくすることが出来るが、アルミニウムの表面上に突起物が出来易くなり基板裏面に貼り付ける樹脂膜を破ると言う不具合が発生するため、裏面電極を薄くすることが出来なかった。
そこで、例えば特許文献1に示されている様に、アルミニウムペーストを塗布しない部分をスリット状に設けて、応力を緩和して素子全体の反りを抑えると言う方法が提案されている。この方法では、多くのアルミニウムペーストが塗布されないスリットを設けるときには素子全体の反りは軽減されるものの、各スリットの上部にはBSF層が形成されないため、素子特性の劣化を惹き起こしてしまうと言う不具合が発生する。そのため、特許文献1に提案された先行技術は、実用性を欠く。
更には、例えば特許文献2に示されている様に、裏面電極を成すアルミニウム電極の厚さを部分的に変えることで素子全体の反りを抑制する方法が提案されている。しかしながら、シリコン基板が300μmの厚さでは、アルミニウム印刷膜の薄い部分が0.5mm以下の幅であっても素子全体の反りを小さくすることが出来ると言う効果が得られるが、シリコン基板の厚さは現在コスト低減化のために200μmを切り益々薄型化へと向かっており、薄いシリコン基板については、アルミニウム電極の薄い部分の面積をより大きくし、アルミニウムペーストの厚さの差をより大きく設定しないと、素子全体の反りを小さく抑えることが出来ないと言う問題点がある。
一般に、素子全体の大きな反りをもたらす残留応力が大きいペーストを用いる場合にはその上部に形成されるBSF層は厚く形成される反面、反りの小さな残留応力の小さいペーストを用いる場合にはBSF層が浅くしか形成できない。従って、残留応力の弱いペーストを用いる場合には、当該ペーストを厚く積まないと、セル特性を発揮し得るだけの十分な膜厚のBSF層を形成することが出来ず、その様に当該ペーストを厚く積層させると素子全体の反りが増えると言う不具合が起こる。
本発明は、前記の課題を解決するために成されたものであり、例えば厚さ200μm以下の薄いシリコン基板を用いても、太陽電池セルの反りを低減し且つセル特性を発揮し得るのに十分な厚みを有するBSF層を形成することが出来る結果、良好なセル特性が得られる太陽電池素子の構造および製造方法を提供することを、その目的とする。
本発明の主題による太陽電池素子は、シリコン基板と、前記シリコン基板の裏面上に形成された、接続用銀電極および当該接続用銀電極と異なる裏面電極とを備えており、前記裏面電極は、アルミニウムから成る第1裏面電極と、前記第1裏面電極の残留応力よりも小さな残留応力を有する、アルミニウムから成る第2裏面電極とを備え、前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第1裏面電極が形成されている面積比率が、前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第2裏面電極が形成されている面積比率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の主題によれば、太陽電池素子の反りが抑制され且つ良好な素子特性を有する太陽電池素子を得ることが出来る。
特に、第1及び第2裏面電極の厚みを同一に設定するときには、裏面を平坦な状態として裏面電極に対して損失を与えない構造を得ることが出来、しかも、裏面電極の厚みを変えることなく太陽電池素子の反りを抑制することが出来る。
以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
(実施の形態1)
本実施の形態の特徴点は、太陽電池素子の基板裏面上に残留応力が互いに異なる2種類以上の裏面電極を形成し、しかも、残留応力の小さい裏面電極の面積比率が残留応力の大きい裏面電極の面積比率よりも大きく、その結果、残留応力の大きい裏面電極を基板内に部分的に配置することにより、良好な素子特性を維持しつつ素子全体の反りを低減可能とする点にある。尚、本実施の形態では、前提として、後述する取り出し用の接続用電極5(図1参照)は、裏面全体に対してそれが占める面積比率が裏面電極の面積比率と比較して微小であるため、素子全体の反りには影響しないものと、考えている。
