JP4709478B2 - フェライト磁石粉末、焼結磁石、ボンド磁石、磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はハードフェライト材料、特に六方晶W型フェライト磁石の磁気特性向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、SrO・6Fe2O3に代表されるマグネトプランバイト型六方晶フェライト、つまりM型フェライトがフェライト焼結磁石の主流をなしてきた。このM型フェライト磁石については、フェライト結晶粒径を単磁区粒径に近づけること、フェライト結晶粒を磁気異方性方向に揃えることおよび高密度化することを主眼に高性能化の努力が続けられてきた。その努力の結果、M型フェライト磁石の特性はその上限に近づいており、飛躍的な磁気特性の向上を望むのは難しい状況にある。
【0003】
M型フェライト磁石を凌駕する磁気特性を示す可能性をもつフェライト磁石として、W型のフェライト磁石が知られている。W型フェライト磁石はM型フェライト磁石より飽和磁束密度Brが約10%程度高く、異方性磁界が同程度である。こうした利点があるものの、W型フェライト磁石はその製造過程(例えば仮焼工程、焼成工程等)において複雑な雰囲気制御が必要となるため、工業化は困難であるとされてきた。ところが、近年、複雑な雰囲気制御を要せず、大気中で焼成可能なW型のフェライト磁石として、Sr−Zn系W型フェライト磁石(特許文献1)、Ba−Zn系W型フェライト磁石(非特許文献1)が提案されている。
【0004】
特許文献1には、Sr、ZnおよびFeからなるSr−Zn系W相型六方晶金属酸化物粉末に、Sr換算で1〜5wt%の割合でSr含有化合物粉末を添加して磁界中で成形した後、1100〜1200℃の温度で焼結したことを特徴とするSr−Zn系W型フェライト磁石が開示されている。また、非特許文献1には、BaO−2ZnO−8Fe2O3粉末を仮焼し、その仮焼粉末にBaOを0〜5.0wt%添加したことを特徴とするBa−Zn系W型フェライト磁石が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−179201号公報(特許請求の範囲、第2図)
【非特許文献1】
Ba−Zn系W型フェライト磁石の磁気特性(著者名:山元洋、石井章雅) 日本応用磁気学会誌 17,175-180(1993)Fig.1
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特許文献1および非特許文献1に記載されたW型フェライト磁石は、複雑な雰囲気制御を要せずに大気中で焼成可能であるため、工業化を図る上でコスト的に有利であるといえる。
しかしながら、特許文献1に記載のSr−Zn系W型フェライト磁石では、残留磁束密度Brが約4000Gという高い値を示すと、その一方で保磁力HcJは500〜600Oe近傍という低い値を示す。また、非特許文献1に記載のBa−Zn系W型フェライト磁石では、BaOの添加量が4.0wt%のときに最も高い磁気特性を示すが、その値は残留磁束密度Brが約4000G、保磁力HcJが約1000Oeに留まる。よって、複雑な雰囲気制御を要しないという利点を享受しつつ、より高い磁気特性、具体的には高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備したW型フェライト磁石を得るための技術が望まれている。
そこで本発明は、高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備したW型フェライト材料等を、簡便に得るための技術を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明者は従来よりも高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備したW型フェライト材料を得るために様々な検討を行った。その結果、W型フェライトにおけるZnサイトの一部を、一定の範囲内でNiに置換することが、高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを得るために極めて有効であることを知見した。すなわち、本発明は、組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表されるフェライト磁石粉末であって、0.05≦x≦0.70、1.3≦a≦1.6、14≦b≦17であることを特徴とするフェライト磁石粉末を提供する。
本発明のフェライト磁石粉末において、X線回折により同定される結晶相はW相を主相とする。ここで、本発明において、X線回折強度から算定されるW相のモル比が70%以上のときに、W相が主相であると称する。
本発明のフェライト磁石粉末は、残留磁束密度Brが4500G以上かつ保磁力HcJが1000Oe以上という優れた特性を示す。
さらに、本発明のフェライト磁石粉末は、4500G以上の残留磁束密度Brを維持しつつ、保磁力HcJを1200Oe以上とすることもできる。
