JP2003322698A - 使用済み燃料集合体収納用バスケット及びこれを構成するためのエレメント - Google Patents

使用済み燃料集合体収納用バスケット及びこれを構成するためのエレメント

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JP2003322698A
JP2003322698A JP2002131021A JP2002131021A JP2003322698A JP 2003322698 A JP2003322698 A JP 2003322698A JP 2002131021 A JP2002131021 A JP 2002131021A JP 2002131021 A JP2002131021 A JP 2002131021A JP 2003322698 A JP2003322698 A JP 2003322698A
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spent fuel
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square pipe
assembly storage
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Hironori Tamaoki
廣紀 玉置
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難押し出し材を使用した場合であっても効率
よく使用済み燃料集合体収納用バスケットを製造できる
こと。 【解決手段】 この使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト100は、角パイプ20と、長手方向に垂直な断面形
状がL字状で、且つ内側面には長手方向に向かう突起部
が設けられたエレメントと30とを有している。そし
て、前記角パイプ20の外側面と前記エレメント30の
内側面に設けられた突起部30tの端部とを当接させて
使用済み燃料集合体を収納するセル10を構成する。さ
らに一のセル10を構成する角パイプ20の外側面及び
このセル10を構成するエレメント30の端部を、他の
セル10を構成するエレメント30の外側面と当接させ
て前記セル10同士を組み合わせることでこの使用済み
燃料集合体収納用バスケット100が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用済み燃料集
合体を収納する使用済み燃料集合体収納用バスケットに
関し、さらに詳しくは、B−Al材のような難押し出し
材を使用した場合であっても製造が容易な使用済み燃料
集合体収納用バスケット及びこれを構成するためのエレ
メント、並びに放射性物質格納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み燃料集
合体という。使用済み燃料集合体は、FPなど高放射能
物質を含むので熱的に冷却する必要があるため、原子力
発電所の冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却さ
れる。その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、車
両又は船舶で再処理施設に搬送、貯蔵される。使用済み
燃料集合体をキャスク内に収容するにあたっては、使用
済み燃料集合体収納用バスケットと称する格子状断面を
有する保持枠を用いる。使用済み燃料集合体は、この使
用済み燃料集合体収納用バスケットに形成した複数の収
納空間であるセルに1体ずつ挿入される。これによっ
て、輸送中の振動等に対する適切な保持力を確保してい
る。
【0003】このようなキャスクの従来例としては、
「原子力eye」(平成10年4月1日発行:日刊工業
出版プロダクション)や特開昭62−242725号公
報などに、様々な種類のものが開示されている。次に、
この発明の説明にあたってその前提となったキャスクに
ついて説明する。なお、当該キャスクは、説明の便宜の
ために示すものであり、必ずしもいわゆる公知、公用に
該当するものではない。
【0004】図22は、キャスクの一例を示す斜視図で
ある。また、図23は、図22に示したキャスクの径方
向断面図である。キャスク500は、筒形状の本体胴5
01と、本体胴501の外周に設けたレジン502と、
その外筒503、底部504及び蓋部505から構成さ
れている。本体胴501及び底部504は、γ線遮蔽体
である炭素鋼製の鍛造品である。また、蓋部505は、
ステンレス鋼製の一次蓋506及び二次蓋507からな
る。本体胴501と底部504は、突合せにより結合し
てある。
【0005】一次蓋506及び二次蓋507は、本体胴
501に対してボルトで固定されている。蓋部505と
本体胴501との間には、アルミニウム被覆等を施した
金属製のOリングが介在し、内部の気密を保持してい
る。キャスク本体512の両側には、キャスク500を
吊り下げるためのトラニオン513が設けられている
(一方は省略)。また、キャスク本体512の両端部に
は、内部に緩衝材として木材などを封入した緩衝体51
4が取り付けられている(一方は省略)。
【0006】本体胴501と外筒503との間には、熱
伝導を行う複数の内部フィン508が設けられている。
伝熱効率を高めるため、内部フィン508の材料には銅
を用いる。レジン502は、この内部フィン508によ
り形成される空間に流動状態で注入され、熱硬化反応等
で固化形成する。使用済み燃料集合体収納用バスケット
509は、角パイプ510を束状に集合させた構造であ
り、本体胴501のキャビティ511内に拘束状態で挿
入してある。角パイプ510は、挿入した使用済み燃料
集合体が臨界に達しないように、中性子吸収材(ホウ
素:B)を混合したアルミニウム合金によって構成され
ている。また、それぞれの角パイプ510により形成さ
れる収容空間がセル515と呼ばれ、一つのセル515
に対して1本の使用済み燃料集合体を収容することがで
きる。なお、キャスク本体512の両側には、キャスク
500を吊り下げるためのトラニオン513が設けられ
ている(一方は省略)。また、キャスク本体512の両
端部には、内部に緩衝材として木材などを組み込んだ緩
衝体514が取り付けられている(一方は省略)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キャスクや
キャニスタ等の放射性物質格納容器に使用されている使
用済み燃料集合体収納用バスケットを構成する角パイプ
510はB−Al材を押出し加工することによって製造
される。特にB−Alの粉体焼結材を押出し加工によっ
て成形したエレメントはB等が母材中へ均一に分散する
ため、優れた機械的強度や中性子吸収能を示す。しか
し、この材料はAl母材に硬度の高いBやB化合物が分
散しているため、押出しダイスが摩耗しやすい。
【0008】ここで、PWR(Pressurized Water Reac
tor:加圧水型原子炉)用燃料は燃焼度が大きいため、
使用済み燃料を格納する使用済み燃料集合体収納用バス
ケットには確実に中性子漏れを防止する機能が要求され
る。このため、PWR用の使用済み燃料を格納する使用
済み燃料集合体収納用バスケットに使用する角パイプ
は、その壁面にフラックストラップを設けてある。この
ような角パイプは表面積が大きくなるため、押出しダイ
スの負担もそれだけ大きくなる結果、押出しダイスの摩
耗が激しくなる。また複雑な形状の製品の場合は、製品
の表面積が大きくなるので押出し圧力も大きくなり、押
出し成形による製造が困難である。そこで、上記パイプ
を分割して製造しこれらを溶接によって接合すれば、一
つ一つの構成部品の寸法を小さく収めることができるの
で、押出し成形加工は比較的容易である。
【0009】ところが、分割して押出し成形加工したB
−Al材を溶接によって接合する場合には、次のような
問題がある。B−Al材を溶融池ができる溶接によって
接合すると、溶接部が凝固する際にAl母材中へ分散し
ているBやB化合物が溶接部で凝集し、溶接部の機械的
性質や中性子吸収能を劣化させてしまう。このため、こ
のエレメントを溶融池ができる溶接によって接合する
と、上記理由から溶接部の機械的性質等が低下し、予定
した性能を発揮できなくなってしまう。したがって、B
−Al材の押出し成形エレメントを溶接によって組み合
わせて、使用済み燃料を収納する角パイプ510を製造
することは現実的ではなかった。
【0010】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、B−Al材のような難押し出し材を使
用した場合であっても効率よく製造できることを達成で
きる使用済み燃料集合体収納用バスケット及びこれを構
成するためのエレメント、並びに放射性物質格納容器を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットは、角パイプと、長手方向に垂直な断面形状がL字
状で、且つ内側面には長手方向に向かう突起部が設けら
れたエレメントとを有し、前記角パイプの外側面と前記
エレメントの内側面に設けられた突起部の端部とを当接
させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成し、さ
らに一のセルを構成する角パイプの外側面及びこのセル
を構成するエレメントの端部を、他のセルを構成するエ
レメントの外側面と当接させて前記セル同士を組み合わ
せることで構成したことを特徴とする。
【0012】燃焼度の高いPWR用の使用済み燃料集合
体を収納する場合には、臨界を防止するため中性子を遮
蔽するフラックストラップを設ける必要があるが、フラ
ックストラップは使用済み燃料集合体を囲う仕切りの内
部に設ける必要があり、製造が難しい。特に押し出し成
形によって仕切りを製造する場合には、押し出し機の推
力が大きいものでないと製造できない。また、内部に空
間を設けるため形状が複雑となり、押し出しダイスの寿
命も短くなってしまう。特に、中性子吸収能力を持たせ
るためにB(ボロン)あるいはB化合物を含有させた材
料を使用する場合には、硬質粒子であるBあるいはB化
合物によってさらに押し出し成形がし難くなる。
【0013】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、使用済み燃料集合体を収納する角パイプと、内側面
に突起部を設けた断面L字状のエレメントとを組み合わ
せてセルを構成し、さらにこのセルを複数組み合わせて
使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体収納
用バスケットを構成する。そして、エレメントに設けら
れた突起部によって角パイプとエレメントとの間に空間
を作り、これをフラックストラップとしている。このた
め、角パイプ及びエレメントの表面積は無闇に大きくな
らないので、押し出し機の推力がそれ程大きくなくとも
十分に製造できる。また、エレメントの形状もそれ程複
雑ではないので、押し出しダイスの寿命も確保できる。
その結果、PWR用の使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットを容易に製造でき、また、製造コストも低く抑える
ことができる。特に、BやB化合物を含有したAl材の
ような難押し出し材で使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットを構成する場合に、この発明の効果は顕著である。
なお、突起部の端部とは、エレメントの側面に設けられ
た突起部の開放端をいい、角パイプと当接する部分であ
る(以下同様)。
【0014】なお、請求項2に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットのように、さらに、上記エレメントの
外側面にもこのエレメントの長手方向に向かう突起部を
設け、当該突起部の端部と上記エレメントの隣に配置さ
れるセルを構成する上記角パイプの外側面とを当接させ
る。そして、上記セル同士の間に、上記セルを構成する
角パイプの長手方向に対して垂直な方向に向かって二個
のフラックストラップを設けるようにしてもよい。この
ようにしても、エレメントの表面積は無闇に大きくなら
ず、また形状もそれ程複雑ではないので、押し出し機の
推力がそれ程大きくなくとも十分に製造でき、押し出し
ダイスの寿命も確保できる。その結果、PWR用の使用
済み燃料集合体収納用バスケットを容易に製造できる。
また、突起部はエレメントの外側面と内側面とに形成さ
れているので、使用済み燃料集合体収納用バスケットを
組み立てた場合には、角パイプのすべての外側面がエレ
メントの突起部と当接する。このように、すべての角パ
イプは同じようにエレメントと接するので、応力が偏っ
て作用したり、熱が偏って流れたりすることを抑制でき
る。
【0015】ここで、使用済み燃料集合体は、長手方向
に垂直な断面形状が矩形であるため、使用済み燃料集合
体を収納する角パイプも長手方向に垂直な断面内形状を
使用済み燃料集合体に合わせた角形としてある。このた
め、前記角パイプの外形も略角形になるが、実際の製造
上、あるいは配置の都合上、外形の角を落とした形状に
なることがある。このようなパイプは厳密にいえば角パ
イプとはいえないが、その外形は略使用済み燃料集合体
の外形に近いため、このようなパイプも本発明にいう角
パイプというものとする(以下同様)。
【0016】また、請求項3に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、角パイプと、長手方向に垂直な断
面形状がL字状で、且つ内側面には長手方向に向かう突
起部が設けられ、さらに外側面は平面に形成されたエレ
メントとを有し、前記角パイプの外側面と前記エレメン
トの内側面に設けられた突起部の端部とを当接させて使
用済み燃料集合体を収納するセルを構成し、さらに一の
セルを構成する角パイプの外側面及びこのセルを構成す
るエレメントの端部を、他のセルを構成するエレメント
の外側面と平面で当接させて前記セル同士を組み合わせ
ることで構成したことを特徴とする。
【0017】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、エレメントの外側面を平面に形成し、一のセルを構
成するエレメントの外側面と他のセルを構成する角パイ
プの外側面及び他のセルを構成するエレメントの端部と
を平面で当接させて使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トを構成する。このため、伝熱面積を大きくできるの
で、発熱量が大きいPWR用の使用済み燃料集合体を収
納した場合であっても、使用済み燃料集合体収納用バス
ケットの内部から外部へ効率よくこの熱を伝えることが
できる。これによって、使用済み燃料集合体収納用バス
ケットの温度上昇を抑えることができるので安全性を高
くでき、また、使用済み燃料集合体収納用バスケットを
構成する材料は無闇に耐熱温度が高いものを使用しなく
ともよいので、使用済み燃料集合体収納用バスケットを
設計する際の自由度を大きくできる。
【0018】また、請求項4に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項1〜3のいずれか1項に記
載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さ
らに、上記エレメントのコーナー部内側を上記エレメン
トの長手方向に垂直な断面が階段状となるように形成し
て上記エレメントの長手方向に向かう段部を設け、ここ
に上記角パイプのコーナー部外側を当接させて上記セル
を構成することを特徴とする。
【0019】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、エレメントのコーナー部内側に段部を設け、各パイ
プのコーナー部外側をこの段部に当接させて、使用済み
燃料集合を収納するセルを構成する。これによって、角
パイプとエレメントとのずれを抑えることができるの
で、使用済み燃料集合体収納用バスケットを容易に組み
立てることができる。
【0020】また、請求項5に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さ
らに、上記エレメントのコーナー部外側を上記エレメン
トの長手方向全領域にわたって平面に形成し、且つ当該
平面と組み合わされるように当該平面と平行にこのエレ
メントの一方の端部を平面に形成して、上記セルを組み
合わせる際に一のエレメントのコーナー部外側と他のエ
レメントの前記一方の端部とを当接させることを特徴と
する。
【0021】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、エレメントのコーナー部外側にエレメントの長手方
向に向かう平面を設け、また、エレメントの一方の端部
には、前記平面と平行な平面を形成する。そして、使用
済み燃料集合体収納用バスケットを組み立てる際には、
前記二つの平面同士を当接させる。これらの平面は、エ
レメントの長手方向に垂直な断面で見るとコーナー部外
側が斜めに切り取られた形に形成されているので、エレ
メント同士が当接する面積を大きくできる。これによっ
て、伝熱面積が大きくなるので、より効率よく使用済み
燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットの外部へ逃がすことができる。また、エレメント同
士の当接する面積がより大きくなるので、荷重が作用し
た場合にこの部分に発生する応力も小さくできる。これ
によって、応力伝達の際における負担を小さくできるの
で、使用済み燃料集合体収納用バスケットの信頼性をよ
り高くできる。
【0022】また、請求項6に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さ
らに、上記エレメントのコーナー部外側を上記エレメン
トの長手方向に垂直な断面が階段状となるように形成し
て上記エレメントの長手方向に向かう段部を設け、且つ
階段状に形成した前記コーナー部外側と噛み合うように
このエレメントの一方の端部を階段状に形成して、上記
セルを組み合わせる際に一のエレメントのコーナー部外
側と他のエレメントの一方の端部とを噛み合わせること
を特徴とする。
【0023】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、階段状に形成されたエレメントのコーナー部と端部
とを噛み合わせて組み立てられる。このため、エレメン
トの長手方向に対して垂直な方向に対する動きが規制で
きるので、キャスクが落下等した場合における衝撃によ
るずれを効果的に抑えることができる。これによって、
さらに信頼性の高い使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トを構成することができる。また、エレメントの長手方
向に対して垂直な方向に向かうエレメントの動きを規制
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケットの組
み立てもより容易になる。
【0024】また、このエレメントでは、エレメントの
コーナー部と端部とを階段状に形成しているので、上記
使用済み燃料集合体収納用バスケットと比較してエレメ
ント同士が当接する面積をさらに大きくできる。これに
よって、伝熱面積が大きくなるのでより効率よく使用済
み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体収納用バス
ケットの外部へ逃がすことができる。また、エレメント
同士の当接する面積がより大きくなるので、荷重が作用
した場合にこの部分に発生する応力もより小さくでき
る。これによって、応力伝達の際における負担を小さく
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケットの信
頼性をより高くできる。
【0025】また、請求項7に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さ
らに、上記角パイプと、上記エレメントのコーナー部外
側と、上記エレメントの端部外側とをシャープエッジに
成形し、当該シャープエッジの半径が、上記角パイプの
板厚の少なくとも半分以下であることを特徴とする。
【0026】角パイプのコーナー部外側におけるコーナ
ー部や、エレメントのコーナー部外側等が適当な半径を
有する場合、角パイプのコーナー部とエレメントのコー
ナー部内側との接触部分やエレメントのコーナー部外側
とエレメントの端部との接触部分等の接触面積が小さく
なる。その結果、使用済み燃料集合体収納用バスケット
を収納するキャスクが落下したり転倒したりしたときに
発生する荷重によって前記接触部分に応力集中が発生し
てしまう。そこで、角パイプのコーナー部外側等をシャ
ープエッジにすることで前記接触部における接触面積を
広くして応力集中を緩和するようにした。これにより、
