JP4706776B2 - 乗員保護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の乗員を保護するための乗員保護装置に関する。
車両の衝突の際にエアバッグを展開させた後に、シートベルトによる拘束荷重を制限(エネルギを吸収)しつつシートベルトの引き出しを許容するフォースリミッタを作動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、シートベルトに前面衝突用の膨張部を設ける技術が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。さらに、ガス膨張式シートベルトにおいて、上部と下部とにガス圧の注入口を設け、側面衝突時には上部の注入口からガス圧を加圧し、正面衝突時には下部の注入口からガス圧を加圧する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特表平11−508514号公報 特開昭63−258239号公報 特開2005−297917号公報 特開平10−226295号公報
ところで、前面衝突の際にシートベルトにて拘束されている乗員と車室部材との間にエアバッグを展開させる技術では、該乗員と車室部材との間を埋める容量のエアバッグが必要であり、エアバッグが大型化してしまう。
本発明は、乗員保護性能を確保しつつ膨張体を小型化することができる乗員保護装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る乗員保護装置は、乗員の肩部から腰部にかけて装着される部分を含み、該乗員を拘束するためのシートベルトと、作動されることで前記シートベルトの弛みを除去する弛み除去装置と、車両の前面衝突に伴って作動され、前記シートベルトによる乗員の拘束荷重を制限するための荷重制限装置と、膨張体に流体を供給することで該膨張体を乗員と該乗員に対する車両前方に位置する車室部材との間で膨張展開させる膨張体展開装置と、車両の前面衝突の際に、前記弛み除去装置を作動させ、該弛み除去装置の作動後であって前記制限手段の作動開始と同時に又は該前記制限手段の作動開始後に、前記膨張体への流体供給が開始されるように前記膨張体展開装置を作動させる制御装置と、を備えている。
請求項1記載の乗員保護装置では、シートベルトの少なくとも一部は、乗員の肩部から腰部にかけて装着される。車両の前面衝突の際に制御装置は、先ず弛み除去手段を作動させる。すると、乗員に装着されているシートベルトの弛みが除去される。その後、乗員は、前面衝突に伴う慣性によってシートベルトにて拘束されつつ車両前方に移動する。この際、荷重制限装置が作動することでシートベルトの拘束荷重が制限される。そして、制御装置は、荷重制限装置の作動開始と同時に又は荷重制限装置の作動開始後に、膨張体展開装置を作動して膨張体に流体を供給させる。これにより、膨張体が乗員と車室部材との間で膨張展開され、乗員は、荷重制限装置にて拘束荷重が制限されつつシートベルトにて拘束されると共に膨張体を介して車室部材に支持される。すなわち、乗員の慣性エネルギがシートベルト及び膨張体によって吸収され、該乗員が保護される。
ここで、本乗員保護装置では、乗員がシートベルトにて拘束されつつ車両前方に移動開始するのと同時又はその後に膨張体の展開が開始されるので、換言すれば、乗員の車両前方への移動中に該乗員と車室部材との間に膨張体を展開させるので、該膨張体を展開させるべき乗員と車室部材との間(の空間)が小さい。このため、膨張体、該膨張体に流体を供給する手段を含む膨張体展開装置を小型化することができる。
このように、請求項1記載の乗員保護装置では、乗員保護性能を確保しつつ膨張体を小型化することができる。また、本乗員保護装置では、乗員に対し膨張体による拘束が要求されるタイミングで膨張体を展開させることができ、乗員保護性能の向上に寄与する。
請求項2記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項1記載の乗員保護装置において、前記膨張体が前記シートベルトにおける乗員の胸部に装着される部分を含む部分に設けられている。
請求項2記載の乗員保護装置では、膨張体がシートベルトすなわち乗員側に設けられているため、該乗員に対し適切な位置である胸部前方で膨張体を展開させやすい。このため、膨張体のさらなる小型化が可能になる。
請求項3記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項1記載の乗員保護装置において、前記膨張体が前記車室部材に設けられている。
請求項3記載の乗員保護装置では、上記の通り膨張体、膨張体展開装置が小型化されるので、該膨張体展開装置の車室部材への設置位置の自由度、車室部材の設計自由度を向上することができる。
請求項4記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項2記載の乗員保護装置において、前記膨張体は、前記シートベルトにおける乗員の肩部に装着される部分を含む部分に設けられており、前記制御装置は、車両の側面衝突の際に、前記弛み除去装置を作動させることなく前記膨張体展開装置を作動させるか、又は、該膨張体展開装置と前記弛み除去装置とを同時に作動させる。
請求項4記載の乗員保護装置では、車両の前面衝突の際には、上記の通り弛み除去装置、荷重制限装置、膨張体展開装置がこの順で作動開始(荷重制限装置と膨張体展開装置とが同時に作動開始される場合を含む)され、乗員が保護される。一方、車両の側面衝突の際には、膨張体展開装置を単独で作動させるか、又は膨張体展開装置と前記弛み除去装置とを同時に作動させる。これにより、乗員に装着されているシートベルト(乗員の肩部に装着される部分)に設けられた膨張体が乗員の肩部上を含む部分で膨張展開され、乗員が側面衝突に対し保護される。このように、本乗員保護装置では、前面衝突用と側面衝突用とで膨張体が共用されるので、膨張体を集約して膨張体展開装置を一層小型化することができる。
請求項5記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項4記載の乗員保護装置において、前記膨張体展開装置は、前記膨張体を前記シートベルトに対する複数の展開位置で展開可能に構成されており、前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた展開位置で前記膨張体が展開されるように前記膨張体展開装置を作動させる。
請求項5記載の乗員保護装置では、例えば前面衝突の際と側面衝突に際とで、シートベルトに対する膨張体の展開位置が異ならされることで、衝突形態に応じた乗員の保護が果たされる。すなわち、上記の如く集約した膨張体で、衝突形態に応じた乗員の保護を図ることができる。
請求項6記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項5記載の乗員保護装置において、前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置が複数設定されており、前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた位置で前記膨張体に流体が供給されるように前記膨張体展開装置を作動させる。
請求項6記載の乗員保護装置では、膨張体展開装置は、膨張体に対する流体の供給位置が複数設定されることで、該膨張体をシートベルトに対する複数の展開位置で展開可能に構成されている。制御装置は、衝突形態に応じて膨張体に対する流体の供給位置を異ならせる(切り替える)ことで、衝突形態に応じた位置で膨張体を展開させる。
