JP4704695B2 - バスケット、及び、それを用いるpwr用の使用済燃料キャスク - Google Patents

バスケット、及び、それを用いるpwr用の使用済燃料キャスク Download PDF

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Description

本発明は、燃焼を終えた使用済燃料集合体を輸送あるいは貯蔵するキャスクを構成するPWR用のバスケットに関する。また、それを使用するキャスクに関する。
特許文献1はこの種のバスケットを開示し、特許文献1の例えば図9等に示すように、核燃料集合体を収納する格子(セル)を碁盤状に並べ、各格子の四囲には空隙が形成されて、使用済核燃料集合体が未臨界であることを担保している。
あるいは特許文献1の図37に示すように、セルを半ピッチずつズラして配置して、使用済核燃料集合体を効率的に収納する構成のバスケットも知られている。この構成も、各格子の四囲に空隙が形成されている。
特開2001−166089号公報
上記特許文献1の図9の構成は、中性子を減速するための空隙がそれぞれの格子の四囲に必ず形成されているために、無駄な空間が増えてしまっており、使用済核燃料集合体を効率的に配置することができない。従って、寸法及び重量の点でコンパクトな設計をするには好適とは言いがたい。
また、特許文献1の図37の構成は、特許文献1の図9等の構成に比較したところでは核燃料集合体を効率配置できる点で優れるものの、バスケットの構造が複雑となってしまい、製造コスト及び工数が増大する。特に、このような図37の構成を板組構造のバスケットで形成しようとすると、短い板を多数組み合わせて製造しなければならず、製造コスト及び工数の点で不利である。
本実施形態では以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、構成が簡素で、空間を有効に活用しながら燃料集合体を配置できるバスケットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
◆本発明の観点によれば、以下のように構成する、PWR用の使用済燃料キャスクのバスケットが提供される。PWR用の使用済燃料集合体が収容される収容空間を構成するバスケット格子が、縦横それぞれ複数列となるように配置されている。前記バスケット格子は、縦および横のいずれの方向にもピッチズレが生じないように格子状に配置されている。縦列および横列の何れか一方の列数を他方の列数よりも少なく設ける。少ない数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間には、前記PWR用の使用済燃料集合体を未臨界に確保するための空間をそれぞれ設ける。多い数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子についてみると、その方向にみて少なくともいずれかの部分では、前記バスケット格子間に前記空間を設けない。
この構成では、収容空間は格子状に設けられる(格子のピッチズレが生じない)ので、構造が簡素で、製造が容易である。また、限られた寸法及び重量制限の範囲で、より多くの燃料集合体を収納できる。あるいは、同じ収納体数でも、よりコンパクトなバスケットの設計が可能になる。また、前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいて、前記バスケット格子は、縦横に格子状に板組みされた複数のバスケットプレートの内部に形成されていることが好ましい。また、前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいて、前記少ない数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間に設けられた、前記空間のそれぞれは、バスケットの端から端まで、途中で途切れることなく一直線状に延びるように形成されていることが好ましい。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、縦列および横列の何れか一方の列数をNとしたとき、他方の列数はN+1となるように設けられていることが好ましい。
これにより、燃料集合体の縦横いずれにも効率的な配置が可能になる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、多い数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間には、どの部分でも前記空間を設けないことが好ましい。
