JP2005286172A - 焼結磁石の製造方法、フェライト磁性材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 W型フェライトの磁気特性、特に保磁力を向上する。
【解決手段】 A成分(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)およびFe成分を含む原料粉末に対しCa成分がCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加された混合物を仮焼きする工程(a)と、工程(a)で得られた仮焼き体を粉砕する工程(b)と、工程(b)で得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程(c)と、工程(c)で得られた成形体を焼成して六方晶W型フェライトを磁性相とする焼結体を得る工程(d)とを備えるようにした。所定量のCa成分を原料粉末を配合する際に添加することにより、焼結体の結晶粒が微細化されるため、3000Oeを超える保磁力(HcJ)を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明はハードフェライト材料、特に六方晶W型フェライト磁石に好適に用いることのできるフェライト磁性材料等に関するものである。
従来、SrO・6Fe2O3に代表されるマグネトプランバイト型六方晶フェライト、つまりM型フェライトがフェライト焼結磁石の主流をなしてきた。このM型フェライト磁石については、フェライト結晶粒径を単磁区粒径に近づけること、フェライト結晶粒を磁気異方性方向に揃えること及び高密度化することを主眼に高性能化の努力が続けられてきた。その努力の結果、M型フェライト磁石の特性はその上限に近づいており、飛躍的な磁気特性の向上を望むのは難しい状況にある。
M型フェライト磁石を凌駕する磁気特性を示す可能性をもつフェライト磁石として、W型のフェライト磁石が知られている。W型フェライト磁石はM型フェライト磁石より飽和磁化(4πIs)が10%程度高く、異方性磁界が同程度である。特許文献1(特表2000−501893号公報)には、SrO・2(FeO)・n(Fe2O3)であり、nが7.2〜7.7を満足する組成からなり、焼結体の平均結晶粒径が2μm以下、(BH)maxが5MGOe以上のW型フェライト磁石が開示されている。このW型フェライト磁石は、1)SrO3とFe2O3を所要のモル比で混合する、2)原料粉末にCを添加する、3)仮焼する、4)仮焼後にCaO、SiO2、Cをそれぞれ添加する、5)平均粒径0.06μm以下に粉砕する、6)得られた粉砕粉を磁場中で成形する、7)非酸化性雰囲気中で焼結する、の各工程を経て製造されることが記載されている。
また、特許文献2(特開平11−251127号公報)には、従来のM型フェライトを超える最大エネルギ積を有し、かつ従来とは異なる組成のW型フェライト磁石として、基本組成が原子比率でMO・xFeO・(y−x/2)Fe2O3(MはBa、Sr、Pb、Laの内の1種または2種以上)、1.7≦x≦2.1,8.8≦y≦9.3で表される仮焼粉を粗粉砕後、添加物とともに湿式微粉砕を行ない、その後磁場中成形、焼結することを特徴とするフェライト磁石の製造方法が開示されている。特許文献2に開示されたフェライト磁石は、残留磁束密度(Br)が4800G、最大エネルギ積((BH)max)が5.5MGOeという特性を示すが、保磁力(iHc)は3000Oeである。
また、特許文献2(特開平11−251127号公報)には、従来のM型フェライトを超える最大エネルギ積を有し、かつ従来とは異なる組成のW型フェライト磁石として、基本組成が原子比率でMO・xFeO・(y−x/2)Fe2O3(MはBa、Sr、Pb、Laの内の1種または2種以上)、1.7≦x≦2.1,8.8≦y≦9.3で表される仮焼粉を粗粉砕後、添加物とともに湿式微粉砕を行ない、その後磁場中成形、焼結することを特徴とするフェライト磁石の製造方法が開示されている。特許文献2に開示されたフェライト磁石は、残留磁束密度(Br)が4800G、最大エネルギ積((BH)max)が5.5MGOeという特性を示すが、保磁力(iHc)は3000Oeである。
特許文献1ではSrO3とFe2O3の比率、仮焼き後の添加物ならびに粉砕条件の観点から、また特許文献2では基本組成、微粉砕時の添加物ならびに粉砕条件の観点から、W型フェライト磁石の磁気特性を改善することを提案している。
しかしながら、特許文献1、2ではいずれも残留磁束密度(Br)については高い値を得ているものの、保磁力(HcJ)については改善の余地がある。特に、保磁力は3000Oeを超える値が得られることが、W型フェライトの実用化にとって重要である。もちろんその場合、残留磁束密度の低下を伴うことを避けなければならない。つまり、保磁力及び残留磁束密度の両者が高いレベルで兼備していることが、W型フェライトの実用化に不可欠である。
しかしながら、特許文献1、2ではいずれも残留磁束密度(Br)については高い値を得ているものの、保磁力(HcJ)については改善の余地がある。特に、保磁力は3000Oeを超える値が得られることが、W型フェライトの実用化にとって重要である。もちろんその場合、残留磁束密度の低下を伴うことを避けなければならない。つまり、保磁力及び残留磁束密度の両者が高いレベルで兼備していることが、W型フェライトの実用化に不可欠である。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、W型フェライトの磁気特性、特に保磁力向上に有効な技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、W型フェライト磁石の磁気特性向上、特に保磁力を向上するために、様々な検討を行なった。その結果、原料粉末の配合時に、Ca成分を所定量添加することが有効であることを知見した。
すなわち、本発明は、A成分(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)およびFe成分を含む原料粉末に対しCa成分がCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加された混合物を仮焼きする工程(a)と、工程(a)で得られた仮焼き体を粉砕する工程(b)と、工程(b)で得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程(c)と、工程(c)で得られた成形体を焼成して六方晶W型フェライトを磁性相とする焼結体を得る工程(d)とを備えることを特徴とする焼結磁石の製造方法である。
本発明の焼結磁石の製造方法によれば、4600G以上という高い残留磁束密度(Br)を得つつ、3000Oeを超える保磁力(HcJ)を得ることができる。この保磁力向上という効果は、所定量のCa成分を原料粉末を配合する際に添加することにより焼結体の結晶粒が微細化されるためであると考えられる。
すなわち、本発明は、A成分(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)およびFe成分を含む原料粉末に対しCa成分がCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加された混合物を仮焼きする工程(a)と、工程(a)で得られた仮焼き体を粉砕する工程(b)と、工程(b)で得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程(c)と、工程(c)で得られた成形体を焼成して六方晶W型フェライトを磁性相とする焼結体を得る工程(d)とを備えることを特徴とする焼結磁石の製造方法である。