請求項7記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項5記載の乗員保護装置において、前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給方向が複数設定されており、前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた方向から前記膨張体に流体が供給されるように前記膨張体展開装置を作動させる。
請求項7記載の乗員保護装置では、膨張体展開装置は、膨張体に対する流体の供給方向が複数設定されることで、該膨張体をシートベルトに対する複数の展開位置で展開可能に構成されている。制御装置は、衝突形態に応じて膨張体に対する流体の供給方向を異ならせる(切り替える)ことで、衝突形態に応じた位置で膨張体を展開させる。
請求項8記載の発明に係る乗員保護装置は、請求項6記載の乗員保護装置において、前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置を切り替えるための切替装置を有しており、前記切替装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置が側面衝突に応じた位置に設定されており、作動されて前記膨張体に対する流体の供給位置が前面衝突に応じた位置に切り替えられるように構成されている。
請求項8記載の乗員保護装置では、側面衝突の際に制御装置は、単に膨張体展開装置を作動させる。これにより、膨張体は、側面衝突に応じた位置に流体が供給されるので、側面衝突に応じた位置で展開される。一方、前面衝突の際に制御装置は、切替装置を切り替えてから膨張体展開装置を作動させる。これにより、膨張体は、前面衝突に応じた位置に流体が供給されるので、前面衝突に応じた位置で展開される。ここで、本乗員保護装置は、前面衝突の際には荷重制限装置の作動を待って膨張体展開装置を作動させる一方、側面衝突の際には衝突検知後に膨張体展開装置を短時間で作動させることが要求される。このため、上記の如く切替装置の初期設定を側突に対応する流体供給側にしておくことで、上記の要求に応えつつ、前面衝突の際には適時に膨張体展開装置を作動させることができる。
以上説明したように本発明に係る乗員保護装置は、乗員保護性能を確保しつつ膨張体を小型化することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置の動作状態を示す図であって、(A)は前面衝突時の側面図、(B)は側面衝突時の側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置の概略全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置の外観を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置を構成するプリテンショナ機構、フォースリミッタ機構、エアベルト装置、及び乗員保護ECUを示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置を構成するエアベルトを示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置を構成する乗員保護ECUによる制御フローの例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置を構成するプリテンショナ機構、フォースリミッタ機構、エアベルト装置の作動開始タイミングを示す図であって、(A)は前面衝突の際のタイミングチャート、(B)は側面衝突の際のタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置の前面衝突時の動作状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置の側面衝突時の動作状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置の概略全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置を構成するガス供給位置可変構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員保護装置の概略全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置の動作状態を示す図であって、(A)は正面図、(B)は前面衝突時の側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員保護装置の概略全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員保護装置の動作状態における概略全体構成を示す一部切り欠いた側面図である。
本発明の第1の実施形態に係る乗員保護装置としての車両用乗員保護装置10について、図1〜図7に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印IN、矢印OUTは、それぞれ車両用乗員保護装置10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の内側、車幅方向の外側を示しており、これらは車両用乗員保護装置10が適用された車両用シート11の前方向、上方向、シート幅方向の一方側、他方側に略一致している。
図2には、車両用シート11に適用された車両用乗員保護装置10の乗員による装着状態が一部切り欠いた側面図にて示されており、図3には、車両用シート11に適用された車両用乗員保護装置10の非装着状態が斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用乗員保護装置10は、乗員Pに装着されて該乗員を拘束するためのシートベルト12を備えている。シートベルト12の一端側は、図2に示される如く、巻き取り装置としてのリトラクタ14に引き出し可能に巻き取られている。この実施形態では、リトラクタ14は、車両用シート11を構成するシートバック16に設けられている。一方、シートベルト12の他端側は、車両用シート11を構成するシートクッション18の後部側方にアンカ19によって固定されている。
シートベルト12は、図3に示す非装着状態で車両用シート11の幅方向一端側(車幅方向外側)で車両上下方向に延在されており、その上下方向における略中間部にはタングプレート20が設けられている。タングプレート20は、車両用シート11の幅方向反対側に配置されたバックル22に係脱可能とされている。
この車両用乗員保護装置10では、タングプレート20をバックル22に係止することで、図2に示される如く、シートベルト12が乗員Pに装着されるようになっている。具体的には、シートベルト12は、シートバック16の肩部からタングプレート20(乗員Pの腰部)にかけてのショルダベルト部12Aが乗員の上体に斜めに掛け渡されて装着されると共に、タングプレート20からアンカ19にかけてのラップベルト部12Bが着座乗員Pの腰部に装着されるようになっている。