隣接する前記接触部分の範囲が板厚の半分より大きくな
るから、応力集中を緩和できる。
【0027】ここで、角パイプの角部分をマクロ的に見
るとシャープエッジであるといえるが、ミクロ的に見る
と一般的にはシャープエッジであるとはいえない。した
がって、ここでいうシャープエッジとは、マクロ的に見
れば2面が交差した理論的な縁であり、ミクロ的に見れ
ば先端が小さな半径Rや面取(C)を持つ現実的な縁で
あるものとする(以下同様)。
【0028】また、請求項8に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項1〜4のいずれか1項に記
載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さ
らに、上記角パイプと、上記エレメントのコーナー部外
側と、上記エレメントの端部外側とを、上記角パイプの
コーナー部内側よりもシャープエッジに成形したことを
特徴とする。これにより、角パイプのコーナー部外側と
エレメントのコーナー部内側に形成された段部との接触
面積や、エレメントのコーナー部外側と角パイプのコー
ナー部外側とにおける接触面積や、エレメントの端部外
側とエレメントのコーナー部外側との接触面積が確保で
きるので、突合せ部の応力集中を緩和できる。
【0029】また、請求項9に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットは、請求項7又は8に記載の使用済み
燃料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャープエ
ッジの半径が0.5mm以下であることを特徴とする。
これにより、角パイプのコーナー部やエレメントのコー
ナー部外側等における接触面の接触面積が確保できるの
で、突合せ面の応力集中を緩和できる。また、角パイプ
の寸法は、使用済み燃料集合体の寸法からおおよそ想定
することができるが、その場合のシャープエッジの半径
は、0.5mm以下とするのが好ましい。
【0030】また、請求項10に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項7又は8に記載の使用済
み燃料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャープ
エッジが面取形状であり、その面取寸法が前記角パイプ
の板厚の少なくとも半分以下であることを特徴とする。
これにより、上記同様、隣接する前記突合せ面の範囲が
板厚の半分より大きくなるから、応力集中を緩和でき
る。また、請求項11に係る使用済み燃料集合体収納用
バスケットは、請求項7又は8に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットにおいて、前記シャープエッジが
面取形状であり、その面取寸法が0.5mm以下である
ことを特徴とする。これにより、角パイプのコーナー部
外側やエレメントのコーナー部外側等における接触面の
接触面積が確保できるので、突合せ面の応力集中を緩和
できる。
【0031】また、請求項12に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項1〜11のいずれか1項
に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおい
て、上記角パイプ又は上記エレメントのうち、少なくと
も上記角パイプはB−Al材であることを特徴とする。
このため、使用済み燃料集合体収納用バスケットは十分
な中性子吸収能を発揮させつつ、強靭なB−Al材によ
って使用済み燃料集合体収納用バスケットの十分な強度
を確保できる。また、エレメントには必ずしもB−Al
を使用しなくともよいので、角パイプのみB−Al材で
構成すればコストを低減できる。さらに、エレメントを
B−Al以外の押し出しやすい材料で製造すれば、使用
済み燃料集合体収納用バスケットにより高い性能を発揮
させるためにエレメントを複雑な形状に設計しても、エ
レメントを製造できる。これによって使用済み燃料集合
体収納用バスケットを設計する際における自由度が向上
する。
【0032】また、請求項13に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、角パイプと、長手方向に垂直な
断面形状がL字状で、且つ外側面には長手方向に向かう
突起部が設けられたエレメントとを有し、前記角パイプ
の内部に前記エレメントを配置し、且つ前記角パイプの
内側面と前記エレメントに設けられた突起部の端部とを
当接させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成し
て、さらに複数の当該セルを、エレメントが存在する側
の角パイプ外側面と角パイプの壁面のみの角パイプ外側
面とを当接させて組み合わせることによって構成したこ
とを特徴とする。
【0033】使用済み燃料集合体収納用バスケットは、
角パイプの内部へ長手方向に向かう溝を設けたエレメン
トを配置して使用済み燃料集合体を収納するセルを構成
する。このため、角パイプやエレメントにB−Al材の
ような難押し出し材を使用しても押出し成形機の能力内
でこれらを製造できる。これによって、PWR用使用済
み燃料集合体を収納するためにフラックストラップを備
えた複雑な形状の使用済み燃料集合体収納用バスケット
であっても容易に製造できる。また、角パイプやエレメ
ントを無理なく押出し成形できるので傷や肌荒れ等も低
減でき、製品の歩留まりも向上する。
【0034】さらに、溶接によらず角パイプとエレメン
トとを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部における
性能劣化のおそれもなく、また使用済み燃料集合体収納
用バスケットの製造も容易になる。また、エレメントを
角パイプの内部に配置すれば、自動的にエレメントの動
きが規制されるので、使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットは角パイプを組み合わせるだけで構成できる。これ
によって使用済み燃料集合体収納用バスケットをさらに
容易に製造できる。
【0035】また、請求項14に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項13に記載の使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、上記角パイプと上
記エレメントとはB−Al材であることを特徴とする。
このため、使用済み燃料集合体収納用バスケットに十分
な中性子吸収能を発揮させつつ、強靭なB−Al材によ
って使用済み燃料集合体収納用バスケットの十分な強度
を確保できる。
【0036】また、請求項15に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項13又は14に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さらに、
上記角パイプのコーナー部外側をシャープエッジに成形
し、当該シャープエッジの半径が、上記角パイプの板厚
の少なくとも半分以下であることを特徴とする。
【0037】角パイプのコーナー部外側におけるコーナ
ー部等が適当な半径を有する場合、角パイプのコーナー
部における接触面積が小さくなる。その結果、使用済み
燃料集合体収納用バスケットを収納するキャスクが落下
したり転倒したりしたときに発生する荷重によって突合
せ面に応力集中が発生してしまう。そこで、角パイプの
コーナー部分をシャープエッジにすることで、角パイプ
のコーナー部外側同士が接触する面の接触面積を広くし
て応力集中を緩和するようにした。これにより、隣接す
る前記接触部分の範囲が板厚の半分より大きくなるか
ら、応力集中を緩和できる。
【0038】また、請求項16に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項13又は14に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さらに、
上記角パイプのコーナー部外側をコーナー部内側よりも
シャープエッジに成形したことを特徴とする。これによ
り、角パイプのコーナー部外側とエレメントのコーナー
部内側に形成された段部との接触面積や、エレメントの
コーナー部外側と角パイプのコーナー部外側とにおける
接触面積や、エレメントの端部外側とエレメントのコー
ナー部外側との接触面積が確保できるので、突合せ部の
応力集中を緩和できる。
【0039】また、請求項17に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項15又は16に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャ
ープエッジの半径が0.5mm以下であることを特徴と
する。これにより、角パイプの角部における突合せ面の
接触面積が確保できるので、突合せ面の応力集中を緩和
できる。
【0040】また、請求項18に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項15又は16に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャ
ープエッジが面取形状であり、その面取寸法が前記角パ
イプの板厚の少なくとも半分以下であることを特徴とす
る。これにより、上記同様、隣接する前記突合せ面の範
囲が板厚の半分より大きくなるから、応力集中を緩和で
きる。
【0041】また、請求項19に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項15又は16に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、前記シャ
ープエッジが面取形状であり、その面取寸法が0.5m
m以下であることを特徴とする。これにより、角パイプ
の角部における突合せ面の接触面積が確保できるので、
突合せ面の応力集中を緩和できる。
【0042】また、請求項20に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、角パイプと、長手方向に垂直な
断面形状がL字状で、内側面には長手方向に向かう突起
部が設けられ、且つ外側面は平面に形成された第一エレ
メントと、長手方向に垂直な断面形状がL字状で、外側
面には長手方向に向かう突起部が設けられ、且つ内側面
は平面に形成されており、前記突起部の端部と前記角パ
イプの外側面とが当接する第二エレメントとを有し、前
記角パイプの外側面と前記第一エレメントの内側面に設
けられた突起部の端部とが当接して使用済み燃料集合体
を収納する第一セルを形成し、また、一の第一エレメン
トとこの斜め隣に配置される他の第一エレメントの端部
同士を当接させ、且つ前記第二エレメントの両端部をそ
れぞれ前記一の第一エレメント及び前記他の第一エレメ
ントのコーナー部外側と当接させて、前記一の第一エレ
メント及び前記他の第一エレメントの外側面と前記第二
エレメントの内側面とで囲まれる空間に使用済み燃料集
合体を収納する第二セルを形成し、前記第一セルを千鳥
状に配置し、且つ前記第一セルの隣に前記第二セルを配
置することによって構成したことを特徴とする。
【0043】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、角パイプ内部と第一エレメント及び第二エレメント
で囲まれる空間とに使用済み燃料集合体を収納する。こ
のため、角パイプの内部のみに使用済み燃料集合体を収
納する使用済み燃料集合体収納用バスケットと比較して
使用する角パイプの本数を約半分にできる。これによっ
て、角パイプの本数を減らして使用済み燃料集合体収納
用バスケットの製造コストを低減できる。
【0044】また、角パイプの本数が少なくなった分だ
け使用済み燃料集合体収納用バスケットの長手方向に対
して垂直な方向における寸法を小さくできる。その結
果、この使用済み燃料集合体収納用バスケットを収納す
る使用済み燃料収納容器の外形寸法を従来よりも小さく
できる。これによって、使用済み燃料収納容器を軽量化
できるとともに、キャスク等の使用済み燃料収納容器に
取り付ける緩衝体の外径を小さく抑えることができる。
また、緩衝体の外形寸法が同じであれば、つぶれ代をよ
り大きくとることができるので、安全性が高くなる。さ
らに、緩衝体のつぶれ代が同じであれば緩衝体の寸法を
小さくできるので、キャスクの陸送時における寸法制限
にも対応しやすくなる。
【0045】また、請求項21に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項20に記載の使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、さらに、上記第一
エレメントのコーナー部外側に上記第一エレメントの長
手方向に向かう段部を形成し、この段部と斜め隣に配置
される上記第一セルを構成する上記角パイプのコーナー
部外側とを当接させることを特徴とする。このように、
第一エレメントのコーナー部外側に設けられた段部と角
パイプのコーナー部外側とを組み合わせるので、角パイ
プと第一エレメントとのずれに対して強くなり、強固な
使用済み燃料集合体収納用バスケットを得ることができ
る。
【0046】また、請求項22に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項20又は21に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、さらに、
上記第一エレメントのコーナー部外側には上記第一エレ
メントの長手方向に向かう溝部を形成し、また当該溝部
と噛み合うように上記第二エレメントの端部を形成し
て、前記溝部と前記端部とを噛み合わせて構成したこと
を特徴とする。
【0047】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、第一エレメントのコーナー部外側に溝を設け、第二
エレメントの端部と噛み合わせるようにする。このよう
な構成にすれば、第一エレメントと第二エレメントとの
動きを拘束できるので、剛性が高く、斜め荷重に対して
も強い使用済み燃料集合体収納用バスケットを構成する
ことができる。また、第一エレメントと第二エレメント
との接触面積も大きくなるので伝熱性能が高くなり、使
用済み燃料集合体の崩壊熱を効率的に使用済み燃料集合
体収納用バスケットの外部へ放出できる。
【0048】また、請求項23に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、角パイプと、板状の部材であっ
て、一方の側面には長手方向に向かう突起部が設けら
れ、またもう一方の側面は平面に形成されたエレメント
とを有し、前記角パイプの共通するコーナー部を持つ二
個の外側面にそれぞれ前記エレメントの一方の側面に設
けられた前記突起部の端部を当接させて使用済み燃料集
合体を収納するセルを構成し、さらに一のセルを構成す
る角パイプの外側面及びこのセルを構成するエレメント
の端部と、他のセルを構成する平面に形成された前記エ
レメントの側面とを当接させて前記セル同士を組み合わ
せることで構成したことを特徴とする。
【0049】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、2個の板状のエレメントを角パイプの外側面に当接
させて構成した複数のセルを組み合わせることによって
構成される。このため、使用済み燃料集合体収納用バス
ケットを構成する部品点数は多くなるが、長手方向に垂
直な断面形状がL字形状のエレメントを使用する場合と
比較して、エレメントの表面積を略半分にできる。これ
によって、押出し機の性能が小さい場合でも容易にエレ
メントを製造でき、また、押出しダイスの寿命も長くで
きる。
【0050】また、請求項24に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項1〜23のいずれか1項
に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおい
て、さらに上記エレメントに設けられる突起部の端部は
平面に形成されており、上記角パイプの外側面又は内側
面と平面で当接して上記セルを構成することを特徴とす
る。このため、エレメントと角パイプとがより均一に当
接するので、エレメントと角パイプとの伝熱性能が向上
し、内部に収納される使用済み燃料集合体の崩壊熱をよ
り効率よく使用済み燃料集合体収納用バスケットの外部
へ逃がすことができる。また、エレメントと角パイプと
がより均一に当接するので、エレメントと角パイプとの
応力集中を低減して使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トの信頼性を高くできる。
【0051】また、請求項25に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項1〜24のいずれか1項
に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットにおい
て、さらに、上記エレメントには、このエレメントの一
辺当たり複数の突起部を設けたことを特徴とする。この
ため、複数の突起部によって角パイプを支えるので、角
パイプの側面を支えるスパンを小さくできる。これによ
って、角パイプの側面に作用する曲げ応力を低減できる
ので、使用済み燃料集合体収納用バスケットの信頼性を
高くできる。
【0052】また、請求項26に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項12又は14に記載の使
用済み燃料集合体収納用バスケットにおいて、上記B−
Al材のB含有率は1.5質量%以上7.0質量%以下
であることを特徴とする。このため、十分な中性子吸収
能を発揮させつつ、十分な靭性を確保できる。また、B
含有量が7重量%以下であるので、押出し成形加工も比
較的容易にできるので、寸法の大きい角パイプ構成エレ
メントや使用済み燃料集合体収納用バスケット構成材を
成形しやすい。
【0053】また、請求項27に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、請求項12、14又は26のい
ずれか1項に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トにおいて、上記B−Al材には少なくとも濃縮ボロン
が添加されていることを特徴とする。
【0054】天然ボロンには中性子の吸収に寄与するB
10と中性子の吸収には寄与しないB 11がある。中性子吸
収能を有するB10を濃縮したものを使用すると、同じボ
ロンの添加量であれば天然ボロンやB4Cをそのまま使
用した場合と比較してB10が多くなる分だけ中性子吸収
能を高くできる。この使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットにおいては、B−Al材にこの濃縮ボロンを使用し
ている。このため、天然ボロンをそのまま使用した場合
よりも薄い板厚の角パイプあるいはエレメントで、同じ
中性子吸収能を得ることができるので、使用済み燃料集
合体収納用バスケットをより軽量且つコンパクトにでき
る。また、その分必要なキャスク胴本体のキャビティ空
間を小さくできるので、胴本体をコンパクトにできる。
一方、天然ボロンやB4Cをそのまま使用した場合と同
じ量の濃縮ボロンを添加すればそれだけ中性子吸収能を
高くできるので、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を格
納する場合でも臨界に対する安全性を十分に確保でき
る。
【0055】また、請求項28に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ内側面には
長手方向に向かう突起部が設けられ、当該突起部の端部
が使用済み燃料集合体を収納する角パイプの外側面と当
接することを特徴とする。
【0056】このエレメントは断面L字状で、且つ内側
面には角パイプと当接する突起部が設けられており、こ
の突起部が角パイプと当接して使用済み燃料集合体を収
納するセルを構成する。そして、突起部で角パイプの外
側面と隔てられた空間がフラックストラップとなる。こ
のように、角パイプと組み合わされることで使用済み燃
料を収納するセルを構成するので、燃焼度の高いPWR
用の使用済み燃料集合体を収納するセルのようにフラッ
クストラップを要するものでも容易に製造できる。ま
た、エレメントの表面積は無闇に大きくならないので、
押し出し機の推力がそれ程大きくなくとも十分に製造で
き、また、エレメントの形状もそれ程複雑ではないの
で、押し出しダイスの寿命も確保できる。その結果、P
WR用の使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集
