JP4095289B2 - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素が結合された色素結合電極を含む色素増感型の太陽電池に関し、特に、それに用いられる電解質含有体の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、色素で増感された酸化物半導体電極を含む湿式の太陽電池が知られている。Nature, 261 (1976) p.402によれば、酸化亜鉛粉末を圧縮成型し、1300℃で1時間焼結して形成した焼結体ディスク表面に、増感用色素としてローズベンガルを吸着させた酸化物半導体電極を用いた太陽電池が提案されている。
【0003】
しかしながら、当該提案における太陽電池の電流/電圧曲線によれば、0.2Vの起電圧時の電流値は約25μA程度と非常に小さいものである。
【0004】
ところで、太陽電池に関する研究は近年さらに進み、透明導電性膜上に多孔質の二酸化チタン膜を形成し、この表面に増感色素としてRuジピリジル錯体を吸着させ、またヨウ素を電子メディエーターとする色素増感型の湿式太陽電池がグレッツェルらによって報告されている(特開平01-220380号公報)。
【0005】
グレッツェルらによって提案された太陽電池は、光を吸収して励起された色素が電子を酸化チタンへ供給し、対向電極からヨウ素へ電子が移動、さらに還元されたヨウ化物イオンが色素に電子を与えて元に戻し、サイクルが完成する。このような色素増感型の太陽電池は理論的に高い効率が期待でき、実際に、7〜10%程度の効率が得られた旨の報告がなされている。さらに、このような太陽電池は、それに用いられる酸化物半導体および色素がいずれも安価であることから、シリコン半導体を用いた太陽電池に比較して、コスト的に非常に有利であると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来から知られている色素増感型太陽電池は、実際のセルを作製した際の開放電圧は、0.4〜0.5V程度と低い。このため、開放電圧を向上させる手段の一つとして、電解液中に電圧向上剤として4−tert−ブチルピリジンを含有させる旨の提案がなされている(特開2001−76772号公報)。
【0007】
しかしながら、4−tert−ブチルピリジンは、そのもの自体の安定性が悪く、しかも色素と酸化チタンとの結合を弱めるおそれがあることから、太陽電池の経時的な耐光性が悪くなってしまう。また、4−tert−ブチルピリジンは精製のために蒸留が必要で、高コストになりやすい。
【0008】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、耐光性を損なうことなく開放電圧の高い色素増感型太陽電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解質含有体とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解質含有体は、下記構造式(1)で示されるバルビツール酸、下記構造式(2)で示される尿酸、および下記構造式(3)で示される1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選定された少なくとも1つの化合物を含有してなるように構成される。
【化4】
Figure 0004095289
【化5】
Figure 0004095289
【化6】
Figure 0004095289
【0010】
本発明における好ましい態様として、前記尿素誘導体の電解質含有体中における含有率は、0.001〜1モル/Lとなるように構成される。
【0011】
本発明においては、電解質含有体中に尿素誘導体を含有させることで、具体的メカニズムは理論的に把握できていないものの、色素増感型太陽電池の開放電圧を0.1〜0.2V程度上昇させることができる。また、これらを混合させた場合も電池の耐光性が損なわれない。これにより、変換効率が高い状態を長期間維持することのできる色素増感型太陽電池を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の色素増感型太陽電池の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明の色素増感型太陽電池の模式的構成例が示される。図1に示されるように、本発明の色素増感型太陽電池1は、2つの電極10,30が例えば電解質含有体5を介して対向配置された構成をなしている。2つの電極のうち一方の電極10は、色素を備える色素結合電極10であり、このものは、例えば、基板20と、この上に形成された透明導電性層22と、その導電性層22の表面に形成された酸化物半導体膜4と、その酸化物半導体膜の表面に結合された色素膜7を有して構成されている。
