JP4710167B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素が結合された色素結合電極を含む色素増感型の太陽電池に関し、特に、それに用いられる電解液の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
色素増感型の太陽電池は、シリコン太陽電池と比べ、製造プロセスの簡便さ、低コストなどの理由から近年注目を浴び、盛んに研究がなされている。従来の色素増感型太陽電池の解決すべき問題のひとつに光に対する耐性、すなわち耐光性が十分と言えないということがある。耐光性を劣化させる原因の一つに水分がある。
【0003】
色素増感型太陽電池は酸化チタンに代表される酸化物半導体が用いられており、この酸化物半導体は光触媒として働き、水分や酸素が共存する系では一般的にヒドロキシラジカルや活性酸素を生成させる。このようなヒドロキシラジカルや活性酸素は非常に強い酸化剤として働き、色素を分解したり、電解液を脱色したりする。このため、セル内部、特に電解液中に水分や酸素を含ませないようにすることが必要である。
【0004】
電解液の脱水に関する従来技術として、特開2000−323189号公報には、電解液に用いる溶媒を蒸留したり、電解液に使用する化合物を再結晶、真空乾燥を行うなどして使用する原料そのものを予め脱水等する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶媒の蒸留などの原料の精製では、コストが高くなってしまい、工業的な観点からの優位性は低いといえる。また、これらの所定の精製処理を行った原料を用いても電解液として調製する際に、空気中の水分が必ず入り込んでしまう。電解液の封止作業を行う際に、封止剤から水分がでることも多い。
【0006】
さらに、上記提案の方法では、電池を製造した後に入り込んでくる水分に関しては、何ら考慮されておらず、電池特性の長期の安定性は望めない。
【0007】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、電池特性の長期の安定性に優れ、しかも工業的に製造が容易である色素増感型の太陽電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、前記脱水作用剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-プロピル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド過塩素酸塩、1-シクロヘキシル-3-2-(モルフォリノエチル)カルボジイミド-メソ-p-トルエンスルホン酸塩中から選ばれる少なくとも1種であるように構成される。
【0009】
本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、前記脱水作用剤は、中性乾燥剤からなり、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種であるように構成される。
【0010】
本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、前記脱水作用剤は、酸性乾燥剤である塩化亜鉛、五酸化リンの中から選ばれる少なくとも1種であるように構成される。
【0015】
本発明においては、原料中の水分だけでなく、セル製造時に混入する水分を取り除くことが可能となる。また、長期間継続的にセル内部の脱水状態を保つことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の色素増感型太陽電池の実施の形態について詳細に説明する。図1には、本発明の色素増感型太陽電池の模式的構成例が示される。図1に示されるように、本発明の色素増感型太陽電池1は、2つの電極10,30が例えば電解液5を介して対向配置された構成をなしている。2つの電極のうち一方の電極10は、有機色素を備える色素結合電極10であり、このものは、例えば、基板20と、この上に形成された透明導電性層22と、その導電性層22の表面に形成された酸化物半導体膜4と、その酸化物半導体膜の表面に結合された有機色素膜7を有して構成されている。
【0017】
本発明の要部は、電解液5の中に所定の脱水作用剤を含有させている点にある。本発明で好適に用いられる脱水作用剤としては、以下の〔1〕〜〔5〕のものが挙げられる。最も好ましいものは下記〔1〕のカルボジイミド類である。
【0018】
〔1〕下記式(I)で示されるカルボジイミド類
【0019】
【化3】
Figure 0004710167
【0020】
上記式(I)において、R1およびR2はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシル基、アシル基、カルバモイル基、二トリル基、アミノ基、アミド基、ホスフォリル基、ホスフィノイル基、チオホスフォリル基、ホスファニル基、チオール基、チオカルバモイル基、チオアルキル基、チオアミノ基、シリル基、シラノール基、スルフォニル基、ゲルミル基、スタニル基を表す。R1およびR2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0021】
Xはアルキル鎖、エーテル鎖、シリル鎖、アシル鎖を表す。
nは0以上の整数を表す。好ましいnの範囲は、0〜2である。
【0022】