これにより、一層コンパクトなバスケットとできる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、スリットを設けた板を縦横に組み合わせて構成されることが好ましい。
これにより、バスケットの構成が簡単となり、製造コスト及び工数を低減できる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、以下のように構成することが好ましい。前記バスケット格子間前記空間を維持するためのバスケットレールが、前記バスケット格子の隅部の位置の前記バスケットプレートを支持するように当該バスケットの長手方向に設けられる。前記バスケットレールは、前記バスケット格子間において当該バスケットレールと交差する方向に延設されたロッドで固定される。
即ち、バスケットプレートが互いに交差する部分には(スリットや薄肉部が設けられる等して)構造上、局所的に弱くなることがある。この点、上記構成では、燃料集合体などの荷重をバスケットレールによって支持することで、未臨界の確保のための空間を維持しつつ、バスケット格子の隅部の位置でバスケットプレートが破損することを防止できる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、前記バスケットレールの断面形状が係止部を有する構造であり、この係止部により、キャスクが回転した際に前記バスケットプレートの格子形状が維持されることが好ましい。
これにより、燃料集合体の安定した貯蔵が可能になる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、バスケット材料の一部がホウ素添加アルミニウム合金、ホウ素添加ステンレス鋼の少なくとも何れか一方からなることが好ましい。
このようにホウ素(ボロン)を用いることにより、中性子吸収性能に優れる同位体元素としてのB−10に、臨界反応抑制効果を発揮させることができる。
◆前記のPWR用の使用済燃料キャスクのバスケットにおいては、燃料集合体の収納体数が、16体、26体、あるいは30体であることが好ましい。
即ち、実際のバスケットでは収納体数が14体〜32体となるように設計されることが多いが、その範囲で上記配置が特にメリットを発揮するのが、16体、26体、30体の場合である。
◆なお、前記のバスケットを用いるPWR用の使用済燃料キャスクにおいては、以下のように構成することが好ましい。前記キャスクの内周面には、当該キャスクの軸方向に延びる切欠溝を設けている。この切欠溝に前記バスケットの隅部が挿入されている。
これにより、キャスクの内径を小さくしても前記切欠溝に隅部を挿入するようにしてバスケットを配置できるので、キャスクの更なるコンパクト化が可能になる。
図1及び図2に示す輸送貯蔵容器(輸送貯蔵兼用コンクリートキャスク)Bは、有底無蓋筒状の容器本体21と、その蓋22とから構成される。この輸送貯蔵容器Bは輸送貯蔵兼用キャスクとして用いられるものであって、その内部にバスケット1を有している。
容器本体21は、遮蔽コンクリート製の筒体24を、炭素鋼製の外筒25、炭素鋼製の本体フランジ26、炭素鋼製の内筒27、及び炭素鋼製の底遮蔽板28で覆ったものに構成されている。図1及び図2に示すように、内筒27の底部分27aには、下方側から接する中性子遮蔽材で成る底遮蔽板28が装備されており、この底遮蔽板28は、炭素鋼製のリングサポート29と、炭素鋼製の底カバー板30とで覆われている。尚、図1の符号35は、外筒25に装備されたトラニオンである。また、符号31は伝熱フィンである。
図1(a)や図2に示すように、蓋22は、炭素鋼製の一次蓋23と二次蓋32との二重蓋構造とされている。二次蓋32は、中性子遮蔽材でなる蓋遮蔽板33を炭素鋼で覆った構造に構成されている。蓋22には密封監視装置34が装備されている。また、前記バスケット1には使用済核燃料等の放射性物質2が充填されている。
図3にはバスケット1の要部平面図が示される。この図に示すように、プレート(バスケットプレート)5が格子状に縦横に組まれて、多数のバスケット格子3を備えるバスケット1が形成されている。このバスケット格子3が、燃料集合体2を収容するための収容空間を構成する。バスケット格子3は、縦5列、横6列で並べられている。なお、図3〜図6では、バスケット格子3は便宜的にハッチングを用いて示されている。符号27は本体胴であり、具体的には容器本体21の内筒である。
