JP4707261B2 - キノキサリン系化合物および工業用殺菌組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細菌、かび、酵母または藻に対して広い抗菌スペクトルを持つ新規なキノキサリン系化合物、およびキノキサリン系化合物を含有してなる工業用殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業用水の需要の増加に伴い、再循環用水系の利用が盛んに行われているが、このような利用に際し微生物の増殖の制御と抑制は重要な問題である。また、これら産業用水以外にも産業資材の多様化に伴い、微生物の増殖による災害、かびや藻の発生による災害は広範にわたっている。とりわけ、製紙工程における用水、工業用冷却水、金属加工用潤滑油、水性エマルジョン、塗料、建材、紙、木材、合板、糊、パルプまたは繊維などに寄生する真菌類、細菌類、酵母または藻類など微生物災害等についてはその対策が急務とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これら微生物の発生を防止しまたはこれら微生物を除去する目的で、工業用殺菌剤としてイソチアゾロン系化合物、イミダゾール系化合物または有機沃素系化合物が適用範囲が広く、優れた効果を有することが知られてきた。しかし、これらの化合物もその効力(殺菌力または抗菌力)において満足できる化合物ではなく、より殺菌力が強い化合物の出現が望まれており、また上記工業用殺菌剤では殺菌効果が発揮できないような耐性菌なども現れ、その対策が急務とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、キノキサリン系化合物が細菌、かび、酵母または藻に対して広い抗菌スペクトルを持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1);
【化9】
(式中、R1は、ニトロ基であり、R5およびR6は同一であって、プロポキシ基またはブトキシ基を表す。)
で示されるキノキサリン系化合物またはその塩、
(2)一般式(1);
【化13】
(式中、R1は、ニトロ基であり、R5およびR6は同一であって、プロポキシ基またはブトキシ基を表す。)
で示されるキノキサリン系化合物またはその塩を含有することを特徴とする工業用殺菌組成物、
(3)さらに、有機溶媒が含有されている前記(2)に記載の工業用殺菌組成物、
(4)有機溶媒がグリコール系溶媒または芳香族系溶媒である前記(3)に記載の工業用殺菌組成物、および、
(5)水を含有していてもよい前記(2)に記載の工業用殺菌組成物、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に係るキノキサリン系化合物を表す一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)中、R1で表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が例示される。R1で表されるアルコキシル基としては炭素数C1−8の直鎖または分枝鎖アルキルオキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、n−ヘプトキシ基またはn−オクトキシ基などを例示することができる。また、R1で表されるアルコキシルカルボニル基としては前記炭素数C1〜C8の直鎖または分枝鎖アルキルオキシ基を持つカルボニル基を挙げることができる。例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が例示される。
【0007】
本発明に係るキノキサリン系化合物を表す一般式(1)中、R5またはR6で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示される。
R5またはR6で表されるアルコキシル基としては炭素数C1−24の直鎖または分枝鎖アルキルオキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシなどのオクチルオキシが例示される。
R5またはR6で表されるモノC1−8アルキルアミノ基のC1−8アルキル基は直鎖状または分枝状でもよく、モノC1−8アルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基が例示される。
R5またはR6で表されるジC1−8アルキルアミノ基のC1−8アルキル基としては炭素数C1−8の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられ、ジC1−8アルキルアミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が例示される。
R5またはR6で表されるアシルオキシ基としては炭素数C1−24の直鎖または分枝鎖アルキルカルボニル−オキシ基が挙げられ、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ヘキサノチルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基等が例示される。
R5またはR6で表されるアラルキルオキシ基としては、炭素数C7−30のアラルキルオキシ基が挙げられ、例えばベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロピルオキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペントキシ基などを例示することができる。
【0008】
