JP4708210B2 - ゴム組成物及びそれを使用した空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを使用した空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、ゴム組成物及びそれを使用した空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、トレッドでの発熱性を改善して、要求の厳しい重荷重用空気入りタイヤ及びオフロードタイヤへの使用に好適なゴム組成物及びその空気入りタイヤに関するものである。
一般に、空気入りタイヤにあっては自動車の低燃費と安定性が求められる。特にトラック、バス等に用いられる重荷重用空気入りタイヤあってはより改善された低発熱化が求められる。更にオフロードタイヤにあっては、トレッドゴムの低ヒステリシスロス性(低転がり抵抗性)及び耐摩耗性が求められる。また一般に、低発熱性向上のためにはトレッドゴムの変形を抑え、高温域でのtanδを下げることが好ましい。また従来、タイヤの耐摩耗性を向上させるために、トレッドゴム用組成物にSBR等の合成ゴム成分を使用し、カット性の向上や耐疲労性の向上を図ってきた。
従って、SBR等の共役ジエン系の合成ゴムを組み合わせて、ある程度の改善がなされても更に低発熱性化の向上が望まれる。そして、特に重荷重用空気入りタイヤ及びオフロード用タイヤにあっては、更に改善された低発熱性の優れたゴム組成物が求められている。
本発明は、上記課題に鑑み、重荷重用空気入りタイヤ及びオフロード用タイヤに好適に使用できる低発熱性の優れたゴム組成物及びそれを使用した空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者等は、上記の課題を解決するため、ゴム組成物中のゴム成分、特に、ゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布領域における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満であるゴム成分を選択し、そのゴム成分の二重結合部位に反応性を示すようなダイポーラー窒素を含む部分Q、及びカーボンブラック、ホワイトカーボン(又はシリカフィラー)等の充填物と反応性を示すような酸素又は硫黄を含む4〜6の窒素含有複素環部分Bを有してなる化合物を組成物に配合すると、そのゴム成分中でカーボン等の分散性が極めて高められ、ゴム組成物の低発熱性が更に向上することを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、以下の手段或いは構成を特徴するものである。
(1) ゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分Q、及び酸素又は硫黄を含む4〜6の窒素含有複素環部分Bを有する化合物0.1〜30質量部を配合したゴム組成物であって、該ゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満であり、上記のダイポーラー窒素部分Qが、A1−C(A2)=N(A3)→O、A1−C≡N→O、及びA1−C≡N→N−A4の少なくとも1以上から選択され、該A1〜A4は、上記のダイポーラー窒素部分Qが、A1−C(A2)=N(A3)→O、A1−C≡N→O、及びA1−C≡N→N−A4の少なくとも1以上から選択され、該A1〜A4は、それぞれ異なっていても良い水素原子、メチル基、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基の何れか1つから選択される基、又は上記Bを連結するメチレン、フェニレン、メチルフェニレン、メトキシフェニレンの何れか1つから選択される連結鎖となり、上記化合物は、少なくともA1〜A4の1つ以上に上記Bが連結し
上記Bの窒素含有複素環は、オキゼチン系、チオゼチン系、オキサゾリン系、チアゾリン系、テトラヒドロオキサジン系及びテトラヒドロチオキサジン系の何れか1つから選択されるものであるゴム組成物。
記B部分の窒素含有複素環がオキサゾリン又はチアゾリンである上記(1)記載のゴム組成物。
) 上記の化合物が、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミンの1以上のものからなる上記()記載のゴム組成物。
) 上記(1)〜(3)に記載されるゴム組成物を使用してなる空気入りタイヤ。
) 上記の空気入りタイヤが重荷重用空気入りタイヤである上記()記載の空気入りタイヤ。
) 上記の空気入りタイヤがオフロードタイヤである上記()記載の空気入りタイヤ。
上記手段によれば、天然ゴム及び合成ゴム、特に、そのゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満であるゴム成分に上記の化合物を加えると、ゴム成分中の二重結合部分(P)と化合物のQ部分が下記反応式(1)〜(3)の反応が生じる。
Figure 0004708210
Figure 0004708210
Figure 0004708210
更に、カーボンブラック(CB)或いはホワイトカーボン(又はシリカフィラー)と化合物B部分が下記反応式(4)〜(15)式の反応が生じる。
Figure 0004708210
Figure 0004708210
Figure 0004708210
このような化合物の作用により、ゴム組成物においてカーボンブラック及びホワイトカーボンが十分に拡散される。その結果として、低発熱性及び低ヒステリシスロス性を改善し、重荷重用空気入りタイヤ及びオフロードタイヤとしての使用性能を更に高める。