したがって、この実施形態に係る車両用乗員保護装置10は、3点式のシートベルト装置をベースとした乗員保護装置とされている。そして、車両用乗員保護装置10は、シートベルト12の弛みを除去(解消)するための弛み除去装置としてのプリテンショナ機構24と、シートベルト12による乗員Pの拘束荷重を制限するための荷重制限装置としてのフォースリミッタ機構26とを備えている。この実施形態では、プリテンショナ機構24及びフォースリミッタ機構26は、リトラクタ14に組み込まれている。プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26は公知の構造を採用し得るので、以下、リトラクタ14の構造について補足しつつ、プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26について簡単に説明する。
具体的には、図4に示される如く、リトラクタ14は、フレーム28と、フレーム28に回転可能に支持されたスプール30とを備えており、スプール30にシートベルト12に一端側が巻き回されている。スプール30の軸線方向一端側には、車両の衝突に伴ってスプール30のシートベルト12を引き出す方向の回転をロックするロック機構32が設けられている。ロック機構32は、スプール30の軸心部に配置されたトーションバー34を介して該スプール30の一端に同軸的に連結されたロック部32Aと、該ロック部32Aに保持されたロックパウル32Bと、ロックパウル32Bが噛み合い可能にフレーム28に形成されたラチェット32Cと、前面衝突等に伴う衝撃の入力によってラチェット32Cにロックパウル32Bを噛み合わせる周知の感知機構(図示省略)とを有して構成されている。
この実施形態におけるプリテンショナ機構24は、ロック機構32とは軸線方向の反対側に配置されている。プリテンショナ機構24は、スプール30と同軸的かつ一体に回転するピニオン36と該ピニオン36に噛み合い可能なラック38と、ラック38をピニオン36側に駆動するアクチュエータ40とを主要部として構成されている。アクチュエータ40は、ラック38のピニオン36側と反対側の一端に形成されたピストン40Aと、ピストン40Aが摺動可能なシリンダ40Bと、シリンダ40B内におけるラック38側とは反対側の空間にガスを供給するマイクロガスジェネレータ(MGG)40Cとを有する。アクチュエータ40は、マイクロガスジェネレータ40Cが作動されると、シリンダ40B内に供給されたガスの圧力でピストン40Aがラック38と共に図4の矢印A方向に駆動され、該ラック38がピニオン36をスプール30によるシートベルト12の巻き取り方向に回転するようになっている。このように回転されたスプール30は、シートベルト12を強制的に巻き取り、該シートベルト12の弛みを除去する(張力を付与する)ようになっている。
フォースリミッタ機構26は、ロック機構32によって32Aの引き出し方向回転がロックされている状態で、乗員Pに作用する拘束荷重を制限しつつ、該乗員Pの車両前方への移動に伴うスプール30の引き出し方向への回転を許容する構成とされている。この実施形態では、フォースリミッタ機構26は、乗員Pからシートベルト12を介して伝達される引き出し荷重が所定値を超えると、一端がロック部32Aにてロックされたトーションバー34が捩れることで、乗員Pに作用する拘束荷重を制限しつつシートベルト12の引き出しを許容し、衝撃エネルギの一部を吸収するようになっている。したがって、この実施形態におけるフォースリミッタ機構26は、トーションバー34と、該トーションバー34をスプール30とロック機構32との間に介在させる構造と、で車両の前面衝突の際に受動的に作動するように構成されている。
また、車両用乗員保護装置10は、図2及び図3に示される如く、膨張体展開装置としてのエアベルト装置44を備えている。エアベルト装置44は、ガス供給を受けて膨張展開される膨張体としてのエアベルト45と、エアベルト45にガスを供給するためのインフレータ46とを主要部として構成されている。エアベルト45は、シートベルト12におけるショルダベルト部12Aを含む少なくとも一部に設けられ(ショルダベルト部12Aの少なくとも一部を構成し)ている。
より具体的には、エアベルト45は、車両用シート11の着座乗員Pによるシートベルト12の装着状態で、少なくともシートバック16の肩部16Aに巻き掛けられる部分、及びショルダベルト部12Aの少なくとも上部に亘る部分に設定されている。このエアベルト45は、図5に示される如く、ベルト本体としてのカバー48と、カバー48の内側に設けられた伸縮可能なメッシュウエビング50と、メッシュウエビング50の内側に折り畳み状態で設けられたエアバッグ52とを主要部として構成されている。
そして、エアベルト45は、エアバッグ52がインフレータ46からガス供給を受けて膨張されることで、全体として図1(A)又は図1(B)に示される如く、インフレータ46からのガス供給を受けて乗員Pと車室部材としてインストルメントパネル42又は図示しないサイドドアとの間で膨張、展開されるようになっている。シートベルト12におけるエアベルト45以外の部分は、縫製等によってカバー48に接合された帯状のウエビングとされている。したがって、エアベルト45は、その長手方向の中央部が最も大きく膨張、展開されるようになっている。
また、図2に示される如く、インフレータ46は、この実施形態では、シートバック16内に設けられ、図示しないシートバックフレーム等に固定的に支持されており、フレキシブルチューブ54を介してエアバッグ52へのガス供給可能に連通されている。
車両用乗員保護装置10は、図4に示される如く、制御装置としての乗員保護ECU55を備えている。乗員保護ECU55は、プリテンショナ機構24のアクチュエータ40を構成するマイクロガスジェネレータ40C、及びエアベルト装置44を構成するインフレータ46のそれぞれに電気的に接続されており、これらの作動(タイミング)を制御するようになっている。具体的には、乗員保護ECU55は、車両の前面衝突を検出するための前突センサ56、車両の側面衝突を検出するための側突センサ58に電気的に接続されており、これら前突センサ56、側突センサ58からの信号に基づいてマイクロガスジェネレータ40C、インフレータ46を作動させるようになっている。前突センサ56は、例えば複数のセンサで構成されることで、フルラップ前面衝突に対応する信号、オフセット前面衝突に対応する信号を出力するようになっている。
また、この実施形態では、乗員保護ECU55は、バックル22に対するタングプレート20の係脱に応じた信号を出力するバックルセンサ60にも電気的に接続されており、該バックルセンサ60からタングプレート20がバックル22に係止されていることに対応するON信号が入力されていることを条件に、マイクロガスジェネレータ40C、インフレータ46を作動させるようになっている。
乗員保護ECU55は、車両の前面衝突の際には、プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26、エアベルト装置44がこの順で作動されるように、マイクロガスジェネレータ40C、インフレータ46の作動タイミングを制御するようになっている。この実施形態では、乗員保護ECU55は、前突センサ56から前面衝突に対応した信号が入力された場合にマイクロガスジェネレータ40Cを作動させ、このプリテンショナ機構24の作動後であって現実の衝突検知から所定時間経過後にインフレータ46を作動させるように構成されている。この所定時間は、上記の通り、前面衝突の検出からフォースリミッタ機構26の作動が開始されるまでの時間差として設定されている。したがって、車両用乗員保護装置10では、フォースリミッタ機構26の作動開始と同時又はフォースリミッタ機構26の作動開始後であって作動中に、インフレータ46が作動されてエアベルト45へのガス供給が開始されるようになっている。
