JP4705711B2 - アイオノマー組成物及びその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用モール材料として好適な、耐スクラッチ性、耐衝撃性、耐熱性、柔軟性、熱融着性に優れたアイオノマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体アイオノマーの柔軟性、耐熱性を改良するために、オレフィン系熱可塑性エラストマーを配合すると有効であることが特開昭61−36347号公報に提案されている。得られる組成物は耐スクラッチ性、柔軟性、耐熱変形性等に優れており、種々の成形品の表皮材として魅力的な材料である。表皮材として使用する場合、意匠性を高めるためにエンボス加工を施して艶消し処理することが一般的であるが、自動車内装材として使用される場合には非常に高温に上昇する場合があるため、上記組成物においても例えば120℃の如き高温になるとエンボス加工の凹凸面が熱により溶融して平滑になり、元の樹脂本来の艶に戻ってしまう、いわゆる艶戻り現象を回避することは難しかった。
【0003】
上記組成物の耐熱性をさらに高め、艶戻り現象を抑制するために、アイオノマーとしてオレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体で変性したものを使用すると有効であることが特開平2−202531号公報に記載されており、自動車内外装品、その他用途に有用であることも記載されている。この提案では専ら耐艶戻り性の改良に力点が置かれており、具体例においてはアイオノマーに対し2重量%以上のオレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体を配合した系で評価がなされていた。本発明者らの検討によれば、このような配合系においては加工性が悪く押出成形などで良好な外観を有する成形品を生産性よく製造することが難しく、また熱融着加工する場合には強固に接着しないという問題点があることが分かった。
【0004】
ところで自動車内外装品の中でもモール材料は通常押出成形により製造されており、ウインドシールドモールにおいては押出成形されたモールの末端同士を熱融着により接着して使用されている。この場合、熱融着性が不良であると、モール材料の外観のみならず耐久性にも悪影響を与えるので大きな問題となる。したがってモール材料としては、柔軟性、耐スクラッチ性、耐候性、耐ワックスリムーバー性などの諸性質を維持した上で熱融着性が優れることが強く求められており、上記提案においてはこれら諸性質を備えた組成物を得る具体的な処方が示されているとはいえなかった。また現在この種用途に使用されているオイルを添加した材料、フィラーを大量に含有する材料、非相溶系の材料などにおいても、熱融着時に相分離が起こって接着不良が発生しており、これら材料の有する優れた物性を維持した状態でその溶融物性を改良することが求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、自動車用モール材料として使用可能な、加工性、耐候性、熱融着性、耐スクラッチ性、柔軟性、耐衝撃性、耐艶戻り性、耐ワックスリムーバー性等に優れたアイオノマー組成物を求めて検討を行った。その結果、上記先願において、オレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体の使用量を少量かつ厳密に調節するとともに、カーボンブラックの所定量を配合することが有効であることを見出した。したがって本発明の目的は、自動車用モール、とりわけウインドシールドモール材料として好適なアイオノマー組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(A)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)、オレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体(C)及びカーボンブラック(D)からなり、(A)/(B)=50/50〜95/5(重量比)、(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)を0.01〜1.5重量部、(D)を1〜10重量部となる割合で配合したこと、熱融着加工される自動車用モールに用いることを特徴とするアイオノマー組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるアイオノマー(A)のベースポリマーとなるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、耐スクラッチ性、耐衝撃性などを考慮すると、不飽和カルボン酸含量が1〜30重量%、とくに5〜25重量%のものを使用するのが好ましい。かかる共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸の二元共重合体のみならず、任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。しかしながらこのような他の単量体を多く含むものは一般に柔軟で融点が低く、組成物の耐スクラッチ性や耐熱変形性を損なうことがあるので、多元共重合体を使用する場合には、例えば、他の単量体含量が20重量%以下、とくに10重量%以下のものを使用するのが望ましい。このようなベースポリマーとなる共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
【0008】
上記共重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどを例示することができるが、とくに好ましいのは、アクリル酸又はメタクリル酸である。また上記他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などを例示することができる。
【0009】