以下に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び合成ゴム等からなり、そのゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満であるゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分Q、及び酸素又は硫黄を含む4〜6の窒素含有複素環を含む部分Bを有する化合物0.1〜30質量部を配合することを特徴とするものである。
上記の化合物はダイポーラー窒素部分を含む限り本発明の化合物である。特に好ましいダイポーラー窒素部分の具体的なものとしては、A1−C(A2)=N(A3)→O(ニトロン系)、A1−C≡N→O(ニトリルオキサイド系)、及びA1−C≡N→N−A4(ニトリルイミン系)の3つが挙げられる。これらのダイポーラー窒素部分Qは、ゴム成分等のポリマー中の二重結合部分と上述の反応式(1)〜(3)で示すように反応結合するものである。
上述のニトロン系、ニトリルオキサイド系、及びニトリルイミン系のダイポーラー窒素部分Qにおける各A1〜A4の基は、水素、又は炭素数が20以下の基或いは連結鎖であることが望ましい。炭素数が20を超えると、化合物自体の分子量が嵩み、ゴム成分との反応性が悪くなる。
上記化合物はB部分を有していることから、A1〜A4はB部分を連結する連結鎖となり得る。但し、A1〜A3の場合、A1のみの場合、又はA1及びA4の場合は、少なくとも1つ以上がB部分と連結しており、B部分が複数存在していても良い。尚、A1〜A4はそれぞれ異なるものであっても良く、同一のものであっても良い。
上記の化合物のA1〜A4の具体的な基又は連結鎖としては、具体的に水素、炭素数が1〜20の範囲にあるアルキル基、及び炭素数が6〜20の範囲にあるアリール基(但し、芳香族環にはニトロ基、シアノ基、クロロ基、ブロモ基、アシル基、カルボニルアルキル基、アルキル基、及びアルコキシル基を有してよい。)の何れか1つから選択される基、又はそれらの連結鎖である。上記アルキル基、アシル基、カルボニルアルキル基、及びアルコキシル基は、分岐鎖を有していても良く、またシクロ環があっても良い。またA1〜A4はそれぞれ異なっても良い。
上記の化合物のB部分は、オキゼチン系、チオゼチン系、オキサゾリン系、チアゾリン系、テトラヒドロオキサジン系及びテトラヒドロチオキサジン系等の酸素又は硫黄を有する窒素含有複素環からなる。特に、下記構造式(I)〜(III)で表される4〜6員の窒素含有複素環からなる(表中のXは、酸素:O又は硫黄:S)。中でも、構造式(II)のオキサゾリン及びチオゾリンが望ましい。また、各構造式中において、R1〜R7は、水素、又は炭素数が20以下の基又は連結鎖である。また、A1〜A4の場合と同様に各構造式において、R1〜R3の場合、R1〜R5の場合、又はR1〜R7の場合には、少なくとも1以上がQと連結しているA1〜A4に相当する。
上述したようにB部分は、下記反応式(4)〜(15)の結合反応が起こり、カーボンブラック及びホワイトカーボンをゴム成分のポリマー中に均一に取り込むことができる。
Figure 0004708210
上記の化合物の具体的なものとしては、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン等を挙げることができる。
このような化合物において、例えば、4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン(以下、4OPMNという。)及び4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン(以下、4OPPNという。)を具体的に挙げることができる。
Figure 0004708210
上記の化合物の製造方法は、過度の実験をしなくても製造できる。例えば、4OPMN及び4OPPNに関しては後述する実施例においてその製造方法を示すことができる。
また、他の化合物についても、他の開始物質及び中間物質を適宜選択することにより代表的な製造方法で製造することができる。
上記の化合物は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲で含む。特に、0.1〜5質量部の範囲で含むことが好ましい。化合物の配合量が0.1未満では、低発熱化及び低ヒステリシスロス性の効果が十分でない。化合物の配合量が30質量部を超えると、著しいコストアップになり好ましくない。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分は天然ゴム及び合成ゴムのなからから適宜選択できブレンドされていても良い。また合成ゴムとしては、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。特に共役ジェン系ゴムが好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブチルゴムから少なくとも1種を適宜選択することが好ましい。特に好ましくは、SBRを選択すると、耐摩耗性を向上させる。
また本発明において、ゴム成分は、そのゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満である。特にポリスチレン換算での分子量100、000以下の領域のものが15%未満であることが好ましい。上記分子量の分布領域のものが20%を超えると、上記の化合部を加えた効果によりある程度、tanδ(温度50℃、2%歪)及び低発熱性に効果が見られる。一方、上記分子量の分布領域のものが20%未満では、上記の化合部との効果が相乗的に加わり、tanδ(温度50℃、2%歪)及び低発熱性に優れる。
尚、ここでの分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により行い、示唆屈曲率(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準(スタンダード)としてポリエチレン換算で実施する。また、分子量分布における分子量100、000以下の領域の値(%)とはトータルのクロマトグラムの積分値に対する分子量100、000以下の領域の積分値の比率を求めて算出したものである。