本発明の焼結磁石の製造方法によれば、4600G以上という高い残留磁束密度(Br)を得つつ、3000Oeを超える保磁力(HcJ)を得ることができる。この保磁力向上という効果は、所定量のCa成分を原料粉末を配合する際に添加することにより焼結体の結晶粒が微細化されるためであると考えられる。
本発明において、仮焼き後に、さらにCa成分を添加することが望ましい。仮焼き後に再度、Ca成分をフレッシュな状態で添加することによって、結晶粒径の調整等を行うことができ、高いレベルで保磁力(HcJ)及び残留磁束密度(Br)を兼備するフェライト焼結磁石を得ることができる。ただし、この仮焼き後におけるCa成分の添加は、磁場中で成形する工程(c)以前に行う必要がある。
仮焼き後の段階におけるCa成分の添加量は、CaCO3換算で0.1〜2.0wt%とすればよい。
仮焼き後の段階におけるCa成分の添加量は、CaCO3換算で0.1〜2.0wt%とすればよい。
さらに本発明は、六方晶W型フェライトが磁性相として存在し、AFe2+ aFe3+ bO27(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素、1.5≦a≦2.4、13.5≦a+b≦18.5)で表される組成を有するフェライト材料の製造方法であって、所定割合で配合された原料粉末に対して、Ca成分をCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加する工程と、Ca成分が添加された原料粉末を仮焼きする工程とを含むフェライト磁性材料の製造方法を提供する。
本発明によるフェライト磁性材料は、種々の形態で実用に供することができる。具体的には、本発明によるフェライト磁性材料は、フェライト磁石粉末に適用することができる。このフェライト磁石粉末は、ボンド磁石に用いることができる。つまり、本発明によるフェライト磁性材料は、樹脂中に分散されるフェライト磁石粉末としてボンド磁石を構成することができる。さらに本発明によるフェライト磁性材料は、膜状の磁性相として磁気記録媒体を構成することもできる。
また、本発明によるフェライト磁性材料は、フェライト焼結磁石に適用することができる。フェライト焼結磁石に適用する場合には、仮焼きする工程で得られた仮焼き体を粉砕し、得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程と、磁場中で成形する工程で得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程とをさらに含むことができる。
なお、本発明のフェライト磁性材料の製造方法において、A元素として少なくともSrを選択することが望ましいが、SrおよびBaの両者を選択することがより望ましい。Sr及びBaの両者をA元素として選択することにより、残留磁束密度を低下させることなく、より一層高い保磁力を得ることができる。
また、仮焼きする工程以降、磁場中で成形する工程以前に、さらにCa成分を添加することが望ましい。
そしてこの段階で、Sr成分および/またはBa成分をさらに添加することが、保磁力及び残留磁束密度の両者が高いレベルで兼備しているフェライト磁性材料を得る上で有効である。
本発明によるフェライト磁性材料は、種々の形態で実用に供することができる。具体的には、本発明によるフェライト磁性材料は、フェライト磁石粉末に適用することができる。このフェライト磁石粉末は、ボンド磁石に用いることができる。つまり、本発明によるフェライト磁性材料は、樹脂中に分散されるフェライト磁石粉末としてボンド磁石を構成することができる。さらに本発明によるフェライト磁性材料は、膜状の磁性相として磁気記録媒体を構成することもできる。
また、本発明によるフェライト磁性材料は、フェライト焼結磁石に適用することができる。フェライト焼結磁石に適用する場合には、仮焼きする工程で得られた仮焼き体を粉砕し、得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程と、磁場中で成形する工程で得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程とをさらに含むことができる。
なお、本発明のフェライト磁性材料の製造方法において、A元素として少なくともSrを選択することが望ましいが、SrおよびBaの両者を選択することがより望ましい。Sr及びBaの両者をA元素として選択することにより、残留磁束密度を低下させることなく、より一層高い保磁力を得ることができる。
また、仮焼きする工程以降、磁場中で成形する工程以前に、さらにCa成分を添加することが望ましい。
そしてこの段階で、Sr成分および/またはBa成分をさらに添加することが、保磁力及び残留磁束密度の両者が高いレベルで兼備しているフェライト磁性材料を得る上で有効である。
本発明によれば、残留磁束密度(Br)を低下させることなく、六方晶W型フェライトの保磁力(HcJ)を向上させることができる。具体的には、3000Oeを超える保磁力(HcJ)及び4600kG以上の残留磁束密度(Br)を兼備することができる。
以下、実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。上述の通り、本発明は原料粉末の配合時に、Ca成分を所定量添加することを特徴とするが、はじめに本発明のフェライト磁性材料の組成、磁気特性ならびに用途について順次説明する。
<組成>
本発明のフェライト磁性材料は、下記式(1)の組成を有する。
AFe2+ aFe3+ bO27・・・式(1)
ただし、式(1)中、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素、1.5≦a≦2.4、13.5≦a+b≦18.5である。なお、上記式(1)においてa及びbはそれぞれモル比を表す。
本発明のフェライト磁性材料は、下記式(1)の組成を有する。
AFe2+ aFe3+ bO27・・・式(1)
ただし、式(1)中、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素、1.5≦a≦2.4、13.5≦a+b≦18.5である。なお、上記式(1)においてa及びbはそれぞれモル比を表す。
上記式(1)において、Fe2+の割合を示すaは、1.5≦a≦2.4とする。aが1.5未満になると、W相よりも飽和磁化(4πIs)が低いM相、Fe2O3(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化(4πIs)が低下してしまう。一方、aが2.4を超えると、スピネル相が生成して、保磁力(HcJ)が低下してしまう。よって、aを1.5≦a≦2.4の範囲とする。aの好ましい範囲は1.6≦a≦2.1、より好ましい範囲は1.6≦a≦2.0である。
また、Fe2+及びFe3+の割合を示すa+bは、13.5≦a+b≦18.5の範囲とする。1.5≦a≦2.1の範囲のとき、a+bが13.5未満になると、スピネル相が生成して保磁力(HcJ)が低下する。一方、a+bが18.5を超えると、M相、Fe2O3(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化(4πIs)が低下してしまう。よって、a+bを13.5≦a+b≦18.5の範囲とする。a+bの好ましい範囲は14≦a+b≦18、より好ましい範囲は14≦a+b≦17である。