図1(a)は、本実施の形態に係る太陽電池素子の構造を示す縦断面図であり、当該太陽電池素子の上面図である図1(b)の左側の図及び下面図である図1(b)の右側の図に表示された断線A1−A2に関する縦断面図の構造を模式的に示した図に該当する。
本実施の形態では、半導体基板1として、p型の単結晶若しくは多結晶のシリコンウェハーより成るシリコン基板を用いる。シリコン基板1としては、これに限定される訳ではなく、n型のシリコン基板を用いても良い。
図1に示す様に、シリコン基板1の表面上に、高さ3μm〜10μmの微小凹凸2が形成されている。太陽電池素子の受光面側のシリコン基板1の微小凹凸2は、外部からの光を吸収する面積を増加し、反射率を抑えて、光をシリコン基板1内に閉じ込める構造となっている。その微小凹凸2の表面上には、例えばシリコン窒化膜から成る反射防止膜3が設けられており、外部からの光の反射率を抑えて光の吸収を向上させている。又、シリコン基板1の表面には、表面電極4が配設されている。即ち、数本の幅3mmの太い電極(バス電極)4Bと、複数本の幅0.1mmの細い電極(グリッド電極)4Gとが直角に交わって配置されることで、表面電極4が形成されており、表面電極4は光から変換された電子を収集する。
他方、シリコン基板1の裏面上には、取り出し用の接続用電極(例えば銀より成る。)5と裏面電極6とが形成されている。特に、裏面電極6は、(1)密着性が良く深いBSF層を形成できる残留応力が強い第1裏面電極7と、(2)密着性が少し劣るがBSF層が浅く第1裏面電極7と比較して残留応力が弱い第2裏面電極8とから、構成されている。この第1裏面電極7と第2裏面電極8とは、裏面上異なる位置に配置されており、しかも、シリコン基板1の裏面全体に対して第1裏面電極7が占める面積比率は、シリコン基板1の裏面全体に対して第2裏面電極8が占める面積比率よりも小さい。図1の例では、第1裏面電極7がドット状に裏面内に部分的に配置されていることで、上記の面積比率の大小関係が実現されている。この様な構造により、素子全体に関して残留応力が少なく反りを小さく抑制可能で且つ良好な素子特性を発揮し得るための十分な膜厚を有するBSF層10を形成することが出来る。加えて、本実施の形態の各例及び後述する実施例では、第1裏面電極7の厚みと第2裏面電極8の厚みとが同一に設定されている。この設定により、製造上の容易性に加えて、電極厚みを互いに代えたときに生じる凸状の一方の裏面電極が損失する自体を回避することが出来る。但し、両裏面電極7,8の電極厚みを互いに異なる値に設定した場合に於いても、既述した利点、即ち、残留応力が少なく素子全体の反りを小さく抑制可能で且つ良好な素子特性を発揮し得るための十分な膜厚を有するBSF層10を形成することが出来ると言う利点は、同様に得られる。
図1に示す様に、裏面電極6の上には、裏面電極6を成すアルミニウムとシリコン基板1の表面とが製造時の焼成熱のために合金化して、アルミニウム−シリコン合金層9が形成されている。尚、このアルミニウム−シリコン合金層9は、その形成時に図1の紙面の横方向にも流れ出して、接続用電極5の上部にまで形成されている。更に、アルミニウム−シリコン合金層9の直上には、製造時にアルミニウムがシリコン表面に拡散して、p+層であるBSF10が形成されている。特に、図1(a)に例示する様に、第1及び第2裏面電極7,8を成す各アルミニウムの既述した材質の相違から、第1裏面電極7の上部には、比較的に厚いアルミニウム−シリコン合金層9Aと比較的に厚いBSF層10Aとが形成され、他方、第2裏面電極8の上部には、第1裏面電極7の場合と比較して、より薄いアルミニウム−シリコン合金層9B及びより薄いBSF層10が形成される。
尚、表面側のシリコン基板1内部には、n型層(図示せず)が形成されている。
以下に、図1を参照しつつ、本実施の形態に係る太陽電池素子の製造方法を記載する。