このようなカルボジイミド類は、-N=C=N-の構造を持ち、化学的に水を取り込んで-NH-C(O)-NH-となる。このため電解液中の水分等を脱水する効果を得ることができる。具体的化合物を例示すると、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-プロピル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド過塩素酸塩、1-シクロヘキシル-3-2-(モルフォリノエチル)カルボジイミド-メソ-p-トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0023】
このようなカルボジイミド類の電解液中における含有率は、0.001〜50wt%、好ましくは、0.5〜30wt%の範囲とされる。含有率が0.001wt%未満となると、本願発明の脱水作用効果が十分とはいえなくなる傾向が生じる。また、50wt%を超えると、電解液そのものの作用が阻害されてしまう傾向が生じ、電池としての特性が悪くなってしまう。
【0024】
〔2〕物理吸着乾燥剤
好適例として、モレキュラーシーブ、アルミナ、シリカゲルなどが挙げられる。これらは物理的に水を吸着するものであり、一般的な脱水剤として広く使用されているものである。これら脱水作用剤を電解液に混入させることにより電解液中の水分を脱水する効果を得ることができる。その結果、太陽電池の耐光性向上させ、電池特性性の長期の安定性を図ることができる。電解液中における含有率は上記〔1〕の場合と同様である。
【0025】
なお、モレキュラーシーブ(Molecular sieves)としては、ナトリウムアルミノシリケートやナトリウムカリウムアルミノシリケート等の化学名を持つものが代表例として挙げられる。
【0026】
〔3〕中性乾燥剤
好適例として、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウムなどが挙げられる。これらは結晶水などとして化学的に水を取り込む脱水作用剤であり、水分子を取り込んだ化合物は通常の条件では水を脱着できない。このため、これら脱水作用剤を導入することで電解液中の水分を脱水する効果を得ることができる。電解液中における含有率は上記〔1〕の場合と同様である。
【0027】
〔4〕酸性乾燥剤
好適例として塩化亜鉛、五酸化リンが挙げられる。これらは乾燥時に系を酸性化させるため酸性物質の乾燥に用いられる。これら脱水作用剤を導入することで電解液中の水分を脱水する効果を得ることができる。電解液中における含有率は上記〔1〕の場合と同様である。
【0028】
〔5〕塩基性乾燥剤
好適例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、水素化カルシウム、ソーダ石灰などが挙げられる。これらは乾燥時に系を塩基性化させるため塩基性物質の乾燥に用いられる。これら脱水作用剤を導入することで電解液中の水分を脱水する効果を得ることができる。電解液中における含有率は上記〔1〕の場合と同様である。
【0029】
なお、上述してきた脱水作用剤は、1種類のみの使用ではなく、複数種組み合わせて使用してもよい。
【0030】
このような脱水作用剤が含有される電解液5の電解質としては、いわゆるレドックス電解質を用いることが好ましい。レドックス電解質としては、I-/I3-系や、Br-/Br3-系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3-系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。
【0031】
電解液5を作製するに際に用いられる溶媒としては、電気化学的に不活性なもの、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。
【0032】
次いで、有機色素を備える色素結合電極10について説明する。このものは上述のごとく、例えば、基板20と、この上に形成された透明導電性層22と、その導電性層22の表面に形成された酸化物半導体膜4と、その酸化物半導体膜の表面に結合された有機色素膜7を有して構成されている。
【0033】
基板20としては、光透過性の基板であれば特に制限はなく、例えば、ガラス基板、透明樹脂基板、無機透明結晶体などが用いられる。
【0034】
透明導電性層22としては、例えば、In23やSnO2などの金属酸化物導電体が好適に用いられる。
【0035】
酸化物半導体膜4を構成する酸化物半導体材料としては、公知の種々のものが用いられる。具体的には、Ti、Nb、Zn、Sn、Zr、Y、La、Ta等の遷移金属の酸化物の他、SrTiO3、CaTiO3等のペロブスカイト系酸化物等が挙げられる。酸化物半導体膜4を構成する酸化物半導体材料は、できるだけ微粒子であることが好ましく、その平均粒径は200nm以下、好ましくは30nm以下である。好適な具体的製造例は後述の実施例を参照されたい。
【0036】
このような酸化物半導体膜4の上には、有機色素膜7が形成される。有機色素膜7は、酸化物半導体膜4の上に有機色素を単分子膜として化学的に結合させるように形成させることが好ましい。このためには、有機色素を有機溶媒に溶解させて形成した有機色素溶液中に、酸化物半導体膜4を表面に備える基板全体を浸漬し、有機色素を酸化物半導体膜4の例えばチタンの水酸基と反応させるか、または残ったアルコキシド基と置換するようにすればよい。
【0037】
本発明で用いられる有機色素は、酸化物半導体膜4(特に酸化チタン膜)を構成する金属酸化物と化学的に結合することができる色素が好ましく、分子内にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、もしくは水酸基を有するものが好ましい。具体的には、ビピリジルRu錯体、タ−ピリジルRu錯体、フェナントロリンRu錯体、ビシンコニン酸Ru錯体などのRu錯体、エオシンY、ジブロモフルオレセイン、フルオレセイン、ロ−ダミンB、ピロガロ−ル、ジクロロフルオレセイン、エリスロシンB、フルオレシン、マ−キュロクロム等の有機色素が挙げられる。