また、Fe2+及びFe3+の割合を示すa+bは、13.5≦a+b≦18.5の範囲とする。1.5≦a≦2.1の範囲のとき、a+bが13.5未満になると、スピネル相が生成して保磁力(HcJ)が低下する。一方、a+bが18.5を超えると、M相、Fe2O3(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化(4πIs)が低下してしまう。よって、a+bを13.5≦a+b≦18.5の範囲とする。a+bの好ましい範囲は14≦a+b≦18、より好ましい範囲は14≦a+b≦17である。
本発明によるフェライト焼結磁石は、六方晶W型フェライトを磁性相として含む。そして後述する本発明の製造方法を採用することで、結晶粒の平均粒径が0.6μm以下という微細な組織を有することができる。そして、このフェライト焼結磁石は、3100Oe以上、さらには3200Oe以上の保磁力(HcJ)、4600G以上の残留磁束密度(Br)、85%以上の角型比(Hk/HcJ)を備えている。
本発明によるフェライト磁性材料の組成は、蛍光X線定量分析などにより測定することができる。また、本発明は、主成分及び副成分以外の成分の含有を排除するものではない。例えば、Fe2+サイトまたはFe3+サイトの一部を他の元素で置換することもできる。
本発明のフェライト磁性材料は、前述のように、フェライト焼結磁石、フェライト磁石粉末、樹脂中に分散されるフェライト磁石粉末としてボンド磁石、及び膜状の磁性相として磁気記録媒体のいずれかを構成することができる。
本発明によるフェライト焼結磁石、ボンド磁石は所定の形状に加工され、以下に示すような幅広い用途に使用される。例えば、フュエールポンプ用、パワーウインド用、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータとして用いることができる。また、FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MDスピンドル用、CD,LD,MDローディング用、CD,LD光ピックアップ用等のOA、AV機器用モータとして用いることができる。また、エアコンコンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータとしても用いることができる。さらにまた、ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータとして用いることも可能である。その他の用途としては、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネットラッチ、アイソレータ等に好適に使用される。
本発明によるフェライト焼結磁石、ボンド磁石は所定の形状に加工され、以下に示すような幅広い用途に使用される。例えば、フュエールポンプ用、パワーウインド用、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータとして用いることができる。また、FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MDスピンドル用、CD,LD,MDローディング用、CD,LD光ピックアップ用等のOA、AV機器用モータとして用いることができる。また、エアコンコンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータとしても用いることができる。さらにまた、ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータとして用いることも可能である。その他の用途としては、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネットラッチ、アイソレータ等に好適に使用される。
本発明のフェライト磁石粉末をボンド磁石とする場合には、その平均粒径を0.1〜5μmとすることが望ましい。ボンド磁石用粉末のより望ましい平均粒径は0.1〜2μm、さらに望ましい平均粒径は0.1〜1μmである。
ボンド磁石を製造する際には、フェライト磁石粉末を樹脂、金属、ゴム等の各種バインダと混練し、磁場中または無磁場中で成形する。バインダとしては、NBR(アクリロニトリルブタジエン)ゴム、塩素化ポリエチレン、ポリアミド樹脂が好ましい。成形後、硬化を行ってボンド磁石とする。なお、フェライト磁石粉末をバインダと混練する前に、後述する熱処理を施すことが望ましい。
ボンド磁石を製造する際には、フェライト磁石粉末を樹脂、金属、ゴム等の各種バインダと混練し、磁場中または無磁場中で成形する。バインダとしては、NBR(アクリロニトリルブタジエン)ゴム、塩素化ポリエチレン、ポリアミド樹脂が好ましい。成形後、硬化を行ってボンド磁石とする。なお、フェライト磁石粉末をバインダと混練する前に、後述する熱処理を施すことが望ましい。
本発明のフェライト磁性材料を用いて、磁性層を有する磁気記録媒体を作製することができる。この磁性層は、上述した組成式(1)で表わされるW型のフェライト相を含む。磁性層の形成には、例えば蒸着法、スパッタ法を用いることができる。スパッタ法で磁性層を形成する場合には、本発明によるフェライト焼結磁石をターゲットとして用いることもできる。なお、磁気記録媒体としては、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープ等が挙げられる。
次に、本発明のフェライト焼結磁石の好適な製造方法について説明する。本発明のフェライト焼結磁石の製造方法は、配合工程、仮焼き工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、成形体熱処理工程及び焼成工程を含む。ここで、微粉砕工程は、第1の微粉砕と第2の微粉砕に分かれ、かつ第1の微粉砕と第2の微粉砕の間に粉末熱処理工程を行う。
<配合工程>
各原料を秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜16時間程度混合、粉砕処理する。原料粉末としては酸化物、または焼結により酸化物となる化合物を用いることができる。なお、以下ではSrCO3粉末、BaCO3粉末、Fe2O3(ヘマタイト)粉末及びCaCO3粉末を用いる例を説明するが、SrCO3粉末、BaCO3粉末は炭酸塩として添加する形態のほかに酸化物として添加することもできる。Feについても同様でFe2O3以外の化合物として添加することもできる。さらに、Sr、Ba及びFeを含む化合物を用いることも可能である。なお、各原料の配合比は、最終的に得たい組成に対応させることができるが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、SrCO3粉末、BaCO3粉末及びFe2O3粉末のいずれかを、仮焼き後に添加して最終組成になるように調整してもよい。
