JP2003149382A - 使用済み燃料集合体格納用角状パイプおよびバスケット、並びに放射性物質格納容器 - Google Patents

使用済み燃料集合体格納用角状パイプおよびバスケット、並びに放射性物質格納容器

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JP2003149382A
JP2003149382A JP2001350711A JP2001350711A JP2003149382A JP 2003149382 A JP2003149382 A JP 2003149382A JP 2001350711 A JP2001350711 A JP 2001350711A JP 2001350711 A JP2001350711 A JP 2001350711A JP 2003149382 A JP2003149382 A JP 2003149382A
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Masanari Osono
勝成 大園
Atsushi Ono
淳 大野
Hisahiro Matsuoka
寿浩 松岡
Shinji Okame
信二 大亀
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 難押出し材で構成される角状パイプを効率よ
く提供すること。 【解決手段】 板状材100は冶具200によって固定
されており、両者の接合面同士が突合わされている。ま
た、板状材100の内壁側はバックアップ冶具201に
よって支えられており、接合時の変形を抑えるようにな
っている。接合ツール210を回転させながら板状材1
00の接合部100aに押し込んで、板状材100同士
を摩擦攪拌接合によって接合する。このようにして2個
のL字状の部材100bを製造したら、冶具202によ
ってL字状の部材100b同士を向かい合わせて固定す
る。そして、接合ツール210によって、L字状の部材
100bの接合部を摩擦攪拌接合によって接合する。同
様に、まだ接合していない方の接合部を接合ツール21
0によって摩擦攪拌接合して、角状パイプが完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用済み燃料集
合体のバスケットに関し、さらに詳しくは、使用済み燃
料集合体格納用角状パイプ、バスケット、およびこれら
の製造方法並びに放射性物質格納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み燃料集
合体という。使用済み燃料集合体は、FPなど高放射能
物質を含むので熱的に冷却する必要があるため、原子力
発電所の冷却ピットで所定期間(3〜6ヶ月間)冷却さ
れる。その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、車
両または船舶で再処理施設に搬送、貯蔵される。使用済
み燃料集合体をキャスク内に収容するにあたっては、バ
スケットと称する格子状断面を有する保持枠を用いる。
使用済み燃料集合体は、このバスケットに形成した複数
の収納空間であるセルに1体ずつ挿入される。これによ
って、輸送中の振動等に対する適切な保持力を確保して
いる。
【0003】このようなキャスクの従来例としては、
「原子力eye」(平成10年4月1日発行:日刊工業
出版プロダクション)や特開昭62−242725号公
報などに、様々な種類のものが開示されている。つぎ
に、この発明の説明にあたってその前提となったキャス
クについて説明する。なお、当該キャスクは、説明の便
宜のために示すものであり、必ずしもいわゆる公知、公
用に該当するものではない。
【0004】図45は、キャスクの一例を示す斜視図で
ある。また、図46は、図45に示したキャスクの径方
向断面図である。キャスク500は、筒形状の胴本体5
01と、胴本体501の外周に設けたレジン502と、
その外筒503、底部504および蓋部505から構成
されている。胴本体501および底部504は、γ線遮
蔽体である炭素鋼製の鍛造品である。また、蓋部505
は、ステンレス鋼製の一次蓋506および二次蓋507
からなる。胴本体501と底部504は、突き合わせ溶
接により結合してある。
【0005】一次蓋506および二次蓋507は、胴本
体501に対してステンレス製のボルトにより固定され
ている。蓋部505と胴本体501との間には、アルミ
ニウム被覆等を施した金属製の中空Oリングが介在し、
内部の気密を保持している。キャスク本体512の両側
には、キャスク500を吊り下げるためのトラニオン5
13が設けられている(一方は省略)。また、キャスク
本体512の両端部には、内部に緩衝材として木材など
を封入した緩衝体514が取り付けられている(一方は