【0038】
酸化物半導体膜4の好ましい態様である酸化チタン膜表面に、有機色素を単分子として吸着させるには、有機色素を有機溶媒に溶解させて形成した有機色素溶液中に、酸化チタン膜を基板とともに浸漬すればよい。この場合、有機色素溶液が、多孔質構造膜である酸化チタン膜の内部深く進入するように、その膜を有機色素への浸漬に先立ち、減圧処理したり、加熱処理して、膜中に含まれる気泡をあらかじめ除去しておくのが好ましい。浸漬時間は30分〜24時間程度である。色素の吸着を効率よく行うため、還流処理を行っても良い。また、浸漬処理は、必要に応じ、複数回繰り返し行うこともできる。前記浸漬処理後、有機色素を吸着した酸化チタン膜は、常温〜80℃で乾燥する。
【0039】
本発明においては、酸化チタン膜に吸着される有機色素は、1種である必要はなく、必要によっては光吸収領域の異なる複数の有機色素を吸着させることができる。これによって、光を効率よく利用することができる。複数の有機色素を膜に吸着させるには、複数の有機色素を含む溶液中に膜を浸漬する方法や、有機色素溶液を複数用意し、これらの溶液に膜を順次浸漬する方法等が挙げられる。有機色素を有機溶媒に溶解させた溶液において、その有機溶媒としては、有機色素を溶解しうるものであれば任意のものが使用可能である。このようなものとしては、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。溶液中の有機色素の濃度は、溶液100ml中、1〜200mg、好ましくは10〜100mg程度である。
【0040】
なお、色素結合電極10と対をなす対向電極30としては、導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3-イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
【0041】
本発明の太陽電池1は、一般に、前記色素結合電極10、電解質含有体5及び対向電極30をケース内に収納して封止するか又はそれら全体を樹脂封止した状態で形成される。この場合、色素を結合した電極(色素結合電極)10には光があたる構造とする。このような構造の電池は、色素結合電極10に太陽光又は太陽光と同等な可視光をあてると、色素結合電極10とそれと対向する電極30との間に電位差が生じ、両電極10,30間に電流が流れるようになる。
【0042】
【実施例】
次に本発明の具体的な実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0043】
〔実験例I〕
酸化チタンゾル液の調整
チタンイソプロポキシドを以下のように加水分解することにより、酸化チタンゾル液を調整した。
【0044】
125mlのチタンイソプロポキシドを、0.1M硝酸水溶液750mlに攪拌しながら添加した。これを80℃で8時間激しく攪拌した。得られた液体をテフロン製の圧力容器内で230℃、16時間オ−トクレ−ブ処理した。沈殿物を含むゾル液を攪拌により再懸濁させた。吸引濾過により、再懸濁しなかった沈殿物を除き、エバポレ−タ−で酸化チタン濃度が11wt%になるまでゾル液を濃縮した。基板への塗れ性を高めるため、Triton X-100を1滴添加した。
【0045】
次に、酸化チタン膜の焼成時におけるクラックの発生および導電性表面からの膜の剥離を防止するため以下のようにチタンアルコキシドをゾル液に添加した。
すなわち、上記ゾル液を攪拌しながら、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンとアセチルアセトンの80:20混合液を少しづつ添加した。添加終了後、1時間攪拌した。
【0046】
なお、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの添加量は3.4g(酸化チタン微粒子重量に対し10重量%)としてサンプルを作製した。
【0047】
色素結合電極(酸化チタン電極)の作製
上記のように調整したチタンアルコキシド添加ゾル液を用いて、以下の要領で酸化チタン電極を作製した。
【0048】
縦2.0cm、横1.5cm、厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2、シ−ト抵抗10Ω/□)の導電膜面側に、縦0.5cm、横0.5cmの四角穴を設けた厚さ70μmのマスキングテ−プを貼り、穴の端部に前記チタンアルコキシド添加ゾル液3μl(マイクロリットル)をピペットで添加した。このゾル液を縁が平らなガラス板を用いて引き延ばすことにより基板上に広げた。このように広げた膜を空気中で30分間乾燥し、乾燥後マスキングテ−プを剥がし取った。次に、電気炉を用いて500℃で30分間焼成した。昇温速度は2℃/minとした。
【0049】
焼成後、基板温度が80℃まで下がったところで、増感色素として(4,4’−ジカルボン酸−2,2’−ビピリジン)ルテニウム(II)ジイソチアネ−トを3×10−4M濃度で添加の無水エタノ−ル溶液20mlに浸漬し、12時間放置した。
【0050】
放置後、酸化チタン電極を取り出し無水アセトニトリルで洗浄した。基板上の酸化チタン膜は吸着されたルテニウム色素により深紅色となった(色素結合電極サンプルの作製)。
【0051】
対向電極の準備
対向電極は、1mmφの穴が2ヶ所存在する導電性ガラス基板の導電膜面側に、白金を100nmの厚さでスパッタリングしたものを用いた。
【0052】
電解液の調製
テトラプロピルアンモニウムヨージド(0.45M)とヨウ素(0.06M)を含むプロピレンカ−ボネ−トを用いた。この電解液に下記表1に示される脱水作用剤をそれぞれ表1に示される濃度(wt%)で含有させて、各種の電解液を作製した。