合体収納用バスケットを容易に製造でき、また、製造コ
ストも低く抑えることができる。特に、BやB化合物を
含有したAl材のような難押し出し材で使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成する場合に、この発明の効
果は大きくなる。
【0057】また、請求項29に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
請求項28に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トを構成するためのエレメントにおいて、さらに、上記
エレメントのコーナー部外側を上記エレメントの長手方
向全領域にわたって平面に形成し、且つ当該平面と組み
合わされるように当該平面と平行にこのエレメントの一
方の端部を平面に形成して、一のエレメントのコーナー
部外側と他のエレメントの前記一方の端部とを当接させ
ることを特徴とする。
【0058】このエレメントは、コーナー部外側を平面
に形成し、エレメントの一方の端部はこの平面に平行と
なるように平面が形成されている。そして、使用済み燃
料集合体収納用バスケットを構成した場合には、両平面
が当接する。これらの平面は、エレメントの長手方向に
垂直な断面で見るとコーナー部外側が斜めに切り取られ
た形に形成されているので、両者の接する面積を大きく
できる。このため使用済み燃料集合体収納用バスケット
を組み立てた際には伝熱面積を大きくできるので、より
効率よく使用済み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集
合体収納用バスケットの外部へ逃がすことができる。ま
た、エレメント同士の当接する面積がより大きくなるの
で、このエレメントを用いて使用済み燃料集合体収納用
バスケットを組み立てた場合には、荷重が作用した際に
この部分に発生する応力も小さくできる。これによっ
て、応力伝達の際における負担を小さくできるので、使
用済み燃料集合体収納用バスケットの信頼性をより高く
できる。
【0059】また、請求項30に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
請求項28又は29に記載の使用済み燃料集合体収納用
バスケットを構成するためのエレメントにおいて、さら
に、上記エレメントのコーナー部内側を、上記エレメン
トの長手方向に垂直な断面が階段状となるように形成し
て上記エレメントの長手方向に向かう段部を設け、ここ
に使用済み燃料集合体を収納する角パイプのコーナー部
外側を当接させることを特徴とする。
【0060】このエレメントは、コーナー部と端部とを
階段状に形成し、使用済み燃料集合体収納用バスケット
を組み立てる際には両者を噛み合わせて組み立てられ
る。このため、エレメントの長手方向に対して垂直な方
向に対する動きが規制できるので、キャスクが落下等し
た場合における衝撃によるずれを効果的に抑えることが
できる。これによって、さらに信頼性の高い使用済み燃
料集合体収納用バスケットを構成することができる。ま
た、エレメントの長手方向に対して垂直な方向に向かう
エレメントの動きを規制できるので、使用済み燃料集合
体収納用バスケットの組み立てもより容易になる。
【0061】また、請求項31に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ外側面には
長手方向に向かう突起部が設けられ、当該突起部の端部
が使用済み燃料集合体を収納する角パイプの内側面と当
接することを特徴とする。
【0062】このエレメントは断面L字状であり、長手
方向に向かう溝が外側面に設けられている。そして、使
用済み燃料集合体収納用バスケットを組み立てる際に
は、各パイプの内部にこのエレメントを配置する。この
ため、エレメントの形状がそれ程複雑ではなく、また、
表面積も比較的小さいので、エレメントにB−Al材の
ような難押し出し材を使用しても押出し成形機の能力内
でこれを製造できる。これによって、PWR用使用済み
燃料集合体を収納するためにフラックストラップを備え
た複雑な形状の使用済み燃料集合体収納用バスケットで
あっても容易に製造できる。また、角パイプやエレメン
トを無理なく押出し成形できるので傷や肌荒れ等も低減
でき、製品の歩留まりも向上する。
【0063】さらに、溶接によらず角パイプとエレメン
トとを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部における
性能劣化のおそれもなく、また使用済み燃料集合体収納
用バスケットの製造も容易になる。また、エレメントを
角パイプの内部に配置すれば、自動的にエレメントの動
きが規制されるので、使用済み燃料集合体収納用バスケ
ットは角パイプを組み合わせるだけで構成できる。これ
によって使用済み燃料集合体収納用バスケットをさらに
容易に製造できる。
【0064】また、請求項32に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
請求項28〜31のいずれか1項に記載の使用済み燃料
集合体収納用バスケットを構成するためのエレメントに
おいて、さらに、上記エレメントはB−Al材であるこ
とを特徴とする。このため、このエレメントと角パイプ
とを組み合わせて使用済み燃料集合体収納用バスケット
を構成した場合には、この使用済み燃料集合体収納用バ
スケットに十分な中性子吸収能を発揮させることができ
る。また、強靭なB−Al材によって使用済み燃料集合
体収納用バスケットの十分な強度を確保できる。
【0065】また、請求項33に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
請求項32に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トを構成するためのエレメントにおいて、上記B−Al
材のB含有率は1.5質量%以上7.0質量%以下であ
ることを特徴とする。
【0066】このため、十分な中性子吸収能を発揮させ
つつ、十分な靭性を確保できる。また、B含有量が7重
量%以下であるので、押出し成形加工も比較的容易にで
きるので、寸法の大きい角パイプ構成エレメントや使用
済み燃料集合体収納用バスケット構成材を成形しやす
い。さらに、母材であるAlを半溶融状態で接合して角
パイプや使用済み燃料集合体収納用バスケットを構成し
ているので、靭性の劣化も最小限に抑えることができ
る。
【0067】また、請求項34に記載の使用済み燃料集
合体収納用バスケットを構成するためのエレメントは、
請求項32又は33に記載の使用済み燃料集合体収納用
バスケットを構成するためのエレメントにおいて、上記
B−Al材には少なくとも濃縮ボロンが添加されている
ことを特徴とする。このため、天然ボロンをそのまま使
用した場合よりも薄い板厚の角パイプあるいはエレメン
トで、同じ中性子吸収能を得ることができるので、使用
済み燃料集合体収納用バスケットをより軽量且つコンパ
クトにできる。また、その分必要なキャスク胴本体のキ
ャビティ空間を小さくできるので、胴本体をコンパクト
にできる。一方、天然ボロンやB4Cをそのまま使用し
た場合と同じ量の濃縮ボロンを添加すればそれだけ中性
子吸収能を高くできるので、燃焼度の高い使用済み燃料
集合体を格納する場合でも臨界に対する安全性を十分に
確保できる。
【0068】また、請求項35に係る放射性物質格納容
器は、請求項1〜27のいずれか1項に記載の使用済み
燃料集合体収納用バスケットの外形に合わせて放射性物
質格納容器の本体胴の内側形状を形成し、ここに前記使
用済み燃料集合体収納用バスケットを挿入して上記セル
内に使用済み燃料集合体を収納することを特徴とする。
この放射性物質格納容器は、上記使用済み燃料集合体収
納用バスケットを備えているので、燃焼度が高く、寸法
の大きいPWR用の使用済み燃料集合体を収納するもの
でも、容易に製造できる。
【0069】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態における構成要素には、当業者が容易に想定できるも
の或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下に
説明する使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集
合体収納用バスケットは主として放射性物質格納容器の
一つであるキャスクに使用するものであるが、これに限
定されるものではない。キャスクの他にも、例えば、キ
ャニスタや使用済み燃料貯蔵プールのラックに使用でき
る。
【0070】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットの
一部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納
用バスケットは、長手方向に向かう溝部が設けられたエ
レメントを角パイプの外側へ当接させて使用済み燃料集
合体を収納する一つのセルを作り、このセルを複数組み
合わせて構成した点に特徴がある。
【0071】使用済み燃料集合体を収納するセル10を
構成する角パイプ20は、AlやAl合金粉末に中性子
吸収性能を持つB(ボロン)やB化合物の粉末を添加し
たアルミニウム複合材又はアルミニウム合金(以下B−
Al材という)によって製造されている。これは、使用
済み燃料集合体収納用バスケットには挿入した使用済み
燃料集合体が臨界に達することを防止する機能が求めら
れるからである。また、このようなB−Al材は強度と
伸びとのバランスをとっており、耐衝撃性能が要求され
るキャスク用の使用済み燃料集合体収納用バスケットに
適している。なお、B−Al材の製造方法については後
述する。
【0072】同様の理由から、長手方向に向かう溝が設
けられたエレメントであるエレメント30も、Al又は
Al合金粉末に中性子吸収性能を持つB(ボロン)又は
B化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材又はアル
ミニウム合金によって製造することが好ましい。ただ
し、この実施の形態においては必ずしもB−Al材を使
用する必要はなく、角パイプ20のみで中性子吸収性能
が確保できれば、他の材料を使用してもよい。なお、後
述する実施の形態1の第三変形例(図12参照)に係る
使用済み燃料集合体収納用バスケットにおいては、角パ
イプとエレメントとはともにB−Al材で構成する。
【0073】このようにすれば、使用済み燃料集合体収
納用バスケット100をすべてB−Al材で製造しなく
ともよいので、使用済み燃料集合体収納用バスケット1
00の製造コストを低減できる。また、難押し出し材で
あるB−Al材を使用せず、より押し出し成形に適した
材料を使用すれば、エレメント30を押し出しやすくな
る。したがって、さらに複雑な形状のエレメント30で
も製造することができる。これによって、エレメント3
0を設計する際における自由度を高くできる。
【0074】図1(b)に示すように、角パイプ20の
断面内形状は正方形であり、その内部に使用済み燃料集
合体を収納できるようになっている。そして、この角パ
イプ20はPWR用燃料集合体を収納できるように、断
面内寸法もPWR用燃料集合体の外形寸法に合わせてあ
る。ここで、この角パイプ20のコーナー部外側20c
oにおける半径rp、エレメント30のコーナー部外側
30coにおける半径re、及びエレメント30の端部
外側30foにおける半径re1は、できるだけ小さくす
ることが望ましい。次に、角パイプ20のコーナー部外
側20coにおける半径rp等について説明する。
【0075】図2は、角パイプ及びエレメントのコーナ
ー部における応力の伝わり方を示す説明図である。角パ
イプ20とエレメント30とは、図1(a)に示すよう
に組み合わされる。このとき、同図(a)に示すよう
に、角パイプ20のコーナー部外側20coの半径rp
が大きいと、荷重Fを受ける面が小さくなり面圧pが過
大になるとともに、30foの付け根における曲げ応力
δbが過大になるおそれが高くなる。また、半径rp
大きいと十分な伝熱面積を確保できない。
【0076】また、図1(a)及び(b)に示すよう
に、使用済み燃料集合体収納用バスケット100におい
てはエレメント30のコーナー部外側30coとエレメ
ント30の端部30fとが当接する。このため、図2
(a)に示すように、エレメント30のコーナー部外側
30coにおける半径re及び端部30fにおける半径
e 1が大きい場合にも、上述したと同様の問題が発生す
る。その結果、角パイプ20やエレメント30に損傷そ
の他の性能劣化を生じさせることになる。そして、斜め
方向からの荷重の場合であっても、応力集中に起因する
角パイプ20やエレメント30の性能劣化をもたらすお
それがある。
【0077】上記の問題を避けるため、図2(b)に示
すように、角パイプ20のコーナー部外側20co、エ
レメント30のコーナー部外側30co及びエレメント
30の端部外側30foをシャープエッジに成形するこ
とが望ましい。このようにすると、角パイプ20のコー
ナー部外側20coとエレメント30の段部30aとの
接触部分が略全体にわたって突き合わされる。また、エ
レメント30のコーナー部外側30coとエレメント3
0の端部30fとが接する部分も略全体にわたって突き
合わされる。このため、上記面荷重が軽減するとともに
十分な伝熱面積も得ることができる。これらの作用によ
って角パイプ20及びエレメント30の性能劣化を抑制
できる。また、図2(c)に示すように、テーパー30
lと曲面30Rとを設けると、応力集中の低減により効
果的である。
【0078】ここで、落下試験の結果を説明する。ま
ず、角パイプ20の寸法は、収容する使用済み燃料集合
体の寸法に基づいて決定されるため、角パイプ20の板
厚tに対する半径rpから評価した。この評価結果を表
1に示す。
【表1】 この結果、半径R=0.8t〜1.5tのときは、角パ
イプ20の特定部分(図2(a)中点線で囲んだ領域)
に好ましくない応力集中が生じた。半径rp、re、re1
=0.6tになると応力集中の程度は緩和されたが、ま
だ好ましい状態にはならなかった。次に、半径R=0.
4tでは、応力集中の程度がある程度緩和されて、比較
的許容できる範囲内に収まった。半径rp、re、re1
0.05t〜0.2tでは、応力集中が相当程度緩和さ
れ、好ましい状態になった。特に、rp、re、re1
0.1t、0.05tの場合に良好な結果が得られ、応
力集中は問題にならない程度に低減された。さらに、図
2(c)に示すように、端部内側30fiにテーパー3
0lを設けて付け根部分の面積を大きくするように構成
すると、端部30fの付け根部分に生ずる曲げ応力を低
減できる。このとき、端部内側30fiにおける端部3
0fの付け根における半径30Rをある程度の大きさと
すると、この部分における応力集中を低減できるのでさ
らに好ましい。
【0079】図3は、この発明の実施の形態1に係る角
パイプ使用済み燃料集合体収納用バスケットの変形例を
示す断面図である。このように、角パイプ20のコーナ
ー部外側20co等に形成されるシャープエッジは、面
取形状であってもよい。この面取りCの寸法は、上記同
様に1.0mm以下(寸法C=0.2t以下)とするの
が好ましい。このような構成としても、使用済み燃料集
合体収納用バスケット100に対し図中矢印F方向に荷
重が加わった場合、角パイプ20のコーナー部外側20
coとエレメント30の段部30aとの接する部分が略
全体にわたって接触する。また、エレメント30のコー
ナー部外側30coとエレメント30の端部30fとが
接する部分も略全体にわたって接触する。
【0080】これによって角パイプ20の特定部分に対
する応力集中は軽減する。そして十分な伝熱面積も確保
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット10
0の性能劣化を抑制できる。また、エレメント30のコ
ーナー部外側30coとエレメント30の端部30fと
の接する部分も略全体にわたって接触する。また、図3
(b)に示すように、端部内側30fiにテーパー30
lを設けて付け根部分の面積を大きくするように構成す
ると、端部30fの付け根に生ずる曲げ応力を低減でき
る。このとき、端部内側30fiにおける端部30fの
付け根の半径30Rをある程度の大きさとすると、この
部分における応力集中を低減できるので、より好まし
い。
【0081】次に、エレメント30について説明する。
図4は、実施の形態1に係るエレメントを示す説明図で
ある。図4(a)に示すように、エレメント30は長手
方向に垂直な断面がL字形状となっている。また、同図
(a)及び(b)に示すように、エレメント30が角パ
イプ20と接する側には、長手方向に向かう突起部30
tが設けられている。そして、この突起部30tによっ
て仕切られた部分が、エレメント30の長手方向に向か
う溝部30sを形成する。
【0082】なお、この例において突起部30tの個数
は断面L字形のエレメント30の一辺当たり2個である
が、突起部30tの個数は2個に限定されない。突起部
30tの個数を増やすと角パイプ20とエレメント30
との接する面積を大きくできるので、伝熱性能を高くで
き好ましい。また、突起部30tの数が多い場合には、
突起部30tの数が少ない場合と比較して、突起部30
tによって支えられる角パイプ20の側壁におけるスパ
ンl2(図4(c)参照)の長さを短くできる。これに
よって、キャスクの落下等によって衝撃力が角パイプ2
0に作用した場合には、側壁に作用する応力を突起部3
0tの数が少ない場合(図4(a)参照)よりも小さく
できるので、角パイプ20の強度設計に余裕を持たせる
ことができる。したがって、フラックストラップ(突起
部30tと角パイプ20とで囲まれる空間)の中性子ト
ラップ能や押し出し機の性能が許容すれば、図4(c)
に示すように突起部30tの個数を増やしてもよい。
【0083】エレメント30のコーナー部内側30ci
には、エレメント30の長手方向に向かう段部30aが
設けられている。このため、図4(a)に示すように、
エレメント30のコーナー部内側30ciにおける断面
は階段状に形成される。そして、エレメント30の段部
30aは角パイプ20のコーナー部外側20coと当接
する。このため、段部30aのコーナー部は、角パイプ
20のコーナー部外側20coにおける半径よりも小さ
い半径とすることが好ましい。このようにすれば、角パ
イプ20のコーナー部外側20coとエレメント30の
段部30aとがより大きな面積で当接するので、この部
分の応力集中をより低減できる。これによって、使用済
み燃料集合体収納用バスケットの信頼性をより高めるこ
とができる。
【0084】この段部30aによって、角パイプ20と
エレメント30とのずれが防止できるので、使用済み燃
料集合体収納用バスケット100を容易組み立てること
ができる。また、この段部30aによってセル10及び
これに収納される使用済み燃料集合体の荷重をより確実
に伝達できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト100の信頼性も向上する。
【0085】また、同図(d)に示すように、エレメン
ト30のコーナー部外側30coにエレメント30の長
手方向に向かう段部30cxを設けてもよい。このよう
にすると、使用済み燃料集合体収納用バスケット100
を組み立てた場合には、この段部30cxと隣り合うエ
レメント30及び斜め隣の角パイプ20とで囲まれる空
間をフラックストラップとして利用できる。このフラッ
クストラップによって、斜め隣のセルへ向かう中性子も
遮蔽できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット
100の臨界に対する安全性をより高くできる。なお、
図5(a)及び(b)に示すように、段部30aを設け
ずに、突起部30tの個数と配置を調整することによっ
て角パイプ20を保持するようにしてもよい。ここで、
図5は、この発明に係るエレメントの他の例を示す説明
図である。
【0086】図6は、突起部の接触面積を大きくしたエ
レメントを示す説明図である。このように、エレメント
30に設けられた突起部30tが角パイプ20と接触す
る部分をフランジ状に構成して、角パイプ20との接触
面積を広くしてもよい。例えば、突起部30tと角パイ
プ20とが接触して熱伝導することによる伝熱量を10
0とし、突起部30tと角パイプ20との間における輻
射と対流による伝熱量を10とする。このとき、フラン
ジ部30tfの面積を突起部30tの10倍にすれば、
角パイプ20との接触面積を10倍にできるので、熱伝
導による伝熱量を10倍とすることができる。これによ
って、角パイプ20との間に生ずる熱ギャップを低減で
きる。
【0087】ここで、エレメント30に設けられた溝部
30sや、エレメント30のコーナー部内側30ciに
設けられた段部30aは、エレメント30を押出し成形
するときに前記溝部30s等を一体として成形すること
ができる。また、押出し成形時に前記溝部30s等を一
体として成形しなくとも、押出し成形によって成形した