先ず、p型シリコン基板1をフッ化水素又は純水で洗浄した後に、シリコン基板1の表面上に微小凹凸2を形成する。表面上に微小凹凸2を形成する工程に関しては、例えばアルカリ溶液NaOHとイソプロピルアルコールとの混合溶液内にシリコン基板1を浸し、シリコン基板1の表面上の凹凸部の段差が10μmと成るまでウェットエッチングを行う。又は、RIE等のドライエッチングプロセスで以って、シリコン基板1の表面を微小な凹凸形状に形成しても良い。この場合、ウェットエッチングの様にシリコン結晶の面方位によらず、より小さな1μm〜3μmの高さの突起形状を均一に作製することが出来る。
そして、その表面上に微小凹凸2を形成した後のシリコン基板1をオキシ塩化リン(POCl3)ガス中で気相拡散法により高温で熱拡散させて、表面側のシリコン基板1の内部に、n型層(図示せず)を形成する。このときに拡散させるリンの濃度は、オキシ塩化リンガスの濃度及び温度雰囲気、並びに加熱時間により、制御することが可能である。拡散後のシリコン基板1のシート抵抗は、50Ω〜65Ωの範囲内の値となる。
熱拡散工程後に、微小凹凸2の表面上に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の形成にはプラズマCVDを用い、シランとアンモニアとの混合ガスを用いて、膜厚が80nmの窒化シリコン膜を、反射防止膜3として、形成した。
次に、シリコン基板1の裏面上に、裏面電極6を形成する。その際、シリコン基板1の裏面のほぼ全体に亘って、裏面電極6を形成する。裏面電極6の形成方法としては、印刷法、インクジェット法、スパッタ法、又は蒸着法等を用いても良いが、形成の容易さと工程時間とを考慮して、印刷法を選択する。シリコン基板1の裏面上に形成される電極の内で、接続用電極5、第1裏面電極7、及び第2裏面電極8の形成順序に関しては特に規定しないが、ここでは熱膨張率の低い前記の順序で以って各電極5,7,8を印刷・形成する。そこで、先ず、銀ペーストを用いたパターン印刷を行うことで、裏面上に接続用電極5を形成する。その次に、シリコン基板1の裏面上に、その面積比率が第2裏面電極8の面積比率よりも小さくなる様な形状・配置に於いて、第1裏面電極7を印刷する。第1裏面電極7の印刷・形成には、残留応力が100MPa以上で素子特性を発揮するのに十分な膜厚を有するBSF層10が形成されるアルミニウムのペーストを利用する。尚、ここでは残留応力が100MPa以上と規定しているが、この残留応力の境界値は、シリコン基板1との関係で変わる。第1裏面電極7は残留応力が比較的に大きいアルミニウムからなるので、素子全体ないしは基板1の反りを抑えるためには、第2裏面電極8のパターンよりも、各第1裏面電極7の面積を小さくして、(第1裏面電極7の面積比率)<(第2裏面電極8の面積比率)の関係を満足させることが必要である。接続用電極5と第1裏面電極7とは各々の位置がずれない様に、従って、シリコン基板1上の接続用電極5のパターンと第1裏面電極7の印刷マスクパターンとが合わせ重ならない様に、第1裏面電極7の印刷を行う。次に、同様に、接続用電極5及び第1裏面電極7が形成されたシリコン基板1の裏面上の電極パターンとこれから形成すべき第2裏面電極8の印刷マスクパターンとの位置合わせを、第2裏面電極8の印刷マスクパターンが裏面上に既に印刷されている電極パターンと重ならない様に行って、裏面上に第2裏面電極8を印刷する。第2裏面電極8の印刷・形成に於いては、第1裏面電極7の印刷で用いたアルミニウムペーストよりも残留応力の小さなアルミニウムペーストを用いる。位置合わせ精度については、印刷装置、印刷マスク、ペーストの広がり、及び印刷マスクパターンの経時変化により変わるので、設計としては、第2裏面電極8が20μm程度、第1裏面電極7に重なる様に設計しても良い。又、第1裏面電極7及び第2裏面電極8の各アルミニウム材料の間に残留応力の大きな差があり、両電極7,8が重なっても素子全体の反りに大きく影響しない様であれば、第2裏面電極8を第1裏面電極7に重ねて印刷することとしても良い。
裏面電極6を形成した後、150℃で10分間の乾燥工程を通過した後に、表面電極4の形成を行う。表面電極4の形成方法としても、印刷法、インクジェット法、スパッタ法、又は蒸着法等を用いることが出来るが、形成の容易さと工程時間とを考慮して、形成方法として印刷法を選択する。表面電極4の材料には、銀を用いたペーストを使用する。そして、印刷により、バス電極4Bの幅が2mmで、その電極間隔が70mm、グリッド電極4Gの幅が0.1mmで、その電極間隔が2mmから成る表面電極4を形成した上で、表面電極4を、温度150℃で10分間、乾燥する。