各原料を秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜16時間程度混合、粉砕処理する。原料粉末としては酸化物、または焼結により酸化物となる化合物を用いることができる。なお、以下ではSrCO3粉末、BaCO3粉末、Fe2O3(ヘマタイト)粉末及びCaCO3粉末を用いる例を説明するが、SrCO3粉末、BaCO3粉末は炭酸塩として添加する形態のほかに酸化物として添加することもできる。Feについても同様でFe2O3以外の化合物として添加することもできる。さらに、Sr、Ba及びFeを含む化合物を用いることも可能である。なお、各原料の配合比は、最終的に得たい組成に対応させることができるが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、SrCO3粉末、BaCO3粉末及びFe2O3粉末のいずれかを、仮焼き後に添加して最終組成になるように調整してもよい。
本発明は、この配合工程において副成分として所定量のCa成分を添加することを特徴とする。Ca成分は例えばCaCO3粉末、CaO粉末として添加することができる。配合時におけるCa成分の添加量は、上記A元素およびFe成分からなる主成分に対してCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満とする。この範囲でCa成分を添加することで平均結晶粒径が0.6μm以下、さらには0.55μm以下まで微細化され、最終的に3000Oeを超える保磁力(HcJ)を有するフェライト磁性材料を得ることができる。
Ca成分の望ましい添加量はCaCO3換算で0.1〜0.9wt%、より望ましくは0.2〜0.8wt%である。
Ca成分の望ましい添加量はCaCO3換算で0.1〜0.9wt%、より望ましくは0.2〜0.8wt%である。
<仮焼き工程>
配合工程で得られた混合粉末材料を1100〜1400℃で仮焼きする。この仮焼きを窒素ガスやアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気中で行うことにより、Fe2O3(ヘマタイト)粉末中のFe3+が還元されることによりFe2+が発生し、W型フェライトが生成される。但し、この段階でFe2+の量を十分に確保できなければ、W相の他にM相またはヘマタイト相が存在することになる。なお、W単相のフェライトを得るためには、酸素分圧を調整することが有効である。酸素分圧を下げると、Fe3+が還元されてFe2+が生成しやすくなるからである。なお、仮焼き体を所定の粒度に粉砕することによりフェライト磁石粉末とすることもできる。
本発明では、配合工程でCa成分を添加しているが、仮焼き工程以降かつ成形工程以前にもCa成分を添加することが望ましい。仮焼き工程以降に添加されたCa成分は、保磁力(HcJ)の向上および結晶粒径の調整に寄与する。この段階におけるCa成分の添加量は、CaCO3換算で0.1〜2.0wt%とすることが好ましい。CaCO3が2.0wt%を超えると磁気特性低下の要因となるCaフェライトを生成するおそれがある。仮焼き工程以降に添加するCa成分の望ましい添加量は、CaCO3換算で0.2〜1.5wt%、より望ましい添加量はCaCO3換算で0.3〜1.2wt%である。
配合工程で得られた混合粉末材料を1100〜1400℃で仮焼きする。この仮焼きを窒素ガスやアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気中で行うことにより、Fe2O3(ヘマタイト)粉末中のFe3+が還元されることによりFe2+が発生し、W型フェライトが生成される。但し、この段階でFe2+の量を十分に確保できなければ、W相の他にM相またはヘマタイト相が存在することになる。なお、W単相のフェライトを得るためには、酸素分圧を調整することが有効である。酸素分圧を下げると、Fe3+が還元されてFe2+が生成しやすくなるからである。なお、仮焼き体を所定の粒度に粉砕することによりフェライト磁石粉末とすることもできる。
本発明では、配合工程でCa成分を添加しているが、仮焼き工程以降かつ成形工程以前にもCa成分を添加することが望ましい。仮焼き工程以降に添加されたCa成分は、保磁力(HcJ)の向上および結晶粒径の調整に寄与する。この段階におけるCa成分の添加量は、CaCO3換算で0.1〜2.0wt%とすることが好ましい。CaCO3が2.0wt%を超えると磁気特性低下の要因となるCaフェライトを生成するおそれがある。仮焼き工程以降に添加するCa成分の望ましい添加量は、CaCO3換算で0.2〜1.5wt%、より望ましい添加量はCaCO3換算で0.3〜1.2wt%である。
なお、保磁力(HcJ)の向上および結晶粒径の調整に寄与するSi成分を、仮焼き工程以降かつ成形工程以前にSiO2換算で0.2〜1.4wt%の範囲で添加することが好ましい。Si成分がSiO2換算で0.2wt%未満では、Si成分の添加効果が不十分であり、一方、SiO2換算で1.4wt%を超えると残留磁束密度(Br)が低下する傾向にある。Si成分の望ましい添加量はSiO2換算で0.2〜1.0wt%、より望ましくは0.3〜0.8wt%である。
<粗粉砕工程>
仮焼き体は一般に顆粒状なので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を用い、平均粒径が0.5〜10μmになるまで処理する。ここで得られた粉末を粗粉ということにする。
仮焼き体は一般に顆粒状なので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を用い、平均粒径が0.5〜10μmになるまで処理する。ここで得られた粉末を粗粉ということにする。
<第1の微粉砕工程>
第1の微粉砕工程では粗粉をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して平均粒径で0.08〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第1の微粉砕工程は、粗粉をなくすこと、さらには磁気特性向上のために焼結後の組織を微細にすることを目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては20〜25m2/gの範囲とするのが好ましい。
粉砕方法にもよるが、粗粉砕粉末をボールミルで湿式粉砕する場合には、粗粉砕粉末200gあたり60〜100時間処理すればよい。
なお、保磁力(HcJ)の向上や結晶粒径の調整のために、第1の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、さらにはSrCO3やBaCO3等の粉末を添加してもよい。
第1の微粉砕工程では粗粉をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して平均粒径で0.08〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第1の微粉砕工程は、粗粉をなくすこと、さらには磁気特性向上のために焼結後の組織を微細にすることを目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては20〜25m2/gの範囲とするのが好ましい。
粉砕方法にもよるが、粗粉砕粉末をボールミルで湿式粉砕する場合には、粗粉砕粉末200gあたり60〜100時間処理すればよい。
なお、保磁力(HcJ)の向上や結晶粒径の調整のために、第1の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、さらにはSrCO3やBaCO3等の粉末を添加してもよい。
<粉末熱処理工程>