断面L字状のエレメントを切削加工することによって前
記溝部30s等を成形し、エレメント30を製造しても
よい。
【0088】この方法によれば、切削の手間は要する
が、溝部30s等がない分だけエレメント30を直接成
形するよりも断面L字状のエレメントの表面積を小さく
できる。これによって、同じ表面積であれば、押出し成
形時に一体として溝部30s等を形成する場合よりも大
きい寸法のエレメント30を作ることができる。また、
寸法が同じであれば、押出し成形時に一体として溝部3
0s等を形成する場合よりも小さい推力で押出し成形で
きるので、肌荒れ等を抑えて品質の高い製品を得ること
ができる。
【0089】図7は、角パイプとエレメントとを組み合
わせて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成した状
態を示す説明図である。同図に示すように、角パイプ2
0の外側面20sとエレメント30の突起部30tの端
部、及び角パイプ20のコーナー部外側20coとエレ
メント30の段部30aが当接して、使用済み燃料集合
体を収納するセル10を構成する。そして、使用済み燃
料集合体は、角パイプ20の内部に収納される。また、
エレメント30に設けられた溝部30sがフラックスト
ラップを形成して、角パイプ20の内部に収納された使
用済み燃料集合体から放射される中性子を遮蔽する。
【0090】ここで、エレメント30の段部30aと突
起部30tの端部とが角パイプ20と接するが、応力伝
達及び伝熱の観点から、突起部30tと段部30aとの
高さhはできるだけ揃えることが好ましい。また、突起
部30t等が角パイプ20と接する面も、できるだけ平
滑且つ平面に仕上げることが好ましい。
【0091】なお、図7(b)に示すように、上記セル
10を構成する場合には、角パイプ20とエレメント3
0との長手方向における両端部を仮止め(図中S)して
もよい。このようにすると、セル10が分離しないので
使用済み燃料集合体収納用バスケット100を組み立て
る手間を軽減できる。角パイプ20とエレメント30と
の両端部を接合する手段としては、溶接やFSW(Fric
tion Stir Welding:摩擦攪拌接合)が適用できる。特
にFSWによれば、熱変形を極めて小さく抑えることが
できるため寸法精度を確保でき、好ましい。
【0092】図7(a)に示すように、一のセル10を
構成するエレメント30の外側面30bと他のセル10
を構成する角パイプ20の外側面20sとが当接して複
数のセル10同士が組み合わされる。このようにして複
数のセル10を組み合わせて、使用済み燃料集合体を収
納する使用済み燃料集合体収納用バスケット100(図
1参照)が構成される。このとき、エレメント30の外
側面30bと角パイプ20の外側面20sとは平面で当
接させることが好ましい。角パイプ20の内部に収納さ
れる使用済み燃料集合体は崩壊熱を発生するので高温に
なるが、上記のようにすればエレメント30と角パイプ
20との伝熱面積を大きくできるからである。これによ
って、使用済み燃料集合体の崩壊熱を効率よく使用済み
燃料集合体収納用バスケット100の外部へ伝えること
ができるので、伝熱性能が向上し好ましい。
【0093】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
100(図1参照)は、角パイプ20とエレメント30
とを組み合わせたセル10を複数組み合わせて構成され
ている。このため、難押し出し材であるB−Al材を使
用しても押出し成形機の能力内で角パイプ20とエレメ
ント30とを製造できる。これによって、PWR用使用
済み燃料集合体を収納するためにフラックストラップを
備えた複雑な形状の使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト100であっても容易に製造できる。また、角パイプ
20やエレメント30を無理なく押出し成形できるの
で、製品の傷や肌荒れ等も低減でき、製品の歩留まりも
向上する。さらに、溶接によらず角パイプ20とエレメ
ント30とを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部に
おける性能劣化のおそれもなく、また使用済み燃料集合
体収納用バスケット100の製造も容易になる。
【0094】次に、この使用済み燃料集合体収納用バス
ケット100を放射性物質格納容器の一つであるキャス
クの本体胴内に設置した例について説明する。図8は、
実施の形態1に係る使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トをキャスクの本体胴内に設置した例を示す説明図であ
る。同図に示すように、キャスクの本体胴120は、長
手方向に垂直な断面外形状が略八角形となっている。ま
た、本体胴120の断面内は、正方形の四隅を階段状と
した形状に成形されている。このような構造によれば、
本体胴120の壁面厚が全体的に略均一になり、余分な
厚みがなくなるのでキャスクの質量を軽減できる。ま
た、図8(b)に示すように、本体胴120の壁が厚く
なる部分をカットして、この部分にAl等の熱を良く伝
える軽量な支持材40(中空又は中実)を配置するとさ
らに質量を低減でき、本体胴120の壁面厚さt1とt2
とをさらに均一にできる。さらに、このような構造によ
って、本体胴120の壁面厚を十分に確保してγ線の遮
蔽機能を持たせつつ、より多くの使用済み燃料集合体を
格納することができる。
【0095】本体胴120の内面及び外面は、専用の機
械加工装置を用いて加工する。なお、この実施の形態で
は本体胴120の外形を8角形にしているが、これに限
定されるものではない。すなわち、使用済み燃料集合体
収納用バスケット100の外形に合わせて本体胴120
の形状を角に丸みをもたせた4角形や12角形などにす
ることもできる(図示省略)。また、内形の形状もこれ
に限定されるものではない。例えば、図8(c)に示す
ように、軸方向に垂直な断面内形状及び断面外形状が円
形の本体胴121を用いて、この内部に中空の支持材4
1及び42を用いて使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト100を収納してもよい。このような本体胴121は
加工が比較的容易であるため、キャスクの製造コストを
低減できる。なお、支持材41及び42は中実としても
よく、支持材40と同様にAl等の熱を良く伝える軽量
な材料で構成することができる。
【0096】使用済み燃料集合体収納用バスケット10
0は、角パイプ20とエレメント30とによって構成さ
れるセル10を組み合わせて構成されている。なお、使
用済み燃料集合体収納用バスケット100は、本体胴1
20を立てた状態よりも本体胴120を横置きにして、
角パイプ20とエレメント30とを順次本体胴120内
に挿入する方が容易に構成することができる。
【0097】本体胴120は、上述したような構造とす
ることによって、その内面は収納する使用済み燃料集合
体収納用バスケット100の外形に合わせた形状となっ
ている。これによって、使用済み燃料集合体を収納した
ときには、当該使用済み燃料集合体収納用バスケット1
00の外面が本体胴120に対して略密着状態となる
(ただし、現実的には微小な隙間が生じることがあ
る)。
【0098】なお、本体胴120の内面を略完全に使用
済み燃料集合体収納用バスケット100の外形に合わせ
る必要はなく、使用済み燃料集合体収納用バスケット1
00の外面の一部が接触しないような形状にすることも
できる。使用済み燃料集合体収納用バスケット100の
外面と本体胴120の内面との接触割合は、伝熱性能を
考慮しながら適宜設計することができる。
【0099】ここで、図8(a)に示すように、使用済
み燃料集合体収納用バスケット100の最外周にはエレ
メント30は設けられていない。これは、隣接するセル
10がないため、セル10内に収納した使用済み燃料集
合体から放射される中性子による臨界を考慮する必要が
ないためである。なお、L字状のエレメント30のみで
この使用済み燃料集合体収納用バスケット100を構成
すると、フラックストラップを形成することができない
部分が発生する。このため、この部分には直線状のエレ
メント30'を設けて角パイプ20同士の間にフラック
ストラップを形成する。この使用済み燃料集合体収納用
バスケット100においては、セル10を構成する角パ
イプ20が21個配置されている。このため、この使用
済み燃料集合体収納用バスケット100は、計21体の
使用済み燃料集合体(PWR用)を収容することができ
る。なお、角パイプ20の個数は21個に限られるもの
ではない。
【0100】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
100をキャスクの本体胴120に収納した場合には、
角パイプ20内に収納した使用済み燃料集合体から発生
する崩壊熱が角パイプ20及びエレメント30を伝わっ
て、本体胴120の内面まで到達する。本体胴120は
ステンレス鋼や炭素鋼によって作られており、本体胴1
20まで伝わった崩壊熱は本体胴120の壁面を通って
からこの外部に設けられている伝熱フィン(図示せず)
を伝わって、キャスク外部へ放出される。この発明に係
る使用済み燃料集合体収納用バスケット100は、溶接
を使用せずにエレメント30と角パイプ20とを組み合
わせて構成されている。このため、溶接継ぎ手部におけ
る性能劣化のおそれがないため、使用済み燃料集合体収
納用バスケット100自体の信頼性を高めることができ
る。
【0101】(変形例1)図9は、実施の形態1の第1
変形例に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットの一
部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納用
バスケット101は、上記実施の形態1に係る使用済み
燃料集合体収納用バスケット100と略同一の構成であ
るが、エレメント31のコーナー部外側31coをエレ
メント31の長手方向全領域にわたって平面に形成して
コーナー部当接面31cpを設ける。そして、隣に配置
されているエレメント31の端部31fにおけるコーナ
ー部当接面31cpを平行に形成して端部当接面31f
pを設け、コーナー部当接面31cpと端部当接面31
fpとを当接させる点が異なる。その他の構成は実施の
形態1と同様なのでその説明を省略するとともに、同一
の構成要素には同一の符号を付する。
【0102】図9(b)に示すように、エレメント31
のコーナー部外側31coは、長手方向に垂直な断面で
見ると斜めに切り取られた形に形成されている。すなわ
ち、当該コーナー部外側31coはエレメント31の長
手方向全域にわたって平面に形成されており、この平面
がコーナー部当接面31cpとなる。また、エレメント
31の端部31fは、コーナー部当接面31cpと平行
な平面に形成されており、この平面が端部当接面31f
pとなる。そして、図9(a)に示すように、使用済み
燃料集合体収納用バスケット101を組み立てた際に
は、コーナー部当接面31cpと端部当接面31fpと
が当接するようになっている。なお、コーナー部当接面
31cp及び端部当接面31fpは、隣に配置されてい
るエレメント31の端部31fに形成された端部当接面
31fpと当接して、応力を伝達し、また、崩壊熱を伝
える。
【0103】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
101は、エレメント31に形成されたコーナー部当接
面31cpと端部当接面31fpとを当接させて組み立
てられる。これらの当接面は、エレメント31の長手方
向に垂直な断面で見るとエレメント31のコーナー部外
側31coが斜めに切り取られた形に形成されている。
このため、実施の形態1に係るエレメント30と比較し
て、エレメント31同士が当接する面積を大きくでき
る。これによって、伝熱面積が大きくなるのでより効率
よく使用済み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体
収納用バスケット101の外部へ逃がすことができる。
また、エレメント31同士の当接する面積がより大きく
なるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応
力も実施の形態1に係るエレメント30よりも小さくな
る。これによって、応力伝達の際における負担を小さく
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット10
1の信頼性をより高くできる。
【0104】(変形例2)図10は、実施の形態1の第
2変形例に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットの
一部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納
用バスケット102は、上記実施の形態1の第1変形例
に係る使用済み燃料集合体収納用バスケット101と略
同一の構成であるが、次の点でこれと異なる。すなわ
ち、エレメント32のコーナー部外側32coに段部を
設け、これと噛み合うように隣に配置されているエレメ
ント32の端部32fにも段部を設ける。そして、両者
を噛み合わせて使用済み燃料集合体収納用バスケット1
02を構成する。その他の構成は実施の形態1と同様な
のでその説明を省略するとともに、同一の構成要素には
同一の符号を付する。
【0105】図10(b)に示すように、エレメント3
2のコーナー部外側32coには段部32cyが設けら
れている。また、同図(c)に示すように、エレメント
32の端部32fにも、隣に配置されたエレメント32
のコーナー部32coと噛み合うように、段部32fy
が設けられている。そして、図10(a)に示すよう
に、使用済み燃料集合体収納用バスケット102を組み
立てた際には、コーナー部32cと端部32fとが噛み
合う。
【0106】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
102は、階段状に形成されたエレメント32のコーナ
ー部32cと端部32fとを噛み合わせて組み立てられ
る。このため、実施の形態1の第1変形例に係るエレメ
ント31と比較して、X及びY方向(図10(a)参
照)に対する動き、すなわち、エレメント32の長手方
向に垂直な方向に向かう動きが規制できる。これによっ
て、キャスクが落下等した場合における衝撃によるずれ
をさらに抑えることができる。その結果、さらに信頼性
の高い使用済み燃料集合体収納用バスケット102を構
成することができる。また、X及びY方向に対してエレ
メント32の動きを規制できるので、使用済み燃料集合
体収納用バスケット102の組み立てもより容易にな
る。
【0107】また、このエレメント32では、実施の形
態1の第1変形例に係るエレメント31と比較して、エ
レメント32同士が当接する面積をさらに大きくでき
る。これによって、伝熱面積が大きくなるのでより効率
よく使用済み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体
収納用バスケット102の外部へ逃がすことができる。
また、エレメント32同士の当接する面積がより大きく
なるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応
力も実施の形態1に係るエレメント31よりも小さくな
る。これによって、応力伝達の際における負担を小さく
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット10
2の信頼性をより高くできる。
【0108】図11は、実施の形態1の第2変形例に係
る使用済み燃料集合体収納用バスケットの他の例を示す
説明図である。同図(b)に示すように、エレメント3
3のコーナー部外側33coは、長手方向に垂直な断面
で見ると階段状に形成されている。また、エレメント3
3の端部33fも、隣に配置されたエレメント33のコ
ーナー部外側33coと噛み合うように、階段状に形成
されている。そして、図11(a)に示すように、使用
済み燃料集合体収納用バスケット103を組み立てた際
には、コーナー部外側33coと端部33fとが噛み合
う。
【0109】この例に係る使用済み燃料集合体収納用バ
スケット103では、階段状に形成されたエレメント3
3のコーナー部外側33coと端部33fとを噛み合わ
せて組み立てられる。このため、実施の形態1の第2変
形例に係るエレメント32と比較して、エレメント33
同士が当接する面積をさらに大きくできる。これによっ
て、伝熱面積が大きくなるのでより効率よく使用済み燃
料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト103の外部へ逃がすことができる。
【0110】また、図11(c)に示すように、エレメ
ント33の端部33ff及び33f'を階段状に形成し
て、隣接するエレメント33のコーナー部と噛み合うよ
うにしてもよい。このようにすると、エレメント33同
士が拘束しあうので使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト103の剛性をより高くできる。また、エレメント3
3の端部33ff及び33f'とコーナー部との接触面
積も大きくできるので、より効率よく使用済み燃料集合
体の崩壊熱を外部に逃がすことができる。これらの作用
によって、より信頼性の高い使用済み燃料集合体収納用
バスケット103を得ることができる。
【0111】(変形例3)図12は、実施の形態1の第
3変形例に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットの
一部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納
用バスケット104は、上記実施の形態1に係る使用済
み燃料集合体収納用バスケット100と略同一の構成で
あるが、角パイプ20と第一エレメントで構成された第
一セル11aを千鳥状に配置し、第一エレメント34と
第二エレメント35によって囲まれた空間と角パイプ2
0の内部とに使用済み燃料集合体を収納する点が異な
る。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明
を省略するとともに、同一の構成要素には同一の符号を
付する。
【0112】図12(b)に示すように、角パイプ20
の外側面20sと第一エレメント34とを組み合わせる
ことによって第一セル11aが作られる。また、図12
(c)に示すように、第二セル11bは、2個の第一エ
レメント34と1個の第二エレメント35によって作ら
れる。図12(a)から分かるように、第一セル11a
は千鳥状に配置されており、第二セル11bは第一セル
11aの隣に配置されている。すなわち、第二セル11
bも千鳥状に配置されることになる。
【0113】ここで、第一エレメント34は長手方向に
垂直な断面形状がL字状であり、内側面(第一エレメン
ト34の角パイプ20が配置される側)に、第一エレメ
ント34の長手方向に向かう突起部34tが設けられて
いる。一方、第二エレメント35も長手方向に垂直な断
面形状はL字状であるが、外側面35bに第二エレメン
ト35の長手方向に向かう突起部35tが設けられてい
る。なお、第一エレメント34及び第二エレメント35
は中性子を遮蔽する機能を持たせるため、両者ともにB
−Al材で製造されている。
【0114】使用済み燃料集合体は、第一セル11aを
構成する角パイプ20の内部、及び第二セル11b、す
なわち、2個の第一エレメント34と1個の第二エレメ
ント35で囲まれる空間に収納される。この空間は、長
手方向に垂直な断面内形状が使用済み燃料集合体の外形
形状に合わせてある。第一エレメント34の内側面(第
一エレメント34の角パイプ20が配置される側)に設
けられた溝部34s及び第二エレメント35の外側面3
5sがフラックストラップを形成し、セル11a及びセ
ル11bに収納された使用済み燃料集合体から放射され
る中性子を遮蔽する。
【0115】この使用済み燃料集合体を収納する使用済
み燃料集合体収納用バスケット104は、角パイプ20
内部と2個の第一エレメント34と第二エレメント35
とで囲まれる空間とに使用済み燃料集合体を収納する。
このため、実施の形態1に係る使用済み燃料集合体収納
用バスケット100と比較して、使用する角パイプ20
の本数を約半分にできる。これによって、実施の形態1
に係る使用済み燃料集合体収納用バスケット100の奏
する効果の他に、角パイプ20の本数を減らして使用済
み燃料集合体収納用バスケット104の製造コストを低
減できるという効果を奏する。
【0116】また、この使用済み燃料集合体収納用バス
ケット104においては角パイプ20を千鳥状に配置す
るので、角パイプ20は、その側面に垂直な方向(図1
2中X及びYで示した方向)に向かって1個おきに配列
される。したがって、実施の形態1に係る使用済み燃料