空間y1〜y4と格子3の並びとの関係に着目すると、縦列・横列のうち少ない数の列の方向(図3では縦5列、横6列であるから、縦方向)で隣り合う格子3・3の間には、それぞれ空間y1〜y4が設けられる。一方、多い数の列の方向(横方向)で隣り合う格子3・3の間には、どの部分でも空間が設けられていない。即ち、図3のバスケット1においては、縦方向には格子3・空間y1・格子3・空間y2・・・というように格子3と空間y1〜y4が交互に現れ、横方向には格子3・格子3・格子3・・・というように格子3のみが現れて空間は現れない。
こうすることで、バスケット格子3を円形の本体胴27の内部に合理的に配置でき、コンパクトな設計が可能になる。即ち、限られた寸法及び重量制限の中で、より多くの燃料集合体2の収納が可能になる。また、燃料集合体2を縦方向に隔てるための空間y1〜y4は、途中で途切れることなく本体胴27の内部空間を横方向に一直線状に延びている(格子3の配置に着目すると、各格子3は、ピッチズレがなく、文字どおり格子状(碁盤状)に配置される)。従って、バスケット1を製造することも容易で、特にプレート5の板組みによりバスケット1を製造する場合にはプレート5の部品点数を低減できるので好適である。
なお、図4に示すように、燃料集合体2を、横方向にも空間x1をおいて配置しても良い。この場合、少ない数の列の方向(縦方向)で隣り合う格子3・3の間には、それぞれ空間y1〜y4が設けられる。多い数の列の方向(横方向)で隣り合う格子3についてみると、中央部において隣り合う格子3・3同士の間には空間x1が設けられている以外は、隣り合う格子3・3の間に空間が設けられない。
即ち、図3のように横方向に細長い空間y1〜y4を設けて、格子3を縦方向に離すだけでは、臨界設計の観点から厳しい場合がある。このときは、図4の如く縦方向に空間x1を1本設けることで、中性子の反応度を抑制することが可能である。ここで、燃料集合体2を横方向に隔てる空間x1は、本体胴27の内部空間を縦方向に一直線状に延びている。従って、プレート5の板組みによりバスケット1を製造する場合にも好適である。
図5には、30体収納バスケットの例を示す(縦6列×横7列)。この30体収納バスケットでは、格子の配列上、横方向中央(図5の左から数えて第4列)に位置する縦のバスケット格子列を本体胴27内の中央に配置しないと、コンパクト性が保てない。図5の例では、横方向中央に位置する縦の列(第4列)と、その両隣の縦の列(第3列、第5列)との間に、それぞれ1本ずつ、2本の空間x1・x2を設けている。即ち、横方向で隣り合う格子3についてみると、左から第3列の格子と第4列の格子との間に空間x1が設けられ、左から第4列の格子と第5列の格子との間に空間x2が設けられるが、それ以外で横方向に隣り合う格子3・3の間には空間が設けられない。こうすると、臨界安全性が担保されるとともに、コンパクトなバスケットを提供することができる。
図6には、16体バスケットの例を示す(縦4列×横5列)。この図6の例では、横方向中央に位置する縦の列(第3列)と、その両隣の縦の列(第2列、第4列)との間に、それぞれ1本ずつ、2本の空間x1・x2を設けている。左から第1列と第2列との間、及び、第4列と第5列の間には、空間は設けられていない。
上記の図3〜図6に示すバスケット1の格子部分の製造方法としては様々に考えられるが、例えば図7に示すように、スリット5aを設けたプレート5を組み合わせることにより、簡単に作ることができる。この場合は、プレート5が縦横に交差する部分にスリット5aを設けることとすれば良い。また、スリット5aの位置を変更することで、上記の空間(y1〜y4、x1・x2)の幅を簡単に変更することができる。
なお、プレート5が空間y1〜y4、x1・x2と交差する部分においては、図8(a)のように、空間y1・y2・x1を挟むプレート5・5の間に、バスケットレール6を設けることが望ましい。このバスケットレール6は、各空間y1・y2・x1と、それに垂直な向きのプレート5とが交差する部分に設置されて、それぞれの空間y1・y2・x1を維持する役割を果たす。各バスケットレール6は、プレート5の、前記バスケット格子3の隅部(各空間y1・y2・x1に面する辺の端部)に相当する部位を支持するように設けられる。図8(a)の符号7は各プレート5やバスケットレール6を固定するためのボルト−ナット締め付け構造のロッド、符号8は前記本体胴27に沿って設けられるバスケットコーナーレールである。各バスケットレール6は、各空間y1・y2・x1の内部をバスケット1の長手方向に沿って設けられており、バスケットレール6と交差する方向に延設されて設けられた前記ロッド7で固定される。