【0008】
さらに本発明は、組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表される焼結磁石であって、0.05≦x≦0.70、1.3≦a≦1.6、14≦b≦17であることを特徴とする焼結磁石を提供する。
上記した本発明に係る焼結磁石は、残留磁束密度Brが4500G以上かつ保磁力HcJが1200Oe以上という優れた特性を示す。
また、本発明に係る焼結磁石によれば、残留磁束密度Brを4700G以上とし、かつ保磁力HcJを1000Oe以上とすることもできる。
【0009】
さらに、本発明は、組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、Aは Sr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表され、0.05≦x≦0.70、1.3≦a≦1.6、14≦b≦17であるフェライト磁石粉末と、フェライト磁石粉末を分散、保持する樹脂相と、を備えたことを特徴とするボンド磁石を提供する。
【0010】
さらにまた、本発明は、基体と、この基体上に形成される磁性層とを備えた磁気記録媒体を提供する。ここで、磁気記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープ、磁気カード等が広く包含される。本発明では、この磁性層を、組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表されるフェライト構造を含むものとし、かつ組成式中、0.05≦x≦0.70、1.3≦a≦1.6、14≦b≦17の範囲で設定する。
本発明の磁気記録媒体では、この磁性層の残留磁束密度Brを4500G以上かつ保磁力HcJを1200Oe以上にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフェライト磁石粉末について詳細に説明する。
本発明は、Zn−W型フェライトのZnサイトの一部をNiで置換することを特徴とする。Zn−W型フェライトのZnサイトの一部をNiで置換することにより、複雑な雰囲気制御を要することなく、磁気特性が高い、特に高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備する新規なW型フェライトを得ることができる。
ここで、本発明では、W相のモル比が70%以上のときに、W相が主相であると称する。磁気特性の観点から、W相のモル比は70%以上がよく、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。本願におけるモル比は、W型フェライト、M型フェライト、ヘマタイト、スピネルそれぞれの粉末試料を所定比率で混合し、それらのX線回折強度から比較算定することにより算出するものとする(後述する実施例でも同様)。
【0012】
本発明者は、W相を主相とする従来のZn−W型フェライトよりも高い磁気特性を得るために様々な検討を行った。その結果、以下の式(1)に示すように、Znサイトの一部をNiで置換することが、極めて有効であることを知見したのである。こうした置換を行うことで、複雑な雰囲気制御を要しないというZn−W型フェライトの利点を享受しつつ、W相を主相とし、かつ高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備するW型フェライトを得ることができる。
【0013】
AZna(1−x)NiaxFebO27・・・式(1)
式(1)中、
0.05≦x≦0.70、
1.3≦a≦1.6、
14≦b≦17である。また、Aは、Sr、Ba、CaおよびPbから選択される少なくとも1種の元素である。
【0014】
Aとしては、SrおよびBaの少なくとも1種が好ましく、磁気特性の観点からSrが特に好ましい。なお、上記式(1)においてa(1−x)、axおよびbはそれぞれモル比を表す。
【0015】
次に、式(1)中におけるx、aおよびbの限定理由を説明する。Znサイトに対するNi置換量を示すxは、0.05≦x≦0.70の範囲とする。この範囲でZnサイトの一部をNiで置換することにより、従来と同等以上の残留磁束密度Brを維持しつつ保磁力HcJを向上させることができる。Ni置換とともに保磁力HcJは直線的に向上するが、xが0.05未満では、置換による保磁力HcJ向上という効果を十分に享受することができない。一方、置換量が増えるにつれて徐々に残留磁束密度Brも向上するが、残留磁束密度Brはxが0.25近辺でピーク値を示し、xが0.70を超えると残留磁束密度BrがNi置換前とほぼ同等の値を示す。よって、xは、0.05≦x≦0.70の範囲とする。xの望ましい範囲は0.10≦x≦0.65、より望ましい範囲は0.2≦x≦0.6である。
【0016】