集合体収納用バスケット100等と比較して、角パイプ
20の本数を減らすことができる。これによって、角パ
イプ20の肉厚に、少なくなった角パイプ20の本数の
2倍を乗じた大きさだけ、使用済み燃料集合体収納用バ
スケット104の長手方向に対して垂直な方向における
寸法を小さくできる。その結果、この使用済み燃料集合
体収納用バスケット104を収納する使用済み燃料収納
容器の外形寸法を従来よりも小さくできる。これは、キ
ャスク等の使用済み燃料収納容器に取り付ける緩衝体の
外径を小さく抑えることができることを意味する。した
がって、キャスクを軽量化できるとともに、同じ緩衝体
の外形であればつぶれ代をより大きくとることができる
ので、安全性を高くできる。また、緩衝体のつぶれ代が
同じであれば緩衝体の寸法を小さくできるので、キャス
クの陸送時における寸法制限にも対応しやすくなる。ま
た使用済み燃料収納容器の外形寸法がそのままであれ
ば、収納できる使用済み燃料集合体の体数を多くでき
る。
【0117】図13は、実施の形態1の第3変形例に係
る使用済み燃料集合体収納用バスケットにおける角パイ
プとエレメントとの当接部を示す説明図である。使用済
み燃料集合体収納用バスケット104を構成する角パイ
プ20と第一エレメント34及び第二エレメント35と
の当接部(図12中Zで示す領域)は拘束部が少ないた
め、使用済み燃料集合体収納用バスケット104の剛性
はやや低い。また、斜め方向の荷重(図12中X方向に
対して斜め向きの荷重)に対してもやや弱い。このた
め、図13(a)〜(d)に示すように、第一エレメン
ト34のコーナー部34cに溝を設け、第二エレメント
35の端部35fと噛み合わせるようにする。このよう
な構成にすれば、第一エレメント34及び35の動きを
拘束できるので、剛性が高く、斜め荷重に対しても強い
使用済み燃料集合体収納用バスケット104を構成する
ことができる。また、第一エレメント34と第二エレメ
ント35との接触面積も大きくなるので伝熱性能が高く
なり、使用済み燃料集合体の崩壊熱を効率的に使用済み
燃料集合体収納用バスケット104の外部へ放出でき
る。
【0118】図13(a)に示す構造では、第一エレメ
ント34のコーナー部34cに、第一エレメント34の
長手方向に向かう溝部34csを設けてある。そして、
第二エレメント35の端部35fは、第二エレメント3
5の長手方向に垂直な断面形状が階段状に形成されてお
り、第一エレメント34のコーナー部34cに設けられ
た溝部34csと噛み合うようになっている。なお、図
13(a)から分かるように、第二エレメント35の端
部35fに設けられた突起部35tの付け根部における
面積は、突起部35tの端部における面積よりも大きく
なっている。このような構成によって、付け根部に作用
する曲げ応力を小さくできるので、より強固な使用済み
燃料集合体収納用バスケット104を構成することがで
きる。
【0119】図13(b)に示す構造では、第二エレメ
ント35の端部35fに設けられた突起部35ftと、
第一エレメント34のコーナー部34cに設けられた第
一エレメント34の長手方向に向かう溝部34csとが
噛み合うようになっている。また、図13(c)に示す
構造では、第一エレメント34のコーナー部34cの外
側に、第一エレメント34の長手方向に向かう段部34
cxを設け、フラックストラップを形成してある。この
フラックストラップによって、斜め方向に通過する中性
子を遮蔽できるので、より信頼性の高い使用済み燃料集
合体収納用バスケット104を構成することができる。
【0120】そして、第二エレメント35の端部35f
によって、斜め隣の角パイプ20を支持する。さらに図
13(d)に示す構造では、第一エレメント34のコー
ナー部34cの外側を階段状に形成し、これと噛み合う
ように第二エレメント35の端部35fを形成してあ
る。特に、図13(c)及び(d)に示す構造では、同
図(a)及び(b)に示した構造と異なって、第二エレ
メント35の端部35fで斜め隣に配置された角パイプ
20を支持する。これによって、フラックストラップと
して利用する空間FTをより大きくできる。
【0121】(変形例4)図14は、実施の形態1の第
4変形例に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットの
一部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納
用バスケット105は、上記実施の形態1に係る使用済
み燃料集合体収納用バスケット100と略同一の構成で
あるが、断面L字状のエレメント36の外側面と内側面
との両方に突起部36tを設け、この突起部36tを角
パイプ20の外側面に当接させる点が異なる。その他の
構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略すると
ともに、同一の構成要素には同一の符号を付する。
【0122】図14(b)に示すように、エレメント3
6の長手方向に垂直な断面はL字形状をしており、外側
面36bと内側面36dとには、長手方向に向かう突起
部36tがL字に一辺当たり2個ずつ設けられている。
そしてこの突起部36tによって仕切られる部分が、溝
部36sとなる。なお、突起部36tの個数が2個に限
定されないのは実施の形態1において説明した通りであ
る。エレメント36のコーナー部内側36ciには段部
36aが設けられており、角パイプ20のコーナー部外
側20coがここに当接される。
【0123】図14(a)は、エレメントと角パイプを
組み合わせて実施の形態1の第4変形例に係る使用済み
燃料集合体収納用バスケット105を構成した状態を示
している(ただし一部のみ図示)。角パイプ20は、エ
レメント36の内側面36dに設けられた突起部36t
及びコーナー部内側36ciに設けられた段部36aに
当接されてエレメント36と組み合わされる。これによ
って、セル15が構成される。このセル15が複数組み
合わされて使用済み燃料集合体収納用バスケット105
を構成するが、このときには、一方のセル15を構成す
るエレメント36の外側面36bに設けられた突起部3
6tの端部と、もう一方のセル15を構成する角パイプ
20の外側面20sとが当接する。この使用済み燃料集
合体収納用バスケット105においては、エレメント3
6に設けられた溝部36sと角パイプ20の外側面20
sとで作られる空間がフラックストラップとなる。
【0124】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
105は、角パイプ20とエレメント36とを組み合わ
せたセル15を複数組み合わせて構成されている。この
ため、難押し出し材であるB−Al材を使用しても押出
し成形機の能力内で角パイプ20とエレメント36とを
製造できる。これによって、PWR用使用済み燃料集合
体を収納するためにフラックストラップを備えた複雑な
形状の使用済み燃料集合体収納用バスケット105であ
っても容易に製造できる。また、溶接によらず角パイプ
20とエレメント36とを組み合わせるだけなので、溶
接継ぎ手部における性能劣化のおそれもなく、また使用
済み燃料集合体収納用バスケット105の製造も容易に
なる。
【0125】さらに、突起部36tはエレメント36の
外側面36bと内側面36dとに形成されているので、
使用済み燃料集合体収納用バスケット105を組み立て
た場合には、角パイプ20のすべての外側面20sがエ
レメントの突起部36tと当接する。このように、すべ
ての角パイプ10は同じようにエレメント36の突起部
36tと接するので、応力が偏って作用したり、熱が偏
って流れたりすることを抑制できる。
【0126】(実施の形態2)図15は、実施の形態2
に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットを示す説明
図である。この使用済み燃料集合体収納用バスケット
は、上記実施の形態1に係る使用済み燃料集合体収納用
バスケットと略同一の構成であるが、角パイプの内部へ
長手方向に向かう溝を設けたエレメントを配置して使用
済み燃料集合体を収納するセルを構成する点が異なる。
その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省
略するとともに、同一の構成要素には同一の符号を付す
る。
【0127】角パイプ20は実施の形態1で説明したよ
うに、B−Al材を押出し成形することによって製造さ
れている。この角パイプ20のコーナー部外側20co
の半径rp(図15(b))は、シャープエッジに成形
することが好ましい。この理由は実施の形態1で説明し
た通りであり、具体的な寸法については実施の形態1で
説明したものが適用できる。このようにすれば、使用済
み燃料集合体収納用バスケット106に対して荷重が加
わった場合でも、角パイプ20同士の特定部分に対する
応力集中は軽減する。そして十分な伝熱面積も確保でき
るので、使用済み燃料集合体収納用バスケット106の
性能劣化を抑制して信頼性の高い使用済み燃料集合体収
納用バスケット106を得ることができる。
【0128】図15(c)に示すように、エレメント3
7の長手方向に垂直な断面はL字形状である。エレメン
ト37の外側面37bには長手方向に向かう突起部37
tが一辺につき2本設けられている。そして、この突起
部37tによって仕切られた空間が溝部37sとなる。
このように、このエレメント37は、実施の形態1に係
るエレメント30(図2参照)とL字形の断面形状は同
様であるが、突起部37t及び溝部37sとがエレメン
ト37の外側面37bに設けられている点が異なる。な
お、突起部37tの個数は一辺当たり2個に限定される
ものではなく、図15(d)に示すように、突起部37
tの個数を一辺当たり3個としてもよい。また、図示は
しないがさらに多くの突起部37tを設けてもよい。突
起の37tの個数については実施の形態1で説明した通
りである。
【0129】ここで、実施の形態2に係る使用済み燃料
集合体収納用バスケット106を構成するエレメント3
7は、B−Al材で製造する必要がある。この理由は次
の通りである。図15(a)は、実施の形態2に係る使
用済み燃料集合体収納用バスケット106の一部を示し
ているが、使用済み燃料集合体は角パイプ20の内部
(図中Aで示す空間)に収納される。まず、角パイプ2
0及びエレメント37を、中性子吸収能を持つB−Al
材で製造した場合を考える。
【0130】この場合には、使用済み燃料集合体から放
射された中性子は、エレメント37の壁面37wで減速
された後、フラックストラップ(溝部37s)でさらに
減速される。そして、十分に減速された中性子は、エレ
メント37の外側に配置された角パイプ20の壁面20
1、及び隣に配置された角パイプ20の壁面20w2
完全に吸収される。これによって、角パイプ20内に収
納された使用済み燃料集合体の臨界を防止する。
【0131】次に、エレメント37をB又はB化合物を
含有しない材料で製造し、エレメント37に中性子吸収
能を持たせない場合を考える。この場合には、使用済み
燃料集合体から放射された中性子は、エレメント37の
壁面37wで減速されずにフラックストラップ(溝部3
7s)に入る。そして、減速が不十分なまま、エレメン
ト37の外側に配置された角パイプ20の壁面20
1、及び隣に配置された角パイプ20の壁面20w2
入る。このように、中性子吸収能を持つB−Al材によ
って中性子が減速されずにフラックストラップに入って
も、十分な中性子の減速効果を得ることはできない。こ
れによって中性子の減速が不十分となり、角パイプ20
内に収納された使用済み燃料集合体の臨界を招くおそれ
がある。
【0132】したがって、実施の形態2に係る使用済み
燃料集合体収納用バスケット106においては、これを
構成するエレメント37も、中性子吸収能を持つB−A
l材で製造し、十分な中性子吸収能を持たせる必要があ
る。なお、実施の形態1及びその変形例で説明した使用
済み燃料集合体収納用バスケット100等は、角パイプ
20同士の間にエレメント30等を配置する構造であ
る。したがって、角パイプ20に中性子吸収能があれ
ば、ここで中性子が減速されてからフラックストラップ
へ入るので、エレメント30等には必ずしも中性子吸収
能を持たせる必要はない。
【0133】また、図15(e)に示すように、エレメ
ント32のコーナー部外側37coに、エレメント37
の長手方向に向かう段部37cxを設けてもよい。この
ようにすると、使用済み燃料集合体収納用バスケット1
06を組み立てた場合には、この段部37cxと角パイ
プ20のコーナー部内側20ciとで囲まれる空間をフ
ラックストラップとして利用できる。このフラックスト
ラップによって、斜め隣のセルへ向かう中性子も遮蔽で
きるので、より使用済み燃料集合体収納用バスケット1
06の安全性を高くできる。
【0134】角パイプ20の内部にエレメント37が配
置されて、使用済み燃料集合体を収納するセル16が作
られる。このとき、エレメント37の突起部37t及び
コーナー部外側37coが角パイプ20の内壁20iと
当接する。これによって、セル16の角パイプ20内に
収納される使用済み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料
集合体収納用バスケット106の外部へ伝えるため、上
述したように突起部37tの端部やコーナー部外側37
coの表面は平滑且つ平面に仕上げることが好ましい。
【0135】また、突起部37t等の高さをできるだけ
揃えることも、実施の形態1で説明した通りである。複
数のセル16同士が組み合わされて使用済み燃料集合体
収納用バスケット106が構成される。図16は、実施
の形態2に係る使用済み燃料集合体収納用バスケットを
キャスク内に設置した例を示す説明図である。同図に示
すように、実施の形態2に係る使用済み燃料集合体収納
用バスケット106は、キャスクの本体胴120内部に
配置される。なお、収納本数やキャスクの本体胴120
の外部及び内部形状等については実施の形態1と同様で
ある。
【0136】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
106は、角パイプ20とエレメント37とを組み合わ
せたセル16を複数組み合わせて構成されている。この
ため、難押し出し材であるB−Al材を使用しても押出
し成形機の能力内で角パイプ20とエレメント37とを
製造できる。これによって、PWR用使用済み燃料集合
体を収納するためにフラックストラップを備えた複雑な
形状の使用済み燃料集合体収納用バスケット106であ
っても容易に製造できる。また、角パイプ20やエレメ
ント37を無理なく押出し成形できるので傷や肌荒れ等
も低減でき、製品の歩留まりも向上する。
【0137】さらに、溶接によらず角パイプ20とエレ
メント37とを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部
における性能劣化のおそれもなく、また使用済み燃料集
合体収納用バスケット106の製造も容易になる。ま
た、エレメント37を角パイプ20の内部に配置すれ
ば、自動的にエレメント37の動きが規制されるので、
使用済み燃料集合体収納用バスケット106は角パイプ
20を組み合わせるだけで構成できる。これによって使
用済み燃料集合体収納用バスケット106をさらに容易
に製造できる。
【0138】(実施の形態3)図17は、この発明の実
施の形態3に係る使用済み燃料集合体収納用バスケット
を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納用バ
スケット107は、一方の側面には長手方向に向かう突
起部38atが設けられ、もう一方の側面は平面に形成
された板状のエレメント38aを角パイプ20の外側面
と当接させて、使用済み燃料集合体を収納する一つのセ
ル17を作り、このセル17を複数組み合わせて構成し
た点に特徴がある。
【0139】図17(b)に示すように、エレメント3
8aは板状の部材であり、長手方向に向かって突起部3
8atが複数設けられている。そして、この突起部38
atが角パイプ20の外側面20sと当接する。また、
エレメント38aの端部38afは、エレメント38a
の長手方向に垂直な断面形状が三角形に形成されてお
り、隣接するエレメント38a等の端部38afと当接
する。角パイプ20の隣り合う2つの外側面20sに
は、それぞれエレメント30aが取り付けられて、使用
済み燃料集合体を収納するセル17を構成する。このセ
ル17を複数組み合わせて使用済み燃料集合体収納用バ
スケット107を構成する。
【0140】使用済み燃料集合体収納用バスケット10
7はキャスクの本体胴120内部に収納されるが(図8
参照)、本体胴120の内壁面と接する部分には、一方
の端部38bf2を平面に形成したエレメント38bを
使用する。このようなエレメント38bを使用すること
によって、使用済み燃料集合体収納用バスケット107
を本体胴120に収納しやすくなり、また本体胴120
の内壁面との接触面積も大きくできるので、伝熱効率も
高くできる。
【0141】この使用済み燃料集合体収納用バスケット
107は、2個の板状のエレメント38aを角パイプ2
0の外側面20sに当接させてセル17を構成して、複
数のセル17を組み合わせることによって構成される。
このように、実施の形態1及び2に係る使用済み燃料集
合体収納用バスケット100等と比較して部品点数は多
くなるが、エレメント38aの表面積を略半分にでき
る。これによって、押出し機の性能が小さい場合でも容
易にエレメント38aを製造でき、また、押出しダイス
の寿命も長くできる。その結果、突起部38atを増や
したエレメントや突起部38atをフランジ状に形成し
たエレメント(図6参照)の製造が容易になる。また、
エレメント30aの製造コストを抑えることもできる。
【0142】(角パイプの製造法)ここでは、角パイプ
20の製造方法について説明する。なお、エレメント3
0にB−Al材を使用する場合にも同じ製造方法が適用
できる。図18は、この発明に係る角パイプの製造方法
を示すフローチャートである。まず、アトマイズ法など
の急冷凝固法によりAl又はAl合金粉末を作製すると
ともに(ステップS201)、B又はB化合物の粉末を
用意する(ステップS202)。これら両粒子は、次に
説明するMA(Mechanical Alloying:メカニカルアロ
イング)によって混合される(ステップS203)。な
お、混合は、アルゴン雰囲気中で行うようにしてもよ
い。なお、Al又はAl合金にB又はB化合物を添加す
るのは、使用済み燃料集合体収納用バスケット100等
には挿入した使用済み燃料集合体が臨界に達することを
防止する機能が必要だからである。
【0143】ここで、天然ボロンには中性子の吸収に寄
与するB10と中性子の吸収には寄与しないB11がある。
したがって、中性子吸収能を有するB10を濃縮した濃縮
ボロンを使用すると、同じボロンの添加量であれば天然
ボロンをそのまま使用した場合と比較してB10が多くな
る分だけ中性子吸収能は高くできる。したがって濃縮ボ
ロンを使用すると、同じ中性子吸収能であれば、天然ボ
ロンをそのまま使用した場合よりも薄い板厚の角パイプ
で済む。このため、濃縮ボロンを使用するとより薄い板
圧で同じ中性子吸収能を持たせることができるので、使
用済み燃料集合体収納用バスケットを軽量化したい場合
は濃縮ボロンを使用することが好ましい。一方、天然ボ
ロンやB4Cをそのまま使用した場合と同じ量の濃縮ボ
ロンを添加すればそれだけ中性子吸収能を高くできるの
で、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を格納する場合で
も臨界に対する安全性を十分に確保できる。
【0144】前記Al又はAl合金には、純アルミニウ
ム地金、Al−Cu系アルミニウム合金、Al−Mg系
アルミニウム合金、Al−Mg−Si系アルミニウム合
金、Al−Zn−Mg系アルミニウム合金、Al−Fe
系アルミニウム合金などを用いることができる。また、
前記B又はB化合物には、B4C、B23などを用いる
ことができる。ここで、アルミニウムに対するB4Cを
前提としたボロンの添加量は、1.5質量%以上、9質
量%以下とするのが好ましい。1.5質量%以下では十
分な中性子吸収能が得られず、9質量%より多くなると
引っ張りに対する延びが低下するためである。さらに、
加工性を向上させる観点からは、ボロンの添加量を7質
量%以下にするのが好ましい。なお、濃縮ボロンを使用
すれば、より多くのB10を添加できることは言うまでも
ない。
【0145】B以外の中性子吸収材としては、ボロンの
他にカドミウム、ハフニウム、希土類元素などの中性子
吸収断面積の大きなものを用いることができる。希土類
元素には、ユーロピウム、ディスプロシウム、サマリウ
ム、ガドリニウムなどの酸化物を用いることができる。
ここで、沸騰水型炉(BWR)の場合には、主にB又は
B化合物が用いられるが、加圧水型炉(PWR)の場合
には、Ag−In−Cd合金が用いられる。Ag−In
−Cd合金の組成は、Inを15重量%、Cdを5重量
%にするのが一般的である。