また、この実施形態では、乗員保護ECU55は、前突センサ56によってフルラップ前面衝突が検出された場合の所定時間Tfと、オフセット前面衝突が検出された場合の所定時間Toとが異なる(Tf<To)設定とされている。例えば、フルラップ前面衝突の場合、衝突検出からプリテンショナ機構24の作動までの時間が略10msec、衝突検出からフォースリミッタ機構26の作動開始までの時間が最短で略10msecであることを考慮して、Tf≒50msec(〜70msec)として設定されている。また例えば、オフセット前面衝突の場合、衝突検出からプリテンショナ機構24の作動までの時間が略25msec、衝突検出からフォースリミッタ機構26の作動開始までの時間が最長で略90msecであることを考慮して、To≒90msec(〜70msec)として設定されている。
また、乗員保護ECU55は、車両の側面衝突の際には、プリテンショナ機構24とエアベルト装置44とがほぼ同時に作動されるように、マイクロガスジェネレータ40C、インフレータ46の作動タイミングを制御するようになっている。この実施形態では、乗員保護ECU55は、側突センサ58から側面衝突が検出されたことに対応した信号が入力された場合に、最短時間でマイクロガスジェネレータ40C及びインフレータ46を同時に作動させるように構成されている。
次に、第1の実施形態の作用について、図6に示す乗員保護ECU55の制御フローであるフローチャートを参照しつつ説明する。
上記構成の車両用乗員保護装置10では、車両用シート11の着座乗員Pが、リトラクタ14からシートベルト12を引き出しつつタングプレート20をバックル22に係止することで、図2に模式的に示される如くショルダベルト部12Aが着座乗員Pの上体に装着されると共に、ラップベルト部12Bが着座乗員Pの腰部に装着される。
この状態で乗員保護ECU55は、前突センサ56、側突センサ58からの信号に基づいて車両の前面衝突、側面衝突を監視している。具体的には、乗員保護ECU55は、ステップS10でバックルセンサ60からのON信号が入力されているか否かを判断する。乗員保護ECU55は、バックルセンサ60からのON信号が入力されていることを条件にステップS12に進み、前突センサ56からの信号に基づいて前面衝突が検出されたか否かを判断する。前面衝突が検出されないと判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS14に進む。
ステップS14で乗員保護ECU55は、側突センサ58からの信号に基づいて側面衝突が検出されたか否かを判断する。側面衝突が検出されないと判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS10に戻る。一方、側面衝突が検出されたと判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS16に進み、マイクロガスジェネレータ40Cとインフレータ46とを同時に作動させる。
すると、シートベルト12が強制的に巻き取られて該シートベルト12(主にショルダベルト部12A)の弛みが除去されると共に、インフレータ46からのガス供給を受けたエアベルト45が図1(B)に示される如く膨張、展開される。この場合、エアベルト45は、乗員Pの肩部Sの前後で(胸部Bにかけて)大きく膨張され、図示しないサイドドアと乗員Pの頭部Hとの間で展開される。これにより、乗員Pは側面衝突に対し良好に保護される。そして、乗員保護ECU55は、制御を終了する。
他方、ステップS12で前面衝突検出されたと判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS18に進み、前突センサ56からに信号に基づいてフルラップ前面衝突であるか否かを判断する。フルラップ前面衝突であると判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS20に進み、マイクロガスジェネレータ40Cすなわちプリテンショナ機構24を作動させる。
すると、プリテンショナ機構24によってスプール30が強制的にシートベルト12の巻き取り方向に回転され、該シートベルト12の弛みが除去されてシートベルト12(エアベルト45)が乗員Pに密着される。この際、前面衝突に伴う加速度によって、リトラクタ14のロック機構32は受動的に作動され、シートベルト12の引き出し方向へのスプール30の回転がロックされている。そして、乗員Pが慣性で車両用シート11(車体)に対し車両前方に移動するのに伴いシートベルト12に作用する引き出し荷重が所定値を超えると、スプール30はトーションバー34を捩じりつつシートベルト12の引き出し方向に回転され、拘束荷重を制限しつつ乗員Pの車両前方への移動を許容する。すなわちフォースリミッタ機構26が受動的に作動される。
ステップS20の実行後、乗員保護ECU55は、ステップS22に進み、前突センサ56による前面衝突の検出から所定時間Tfが経過したか否かを判断する。所定時間Tfが経過した場合、乗員保護ECU55は、ステップS24に進み、エアベルト装置44のインフレータ46を作動させる。この所定時間Tfは、フルラップ前面衝突の発生からフォースリミッタ機構26の作動開始までの所要時間に対応して設定されているので、インフレータ46からエアベルト45へのガス供給開始は、フォースリミッタ機構26の作動開始と同時、又はフォースリミッタ機構26の作動後の所定時間内とされる。
これにより、車両用乗員保護装置10では、フォースリミッタ機構26の作動中(乗員Pの車両前方への移動中)に、エアベルト45が図1(A)に示される如く膨張、展開される。この場合、エアベルト45は、車両前方に移動する乗員Pに追従して引き出されているので、乗員Pの肩部Sから胸部Bにかけての部分、特に胸部Bの車両前方で大きく膨張され、インストルメントパネル42と前傾姿勢となる乗員Pの胸部B、頭部Hとの間で展開される。これにより、乗員Pはフルラップ前面衝突に対し良好に保護される。そして、乗員保護ECU55は、制御を終了する。
ステップS18でフルラップ前面衝突ではない、すなわちオフセット前面衝突であると判断した場合、乗員保護ECU55は、ステップS26に進み、マイクロガスジェネレータ40Cすなわちプリテンショナ機構24を作動させる。これにより、上記したオフセット前面衝突の場合と同様にシートベルト12の弛みが除去される。また、上記したオフセット前面衝突の場合と同様に、ロック機構32が受動的に作動され、その後、フォースリミッタ機構26が受動的に作動される。
ステップS26の実行後、乗員保護ECU55は、ステップS28に進み、前突センサ56による前面衝突の検出から所定時間Toが経過したか否かを判断する。所定時間Toが経過した場合、乗員保護ECU55は、ステップS24に進み、エアベルト装置44のインフレータ46を作動させる。この所定時間Toは、オフセット前面衝突の発生からフォースリミッタ機構26の作動開始までの所要時間に対応して設定されているので、インフレータ46からエアベルト45へのガス供給開始は、フォースリミッタ機構26の作動開始と同時、又はフォースリミッタ機構26の作動後の所定時間内とされる。
これにより、車両用乗員保護装置10では、上記したフルラップ前面衝突の場合と同様に、フォースリミッタ機構26の作動中(乗員Pの車両前方への移動中)に、エアベルト45が図1(A)に示される如く膨張、展開され、乗員Pはオフセット前面衝突に対し良好に保護される。そして、乗員保護ECU55は、制御を終了する。
