JP3051208B2 - 自動車用モールのリップ材料 - Google Patents
自動車用モールのリップ材料Info
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Description
ベースとするモールと共押出成形が可能で、低温柔軟
性、耐候性に優れた自動車用モールリップ材料に関す
る。
にはポリ塩化ビニルが使用されることが多い。しかしな
がら近年の燃費改善のための軽量化の動きや環境問題か
らの材料のリサイクル化あるいは焼却時における腐食性
ガス発生の防止などの要望から、ポリ塩化ビニルからオ
レフィン系重合体への材料変換が求められるようになっ
てきている。モールをオレフィン系重合体で製造するに
あたって、モールのリップ部をモール本体とは別の材料
で形成させる場合には、モールのリップ部としては、塗
装面等に傷をつけないためにも、柔軟性、とくに低温柔
軟性を有するものが求められている。又、軟質PVCで
は時々問題となる走行時の異音を軽減させるためにも、
低温時における摩擦係数を軟質PVC以上のものとする
ことが望まれた。そしてモール本体に使用されるオレフ
ィン系重合体と共押出することによって両者が強固に接
着したモールを形成できることも勿論必要である。また
製品の精度を高めるためにも加熱収縮が小さいことが望
まれていた。
観点からモールのリップ材料として好適なものを見出す
べく検討を行った。その結果、上述の要請をすべて満足
し、しかも耐候性、耐薬品性に優れたリップ材料を見出
すに至った。
フィン系熱可塑性エラストマー55〜90重量部と(メ
タ)アクリル酸含有量が5〜15重量%、(メタ)アク
リル酸エステル含有量が5〜35重量%のエチレン・
(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体45〜10重量部からなる樹脂成分100重量部に
対し、カーボンブラック1〜5重量部を配合してなる自
動車用モールのリップ材料に関する。
エラストマーは、ソフトセグメントとしてエチレン・プ
ロピレンゴムのようなオレフィン系ゴムと、ハードセグ
メントとしてポリプロピレン、ポリエチレンのようなオ
レフィン系樹脂を含んでおり、通常オレフィン系ゴムは
部分的に又は高度に架橋されている。そして任意にポリ
イソブチレンのような非架橋ゴムやオイルなどが配合さ
れている。また無水マレイン酸のようなものでグラフト
変性されたものであってもよい。
を考慮すると、ハードセグメントとしてポリプロピレン
を主体とするものを用いるのが好ましい。また230
℃、10kg荷重におけるメルトフローレートが1〜1
00g/10分、とくに、10〜70g/10分のもの
を用いるのが好ましい。この硬度は組成により広く変え
ることができるが、本発明においては23℃におけるシ
ョアA硬度が50〜80、とくに55〜75のものを用
いるのが好ましい。このような熱可塑性エラストマー
は、例えばミラストマー、サーモラン、住友TPE、サ
ントプレン、グドマーなどの商品名で市販されており、
市場から容易に入手することができる。
クリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、
(メタ)アクリル酸含有量が5〜15重量%、好ましく
は8〜12重量%、(メタ)アクリル酸エステル含有量
が5〜35重量%、好ましくは10〜25重量%のもの
である。該共重合体における(メタ)アクリル酸含有量
が前記範囲より少ないとモール本体との接着性が低下
し、また前記範囲より多いと耐熱性が低下するためいず
れも好ましくない。また該共重合体における(メタ)ア
クリル酸エステル含有量が前記範囲より少ないものを用
いると柔軟性が劣り、また前記範囲より多いものを用い
ると耐薬品性、耐熱性が充分でないので、好ましくな
い。(メタ)アクリル酸エステルとしてはとくにアクリ
ル酸の炭素数1〜8のアルキルエステルが好適である。
強度等を考慮すると190℃、2160g荷重における
メルトフローレートが0.1〜50g/10分、とくに
0.5〜30g/10分のものを用いるのがよい。
ラストマーとエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体の配合比率は、前者55〜
90重量部、好ましくは60〜80重量部に対し、後者
45〜10重量部、好ましくは40〜20重量部であ
る。オレフィン系熱可塑性エラストマーの使用量が前記
範囲より少ないと、耐熱性が充分でなく、またその使用
量が前記範囲を越えると、異形押出性、光沢、耐傷性が
悪化し、摩擦係数も低下するためリップとして用いた場
合、異音発生の原因となるので好ましくない。
塑性エラストマーとエチレン・(メタ)アクリル酸・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる樹脂成分
100重量部に対し、カーボンブラックを1〜5重量
部、好ましくは1.5〜4重量部を配合することによ
り、黒色に着色され、耐候性、寸法安定性の優れたリッ
プ材料が得られる。カーボンブラックの配合は、マスタ
ーバッチを用いる方法が最適である。希釈用に用いる樹
脂として上記の樹脂成分の一部を充当することができる
が、他の樹脂、例えば他のエチレン共重合体を用いても
よい。 本発明のリップ材料には、前記した必須成分に
加え、酸化防止剤、耐候安定剤などの添加剤が任意に配
合されていてもよい。
体をベースとするモール本体材料と共押出して軽量なモ
ールを形成できる。このようなモール本体材料として
は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを主成分とする
組成物が好適であり、エチレン・(メタ)アクリル酸共
重合体とオレフィン系熱可塑性エラストマーとの組成物
あるいはそれにカーボンブラック重量部を配合した樹脂
組成物を例示することができる。特に(メタ)アクリル