【0146】添加元素であるB4Cの平均粒径が大きい
と角パイプ20等の強度が低くなり、その一方、B4
の平均粒径を小さくするとB4C同士が凝集して偏析す
るため、中性子吸収能が低下したり加工性が悪化したり
してしまう。したがって、Al粉末の平均粒径を80μ
m程度とし、B4C粉末の平均粒径を9μm程度とする
のが好ましい。当該B4Cの粒径を9μm程度としたの
は、これ以上粒径を小さくするとB4C粉末の凝集が進
んで偏析が生じやすくなるからである。そこで、この製
造例においては、混合機に代えて、高エネルギーボール
ミリング(メカニカルアロイング、以下MAという)を
用いることで、Al粉末とB4C粉末とを微細化し、A
l粉末中にB4C粉末をできるだけ均一に分散させるよ
うにした。
【0147】当該高エネルギーボールミリングには、一
般的な転動ミル、揺動ミル及びアトライターミルを用い
ることができるが、次の説明ではアトライターミルを使
用した場合について例示する。図19は、この製造方法
に用いるアトライターミルの構成図である。アトライタ
ーミル90の容器91には150リットルの容量のもの
を用いる。
【0148】当該容器91の壁内にはウォータージャケ
ット92が形成されている。ウォータージャケット92
内にはポンプなどの給水器93から適量の冷却水を供給
する。アトライター94は、上方に配置した駆動モータ
95と減速機96を介して結合している。容器91の上
面には、容器91中を不活性ガスであるアルゴン(A
r)雰囲気にするため、流入口97及び流出口98が設
けられている。流入口97にはアルゴンガスのガスボン
ベ99が接続されており、流出口98にはホース98a
を接続して水中に入れ、大気の逆流を防止する。また、
このボールミリングに使用するボール94aには、炭素
鋼ベースの軸受鋼(SUJ−2)に所定の被覆を施した
ボールを用いる。
【0149】実際にAl粉末を製造する場合の条件とし
て、前記容器91内に入れるボール94aの量を450
kg、当該ボール94aの径を3/8インチとした。ま
た、アトライター94の回転数は300rpmとし、さ
らに、0.5リットル/minのアルゴンを連続的に流
して容器91内を不活性ガス雰囲気とした。さらに、ボ
ールミリングの前に、その助剤として粉末1kgに対し
て30ccのエタノールあるいはメタノールを投入し
た。前記容器91内に投入する粉末の量は、15kgと
し、このうち、B4Cの投入量は0.75kg(5質量
%)とした。また、使用するAl粉末には、平均粒径が
35μmのものを用い、B4C粉末には、平均粒径が9
μmのものを用いた。そして、ボールミリングの時間は
1時間から10時間の範囲で適宜選択するようにした。
【0150】ボールミリングの過程において、投入した
Alは、ボール94aの衝撃を受けることによってつぶ
され、且つ折りたたまれて、扁平形状になる。このた
め、Alの外径は一面方向に広がって80μm程度にな
る。一方、B4C粉末は、ボールミリングによって破砕
され、その粒径が0.5μm〜1.0μm程度まで小さ
くなるとともにAlマトリックス中に均一にすり込まれ
てゆく。このため、微細な分散粒子が母材中に均一に分
散することになるので、この粉末を焼結したAl合金
は、強度に優れたものとなる。
【0151】次に、ボールミリングの過程で、ボール9
4a同士の衝突により当該ボール94aが磨耗してその
成分が不純物として混じることがある。そこで、ボール
94aの成分に予め不純物として添加する元素を含めて
おき、ボールミリングの過程で当該元素を添加するよう
にしてもよい。この元素としては、例えば、ジルコンな
どを挙げることができる。ボールミリングの終了後は、
容器91内からAl粉末を取りだし、ホットプレス工
程、押出し工程に進み、角パイプ20等を成形する。
【0152】この製造方法では、B4C粉末を微細化、
均一化してAl粉末のマトリックス中に分散させること
ができるので、角パイプ20等の強度を向上させること
ができる。具体的には、混合機によって製造した角パイ
プ等と比較して、その強度を約1.2〜1.5倍まで向
上させることができる。このため、特に、使用済み燃料
集合体の重量が大きいPWR用キャスクの角パイプとし
て使用する場合に有用である。さらに、高い硬度を有す
るB4C粉末を微細且つ均一にマトリックス中に分散
し、それによってB4C粉末の凝集を防止するようにし
ているので、押出性を向上することができる。このた
め、押出用のダイスの磨耗を低減する効果もある。
【0153】また、ボールミリングを行うときに、アル
コールなどの有機溶剤を投入するようにしてもよい。こ
のようにすることで有機溶剤とアルミニウムとの化合物
が添加され、角パイプ20の強度及び延性が向上すると
いった効果も得ることができる。
【0154】MA法によれば、上記説明のように強度が
向上する結果、より押出し成形しにくくなる。したがっ
て、MA法によってB−Al材でこの発明に係る使用済
み燃料集合体収納用バスケット100等を製造する場合
には、押出し成形が比較的容易な形状の角パイプ20と
エレメント30等とを押出し成形し、これらを組み合わ
せて使用済み燃料集合体収納用バスケット100等を構
成することが望ましい。特にMA法によるB−Al材の
強度は高いため、これを用いてフラックストラップを設
けたPWR用の角パイプを一体で押出し成形すること
は、実操業上ほとんど不可能である。したがって、PW
R用の使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合
体収納用バスケットは、本発明に係る使用済み燃料集合
体収納用バスケット100(図1参照)等のような構造
としないと、現状ではほとんど製造不可能であり、本発
明に係る使用済み燃料集合体収納用バスケット100等
の奏する効果は非常に大きい。
【0155】次に、上記混合粉末をラバーケース内に入
れて封入し、CIP(Cold Isostatic Press)により常
温で全方向から均一に高圧をかけ、粉末成形を行う(ス
テップS204)。CIPの成形条件は、成形圧力を1
000kg/cm2〜2000kg/cm2とする。CI
P処理により、粉状体の体積は約2割減少し、その予備
成形体の直径が600mm、長さが1500mmになる
ようにする。CIPによって全方向から均一に圧力を加
えることにより、成形密度のばらつきが少ない高密度な
成形品を得ることができる。また、CIP工程におい
て、予備成形体の質量密度が75%〜95%となるよう
に成形する。
【0156】また、CIPに代えて、一軸方向の高圧プ
レスによって予備成形体を成形することもできる。具体
的には、上記混合粉末をプレス機にセットした型内に入
れ、5000tonから10000tonの高い成形圧
力をもって予備成形体を成形する。このように極めて高
い圧力をもってプレスすることで、予備成形体の成形密
度が均一化される。この成形密度の均一化の程度は、上
記CIP工程によって得られる程度と略同等となるよう
にするのが好ましく、そのときは目的の成形密度を基準
として上記成形圧力を決定すればよい。また、CIPと
比較して、ラバーケース内に混合粉末を入れて真空引き
する必要がなく、型内に混合粉末を入れて押し固めれば
済むので、比較的簡単に予備成形することができる。
【0157】次に、予備成形体を焼結炉内に入れて真空
引きし、無加圧状態で焼結を行う(ステップS20
5)。真空焼結時の真空度は10-1Torr程度とし、
温度は550℃〜600℃とする。焼結温度の保持時間
は5時間〜10時間の間で適宜設定する。ここで、焼結
温度は、脱気しつつ100℃ピッチでステップ昇温させ
る。加熱には、焼結炉に設けた黒鉛ヒータを用いる。こ
の真空焼結によって仮に固めた粉末同士が融合してネッ
クを形成し、押出用のビレットとなる。
【0158】また、真空焼結の際にHIPやホットプレ
スのように加圧しないので、焼結体の質量密度は予備成
形時とほとんど変わらず、75%〜95%の状態を維持
している。さらに、真空焼結によってビレットの酸化が
防止され、且つキャニングを省略できるため、缶代が節
約でき、缶除去のための外削、端面削等の切削工程が不
要になるとともに、それに付随する缶封入等の製造工程
を省略することができる。
【0159】そして、ポートホール押出機を用いて当該
ビレットを熱間押出しする(ステップS206)。この
場合の押出条件として、加熱温度を500℃〜520
℃、押出速度を5m/minとする。なお、この条件
は、Bの含有量により適宜変更する。ポートホール押出
機の押出力は、5000ton〜6000tonとす
る。ポートホール押出機は、コンテナの周囲に誘導加熱
用の高周波コイルを備えており、この高周波コイルにR
F(Radio Frequency:高周波)電流を流すことで、ダ
イス内のビレットを誘導加熱することができる。
【0160】前記誘導加熱は、ビレットBに誘導電流を
発生させることで加熱するものであるが、加熱対象であ
るビレットは上記真空焼結工程において各混合粉末を融
合させた状態としているため、誘導電流がビレットB全
体として発生し効率的な加熱が可能となる。実際に供試
材として、質量2510g、寸法φ89mm×175m
m、体積1100mm3、相対密度85%となる2つの
予備成形体をCIPにより作成し、その一方にのみに真
空焼結処理を施し両者を比較した。この結果、CIPの
みで固めた供試材の電気伝導度は7%であったが、真空
焼結した供試材は37%となり5倍以上の電気伝導度を
示した。
【0161】さらに、この供試材を誘導加熱したとこ
ろ、真空焼結した供試材の場合、誘導加熱の昇温プログ
ラム(200℃/minで520℃まで昇温後、一定時
間保持)通りに温度上昇した。そして、供試材のエッジ
部、中間部の表面及び内部中心における温度のばらつき
が少なく、どの位置でも略均一に温度上昇していること
が判った。一方、CIPのみで固めた供試材の場合、昇
温プログラム通りに昇温できず昇温速度が50℃/mi
n程度に留まった。これにより、電気伝導度の向上は押
出時の誘導加熱時間に関係しており、本発明のように真
空焼結を施すことによって昇温プログラムに追従して温
度上昇させることができることが判った。その結果、真
空焼結することで誘導加熱の効率が飛躍的に高まり、ビ
レットの押出速度を向上できるという利点が得られる。
【0162】そして、コンテナ内で誘導加熱されたビレ
ットは、後方からポンチにより押され、ダイスで所定の
押出形状をした角パイプ20として押し出される。この
とき、ビレットの質量密度は75%〜95%であるが、
押出成形することで押出時に粉末粒子間の空隙がつぶさ
れるため、角パイプ20の質量密度は略100%とな
る。次に、押出成形後、引張矯正を施すとともに(ステ
ップS207)、非定常部及び評価部を切断し、製品と
する(ステップS208)。完成した角パイプ20は、
図1に示すような断面四角形状であって、その断面は内
側が225mmである。ここで、角パイプ20の板厚は
収納される使用済み燃料集合体及び使用するB−Al材
によって適宜決定されるが、概ね6〜12mmである。
なお、上記製造工程は、ビレットの成形工程と押出工程
とが別の場所で行われるか、又は時間をおいて行われる
場合に有用である。
【0163】また、真空焼結ラインと押出ラインが連続
した製造ライン等のように真空焼結工程と押出工程とが
時間的に近接して行われる場合、真空焼結時に550℃
〜600℃まで温度上昇させているため、焼結終了後、
少なくとも押出温度である500℃以上となる熱領域で
コンテナ内に挿入し、そのまま押出すようにしてもよ
い。具体的には、真空炉内からビレットを取り出し、こ
のビレットの温度が下がらないうちに押出機まで搬送す
る。そして、押出機によって角パイプ20の形状に押出
成形する。
【0164】なお、加熱したビレットを空気中に曝して
も、短時間であれば酸化による影響をほとんど無視でき
るので、角パイプ20の性能に影響することはほとんど
ない。好ましくは、ビレットを真空炉から取り出し、1
5分以内に押し出すようにすれば、酸化の影響はほとん
ど問題とならない。以上のようにすれば、誘導加熱によ
ってビレットを再加熱する必要がないため、さらに製造
工程を簡略化することができる。
【0165】この場合も、真空焼結によってビレットの
酸化が防止され、且つキャニングも省略できるため、缶
代が節約でき、缶除去のための切削工程が不要になると
ともに、それに付随する缶封入等の製造工程を省略する
ことができる。また、真空焼結時の温度が下がらないよ
うな保温チャンバー内に一時的且つ短時間保管し、少な
くとも500℃以上の温度領域でビレットを押出機のコ
ンテナ内に移すようにしてもよい。この場合は、真空焼
結ラインと押出ラインとが連続している必要はなく、場
所的に離れていても問題ない。さらに、真空焼結ライン
と押出ラインとの距離が小さく、且つビレットの搬送時
間が短い場合には、上記同様に真空加熱の熱によって押
出成形を行うことができることは言うまでもない。
【0166】また、上例では押出機に、圧縮率が高く、
アルミニウムなどの軟質材の複雑形状押出しに適したポ
ートホール押出機を用いたが、これに限定されない。例
えば、固定又は移動マンドレル方式を採用してもよい。
また、直接押出しの他、静水圧押出しを行うようにして
もよく、当事者の可能な範囲で適宜選択することができ
る。さらに、生産効率は低いが、上記誘導加熱に代え
て、ビレットを加熱炉内でバッチ処理するようにしても
よい。このようにして、角パイプ20は製造される。ま
たエレメント30等(図1等参照)も押し出しダイスを
変更することで同様に製造することができる。
【0167】(キャスク)ここでは、この発明に係る使
用済み燃料集合体収納用バスケットを備えたキャスクに
ついて説明する。なお、次の説明においては、実施の形
態1に係る使用済み燃料集合体収納用バスケット100
(図1参照)を備えたキャスクを例にとって説明する
が、適用できる使用済み燃料集合体収納用バスケットは
これに限られるものではない。上記実施の形態1及びそ
の変形例、並びに実施の形態2において説明した使用済
み燃料集合体収納用バスケットはいずれも適用できる。
また、キャスクのみならず、放射性物質格納容器の一種
であるキャニスタに上記使用済み燃料集合体収納用バス
ケット100等を組み込んでもよい。
【0168】図20は、この発明に係るキャスクを示す
斜視図である。図21は、図20に示したキャスクの径
方向断面図である。このキャスク250において、本体
胴125及び本体胴125の底板254は、γ線遮蔽機
能を有する炭素鋼製の鍛造品が使用されている。なお、
炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。
前記本体胴125と底板254とは溶接により結合して
もよい。
【0169】また、本体胴125の外形に合わせた内部
形状を持つコンテナ内に金属ビレットを装入し、本体胴
125の内形に合わせた外形を持つ穿孔ポンチでこの金
属ビレットを熱間拡張成形することによって本体胴12
5と底板254とを一体に成形してもよい。なお、耐圧
容器としての密閉性能を確保するため、一次蓋230と
本体胴125との間には金属ガスケットを設けておく
(図示省略)。
【0170】本体胴125の外周には、複数の板状エレ
メント301が取り付けられている。この板状エレメン
ト301は、矩形状の鉄板、アルミニウム板、銅板、鉄
と銅とのクラッド板又は鉄とアルミニウムとのクラッド
板等の、熱の良導材料を折り曲げ成形したものであり、
キャスク250の外筒に相当する部分が山形(山形部3
07)に成形されている。また、板状エレメント301
の端縁302は、隣接する板状エレメント301の折り
曲げ稜部分303に溶接されている。
【0171】また、板状エレメント301と本体胴12
5の外面とで構成されるボイド層312の空間を除いた
空間には、中性子を吸収するため、水素を多く含有する
高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するレジン、ポ
リウレタン、又はシリコンその他の中性子吸収材料(以
下同様)が充填してある。さらに、収納する使用済み燃
料の崩壊熱量が多い場合には、板状エレメント301と
本体胴125の外面とで形成されるボイド層を含む空間
に、熱伝導性に優れたアルミニウム製又は銅製のハニカ
ム材310を設ける。このハニカム材310のセルは、
キャスク250の長手方向に形成し、その周囲は前記空
間の内面311に接触させる。本体胴125からの伝熱
効率を向上させるためである。
【0172】また、このハニカム材310の一部には、
中性子吸収材料256を充填する。その一方で、ハニカ
ム材310の外周側には、中性子吸収材料256などの
熱膨張を吸収するため、中性子吸収材料256を充填し
ないボイド層312を設ける。前記ハニカム材310と
中性子吸収材料256とは別の場所で充填複合化され、
前記空間に挿入固定される。また、前記空間にハニカム
材310を挿入した状態で、流動状態の中性子吸収材料
256を注入し、熱硬化反応等で固化させるようにして
もよい。
【0173】蓋部209は、一次蓋230と二次蓋23
1により構成される。この一次蓋230は、γ線を遮蔽
するステンレス鋼又は炭素鋼からなる円盤形状である。
また、二次蓋231もステンレス鋼製又は炭素鋼製の円
盤形状であるが、その上面には中性子遮蔽体として上記
中性子吸収材料(代表的にはレジン:図示省略)が封入
されている。一次蓋230及び二次蓋231は、ステン
レス製又は炭素鋼のボルトによって本体胴125に取り
付けられている。さらに、一次蓋230及び二次蓋23
1と本体胴125との間にはそれぞれ金属ガスケットが
設けられ、内部の密封性を保持している。キャスク25
0本体の両側には、キャスク250を吊り下げるための
トラニオン217が設けられている。なお、キャスク2
50の搬送時にはその両側に緩衝体218を取り付け
る。
【0174】本体胴125の内面125iは、使用する
使用済み燃料集合体収納用バスケット100の外形に合
わせた形状となり、使用済み燃料集合体を収納したとき
には、当該使用済み燃料集合体収納用バスケット100
の外面が本体胴125に対して略密着状態となる(ただ
し、現実的には微小な隙間が生じることがある)。な
お、本体胴125の内面を略完全に使用済み燃料集合体
収納用バスケット100の外形に合わせる必要はなく、
使用済み燃料集合体収納用バスケット100の外面の一
部が接触しないような形状にすることもでき、これらの
割合は熱伝導率を考慮しながら適宜設計することができ
る。
【0175】図21に示すように、使用済み燃料集合体
収納用バスケット100は、角パイプ20とエレメント
30とを組み合わせて構成したセル10を組み合わせて
構成してある。なお、図21においてフラックストラッ
プは省略してあるが、実際には図1に示すようにエレメ
ント30の内側面に設けられた突起部30tによってフ
ラックストラップが形成されている。また、図20にお
いてはエレメント30も省略してある。
【0176】同図から明らかなように、このセル10は
21個形成されているため、この使用済み燃料集合体収
納用バスケット100は、計21体の使用済み燃料集合
体(PWR用)を収容することができる。なお、セル1
0の個数は21個に限られるものではなく、キャスク2
50の仕様等によってセル10の個数は適宜変更でき
る。このキャスク250に備えられる使用済み燃料集合
体収納用バスケット100は、角パイプ20とエレメン
ト30とを組み合わせて構成している。このため、難押
し出し材であるB−Alを用いた場合であっても角パイ
プ20とエレメント30とは比較的容易に押し出し成形
できるので、フラックスとラップを備えたPWR用の使
用済み燃料集合体収納用バスケット100であっても容
易に製造できる。
【0177】使用済み燃料集合体収納用バスケット10
0の外形は8角形に近い形状となるので、本体胴125
の内面も大まかに見て8角形となる。このキャスク25
0においては、使用済み燃料集合体収納用バスケット1
00の外側各面に対向するように本体胴125の外面を
8角形に形成する。これにより、本体胴125の厚みが
全体的に略均一になり、余分な厚みがなくなるこので、
キャスク250の重量を軽減できる。また、γ線遮蔽性
能は必要十分な範囲で確保されることになる。
【0178】本体胴125の内面及び外面の加工は、専
用の機械加工装置を用いて行う。詳しくは、本願出願人
による特願平11−249314号公報を参照された
い。なお、この実施の形態では本体胴125の形状を8
角形にしているが、これに限定されるものではない。す
なわち、使用済み燃料集合体収納用バスケット100の
外形に合わせて本体胴125の形状を角に丸みをもたせ
た4角形や12角形などにすることもできる(図示省
略)。
【0179】このキャスク250は、この発明に係る角
パイプ20や使用済み燃料集合体収納用バスケットを構
成するエレメント30等によって構成された使用済み燃
料集合体収納用バスケット100を格納する。このた
め、使用済み燃料集合体を収納するキャスク250等を
比較的安価で容易に提供できる。また、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケット100は堅牢な構造であるの