ここで、車両用乗員保護装置10では、車両の前面衝突の際に、乗員保護ECU55が先ずプリテンショナ機構24を作動させた後、フォースリミッタ機構26の作動開始を待ってエアベルト装置44を作動させる。すなわち、車両用乗員保護装置10では、図7(A)に示される如く、プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26、エアベルト装置44の順で作動が開始される。これにより、車両用乗員保護装置10では、上記した通り、フォースリミッタ機構26の作動期間中にエアベルト装置44のエアベルト45が膨張展開される。
すなわち、車両用乗員保護装置10では、乗員Pとインストルメントパネル42との間隔が狭くなったタイミングでエアベルト45を展開させて乗員Pを保護することとなり、フォースリミッタ機構の作動前に前面衝突用のエアバッグを乗員の前方で展開させておく比較例と比較して、エアベルト45及び該エアベルト45にガスを供給するインフレータ46を小型化することができる。また、車両用乗員保護装置10では、エアベルト45による乗員Pの保護(拘束)が要求されるタイミングでエアベルト45を展開させるため、上記の通り小型化されたエアベルト45によって乗員Pを良好に保護することができる。 このように、第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10では、乗員保護性能を確保しつつエアベルト45、インフレータ46(エアベルト装置44)を小型化することができる。
特に、車両用乗員保護装置10では、膨張体としてエアベルト45が乗員Pに密着されるシートベルト12に設けられているので、該エアベルト45を乗員Pに対し保護効果の高い位置で展開させやすい。このため、より小型の(コンパクトな)エアベルト45で乗員Pの保護性能を確保することが可能になる。また、車両用乗員保護装置10では、フルラップ前面衝突とオフセット前面衝突とでエアベルト装置44の作動タイミングを異ならせているので、前面衝突の形態に応じた良好な乗員Pの保護を果たすことができる。
さらに、車両用乗員保護装置10では、側面衝突の際には、図7(B)に示される如く該側面衝突の検出後直ちにエアベルト45が展開されるので、乗員Pとの距離が近いサイドドアへの衝突に対し乗員Pを良好に保護することができる。そして、この側面衝突に対する乗員Pの保護と、前面衝突に対する乗員Pの保護とが、共通のエアベルト45を用いて成されるので、車両におけるエアバッグの集約化が図られる。また、インストルメントパネル42に設けられる前面衝突用のエアバッグやシートバック16に設けられるサイドエアバッグを不要とすることも可能であり、車両全体としてエアバッグを集約化することに寄与する。
またエアバッグの集約化と小型化との慮率について補足すると、側面衝突に対し乗員Pを保護するエアベルト45は、該乗員Pの肩部S上でかつ頭部Hの側方で展開されるため、前面衝突の初期からエアベルト45を展開させると、正面断面視で略円形状に展開されたエアベルト45が肩部Sに対し滑り易く、該前面衝突に対し乗員Pを良好に保護するためにはエアベルト45を大型化する必要がある。これに対して車両用乗員保護装置10では、フォースリミッタ機構26の作動後にエアベルト装置44を作動させるため、上記の通り乗員Pの車両前方への移動に追従して(滑りなく)シートベルト12を引き出しつつ、小型のエアベルト45を胸部Bの前方で展開させて該乗員Pを保護することができる。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図10には、本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置70が図2に対応する一部切り欠かれた側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員保護装置70は、エアベルト装置44に代えて、切替装置としてのガス供給位置可変構造72を有するエアベルト装置74を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10とは異なる。
ガス供給位置可変構造72は、エアベルト45(エアバッグ52)とインフレータ46との間に設けられ、前面衝突の場合と側面衝突の場合とでエアバッグ52に対するガスの供給位置が異ならされるように、乗員保護ECU76によって制御されるようになっている。これにより、車両用乗員保護装置70では、シートベルト12の長手方向に対するエアベルト45の展開位置(展開開始位置、展開過程での形状)を制御する(衝突形態に応じて異ならせる)ことができる構成とされている。
具体的には、ガス供給位置可変構造72は、前面衝突の際にエアバッグ52にガスを供給するための前突用ガス供給管78と、側面衝突の際にエアバッグ52にガスを供給するための側突用ガス供給管80と、インフレータ46が発生したガスを前突用ガス供給管78及び側突用ガス供給管80の何れか一方に選択的に供給するためのガス供給先切替機構82とを備えている。
前突用ガス供給管78は、エアベルト45のリトラクタ14側端部から、乗員Pによるシートベルト12(エアベルト45)の装着状態で、乗員Pの胸部B近傍に位置する部分にかけてエアバッグ52内に配置されている。したがって、図8(A)及び図8(B)にも示される如く、前突用ガス供給管78の先端開口部であるガス供給口78Aは、エアベルト45における乗員Pの胸部B近傍にガスを供給するようになっている。
側突用ガス供給管80は、エアベルト45のリトラクタ14側端部から、乗員Pによるシートベルト12(エアベルト45)の装着状態で、乗員Pの肩部S近傍に位置する部分にかけてエアバッグ52内に配置されている。したがって、図9(A)及び図9(B)にも示される如く、側突用ガス供給管80の先端開口部であるガス供給口80Aは、エアベルト45における乗員Pの肩部S近傍にガスを供給するようになっている。
ガス供給先切替機構82は、図11に示される如く、インフレータ46からのガスが流入されるガスヘッダ82Aを有する。ガスヘッダ82Aには、前突用ガス供給管78に連通されたフレキシブルチューブ84、側突用ガス供給管80に連通されたフレキシブルチューブ86がそれぞれ独立して接続されている。この実施形態では、フレキシブルチューブ84、86は、チューブ壁の一部を共有している。また、ガス供給先切替機構82は、フレキシブルチューブ84との連通口を閉止すると共にフレキシブルチューブ86との連通口を開放する側突用位置(図11の実線参照)と、フレキシブルチューブ84との連通口を開放すると共にフレキシブルチューブ86との連通口を閉止する前突用位置(図11の想像線参照)とをとり得る弁体82Bを有する。この実施形態では、弁体82Bは連通窓82Dを有する矩形板状に形成されており、長手方向にスライドすることで連通窓82Dの位置をフレキシブルチューブ84の開口端に一致させる前突用位置と、連通窓82Dの位置をフレキシブルチューブ86の開口端に一致させる側突用位置とを切り替え得る構成とされている。
すなわち、ガス供給先切替機構82では、弁体82Bの位置に応じてエアベルト45(エアバッグ52)に対するガスの供給先を切り替え得る構成とされている。そして、ガス供給先切替機構82は、弁体82Bを側突用位置と前突用位置との間で駆動するアクチュエータ82Cを有する。この実施形態では、アクチュエータ82Cは、通常は弁体82Bを側突用位置に保持し、乗員保護ECU76によって作動されることで弁体82Bを前突用位置に駆動する構成とされている。また、この実施形態では、アクチュエータ82Cとして、応答速度が速いマイクロガスジェネレータ(MGG)又はピエゾアクチュエータが採用されている。