本発明のゴム組成物は、上記ゴム成分にカーボンブラック及び/又はホワイトカーボン(シリカフィラー)等が配合される。これらはゴム成分100質量部に対して30〜70質量部の範囲で配合することが好ましい。カーボンブラック及びホワイトカーボンの量が少なくなると弾性率が低下する傾向がある。また、カーボン等の量が多くなると加硫ゴム組成物の低発熱性が悪くなる傾向にある。
上記カーボンブラックは、通常ゴム業界で用いられるものから適宜選択することができ、例えば、SAF、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF等を挙げることができる。尚、カーボンブラック等は、吸油性を利用してその表面を活性させることが望ましい。
本発明のゴム組成物は、上記のゴム成分及びカーボンブラックの他に、ゴム工業で通常使用されている種々の成分を含むことができる。例えば、種々の成分として、充填剤(例えば、シリカ等の補強性充填剤;並びに炭酸カルシウム及び炭酸カルシウムなどの無機充填剤);加硫促進剤;老化防止剤;酸化亜鉛;ステアリン酸;軟化剤;及びオゾン劣化防止剤等の添加剤を挙げることができる。なお、加硫促進剤として、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)及びCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系加硫促進剤;TT(テトラメチルチウラムスルフィド)等のチウラム系加硫促進剤;並びにDPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができる。
本発明のゴム組成物は、ホース、ベルト等の一般的なゴム製品に使用できる。特に、ゴム組成物は空気入りタイヤに使用することが好適である。また、空気入りタイヤにあってはそのトレッド部分に適用することが望ましい。そして、トレッド部分が低発熱性の寄与が大きいため、重荷重用空気入りタイヤ及び長時間の悪路走行耐久性が要求されるオフロード用空気入りタイヤとして好適に使用できる。このような本発明の空気入りタイヤは、充填される気体に、空気、又は窒素などの不活性なガスを用いることができる。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これ等の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜4及び比較例1〜5)
各実施例及び比較例のゴム組成物を下記表1に示し、下記表1の配合表に従ってバンバリーミキサーを使用して架橋前のゴム組成物を調製した。3700R57にタイヤを作成し、タイヤ及びタイヤゴム部材を測定に使用した。
Figure 0004708210
表1中に各注釈において、
*1)E−SBR:乳化重合SBR(ジエン系ポリマーの分子量100、000以下の領域のもが25%である。)
*2)E−SBR:乳化重合SBR(ジエン系ポリマーの分子量100、000以下の領域のもが15%である。)
*3)E−SBR:乳化重合SBR(ジエン系ポリマーの分子量100、000以下の領域のもが10%である。)
*4)4OPPN;(4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニルニトロン)
*5)4OPMN;(4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチルニトロン)
*6)の老化防止剤6PPD;N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン
*7)の加硫促進剤DPG;ジフェニルグアニジン
*8)の加硫促進剤CZ;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
*9)の加硫促進剤MBTS;ジベンゾチアジルジスルフィド
尚、*1)〜*3)の分子量分布の領域値の測定、*4)4OPPN及び*5)4OPMNは、以下の如く製造した。
<分子量分布の領域値の測定>
乳化重合の分子量調整剤の量を変えた各SBRを、東ソー製HLC−8020、カラム;東ソー製GMH−XL(2本直列)によりゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を行い、示唆屈曲率(RI)を用いて、単分散ポリスチレンを標準(スタンダード)としてポリエチレン換算で分布測定をした。また、分子量分布領域における分子量100、000以下の領域の値(%)とはトータルのクロマトグラムの積分値に対する分子量100、000以下の領域の積分値の比率を求めて算出したものである。
<4OPPNの製造>
クロロホルム300mlに15.0gの4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(1当量)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに10.9gの2−アミノエタノール(2当量)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17.4gの黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド17.4gを攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム及びクロロホルムの各500mlを攪拌混合しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒドを得た。