省略)。
【0006】胴本体501と外筒503との間には、熱
伝導を行う複数の内部フィン508が設けられている。
伝熱効率を高めるため、内部フィン508の材料には銅
を用いる。レジン502は、この内部フィン508によ
り形成される空間に流動状態で注入され、熱硬化反応等
で固化形成する。バスケット509は、角パイプ510
を図46のような束状に集合させた構造であり、胴本体
501のキャビティ511内に拘束状態で挿入してあ
る。角パイプ510は、挿入した使用済み燃料集合体が
臨界に達しないように、中性子吸収材(ホウ素:B)を
混合したアルミニウム合金によって構成されている。ま
た、それぞれの角パイプ510により形成される収容空
間がセル515と呼ばれ、一つのセル515に対して1
本の使用済み燃料集合体を収容することができる。な
お、キャスク本体512の両側には、キャスク500を
吊り下げるためのトラニオン513が設けられている
(一方は省略)。また、キャスク本体512の両端部に
は、内部に緩衝材として木材などを組み込んだ緩衝体5
14が取り付けられている(一方は省略)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キャスクや
キャニスタ等の放射性物質格納容器に使用されているバ
スケットを構成する角パイプ510はB−Al材を押出
し加工することによって製造される。特にB−Alの粉
体焼結材を押出し加工によって成形した部材はB等が母
材中へ均一に分散するため、優れた機械的強度や中性子
吸収能を示す。しかし、この材料はAl母材に硬度の高
いBやB化合物が分散しているため、押出しダイスが摩
耗しやすい。
【0008】ここでPWR(Pressurized Water Reacto
r:加圧水型原子炉)用燃料は燃焼度が大きいため、使
用済み燃料を格納するバスケットには確実に中性子の漏
れを防ぐ機能が要求される。このため、PWR用の使用
済み燃料を格納するバスケットに使用する角パイプは、
その壁面にフラックストラップを設けてある。このよう
な角パイプや、BWR(Boiling Water Reactor:沸騰
水型原子炉)用であっても角部等が複雑な形状をしたパ
イプは表面積が大きくなるため、押出しダイスの負担も
それだけ大きくなる。その結果、押出しダイスの摩耗が
激しく、また押出し圧力も大きくなるので押出し成形に
よる製造が困難である。そこで、上記パイプを分割して
製造しこれらを接合すれば、一つ一つの構成部品の寸法
を小さく収めることができるので、押出し成形加工は比
較的容易である。
【0009】ところが、分割して押出し成形加工したB
−Al材を溶接によって接合する場合には、つぎのよう
な問題がある。B−Al材を溶融池ができる溶接によっ
て接合すると、溶接部が凝固する際にAl母材中へ分散
しているBやB化合物が溶接部で凝集し、溶接部の機械
的性質や中性子吸収能を劣化させてしまう。このため、
この部材を溶融池ができる溶接によって接合すると、上
記理由から溶接部の機械的性質等が低下し、予定した性
能を発揮できなくなってしまう。したがって、B−Al
材の押出し成形部材を溶接によって組み合わせて、使用
済み燃料を収納する角パイプ510を製造することは現
実的ではなかった。
【0010】そこで、この発明は、上記に鑑みてなされ
たものであって、B−Al材のような難溶接材で構成さ
れる角状パイプであっても効率よく製造できること、衝
撃や振動等に対して強い堅牢なバスケットを得ること、
のうち少なくとも一つを達成できる使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ、バスケット、およびこれらの製造方
法並びに放射性物質格納容器を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る使用済み燃料集合体格納用角状パ
イプは、B−Al材によって作られた複数のパイプ構成
部材同士を、前記B−Al材を構成する複数の材料のう
ち溶融温度が低い方の材料の溶融温度以下で接合して構
成したことを特徴とする。
【0012】この使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
は、B−Al材料を構成する複数の材料のうち溶融温度
が低い方の材料の溶融温度以下で、B−Al材のパイプ
構成部材同士を接合する。このように、溶融温度の低い
材料の溶融温度以下で接合するので、Alマトリックス
中に分散したBまたはB化合物が凝集することなく接合
できる。このため、接合継ぎ手部においてはもとのB−
Al材が有する、優れた性質が損なわれない。これによ
って、接合継ぎ手部の靭性は接合前とほとんど変わら
ず、また、中性子吸収能も接合前と略同等となる。さら
に、熱歪も小さいので、寸法精度のよい角状パイプを製