上記xとともに、Znサイトに対するNi置換量を左右するaは、1.3≦a≦1.6の範囲とする。aが1.3未満になると、残留磁束密度BrがW相よりも低いM相、Fe2O3(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化4πIsが低下してしまう。一方、aが1.8を超えると、スピネル相が生成して、残留磁束密度Brが低下してしまう。よって、aは、1.3≦a≦1.6の範囲とする。aの望ましい範囲は1.35≦a≦1.6、より望ましい範囲は1.4≦a≦1.6である。
【0017】
Feの割合を示すbは、14≦b≦17の範囲とする。bが14未満になると、スピネル相が生成して残留磁束密度Brが低下する。一方、bが17を超えると、M相、Fe2O3(ヘマタイト)相が生成して、やはり残留磁束密度Brが低下してしまう。よって、bは、14≦b≦17の範囲とする。bの望ましい範囲は15≦b≦17、より望ましい範囲は15.5≦b≦17.0である。
【0018】
フェライト磁石粉末の組成は、蛍光X線定量分析などにより測定することができる。また、本発明は、A元素(Sr,Ba,CaおよびPbから選択される少なくとも1種の元素)、Fe、Zn、Ni以外の元素の含有を排除するものではない。これらの元素の他、例えばSi、Ca等の元素を含有していてもよい。
【0019】
以上、本発明のフェライト磁石粉末について詳述したが、本発明のフェライト磁石粉末はボンド磁石、焼結磁石のいずれとしても用いることができる。よって、上述した本発明のフェライト磁石粉末としては、仮焼粉末、仮焼および本焼成を経た後に粉砕された粉末、仮焼後に粉砕した後、熱処理された粉末、のいずれの形態も含まれる。
【0020】
本発明のフェライト磁石粉末をボンド磁石とする場合には、その平均粒径を0.1〜5μmとすることが望ましい。ボンド磁石用粉末のより望ましい平均粒径は0.1〜2μm、さらに望ましい平均粒径は、0.1〜1μmである。一方、本発明のフェライト磁石粉末を焼結磁石とする場合には、その平均粒径を0.1〜2μmとすることが望ましい。焼結磁石用粉末のより望ましい平均粒径は0.1〜1μm、さらに望ましい平均粒径は、0.1〜0.8μmである。詳しくは後述するが、本発明のフェライト磁石粉末を用いて焼結磁石を作製した場合には、1000Oe以上の保磁力HcJおよび4500G以上の残留磁束密度Brを得ることができる。さらには1200Oe以上、望ましくは1500Oe以上の保磁力HcJおよび4500G以上、望ましくは4700G以上の残留磁束密度Brを兼備することができる。
このように、本発明のフェライト磁石粉末は従来よりも高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを有するため、このフェライト磁石粉末を応用することにより、一般に次に述べるような効果が得られ、優れた応用製品を得ることができる。すなわち、従来のフェライト製品と同一形状であれば、磁石から発生する残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを増やすことができるため、モータであれば高トルク化を実現でき、スピーカやヘッドホーンであれば磁気回路の強化により、リニアリティーのよい音質が得られるなど応用製品の高性能化に寄与できる。また、従来と同じ機能でよいとすれば、磁石の大きさ(厚み)を小さく(薄く)でき、小型軽量化(薄型化)に寄与できる。
【0021】
次に、図1を用いて本発明の焼結磁石の製造方法について説明する。本発明の焼結磁石の製造方法は、配合工程(ステップS101)、仮焼工程(ステップS103)、解砕工程(ステップS105)、粉砕工程(ステップS107)、磁場成形工程(ステップS109)、本焼成工程(ステップS111)を含む。以下、各工程について説明する。
【0022】
<配合工程(ステップS101)>
まず、Fe2O3(ヘマタイト)粉末、ZnO粉末およびNiO粉末を準備する。また、本発明において、A元素としてSrを選択した場合にはSrCO3粉末をさらに準備する。そして、SrCO3粉末、Fe2O3(ヘマタイト)粉末、ZnO粉末、NiO粉末を、その主組成が上記した式(1)になるように秤量する。秤量後、湿式アトライタ等で1〜3時間混合・粉砕する。
【0023】
<仮焼工程(ステップS103)>
次いで、配合工程(ステップS101)で得られた混合粉末材料を大気中、1100〜1350℃で仮焼する。この仮焼により、W相を主相とするW型フェライトが構成される。W相の他に存在しうる相は、M相またはヘマタイト相である。本発明では、式(1)に示した組成を採用するため、仮焼の際の複雑な雰囲気制御を要することなく、W型のフェライトを生成させることができる。
【0024】
<解砕工程(ステップS105)>
仮焼体は一般に顆粒状なので、これを解砕することが好ましい。解砕工程(ステップS105)では、振動ミル等を用い、平均粒径が0.5〜10μmになるまで解砕する。
【0025】
<粉砕工程(ステップS107)>
