JP5507825B2 - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。
タイヤ等の各種ゴム製品には、耐熱性、耐屈曲疲労性、耐摩耗性等、種々の性能が要求され、これらの性能を確保するため、従来より様々な工夫がなされている。
例えば、各種ゴム製品に用いられる加硫ゴムの耐熱性向上を図るため、電子線(EV)加硫を行うことやテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)等のサルファードナー加硫剤を配合することによってモノスルフィド構造が多い架橋構造を作製することが知られている。しかし、このようなモノスルフィド架橋構造では、ポリマー分子の運動性が拘束されるため、耐屈曲疲労性が大きく低下してしまうという問題がある。
一方、コンベンショナルキュアと呼ばれるポリスルフィド架橋構造では、優れた耐屈曲疲労性が得られる一方、S−S結合が熱的に弱いため、一般に耐熱性に劣ることが分かっている。このように、耐屈曲疲労性及び耐熱性を両立すること、更には耐摩耗性をも両立することは非常に困難であり、耐屈曲疲労性、耐熱性及び耐摩耗性のすべての性能を充分に満足させるゴム組成物は未だに得られていないのが現状である。
特許文献1には、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、硫黄並びに1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等のリバージョン防止剤からなるゴム組成物を使用することで、リバージョン及び熱老化によるゴム物性の低下を抑制し、低燃費性及び耐摩耗性を向上できることが開示されている。しかしながら、耐熱性、耐屈曲疲労性、耐摩耗性の性能をバランス良く高めるという点については、未だに改善の余地を残している。
特開2006−45471号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性がバランスよく優れたゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、カーボンブラック及び/又はシリカと、下記一般式(I)で表される化合物とを含有するゴム組成物に関する。
Figure 0005507825
(式中、R〜Rは同一又は異なって炭素数1〜20の炭化水素基を示し、上記R及びR、上記R及びRは互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは炭素数13〜500の炭化水素基を示す。上記R〜Rはへテロ原子を含んでもよい。)
上記ゴム組成物は、上記ゴム成分100質量部に対して、上記カーボンブラック及び/又はシリカを15〜150質量部、上記一般式(I)で表される化合物を0.1〜100質量部含有することが好ましい。
上記ゴム組成物は、更に加硫剤として硫黄を含有し、該硫黄と一般式(I)で表される化合物とのモル比〔硫黄/化合物(I)〕が10以下であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いたタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分と、カーボンブラック及び/又はシリカと、特定構造を持つ化合物(I)とを配合したゴム組成物であるので、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性のすべての性能がバランスよく優れたタイヤ等のゴム製品を提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分とカーボンブラック及び/又はシリカと上記一般式(I)で表される化合物とを含有する。ゴム成分とカーボンブラック及び/又はシリカとを含む組成物に、更に加硫剤として作用する特定構造を持つ化合物(I)を配合していることから、加硫により得られた加硫ゴム組成物において、従来困難であった耐熱性及び耐屈曲疲労性を良好に両立することができる。また、同時に良好な耐摩耗性も得ることができるので、本発明では、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性の性能をバランス良く得ることが可能である。
ゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴムを用いることができる。ジエン系合成ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。なかでも、グリップ性能及び耐摩耗性をバランスよく示すことから、NR、BR、SBRが好ましく、NR及びSBRを併用することがより好ましい。これらのゴムは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。
カーボンブラックとしては、タイヤ工業において一般的に用いられるISAF、HAFなどを用いることができる。カーボンブラックは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。カーボンブラックのNSAが80m/g未満では、補強性が小さいため十分な耐屈曲疲労性、耐摩耗性が得られにくい傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは280m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。カーボンブラックのNSAが280m/gを超えると、加工性や分散性が悪く、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