アイオノマー(A)は、上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の1部あるいは全部を金属イオンあるいは有機アミンで中和することによって得られる。組成物の加工性、耐スクラッチ性等を考慮すると、アイオノマーとしては、中和度が20〜90%、とくに30〜85%のものを使用するのがより好ましい。
【0010】
アイオノマーにおける金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、クロム、鉛、マンガン、アルミニウムなどの典型金属及び遷移金属などから選ばれるものであり、また上記有機アミンとしては、n−へキシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、メタキシレンジアミンなどを例示することができるが、とくに好ましくはナトリウムまたは亜鉛である。アイオノマーとしてはまた、これら金属イオンを2種以上含むものを使用してもよい。
【0011】
アイオノマー(A)としてはまた、高温、高圧下のラジカル共重合によって得られるエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、例えばエチレン・アクリル酸エチル共重合体をけん化することによって得られるものを使用することができる。
【0012】
アイオノマー(A)としては、組成物の加工性、耐スクラッチ性、耐衝撃性等を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分、とくに0.5〜20g/10分のものを使用するのが好ましい。アイオノマーとしてはまた、JIS A硬度が80〜98、とくに85〜95程度のものを使用するのが好ましい。
【0013】
本発明で使用されるオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、パーオキサイド架橋型オレフィン共重合体ゴム成分とオレフィン系プラスチック成分からなり、少なくともオレフィン共重合体ゴム成分が部分的にあるいは高度に架橋されているものであって、エラストマー的性質を有するものである。
【0014】
上記パーオキサイド架橋型オレフィン共重合ゴムは、エチレン・プロピレン共重合ゴム、エチレン・1−ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムのようなオレフィンを主体とする非晶性共重合体であって、パーオキサイドによって架橋できるものである。上記三元共重合ゴムにおけるポリエンとしては、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジビニルベンゼンなどを例示することができる。上記エチレン・プロピレン共重合ゴムやエチレン・プロピレン・ポリエン共重合ゴムにおいては、エチレンとプロピレンの重合比率は、エチレン/プロピレンがモル比で50/50〜90/10、とくに55/45〜85/15のものが好ましい。またポリエンの含有量としては、共重合ゴムの沃素価が16以下となるような割合で存在しているものを使用するのが好ましい。共重合ゴムとしてはまた、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が10〜120、とくに40〜80程度のものが望ましい。
【0015】
オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するオレフィン系プラスチック成分としては、1種又はそれ以上のオレフィンから種々の製法で製造される結晶性の重合体もしくは共重合体であって、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの重合体もしくは共重合体を挙げることができる。これらの中では、パーオキサイド分解型プラスチック、例えばポリプロピレン(少量の他のオレフィンとの共重合体を含む)などとポリエチレン、とくに直鎖低密度ポリエチレンから選ぶのが好ましく、とくにポリプロピレンを必須成分とするものが好ましい。
【0016】
オレフィン系熱可塑性エラストマーには、任意にポリイソブチレンのような過酸化物分解型ゴムやオイルのようなものが含まれていてもよい。この熱可塑性エラストマーの典型的な製法は、上記各成分に過酸化物を加え、動的に架橋する方法であり、このようにして得られる部分架橋物をそのままあるいはさらに結晶性オレフィン系プラスチックをブレンドして用いることができる。この熱可塑性エラストマーとしてはまた、無水マレイン酸のようなもので変性されたものであってもよい。
【0017】
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、230℃、10kg荷重におけるMFRが1〜100g/10分、とくに5〜70g/10分程度のものを使用することが望ましい。またショアA硬度が45〜90、とくに50〜85程度のものを使用するのが好ましい。
【0018】
このような熱可塑性エラストマーとして、ミラストマー、サーモラン、サントプレン、グドマーなどの商品名で市販されており、市場から容易に入手することができる。
【0019】
本発明で用いられるオレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体(C)は、オレフィンと不飽和エポキシ単量体の2元共重合体のみならず、他に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。共重合体(C)を構成するオレフィンとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンなどを例示することができるが、エチレンが最も好ましい。
【0020】
また不飽和エポキシ単量体としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートのような不飽和グリシジルエステル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテルなどを例示することができるが、とくに不飽和グリシジルエステルの使用が好ましい。