造でき、また、接合後の修正もほとんど要さないので、
製造効率を高くできる。
【0013】ここで、B−Al材は難押出し材であり、
大きな寸法や複雑な形状の部材を押出し成形することは
困難である。また、あまり寸法の大きな部材を押し出す
と、押出しダイスの寿命を縮めてしまい、製造効率を低
下させていた。しかし、この角状パイプは、例えば、4
枚の板状部材を接合して作ることができる。このため、
押出しやすい寸法・形状の部材を接合して角状パイプを
製造できるので、これまで押出し成形が困難であったB
−Al材でも、寸法の大きな角状パイプや、断面形状の
複雑な角状パイプも得ることができる。ここで、この発
明においては、B−Al材は粉体焼結によって得られる
ものの他、溶製法によって得られるものも含まれる(以
下同様)。
【0014】なお、使用済み燃料集合体は、軸方向に垂
直な断面形状が矩形であるため、使用済み燃料集合体格
納用パイプも軸方向に垂直な断面内形状を使用済み燃料
集合体に合わせた角形としてある。このため、前記角パ
イプの外形も略角形になるが、このパイプを束ねて使用
済み燃料集合体格納用のバスケットを構成するときに
は、配置の都合上、外形の角を落とした形状等になるこ
とがある。このようなパイプは厳密にいえば角パイプと
はいえないが、その外形は略使用済み燃料集合体の外形
に近いため、このようなパイプを以下角状パイプという
ものとする。なお、角状パイプには、通常の角パイプも
含むものとする(以下同様)。
【0015】また、請求項2に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、B−Al材によって作られた複数
のパイプ構成部材同士を、当該パイプ構成部材の母材で
あるAlを半溶融状態としてから接合して構成したこと
を特徴とする。この使用済み燃料集合体格納用角状パイ
プは、B−Al材料のパイプ構成部材同士を、母材であ
るAlが半溶融の状態で接合する。この接合において
は、母材を溶融して接合する溶接と異なり、母材である
Alはシャーベット状の半溶融状態になってから接合す
る。このため、接合部の熱歪が小さく、接合後における
修正の手間も少なくてすむので製造に手間を要さない。
また、母材であるAlが半溶融状態となって接合するの
で、分散粒子であるBやB化合物は凝固の際にほとんど
凝集しない。これによって、接合継ぎ手部においてはも
との材料とほとんど変わらない靭性および中性子吸収能
を維持できる。その結果、複数の部材を接合して角状パ
イプを製造できるので、これまで押出し成形が困難であ
ったB−Al材でも、寸法の大きな角状パイプや、断面
形状の複雑な角状パイプを得ることができる。
【0016】また、請求項3に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、B−Al材によって作られた複数
のパイプ構成部材同士を、摩擦攪拌接合によって接合し
て構成したことを特徴とする。この使用済み燃料集合体
格納用角状パイプでは、材料を溶融させないで接合する
摩擦攪拌接合によってB−Al材のパイプ構成部材同士
を接合している。このため、継ぎ手部においては、もと
の材料とほとんど変わらない靭性および中性子吸収能を
維持できる。これによって、これまで押出し成形が困難
であった寸法の大きいB−Al角状パイプ等を、複数の
部材を接合することで製造できる。また、熱変形も小さ
いため、接合後の修正も軽微であり、製造の手間も軽減
できる。
【0017】また、請求項4に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプを千鳥配置
したときに斜め隣に配置される他の角状パイプの角部外
側に設けられた平面と当接する平面を、上記角状パイプ
の角部外側に設けたことを特徴とする。
【0018】この使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
は、上記角状パイプの外側角部を落として平面を形成し
ている。そして、この角状パイプを千鳥状に配置して使
用済み燃料集合体を収納するバスケットを構成したとき
には、斜め隣の角状パイプがこの平面同士を当接した状
態で組み立てられる。このため、バスケットを組み立て
る作業が容易にできるので、バスケットの製造に手間を
要さない。なお、上記角状パイプによって奏される作用
・効果も同時に奏することは言うまでもない。
【0019】また、請求項5に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプを千鳥配置
したときに斜め隣に配置される他の角状パイプの角部外
側に形成された段部とかみ合う段部を、上記角状パイプ
の角部外側に設けたことを特徴とする。
【0020】この使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