乗員保護ECU76は、前突センサ56からの信号に基づいて前面衝突が検出された場合に、アクチュエータ82C(ガス供給先切替機構82)を作動させる点を除いて、車両用乗員保護装置10を構成する乗員保護ECU55と同様に構成されている。図示は省略するが、この実施形態では、乗員保護ECU76は、ステップS20とステップS24との間、ステップS26とステップS24との間にアクチュエータ82Cを作動させるようになっている。車両用乗員保護装置70における他の構成は、図示しない部分を含め車両用乗員保護装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置70によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。以下、車両用乗員保護装置70の作用効果における車両用乗員保護装置10の作用効果とは異なる部分を主に説明する。
上記構成の車両用乗員保護装置70では、前面衝突の際には、乗員保護ECU76がアクチュエータ82Cを作動させることで、弁体82Bはインフレータ46(エアベルト装置44)の作動に先立ってインフレータ46の前突用位置に移動される。そして、インフレータ46が作動されると、該インフレータ46が発生したガスは、ガス供給先切替機構82、フレキシブルチューブ84、前突用ガス供給管78を経由して、ガス供給口78Aからエアベルト45のエアバッグ52に供給される。すると、エアベルト45は、ガス供給口78A近傍である乗員Pの胸部B付近が図8(A)及び図8(B)に示される如く膨張、展開が開始される。すなわち、車両用乗員保護装置70では、乗員Pにおける前面衝突に対してエアベルト45による保護が必要な位置から該エアベルト45の膨張展開が開始され、乗員Pは前面衝突に対しエアベルト45によって良好に保護される。この点は、フルラップ前面衝突においてもオフセット前面衝突においても変わるところはない。
一方、側面衝突の際には、乗員保護ECU76がアクチュエータ82Cを作動させないため、弁体82Bが側突用位置に位置する状態でインフレータ46が作動される。すると、インフレータ46が発生したガスは、ガス供給先切替機構82、フレキシブルチューブ86、側突用ガス供給管80を経由して、ガス供給口80Aからエアベルト45のエアバッグ52に供給される。これにより、エアベルト45は、ガス供給口80A近傍である乗員Pの肩部S付近が図9(A)及び図9(B)に示される如く膨張、展開される。すなわち、車両用乗員保護装置70では、乗員Pにおける側面衝突に対してエアベルト45による保護が必要な位置から該エアベルト45の膨張展開が開始され、乗員Pは側面衝突に対しエアベルト45によって良好に保護される。
以上説明したように、車両用乗員保護装置70では、前面衝突又は側面衝突に応じたより適切な位置で展開されたエアベルト45によって、乗員Pを良好に保護することができる。すなわち、乗員保護性能を向上しつつ、前面衝突及び側面衝突でエアベルト45(エアバッグ52)を集約することができる。
なお、第2の実施形態では、エアバッグ52におけるガス供給口78Aからガス供給を受ける部分と、ガス供給口80Aからガス供給を受ける部分とを、内布等で仕切った構成としても良い。この構成では、シートベルト12に対するエアベルト45の展開位置の選択性を向上することができる。
(第3の実施形態)
図12には、本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員保護装置90が図10に対応する一部切り欠かれた側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員保護装置90は、エアベルト装置74に代えて、ガス供給方向可変構造92を有するエアベルト装置94を備える点で、第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置70とは異なる。
ガス供給方向可変構造92は、エアベルト45に対しリトラクタ14側からガスを供給するインフレータ46に加えて、エアベルト45に対しバックル22側からガスを供給するインフレータ96を備えている。インフレータ96は、例えばシートクッション18の車両後端側に配置され、フレキシブルチューブ98、バックル22及びタングプレート20を介してエアベルト45のエアバッグ52に連通されている。
乗員保護ECU95は、エアベルト装置94のガス供給方向可変構造92を構成するインフレータ46及びインフレータ96のそれぞれに電気的に接続されており、これらの作動を制御するようになっている。乗員保護ECU95は、前突センサ56からの信号に基づいて前面衝突が検出された場合に、インフレータ46に代えてインフレータ96を作動させる点を除いて、車両用乗員保護装置10を構成する乗員保護ECU55と同様に構成されている。図示は省略するが、この実施形態では、乗員保護ECU95は、ステップS24においてインフレータ96を作動させるようになっている。車両用乗員保護装置90における他の構成は、図示しない部分を含め車両用乗員保護装置10、70の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用乗員保護装置90によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。以下、車両用乗員保護装置90の作用効果における車両用乗員保護装置10の作用効果とは異なる部分を主に説明する。
上記構成の車両用乗員保護装置90では、前面衝突の際には、乗員保護ECU95がインフレータ96を作動させ、該インフレータ96が発生したガスは、エアベルト45のエアバッグ52に対しバックル22側から供給される。すると、エアベルト45は、ガス供給側である乗員Pの胸部B付近が膨張、展開される(エアベルト45の形状について図8(A)及び図8(B)参照)。すなわち、車両用乗員保護装置90では、乗員Pにおける前面衝突に対してエアベルト45による保護が必要な位置から該エアベルト45の膨張展開が開始され、乗員Pは前面衝突に対しエアベルト45によって良好に保護される。この点は、フルラップ前面衝突においてもオフセット前面衝突においても変わるところはない。
一方、側面衝突の際には、乗員保護ECU95はインフレータ46を作動させ、該インフレータ46が発生したガスは、エアベルト45のエアバッグ52に対しリトラクタ14側から供給される。すると、エアベルト45は、ガス供給側である乗員Pの肩部S付近が膨張、展開される(エアベルト45の形状について図9(A)及び図9(B)参照)。すなわち、車両用乗員保護装置90では、乗員Pにおける側面衝突に対してエアベルト45による保護が必要な位置から該エアベルト45の膨張展開が開始され、乗員Pは側面衝突に対しエアベルト45によって良好に保護される。
以上説明したように、車両用乗員保護装置90では、前面衝突又は側面衝突に応じたより適切な位置で展開されたエアベルト45によって、乗員Pを良好に保護することができる。すなわち、乗員保護性能を向上しつつ、前面衝突及び側面衝突でエアベルト45(エアバッグ52)を集約することができる。
なお、第3の実施形態では、エアバッグ52におけるインフレータ46からガス供給を受ける部分と、インフレータ96からガス供給を受ける部分とを、内布等で仕切った構成としても良い。この構成では、シートベルト12に対するエアベルト45の展開位置の選択性を向上することができる。