シリカとしては、タイヤ工業において一般的に用いられる湿式法又は乾式法により作製されるもの等を用いることができる。シリカは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは80m/g以上である。50m/g未満のシリカでは、補強性が小さいため、十分な耐屈曲疲労性、耐摩耗性が得られにくい傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは250m/g以下である。300m/gを超えるシリカでは、加工性や分散性が悪く、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
上記カーボンブラック及び/又はシリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。15質量部未満であると、補強性が小さいため十分な耐屈曲疲労性、耐摩耗性が得られにくい傾向がある。また、カーボンブラック及び/又はシリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは70質量部以下である。150質量部を超えると、加工性や分散性が悪く、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、上記カーボンブラック及び/又はシリカの配合量とは、カーボンブラックとシリカとの合計量である。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどが挙げられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記シランカップリング剤の配合量は、上記シリカ100質量部に対して、1質量以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。1質量部未満では、未加硫ゴム組成物の粘度が高く加工性が悪くなる傾向がある。また、シランカップリング剤の配合量は、上記シリカ100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。20質量部を超えると、その配合量ほどのシランカップリング剤の配合効果が得られず、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物では、下記一般式(I)で表される化合物を含むことを特徴とする。この化合物をカーボンブラックやシリカとともに使用することで、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性がバランスよく得られる。
Figure 0005507825
(式中、R〜Rは同一又は異なって炭素数1〜20の炭化水素基を示し、前記R及びR、前記R及びRは互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは炭素数13〜500の炭化水素基を示す。前記R〜Rはへテロ原子を含んでもよい。)
上記一般式(I)で表される化合物中のR〜Rの炭素数は、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、R〜Rの炭素数は、15以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。炭素数が20を超えるとコストが高くなる傾向がある。
上記R〜Rの炭素水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、o−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;トルイル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基等が挙げられる。
また、R及びR、R及びRが互いに結合して環構造を形成する(隣接する窒素原子をとともに環構造を形成する)場合は、例えば、下記式(II)〜(V)で表される基等が挙げられる。なお、環構造を形成する場合、R〜Rの炭素数は窒素原子を含めて環構造を形成する炭素原子の数である。
Figure 0005507825
〜Rとしては、コスト、汎用性等の観点から、アルキル基、アラルキル基、上記式(III)で表される基が好ましく、n−ブチル基、上記式(III)で表される基、オクチル基、ベンジル基がより好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物中のRの炭素数は、13以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上、更に好ましくは40以上である。また、Rの炭素数は、500以下、好ましくは300以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。炭素数が13未満では、耐屈曲疲労性が劣る傾向があり、炭素数が500を超えると、高コストになる傾向がある。
の炭化水素基としては、アルキレン基、ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。アルキレン基、ポリオキシアルキレン基としては、直鎖状、枝分かれ状、環状のものが挙げられ、特に制限はなくいずれも使用できるが、直鎖状のアルキレン基、ポリオキシアルキレン基が好ましい。
のアルキレン基として、具体的には、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコシレン基等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられ、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基等のオキシアルキレン部分がランダムに共重合したもの、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等の相異なるポリオキシアルキレン基がブロック状に結合したものであってもよい。ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基が好ましい。