【0014】
本発明の要部は、電解質含有体5の中に電圧を向上させる作用をする尿素誘導体を含有させている点にある。ここでいう本発明の「電圧を向上させる作用をする」の構成に該当するか否かは、尿素誘導体の添加の有無によって、電圧向上効果が確認できるか否かにより判断される。本発明で用いられる尿素誘導体としては、特に、下記構造式(I)で示される化合物が好適である。
【0015】
【化3】
Figure 0004095289
上記構造式(I)において、R1,R2,R3,R4は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、以下、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシル基、アシル基、カルバモイル基、ニトリル基、アミノ基、アミド基、ホスフォリル基、ホスフィノイル基、チオホスフォリル基、ホスファニル基、チオカルバモイル基、チオアルキル基、チオアミノ基、シリル基、シラノール基、スルフォニル基、ゲルミル基、スタニル基を表し、R1,R2,R3,R4は同一であっても、異なるものであってもよい。さらに、R2,R3は連結して、環状構造をとってもよい。
【0016】
さらに具体的な尿素誘導体の化合物構造の好適例〔1〕〜〔30〕が、下記表1に、R1,R2,R3,およびR4を明示した状態で示される。
【0017】
【表1】
Figure 0004095289
なお、表1に示される化合物No.〔8〕〜〔10〕はそれぞれ、前記構造式(I)中のR2とR3とが連結して、環状構造を形成したものである。
すなわち、化合物No.〔8〕は、下記構造式*1)で示される。
【化4】
Figure 0004095289
【0018】
また、化合物No.〔9〕は、下記構造式*2)で示される。
【化5】
Figure 0004095289
【0019】
また、化合物No.〔10〕は、下記構造式*3)で示される。
【化6】
Figure 0004095289
【0020】
本発明で好適に用いられる尿素誘導体としては、尿素、メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジメチル尿素、ブチル尿素、フェニル尿素、ビウレット、バルビツール酸、尿酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アリル尿素、N-ベンジル尿素、N,N�-ビスヒドロキシメチル尿素、1,3-ビストリメチルシリル尿素、1,3−ジブチル尿素、ホルミル尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、o−トリル尿素等が好適例として挙げられる。中でも特に、ビウレット、バルビツール酸、尿酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。
【0021】
このような尿素誘導体の電解質含有体中における含有率は、本発明の効果を発現させるために、0.001〜1モル/L、特に、0.01〜0.5モル/Lとすることが好ましい。
【0022】
なお、上述してきた尿素誘導体は、1種類のみの使用ではなく、複数種組み合わせて使用してもよい。
【0023】
このような尿素誘導体が含有される電解質含有体5は、電子の授受を行い電池の機能を発揮させる作用をするものであり、その状態は、いわゆる液体状態、固体状態、溶融塩状態(イミダゾリウム塩などの溶融塩:100%電解質からなるもの)、擬固体状態(ゲル化剤等を用いてゲル化させたもの)等、いずれであってもよい。
【0024】
液体状態の電解質含有体5において用いる電解質としては、いわゆるレドックス電解質を用いることが好ましい。レドックス電解質としては、I-/I3 -系や、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は、従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3 -系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。また、電解質含有体5を作製するに際に用いられる溶媒としては、電気化学的に不活性なもの、例えば、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの有機溶剤であってもよい。
