JP4705307B2 - ニトロアルケン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニトロアルケン類の製造方法に関し、より詳細には、ヨウ素及び酸化剤の存在下において共役アルケンと亜硝酸塩との反応による、共役β−ニトロアルケン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
共役β−ニトロアルケン類は、種々の異なる化合物に容易に変換可能であることから、広く用いられている合成中間体である。例えば、β−ニトロスチレンは数種のフェニルエチルアミン類や各種殺菌剤の製造において有用な中間体であり(Chemical Abstracts、vol.118、no.38576k)、2−ニトロ−ジヒドロナフタレンは2−アミノ−テトラヒドロナフタレンの合成における重要な中間体であり(Debasis Ghoshら、Synthesis、1996、195〜197ページ)、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドは、中枢神経系の疾患を治療するために有用な化合物である(R)−3−ジシクロブチルアミノ−8−フルオロ−クロマン−5−カルボン酸アミドの製造における中間体である(WO98/46586−Astra Aktiebolag)。
【0003】
亜硝酸塩とヨウ素とを用いたアルケンのニトロ化については、すでに文献で知られている(Hassnerら、J.Org.Chem.,1969、34(9),2628〜2632ページ)。
この方法は、亜硝酸銀とヨウ素の混合物をニトロ化剤として使用することを予測している。
Hassnerらの論文刊行後、ニトロ化条件の改良を試みた論文が数種発行されている。
【0004】
Wing−Wah Syら(Tetr.Lett.、1985、26(9)、1193〜1196ページ)は、亜硝酸銀及びヨウ素を用いる置換アルケン類のニトロ化について報告している。Hassnerらとの唯一の違いは、亜硝酸銀を高モル量使用し、ヨウ素についても等モル使用する点にある。
【0005】
Jewら(Chemistry Letters、1986、1747〜1748ページ)は、亜硝酸銀の代わりに亜硝酸ナトリウムを使用し、スチレン1molあたり2molのヨウ素と4molの亜硝酸塩をそれぞれ使用している。
【0006】
上記のDebasis Ghoshらの論文においては、亜硝酸カリウムを相間移動触媒の存在下で使用し、且つ亜硝酸イオンの溶解度を増大するために超音波処理を行っている。ヨウ素の量を変化させて最適な収率を達成するためのヨウ素量を評価しているが、一般的方法はアルケン1molあたり2.6molの亜硝酸塩と2.75molのヨウ素を予測すると報告している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記各文献に記載されているアルケン類の各種ニトロ化方法は、大量のヨウ素を使用することが明らかな問題点である。即ち、大量のヨウ素を使用すると、分子量の大きいヨウ素が反応生産性を著しく低下させたり、反応終了後に過剰のヨウ素をすべてヨウ化物に変えるための引き続く重亜硫酸塩での処理を非常に煩雑にしたり、廃水中のヨウ化物の除去の問題を伴ったりする。
【0008】
そこで本発明者らは、アルケンと亜硝酸塩とヨウ素とを含む反応混合物に酸化剤を添加することによって、共役アルケン類のニトロ化に使用するヨウ素の量を大幅に削減できることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑み、本発明の目的は、次式(I)で表わされる共役アルケン類:
【0010】
【化5】
【0011】
[式中、
Rは水素原子、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基;R1は水素原子、又は任意にOH又はC1〜C4アルコキシ基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基;R2、R3、R4は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル若しくはアルコキシ基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、1〜4個の炭素をアルキル部分に有するアルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、モノ−若しくはジ−アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、及びアルキルカルボニルオキシの各基からなる群から選択され;R2、R3、R4の内の2つはオルト位の関係にあって、メチレンジオキシ基を形成するか;あるいはR1はR2と共に、芳香環と縮合し且つ任意に酸素原子を含んでいてもよい5〜7員の環構造を形成するか;あるいはR1はRと共に5〜7員の環構造を形成している]のニトロ化のための方法を提供することによって、次式(II):
【0012】
【化6】
【0013】
[式中、R、R1、R2、R3、R4は前述の通り]で表わされるβ−ニトロアルケン類を得る方法において、ニトロ化剤として無機亜硝酸塩とヨウ素の混合物を酸化剤の存在下で用いることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係るニトロ化方法によれば、β−ニトロアルケンを温和な条件下で収率良く得ることができる。
【0015】
本明細書においては、特に断らない限り、直鎖又は分岐鎖のC1〜C4アルキルとは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びt−ブチルの各基から選択されるアルキルを意味し;直鎖又は分岐鎖のC1〜C4アルコキシとは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ及びt−ブトキシから選択される基であり;ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を意味する。
置換フェニルとは、R2、R3及びR4から選択される1以上の置換基によって置換されたフェニル基を意味する。
当技術分野の習熟者にとって、芳香環上の置換基は使用した反応条件に適合するものである必要があることは明白であろう。