【0053】
太陽電池の作製
上記の両電極および電解液を用いて、下記の要領で太陽電池サンプルの作製および評価を行った。
【0054】
作用電極である色素結合電極(酸化チタン電極)と対向電極を張り合わせるスペーサーとして、三井デュポンポリケミカル社製ハイミラン(厚さ50μm)を使用した。なお、このスペーサーは、作用電極と張り合わせたときに、色素の吸着した酸化チタン膜と重なり合う中央部分が刳り貫くかれており、この刳り貫かれた空間部分に脱水剤を含む電解液が貯蔵できるようになっている。これを用いて、作用電極の色素の吸着した酸化チタン膜側と対向電極の白金をスパッタリングした側を張り合わせた。
【0055】
その後、対向電極に予め形成させておいた2つの穴のうち1方の穴から、脱水作用剤を含む電解液を導入した。電解液が電池内部に導入されるように充分な時間放置した。その後、対向電極の裏面側から封止板として1枚のハイミランと1枚のカバーガラスを順次積層して2つの穴を塞ぎ、電解液を封止した。このようにして表1に示される各種の電池サンプルを作製した(電解液中に用いた脱水作用剤が異なる)。
【0056】
なお、表1における比較例1サンプルは、電解液をつくる際に、電解液中に本願の脱水作用剤を含有させなかった。電解液の溶媒として、三菱化学社製プロピレンカーボネート(水分量30mg/L以下が保証されているもの)を用いた。
【0057】
電池特性の評価
光源として100mW/cm2のキセノンランプを用いて、後述の経時劣化試験を開始する前に、開放電圧(Voc)および光電流密度(Jsc)の測定を行い、これらの値を初期電池特性とした。開放電圧(Voc)とは、太陽電池セル・モジュールの出力端子を開放したときの両端子間の電圧を表している。光電流密度(Jsc)とは、太陽電池セル・モジュールの出力端子を短絡させたときの両端子間に流れる電流(1cm2当たり)を表している。
【0058】
次いで、各サンプルを温度30℃、湿度50%RHの雰囲気下、100mW/cm2(キセノンランプ)を照射し続けた状態で、上記の光電流密度(Jsc)の経時的変化を測定し、光電流密度(Jsc)が初期電池特性の−10%となったときの時間を求めた。この時間を長期電池特性とした。この値が大きいほど、電池を作製した後における水や酸素に対する耐久性が優れていることになる。なお、実験に際し、紫外光部分は、UVカットフィルターGG435を用いてカットした。
結果を下記表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004710167
【0060】
表1の結果より、本実施例サンプルでは、初期特性Voc、Jscが劣化することなく長期電池特性が大きく改善されており、脱水作用剤を加えた効果は極めて顕著である。
【0061】
〔実験例II〕
上記実験例Iにおける各実施例サンプルの作製において、電解液として用いたプロピレンカーボネートをアセトニトリルに変えた。それ以外は上記実験例Iと同様にして実験例IIの各実施例サンプルを作製した。これらの実験例IIにおける各実施例サンプルについて、上記と同様な電池特性の評価を行ったところ、実験例Iのそれらとほぼ同様の効果が得られることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、それらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解液中に脱水作用剤を含有させてなるよう構成されているので、電池特性の長期の安定性に優れ、しかも工業的に製造が容易であるという極めて優れた効果が発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感型太陽電池の模式的構成例を示した図面である。
【符号の説明】
1…色素増感型太陽電池
4…酸化物半導体膜
5…電解液
7…有機色素膜
10…色素結合電極
20…基板
22…透明導電性層
30…電極

Claims (3)

  1. 表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、
    前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、
    前記脱水作用剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-プロピル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド過塩素酸塩、1-シクロヘキシル-3-2-(モルフォリノエチル)カルボジイミド-メソ-p-トルエンスルホン酸塩中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、
    前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、
    前記脱水作用剤は、中性乾燥剤からなり、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  3. 表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解液とを有する色素増感型太陽電池であって、
    前記電解液中に脱水作用剤が含有されており、
    前記脱水作用剤は、酸性乾燥剤である塩化亜鉛、五酸化リンの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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