【0025】
次いで、色素を備える色素結合電極10について説明する。このものは上述のごとく、例えば、基板20と、この上に形成された透明導電性層22と、その導電性層22の表面に形成された酸化物半導体膜4と、その酸化物半導体膜の表面に結合された色素膜7を有して構成されている。
【0026】
基板20としては、光透過性の基板であれば特に制限はなく、例えば、ガラス基板、透明樹脂基板、無機透明結晶体などが用いられる。
【0027】
透明導電性層22としては、例えば、In23やSnO2などの金属酸化物導電体が好適に用いられる。
【0028】
酸化物半導体膜4を構成する酸化物半導体材料としては、公知の種々のものが用いられる。具体的には、Ti、Nb、Zn、Sn、Zr、Y、La、Ta等の遷移金属の酸化物の他、SrTiO3、CaTiO3等のペロブスカイト系酸化物等が挙げられる。酸化物半導体膜4を構成する酸化物半導体材料は、できるだけ微粒子であることが好ましく、その平均粒径は200nm以下、好ましくは30nm以下である。好適な具体的製造例は後述の実施例を参照されたい。
【0029】
このような酸化物半導体膜4の上には、色素膜7が形成される。色素膜7は、酸化物半導体膜4の上に色素を単分子膜として化学的に結合させるように形成させることが好ましい。このためには、色素を有機溶媒に溶解させて形成した色素溶液中に、酸化物半導体膜4を表面に備える基板全体を浸漬し、色素を酸化物半導体膜4の例えばチタンの水酸基と反応させるか、または残ったアルコキシド基と置換するようにすればよい。
【0030】
本発明で用いられる色素は、酸化物半導体膜4(特に酸化チタン膜)を構成する金属酸化物と化学的に結合することができる色素が好ましく、分子内にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、もしくは水酸基を有するものが好ましい。具体的には、ビピリジルRu錯体、タ−ピリジルRu錯体、フェナントロリンRu錯体、ビシンコニン酸Ru錯体などのRu錯体、エオシンY、ジブロモフルオレセイン、フルオレセイン、ロ−ダミンB、ピロガロ−ル、ジクロロフルオレセイン、エリスロシンB、フルオレシン、マ−キュロクロム等の色素が挙げられる。
【0031】
酸化物半導体膜4の好ましい態様である酸化チタン膜表面に、色素を単分子として吸着させるには、色素を有機溶媒に溶解させて形成した色素溶液中に、酸化チタン膜を基板とともに浸漬すればよい。この場合、色素溶液が、多孔質構造膜である酸化チタン膜の内部深く進入するように、その膜を色素への浸漬に先立ち、減圧処理したり、加熱処理して、膜中に含まれる気泡をあらかじめ除去しておくのが好ましい。浸漬時間は30分〜24時間程度である。色素の吸着を効率よく行うため、還流処理を行っても良い。また、浸漬処理は、必要に応じ、複数回繰り返し行うこともできる。前記浸漬処理後、色素を吸着した酸化チタン膜は、室温〜80℃で乾燥する。
【0032】
本発明においては、酸化チタン膜に吸着される色素は、1種である必要はなく、必要によっては光吸収領域の異なる複数の色素を吸着させることができる。これによって、光を効率よく利用することができる。複数の色素を膜に吸着させるには、複数の色素を含む溶液中に膜を浸漬する方法や、色素溶液を複数用意し、これらの溶液に膜を順次浸漬する方法等が挙げられる。色素を有機溶媒に溶解させた溶液において、その有機溶媒としては、色素を溶解しうるものであれば任意のものが使用可能である。このようなものとしては、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。溶液中の色素の濃度は、溶液100ml中、1〜200mg、好ましくは10〜100mg程度である。
【0033】
なお、色素結合電極10と対をなす対向電極30としては、導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3 -イオン等の酸化型のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
【0034】
本発明の太陽電池1は、一般に、前記色素結合電極10、電解質含有体5及び対向電極30をケース内に収納して封止するか又はそれら全体を樹脂封止した状態で形成される。この場合、色素を結合した電極(色素結合電極)10には光があたる構造とする。このような構造の電池は、色素結合電極10に太陽光又は太陽光と同等な可視光をあてると、色素結合電極10とそれと対向する電極30との間に電位差が生じ、両電極10,30間に電流が流れるようになる。