は、上記角状パイプの角部に段部を設けてある。そし
て、この角状パイプを千鳥状に配置して使用済み燃料集
合体を収納するバスケットを構成したときには、斜め隣
の角状パイプの角部に形成された段部とこの段部とがか
み合う。このため、角状パイプ同士がずれにくくなるの
で、この角状パイプによって構成したバスケットは、衝
撃や振動に対しても強くなる。なお、上記角状パイプに
よって奏される作用・効果も同時に奏することは言うま
でもない。
【0021】また、請求項6に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプは、その角
部において上記パイプ構成部材同士を接合してなること
を特徴とする。角状パイプの側壁内に中性子の透過を抑
制するフラックストラップを設ける場合には、強度を保
つためにリブを設ける必要がある。この角状パイプで
は、角部においてパイプ構成材同士を接合するので、こ
のリブの形成に影響を与えない。このため、最も適した
位置に最適な大きさのリブを形成して、効率のよい設計
ができる。なお、この他に上記角状パイプによって奏さ
れる作用・効果も同時に奏することは言うまでもない。
【0022】また、請求項7に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプの軸方向に
垂直な断面内における角部の接合線が、この断面内にお
ける対角線の交点に向かうことを特徴とする。このた
め、比較的簡単な冶具でパイプ構成部材を拘束できるの
で比較的容易に製造できる。なお、この他に上記角状パ
イプによって奏される作用・効果も同時に奏することは
言うまでもない。
【0023】また、請求項8に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプの軸方向に
垂直な断面内における角部の接合線が、この断面内にお
ける対角線に対して角度を有することを特徴とする。こ
の角状パイプでは、接合線が対角線に対して角度を持つ
ため、接合線が対角線の交点に向かう場合と比較して接
合面積を大きくできる。これによって接合部の継ぎ手強
度が向上する。また接合部における伝熱面積も大きくで
きるので、使用済み燃料が発生する崩壊熱をより効率よ
く外部に放出することができる。なお、この他に上記角
状パイプによって奏される作用・効果も同時に奏するこ
とは言うまでもない。
【0024】また、請求項9に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角
状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプの角部内側
には上記角状パイプの軸方向に向かう溝を設け、さらに
当該溝の断面は少なくとも弧を有する形状とし、且つ上
記接合線がこの弧に接するようにしたことを特徴とす
る。また、請求項10に係る使用済み燃料集合体格納用
角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用角状パイ
プにおいて、さらに、上記溝の断面形状はU字形である
ことを特徴とする。
【0025】この使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
は、角部内側に溝を設けてある。そして、この溝の断面
が有する弧の部分に、パイプ構成部材の接合部における
接合線が接するようになっている。このため、角部にお
ける応力集中を緩和できるので、落下の衝撃や振動に対
して強いバスケットを構成することができる。また、断
面U字状としたことで、溝の開口部を大きくしないで溝
の深さを調整できる。なお、この他に上記角状パイプに
よって奏される作用・効果も同時に奏することは言うま
でもない。
【0026】また、請求項11に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプは、上記使用済み燃料集合体格納用
角状パイプにおいて、さらに、上記角状パイプは、その
側面において上記パイプ構成部材同士を接合してなるこ
とを特徴とする。この使用済み燃料集合体格納用角状パ
イプは、その側面でパイプ構成部材同士を接合するの
で、使用済み燃料集合体を収納するバスケットを構成し
たときに応力の集中する角部に接合継ぎ手部は生じな
い。このため、応力の集中する部分をより堅牢な構造と
することができるので、この角状パイプによって構成し
たバスケットも、より堅牢なものを得ることができる。
また、角状パイプの側面でパイプ構成部材を接合するた
め容易に製造できるので、製造に手間を要しない。
【0027】また、請求項12に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、上記角状パイプを千鳥状に配置