図8(b)には図8(a)の鎖線で囲った部分の拡大図が示されるが、この図8(b)に示すように、プレート5とプレート5とが垂直に組まれて交差する部分には、プレート5の位置ズレ防止のために薄肉部5bが設けられている場合がある。この薄肉部5bは、例えば燃料集合体2の荷重がプレート5に作用して発生するせん断応力に対し、局所的に弱い部分である(比較対照例としての図9を参照)。薄肉部5bが設けられない場合でも、例えば図7のようにスリット5aを有するプレート5を組んでバスケット1を構成する場合は、そのスリット5aの部分で構造上弱くなってしまう。しかしながら図8の構成では、プレート5の薄肉部5bを含んでそれより大きい幅の領域に前記バスケットレール6が接触しているので、せん断荷重は図8(b)の矢印で示すように、薄肉部5bを避けた部分に加わる。従って、荷重に対して強い構造のバスケット1とできる。
また、図10には図8の構造の変形例が示される。この変形例では、縦方向に延びるプレート5を左右両側から挟むように一対のバスケットレール6・6が装着される。各バスケットレール6・6は、その断面が係止部6aを有する形状に形成されている。この係止部6aは、プレート5に設けた段差部に係合している。この構成によっても、薄肉部5bにせん断荷重が加わるのを回避し、荷重に対して強い構造のバスケット1とできる。また、キャスクが回転した場合でも、係止部6aと段差部との係合により、プレート5の格子形状が確実に維持される。従って、燃料集合体2の安定した貯蔵が可能になる。
図11には、バスケット1を輸送貯蔵キャスクBに収容する場合の一例が示される。この図11の例では、本体胴27の内周面(キャスクBの内周面)に、当該キャスクBの軸方向に延びる切欠溝9が設けられる。バスケット1は、その隅部を切欠溝9に挿入するようにして、本体胴27に収容される。こうすれば、本体胴27の内径を小さくしても前記切欠溝9に隅部を挿入するようにしてバスケット1を配置できるので、キャスクB本体の更なるコンパクト化が可能になる。なお、切欠溝9の設け方としては、本体胴27の内部を機械加工してもよく、また、大きな内径にあらかじめ加工された円筒形状の本体胴に内側から部分リング状の部材を取り付けても良い。
(実験)
本願発明のバスケットの配置の有効性を検証するために、図3等に示す26体収納型のバスケットについて、臨界解析を実施した。計算条件としては以下のとおりである。燃料形式はPWR17×17燃料とし、U−235濃縮度は4.2%とした。バスケット1のプレート5の材質としてはボロンを1%添加したステンレス鋼(B−10濃縮度:95%)を想定し、板厚は12ミリメートルとした。計算にあたっては、燃料有効部のみをモデル化して、上下端部は30センチメートルで水反射とした。モデル化したキャスクは無限配列とし、キャスク内部は、臨界上厳しい条件である1グラム/立方センチメートルの満水状態とした。
以上の計算条件で、SCALEコードシステムの臨界計算コードであるKENO−V.aを用いて、中性子の実効増倍率(keff)を計算した。通常、キャスクの臨界設計における基準は、標準偏差をσとしてkeff+3σ<0.95である。従って、本計算では燃料格子間の空間をパラメータにして、keff+3σの値がほぼ0.95となる空間の幅を調べた。本計算はモンテカルロ法によるコードなので、keffに統計誤差として3σが考慮される。
なお、中性子の実効増倍率とは計算体系での中性子の増倍率であり、keff=1.0で臨界、keff>1.0で超臨界となる。基準値としては、統計誤差として3σを考慮し、更に0.05の余裕が考慮された0.95が採用されている。
計算に用いられたモデルは、図3に示すモデルと、図4に示すモデルと、図4において更に、左側から2列目と3列目の間、4列目と5列目の間にそれぞれ空間を設けたモデル(縦に細長い空間の数はx1以外に2本、計3本になる)の3種類であった。また比較対照例として、各バスケット格子3の外周すべてに空間を設けた図12のモデルについても計算を行った。
計算結果を表1に示す。
Figure 0004704695
この表に示すとおり、比較対照例(図12)については各バスケット格子3の四囲すべてに空間を設けているので、臨界制御に必要な空間の幅は約10ミリメートルと小さくできるが、それでもバスケットの外径は1700ミリメートルと大きくなってしまう。一方、図3に示すモデルの場合は、臨界設計上の観点から空間の幅を約30ミリメートルと大きくしなければならないが、それでも、バスケットの外径は前記比較対照例(図12)に比べて50ミリメートルほど小さくできる。