で、衝撃や振動に強いキャスク250等を提供できる。
また、本発明に係る使用済み燃料集合体収納用バスケッ
ト100を内部に備えているので、PWR用使用済み燃
料集合体を収納するキャスクを容易に製造できる。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る使
用済み燃料集合体収納用バスケット(請求項1)では、
使用済み燃料集合体を収納する角パイプと、内側面に突
起部を設けた断面L字状のエレメントとを組み合わせて
セルを構成し、さらにこのセルを複数組み合わせて使用
済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体収納用バ
スケットを構成した。そして、エレメントに設けられた
突起部によって角パイプとエレメントとの間に空間を作
り、これをフラックストラップとした。このため、フラ
ックストラップを一体で形成する場合と比較して、角パ
イプ及びエレメントの表面積は無闇に大きくならないの
で、押し出し機の推力がそれ程大きくなくとも十分に製
造できる。その結果、PWR用の使用済み燃料集合体を
収納する使用済み燃料集合体収納用バスケットを容易に
製造でき、また、製造コストも低く抑えることができ
る。
【0181】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項2)では、さらに、上記エレ
メントの外側面にもこのエレメントの長手方向に向かう
突起部を設け、当該突起部の端部と上記エレメントの隣
に配置されるセルを構成する上記角パイプの外側面とを
当接させるようにした。そして、上記セル同士の間に、
上記セルを構成する角パイプの長手方向に対して垂直な
方向に向かって二個のフラックストラップを設けるよう
にした。このため、エレメントの表面積は無闇に大きく
ならず、また形状もそれ程複雑ではないので、押し出し
機の推力がそれ程大きくなくとも十分に製造でき、押し
出しダイスの寿命も確保できる。その結果、PWR用の
使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体収納
用バスケットを容易に製造できる。
【0182】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項3)では、エレメントの外側
面を平面に形成し、一のセルを構成するエレメントの外
側面と他のセルを構成する角パイプの外側面及び他のセ
ルを構成するエレメントの端部とを平面で当接させて使
用済み燃料集合体収納用バスケットを構成した。このた
め、伝熱面積を大きくできるので、発熱量が大きいPW
R用の使用済み燃料集合体を収納した場合であっても、
使用済み燃料集合体収納用バスケットの内部から外部へ
効率よくこの熱を伝えることができる。これによって、
使用済み燃料集合体収納用バスケットの温度上昇を抑え
ることができるので安全性を高くできる。
【0183】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項4)では、エレメントのコー
ナー部内側に段部を設け、各パイプのコーナー部外側を
この段部に当接させて、使用済み燃料集合を収納するセ
ルを構成した。これによって、角パイプとエレメントと
のずれを抑えることができるので、使用済み燃料集合体
収納用バスケットを容易に組み立てることができる。
【0184】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項5)では、エレメントのコー
ナー部外側にエレメントの長手方向に向かう平面を設
け、また、エレメントの一方の端部には前記平面と平行
な平面を形成した。そして、使用済み燃料集合体収納用
バスケットを組み立てる際には、前記二つの平面同士を
当接させるようにした。このため、使用済み燃料集合体
収納用バスケットを組み立ててセル同士を当接させた場
合には、このような平面を設けない場合よりも伝熱面積
を大きくできるので、より効率よく使用済み燃料集合体
の崩壊熱を使用済み燃料集合体収納用バスケットの外部
へ逃がすことができる。また、エレメント同士の当接す
る面積が大きくなるので、応力伝達の際における負担を
小さくして、使用済み燃料集合体収納用バスケットの信
頼性をより高くできる。
【0185】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項6)では、エレメントのコー
ナー部と端部とを階段状に形成し、当該端部とコーナー
部とを噛み合わせて組み立てるようにした。このため、
エレメントの長手方向に対して垂直な方向に向かうエレ
メントの動きを規制できるので、使用済み燃料集合体収
納用バスケットの組み立てもより容易になる。また、こ
のエレメントでは、エレメントのコーナー部と端部とを
階段状に形成しているので、上記使用済み燃料集合体収
納用バスケットと比較してエレメント同士が当接する面
積をさらに大きくできる。これによって、伝熱面積が大
きくなるのでより効率よく使用済み燃料集合体の崩壊熱
を使用済み燃料集合体収納用バスケットの外部へ逃がす
ことができる。
【0186】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項7)では、そこで、角パイプ
のコーナー部分をシャープエッジにすることで前記突合
せ面の接触面積を広くして応力集中を緩和するようにし
た。これにより、隣接する前記突合せ面の範囲が板厚の
半分より大きくなるから、応力集中を緩和できる。
【0187】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項8)では、セルを構成する角
パイプと、エレメントのコーナー部外側と、エレメント
の端部外側とを、角パイプのコーナー部内側よりもシャ
ープエッジに成形した。これにより、角パイプのコーナ
ー部外側とエレメントのコーナー部内側に形成された段
部との接触面積や、エレメントのコーナー部外側と角パ
イプのコーナー部外側とにおける接触面積や、エレメン
トの端部外側とエレメントのコーナー部外側との接触面
積が確保できるので、突合せ部の応力集中を緩和でき
る。これによって、使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トの信頼性をより高くできる。
【0188】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項9)では、上記使用済み燃料
集合体収納用バスケットにおいて、シャープエッジの半
径を0.5mm以下とした。これにより、角パイプのコ
ーナー部外側やエレメントのコーナー部外側等における
接触面の接触面積が確保できるので、突合せ面の応力集
中を緩和できる。これによって、使用済み燃料集合体収
納用バスケットの信頼性をより高くできる。
【0189】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項10)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、シャープエッジが
面取形状とし、その面取寸法を前記角パイプの板厚の少
なくとも半分以下とした。これにより、上記同様、隣接
する前記突合せ面の範囲が板厚の半分より大きくなるか
ら、応力集中を緩和できる。これによって、使用済み燃
料集合体収納用バスケットの信頼性をより高くできる。
【0190】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項11)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、シャープエッジを
面取形状とし、その面取寸法は0.5mm以下とした。
このため、角パイプのコーナー部における接触面の接触
面積が確保できるので、突合せ面の応力集中を緩和でき
る。これによって、使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トの信頼性をより高くできる。
【0191】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項12)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、角パイプ又はエレ
メントのうち、少なくとも角パイプはB−Al材とし
た。このため、使用済み燃料集合体収納用バスケットに
十分な中性子吸収能を発揮させつつ、強靭なB−Al材
によって使用済み燃料集合体収納用バスケットの十分な
強度を確保できる。また、エレメントには必ずしもB−
Alを使用しなくともよいので、角パイプのみB−Al
材で構成すればコストを低減できる。
【0192】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項13)では、角パイプの内部
へ長手方向に向かう溝を設けたエレメントを配置して使
用済み燃料集合体を収納するセルを構成した。このた
め、角パイプやエレメントにB−Al材のような難押し
出し材を使用しても押出し成形機の能力内でこれらを製
造できる。これによって、PWR用使用済み燃料集合体
を収納するためにフラックストラップを備えた複雑な形
状の使用済み燃料集合体収納用バスケットであっても容
易に製造できる。さらに、エレメントを角パイプの内部
に配置すれば、自動的にエレメントの動きが規制される
ので、使用済み燃料集合体収納用バスケットは角パイプ
を組み合わせるだけで構成できる。これによって使用済
み燃料集合体収納用バスケットをさらに容易に製造でき
る。
【0193】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項14)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、上記角パイプと上
記エレメントとはB−Al材とした。このため、使用済
み燃料集合体収納用バスケットに十分な中性子吸収能を
発揮させつつ、強靭なB−Al材によって使用済み燃料
集合体収納用バスケットの十分な強度を確保できる。
【0194】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項15)では、角パイプのコー
ナー部分をシャープエッジとし、角パイプのコーナー部
外側同士が接触する面の接触面積を広くして応力集中を
緩和するようにした。これにより、隣接する前記接触部
分の範囲が板厚の半分より大きくなるから、応力集中を
緩和できる。
【0195】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項16)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、さらに、上記角パ
イプのコーナー部外側をコーナー部内側よりもシャープ
エッジに成形した。これにより、角パイプのコーナー部
外側とエレメントのコーナー部内側に形成された段部と
の接触面積や、エレメントのコーナー部外側と角パイプ
のコーナー部外側とにおける接触面積や、エレメントの
端部外側とエレメントのコーナー部外側との接触面積が
確保できるので、突合せ部の応力集中を緩和できる。
【0196】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項17)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャープエッ
ジの半径が0.5mm以下とした。これにより、角パイ
プの角部における突合せ面の接触面積が確保できるの
で、突合せ面の応力集中を緩和できる。
【0197】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項18)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、上記シャープエッ
ジを面取形状とし、その面取寸法が前記角パイプの板厚
の少なくとも半分以下とした。これにより、上記同様、
隣接する前記突合せ面の範囲が板厚の半分より大きくな
るから、応力集中を緩和できる。
【0198】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項19)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、前記シャープエッ
ジを面取形状とし、その面取寸法を0.5mm以下とし
た。これにより、角パイプのコーナー部やエレメントの
コーナー部外側等における接触面の接触面積が確保でき
るので、突合せ面の応力集中を緩和できる。
【0199】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項20)では、角パイプ内部と
第一エレメント及び第二エレメントで囲まれる空間とに
使用済み燃料集合体を収納するようにした。このため、
上記使用済み燃料集合体収納用バスケットと比較して角
パイプの本数を約半分にできるので、使用済み燃料集合
体収納用バスケットの製造コストを低減できる。また、
角パイプの本数が少なくなった分だけ使用済み燃料集合
体収納用バスケットの外形寸法を小さくできるので、こ
の使用済み燃料集合体収納用バスケットを収納する使用
済み燃料収納容器の外形寸法を従来よりも小さくでき
る。これによって、使用済み燃料収納容器を軽量化でき
るとともに、使用済み燃料収納容器に取り付ける緩衝体
の外径を小さく抑えることができるので、キャスクの陸
送時における寸法制限にも対応しやすくなる。
【0200】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項21)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、第一エレメントの
コーナー部外側に設けられた段部と角パイプのコーナー
部外側とを組み合わせるようにした。これによって、角
パイプと第一エレメントとのずれに対して強くなり、強
固な使用済み燃料集合体収納用バスケットを得ることが
できる。
【0201】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項22)では、第一エレメント
のコーナー部外側に溝を設け、第二エレメントの端部と
噛み合わせるようにした。このような構成によって、第
一エレメントと第二エレメントとの動きを拘束できるの
で、剛性が高く、斜め荷重に対しても強い使用済み燃料
集合体収納用バスケットを構成することができる。
【0202】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項23)では、2個の板状のエ
レメントを角パイプの外側面に当接させて構成した複数
のセルを組み合わせることによって構成した。このた
め、長手方向に垂直な断面形状がL字形状のエレメント
を使用する場合と比較して、エレメントの表面積を略半
分にできる。これによって、押出し機の性能が小さい場
合でも容易にエレメントを製造でき、また、押出しダイ
スの寿命も長くできる。
【0203】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項24)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、さらにエレメント
に設けられる突起部の端部を平面に形成し、角パイプの
外側面又は内側面と平面で当接して上記セルを構成する
ようにした。このため、エレメントと角パイプとがより
均一に当接するので、エレメントと角パイプとの伝熱性
能が向上し、内部に収納される使用済み燃料集合体の崩
壊熱をより効率よく使用済み燃料集合体収納用バスケッ
トの外部へ逃がすことができる。また、エレメントと角
パイプとがより均一に当接するので、エレメントと角パ
イプとの応力集中を低減して使用済み燃料集合体収納用
バスケットの信頼性を高くできる。
【0204】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項25)では、複数の突起部に
よって角パイプを支えるようにしたので、角パイプの側
面を支えるスパンを小さくできる。これによって、角パ
イプの側面に作用する曲げ応力を低減できるので、使用
済み燃料集合体収納用バスケットの信頼性を高くでき
る。
【0205】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項26)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、B−Al材のB含
有率を1.5質量%以上7.0質量%以下とした。この
ため、使用済み燃料集合体収納用バスケットに十分な中
性子吸収能を発揮させつつ、十分な靭性を確保できる。
また、B含有量が7重量%以下であるので、押出し成形
加工も比較的容易にできるので、寸法の大きい角パイプ
構成エレメントや使用済み燃料集合体収納用バスケット
構成材を成形しやすい。
【0206】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケット(請求項27)では、上記使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおいて、上記B−Al材に
は少なくとも濃縮ボロンを添加するようにした。このた
め、天然ボロンをそのまま使用した場合よりも薄い板厚
の角パイプあるいはエレメントで、同じ中性子吸収能を
得ることができるので、使用済み燃料集合体収納用バス
ケットをより軽量且つコンパクトにできる。また、その
分必要なキャスク胴本体のキャビティ空間を小さくでき
るので、胴本体をコンパクトにできる。
【0207】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
28)では、断面をL字状とし、且つ内側面には角パイ
プと当接する突起部を設け、この突起部を角パイプと当
接させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成する
ようにした。そして、突起部で角パイプの外側面と隔て
られた空間をフラックストラップとした。このように、
角パイプと組み合わされることで使用済み燃料を収納す
るセルを構成するので、燃焼度の高いPWR用の使用済
み燃料集合体を収納するセルのようにフラックストラッ
プを要するものでも容易に製造できる。また、エレメン
トの表面積は無闇に大きくならないので、押し出し機の
推力がそれ程大きくなくとも十分に製造できる。その結
果、PWR用の使用済み燃料集合体を収納する使用済み
燃料集合体収納用バスケットを容易に製造でき、また、
製造コストも低く抑えることができる。
【0208】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
29)では、コーナー部外側を平面に形成し、エレメン
トの一方の端部はこの平面に平行となるように平面を形
成した。そして、使用済み燃料集合体収納用バスケット
を構成した場合には、両平面が当接するようにした。こ
れらの平面は、エレメントの長手方向に垂直な断面で見
るとコーナー部外側が斜めに切り取られた形に形成され
ているので、両者の接する面積を大きくできる。このた
め使用済み燃料集合体収納用バスケットを組み立てた際
には伝熱面積を大きくできるので、より効率よく使用済
み燃料集合体の崩壊熱を使用済み燃料集合体収納用バス
ケットの外部へ逃がすことができる。また、エレメント
同士の当接する面積がより大きくなるので、このエレメ
ントを用いて使用済み燃料集合体収納用バスケットを組
み立てた場合には、応力伝達の際における負担を小さく
できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケットの信
頼性をより高くできる。
【0209】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
30)では、コーナー部と端部とを階段状に形成し、使
用済み燃料集合体収納用バスケットを組み立てる際には
両者を噛み合わせて組み立てるようにした。このため、
エレメントの長手方向に対して垂直な方向に向かうエレ
メントの動きを規制できるので、使用済み燃料集合体収
納用バスケットをより簡易に組み立てることができる。
【0210】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
31)では、断面L字状に形成し、長手方向に向かう溝
を外側面に設けた。そして、使用済み燃料集合体収納用
バスケットを組み立てる際には、各パイプの内部にこの
エレメントを配置するようにした。このため、エレメン
トの形状がそれ程複雑ではなく、また、表面積も比較的
小さいので、エレメントにB−Al材のような難押し出
し材を使用しても押出し成形機の能力内でこれを製造で
きる。これによって、PWR用使用済み燃料集合体を収
納するためにフラックストラップを備えた複雑な形状の
使用済み燃料集合体収納用バスケットであっても容易に
製造できる。さらに、エレメントを角パイプの内部に配