して構成したことを特徴とする。このため、PWR用使
用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体格納用
バスケットを比較的安価で容易に提供できる。また、上
記角状パイプの接合継ぎ手部分においては、靭性劣化等
はほとんど発生しないので、堅牢な構造のバスケットを
得ることができる。
【0028】また、請求項13に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、B−Al材によって作られた部
材の母材であるAlを半溶融状態としてすべての前記部
材同士を接合することで、使用済み燃料集合体が収納さ
れる格子状のセルを構成したことを特徴とする。この使
用済み燃料集合体格納用バスケットは、すべてのバスケ
ット構成材同士を接合し、全体を一体として構成する。
このため、バスケット全体の剛性を非常に高くできるの
で、落下の衝撃や振動に対して、極めて堅牢な構造とす
ることができる。また、全体を一体化しているため、キ
ャスク等への組み込みを容易にできる。なお、バスケッ
ト構成材の長手方向すべてにわたって接合しなくともよ
い。例えば、バスケット構成材の両端のみを接合するよ
うにしてもよい。このようにすると、接合部分を少なく
できるので、バスケットの製造が容易になる。
【0029】また、請求項14に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、上記使用済み燃料集合体格納用
バスケットにおいて、さらに、四個の上記セルで囲まれ
る部分には、当該セルの軸方向に向かって貫通する貫通
孔を設けたことを特徴とする。この使用済み燃料集合体
格納用バスケットは、使用済み燃料集合体を収納する格
子状のセルを有するが、この格子の交差部分に、当該セ
ルの軸方向に向かって貫通する貫通孔を設けてある。こ
の貫通孔によって、斜め隣のセルに向かって透過する中
性子の線量を抑制できる。また、バスケット全体の重量
を軽減できる。
【0030】また、請求項15に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、B−Al材によって作られた複
数の部材同士を、当該部材の母材であるAlを半溶融状
態としてから接合してバスケット構成材とし、さらに複
数の当該バスケット構成材の端部同士を組み合わせて格
子状のセルを構成したことを特徴とする。この使用済み
燃料集合体格納用バスケットは、全体を一体として構成
するのではなく、複数の部材を組み合わせてバスケット
構成材を作り、このバスケット構成材を組み合わせてバ
スケットを構成する。このため、全体の剛性は上記バス
ケットと比較して低下するが、接合部分が低減する結
果、製造の手間を大幅に低減できる。また、バスケット
構成材の単位をある程度大きくとれば、バスケット全体
の剛性も比較的大きくできる。このため、角状パイプを
千鳥状に組み合わせて構成したバスケットよりも堅牢な
バスケットを構成しやすい。なお、B−Al材によって
作られた部材の長手方向すべてにわたって接合しなくと
もよい。例えば、当該部材の両端のみを接合するように
してもよい。このようにすると、接合部分を少なくでき
るので、バスケット構成材の製造が容易になる。
【0031】また、請求項16に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、B−Al材によって作られた複
数の部材同士を、当該部材の母材であるAlを半溶融状
態としてから接合して断面十字状のバスケット構成材と
し、さらに複数の当該バスケット構成材の端部同士を組
み合わせて構成したことを特徴とする。この使用済み燃
料集合体格納用バスケットは、荷重の集中する十字状断
面の交差部分を、母材であるAlを半溶融状態としてか
ら接合している。このため、上記角状パイプを千鳥状に
配置したバスケットと比較して、この部分の強度を高く
できる。したがって、落下の衝撃や振動等に対しても角
状パイプによるバスケットよりも強くできるので、より
堅牢なバスケットを作ることができる。なお、B−Al
材によって作られた部材の長手方向すべてにわたって接
合しなくともよい。例えば、当該部材の両端のみを接合
するようにしてもよい。このようにすると、接合部分を
少なくできるので、断面十字状のバスケット構成材の製
造が容易になる。
【0032】また、請求項17に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、上記使用済み燃料集合体格納用
バスケットにおいて、さらに、上記バスケット構成材の
少なくとも一つの端部を、このバスケット構成材の母材
であるAlを半溶融状態としてから接合し格子状のセル
を構成したことを特徴とする。この使用済み燃料集合体