続く、粉砕工程(ステップS107)では、解砕粉末をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して1μm以下、好ましくは0.1〜0.8μmに粉砕する。ボールミルを使用する場合には、粉体195gに対し、40時間程度粉砕すればよい。なお、保磁力HcJの向上や結晶粒径の調整のために、粉砕に先立ってCaCO3、SiO2、或いはさらにAl2O3やCr2O3等の粉末、ソルビトール等の界面活性剤を添加してもよい。
【0026】
<磁場成形工程(ステップS109)>
粉砕後、湿式または乾式で成形を行う。配向度を高くするためには、湿式成形を行うことが好ましいため、以下では湿式成形を行う場合について説明する。
湿式成形を採用する場合は、湿式粉砕後のスラリーを濃縮して湿式成形用スラリーを調製する。濃縮は、遠心分離やフィルタープレス等によって行えばよい。この際、フェライト磁石粉末が湿式成形用スラリー中の30〜80wt%を占めることが望ましい。また、分散媒としての水には、グルコン酸(塩)、ソルビトール等の界面活性剤を添加することが望ましい。次いで、湿式成形用スラリーを用いて磁場成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm2 程度、印加磁場は5〜15kOe程度とすればよい。なお、分散媒は水に限らず、非水系のものでもよい。非水系の分散媒を用いる場合には、トルエンやキシレン等の有機溶媒を用いることができる。非水系の分散媒として、トルエンまたはキシレンを用いる場合には、オレイン酸等の界面活性剤を添加することが望ましい。
【0027】
<本焼成工程(ステップS111)>
続く本焼成工程(ステップS111)では、成形体を1100〜1270℃、より好ましくは1160〜1240℃の温度で0.5〜3時間、焼成する。焼成雰囲気は大気中とすればよい。
【0028】
以上の工程を経ることにより、本発明の焼結磁石を得ることができる。Znサイトの一部をNiで置換したことを特徴とする本発明の焼結磁石によれば、4500G以上の高い残留磁束密度Brを維持しつつ、1000Oe以上の保磁力HcJ、さらには1200Oe以上の保磁力HcJを得ることができる。また、Ni置換量を望ましい範囲に設定することによって、4700G以上の残留磁束密度Brおよび1500Oe以上の保磁力HcJを兼備することもできる。また、85%以上の角型比を得ることもできる。
こうした高特性を有するフェライト磁石を、本発明では何ら複雑な雰囲気制御を要することなく得ることができる。よって、本発明のフェライト磁石は量産性に優れる。こうした利点を享受できるのは、本発明では、式(1)で示した組成を採用しているためである。
【0029】
以上、焼結磁石の製造方法について詳述したが、本発明のフェライト磁石粉末を用いることで、高特性のボンド磁石を得ることもできる。以下、ボンド磁石の製造方法について述べる。ボンド磁石を製造する際にも、上述した要領で配合工程(ステップS101)、仮焼工程(ステップS103)、解砕工程(ステップS105)、粉砕工程(ステップS107)を行う。このようにして得られた仮焼体は、W相を主相とする。そして、このフェライト磁石粉末を樹脂、金属、ゴム等の各種バインダと混練し、磁場中または無磁場中で成形する。バインダとしては、NBRゴム、塩素化ポリエチレン、ポリアミド樹脂が好ましい。成形後、バインダの硬化を行なってボンド磁石とする。なお、バインダと混練する前に、フェライト磁石粉末に熱処理を施すことが望ましい。
【0030】
以上、本発明のフェライト磁石粉末、焼結磁石およびボンド磁石について詳述したが、本発明のフェライト磁石粉末を用いたボンド磁石、焼結磁石は所定の形状に加工され、以下に示すような幅広い用途に使用される。例えば、フュエールポンプ用、パワーウインド用、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータとして用いることができる。また、FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MDスピンドル用、CD,LD,MDローディング用、CD,LD光ピックアップ用等のOA、AV機器用モータとして用いることができる。また、エアコンコンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータとしても用いることができる。さらにまた、ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータとして用いることも可能である。その他の用途としては、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネットラッチ等に好適に使用される。
【0031】