置すれば、自動的にエレメントの動きが規制されるの
で、使用済み燃料集合体収納用バスケットは角パイプを
組み合わせるだけで構成できる。これによって使用済み
燃料集合体収納用バスケットをさらに容易に製造でき
る。
【0211】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
32)では、上記使用済み燃料集合体収納用バスケット
を構成するためのエレメントにおいて、さらに、上記エ
レメントはB−Al材で構成した。このため、このエレ
メントと角パイプとを組み合わせて使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成した場合には、この使用済み燃
料集合体収納用バスケットに十分な中性子吸収能を発揮
させることができる。また、強靭なB−Al材によって
使用済み燃料集合体収納用バスケットの十分な強度を確
保できる。
【0212】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
33)では、上記使用済み燃料集合体収納用バスケット
を構成するためのエレメントにおいて、B−Al材のB
含有率は1.5質量%以上7.0質量%以下とした。こ
のため、十分な中性子吸収能を発揮させつつ、十分な靭
性を確保できる。また、B含有量が7重量%以下である
ので、押出し成形加工も比較的容易にできるので、寸法
の大きい角パイプ構成エレメントや使用済み燃料集合体
収納用バスケット構成材を成形しやすい。
【0213】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
34)では、上記使用済み燃料集合体収納用バスケット
を構成するためのエレメントにおいて、B−Al材には
少なくとも濃縮ボロンを添加するようにした。このた
め、天然ボロンをそのまま使用した場合よりも薄い板厚
の角パイプあるいはエレメントで、同じ中性子吸収能を
得ることができるので、使用済み燃料集合体収納用バス
ケットをより軽量且つコンパクトにできる。また、その
分必要なキャスク胴本体のキャビティ空間を小さくでき
るので、胴本体をコンパクトにできる。
【0214】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
収納用バスケットを構成するためのエレメント(請求項
35)では、上記使用済み燃料集合体収納用バスケット
を備えたので、燃焼度が高く、寸法の大きいPWR用の
使用済み燃料集合体を収納するものでも、容易に製造で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る使用済み燃料集
合体収納用バスケットの一部を示す説明図である。
【図2】角パイプ及びエレメントのコーナー部における
応力の伝わり方を示す説明図である。
【図3】図3は、この発明の実施の形態1に係る角パイ
プ使用済み燃料集合体収納用バスケットの変形例を示す
断面図である。
【図4】実施の形態1に係るエレメントを示す説明図で
ある。
【図5】この発明に係るエレメントの他の例を示す説明
図である。
【図6】突起部の接触面積を大きくしたエレメントを示
す説明図である。
【図7】角パイプとエレメントとを組み合わせて使用済
み燃料集合体を収納するセルを構成した状態を示す説明
図である。
【図8】実施の形態1に係る使用済み燃料集合体収納用
バスケットをキャスクの本体胴内に設置した例を示す説
明図である。
【図9】実施の形態1の第1変形例に係る使用済み燃料
集合体収納用バスケットの一部を示す説明図である。
【図10】実施の形態1の第2変形例に係る使用済み燃
料集合体収納用バスケットの一部を示す説明図である。
【図11】実施の形態1の第2変形例に係る使用済み燃
料集合体収納用バスケットの他の例を示す説明図であ
る。
【図12】実施の形態1の第3変形例に係る使用済み燃
料集合体収納用バスケットの一部を示す説明図である。
【図13】実施の形態1の第3変形例に係る使用済み燃
料集合体収納用バスケットにおける角パイプとエレメン
トとの当接部を示す説明図である。
【図14】実施の形態1の第4変形例に係る使用済み燃
料集合体収納用バスケットの一部を示す説明図である。
【図15】実施の形態2に係る使用済み燃料集合体収納
用バスケットを示す説明図である。
【図16】実施の形態2に係る使用済み燃料集合体収納
用バスケットをキャスク内に設置した例を示す説明図で
ある。
【図17】この発明の実施の形態3に係る使用済み燃料
集合体収納用バスケットを示す説明図である。
【図18】この発明に係る角パイプの製造方法を示すフ
ローチャートである。
【図19】この製造方法に用いるアトライターミルの構
成図である。
【図20】この発明に係るキャスクを示す斜視図であ
る。
【図21】図20に示したキャスクの径方向断面図であ
る。
【図22】キャスクの一例を示す斜視図である。
【図23】図22に示したキャスクの径方向断面図であ
る。
【符号の説明】
10、15、16 セル 20 角パイプ 30、31、32、33、34、35、36、37 エ
レメント 100、101、102、103、104、105、1
06、107 使用済み燃料集合体収納用バスケット 250 キャスク

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角パイプと、 長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ内側面には
    長手方向に向かう突起部が設けられたエレメントとを有
    し、 前記角パイプの外側面と前記エレメントの内側面に設け
    られた突起部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体
    を収納するセルを構成し、さらに一のセルを構成する角
    パイプの外側面及びこのセルを構成するエレメントの端
    部を、他のセルを構成するエレメントの外側面と当接さ
    せて前記セル同士を組み合わせることで構成したことを
    特徴とする使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  2. 【請求項2】 さらに、上記エレメントの外側面にもこ
    のエレメントの長手方向に向かう突起部が設けられ、当
    該突起部の端部と上記エレメントの隣に配置されるセル
    を構成する上記角パイプの外側面とを当接させたことを
    特徴とする請求項1に記載の使用済み燃料集合体収納用
    バスケット。
  3. 【請求項3】 角パイプと、 長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ内側面には
    長手方向に向かう突起部が設けられ、さらに外側面は平
    面に形成されたエレメントとを有し、 前記角パイプの外側面と前記エレメントの内側面に設け
    られた突起部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体
    を収納するセルを構成し、さらに一のセルを構成する角
    パイプの外側面及びこのセルを構成するエレメントの端
    部を、他のセルを構成するエレメントの外側面と平面で
    当接させて前記セル同士を組み合わせることで構成した
    ことを特徴とする使用済み燃料集合体収納用バスケッ
    ト。
  4. 【請求項4】 さらに、上記エレメントのコーナー部内
    側を上記エレメントの長手方向に垂直な断面が階段状と
    なるように形成して上記エレメントの長手方向に向かう
    段部を設け、ここに上記角パイプのコーナー部外側を当
    接させて上記セルを構成することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の使用済み燃料集合体収納用
    バスケット。
  5. 【請求項5】 さらに、上記エレメントのコーナー部外
    側を上記エレメントの長手方向全領域にわたって平面に
    形成し、且つ当該平面と組み合わされるように当該平面
    と平行にこのエレメントの一方の端部を平面に形成し
    て、上記セルを組み合わせる際に一のエレメントのコー
    ナー部外側と他のエレメントの前記一方の端部とを当接
    させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  6. 【請求項6】 さらに、上記エレメントのコーナー部外
    側を上記エレメントの長手方向に垂直な断面が階段状と
    なるように形成して上記エレメントの長手方向に向かう
    段部を設け、且つ階段状に形成した前記コーナー部外側
    の少なくとも一の段部と噛み合うようにこのエレメント
    の端部を階段状に形成して、上記セルを組み合わせる際
    に一のエレメントのコーナー部外側と他のエレメントの
    一方の端部とを噛み合わせることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の使用済み燃料集合体収納用
    バスケット。
  7. 【請求項7】 さらに、上記角パイプと、上記エレメン
    トのコーナー部外側と、上記エレメントの端部外側とを
    シャープエッジに成形し、当該シャープエッジの半径
    が、上記角パイプの板厚の少なくとも半分以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使
    用済み燃料集合体収納用バスケット。
  8. 【請求項8】 さらに、上記角パイプと、上記エレメン
    トのコーナー部外側と、上記エレメントの端部外側と
    を、上記角パイプのコーナー部内側よりもシャープエッ
    ジに成形したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  9. 【請求項9】 上記シャープエッジの半径が0.5mm
    以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の使
    用済み燃料集合体収納用バスケット。
  10. 【請求項10】 上記シャープエッジが面取形状であ
    り、その面取寸法が前記角パイプの板厚の少なくとも半
    分以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の
    使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  11. 【請求項11】 前記シャープエッジが面取形状であ
    り、その面取寸法が0.5mm以下であることを特徴と
    する請求項7又は8に記載の使用済み燃料集合体収納用
    バスケット。
  12. 【請求項12】 上記角パイプ又は上記エレメントのう
    ち、少なくとも上記角パイプはB−Al材であることを
    特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用
    済み燃料集合体収納用バスケット。
  13. 【請求項13】 角パイプと、 長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ外側面には
    長手方向に向かう突起部が設けられたエレメントとを有
    し、 前記角パイプの内部に前記エレメントを配置し、且つ前
    記角パイプの内側面と前記エレメントに設けられた突起
    部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体を収納する
    セルを構成して、さらに複数の当該セルを、エレメント
    が存在する側の角パイプ外側面と角パイプの壁面のみの
    角パイプ外側面とを当接させて組み合わせることによっ
    て構成したことを特徴とする使用済み燃料集合体収納用
    バスケット。
  14. 【請求項14】 上記角パイプと上記エレメントとはB
    −Al材であることを特徴とする請求項13に記載の使
    用済み燃料集合体収納用バスケット。
  15. 【請求項15】 さらに、上記角パイプのコーナー部外
    側をシャープエッジに成形し、当該シャープエッジの半
    径が、上記角パイプの板厚の少なくとも半分以下である
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の使用済み
    燃料集合体収納用バスケット。
  16. 【請求項16】 さらに、上記角パイプのコーナー部外
    側をコーナー部内側よりもシャープエッジに成形したこ
    とを特徴とする請求項13又は14に記載の使用済み燃
    料集合体収納用バスケット。
  17. 【請求項17】 上記シャープエッジの半径が0.5m
    m以下であることを特徴とする請求項15又は16に記
    載の使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  18. 【請求項18】 上記シャープエッジが面取形状であ
    り、その面取寸法が前記角パイプの板厚の少なくとも半
    分以下であることを特徴とする請求項15又は16に記
    載の使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  19. 【請求項19】 前記シャープエッジが面取形状であ
    り、その面取寸法が0.5mm以下であることを特徴と
    する請求項15又は16に記載の使用済み燃料集合体収
    納用バスケット。
  20. 【請求項20】 角パイプと、 長手方向に垂直な断面形状がL字状で、内側面には長手
    方向に向かう突起部が設けられ、且つ外側面は平面に形
    成された第一エレメントと、 長手方向に垂直な断面形状がL字状で、外側面には長手
    方向に向かう突起部が設けられ、且つ内側面は平面に形
    成されており、前記突起部の端部と前記角パイプの外側
    面とが当接する第二エレメントとを有し、 前記角パイプの外側面と前記第一エレメントの内側面に
    設けられた突起部の端部とが当接して使用済み燃料集合
    体を収納する第一セルを形成し、 また、一の第一エレメントとこの斜め隣に配置される他
    の第一エレメントの端部同士を当接させ、且つ前記第二
    エレメントの両端部をそれぞれ前記一の第一エレメント
    及び前記他の第一エレメントのコーナー部外側と当接さ
    せて、前記一の第一エレメント及び前記他の第一エレメ
    ントの外側面と前記第二エレメントの内側面とで囲まれ
    る空間に使用済み燃料集合体を収納する第二セルを形成
    し、 前記第一セルを千鳥状に配置し、且つ前記第一セルの隣
    に前記第二セルを配置することによって構成したことを
    特徴とする使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  21. 【請求項21】 さらに、上記第一エレメントのコーナ
    ー部外側に上記第一エレメントの長手方向に向かう段部
    を形成し、この段部と斜め隣に配置される上記第一セル
    を構成する上記角パイプのコーナー部外側とを当接させ
    ることを特徴とする請求項20に記載の使用済み燃料集
    合体収納用バスケット。
  22. 【請求項22】 さらに、上記第一エレメントのコーナ
    ー部外側には上記第一エレメントの長手方向に向かう溝
    部を形成し、また当該溝部と噛み合うように上記第二エ
    レメントの端部を形成して、前記溝部と前記端部とを噛
    み合わせて構成したことを特徴とする請求項20又は2
    1に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  23. 【請求項23】 角パイプと、 板状の部材であって、一方の側面には長手方向に向かう
    突起部が設けられ、またもう一方の側面は平面に形成さ
    れたエレメントとを有し、 前記角パイプの共通するコーナー部を持つ2個の外側面
    にそれぞれ前記エレメントの一方の側面に設けられた前
    記突起部の端部を当接させて使用済み燃料集合体を収納
    するセルを構成し、さらに一のセルを構成する角パイプ
    の外側面及びこのセルを構成するエレメントの端部と、
    他のセルを構成する平面に形成された前記エレメントの
    側面とを当接させて前記セル同士を組み合わせることで
    構成したことを特徴とする使用済み燃料集合体収納用バ
    スケット。
  24. 【請求項24】 さらに上記エレメントに設けられる突
    起部の端部は平面に形成されており、上記角パイプの外
    側面又は内側面と平面で当接して上記セルを構成するこ
    とを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の
    使用済み燃料集合体収納用バスケット。
  25. 【請求項25】 さらに、上記エレメントには、このエ
    レメントの一辺当たり複数の突起部を設けたことを特徴
    とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の使用済み
    燃料集合体収納用バスケット。
  26. 【請求項26】 上記B−Al材のB含有率は1.5質
    量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする請求
    項12又は14に記載の使用済み燃料集合体収納用バス
    ケット。
  27. 【請求項27】 上記B−Al材には少なくとも濃縮ボ
    ロンが添加されていることを特徴とする請求項12、1
    4又は26のいずれか1項に記載の使用済み燃料集合体
    収納用バスケット。
  28. 【請求項28】 長手方向に垂直な断面形状がL字状
    で、且つ内側面には長手方向に向かう突起部が設けら
    れ、当該突起部の端部が使用済み燃料集合体を収納する
    角パイプの外側面と当接することを特徴とする使用済み
    燃料集合体収納用バスケットを構成するためのエレメン
    ト。
  29. 【請求項29】 さらに、上記エレメントのコーナー部
    外側を上記エレメントの長手方向全領域にわたって平面
    に形成し、且つ当該平面と組み合わされるように当該平
    面と平行にこのエレメントの一方の端部を平面に形成し
    て、一のエレメントのコーナー部外側と他のエレメント
    の前記一方の端部とを当接させることを特徴とする請求
    項28に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットを
    構成するためのエレメント。
  30. 【請求項30】 さらに、上記エレメントのコーナー部
    内側を、上記エレメントの長手方向に垂直な断面が階段
    状となるように形成して上記エレメントの長手方向に向
    かう段部を設け、ここに使用済み燃料集合体を収納する
    角パイプのコーナー部外側を当接させることを特徴とす
    る請求項28又は29に記載の使用済み燃料集合体収納
    用バスケットを構成するためのエレメント。
  31. 【請求項31】 長手方向に垂直な断面形状がL字状
    で、且つ外側面には長手方向に向かう突起部が設けら
    れ、当該突起部の端部が使用済み燃料集合体を収納する
    角パイプの内側面と当接することを特徴とする使用済み
    燃料集合体収納用バスケットを構成するためのエレメン
    ト。
  32. 【請求項32】 さらに、上記エレメントはB−Al材
    であることを特徴とする請求項28〜31のいずれか1
    項に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットを構成
    するためのエレメント。
  33. 【請求項33】 上記B−Al材のB含有率は1.5質
    量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする請求
    項32に記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットを
    構成するためのエレメント。
  34. 【請求項34】 上記B−Al材には少なくとも濃縮ボ
    ロンが添加されていることを特徴とする32又は33に
    記載の使用済み燃料集合体収納用バスケットを構成する
    ためのエレメント。
  35. 【請求項35】 請求項1〜27のいずれか1項に記載
    の使用済み燃料集合体収納用バスケットの外形に合わせ
    て放射性物質格納容器の本体胴の内側形状を形成し、こ
    こに前記使用済み燃料集合体収納用バスケットを挿入し
    て上記セル内に使用済み燃料集合体を収納することを特
    徴とする放射性物質格納容器。
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