複素環基としては、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1乃至3個環内に含む5員乃至6員の飽和又は不飽和環を表し、ベンゼン環又は他の複素環との縮合環であってもよい。これら複素環基の例として例えばピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、インドリル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリジル基、ピリジン−1−オキシド基、ピリミジニル基、キノリル基若しくはイソキノリル基等の芳香族複素環基、1,2−ジヒドロキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル基、1,2−ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、ジヒドロフリル基若しくはジヒドロチエニル基等の一部飽和複素環基又はピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基若しくはテトラヒドロチエニル基等の飽和複素環基が挙げられる。
【0009】
本発明に係るキノキサリン系化合物を表す一般式(2)中のR2、R3または一般式(3)中のR4で表されるアルキル基としては、炭素数C1−8の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などを例示することができる。
【0010】
上記の基はさらに下記の置換基で置換されていてもよく、その置換基の位置は化学的に許容されるならば、特に限定されるものではない。
一般式(1)、(2)および(3)の上記した基は医薬、農薬で常用されるものならどのようなものでもよい。上記した「置換基」としては、例えばハロゲン原子、C1−8アルキル基、ハロC1−8アルキル基、オキソ基、C1−8アルカノイル基、ハロC1−8アルキルカルボニル基、水酸基、C1−8アルコキシ基、ハロC1−8アルコキシ基、C1−8アシルオキシ基、C1−8アルキルスルホニルオキシ基、アミノ基、C1−8アルキルアミノ基、ジC1−8アルキルアミノ基、環状アミノ基、C1−8アシルアミノ基、C1−8アルキルスルホニルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、C1−8アルキルチオ基、カルボキシ基、C1−8アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、C1−8アルキルアミノカルボニル基、ジC1−8アルキルアミノカルボニル基およびフェニル基等が例示される。
上記の基中、「C1−8アルキル基」としては直鎖状または分枝状のアルキル基が挙げられ、具体例としては上記したものと同様のものが挙げられる。
ハロゲン原子および「ハロ」の具体例としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
C1−8アルコキシ基の具体例としては、上記したアルコキシル基の具体例と同様のものが挙げられる。
C1−8アシルオキシ基としては、例えばC2−4アルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ等)、C3−4アルケノイルオキシ(例、アクリロイルオキシ、メタクロオイルオキシ、クロトノイルオキシ、イソクロトノイルオキシ等)またはC3−4アルキノイルオキシ(例、プロピオロイルオキシ等)などが好ましい。
環状アミノ基としては、5〜6員環のもの、例えばピロリジノ、ピロリジニル、イミダゾリジノ、イミダゾリジニル、ピラゾリジノ、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペリジル、ピペラジノ、ピペラジニル等が挙げられる。
【0011】
また、一般式(1)中のR5またはR6で表わされる置換されているモノアルキルアミノ基としては、例えば
【化17】
(式中、t−Buはt−ブチル基を示す。)
などのC1−8アルコキシ−C1−8アルキルアミノ基が挙げられる。
【0012】
本発明の具体的化合物、本発明の工業用殺菌組成物に含有される化合物として、例えば2,3−ジメトキシキノキサリン、2,3−ジプロポキシキノキサリン、2,3−ジオクチルオキシキノキサリン、2,3−ジドデシルオキシキノキサリン、2,3−ジステアリルオキシキノキサリン、2,3−ジミリスチルオキシキノキサリン、2,3−ジメチル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジプロピル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジオクチル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジドデシル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジステアリル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジミリスチル−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジメトキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジプロポキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジオクチルオキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジドデシルオキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジステアリルオキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジミリスチルオキシ−6−ニトロキノキサリン、2,3−ジクロロ−6−メトキシカルボニルキノキサリン、2,3−ジブロモ−6−メトキシカルボニルキノキサリン、2,3−ジクロロ−6−エトキシカルボニルキノキサリン、2,3−ジオキソ−1,4−ジメチルキノキサリン、2,3−ジオキソ−1,4−ジエチルキノキサリン、2,3−ジオキソ−1,4−ジメチル−6−ニトロキノキサリン、2−ベンゾイルオキシキノキサリン、2,3−ジブトキシキノキサリンまたは2,3−ジプロポキシキノキサリンおよびその塩が挙げられる。