本発明には、磁性層を有する磁気記録媒体も包含される。この磁性層は、上述した式(1)で表わされるW型のフェライト相を含む。磁性層の形成には、例えば蒸着法、スパッタ法を用いることができる。スパッタ法で磁性層を形成する場合には、例えば上述した式(1)の組成を有する焼結磁石をターゲットとして用いることもできる。また、塗布型の磁気記録媒体を作製する際には、上述した式(1)で表わされるフェライト磁石粉末をバインダと混練して塗料化し、これを樹脂等からなる基体に塗布し硬化することにより磁性層を形成すればよい。なお、磁気記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープ、磁気カード等が挙げられる。
【0032】
【実施例】
以下、具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0033】
(実施例1)
Zn−W型フェライトにおいて、Znの一部をNiで置換することが保磁力HcJを向上させる上で有効であること、および望ましいNi置換量を確認するために行った実験を、実施例1として示す。
【0034】
以下の手順に従って本発明の焼結磁石を作製した。
原料粉末として、Fe2O3粉末(1次粒子径:0.3μm)、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)、ZnO粉末(1次粒子径:0.3μm)およびNiO粉末(1次粒子径:0.3μm)を準備した。これらの原料粉末を、所定の値となるように秤量した。つまり、最終的に得られる焼結磁石の組成が式(1)の範囲内になるように、原料粉末をそれぞれ秤量した。秤量後、湿式アトライタで2時間混合、粉砕した。次いで、粉砕粉末を乾燥して整粒した後、大気中で1300℃、1時間仮焼し、粉末状の仮焼体を得た。その仮焼体195gを乾式振動ミルにより、10分間粉砕して平均粒径1μmの粉末とした。続いて、仮焼体195gに対し、SiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を1.4wt%、さらにソルビトールを1.2wt%添加し、ボールミルを用いて40時間湿式粉砕した。なお、スラリー中の仮焼粉末の量は33wt%である。
【0035】
次に、粉砕終了後のスラリーを遠心分離器で濃縮し、湿式成形用スラリーを作製した。この湿式成形用スラリーを用いて磁場中成形を行った。なお、印加した磁界(縦磁場)は12kOe(1000kA/m)であり、成形体は直径30mm、高さ15mmの円柱状の成形体を得た。この成形体を大気中で昇温速度5℃/分、焼成温度1180℃で1時間焼成し、SrZna(1-x)NiaxFebO27の組成を有する4種類の焼結体を得た(x,a,bの値は表1に示す)。また、NiO粉末を配合しない点を除けば、上記と同様の手順で作製された焼結体を得た。
こうして得られた5種類の焼結体を用いて、磁気特性等の評価および考察を行った。その結果を以下に詳述する。
【0036】
<Ni置換にともなう、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brの変化についての考察>
得られた5種類の焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場25kOeのBHトレーサを用いて、磁気特性を評価した。また、得られた5種類の焼結体のキュリー温度を測定した。それらの結果を、表1に併せて示す。また、Ni置換にともなう保磁力HcJの変化を図2(a)に、Ni置換にともなう異方性磁界HAの変化を図2(b)に、Ni置換にともなう残留磁束密度Brの変化を図3にそれぞれ示す。
【0037】
【表1】
【0038】
図2(a)および表1から、Ni置換量が増えるにつれて、保磁力HcJが直線的に向上し、Ni置換量が25%の場合には1200Oe以上、Ni置換量が50%の場合には1500Oe以上の値を示す。このように、Znサイトの一部をNiで置換することは、保磁力HcJを向上させる上で有効であることがわかった。
また、図2(b)から、Ni置換量が増えるにつれて、異方性磁界HAが向上していることがわかる。ここで、異方性磁界HAと保磁力HcJは密接に関連しており、異方性磁界HAは保磁力HcJのポテンシャルの高さを示す。図2(a)、図2(b)から、Znサイトの一部をNiで置換することによって異方性磁界HAが向上するために、保磁力HcJが向上することがわかった。
【0039】
次に図3を見ると、Znサイトの一部をNiで置換すると、徐々に残留磁束密度Brが向上し、Ni置換量が25%になると4800G以上の残留磁束密度Brを示す。このように、Znサイトの一部を所定量のNiで置換することは、残留磁束密度Brを向上させる上でも有効であることがわかった。但し、図3から、Ni置換量が50%を超えると、残留磁束密度BrがNi置換前よりも低下し、Ni置換量が75%を超えると、残留磁束密度Brが4500Gを下回る。よって、Znサイトの一部をNi置換することによる磁気特性の向上という効果を享受するには、Ni置換量を75%以下、望ましくは3〜70%とする。より望ましいNi置換量は5〜60%である。
【0040】