粉末熱処理工程では、第1の微粉砕で得られた微粉を600〜1200℃、より好ましくは700〜1000℃で、1秒〜100時間保持する熱処理を行う。 第1の微粉砕を経ることにより0.1μm未満の粉末である超微粉が不可避的に生じてしまう。超微粉が存在すると後続の磁場中成形工程で不具合が生じることがある。例えば、湿式成形時に超微粉が多いと水抜けが悪く成形できない等の不具合が生じる。そこで、本実施の形態では磁場中成形工程に先立ち熱処理を行う。つまり、この熱処理は、第1の微粉砕で生じた0.1μm未満の超微粉をそれ以上の粒径の微粉(例えば0.1〜0.2μmの微粉)と反応させることにより、超微粉の量を減少させることを目的として行うものである。この熱処理により超微粉が減少し、成形性を向上させることができる。
粉末熱処理工程では、第1の微粉砕で得られた微粉を600〜1200℃、より好ましくは700〜1000℃で、1秒〜100時間保持する熱処理を行う。 第1の微粉砕を経ることにより0.1μm未満の粉末である超微粉が不可避的に生じてしまう。超微粉が存在すると後続の磁場中成形工程で不具合が生じることがある。例えば、湿式成形時に超微粉が多いと水抜けが悪く成形できない等の不具合が生じる。そこで、本実施の形態では磁場中成形工程に先立ち熱処理を行う。つまり、この熱処理は、第1の微粉砕で生じた0.1μm未満の超微粉をそれ以上の粒径の微粉(例えば0.1〜0.2μmの微粉)と反応させることにより、超微粉の量を減少させることを目的として行うものである。この熱処理により超微粉が減少し、成形性を向上させることができる。
このときの熱処理雰囲気は、仮焼きで生成したFe2+が酸化によりFe3+となることを避けるために、非酸化性雰囲気とする。本発明における非酸化性雰囲気とは、窒素ガス、Arガス等の不活性ガス雰囲気を含む。また本発明の非酸化性雰囲気は、10vol%以下の酸素の含有を許容する。この程度の酸素の含有であれば、上記温度での保持においてFe2+の酸化は無視できる程度である。
熱処理雰囲気の酸素含有量は、1vol%以下、さらには0.1vol%以下であることが望ましい。
熱処理雰囲気の酸素含有量は、1vol%以下、さらには0.1vol%以下であることが望ましい。
<第2の微粉砕工程>
続く第2の微粉砕工程では熱処理された微粉砕粉末をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して0.8μm以下、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第2の微粉砕工程は、粒度調整やネッキングの除去、添加物の分散性向上を目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては10〜20m2/g、さらには10〜15m2/gの範囲とするのが好ましい。この範囲に比表面積が調整されると、超微粒子が存在していたとしてもその量は少なく、成形性に悪影響を与えない。つまり、第1の微粉砕工程、粉末熱処理工程及び第2の微粉砕工程を経ることにより、成形性に悪影響を与えることなく、かつ焼結後の組織を微細化するという要求を満足することができる。
粉砕方法にもよるが、ボールミルで湿式粉砕する場合には、微粉砕粉末200gあたり10〜40時間処理すればよい。第2の微粉砕工程を第1の微粉砕工程と同程度の条件で行うと超微粉が再度生成されることになることと、第1の微粉砕工程ですでに所望する粒径がほとんど得られていることから、第2の微粉砕工程は、通常、第1の微粉砕工程よりも粉砕条件が軽減されたものとする。ここで、粉砕条件が軽減されているか否かは、粉砕時間に限らず、粉砕時に投入される機械的なエネルギを基準にして判断すればよい。
なお、保磁力(HcJ)の向上や結晶粒径の調整のために、第2の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3やBaCO3等の粉末を添加することが、高磁気特性のフェライト磁性材料を得る上で有効である。
続く第2の微粉砕工程では熱処理された微粉砕粉末をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して0.8μm以下、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第2の微粉砕工程は、粒度調整やネッキングの除去、添加物の分散性向上を目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては10〜20m2/g、さらには10〜15m2/gの範囲とするのが好ましい。この範囲に比表面積が調整されると、超微粒子が存在していたとしてもその量は少なく、成形性に悪影響を与えない。つまり、第1の微粉砕工程、粉末熱処理工程及び第2の微粉砕工程を経ることにより、成形性に悪影響を与えることなく、かつ焼結後の組織を微細化するという要求を満足することができる。
粉砕方法にもよるが、ボールミルで湿式粉砕する場合には、微粉砕粉末200gあたり10〜40時間処理すればよい。第2の微粉砕工程を第1の微粉砕工程と同程度の条件で行うと超微粉が再度生成されることになることと、第1の微粉砕工程ですでに所望する粒径がほとんど得られていることから、第2の微粉砕工程は、通常、第1の微粉砕工程よりも粉砕条件が軽減されたものとする。ここで、粉砕条件が軽減されているか否かは、粉砕時間に限らず、粉砕時に投入される機械的なエネルギを基準にして判断すればよい。
なお、保磁力(HcJ)の向上や結晶粒径の調整のために、第2の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3やBaCO3等の粉末を添加することが、高磁気特性のフェライト磁性材料を得る上で有効である。
焼成工程において還元効果を発揮するカーボン粉末を、この第2の微粉砕工程に先立って添加することができる。カーボン粉末の添加は、W型フェライトを単相に近い状態(または単相)で生成させる上で有効である。ここで、カーボン粉末の添加量(以下、「カーボン量」という)は原料粉末に対して0.05〜0.7wt%の範囲とする。カーボン量をこの範囲とすることで、後述する焼成工程におけるカーボン粉末の還元剤としての効果を十分に享受することができるとともに、カーボン粉末添加なしの場合よりも高い飽和磁化(σs)を得ることができる。本発明における好ましいカーボン量は0.1〜0.65wt%、より好ましいカーボン量は0.15〜0.6wt%である。なお、添加するカーボン粉末としては、カーボンブラック等の公知の物質を用いることができる。
本発明においては、添加されたカーボン粉末が成形体中で偏析するのを抑制するために、一般式Cn(OH)nHn+2で表される多価アルコールを添加することが好ましい。ここで、上記一般式において、炭素数nは4以上とする。炭素数nが3以下であると、カーボン粉末の偏析抑制効果が不十分となる。炭素数nの好ましい値は4〜100、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜20、より一層好ましくは4〜12である。多価アルコールとしてはソルビトールが望ましいが、2種類以上の多価アルコールを併用してもよい。また、本発明で用いる多価アルコールに加えて、他の公知の分散剤をさらに使用してもよい。