【0035】
【実施例】
次に本発明の具体的な実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0036】
〔実験例I〕
(実施例1〜10サンプルの作製)
酸化チタンゾル液の調整
チタンイソプロポキシドを以下のように加水分解することにより、酸化チタンゾル液を調整した。
【0037】
125mlのチタンイソプロポキシドを、0.1M硝酸水溶液750mlに攪拌しながら添加した。これを80℃で8時間激しく攪拌した。得られた液体をテフロン製の圧力容器内で230℃、16時間オ−トクレ−ブ処理した。沈殿物を含むゾル液を攪拌により再懸濁させた。吸引濾過により、再懸濁しなかった沈殿物を除き、エバポレ−タ−で酸化チタン濃度が11wt%になるまでゾル液を濃縮した。基板への塗れ性を高めるため、Triton X-100を1滴添加した。
【0038】
次に、酸化チタン膜の焼成時におけるクラックの発生および導電性表面からの膜の剥離を防止するため以下のようにチタンアルコキシドをゾル液に添加した。すなわち、上記ゾル液を攪拌しながら、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンとアセチルアセトンの80:20混合液を少しづつ添加した。添加終了後、1時間攪拌した。
【0039】
なお、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンの添加量は3.4g(酸化チタン微粒子重量に対し10重量%)としてサンプルを作製した。
【0040】
色素結合電極(酸化チタン電極)の作製
上記のように調整したチタンアルコキシド添加ゾル液を用いて、以下の要領で酸化チタン電極を作製した。
【0041】
縦2.0cm、横1.5cm、厚さ1mmの導電性ガラス基板(F−SnO2、シ−ト抵抗10Ω/□)の導電膜面側に、縦0.5cm、横0.5cmの四角穴を設けた厚さ70μmのマスキングテ−プを貼り、穴の端部に前記チタンアルコキシド添加ゾル液3μl(マイクロリットル)をピペットで添加した。
【0042】
このゾル液を縁が平らなガラス板を用いて引き延ばすことにより基板上に広げた。このように広げた膜を空気中で30分間乾燥し、乾燥後マスキングテ−プを剥がし取った。
【0043】
次に、電気炉を用いて500℃で30分間焼成した。昇温速度は2℃/minとした。
【0044】
焼成後、基板温度が80℃まで下がったところで、増感色素として(4,4’−ジカルボン酸−2,2’−ビピリジン)ルテニウム(II)ジイソチアネ−トを3×10−4M濃度で添加の無水エタノ−ル溶液20mlに浸漬し、12時間放置した。
【0045】
放置後、酸化チタン電極を取り出し無水アセトニトリルで洗浄した。基板上の酸化チタン膜は吸着されたルテニウム色素により深紅色となった(色素結合電極サンプルの作製)。
【0046】
対向電極の準備
対向電極は、1mmφの穴が2ヶ所存在する導電性ガラス基板の導電膜面側に、白金を100nmの厚さでスパッタリングしたものを用いた。
【0047】
電解質含有体(電解質溶液)の調製
テトラプロピルアンモニウムヨージド(0.45M)とヨウ素(0.06M)を含む3−メトキシプロピオニトリルを用いた。この電解質溶液に下記表2の各実施例に示される種々の尿素誘導体を、液体のものは0.5モル、固体のものは飽和濃度で含有させて、各種の電解質含有体を作製した。
【0048】
太陽電池の作製
上記の両電極および電解質含有体を用いて、下記の要領で太陽電池サンプルの作製および評価を行った。
【0049】
作用電極である色素結合電極(酸化チタン電極)と対向電極を張り合わせるスペーサーとして、三井デュポンポリケミカル社製ハイミラン(厚さ50μm)を使用した。なお、このスペーサーは、作用電極と張り合わせたときに、色素の吸着した酸化チタン膜と重なり合う中央部分が刳り貫くかれており、この刳り貫かれた空間部分に尿素誘導体を含む電解質含有体(電解質溶液)が貯蔵できるようになっている。これを用いて、作用電極の色素の吸着した酸化チタン膜側と対向電極の白金をスパッタリングした側を張り合わせた。
【0050】
その後、対向電極に予め形成させておいた2つの穴のうち1方の穴から、尿素誘導体を含む電解質含有体(電解質溶液)を導入した。電解質含有体(電解質溶液)が電池内部に導入されるように充分な時間放置した。その後、対向電極の裏面側から封止板として1枚のハイミランと1枚のカバーガラスを順次積層して2つの穴を塞ぎ、電解質含有体(電解質溶液)を封止した。このようにして表2に示される種々の実施例サンプルを作製した。