ここで、Ni置換なし(試料No.1)、Ni置換量25%(試料No.2)、Ni置換量50%(試料No.3)、Ni置換量100%(試料No.5)の各試料について、保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を図4に示す。
図4に示すように、Ni置換なしのプロットの位置よりも、Ni置換量25%およびNi置換量50%のプロットの位置が右側にシフトしている。このように、Znサイトの一部を所定量のNiで置換した場合には、4500G以上という高い残留磁束密度Brを維持したまま、保磁力HcJを向上させることができる。特に、Ni置換量50%の場合には、4600G以上の残留磁束密度Brおよび1500Oe以上の保磁力HcJを兼備していることが注目される。
【0041】
仮焼温度を1200℃とした場合の試料について、保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を図5に示す。仮焼温度を1250℃とした場合の試料について、保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を図6に示す。仮焼温度を1350℃とした場合の試料について、保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を図7に示す。なお、図5〜図7に示した各試料は、仮焼温度が異なる以外は、上記に示したのと同様の手順で作製されたものであり、磁気特性の測定方法も同様である。
図4〜図7から、仮焼温度が高くなるにつれて、磁気特性が高くなることがわかる。但し、仮焼温度が高くなると、設備費等が高くなるため、最終的に焼結磁石のコスト高を招くこととなる。よって、1200〜1250℃という比較的低い温度で仮焼した場合においても、高い磁気特性が得られることが、焼結磁石の製造コストを低減する上で好ましい。
ここで、図5に示すように、Ni置換量を50%とした場合には、1200℃という比較的低温で仮焼された場合にも、4500G以上の残留磁束密度Brおよび約1500Oe以上の保磁力HcJを兼備している。
【0042】
図4〜図7に示したNi置換量25%、Ni置換量50%の焼結体について、X線回折装置を用いて相状態を同定した。なお、X線回折の条件は以下の通りである。
【0043】
X線発生装置:3kW、管電圧:45kV、管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg、走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg、散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
【0044】
X線回折の結果、Ni置換量25%、Ni置換量50%の焼結体は、いずれもW相のモル比が90%以上であることが確認された。Zn量を減らし、かつNi量を増加させているのにも拘わらず、X線回折の結果がほぼW単相であることを考慮すると、NiはZnサイトの一部に取り込まれた、つまりZnサイトの一部がNiで置換されたものと判断される。仮に、Znサイトの一部がNiで置換されたのではないとすると、W相以外の異相がより高い比率で生成してしまい、W相を主相とすること、さらにはW単相に近い状態とすることが困難となるからである。ここで、配合時にNiOを加えることで、Znサイトの一部にNiが置換されるのは、ZnとNiは価数が等しく、かつ互いにイオン半径が近いためである。
なお、表1には各焼結体のキュリー温度を示してあるが、Ni置換量が増加するにつれて、キュリー温度も増加することが確認された。
【0045】
<Ni置換にともなう、角型比の変化についての考察>
Ni置換にともなう角型比の変化を図2(c)に示す。
図2(c)に示すように、Ni置換量が増えるにともない、角型比も向上する。ここで、角型比はHkと保磁力HcJとの比として求められる。Ni置換にともない保磁力HcJが向上することは、図2(a)に示した通りである。このように、分母である保磁力HcJの値が増加する場合には、角型比は通常低下してしまう。それにも拘わらず、図2(c)に示したように、Znサイトの一部をNi置換した場合には、Ni置換前に比べていずれも角型比が向上しており、85%以上の角型比を示した。
なお、Hkは、磁気ヒステリシスループの第2象限において磁束密度が残留磁束密度Brの90%になるときの外部磁界強度である。Hkが低いと、高い最大エネルギー積が得られない。Hk/HcJは、磁石性能の指標となるものであり、磁気ヒステリシスループの第2象限における角張りの度合い表す。
【0046】
<Ni置換にともなう、σsの変化についての考察>
図8は、Ni置換にともなうσs(磁区の強さ)の変化を示している。
図8に示すように、σsについてはNi置換量25%の場合にピーク値を示し、Ni置換量が100%になると大幅に低下した。