格納用バスケットは、バスケット構成材の端部同士を接
合して、より大きなバスケット構成材の単位としてバス
ケットを構成する。このため、上記角状パイプを千鳥状
に配置したバスケットと比較して、バスケット全体の剛
性をより高くして、より堅牢なバスケットを構成でき
る。また、バスケット構成材のすべての端部同士を接合
しなくてもよいので、比較的容易にバスケットを製造で
きる。なお、バスケット構成材の長手方向すべてにわた
って接合しなくともよい。例えば、当該バスケット構成
材の両端のみを接合するようにしてもよい。このように
すると、接合部分を少なくできるので、バスケット構成
材の製造が容易になる。
【0033】また、請求項18に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、上記使用済み燃料集合体格納用
バスケットにおいて、さらに、上記断面十字状のバスケ
ット構成材は、その交差部分にこのバスケット構成材を
軸方向に貫く貫通孔を備えていることを特徴とする。こ
の使用済み燃料集合体格納用バスケットは、断面十字状
であるバスケット構成材の交差部分に、このバスケット
構成材の軸方向に向かって貫通する貫通孔を設けてあ
る。この貫通孔によって、斜め隣の使用済み燃料集合体
に向かって透過する中性子の線量を抑制できる。また、
バスケット全体の重量を軽減できる。なお、上記バスケ
ットで奏される作用・効果も同時に奏されることは言う
までもない。
【0034】また、請求項19に係る使用済み燃料集合
体格納用バスケットは、上記使用済み燃料集合体格納用
バスケットにおいて、さらに、上記バスケットの外周部
には、当該バスケットを構成する材料の母材であるAl
を半溶融状態として伝熱板を接合したことを特徴とす
る。この使用済み燃料集合体格納用バスケットは、B−
Al材で構成されたバスケットを半溶融状態として伝熱
板を取り付けている。このため、BやB化合物が凝集す
ることなく接合できるので、靭性劣化を最小限に抑える
ことができる。なお、上記バスケットで奏される作用・
効果も同時に奏されることは言うまでもない。
【0035】この伝熱板は、バスケットの外周部に取り
付けられるものであるが、バスケット外周部のみこの伝
熱板と摩擦攪拌接合によって接合してバスケット構成し
てもよい。このようにすると、バスケット内のセルを構
成する角状パイプやバスケット構成材等を接合しなくと
も、伝熱板によってある程度バスケット全体を拘束する
ことができる。これによって、バスケット全体を移動さ
せる場合、例えば、キャスク本体胴に設けられたキャビ
ティ内にバスケットを設置する場合等には、その作業を
容易にできる。
【0036】また、請求項20に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バ
スケットは、上記使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
または使用済み燃料集合体格納用バスケットにおいて、
上記B−Al材のB含有率は1.5重量%以上7.0重
量%以下であることを特徴とする。このため、十分な中
性子吸収能を発揮させつつ、十分な靭性を確保できる。
また、B含有量が7重量%以下であるので、押出し成形
加工も比較的容易にできるので、寸法の大きい角状パイ
プ構成部材やバスケット構成材を成形しやすい。さら
に、母材であるAlを半溶融状態で接合して角状パイプ
やバスケットを構成しているので、靭性の劣化も最小限
に抑えることができる。
【0037】また、請求項21に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バ
スケットは、上記使用済み燃料集合体格納用角状パイプ
または使用済み燃料集合体格納用バスケットにおいて、
上記B−Al材には少なくとも濃縮ボロンが添加されて
いることを特徴とする。天然ボロンには中性子の吸収に
寄与するB10と中性子の吸収には寄与しないB11があ
る。中性子吸収能を有するB10を濃縮したものを使用す
ると、同じボロンの添加量であれば天然ボロンをそのま
ま使用した場合と比較してB10が多くなる分だけ中性子
吸収能は高くできる。この使用済み燃料集合体格納用角
状パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バスケットに
おいては、B−Al材にこの濃縮ボロンを使用してい
る。このため、天然ボロンをそのまま使用した場合より
も薄い板厚の角状パイプあるいはバスケット構成材で、
同じ中性子吸収能を得ることができるので、バスケット
をより軽量かつコンパクトにできる。また、その分必要
なキャスク胴本体のキャビティ空間を小さくできるの
で、胴本体をコンパクトにできる。