【0021】
共重合体(C)において、多元共重合体の場合に含有されていてもよい他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。これらの中では、とくにアクリル酸又はメタクリル酸のエステルが好ましい。
【0022】
オレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体(C)においては、オレフィンが40〜99重量%、とくに50〜98重量%、不飽和エポキシ単量体が0.5〜20重量%、とくに1〜15重量%、上記他の単量体が0〜49.5重量%、好ましくは10〜40重量%の範囲で共重合されているものが好ましい。不飽和エポキシ単量体含量が少なすぎると、組成物における熱融着性、耐熱性、耐艶戻り性の改良が顕著でなく、一方その量が多くなりすぎると、溶融粘度の上昇により成形が困難となったり、また組成物中にゲルが発生するなどの問題を起こすことがある。また他の単量体が相当量含まれている方が熱融着性の改善に効果的である。
【0023】
このような共重合体は、ランダム共重合体であってもグラフト共重合体であってもよいが、一般にはアイオノマーとの反応の均一性からランダム共重合体を使用するのが好ましい。このようなランダム共重合体は、例えば、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
【0024】
上記共重合体としてエチレン共重合体を使用する場合には、190℃、2160g荷重におけるMFRが、0.01〜1000g/10分、とくに0.1〜200g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0025】
本発明で使用されるカーボンブラック(D)は、種々の方法で製造されたものを使用することができる。また任意の粒径のものが使用できるが、例えば7〜500nm程度の粒径のものが好適に使用できる。
【0026】
本発明のアイオノマー組成物は、アイオノマー(A)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)、オレフィン・不飽和エポキシ単量体共重合体(C)及びカーボンブラック(D)を必須成分として含有する。アイオノマー(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の配合割合は、重量比で50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10の範囲である。オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)は、アイオノマー(A)の耐熱性、柔軟性の改良に有効であるが、上記範囲を越えて配合すると、耐スクラッチ性、耐ワックスリムーバー性、耐候性などが損なわれるので好ましくない。
【0027】
オレフィン・不飽和エポキシ単量体共重合体(C)は、アイオノマー(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100重量部に対し、0.01〜1.5重量部、好ましくは0.1〜1.2重量部の割合で配合される。共重合体(C)はまた、アイオノマー(A)100重量部に対し、0.01〜1.6重量部、とくに0.1〜1.3重量部となる割合で使用するのが好ましい。すなわち共重合体(C)を配合しないと組成物同士を熱融着した場合の接着性が悪く、熱融着部の接着強度が充分でなかったり、あるいは屈曲試験において熱融着部にクラックが入ったりすることがあるが、これを少量配合することにより熱融着性が顕著に改良される。また耐艶戻り性も改善される。しかしながらこの配合量が上記範囲を越えると、溶融粘度の上昇により加工性が著しく損なわれるので好ましくない。
【0028】
カーボンブラック(D)は、アイオノマー(A)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100重量部に対し、1〜10重量部、好ましくは1.5〜8重量部の割合で配合される。これにより組成物の耐候性、寸法安定性が改善されるが、その配合量が上記範囲を超えると、加工性が悪化するので好ましくない。
【0029】
本発明の組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内において各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の一例として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
【0030】
とりわけ長期の屋外使用に耐えるためには、酸化防止剤、光安定剤及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種を配合することが望ましい。酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどで代表されるヒンダードフェノール系酸化防止剤、光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートなどで代表されるヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどで代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤や2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどで代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好適に使用できる。これらの効果的な添加量は、アイオノマー(A)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)の合計100重量部に対し、それぞれ0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲である。
【0031】