ここで、σsと残留磁束密度Brは密接に関連しており、σsは残留磁束密度Brのポテンシャルの高さを示す。図8に示した曲線は、図3に示したNi置換にともなう残留磁束密度Brの変動を示す曲線とほぼ同様のカーブを描く。但し、Ni置換量50%の場合に、σsはNi置換なしの場合よりも低下するのに対し、残留磁束密度BrはNi置換なしの場合と同等の値を示す。これは、後述するように、Ni置換によって焼結体密度が向上したことに起因しているものと推察される。
【0047】
本焼成前の仮焼体について、保磁力HcJとσsとの関係を図9に示す。
図9に示すように、Ni置換量が25%の場合、そしてNi置換量50%の場合には、Ni置換なしの場合よりも、プロットの位置が右上にシフトしている。このように、Znサイトの一部をNi置換することは、σs(磁区の強さ)および保磁力HcJをともに向上させる上で有効であることが確認された。
【0048】
<Ni置換にともなう、焼結体密度の変化、焼結体粒度分布等についての考察>
図10は、焼成温度と焼結体密度の関係を示している。
図10から、Ni置換した試料は、Ni置換なしの試料に比べて、同一焼成温度における焼結体密度が高いことがわかる。具体的には、Ni置換量が50%の場合には、1140〜1160℃という比較的低温で焼成された場合にも、約5.0g/cm3以上という高い焼結体密度を示す。これに対し、Ni置換なしの場合には1140℃の焼成では約4.95g/cm3、焼結体密度1160℃の焼成では約4.97g/cm3の焼結体密度に留まった。
粒成長は焼成温度に依存し、焼成温度が高くなるほど、粒成長がおこりやすくなる。そして、粒成長が生じると、通常、保磁力HcJが低下する。よって、Ni置換なしの試料に比べて同一焼成温度における焼結体密度が高く、1140〜1200℃という比較的低い温度で焼成された場合にも、5.0g/cm3以上の高い焼結体密度を得ることができる点でも、Znサイトの一部をNiで置換することは有利である。
また、Ni置換量50%の場合におけるカーブが、Ni置換なしの場合におけるカーブよりも緩やかであることに着目すると、Znサイトの一部をNiで置換することは焼成温度依存性の改善、具体的には焼成温度の変動に伴う焼結体密度の変動を小さくするという効果もあるものと期待される。
【0049】
焼結体の粒度分布を図11に、焼結体の走査型顕微鏡写真を図12に示す。図11(a)はNi置換なしの焼結体、図11(b)はNi置換量25%の焼結体、図11(c)はNi置換量50%の焼結体、図11(d)はNi置換量100%の焼結体の粒度分布をそれぞれ示している。
図11から、Ni置換量25%およびNi置換量50%の場合には、焼結体の粒度分布が小さい側にシフトし、かつ粗大粒子がほとんど存在していないことがわかる。一方、Ni置換なし、およびNi置換量100%の場合には、粒度分布の幅が大きく、粒径が1.7μmの粗大粒子も存在していた。
【0050】
焼結体の走査型顕微鏡写真を図12に示す。図12(a)はNi置換なしの焼結体、図12(b)はNi置換量25%の焼結体、図12(c)はNi置換量50%の焼結体、図12(d)はNi置換量100%の焼結体の粒子構造をそれぞれ示す走査型顕微鏡写真である。
図12から、Ni置換量25%およびNi置換量50%の場合には、焼結体の組織が微細かつ均一であることが確認された。
ここで、本焼成前の仮焼体の走査型顕微鏡写真を図13に示す。図13(a)はNi置換なしの仮焼体、図13(b)はNi置換量50%の仮焼体の粒子構造をそれぞれ示す走査型顕微鏡写真である。
図13から、Ni置換により、仮焼体の段階ですでに粒子構造が微細化されていることがわかる。
【0051】
図14に、最終粉砕材、つまり、図13に示した仮焼体を解砕し、さらにボールミル粉砕を行った後の粉体の走査型顕微鏡写真を示す。図14(a)はNi置換なしの粉体の走査型顕微鏡写真、図14(b)はNi置換量50%の粉体の走査型顕微鏡写真である。
図14に示すように、Ni置換量50%の粉体の方が、Ni置換なしの粉体よりもBET値が大きく、かつ粒径が揃っている。
【0052】
図15に、Ni置換にともなうBET値の変化を示す。
図15から、Ni置換により、BET値が大きくなることがわかる。ここで、BET値が大きいほど、粉体の粒径が微細であると判断することができる。つまり、Znサイトの一部をNiで置換することによって、従来と同様の粉砕を行った場合にも、粒径が小さい粉体を得ることができることがわかった。そして、Ni置換によって粉体の粒径が微細になり、微細な粒径を有する粉体を焼成するからこそ、図12に示したような微細かつ均一な組織が最終的に得られることがわかった。
【0053】
以上の考察により、Ni置換によってフェライト粒子の構造が微細になり、比較的低温で焼成された場合にも、高い焼結体密度を得ることができることがわかった。