4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−フェニル−ヒドロキシアミン(1当量、3.9g)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、6.7gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニルニトロンを生成した。
<4OPMNの製造>
クロロホルム300mlに4−ホルミル−ベンゾイルクロライド(15.0g、89mmol)を攪拌混合した溶液に、クロロホルム200mlに2−アミノエタノール(10.9g、178mmol)を加えた溶液を−10℃下で滴下して加えた。この溶液を25℃に2時間おいた後、白色沈殿物が濾過により除かれた。濾液はロータリーエバポレータにより乾燥させ、17g(88mmol)の黄色液である4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンズアミドを得た。
濃硫酸50mlに4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシエチル)−ベンザミド(17g、88mmol)を攪拌しながら滴下し、混合物を100℃で1時間加熱した。この溶液に20%水酸化ナトリウム液及びクロロホルムのそれぞれ500mlを混合し攪拌しながら滴下し、温度を15℃以下に維持した。生成層が分離され乾燥されて、6.3g(36mmol)の4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(収率41%)を得た。
4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−ベンズアルデヒド(1当量、6.3g)とN−メチル−ヒドロキシアミン(1.7g、36mmol)との混合物を100mlのエタノール中で30分間還流して、50ml量に濃縮した。水50mlの同量を添加して、混合物を冷蔵庫に5℃にて一昼夜冷却した。濾過分離及び乾燥により白色結晶が得られ、5.1gの4−〔2−(4,5−ヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチルニトロン(収率69%)を生成した。
次ぎに、各実施例及び各比較例についてのゴム部材及びタイヤの性能試験を行った。試験は、以下の2種類の低発熱性の評価をした。
<tanδ(温度50℃、2%歪)の低発熱性の評価>
ゴム部材を東洋精機社製スペクトロメーターにより、歪2%、50Hz、温度50℃におけるtanδを測定した。比較例1を対照値(コントロール)100として、各例を指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱性に優れていることを示す。
<低発熱性の評価>
10km/hの速度・ステップロード条件のドラムシステムを実施し、トレッドの一定の深さの位置の温度を測定し、比較例1を対照値(コントロール)100として、各例を指数で表示した。指数の値が大きい程、低発熱性に優れていることを示す。
その結果を上記表1に示した。表1の結果より、分子量100000以下の成分を25%含有するポリマーを使用した場合、比較例1と対比して比較例2、3の低ロス効果が確認できる。ところが、分子量100000以下の成分を15%含有するポリマーを使用する場合、比較例4に対してみても実施例1及び2の低ロス効果等はより大きなものとなる。分子量100000以下の成分を10%含有するポリマーを使用する場合、比較例5に対して実施例3及び4の低ロス効果等は更により大きなものとなる。
本発明のゴム組成物及びそれを使用した空気入りタイヤは、低発熱性が極めて優れているので、それをタイヤのトレッドなどに使用した場合、重荷重用タイヤやオフロードタイヤに好適に使用できるので、産業上の利用価値が高い。

Claims (4)

  1. ゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分、及び酸素又は硫黄を含む5員の窒素含有複素環部分を有する化合物0.1〜30質量部を配合したゴム組成物であって、該ゴム成分中のジエン系ポリマーがゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布における分子量(ポリスチレン換算)100、000以下の領域のものが20%未満であり、
    上記化合物が4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−トリル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−メトキシフェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトロン、4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルオキシド、4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−メチル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−N−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロオキサゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミン、フェニル−N−4−〔2−(4,5−ジヒドロチアゾリル)〕−フェニル−ニトリルイミンの何れか1つから選択されるものであるゴム組成物。
  2. 請求項に記載されるゴム組成物を使用してなる空気入りタイヤ。
  3. 上記の空気入りタイヤが重荷重用空気入りタイヤである請求項記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記の空気入りタイヤがオフロードタイヤである請求項記載の空気入りタイヤ。
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