次に、830℃(所定の温度)で表面電極4並びに第1及び第2裏面電極7,8を焼成して、銀より成る表面電極4のシリコン基板1へのコンタクト、及び、裏面電極6の上部へのBSF層10の形成を行い、以って太陽電池セルの完成となる。
(変形例)
以下に、第1裏面電極7及び第2裏面電極8の印刷パターンについて述べる。第1裏面電極7のアルミニウムペーストは、その残留応力は強いけれども、BSF層10の形成が深く且つ密着性が強いので、この第1裏面電極7をどの様に配置するかに応じて、太陽電池セルの反り、セル性能、及び膜密着力が変わってくる。
例えば、図2の下面図に示す様な、縦方向若しくは横方向に延在するストライブ状の電極として、第1及び第2裏面電極7,8を交互に配置する構成が考えられる。この場合には、図2に示す様に、ストライブ状の第1裏面電極7の幅寸法は、ストライブ状の第2裏面電極8の幅寸法よりも短く設定される。そして、(第1裏面電極7の面積比率)<(第2裏面電極8の面積比率)の関係を成立させる。この変形例では、縦又は横の1方向への素子全体の反りを抑制して小さくすることが出来る。
或いは、図3の下面図に模式的に示す様に、第1裏面電極7を縦横に格子状に配置する構成の採用が考えられる。この格子状配置の場合には、格子を成す夫々の電極7の幅及び/又はピッチを変えることで、(第1裏面電極7の面積比率)<(第2裏面電極8の面積比率)の関係を制御することが可能である。この構成により、素子全体が偏って反るのを抑制して反りを小さくすることが出来る。尚、図3の構成を作成したが、周辺部で反りが大きい場合には、基板1の裏面の中心部で格子のピッチを細かく設定し且つ周辺部で格子のピッチを荒く設定することで、又は、裏面の中心部で格子の幅を広く設定し且つ周縁部で格子の幅を狭く設計することで、(第1裏面電極7の面積比率)<(第2裏面電極8の面積比率)の関係を満たし且つ素子全体の反りを相対的に小さく抑制することが対処可能である。
シリコン基板1が薄く且つ反りが抑えられない場合には、図4の下面図に模式的に示す様に、ドット状に第1裏面電極7を形成することが考えられる。この場合にも、ドットの形状、面積、及び分布を適宜に設定することにより、(第1裏面電極7の面積比率)<(第2裏面電極8の面積比率)の関係を満たして、素子全体の部分的な反りをより小さくなる方向へと調整することが出来る。
又、その他に、第1裏面電極7の形状及び配置に関して、同心円状にライン又はドットの分布を形成したりすることで、素子全体の反りを抑えることが可能である。
実験では、150mm角、厚さ0.18mmのp型多結晶シリコン基板1を用いて行った。受光面は前記構造を備えるものとし、裏面電極6に用いたペーストとしては、第1裏面電極7のペーストには、温度830℃で焼成後の残留応力が120MPaのアルミニウムペーストを使用した。そして、第2裏面電極8のペーストには、温度830℃で焼成後の残留応力が60MPaのアルミニウムペーストを使用した。この2種類のアルミニウムペーストを用いて実施の形態1で既述した製造方法で以って、ドット状の第1裏面電極7を、その直径が0.2mm、そのピッチが1.0mmとなる様に印刷・形成し、銀電極の接続用電極5の形成部分を除くその他の裏面部分上に第2裏面電極8を形成して太陽電池素子の作製を行い、素子全体の反り量及び素子の特性を、太陽光シミュレータを用いて測定した。
その結果、試作した太陽電池素子の最大反り量を1.7mmに抑えることが出来た。しかも、セル特性に関しても、短絡電流Jsc(mA/cm2)、開放電圧Voc(mV)、及びFF(%)のそれぞれについて、32.50mA/cm2、610mV、及び0.765と言う結果が得られ、第1裏面電極のみを裏面電極として用いたサンプルと比較して、ほぼ同等の性能が得られており、且つ、反り量を約半分にすることが出来た。