図4のモデルにおいては、格子間の空間の幅は約25ミリメートルとなり、バスケットの外径は比較対照例(図12)に比べて45ミリメートルほど小さくできる。図4において縦に長い空間が3本になるように空間を追加したモデルでは、格子間の空間の幅は約15ミリメートルとなり、バスケットの外径は比較対照例(図12)に比べて15ミリメートルほど小さくできる。
以上のとおり、本件発明のバスケットの構造を採用すれば、臨界設計を満足し、かつ、コンパクトなバスケットの設計が可能であり、従って、キャスク本体もコンパクトな設計が可能となることが確認できた。
上記の計算では、格子間の各空間の列の幅を全て等しくするという条件で計算を行ったが、更に最適な臨界設計とするためには、バスケット断面の中央に位置する列の空間の幅は大きくし、外周に近い部分に位置する列の空間の幅は小さくする設計とすることも可能であり、そのような設計とすることがむしろ好ましい。キャスク内部に収納された使用済み燃料とそれらから発生する中性子の反応度は、燃料が密な状態に配列されている中央部分で高くなるからである。従って、反応抑制のための空間は、外周部より中央部に設けるほうが抑制効果が高い。なお、このような構造のバスケットを製造する際は、図7に示すようにプレート5による板組みによるのが好適である。スリット5aの位置を変更することにより簡単に空間の幅を調整することができるからである。
バスケット1を構成する材料(例えば、プレート5)は、中性子を吸収して臨界になることを抑制する材料であることが必要不可欠である。中性子吸収材料としては、ホウ素(ボロン)が優れており、ホウ素を添加したボロン添加アルミニウム合金又はボロン添加ステンレス鋼が用いられる。添加されるホウ素(ボロン)は天然品(B−10の比率が約20%)の場合もあるが、中性子吸収性能に優れた同位体元素であるB−10の比率を高めた濃縮ボロンを用いると、臨界設計に有効である。
ボロン添加アルミニウム合金にはいくつかの種類があり、アルミ合金マトリクス中にボロン化合物の形態として、例えば、AlB2、TiB2或いはB4Cで添加されている場合があるが、いずれの材料であっても良い。
なお、本実施形態では板組みによりバスケット1を構成した例を示したが、例えば、角パイプ形状の押出し材を使用してバスケットを構成することも可能である。この場合でも、例えば図3のように縦5列、横6列とし、縦方向に隣り合う格子3の間には空間を設け、横方向に隣り合う格子3の間には空間を設けない構成とすることにより、コンパクトな円形空間の中に格子3を効率的に配置できる。
更に、本実施形態では縦列の列数が横列の列数よりも少ない場合を示したが、これに限られず、横列の列数が縦列の列数よりも少ない場合にも適用可能であることは言うまでもない。バスケットの収納体数は多くても少なくてもよいが、縦横何れかの一方の列の数が他方と異なるように格子状に配列されることが必要である。なお、一方の列の列数をNとし、他方の列の列数をN+1とする(即ち、縦横の列数の差を1にする)のが、縦横の配置のバランスが良くなって、無駄な空間をなくすことができて好ましい。
キャスクの収納体数は14体〜32体とするのが一般的であるが、その中でも本発明の配置を適用することが好ましいのは、16体、26体、30体である。
(a)は輸送貯蔵キャスクの構成を示す縦断面図、(b)は平面断面図。 輸送貯蔵キャスクを示す一部切欠斜視図。 バスケットの構成の第1例を示す平面図。 バスケットの構成の第2例を示す平面図。 バスケットの構成の第3例を示す平面図。 バスケットの構成の第4例を示す平面図。 バスケットを構成するためにバスケットプレートのスリットを組み合わせる様子を示す斜視図。 (a)はバスケットレールを用いて空間を維持する構成を示す四半断面図、(b)は(a)における鎖線で囲った部分の拡大図。 バスケットレールを使わないで空間を維持する構成を示す比較対照例を示す図。 (a)はバスケットレールを用いて空間を維持する別の構成を示す四半断面図、(b)は(a)における鎖線で囲った部分の拡大図。 キャスクの内周面に切欠溝が設けられている例を示す平面図。 各バスケット格子の四囲すべてに空間を設けた構成(従来の構成)を示す平面図。
符号の説明
1 バスケット
2 燃料集合体
3 収容空間としての格子
x1・x2 空間
y1〜y4 空間

Claims (11)