また、第3の実施形態では、例えば、インフレータ96及びフレキシブルチューブ98に代えて、ガス供給先切替機構82及びフレキシブルチューブ84を介してエアベルト45の車両下部にガスを供給するようにしても良い。この場合、エアベルト45の車両上部にはフレキシブルチューブ86を介してガスが供給されることとなり、共通のインフレータ46を有する構成でガス供給方向可変構造92を得ることができる。また、ガス供給方向可変構造92を有する構成において、エアバッグ52内の特定位置にガスを導く前突用ガス供給管78、側突用ガス供給管80を設けても良い。
さらに、第3の実施形態では、シートベルト12におけるリトラクタ14側と反対側の端部を、アンカ19に代えてリトラクタに引き出し可能に巻き取らせても良い。この構成では、タングプレート20をシートベルト12の長手方向にスライドさせることなく、該タングプレート20を適正位置でバックル22に結合させることができる。これにより、インフレータ96とエアベルト45とを確実に連通させることに寄与する。
(第4の実施形態)
図14には、本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員保護装置100が図2に対応する一部切り欠かれた側面図にて示されている。また、図13(A)には、本発明の第4の実施形態に係る車両用乗員保護装置100の作動状態が模式的な正面図にて示されており、図13(B)には、車両用乗員保護装置100の作動状態が模式的な側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用乗員保護装置100は、左右一対のシートベルト12を備えて、所謂4点式のシートベルト装置をベースとした乗員保護装置として構成されている点で、3点式シートベルト装置をベースとした車両用乗員保護装置10とは異なる。
具体的には、左右のシートベルト12は、それぞれ上端側がリトラクタ14に巻き取られると共に、下端側がリトラクタ102によって引き出し可能に巻き取られている。この実施形態では、リトラクタ102は、シートクッション18の車両後部内に配設されている。そして、一方のシートベルト12の略中間部にはタングプレート20が設けられ、他方のシートベルト12の略中間部にはバックル22が設けられている。これにより、車両用乗員保護装置100では、タングプレート20をバックル22に係止させた使用状態において、左右一対のショルダベルト部12Aが車両用シート11の着座乗員Pの状態を拘束すると共に、左右のシートベルト12で構成されるラップベルト部12Bにて着座乗員Pの腰部を拘束するようになっている。
この車両用乗員保護装置100では、左右のショルダベルト部12Aにそれぞれエアベルト45が設けられており、左右一対のエアベルト装置44を有する構成と捉えることができる。車両用乗員保護装置100を構成する乗員保護ECU104は、S16、S20、S26において左右のプリテンショナ機構24を同時に作動させる点、及びステップS16、S24において左右のインフレータ46を同時に作動させる点を除いて、車両用乗員保護装置10を構成する乗員保護ECU55と同様に構成されている。車両用乗員保護装置100における他の構成は、図示しない部分を含め車両用乗員保護装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第4の実施形態に係る車両用乗員保護装置100によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、車両用乗員保護装置100では、左右のショルダベルト部12Aにそれぞれエアベルト45が設けられているため、前面衝突の際にはより良好に乗員Pを保護することができる。また、側面衝突に対しては、反衝突側の車室部材等の接触に対しても乗員Pが良好に保護される。
さらに、左右のショルダベルト部12Aを長手方向中間部で結合する4点式の車両用乗員保護装置においては、上記の如く前面衝突の初期にエアベルト45を展開すると、肩部Sがシートベルト12に対し滑ることでタングプレート20とバックル22との結合部が相対的にずり上がり(位置ずれが促進され)易く、該前面衝突に対し乗員Pを良好に保護するためにはエアベルト45を大型化する必要がある。これに対して車両用乗員保護装置100では、フォースリミッタ機構26の作動後にエアベルト装置44を作動させるため、上記の通り乗員Pの保護性能が高い4点式である構成において、上記の通り乗員Pの車両前方への移動に追従して(滑りなく)シートベルト12を引き出しつつ、小型のエアベルト45を胸部Bの前方で展開させて該乗員Pを保護することができる。
なお、車両用乗員保護装置100において、左右のシートベルト12の両端がリトラクタ14、102に巻き取られた例を示したが、各シートベルト12が一方側のみでリトラクタに巻き取られた構成としても良い。この場合、タングプレート20、バックル22をシートベルト12に対しスライドさせるためのスライド手段を設けることが好ましい。
また、車両用乗員保護装置100において、ラップベルト部12Bにもエアベルトを設けた構成としても良い。
(第5の実施形態)
図15には、本発明の第5の実施形態に係る車両用乗員保護装置110の作動状態が模式的な側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員保護装置110は、シートベルト12にエアベルト45(エアベルト装置44)が設けられず、インストルメントパネル42に膨張体展開装置としての前面衝突用のエアバッグ装置112が設けられている点で、車両用乗員保護装置10とは異なる。
シートベルト12は、プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26を備えられた3点式のシートベルト装置を構成している。エアバッグ装置112は、インストルメントパネル42内に折り畳み状態で設けられガス供給を受けて車両後方に膨張展開される膨張体としてのエアバッグ114と、エアバッグ114にガスを供給するインフレータ116とを有する。インフレータ116は、乗員保護ECU118によって作動が制御されるようになっている。インフレータ116からガス供給を受けたエアバッグ114は、膨張圧によってインストルメントパネル42に形成されたエアバッグドア42Aを開裂させて、車室内側(車両後方)に展開されるようになっている。
乗員保護ECU118による制御は、前突センサ56からの信号に基づいて前面衝突を検出した場合に、フォースリミッタ機構26の作動開始と同時か又はフォースリミッタ機構26の作動開始後にインフレータ116を作動するものである。これにより、エアベルト装置110では、フォースリミッタ機構26に作動期間中に、エアバッグ114が乗員Pとインストルメントパネル42との間で展開される構成である。
また、車両用乗員保護装置110は、乗員Pを側面衝突に対し保護するために図示しないサイドエアバッグ装置及びカーテンエアバッグ装置の少なくとも一方を備えている。車両用乗員保護装置110における他の構成は、図示しない部分を含め車両用乗員保護装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第5の実施形態に係る車両用乗員保護装置110によっても、前面衝突用と側面衝突用とのエアバッグの集約化効果を除き、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員保護装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員保護装置110では、車両用乗員保護装置10のエアベルト装置44を小型化することができるのと同様にエアバッグ装置112(エアバッグ114及びインフレータ116)を小型化することができるので、該エアバッグ装置112が設けられるインストルメントパネル42の設計自由度が向上する。また、エアバッグ装置112のインストルメントパネル42等の車室部材に対する設置の自由度も向上する。