Ni置換量の増加にともなって保磁力HcJが増加するのは、図2(a)に示したとおりである。これは、図11および図12に示したように、Znサイトの一部をNiで置換することによって、焼結体結晶粒径の粒度分布の幅が狭くなり、かつ焼結体の組織が微細かつ均一になることに起因しているものと推察される。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、従来よりも高い残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを兼備したW型フェライト磁石等を、簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の焼結磁石の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】 図2(a)はNi置換にともなう保磁力HcJの変化を示すグラフ、図2(b)はNi置換にともなう異方性磁界HAの変化を示すグラフ、図2(c)はNi置換にともなう角型比の変化を示すグラフである。
【図3】 Ni置換にともなう残留磁束密度Brの変化を示すグラフである。
【図4】 試料No.1〜4(仮焼温度:1300℃、焼成温度:1180℃)の、保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を示す図である。
【図5】 仮焼温度を1200℃とした場合における、試料の保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を示す図である。
【図6】 仮焼温度を1250℃とした場合における、試料の保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を示す図である。
【図7】 仮焼温度を1350℃とした場合における、試料の保磁力HcJと残留磁束密度Brとの関係を示す図である。
【図8】 Ni置換にともなうσs(磁区の強さ)の変化を示すグラフである。
【図9】 本焼成前の仮焼体について、保磁力HcJとσsとの関係を示すグラフである。
【図10】 焼成温度と焼結体密度との関係を示すグラフである。
【図11】 図11(a)はNi置換なしの焼結体、図11(b)はNi置換量25%の焼結体、図11(c)はNi置換量50%の焼結体、図11(d)はNi置換量100%の焼結体の粒度分布をそれぞれ示すグラフである。
【図12】 図12(a)はNi置換なしの焼結体、図12(b)はNi置換量25%の焼結体、図12(c)はNi置換量50%の焼結体、図12(d)はNi置換量100%の焼結体の粒子構造をそれぞれ示す走査型顕微鏡写真である。
【図13】 図13(a)はNi置換なしの仮焼体、図13(b)はNi置換量50%の仮焼体の粒子構造をそれぞれ示す走査型顕微鏡写真である。
【図14】 図14(a)はNi置換なしの最終粉砕材の走査型顕微鏡写真、図14(b)はNi置換量50%の最終粉砕材の走査型顕微鏡写真である。
【図15】 Ni置換にともなうBET値の変化を示すグラフである。
Claims (10)
- 組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表されるフェライト磁石粉末であって、
0.05≦x≦0.70、
1.3≦a≦1.6、
14≦b≦17であることを特徴とするフェライト磁石粉末。 - X線回折により同定される結晶相はW相を主相とすることを特徴とする請求項1に記載のフェライト磁石粉末。
- 残留磁束密度が4500G以上かつ保磁力が1000Oe以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト磁石粉末。
- 保磁力が1200Oe以上であることを特徴とする請求項3に記載のフェライト磁石粉末。
- 組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表される焼結磁石であって、
0.05≦x≦0.70、
1.3≦a≦1.6、
14≦b≦17であることを特徴とする焼結磁石。 - 残留磁束密度が4500G以上かつ保磁力が1200Oe以上であることを特徴とする請求項5に記載の焼結磁石。
- 残留磁束密度が4700G以上かつ保磁力が1000Oe以上であることを特徴とする請求項5に記載の焼結磁石。
- 組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表され、
0.05≦x≦0.70、
1.3≦a≦1.6、
14≦b≦17であるフェライト磁石粉末と、
前記フェライト磁石粉末を分散、保持する樹脂相と、
を備えたことを特徴とするボンド磁石。 - 基体と、
前記基体上に形成される磁性層とを備えた磁気記録媒体であって、
前記磁性層は、
組成式AZna(1−x)NiaxFebO27(ただし、AはSr,Ba,Ca,Pbのうちの少なくとも1種以上)で表されるフェライト構造を含み、
前記組成式中、
0.05≦x≦0.70、
1.3≦a≦1.6、
14≦b≦17であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 前記磁性層の残留磁束密度は4500G以上かつ保磁力が1200Oe以上であることを特徴とする請求項9に記載の磁気記録媒体。
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