前述のように、R〜Rはへテロ原子を含んでもよいが、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性の向上効果が得られないおそれがある。また、当該化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。100質量部を超えると、コストが高くなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、更に加硫剤として硫黄を配合してもよい。
上記硫黄としては、特に限定されず、タイヤ工業において一般的に用いられる加硫剤用硫黄を使用できる。
本発明のゴム組成物が加硫剤として硫黄(加硫剤として作用する硫黄)を含有する場合、上記一般式(I)で表される化合物と該硫黄(加硫剤としての硫黄)とのモル比〔硫黄/化合物(I)〕は、10以下であることが好ましい。これにより、耐熱性、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性の性能をバランス良く得ることができる。上記モル比は、より好ましくは8以下、更に好ましくは5以下である。
本発明のゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、一般式(I)で表される化合物、硫黄以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、クレー等の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、アロマオイル等のオイル、ワックス、他の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。これらの配合剤の含有量は一般的な量とすることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤ用ゴム組成物として好適に用いることができ、例えば、タイヤのトレッドに好適に適用できる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。このようにして得られた本発明のタイヤは、耐熱性、耐疲労性及び耐摩耗性において優れたバランスを示す。
本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ、二輪車用タイヤ等として好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、化合物の合成で使用した薬品についてまとめて説明する。
48%臭化水素酸:関東化学(株)製の臭化水素酸
1,14−テトラデカンジオール:Aldrich製の1,14−テトラデカンジオール
ポリエチレングリコール1000:関東化学(株)製のポリエチレングリコール1000
ポリエチレングリコール3000:関東化学(株)製のポリエチレングリコール3000
エタノール:関東化学(株)製のエタノール
チオ硫酸ナトリウム五水和物:関東化学(株)製のチオ硫酸ナトリウム五水和物
1,2−ジブロモエタン:関東化学(株)製の1,2−ジブロモエタン
酢酸ナトリウム三水和物:関東化学(株)製の酢酸ナトリウム三水和物
38%ホルムアルデヒド:関東化学(株)製のホルマリン
50%ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTP
N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛:大内新興化学工業(株)製のノクセラーZP
(化合物の分析)
化合物の構造解析については、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズのNMR装置を用いて分析した。
(化合物1の合成)
200mLフラスコに48%臭化水素酸50mL及び1,14−テトラデカンジオール1gを入れ、70℃で8時間攪拌した。その後、臭化水素酸をデカンテーションで取り除き、メタノールで洗浄して下記化合物1を得た。
Figure 0005507825
(化合物2の合成)
1,14−テトラデカンジオールの代わりにポリエチレングリコール1000を5g入れる以外は化合物1の合成と同様の処方により下記化合物2を合成した。
Figure 0005507825
(化合物3の合成)
1,14−テトラデカンジオールの代わりにポリエチレングリコール3000を5g入れる以外は化合物1の合成と同様の処方により下記化合物3を合成した。
Figure 0005507825
(化合物4の合成)
300mLフラスコに水100mL、エタノール70mL、化合物1 17g、チオ硫酸ナトリウム五水和物30gを入れ、80℃で1時間攪拌した。エタノールを減圧留去して下記化合物4を得た。
Figure 0005507825
(化合物5の合成)
1Lフラスコに水300mL、エタノール200mL、化合物2 50g、チオ硫酸ナトリウム五水和物30gを入れ、80℃で1時間攪拌した。エタノールを減圧留去して下記化合物5を得た。
Figure 0005507825
(化合物6の合成)
2Lフラスコに水800mL、エタノール500mL、化合物3 150g、チオ硫酸ナトリウム五水和物30gを入れ、80℃で1時間攪拌した。エタノールを減圧留去して下記化合物6を得た。
Figure 0005507825
(化合物7の合成)
化合物1の代わりに1,2−ジブロモエタン4.5mLを入れる以外は、化合物4と同様の処方により下記化合物7を合成した。
Figure 0005507825
(化合物8の合成)
300mLフラスコに水100mL、化合物4 9g、酢酸ナトリウム三水和物8g、38%ホルムアルデヒド4gを加え、50%ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液20gを滴下した。3時間撹絆後、トルエンで抽出・精製し、下記化合物8を得た。
Figure 0005507825
<1H−NMR>
δ0.96(12H、CH3)、δ1.2〜1.9(40H)、δ2.9(4H、−CH2−S)、δ3.8(4H、−CH2−N)、δ4.0(4H、−CH2−N)