【0013】
本発明のキノキサリン系化合物は、いずれも自体公知の方法により容易に製造できる。具体的には下記の方法により製造することができる。例えば、Cheesemanらの方法(G.W.H.Cheeseman, J.Chem.Soc., 1170(1962); K. Tanaka, J. Heterocyclic Chem., 29, 777(1992))に従い製造した式(3)
【化18】
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、C1−8アルコキシル基またはC1−8アルコキシカルボニル基を表す。)
で示される(1H,4H)キノキサリン−2,3−ジオン誘導体(3)に、反応に関与しない溶媒(例、ジオキサン−DMF(10:1)混合溶媒、ジオキサン、DMF、ジオキサン−DMPU(10:1)混合溶媒、DMPU等)中で塩化チオニルを25〜130℃好ましくは90〜100℃、加熱攪拌下に0.1〜20時間、好ましくは1〜5時間反応させるか、上記誘導体(3)をオキシ塩化リン(POCl3)中50〜150℃好ましくは100〜130℃で加熱還流させると式(4)
【化19】
(式中、R1は前記定義に同じ。)
で表されるジクロロキノキサリン誘導体を製造することができる。
ただし、DMPUは式
【化20】
で示されるN,N’−ジメチルプロピレン尿素を表わす。
【0014】
さらに本発明の化合物は、下記の方法によっても製造できる。
ジクロロキノキサリン誘導体(4)を、種々のアルコールより製造したナトリウムアルコラートと常法により反応させることにより、塩素原子を対応するアルコキシル基に変換することができる。すなわち、ジクロロキノキサリン誘導体(4)を例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の溶媒中でナトリウアルコラート(R2−ONa、R2は前記と同意義)と0.1〜1.9好ましくは1〜1.1当量存在下、10〜50℃好ましくは20〜30℃で30分〜24時間攪拌すると式(5)のモノアルコキシモノクロロキノキサリン誘導体を製造することができる。
【0015】
さらにこの式(5)の化合物に(4)から(5)を製造する上記の反応と同条件で0.1〜1.9好ましくは1〜1.1当量のナトリウムアルコラート(R2−ONa)を作用させると2,3−ジアルコキシキノキサリン誘導体(6)を製造することができる。
また、このジクロロキノキサリン誘導体は、同様の方法により塩素原子をアミン誘導体に変換することもできる。すなわち、ジクロロキノキサリン誘導体(4)にDMF、ジオキサン、DMPUまたはこれらの混合溶媒等の溶媒中でアミン誘導体(NH2R10、R10は上記置換されていてもよいアミノ基における置換基と同意義。R3と同意義でもよい。)の0.5〜4好ましくは2〜3当量を10〜50℃、好ましくは20〜30℃または溶媒の沸点で式(7)で表わされるモノアミノモノクロロキノキサリン誘導体を製造することができる。さらに、この式(7)の化合物に同条件で0.5〜4好ましくは2〜3当量のアミン誘導体(NH2−R11、R11は上記置換されていてもよいアミノ基における置換基と同意義。R3と同意義でもよい。)を作用させると2,3−ジアミノキノキサリン誘導体(8)を製造することができる。
【0016】
また、式(3)の(1H,4H)キノキサリン−2,3−ジオン誘導体にDMF、ジオキサン、DMPUまたはこれらの混合溶媒等の溶媒中10〜50℃好ましくは20〜30℃で0.5〜2好ましくは1.1〜1.2当量の水素化ナトリウムを作用させ、続いてアルキルハライド(R2−X)1〜10好ましくは2.2〜3当量を加え、10〜50℃好ましくは20〜30℃で3〜60時間好ましくは20〜30時間作用攪拌すると式(9)の1,4−ジアルキルキノキサリン−2,3−ジオン誘導体を製造することもできる。
さらに、次の方法により製造することもできる。
式(10)のキノキサリン−3−オン誘導体にDMF、THF、ジオキサン、DMPU等またはそれらの混合物の溶媒中10〜50℃好ましくは20〜30℃で0.1〜1.8好ましくは1.1〜1.2当量の水素化ナトリウムを作用させ、続いて臭化アルキル(R2−Br、R2は前記と同意義)を0.1〜1.8好ましくは1.1〜1.2当量を加え、70〜150℃好ましくは100〜120℃で1〜10時間好ましくは3〜5時間加熱攪拌または加熱還流すると式(11)のアルコキシキノキサリン誘導体を製造することができる。
2,3−ジアミノベンゼン誘導体(12)に例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の溶媒中でα−ケトエステル(R2COCO2Et)を0.1〜1.8好ましくは1〜1.1当量を加え、10〜50℃好ましくは20〜30℃で5〜40時間好ましくは20〜30時間攪拌すると式(13)の3−アルキルキノキサリン−2−オン誘導体を製造することができる。
【0017】
【化21】
【0018】