上記した一般式は、骨格がすべて鎖式であってかつ不飽和結合を含んでいない場合の式である。多価アルコール中の水酸基数、水素数は一般式で表される数よりも多少少なくてもよい。上記一般式において、飽和結合に限らず不飽和結合を含んでいてもよい。また基本骨格は鎖式であっても環式であってもよいが、鎖式であることが好ましい。また水酸基数が炭素数nの50%以上であれば、本発明の効果は実現するが、水酸基数は多いほうが好ましく、水酸基数と炭素数とが一致することが最も好ましい。この多価アルコールの添加量としては、添加される粉末に対して0.05〜5.0wt%、好ましくは0.1〜3.0wt%、より好ましくは0.3〜2.0wt%とすればよい。なお、添加した多価アルコールのほとんどは磁場中成形工程後に行われる成形体熱処理工程で分解除去される。成形体熱処理工程において分解除去されずに残存した多価アルコールについても、続く焼成工程で分解除去される。
<磁場中成形工程>
磁場中成形工程は乾式成形又は湿式成形のいずれでも行うことができるが、磁気的配向度を高くするためには、湿式成形で行うことが好ましい。よって、以下では湿式成形用スラリの調製について説明した上で、続く磁場中成形工程の説明を行う。
磁場中成形工程は乾式成形又は湿式成形のいずれでも行うことができるが、磁気的配向度を高くするためには、湿式成形で行うことが好ましい。よって、以下では湿式成形用スラリの調製について説明した上で、続く磁場中成形工程の説明を行う。
湿式成形を採用する場合は、第2の微粉砕工程を湿式で行い、得られたスラリを濃縮して湿式成形用スラリを調製する。濃縮は、遠心分離やフィルタープレス等によって行えばよい。この際、フェライト磁石粉末が湿式成形用スラリ中の30〜80wt%を占めることが好ましい。また、分散媒としての水には、グルコン酸(塩)、ソルビトール等の界面活性剤を添加することが好ましい。次いで、湿式成形用スラリを用いて磁場中成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm2程度、印加磁場は5〜15kOe程度とすればよい。なお、分散媒は水に限らず、非水系のものでもよい。非水系の分散媒を用いる場合には、トルエンやキシレン等の有機溶媒を用いることができる。非水系の分散媒として、トルエンまたはキシレンを用いる場合には、オレイン酸等の界面活性剤を添加することが好ましい。
<成形体熱処理工程>
本工程では、成形体を100〜450℃、より好ましくは200〜350℃の低温で、1〜4時間保持する熱処理を行う。この熱処理を大気中で行うことにより、Fe2+の一部が酸化されてFe3+になる。つまり、本工程では、Fe2+からFe3+への反応をある程度進行させることにより、Fe2+量を所定量に制御するのである。
本工程では、成形体を100〜450℃、より好ましくは200〜350℃の低温で、1〜4時間保持する熱処理を行う。この熱処理を大気中で行うことにより、Fe2+の一部が酸化されてFe3+になる。つまり、本工程では、Fe2+からFe3+への反応をある程度進行させることにより、Fe2+量を所定量に制御するのである。
<焼成工程>
続く焼成工程では、成形体を1100〜1270℃、より好ましくは1160〜1240℃の温度で0.5〜3時間保持して焼成する。焼成雰囲気は、仮焼き工程と同様の理由により、非酸化性雰囲気中にて行う。また、本工程において、第2の微粉砕工程に先立って添加したカーボン粉末が消失する。
続く焼成工程では、成形体を1100〜1270℃、より好ましくは1160〜1240℃の温度で0.5〜3時間保持して焼成する。焼成雰囲気は、仮焼き工程と同様の理由により、非酸化性雰囲気中にて行う。また、本工程において、第2の微粉砕工程に先立って添加したカーボン粉末が消失する。
以上の工程を経ることにより、本発明のW型フェライト焼結磁石を得ることができる。このW型フェライト焼結磁石によれば、4600G以上、さらには4650G以上の残留磁束密度(Br)を得つつ、3100Oe以上、さらには3300Oe以上の保磁力(HcJ)を得ることができる。また、本発明は得られたW型フェライト焼結磁石を粉砕してフェライト磁石粉末として用いることもできる。このフェライト磁石粉末は、ボンド磁石に用いることができる。
以上、フェライト焼結磁石の製造方法について説明したが、フェライト磁石粉末を製造する場合も同様の工程を適宜採用することができる。フェライト磁石粉末は、仮焼き体から作製する場合と、焼結体から作製する場合の2つのプロセスにより作製することができる。
本発明では仮焼き前の配合時の段階ですでにCaCO3が添加されているが、仮焼き体からフェライト磁石粉末を作製する場合には仮焼き工程の前にSiO2を適宜添加することが望ましい。CaCO3及びSiO2を添加して得られた仮焼き体は、粗粉砕、粉末熱処理、微粉砕が施されてフェライト磁石粉末となる。このフェライト磁石粉末には、上述した熱処理を施した後にフェライト磁石粉末として実用に供することができる。例えば、粉末熱処理が施されたフェライト磁石粉末を用いてボンド磁石を作製する。このフェライト磁石粉末には、ボンド磁石のみに供されるものではなく、フェライト焼結磁石作製に供することもできる。したがって、フェライト焼結磁石の製造工程中に、フェライト磁石粉末が製造されているということもできる。ただし、ボンド磁石に用いる場合とフェライト焼結磁石に用いる場合とでは、その粒度が異なる場合がある。
本発明では仮焼き前の配合時の段階ですでにCaCO3が添加されているが、仮焼き体からフェライト磁石粉末を作製する場合には仮焼き工程の前にSiO2を適宜添加することが望ましい。CaCO3及びSiO2を添加して得られた仮焼き体は、粗粉砕、粉末熱処理、微粉砕が施されてフェライト磁石粉末となる。このフェライト磁石粉末には、上述した熱処理を施した後にフェライト磁石粉末として実用に供することができる。例えば、粉末熱処理が施されたフェライト磁石粉末を用いてボンド磁石を作製する。このフェライト磁石粉末には、ボンド磁石のみに供されるものではなく、フェライト焼結磁石作製に供することもできる。したがって、フェライト焼結磁石の製造工程中に、フェライト磁石粉末が製造されているということもできる。ただし、ボンド磁石に用いる場合とフェライト焼結磁石に用いる場合とでは、その粒度が異なる場合がある。
フェライト焼結磁石からフェライト磁石粉末を作製する場合には、本発明では仮焼き前の配合時の段階ですでにCaCO3が添加されているが、仮焼き工程以降かつ成形工程以前のいずれかの段階でCaCO3をさらに添加し、望ましくはSiO2も添加する。上述した工程により得られたフェライト焼結磁石を適宜粉砕することによりフェライト磁石粉末を作製することができる。
以上の通りであり、フェライト磁石粉末としては、仮焼き粉末、仮焼き及び焼成を経た後に粉砕された粉末、仮焼き後に粉砕した後、熱処理された粉末、の形態を包含している。
以上の通りであり、フェライト磁石粉末としては、仮焼き粉末、仮焼き及び焼成を経た後に粉砕された粉末、仮焼き後に粉砕した後、熱処理された粉末、の形態を包含している。
まず、原料粉末として、Fe2O3粉末(1次粒子径:0.3μm)及びSrCO3粉末(1次粒子径:2μm)を準備した。これら主成分を構成する原料粉末を表1の配合組成となるように秤量した後、主成分を構成する原料粉末に対してCaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0〜1.0wt%添加し、湿式アトライタで2時間混合、粉砕した。
次いで、仮焼きを行った。仮焼きは管状炉を用い、N2ガス雰囲気中で1時間保持する条件で行った。なお、加熱保持温度は、1300℃とし、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。