【0038】また、請求項22に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、B
−Al材で作られた複数の部材同士を、当該部材の母材
であるAlを半溶融状態として接合することを特徴とす
る。この接合においては、母材を溶融して接合する溶接
と異なり、母材であるAlはシャーベット状の半溶融状
態になってから接合する。このため、接合部の熱歪が小
さく、接合後における修正の手間も少なくてすむので製
造に手間を要さない。また、母材であるAlが半溶融状
態となって接合するので、分散粒子であるBやB化合物
は凝固の際にほとんど凝集しない。これによって、接合
継ぎ手部においてはもとの材料とほとんど変わらない靭
性および中性子吸収能を維持した角状パイプを製造でき
る。その結果、複数の部材を接合して角状パイプを製造
できるので、これまで押出し成形が困難であったB−A
l材でも、寸法の大きな角状パイプや、断面形状の複雑
な角状パイプも製造できる。
【0039】また、請求項23に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、B
−Al材で作られた複数の部材同士を摩擦攪拌接合によ
って接合することを特徴とする。この製造方法において
は、材料を溶融させないで接合する摩擦攪拌接合によっ
てB−Al材のパイプ構成部材同士を接合する。このた
め、角状パイプの継ぎ手部においては、もとの材料とほ
とんど変わらない靭性および中性子吸収能を維持でき
る。これによって、これまで押出し成形が困難であった
寸法の大きい粉体焼結B−Al角状パイプ等を、複数の
部材を接合することで製造できる。また、熱変形も小さ
いため、接合後の修正も軽微であり、製造の手間も軽減
できる。
【0040】また、請求項24に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、B
−Al材で作られた複数の部材同士を接合して使用済み
燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケットを製造す
るにあたり、前記部材の接合面と作業面とのなす角度が
90度よりも大きい場合には、円錐状の胴部先端に円筒
状の攪拌子を備えた接合ツールによって摩擦攪拌接合す
ることを特徴とする。摩擦攪拌接合は、作業面が平面に
なっていないと接合しにくい。このため、作業面が谷状
になっている場合には摩擦攪拌接合は適用しにくかっ
た。このため、例えば図16(a)に示す角状パイプ1
6のような物は製造困難であった。しかし、この使用済
み燃料集合体格納用角状パイプ等の製造方法は、円錐状
の胴部を備えた接合ツールを使用することによって、作
業面が谷状であっても接合できる。これによって、段部
を設けることによって複雑な形状になった角状パイプも
製造できる。
【0041】また、請求項25に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、さ
らに、接合対象である上記部材同士の接合部であって、
胴部と攪拌子とからなる接合ツールの前記胴部が接する
側とは反対側に、Al用ろう材またはAl材を配置し
て、前記接合部を摩擦攪拌接合することを特徴とする。
【0042】摩擦攪拌接合時においては変形を抑えるた
めに、接合対象である部材同士をバックアップ冶具で支
え、バックアップ冶具の反対側から接合ツールで摩擦攪
拌接合する。このため、接合ツールの攪拌子とバックア
ップ冶具との干渉を避けるために、接合対象の部材厚さ
よりも接合ツールの攪拌子長さをやや短くする。したが
って、接合ツールの攪拌子先端近傍、すなわち接合ツー
ルの胴部と反対側における部材は、接合線が生ずる場合
がある。この製造方法では、接合対象である部材同士を
突き合わせた接合部であって、摩擦攪拌接合用の接合ツ
ールの胴部が接する側とは反対側に、Al用ろう材等を
配置して、摩擦攪拌接合する。摩擦攪拌接合の際には、
このAl用ろう材が半溶融状態となったAl母材と一体
となるので、バックアップ冶具側における部材に発生す
る接合線を低減できる。その結果、より健全な接合部を
得ることができるので、この方法によって製造される角
状パイプや使用済み燃料集合体格納用バスケットもより
堅牢なものを得ることができる。なお、この場合には不
活性ガス雰囲気中、特にアルゴンガス雰囲気中で接合す
ると、接合部の酸化を低減できるので、より健全な接合
部を得ることができるので好ましい。
【0043】また、請求項26に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、上
記使用済み燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケッ
トの製造方法において、さらに、上記部材は、粉体冶金
法または溶製法によって中性子吸収に対する有効元素で