なお、上記した各実施形態では、プリテンショナ機構24、フォースリミッタ機構26がリトラクタ14に設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、3点式の構成においてはバックル22と車体(車両用シート11)との間にプリテンショナ機構24及びフォースリミッタ機構26の少なくとも一方を設けても良く、4点式の構成においてはリトラクタ102(又はリトラクタ102に代えて設けたアンカ19と車体との間等)にプリテンショナ機構24及びフォースリミッタ機構26の少なくとも一方を設けても良い。
また、上記した各実施形態では、プリテンショナ機構24としてスプール30を巻き取り方向に強制的に回転駆動する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、上記の変形例ではバックル22自体を車体側に引き寄せるものであっても良く、膨張して長さが減じられる張力発生用のエアベルトにてプリテンショナ装置を構成しても良い。また、本発明におけるフォースリミッタ装置がエネルギ吸収部材としてのトーションバー34(のみ)を備える構成に限定されないことは言うまでもない。
さらに、上記した各実施形態では、所定時間Tf、Toが一定である例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、車速センサや衝突体との距離(の時間変化)を検出する距離センサからの信号に基づく衝突速度に応じて、所定時間Tf、Toを連続的又は段階的に変化させる構成としても良い。この構成は、各衝突速度において、フォースリミッタ機構26の作動期間中におけるより適時に、エアベルト45、エアバッグ114を展開させることが可能になる。
またさらに、上記した各実施形態では、前面衝突の検出後にプリテンショナ機構24を作動させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前面衝突が不可避であると予測された場合にプリテンショナ機構24を作動させる構成としても良い。この場合でも前面衝突に対しエアベルト装置44、74、94、エアバッグ装置112が作動されるのは、衝突検出から所定時間Tf、Toの経過後とすれば良い。
さらに、上記した各実施形態では、シートバック16内にリトラクタ14が設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、リトラクタ14はピラー内やシートバック16後方の車体部分等に固定されても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、乗員Pの車両前方に車室部材としてのインストルメントパネル42が配置された車両用シート11(助手席)に本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、運転席や後部座席(2列シートや3列目シートである場合を含む)に本発明が適用されても良い。
また、上記した第1〜4の実施形態では、側面衝突の際にプリテンショナ機構24とエアベルト装置44、74、94を同時に作動させる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、側面衝突の際にはプリテンショナ機構24を作動させることなくエアベルト装置44、74、94を作動させる構成としても良い。
10 車両用乗員保護装置(乗員保護装置)
12 シートベルト
24 プリテンショナ機構(弛み除去装置)
26 フォースリミッタ機構(荷重制限装置)
42 インストルメントパネル(車室部材)
44 エアベルト装置(膨張体展開装置)
45 エアベルト(膨張体)
55 乗員保護ECU(制御装置)
70・90・100・110 車両用乗員保護装置
72 ガス供給位置可変構造(切替装置)
74・94 エアベルト装置(荷重制限装置)
76・95・104・118 乗員保護ECU
112 エアバッグ装置(膨張体展開装置)
114 エアバッグ(膨張体)

Claims (8)

  1. 乗員の肩部から腰部にかけて装着される部分を含み、該乗員を拘束するためのシートベルトと、
    作動されることで前記シートベルトの弛みを除去する弛み除去装置と、
    車両の前面衝突に伴って作動され、前記シートベルトによる乗員の拘束荷重を制限するための荷重制限装置と、
    膨張体に流体を供給することで該膨張体を乗員と該乗員に対する車両前方に位置する車室部材との間で膨張展開させる膨張体展開装置と、
    車両の前面衝突の際に、前記弛み除去装置を作動させ、該弛み除去装置の作動後であって前記制限手段の作動開始と同時に又は該前記制限手段の作動開始後に、前記膨張体への流体供給が開始されるように前記膨張体展開装置を作動させる制御装置と、
    を備えた乗員保護装置。
  2. 前記膨張体が前記シートベルトにおける乗員の胸部に装着される部分を含む部分に設けられている請求項1記載の乗員保護装置。
  3. 前記膨張体が前記車室部材に設けられている請求項1記載の乗員保護装置。
  4. 前記膨張体は、前記シートベルトにおける乗員の肩部に装着される部分を含む部分に設けられており、
    前記制御装置は、車両の側面衝突の際に、前記弛み除去装置を作動させることなく前記膨張体展開装置を作動させるか、又は、該膨張体展開装置と前記弛み除去装置とを同時に作動させる請求項2記載の乗員保護装置。
  5. 前記膨張体展開装置は、前記膨張体を前記シートベルトに対する複数の展開位置で展開可能に構成されており、
    前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた展開位置で前記膨張体が展開されるように前記膨張体展開装置を作動させる請求項4記載の乗員保護装置。
  6. 前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置が複数設定されており、
    前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた位置で前記膨張体に流体が供給されるように前記膨張体展開装置を作動させる請求項5記載の乗員保護装置。
  7. 前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給方向が複数設定されており、
    前記制御装置は、車両の衝突形態に応じた方向から前記膨張体に流体が供給されるように前記膨張体展開装置を作動させる請求項5記載の乗員保護装置。
  8. 前記膨張体展開装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置を切り替えるための切替機構を有しており、
    前記切替装置は、前記膨張体に対する流体の供給位置が側面衝突に応じた位置に設定されており、作動されて前記膨張体に対する流体の供給位置が前面衝突に応じた位置に切り替えられるように構成されている請求項6記載の乗員保護装置。
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