次いで、振動ミルにより解砕を行った。振動ミルによる解砕は、仮焼き体220gについて10分間処理するというものであった。
次いで、仮焼きを行った。仮焼きは管状炉を用い、N2ガス雰囲気中で1時間保持する条件で行った。なお、加熱保持温度は、1300℃とし、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。
次いで、振動ミルにより解砕を行った。振動ミルによる解砕は、仮焼き体220gについて10分間処理するというものであった。
次の微粉砕はボールミルにより2段階で行った。第1の微粉砕は粗粉砕粉末210gに対して水400mlを添加して88時間処理するというものである。
第1の微粉砕後に、微粉砕粉末をN2ガス雰囲気中、800℃で10分、1時間保持する条件で熱処理を行った。なお、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。続いて、ボールミルを用いて湿式粉砕する第2の微粉砕を行い、湿式成形用スラリを得た。なお、第2の微粉砕前に、上記熱処理がなされた微粉砕粉末に対し、BaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を1.75wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.7wt%、SiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%それぞれ添加するとともに、多価アルコールとしてソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した。
第1の微粉砕後に、微粉砕粉末をN2ガス雰囲気中、800℃で10分、1時間保持する条件で熱処理を行った。なお、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。続いて、ボールミルを用いて湿式粉砕する第2の微粉砕を行い、湿式成形用スラリを得た。なお、第2の微粉砕前に、上記熱処理がなされた微粉砕粉末に対し、BaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を1.75wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.7wt%、SiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%それぞれ添加するとともに、多価アルコールとしてソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した。
第2の微粉砕を施して得られたスラリを遠心分離器で濃縮し、濃縮された湿式成形用スラリを用いて磁場中成形を行った。なお、印加した磁界(縦磁場)は12kOe(1000kA/m)であり、成形体は直径30mm、高さ15mmの円柱状である。なお、いずれの成形においても不具合が生じなかった。この成形体を大気中にて300℃で3時間熱処理した後、窒素中で昇温速度5℃/分、最高温度1190℃で1時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体の組成を理学電機(株)の蛍光X線定量分析装置SIMULTIX3550を用いて測定した。測定結果を表1に示す。
次いで、得られた焼結体について、保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。その結果を表1に示す。なお、保磁力(HcJ)及び残留磁束密度(Br)は、得られた焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場25kOeのB−Hトレーサを用いて評価した。また、Hkは、磁気ヒステリシスループの第2象限において磁束密度が残留磁束密度(Br)の90%になるときの外部磁界強度である。Hkが低いと、高い最大エネルギ積が得られない。Hk/HcJは、磁石性能の指標となるものであり、磁気ヒステリシスループの第2象限における角張りの度合い表す。測定の結果を表1に示す。
また、図1に配合時のCa成分添加量と保磁力(HcJ)の関係を、図2に配合時のCa成分添加量と残留磁束密度(Br)の関係をそれぞれ示す。
また、図1に配合時のCa成分添加量と保磁力(HcJ)の関係を、図2に配合時のCa成分添加量と残留磁束密度(Br)の関係をそれぞれ示す。
図1、図2に示すように、配合時にCa成分を添加することによって、添加なしの場合(試料No.1)よりも保磁力(HcJ)及び残留磁束密度(Br)が向上することがわかる。ただし、配合時のCa成分添加量が1wt%(試料No.4)になると、添加なしの場合(試料No.1)よりも保磁力(HcJ)が低下してしまう。以上の結果より、本発明では、配合時のCa成分の添加量をCaCO3換算で1wt%未満、望ましくは0.01〜0.9wt%とする。
表1に示したように、本発明が推奨する範囲内でCa成分を配合時に添加した試料No.2、3によれば、3200Oe以上の保磁力(HcJ)、4700G以上の残留磁束密度(Br)、および90%以上の角型比(Hk/HcJ)を得ることができる。
表1に示したように、本発明が推奨する範囲内でCa成分を配合時に添加した試料No.2、3によれば、3200Oe以上の保磁力(HcJ)、4700G以上の残留磁束密度(Br)、および90%以上の角型比(Hk/HcJ)を得ることができる。
主成分を構成する原料粉末としてBaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)をさらに準備し、表1の配合組成となるように秤量した後、主成分を構成する原料粉末に対してCaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0〜1.33wt%添加するとともに、第2の微粉砕時に、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)を0.7wt%、BaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を1.4wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.35wt%、SiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%、ソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した以外は、実施例1と同様の条件で焼結体(試料No.5〜8)を作製した。なお、得られた焼結体において、SrとBaとの比は以下の通りである。
試料No.5 Sr:Ba=0.66:0.34
試料No.6 Sr:Ba=0.64:0.36
試料No.7 Sr:Ba=0.63:0.37
試料No.8 Sr:Ba=0.58:0.42
さらに実施例1と同様にして得られた焼結体の組成、ならびに保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。測定結果を表1に併せて示す。
試料No.5 Sr:Ba=0.66:0.34
試料No.6 Sr:Ba=0.64:0.36
試料No.7 Sr:Ba=0.63:0.37