このようにして製造されたキノキサリン系化合物は、公知の手段、例えば濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、溶媒抽出、液性変換、転溶、クロマトグラフィー、結晶化、再結晶等により、単離精製することができる。
このようにして製造されたキノキサリン系化合物は、所望により塩にすることもできる。好ましい塩としては、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、硝酸塩などを挙げることができる。
【0019】
本発明に係るキノキサリン系化合物またはその塩は、細菌、かび、酵母または藻に対し優れた殺菌力を有する。ここで、殺菌とは、細菌、かび、酵母もしくは藻の殺菌、殺かび、殺酵母、殺藻またはそれらの増殖抑制をいう。より具体的には、実施例に記載の試験方法に従って試験した場合に、最小発育阻止濃度(MIC,μg/ml)が約30μg/ml程度以下、好ましくは約25μg/ml程度以下であることが好ましい。
従って、本発明に係るキノキサリン系化合物またはその塩は、工業用殺菌剤として使用することができる。
【0020】
本発明に係る工業用殺菌組成物は、上記キノキサリン系化合物またはその塩を配合してなることを特徴とする。該キノキサリン系化合物またはその塩は1種類のみを単独で配合してもよいし、2種以上を任意の組み合わせで配合してもよい。本発明に係る工業用殺菌組成物は、液剤、粉剤、ペースト、粒剤とすることが好ましい。また、キノキサリン系化合物の溶解性の面から、さらに溶媒を含有せしめてもよい。
【0021】
該溶媒としては、例えば、水;例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール系溶媒;例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性溶媒;例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール系溶媒;例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのエステル系溶媒、または例えば、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルビフェニル、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどの芳香族系溶媒が挙げられる。中でも、有機溶媒が好ましく、より好ましくはグリコール系溶媒や芳香族系溶媒が好ましい。グリコール系溶媒として特に好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルまたはジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
【0022】
本発明のキノキサリン系化合物またはその塩を配合してなる工業用殺菌組成物において、キノキサリン系化合物またはその塩は約0.1〜99重量%程度の範囲で配合される。本発明に係る工業用殺菌組成物に上述の有機溶媒を添加する場合、該有機溶媒の添加量は、該キノキサリン系化合物含有組成物1重量部に対して約1〜100重量部程度が好ましいが、そのキノキサリン系化合物もしくはその塩の種類や配合剤の種類によって有機溶媒の比率を大幅に変えることもできる。
【0023】
さらに、本発明に係る工業用殺菌組成物には、その目的、用途等において公知の添加剤、例えば工業用殺菌剤、界面活性剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
該殺菌剤としては、2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−4−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロパンアミド、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメイト、メチル−2−ベンツイミダゾールカーバメイト、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、テトラクロロイソフタロニトリル、メチレンビスチオシアネート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、(±)−α[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノールまたはジンク−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキサイド)が挙げられ、なかでも特に、N−n−ブチル−1、2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、メチル−2−ベンツイミダゾールカーバメイト、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−1−ジメチルウレア、(±)−α[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノールおよびジンク−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキサイド)の中から選ばれる少なくとも1つとの組合せが良好な効果を示す。
【0024】
上記添加剤としての界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など公知の界面活性剤を用いることができ、中でもノニオン系界面活性剤またはアニオン系界面活性剤が好ましい。
該ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンブロック共重合物等が挙げられる。また、該アニオン系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩、リグニンスルホン酸金属塩等が挙げられ、金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0025】
上記添加剤としての酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールや2,2’−メチレンビス〔4−メチル−6−t−ブチルフェノール〕等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミンやN,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤等を用いることもできる。
上記界面活性剤および酸化防止剤の添加量は、特に制限されず、当業界で通常用いられる量に従ってよく、例えば本発明に係る工業用殺菌組成物が液剤の場合、液剤100重量部に対して約0.1〜5重量部程度添加されるのが好ましい。
【0026】
キノキサリン系化合物含有組成物の割合は、液剤の場合、キノキサリン系化合物0.1〜50重量%の範囲で配合される。ペースト剤の場合、5〜70重量%、粉剤、粒剤の場合20〜100重量部の範囲で配合される。
キノキサリン系化合物含有組成物は製紙工程における用水、工業用冷却水、金属加工用潤滑油、水性エマルジョン、塗料、建材、紙、木材、合板、糊、パルプ、繊維などに含有せしめることにより、これらの中において、寄生するかび類、細菌、酵母、藻類などの発生を防止し、品質、腐敗、美観の低下を防ぐことができる。
具体的には、キノキサリン系化合物の配合量、対象物、菌の種類(かび類、細菌類、酵母、藻類などの発生)を防止する期間にもよるが、対象物に対してキノキサリン系化合物として、スライムコントロール剤の場合;0.1〜500mg/kg好ましくは0.5〜100mg/kg、防腐剤の場合;1〜5000mg/kg好ましくは10〜1000mg/kg、防かびまたは防藻剤の場合;10〜50000mg/kg好ましくは100〜10000mg/kgとなるように含有せしめる。
【0027】
【実施例】
以下に実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。尚、%は特に断りのない限り重量%を示す。
【0028】
〔参考例1〕
2,3−ジクロロ−6−メトキシカルボニルキノキサリンの製造:
【化22】
(Meはメチル基を表わす。明細書の他の個所も同じ。)
2,3−ジオキソ−6−メトキシカルボニルキノキサリン(1.08g,4.86mmol)のジオキサン(40ml)とDMF(3ml)混合溶液に塩化チオニル(3ml,41.4mmol)を加え、90℃で3時間加熱撹拌した。溶媒を留去後、酢酸エチル(200ml)を残渣に加え,有機層を水(70ml)で5回、つづいて飽和食塩水(70ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチル−石油エーテルから再結晶し、標記化合物(化合物(3))1.0g(収率80%)を淡褐色の針状結晶として得た。
融点:111〜112℃
IR(KBR):3052,1721,1530,1274,1153,855,613cm-1
NMR(CDCl3,270MHz):4.03(3H,s),8.09(1H,d,J=9Hz),8.39(1H,dd,J=2,9Hz),8.71ppm(1H,d,J=2Hz).
【0029】
〔参考例2〕
2,3−ジメトキシ−6−ニトロキノキサリンの製造:
【化23】
ナトリウムメトキシド(117mg,2.17mmol)と2,3−ジクロロ−6−ニトロキノキサリン(233mg,1mmol)の無水メタノール溶液(40ml)を室温で1時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣に水(100ml)を加え、クロロホルム(100ml)で3回抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、標記化合物(化合物(5))214mg(収率91%)を黄色結晶として得た。
融点:170〜172℃
IR(KBr):1514,1344cm-1
NMR(CDCl3,270MHz):4.19(3H,s),4.20(3H,s),7.85(1H,d,J=9Hz),8.30(1H,dd,J=2,9Hz),8.66ppm(1H,d,J=2Hz).
【0030】
〔参考例3〕
2,3−ジオキソ−1,4−ジメチル−6−ニトロキノキサリンの製造:
【化24】
水素化ナトリウム(60%inoil,116mg,2.9mmol)をヘキサンで2回洗浄し、乾燥DMF(3ml)に懸濁させた。この懸濁液に2,3−ジオキソ−6−ニトロキノキサリン(500mg,2.41mmol)のDMF溶液(5ml)を室温で加えた。10分後にヨウ化メチル(0.18ml,2.89mmol)のDMF溶液を加え,反応混液を室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣に酢酸エチル(300ml)を加え、有機層を水(100ml)と飽和食塩水(100ml)で洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣を展開溶媒としてクロロホルム−アセトン−エタノール(100:10:2)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物(20))310mg(収率36%)を淡黄色針状結晶として得た。
融点:244〜246℃
IR(KBr):3098,1674,1523,1336,885,835cm-1.