【0016】
本発明のニトロ化方法に用いられる式(I)で表される化合物は、既知の化合物である。
式(I)で表される各種化合物の好ましい例としては、芳香環上で1〜3個の各種メトキシ基又はメチレンジオキシ基で任意に置換されていてもよいスチレン類;メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル又はメチレンジオキシ基によって任意に置換されていてもよいジヒドロナフタレン類;あるいはメトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル又はメチルアミノカルボニル基により任意に置換されていてもよいベンゾピラン類が挙げられる。
【0017】
特に好ましくは、次式(I−A):
【0018】
【化7】
【0019】
[式中、
R3AとR4Aは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル基であるか、又はR3AとR4Aは共にメチレンジオキシ基を形成し;Rは前述の通り]で表される化合物、又は次式(I−B):
【0020】
【化8】
【0021】
[式中、
R3BとR4Bは互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル又はメチルアミノカルボニル基であり;Rは前述の通り]で表される化合物をニトロ化して、次式(II−A):
【0022】
【化9】
【0023】
又は次式(II−B):
【0024】
【化10】
【0025】
[式中、R、R3A、R3B、R4A及びR4Bは、上述の通り]とで表される対応するニトロ誘導体を得ることである。
【0026】
本発明の方法に用いることのできる無機亜硝酸塩の例としては、亜硝酸銀、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムが挙げられる。
好ましくは亜硝酸ナトリウムが用いられる。
亜硝酸塩は式(I)で表される化合物に対して過剰量用いられ、一般にニトロ化対象化合物1mol当たり2mol以上用いる。
好ましくは、式(I)で表される化合物1mol当たり2〜4molの亜硝酸塩が用いられる。
本発明に係る方法においては、用いるヨウ素の量に最も大きな特徴を有する。
【0027】
実際には、酸化剤の存在により、式(I)で表される化合物1mol当たりのヨウ素の量を、通常1mol以下、好ましくはニトロ化対象基質1mol当たり0.1〜0.8molまで大幅に減少させることができる。
これまで強調してきたように、本発明の方法においては、ニトロ化の実施に必要なヨウ素の量の大幅な減少は、生産性の向上及び反応混合物の後処理の更なる簡便化に関する利益を与える。反応液の後処理とは主に、残存するヨウ素を除去する最終処理のことであり、一般に重亜硫酸塩を用いて実施されるが、本発明の方法においてはこの後処理も避けられる。
【0028】
本発明の方法の利点は、同一の物質に対する、実施例2に記載されているニトロ化と、上述のWO98/46586(特に12ページの実施例参照)に報告されているような先行技術に従うニトロ化とを比較することによって、特に明らかとなる。
事実、本発明に係る方法により反応を行うと、ニトロ誘導体が実際に3倍の収量で得られる。
【0029】
一般に、酸化剤は亜硝酸塩とヨウ素と式(I)で表される化合物とを含有する反応混合物に通常3〜4時間かけてゆっくり添加される。
酸化剤の役割は、下記の反応式:
AlkH+NaNO2+I2→AlkNO2+HI+NaI
[式中、AlkHは式(I)で表される化合物を表す]に従って反応混合物中に生成するヨウ化物を酸化することであると考えられる。上記の反応により、ニトロ化反応を続けるのに十分な量のヨウ素が生成する。
【0030】
更なる利点は、酸化剤を使用してヨウ化物を酸化することによって、ヨウ素をその場(in situ)で調製することも可能であるという事実である。この目的で用いることのできるヨウ化物は一般に、アルカリ金属ヨウ化物であり、好ましくはヨウ化カリウムである。本発明の方法で用いることのできる酸化剤の特定例としては、過酢酸、m−クロロ過安息香酸等の過酸、過酸化水素(hydrogen peroxide)、無機亜硝酸塩が挙げられ、これらは、それぞれの混和物であってもよい。
【0031】
無機亜硝酸塩を酸化剤として用いる際、ニトロ化混合物中に存在する無機亜硝酸塩と同一の無機亜硝酸塩を用いることが好ましいことは明らかである。
上記酸化剤は酸性条件下で用いなければならない。その際のpHは5未満であることが好ましい。
選択した酸化剤によっては、所望のpH値に調整するための酸性化剤を添加することも必要となる。
【0032】
酸性度が不十分の過酢酸等の過酸を用いるとき、酸性溶媒、好ましくは酢酸を用いた酸化剤溶液を用いることが適当であろう。同様に、酸化剤として過酸化水素や無機亜硝酸塩を用いる際は、酢酸を用いることが好ましい。
既に市販されている過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水の混合物〔Oxistrong(登録商標)、Ausimont製〕を使用すると、特に有利である。
酸化剤の量は用いるヨウ素の量に関係することは明らかであり、僅かに過剰量が好ましい。反応媒体中に直接ヨウ素を生成するためにヨウ化物を用いる場合、ヨウ化物の初期段階の酸化を可能にするために、より多量の酸化剤が必要となる。
【0033】
本発明の方法は、式(I)で表される上記化合物の溶解性に応じて選択される適切な有機溶媒の存在下で行われるが、有機溶媒は、本方法を遂行するための重要なパラメータではない。
適切な溶媒の例としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピルや酢酸イソブチル等のエステル類、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレンや1,2−ジクロロプロパン等の塩素化炭化水素類、更にはtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
反応混合物が水を含有する場合、相間移動触媒を添加すると効果的である。