  1. PWR用の使用済燃料集合体が収容される収容空間を構成するバスケット格子(3)が、縦横それぞれ複数列となるように配置されており、
    前記バスケット格子は、縦および横のいずれの方向にもピッチズレが生じないように格子状に配置されており、
    縦列および横列の何れか一方の列数を他方の列数よりも少なく設けるとともに、
    少ない数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間には、前記PWR用の使用済燃料集合体を未臨界に確保するための空間をそれぞれ設け、
    多い数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子についてみると、その方向にみて少なくともいずれかの部分では、前記バスケット格子間に前記空間を設けないことを特徴とする、
    PWR用の使用済燃料キャスクのバスケット(1)。
  2. 請求項1に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    前記バスケット格子は、縦横に格子状に板組みされた複数のバスケットプレート(5)の内部に形成されていることを特徴とする、PWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    前記少ない数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間に設けられた、前記空間のそれぞれは、バスケットの端から端まで、途中で途切れることなく一直線状に延びるように形成されていることを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、縦列および横列の何れか一方の列数をNとしたとき、他方の列数はN+1となるように設けられていることを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、多い数の列の方向で隣り合う前記バスケット格子の間には、どの部分でも前記空間を設けないことを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  6. 請求項5に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、スリットを設けた板を縦横に組み合わせて構成されることを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    前記バスケット格子間の前記空間を維持するためのバスケットレールが、前記バスケット格子の隅部の位置の前記バスケットプレートを支持するように当該バスケットの長手方向に設けられ、
    前記バスケットレールは、前記バスケット格子間において当該バスケットレールと交差する方向に延設されたロッドで固定されることを特徴とする、
    PWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  8. 請求項7に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    前記バスケットレールの断面形状が係止部を有する構造であり、この係止部により、キャスクが回転した際に前記バスケットプレートの格子形状が維持されることを特徴とする、
    PWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    バスケット材料の一部がホウ素添加アルミニウム合金、ホウ素添加ステンレス鋼の少なくとも何れか一方からなることを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の使用済燃料キャスクのバスケットであって、
    燃料集合体の収納体数が、16体、26体、あるいは30体であることを特徴とするPWR用の使用済燃料キャスクのバスケット。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載のバスケットを用いるPWR用の使用済燃料キャスクであって、
    前記キャスクの内周面には、当該キャスクの軸方向に延びる切欠溝を設けており、
    この切欠溝に前記バスケットの隅部が挿入されていることを特徴とする、
    PWR用の使用済燃料キャスク。
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