NMR(CDCl3,270MHz):3.74(3H,s),3.76(3H,s),7.38(1H,d,J=9Hz),8.17-8.22ppm(2H,m).
【0031】
〔参考例4〕
2−ベンゾイルオキシキノキサリンの製造:
【化25】
(DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを表わす。明細書の他の個所も同じ。)
水素化ナトリウム(60%inoil,160mg,4mmol)をヘキサンで2回洗浄し、乾燥ベンゼン(10ml)に懸濁させた。この懸濁液にキノキサリン−2(1H)−オン(292mg,2mmol)を乾燥DMF(6ml)とベンゼン(10ml)の混合溶媒に溶かした溶液を室温で加えた。10分後、塩化ベンゾイル(281mg,2mmol)の乾燥ベンゼン溶液(10ml)を加え、80℃で2時間加熱撹拌した。氷水(20ml)を反応混液に加え、酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を水(70ml)で5回、5%炭酸水素ナトリウム溶液(70ml)で2回、飽和食塩水(70ml)で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣を展開溶媒としてクロロフォルムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物(9))249mg(収率50%)を淡黄色固体として得た。
融点:63℃
IR(KBr):3062,1728,1600,1271,1242,1194,1131,765,708cm-1
NMR(CDCl3,270MHz):7.48(2H,m),7.62(1H,m),7.68-7.77(2H,m),8.01(1H,m),8.13(1H,m),8.24(2H,d,J=8Hz),8.88ppm(1H,s).
【0032】
〔実施例1〕
2,3−ジブトキシ−6−ニトロキノキサリンの製造:
【化26】
(n−Buはn−ブチル基を示す。明細書の他の個所も同じ。)
ナトリウムブトキシド(384mg,4mmol)と2,3−ジクロロ−6−ニトロキノキサリン(247mg,1.1mmol)の乾燥ブタノール(100ml)溶液を室温で4時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣に水(40ml)を加えクロロホルム(100ml)で3回抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、標記化合物(化合物(11))245mg(収率70%)を淡褐色固体(アモルファス)として得た。アモルファスであるので、特定の融点を示さない.
IR(KBr):1518,1342cm-1
NMR(CDCl3,270MHz):1.08(6H,t,J=6Hz),1.3-1.9(8H,m),4.45-4.58(4H,m),7.83(1H,d,J=9Hz),8.27(1H,dd,J=2,9Hz),8.64ppm(1H,d,J=2Hz).
【0033】
〔実施例2〕
2,3−ジプロポキシ−6−ニトロキノキサリンの製造:
【化27】
(n−Prはn−プロピル基を示す。明細書の他の個所も同じ。)
ナトリウムプロポキシド(328mg,4mmol)と2,3−ジクロロ−6−ニトロキノキサリン(247mg,1.1mmol)の乾燥プロパノール(100ml)溶液を、室温で4時間撹拌した。溶媒を留去後、残渣に水(40ml)を加えクロロホルム(100ml)で3回抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去して標記化合物(化合物(1))272mg(収率85%)を淡褐色固体として得た。
IR(KBr):1515,1340cm-1
NMR(CDCl3,270MHz):1.08(6H,t,J=6Hz),1.85-1.97(4H,m),4.48-4.56(4H,m),7.80(1H,d,J=9.3Hz),8.26(1H,dd,J=2.3,9.3Hz),8.62ppm(1H,d,J=2.3Hz).