【0051】
(比較例1サンプルの作製)
上記実施例1サンプルにおいて、電解質溶液作製の際に、尿素誘導体としての尿素を用いなかった。それ以外は、上記実施例1サンプルと同様にして比較例1サンプルを作製した。
【0052】
(比較例2サンプルの作製)
上記実施例1サンプルにおいて、電解質溶液作製の際に、尿素誘導体の尿素に代えて、4−tert−ブチルピリジンを含有させた比較例2サンプルの色素増感型太陽電池を作製した。
【0053】
なお、上記実施例および比較例において、電解質溶液の調製は露点-90℃以下のグローブボックス内で行い、グローブボックス内でセル内部に電解質溶液を封止した。
【0054】
電池特性の評価
光源として100mW/cm2のメタルハライドを用いて、後述の経時劣化試験を開始する前に、開放電圧(Voc)および光電流密度(Jsc)の測定を行い、これらの値を初期電池特性とした。開放電圧(Voc)とは、太陽電池セル・モジュールの出力端子を開放したときの両端子間の電圧を表している。光電流密度(Jsc)とは、太陽電池セル・モジュールの出力端子を短絡させたときの両端子間に流れる電流(1cm2当たり)を表している。
【0055】
次いで、各サンプルを温度30℃、湿度50%RHの雰囲気下、100mW/cm2(メタルハライド)を照射し続けた状態で、上記の光電流密度(Jsc)の経時的変化を測定し、光電流密度(Jsc)が初期電池特性の−10%となったときの時間を求めた。この時間を長期電池特性とした。この値が大きいほど、電池を作製した後における水や酸素に対する耐久性が優れていることになる。なお、実験に際し、紫外光部分は、UVカットフィルターGG435を用いてカットした。
【0056】
結果を下記表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0004095289
【0058】
表2の結果より、本実施例サンプルでは、長期電池特性およびJscが劣化することなく、初期特性のVocが大きく改善されており、尿素誘導体を加えた効果は極めて顕著であることがわかる。
【0059】
〔実験例II〕
上記実験例Iにおける各実施例サンプルの作製において、電解質含有体の溶媒として用いた3−メトキシプロピオニトリルをプロピレンカーボネートに変えた。それ以外は上記実験例Iと同様にして実験例IIの各実施例サンプルを作製した。これらの実験例IIにおける各実施例サンプルについて、上記と同様な電池特性の評価を行ったところ、実験例Iのそれらとほぼ同様の効果が得られることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解質含有体とを有する色素増感型太陽電池であって、前記電解質含有体の中に尿素誘導体を含有させてなるよう構成されているので、開放電圧の向上が図られるとともに、電池特性の長期の安定性に優れた効果が発現する。
すなわち、変換効率が高い状態を長時間維持することのできる色素増感型太陽電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色素増感型太陽電池の模式的構成例を示した図面である。
【符号の説明】
1…色素増感型太陽電池
4…酸化物半導体膜
5…電解液
7…色素膜
10…色素結合電極
20…基板
22…透明導電性層
30…電極

Claims (2)

  1. 表面に色素が吸着された色素結合電極と、これと対をなす対向電極と、これらの電極に接触する電解質含有体とを有する色素増感型太陽電池であって、
    前記電解質含有体は、下記構造式(1)で示されるバルビツール酸、下記構造式(2)で示される尿酸、および下記構造式(3)で示される1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの中から選定された少なくとも1つの化合物を含有してなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
    Figure 0004095289
    Figure 0004095289
    Figure 0004095289
  2. 前記尿素誘導体の電解質含有体中における含有率は、0.001〜1モル/Lである請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
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