(化合物9の合成)
50%ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液の代わりにN−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛を34g入れる以外は化合物8と同様の処方により下記化合物9を合成した。
Figure 0005507825
<1H−NMR>
δ0.96(12H、CH3)、δ1.2〜1.9(36H)、δ2.9(4H、−CH2−S)、δ3.2(4H、一CH2−N)、δ3.3(4H、一CH2−N)
(化合物10の合成)
化合物4の代わりに化合物5を17g入れる以外は化合物8と同様の処方により下記化合物10を合成した。
Figure 0005507825
<1H−NMR>
δ0.96(12H、CH3)、δ1.4(8H、−CH2−CH3)、δ1.7(8H、−CH2−CH2−CH3)、δ3.0(4H、−CH2−S)、δ3.6〜3.8(180H+4H、−O−CH2−CH2−O−、−CH2−N)、δ4.0(4H、−CH2−N)
(化合物11の合成)
1Lフラスコに水500mL、化合物6 43g、酢酸ナトリウム三水和物8g、38%ホルムアルデヒド4gを加え、50%ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム水溶液20gを滴下した。3時間攪拌後、トルエンで抽出・精製し、下記化合物11を得た。
Figure 0005507825
<1H−NMR>
δ0.96(12H、CH3)、δ1.4(8H、−CH2−CH3)、δ1.7(8H、−CH2−CH2−CH3)、δ3.0(4H、−CH2−S)、δ3.6〜3.8(276H+4H、−O−CH2−CH2−O−、−CH2−N)、δ3.95(4H、−CH2−N)
(化合物12の合成)
化合物4の代わりに化合物7を7g入れる以外は化合物8と同様の処方により下記化合物12を合成した。
Figure 0005507825
<1H−NMR>
δ0.96(12H、CH3)、δ1.4(8H、−CH2−CH3)、δ1.7(8H、−CH2−CH2−CH3)、δ2.9(4H、−CH2−S)、δ3.8(4H、−CH2−N)、δ4.0(4H、−CH2−N)
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
SBR:日本ゼオン(株)製のニッポールNS116
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(NSA:125m/g)
シリカ:デグサ社製のウルトラシルVN3(NSA:210m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例1〜6及び比較例1〜2
表1に示す配合処方にしたがって、混練り配合し、各未加硫ゴム組成物を調製した。
次に、調製した未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫ゴム組成物を得た。
また、調製した未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物を用いて、以下に示す試験方法により耐熱性及び耐屈曲疲労性を評価し、また、製造した試験用タイヤを用いて以下の試験を行い、耐摩耗性を評価した。結果を表1に示す。
(耐熱性評価)
セイコーインスツル製TMA(SS6100)を用いて、直径8mm、高さ10mmのサンプル(加硫ゴム組成物)を用い、昇温速度10℃/分で試料の熱膨張をモニターし、試料が急激な膨張をする温度をブローアウトポイントとし、比較例1を100として指数表示した。数値が大きい方が耐熱性に優れていることを示す。
(耐屈曲疲労性評価)
(株)上島製作所の定応力/定歪み疲労試験機(FT−3100)を用い、ISO6943の方法に準拠して行った。ダンベル3号の試験片(加硫ゴム組成物)を用いて、1Hz、100%の歪みを繰り返して与え続け、試験片が破断するまでの回数を求め、比較例1を100として指数表示した。数値が大きい方が耐屈曲疲労性に優れていることを示す。
(耐摩耗性評価)
アスファルト路面のテストコースにて、試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着して20周走行し、走行後タイヤの溝の深さを計測し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きい方が耐摩耗性に優れていることを示す。
Figure 0005507825
上記式(I)で表される化合物を配合した実施例では、良好な耐熱性、耐屈曲疲労性、耐摩耗性をバランス良く得ることができた。一方、当該化合物を配合していない比較例1では、全体的にこれらの性能が劣っていた。また、式(I)のRがエチレン基の化合物を配合した比較例2では、耐屈曲疲労性及び耐摩耗性に劣っていた。

Claims (4)

  1. ゴム成分と、カーボンブラック及び/又はシリカと、下記一般式(I)で表される化合物とを含有するゴム組成物。
    Figure 0005507825
    (式中、R〜Rは同一又は異なって炭素数1〜20の炭化水素基を示し、前記R及びR、前記R及びRは互いに結合して環構造を形成してもよい。Rは炭素数13〜500の炭化水素基を示す。前記R〜Rはへテロ原子を含んでもよい。)
  2. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラック及び/又はシリカを15〜150質量部、一般式(I)で表される化合物を0.1〜100質量部含有する請求項1記載のゴム組成物。
  3. 更に加硫剤として硫黄を含有し、該硫黄と一般式(I)で表される化合物とのモル比〔硫黄/化合物(I)〕が10以下である請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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