【0034】
同様の方法により合成した化合物および試験例で用いた化合物の構造式を下記表に示す。
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
〔試験例 抗菌力の測定〕
(1)試験化合物
表1、表2および表3の化合物から化合物(3)、化合物(5)、化合物(20)、化合物(11)および化合物(1)の5化合物を選び、試験した。
(2)試験菌
細菌:Bacillus subtilis(Ba)、Staphylococcus aureus(St)、Escheriachia coli(Es)、Pseudomonas aeruginosa(Ps)、 Serratia marcescens (Se)
かび:Aspergillus niger(As)、Penicillium citrinum(Pe)、Cladosporium cladosporioides(Cl)、Mucor spinescens(Mu)
酵母:Rhodotorula rubra(Rh)、Saccharomyces cerevisiae(Sa)、
藻 :Chlamydomonas reinhardtii、Euglena gracilis、Chlorella sp.
(3)試験方法
細菌、かび、酵母はグルコース寒天培地を用い、藻はアレーン培地を用い、各化合物を水で倍数希釈法にて各濃度に調製した、細菌は33℃、18時間、かび、酵母は28℃で3日間、藻は光照射(16時間は明、8時間は暗)の下25℃で7日間培養した。
細菌、かびは3日間培養して、藻は1週間培養して最小発育阻止濃度(M.I.C.,μg/ml)を求めた。
(4)試験結果
試験をした化合物の全てが、MICが25μg/ml以下であった。
【0039】
製剤1
2,3−ジブトキシ−6−ニトロキノキサリンの5gをエチレングリコール95gに溶かし100gを得た。
【0040】
製剤2
2,3−ジプロポキシ−6−ニトロキノキサリンの5gをエチレングリコール95gに溶かし100gを得た。
【0041】
試験例1 防腐試験
5%PVA−217水溶液、アクリル・スチレン系エマルジョン(商品名:ウルトラゾールC−62、ガンツ化成(株)社製防腐剤未添加品)それぞれに、製剤1、製剤2を2000mg/kg添加した。さらに103cfu/mlになるように腐敗種を加え、33℃で4週間静置させた後、BA培地にて菌数測定を行った。
【0042】
試験例2 防かび効果試験
胞子懸濁液はAspergillus niger, Penicillium citrinum, Cladosporiumcladosporioides, Alternaria sp.の混合液を用いた。供試塗料は下記表に示す塗料を用い、塗料に対して1.0%となるように添加し、No.5定性濾紙上に塗料を均一に塗布して乾燥後、次の試験法により防かび効力を評価した。
【0043】
【表5】
【0044】
分散剤としてはポリカルボン酸ナトリウム塩(商品名:オロタン850、ローム・アンド・ハース社製)、湿潤剤としてはアルキルエーテルサルフェート(商品名:トライトンCF−10、ユニオン・カーバイト社製)、消泡剤としては鉱物油とポリエチレングリコール型非イオン化界面活性剤の混合物(商品名:ノプコ8043−L、サンノプコ(株)社製)、チタン白としてルチル型酸化チタン(商品名:TITANIX JR−900、テイカ(株)社製)、エマルジョンとしてアクリル・スチレン系エマルジョン(商品名:ウルトラゾールC−62、ガンツ化成(株)社製)、造膜助剤として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(商品名:CS−12、チッソ(株)社製)、増粘剤としてヒドキエチルセルロース(商品名:SP−600、ダイセル(株)社製)の2重量%水溶液を用いた。
試験法は次のとおりである。
(1)試験法
▲1▼塗装試料を30×30mm切断し、試験片とし、24時間自然乾燥する。
▲2▼試験片を25℃、200mlの水に2日間漬け、24時間自然乾燥する。
▲3▼オートクレープで滅菌したグルコース寒天培地を直径9cmのペトリ皿中に注いで凝固させた寒天平板の中央に試験片を貼付する。
▲4▼4種混合胞子懸濁液を噴霧した後、28℃で培養する。
▲5▼培養後、4週目に試験片上におけるかびの生育程度を判定する。
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
なお判定基準を以下に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明のキノキサリン系化合物またはその塩は、細菌、かび、酵母または藻に対して広い抗菌スペクトルを持ち、かつ、長期にわたり安定した殺菌効果を示し、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程のスライムコントロール剤、殺菌剤、殺菌洗浄剤として、また、金属加工油剤、カゼイン、澱粉塗工液、樹脂の防腐剤、塗料、樹脂、インキ、シリコーンシーリング剤などの工業用殺菌組成物として使用できる。
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