尚、太陽電池素子の反り量に関しては、図5に示す様に、焼成後の反った太陽電池素子を平らな光学台の上に置き、太陽電池素子の中央が低く且つ周辺部が高くなる様に、裏面が上になる様に太陽電池素子を置いて、角4点の高さΔtをレーザー変位計で測定し、一番大きな値を最大反り量として比較した。
以上の実施の形態1、変形例及び実施例の記載では、何れも裏面電極が、残留応力が互いに異なる2種類の電極の組み合わせから構成されている一例を示しているが、本発明はこの構成に限られるものではなく、残留応力が互いに異なる3種類以上の電極の組み合わせから裏面電極が形成されている場合に於いても、同様の面積比率の関係が成立する限りに於いて、適用可能である。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
例えば、本発明に係る太陽電池素子を太陽光発電に適用することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る太陽電池素子の構成を模式的に示す図である。 ストライプ状の裏面電極の配列を模式的に示す下面図である。 格子状に形成された第1裏面電極の構成を模式的に示す下面図である。 ドット状に形成された第1裏面電極の構成を模式的に示す下面図である。 実施例に於いて基板の反りの測定を示す図である。
符号の説明
1 シリコン基板、2 微小凹凸、3 反射防止膜、4 表面電極、5 接続用電極、6 裏面電極、7 第1裏面電極、8 第2裏面電極、9 アルミニウム−シリコン合金層、10 BFS層。

Claims (6)

  1. シリコン基板と、
    前記シリコン基板の裏面上に形成された、接続用銀電極および当該接続用銀電極と異なる裏面電極とを備えており、
    前記裏面電極は、
    アルミニウムから成る第1裏面電極と、
    前記第1裏面電極の残留応力よりも小さな残留応力を有する、アルミニウムから成る第2裏面電極とを備え、
    前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第1裏面電極が形成されている面積比率が、前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第2裏面電極が形成されている面積比率よりも小さいことを特徴とする、
    太陽電池素子。
  2. 請求項1記載の太陽電池素子であって、
    前記第1裏面電極の厚みと前記第2裏面電極の厚みとが同一であることを特徴とする、
    太陽電池素子。
  3. 請求項1又は2に記載の太陽電池素子であって、
    前記第1裏面電極と前記第2裏面電極とがストライプ状に交互に前記シリコン基板の前記裏面上に形成されており、
    前記ストライプ状の第1裏面電極の幅は前記ストライプ状の第2裏面電極の幅よりも小さいことを特徴とする、
    太陽電池素子。
  4. 請求項1又は2に記載の太陽電池素子であって、
    前記第1裏面電極が格子状に前記シリコン基板の前記裏面上に形成されていることを特徴とする、
    太陽電池素子。
  5. 請求項1又は2に記載の太陽電池素子であって、
    前記第1裏面電極がドット状に前記シリコン基板の前記裏面上に形成されていることを特徴とする、
    太陽電池素子。
  6. シリコン基板の裏面上に、接続用銀電極および当該接続用銀電極と異なる裏面電極を形成する工程と、
    前記裏面電極を所定の温度で焼成する工程とを備えており、
    前記裏面電極は、
    アルミニウムから成る第1裏面電極と、
    前記第1裏面電極の残留応力よりも小さな残留応力を有する、アルミニウムから成る第2裏面電極とを備え、
    前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第1裏面電極が形成されている面積比率が、前記シリコン基板の前記裏面全体に対する前記第2裏面電極が形成されている面積比率よりも小さいことを特徴とする、
    太陽電池素子の製造方法。
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