本発明のアイオノマー組成物を調製するには、アイオノマー(A)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)、オレフィン・不飽和エポキシ単量体共重合体(C)、カーボンブラック(D)及び任意に配合される添加剤を、溶融状態で混練すればよい。カーボンブラックや任意に配合される添加剤は、マスターバッチを用いる方法で配合するのが最適である。このときの希釈用に使用される樹脂として、上記の重合体成分を充当することができるが、他の樹脂、例えば他のエチレン共重合体を用いてもよい。配合は一括して行なってもよく、また逐次的に行なってもよい。例えば、アイオノマー(A)及びオレフィン系熱可塑性エラストマー(B)を予め溶融混合したものに、オレフィン・不飽和エポキシ単量体共重合体(C)及びカーボンブラック(D)のマスターバッチを添加して溶融混合することによって調製することができる。このように(A)及び(B)を予め溶融混合したものに(C)を配合する態様を取れば、(A)と(C)の局部的な反応が抑制できるので好ましい。
【0032】
本発明のアイオノマー組成物は、耐熱性、耐スクラッチ性、熱融着性、接着性、耐ワックスリムーバー性等に優れているので、自動車の内外装材、とくにモール用途に好適である。モールには、ウインドシールドモール、ボディサイドモール、バンパーモール、ルーフモールなどがあるが、本発明のアイオノマー組成物はとくに熱融着処理が行なわれるウインドシールドモールに有用である。
【0033】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例で用いた原料及び得られた組成物の評価方法は、以下の通りである。
【0034】
1.使用原料
(1)アイオノマー(A)
アイオノマー1:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量8重量%)の亜鉛アイオノマー(中和度50%、MFR1.1g/10分(190℃、2160g荷重)、JIS A硬度93)、三井・デュポンポリケミカル(株)製
(2)オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)
エラストマー1:商品名ミラストマー9020N(MFR12g/分(230℃、10kg荷重))、三井化学(株)製
(3)オレフィン・不飽和エポキシ単量体共重合体(C)
共重合体1:エチレン・アクリル酸nブチル・グリシジルメタクリレート共重合体(アクリル酸nブチル含量28重量%、グリシジルメタクリレート含量5.25重量%、MFR12g/10分(190℃、2160g荷重))、デュポン(株)製
(4)添加剤
添加剤1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量10重量%)ベースの36重量%カーボンブラックマスターバッチ
添加剤2:紫外線吸収剤セイカライザーE、大阪精化工業(株)製
【0035】
2.評価方法
(1)MFR:JIS K7210準拠
測定温度190℃、荷重2160gで測定
【0036】
(2)融着性試験
(イ)試験片の作成
長さ38mm×幅6mm×高さ3mmの試料2本の(6mm×3mm)面をそれぞれ350℃の熱板に10秒間接触させた後、溶融した面同士を手で押しつけ融着させた。自然冷却後、融着部のバリをカッターで取り除いた。
(ロ)折り曲げ試験
融着1週間後の試験片の融着部を手で180度折り曲げて、クラックの有無を確認した。
○:融着部クラックなし
×:融着部クラック発生
【0037】
(ハ)融着強度試験
融着1週間後の試験片につき、オートグラフ(引張速度:200mm/分)により引張強度を測定した。
【0038】
(ニ)耐候性試験
サンシャインウェザロメーター(スガ試験機株式会社)を用い、83℃/照射60分、水シャワー12分の繰返し条件下で、1000時間行なった。
○:クラックが入らず、外観に変化なし
×:微細なクラックが大量に発生
【0039】
[実施例1〜3、比較例1]
アイオノマー1、エラストマー1及び共重合体1を表1に示す割合で混合してスクリュー式短軸押出機に供給し、樹脂温度180℃で溶融混練した後押出機から出るストランドを切断してペレット化した。得られたペレットからプレス成形により試験片を作成し、その評価を行なった。結果を表1に併記する。
【0040】
[比較例2]
共重合体1を配合しない以外は実施例1と同様に試験片を作成し、その評価を行なった。結果を表1に併記する。
【0041】
【表1】
Figure 0004705711
表1中、原料使用量は重量部
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、加工性、耐スクラッチ性、耐熱融着性、耐候性、柔軟性、接着性等に優れたアイオノマー組成物を提供することができる。このアイオノマー組成物は、自動車のウインドシールドモール材料としてとくに優れている。また他の自動車内外装材や建材などの表皮材として使用することができる。

Claims (3)

  1. エチレン・不飽和カルボン酸共重合体アイオノマー(A)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(B)、オレフィンと不飽和エポキシ単量体の共重合体(C)及びカーボンブラック(D)からなり、(A)/(B)=50/50〜95/5(重量比)、(A)と(B)の合計100重量部に対し、(C)を0.01〜1.5重量部、(D)を1〜10重量部となる割合で配合したこと、熱融着加工される自動車用モールに用いることを特徴とするアイオノマー組成物。
  2. 酸化防止剤、光安定剤及び紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を配合してなる請求項1に記載のアイオノマー組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載のアイオノマー組成物からなる自動車用モール。
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