試料No.8 Sr:Ba=0.58:0.42
さらに実施例1と同様にして得られた焼結体の組成、ならびに保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。測定結果を表1に併せて示す。
表1に示すように、配合時にSrおよびBaを複合添加した場合にも、実施例1と同様の傾向が確認できた。
ここで、主成分を構成するA元素としてSrおよびBaを選択した試料No.6と、A元素としてSrのみを選択した試料No.2を比較すると、試料No.6の方が高い保磁力(HcJ)を示す。よって、主成分としてSr単体を添加した場合よりも、SrおよびBaを複合添加することで、保磁力(HcJ)がより一層向上するといえる。
また試料No.6、7は4700G以上の残留磁束密度(Br)を有しながら、3400Oeあるいは3500Oe以上の保磁力(HcJ)を得ている。この高磁気特性は、第2の微粉砕時の添加物としてBa成分のみならず、Sr成分も併せて添加したことにも起因していると推察される。
ここで、主成分を構成するA元素としてSrおよびBaを選択した試料No.6と、A元素としてSrのみを選択した試料No.2を比較すると、試料No.6の方が高い保磁力(HcJ)を示す。よって、主成分としてSr単体を添加した場合よりも、SrおよびBaを複合添加することで、保磁力(HcJ)がより一層向上するといえる。
また試料No.6、7は4700G以上の残留磁束密度(Br)を有しながら、3400Oeあるいは3500Oe以上の保磁力(HcJ)を得ている。この高磁気特性は、第2の微粉砕時の添加物としてBa成分のみならず、Sr成分も併せて添加したことにも起因していると推察される。
次に、試料No.5〜8について、平均結晶粒径を測定した。その結果を表1に示す。なお、平均結晶粒径の測定は以下の通りとした。焼結体A面(a軸とc軸が含まれる面)を鏡面研磨後酸エッチングし、SEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、個々の粒子を認識した後、画像解析により個々の粒子の重心を通る最大径を求め、それを焼結体粒径とした。そして、平均結晶粒径は1試料あたり100個程度の結晶粒について計測を行い、全測定粒子の結晶粒径の平均値とした。
また、図3に配合時Ca成分添加量と平均結晶粒径との関係を、図4に配合時Ca成分添加量と保磁力(HcJ)との関係をそれぞれ示す。
また、図3に配合時Ca成分添加量と平均結晶粒径との関係を、図4に配合時Ca成分添加量と保磁力(HcJ)との関係をそれぞれ示す。
図3に示すように、配合時に所定量だけCa成分を添加することにより、結晶粒が微細化されることがわかる。そして、結晶粒の微細化効果の傾向が、図4に示す保磁力(HcJ)の向上効果の傾向と合致していることから、保磁力(HcJ)の向上効果は、この結晶粒の微細化に起因するものと考えられる。
表1の配合組成となるように秤量した後、主成分を構成する原料粉末に対してCaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0〜1.0wt%添加した以外は、実施例2と同様の条件で3種類の焼結体(試料No.9〜11)を作製した。得られた焼結体において、SrとBaとの比はSr:Ba=0.63:0.37である。なお、以上の実施例1、2では配合時のCa成分の添加量に応じて配合時のSr成分の量を減らしていたが、実施例3では、そのような操作は行なわなかった。
試料No.9〜11について実施例1と同様にして焼結体の組成、保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。その結果を表1に示す。
試料No.9〜11について実施例1と同様にして焼結体の組成、保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、配合時のCa成分の添加量に応じて配合時のSr成分の量を減らす操作をしなかった場合にも、実施例1、2と同様の傾向が確認できた。
ただし、配合時のCa成分の添加量がともに0.33wt%である試料No.6と試料No.10とを比較すると、試料No.6の方が100Oe以上高い保磁力を得ている。よって、配合時のCa成分の添加量に応じて配合時のSr成分の量を減らす操作は保磁力(HcJ)を向上させる上で有効であると推察される。
ただし、配合時のCa成分の添加量がともに0.33wt%である試料No.6と試料No.10とを比較すると、試料No.6の方が100Oe以上高い保磁力を得ている。よって、配合時のCa成分の添加量に応じて配合時のSr成分の量を減らす操作は保磁力(HcJ)を向上させる上で有効であると推察される。
Claims (8)
- A成分(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)およびFe成分を含む原料粉末に対しCa成分がCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加された混合物を仮焼きする工程(a)と、
前記工程(a)で得られた仮焼き体を粉砕する工程(b)と、
前記工程(b)で得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程(c)と、
前記工程(c)で得られた成形体を焼成して六方晶W型フェライトを磁性相とする焼結体を得る工程(d)と、
を備えることを特徴とする焼結磁石の製造方法。 - 前記仮焼きする工程(a)以降、前記磁場中で成形する工程(c)以前に、さらに前記Ca成分を添加することを特徴とする請求項1に記載の焼結磁石の製造方法。
- 前記Ca成分はCaCO3換算で0.1〜2.0wt%添加されることを特徴とする請求項2に記載の焼結磁石の製造方法。
- 六方晶W型フェライトが磁性相として存在し、AFe2+ aFe3+ bO27(ただし、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素、1.5≦a≦2.4、13.5≦a+b≦18.5)で表される組成を有するフェライト材料の製造方法であって、
所定割合で配合された原料粉末に対して、Ca成分をCaCO3換算で0.01wt%以上1.0wt%未満添加する工程と、
前記Ca成分が添加された前記原料粉末を仮焼きする工程と、
を含むことを特徴とするフェライト磁性材料の製造方法。 - Aとして少なくともSrを選択するとともに、
前記仮焼きする工程で得られた仮焼き体を粉砕し、得られた粉砕粉末を磁場中で成形する工程と、
前記磁場中で成形する工程で得られた成形体を焼成して焼結体を得る工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のフェライト磁性材料の製造方法。 - AとしてSrおよびBaを選択することを特徴とする請求項5に記載のフェライト磁性材料の製造方法。
- 前記仮焼きする工程以降、前記磁場中で成形する工程以前に、さらに前記Ca成分を添加することを特徴とする請求項5または6に記載のフェライト磁性材料の製造方法。
- 前記仮焼きする工程以降、前記磁場中で成形する工程以前に、さらにSr成分および/またはBa成分を添加することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のフェライト磁性材料の製造方法。
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