酸含有量が5〜18重量%のエチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体50〜90重量部とオレフィン系熱可塑性
エラストマー50〜10重量部からなる樹脂成分100
重量部に対し、カーボンブラック1〜5重量部を配合し
た樹脂組成物はそれ自体で自動車用モールとして使用す
ることができるが、この樹脂組成物をモール本体材料と
し、リップ部分に本発明のリップ材料を使用すれば、塗
装面に傷がつきにくいという利点がある。
る。
ある。 1.MFR JIS K7210に準拠、試験温度190℃、荷重2
160gで測定。 2.硬度(ショアA) ASTM D2240に準拠、試験温度23℃、−20
℃で測定。 3.曲げ剛性率 JIS K7106に準拠、試験温度23℃で測定。 4.摩擦係数 JIS K7125に準拠、試験温度23℃及び−20
℃、相手材料 塗装鋼板、荷重200g、試験速度15
0mm/minで測定。 5.加熱収縮率 長さ約10cmに切断した2色モールを80℃のオーブ
ン中に2時間放置し、加熱前と加熱後のリップ部長さか
ら収縮率を求めた。 6.耐薬品性 ガードワックス、ワックスリムーバー、ガソリン及びウ
ィンド洗浄液を脱脂綿を用いて2色モールリップ部に夫
々塗布し、80℃のオーブン中に6時間放置した後のリ
ップ部表面の状態を目視にて観察した。 7.光沢 2色モールリップ部表面の光沢を目視にて評価した。
30B、三井石油化学工業(株)製、以下TPO−1と
略す。)、エチレン・メタクリル酸、アクリル酸n−ブ
チル共重合体(メタクリル酸8wt%,アクリル酸n−
ブチル20wt%、以下E・MAA・nBA−1と略
す。)及びカーボンマスターバッチ(カーボンブラック
量36wt%、エチレン・酢酸ビニル共重合体ベース、
以下CMB−1と略す。)とを70:30:10の重量
比で混合してスクリュー式単軸押出機(スクリュー径4
0mm、L/D=28)に供給し、樹脂温度180℃で
溶融混練した後押出機から出るストランドを切断してペ
レット化した。得られたペレットをプレスシートに成形
して、硬度、曲げ剛性率、摩擦係数などを測定した。
て、上記の組成物をリップ部とし、オレフィン系熱可塑
性エラストマー(ミラストマー8032N、三井石油化
学工業(株)製、)、エチレン・メタクリル酸共重合体
(メタクリル酸9wt%,)及びカーボンブラックの2
0:80:10(重量比)の混合物からなる樹脂組成物
をモール本体部とする2色モールを成形し、加熱収縮
率、耐薬品性及び光沢を評価した。この結果を表1に示
す。
可塑性エラストマーとしてミラストマー5530N(三
井石油化学工業(株)製、以下TPO−2と略す)を用
いて、実施例1で用いたE・MAA・nBA−1及びC
MB−1とを70:30:10の重量比で混合して実施
例1と同様の混練、成形、評価を行った。結果を表1に
あわせて示す。
及びCMB−1を40:60:10の重量比で混合し
て、実施例1と同様の混練、成形、評価を行った結果を
表2に示す。このモールは実施例2で得られたモールに
比べて加熱収縮率が大きく、耐熱性が劣っていた。
及びCMB−1を95:5:10の重量比で混合して実
施例1と同様の混練、成形、評価を行った結果を表2に
示す。
に比べて静摩擦係数が小さく、また光沢が劣っていた。
ニル(以下PVC−1と略す。)について、摩擦係数を
測定したところ、表2に示すとおり実施例1,2に比べ
て低い値を示していた。
温柔軟性に優れた加熱収縮の少ないリップ材料が提供で
きる。本発明のリップ材料は、走行時の異音発生傾向
は、軟質PVCよりも低減されている。
体をベースとするモール本体材料と共押出して軽量なモ
ールを形成できる。このようなリップ材料は、ウィンド
シールドモールのリップに有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 オレフィン系熱可塑性エラストマー55
〜90重量部と(メタ)アクリル酸含有量が5〜15重
量%、(メタ)アクリル酸エステル含有量が5〜35重
量%のエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体45〜10重量部からなる樹脂成
分100重量部に対し、カーボンブラック1〜5重量部
を配合してなる自動車用モールのリップ材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177709A JP3051208B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 自動車用モールのリップ材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177709A JP3051208B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 自動車用モールのリップ材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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ID=16035739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3177709A Expired - Fee Related JP3051208B2 (ja) | 1991-06-24 | 1991-06-24 | 自動車用モールのリップ材料 |
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-
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- 1991-06-24 JP JP3177709A patent/JP3051208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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