また、温度も重大なパラメータではない。20℃〜70℃の温度で行うことが好ましく、より好ましい温度範囲は40℃〜50℃である。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態を以下に示す。
適切な有機溶媒中の式(I)で表される上記アルケンと亜硝酸ナトリウムとの混合物中にヨウ素を添加し、その後、ゆっくりと酸化剤溶液を添加する。添加終了時や、反応終了時において、ヨウ素の色が消えるまで任意にメタ重亜硫酸ナトリウム水溶液を添加してもよい。式(II)で表される化合物は、常法によって分離する。
【0035】
下記の実施例により、本発明をより詳細に説明する。
【0036】
【実施例】
実施例1
2−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレンの製造
還流冷却器及びメカニカルスターラを備えた三ツ口フラスコに、1,2−ジヒドロナフタレン(3.9g;30mmol)、亜硝酸ナトリウム(6.2g;90mmol)及び酢酸イソプロピル(40mL)を、室温、不活性ガス雰囲気中で添加した。得られた混合物を撹拌しながら50℃に加熱した。ヨウ素(3.8g;15mmol)を添加し、その後、過酢酸の酢酸溶液(8.5mL;39%w/w溶液)をゴム製セパレータによって、4時間かけて添加した。添加終了後、混合物を更に30分撹拌し、20℃に冷却後、新たに調製した10%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液を、ヨウ素の色が消えるまでゆっくりと(15分)添加した(約30mL)。相分離を行い、水相は酢酸イソプロピル(2×10mL)で洗浄した。回収した有機相は飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄した。相分離後、有機相は硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、溶媒を減圧下で除去し、褐色油として粗2−ニトロ−3,4−ジヒドロナフタレン(4.7g;収量73%)を得た。
M+=175
【0037】
実施例2
8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドの製造
8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(4.94g;25.6mmol)、亜硝酸ナトリウム(4.4g;64mmol)及び酢酸イソプロピル(40mL)を、還流冷却器を備えた反応装置中に、不活性ガス雰囲気下で充填した。得られた混合物をメカニカルスターラで撹拌しながら50℃に加熱した。ヨウ素(1.9g;7.5mmol)を1回で添加し、その後、Oxistrong15(登録商標)(6mL)を3時間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を1時間撹拌し、20℃に冷却した。水(30mL)を添加後、更に混合物を5℃で1時間冷却した。固体を濾過し、予め0℃に冷却しておいた酢酸イソプロピル(3×10mL)、及び水(2×10mL)で洗浄した。オーブンで50℃で真空中、一晩乾燥したところ、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(4.7g;HPLCタイター90%;収量70%)を得た。反応母液は、15%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(20mL)で色が消えるまで処理した。相分離を行い、有機層を乾燥し、減圧下で有機溶媒を除去し、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドを49%含有する固体(0.8g)を得た。全体の収量は76.4%であった。
【0038】
実施例3
8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドの製造
メカニカルスターラと還流冷却器を備えた反応装置中に、8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(3.1g;15mmol)、亜硝酸ナトリウム(3.1g;45mmol)及びトルエン(30mL)を、室温、不活性ガス雰囲気下で添加した。得られた混合物を撹拌しながら50℃に加熱後、ヨウ素(1.9g;7.5mmol)を添加し、Oxistrong15(登録商標)(3.7mL)を4時間かけてゆっくりと添加した。添加終了後、反応混合物を更に1時間撹拌し、その後0℃に冷却した。20%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(約15mL)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。濾過後、固体は水(2×10mL)及びトルエン(10mL)で洗浄し、オーブンで真空中、50℃で一晩乾燥し、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(3.4g;タイター78%;収量74%)を得た。
【0039】
実施例4
8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸メチルエステルの製造
メカニカルスターラと還流冷却器を備えた反応装置中に、8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸メチルエステル(6.6g;30mmol)、亜硝酸ナトリウム(6.2g;90mmol)及び酢酸エチル(60mL)を、室温、不活性ガス雰囲気下で添加した。混合物を撹拌しながら50℃に加熱し、その後ヨウ素(2.6g;10mmol)を添加し、Oxistrong15(登録商標)(7.4mL)を4時間かけてゆっくりと添加した。添加終了後、反応混合物を更に1時間撹拌し、その後0℃に冷却した。20%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(約25mL)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。濾過後、固体を水(2×10mL)で洗浄した。母液を分離し、予め濾過しておいた固体を有機相へ添加した。溶媒を減圧下で除去し、半固体の残渣はメタノール(約10mL)で抽出し、0℃で1時間撹拌した。濾過後、0℃に冷却しておいたメタノール(3mL)でパネル(panel)を洗浄した後、得られた固体をオーブンで真空中、40℃で一晩乾燥し、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸メチルエステル(4.6g;タイター92%;収量55%)を得た。母液を蒸発乾固し、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸メチルエステルを55%含有した油状物(2.7g)を得た。全体の収量は75%であった。
【0040】
実施例5
8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドの製造
メカニカルスターラと還流冷却器を備えた反応装置中に、8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(2g;10mmol)、亜硝酸ナトリウム(1.4g;20mmol)、ヨウ化カリウム(0.33g;2mmol)及び酢酸エチル(20mL)を、室温、不活性ガス雰囲気下で充填した。得られた混合物を40℃に加熱後、Oxistrong15(登録商標)(4mL)を4時間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を1.5時間撹拌した後、20℃に冷却し、完全に溶解するまで酢酸エチルで希釈した(約150mL)。20%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄後、相分離を行った。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥を行い、減圧下で溶媒を除去して8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(1.8g;タイター88%;収量66%)を得た。
【0041】
実施例6
8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドの製造
メカニカルスターラと還流冷却器を備えた反応装置中に、8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(120g;0.609mol)、亜硝酸ナトリウム(96.6g;1.4mol)、ヨウ素(31.2g;0.123mol)及び酢酸エチル(720mL)を、室温、不活性ガス雰囲気下で充填した。得られた混合物を撹拌しながら40℃に加熱後、Oxistrong15(登録商標)(173.4g)を4時間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を1時間撹拌した後、20℃に冷却した。水(480mL)を添加し、得られた混合物を1時間撹拌した。濾過後、予め0℃に冷却しておいた酢酸イソプロピル(2×120mL)、続いて水(150mL)でパネルを洗浄した後、得られた固体をオーブンで真空中、50℃で一晩乾燥し、8−フルオロ−3−ニトロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミド(112.7g;タイター91%;収量70%)を得た。
Claims (14)
- 次式(I)で表わされる共役アルケン類:
Rは水素原子、任意に置換されていてもよいフェニル基、又は直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基;R1は水素原子、又は任意にOH若しくはC1〜C4アルコキシ基で置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基;R2、R3、R4は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖のC1〜C4アルキル若しくはアルコキシ基、カルボキシル基、アミノカルボニル基、1〜4個の炭素をアルキル部分に有するアルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、モノ−若しくはジ−アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、及びアルキルカルボニルオキシの各基からなる群から選択されるか;あるいはR2、R3、R4の内の2つはオルト位の関係にあって、メチレンジオキシ基を形成するか;あるいはR1はR2と共に、芳香環と縮合し且つ任意に酸素原子を含んでいてもよい5〜7員の環構造を形成するか;あるいはR1はRと共に5〜7員の環構造を形成している]のニトロ化のための方法であって、次式(II):
- ヨウ素が式(I)で表される化合物1molあたり0.1〜0.8molの量である請求項1に記載の方法。
- 無機亜硝酸塩が亜硝酸銀、亜硝酸ナトリウム及び亜硝酸カリウムから選択される請求項1に記載の方法。
- 無機亜硝酸塩が亜硝酸ナトリウムである請求項3に記載の方法。
- 無機亜硝酸塩が式(I)で表される化合物1molあたり2〜4molの量である請求項1に記載の方法。
- 酸化剤が過酢酸と過酸化水素と水との混合物である請求項1に記載の方法。
- ヨウ素がアルカリ金属ヨウ化物からその場で形成される請求項1に記載の方法。
- 温度が40℃〜50℃である請求項1に記載の方法。
- スチレン類の芳香環がメチレンジオキシ基又は1〜3個のメトキシ基で任意に置換されていてもよい、スチレン類のニトロ化のための請求項1に記載の方法。
- メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル基又はメチレンジオキシ基によって任意に置換されていてもよいジヒドロナフタレン類のニトロ化のための請求項1に記載の方法。
- メトキシ、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、カルボキシ、メトキシカルボニル、アミノカルボニル又はメチルアミノカルボニル基により任意に置換されていてもよいベンゾピラン類のニトロ化のための請求項1に記載の方法。
- 化合物8−フルオロ−2H−クロメン−5−カルボン酸アミドのニトロ化のための請求項12に記載の方法。
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