あるB、および他の有効元素をAl母材中に分散含有さ
せたB−Alのビレット材を押出し成形加工したことを
特徴とする。
【0044】この製造方法では、粉体冶金や溶製法によ
って中性子吸収に対する有効元素であるB、および強度
付与に対する有効元素をAl母材中へ均一に分散させた
ビレット材を押出し成形した部材同士を、その母材であ
るAlが半溶融の状態で接合する。このため、一般の溶
融池を生ずる溶接と異なり、Bその他の有効元素が母材
中へ均一に分散した状態を保ったまま接合できる。した
がって、もとの材料の持つ特性を変化させないで接合が
できるので、難押出し材であっても押出し成形可能な大
きさの部材を接合することで、より大きな使用済み燃料
集合体格納用の角状パイプやバスケットを組み立てるこ
とができる。
【0045】また、請求項27に係る使用済み燃料集合
体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法は、上
記使用済み燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケッ
トの製造方法において、さらに、上記他の有効元素はT
i、Zr、またはFeのうち少なくとも一つであること
を特徴とする。
【0046】この製造方法では、高強度化に寄与する有
効元素としてTi、Zr、またはFeのうち少なくとも
一つを粉体冶金や溶製法によってAl母材中へ均一に分
散させたビレット材を押出し成形した部材同士を、その
母材であるAlが半溶融の状態で接合する。このため、
一般の溶融池を生ずる溶接と異なり、Bその他の有効元
素が母材中へ均一に分散した状態を保ったまま接合でき
る。したがって、もとの材料の持つ高強度特性を変化さ
せないで接合ができる。このため、上記元素を分散させ
た強度の高い難押出し材であっても、押出し成形可能な
大きさの部材を接合することで、より大きな使用済み燃
料集合体格納用の角状パイプやバスケットを組み立てる
ことができる。なお、上記Ti、Zr、またはFeは、
高強度付与のためAlまたはAl合金中へ積極的に添加
するものであり、Al合金製造中に自然に混入する不純
物とは異なる。
【0047】また、請求項28に係る放射性物質格納容
器は、上記使用済み燃料集合体格納用バスケットの外形
に放射性物質格納容器本体のキャビティ内形状を合わせ
て当該バスケットを挿入し、前記格子内に使用済み燃料
集合体を収納することを特徴とする。この放射性物質格
納容器は、上記バスケットを収納しているので、PWR
用使用済み燃料集合体を収納するキャスク等を比較的安
価で容易に提供できる。また、上記バスケットは堅牢な
構造であるので、衝撃や振動に強いキャスク等を提供で
きる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。また、下記実施の形
態における構成要素には、当業者が容易に想定できるも
の或いは実質的に同一のものが含まれるものとする。
【0049】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態1に係る角状パイプの軸方向に垂直な断面を表し
た断面図である。この角状パイプは、複数の粉体焼結B
−Al押出し材を摩擦攪拌接合(FSW:Friction Sti
r Welding)によって接合し、且つ角状パイプの中心部
に接合線が向かっている点に特徴がある。なお、以下に
説明する角状パイプおよび使用済み燃料集合体格納用バ
スケットは主としてキャスクに使用するものであるが、
これに限定されるものではない。キャスクの他キャニス
タや使用済み燃料貯蔵プールのラックにも使用できる。
【0050】角状パイプ10は、粉体焼結B−Alのビ
レット材を押出し加工によってパイプ構成部材である板
状材100(図1(b)参照)に成形し、この板状材1
00同士を摩擦攪拌接合によって接合して組み立てられ
ている。なお、パイプ構成部材の製造方法については後
述する。ここで、この角状パイプ10の側壁には、中性
子の透過を抑制するために、角状パイプ10の軸方向に
貫くフラックストラップ10cが設けられている。この
フラックストラップ10cは、1側壁につき2室設けら
れているがこれに限定されるものではなく3室や4室と
してもよい。ここでは、現状における使用済み燃料の寸
法から、2室構造としてある。
【0051】つぎに板状材100の接合手順を説明す
る。図2は、板状材を摩擦攪拌接合によって接合する様
子を示す説明図である。板状材100は冶具200によ
って固定されており、両者の接合面同士が突合わされて
いる。また、板状材100の内壁側はバックアップ冶具
201によって支えられており、接合時の変形を抑える
ようになっている。
【0052】ここで、この角状パイプ10においては接
合面に垂直な面、すなわち斜め隣の角状パイプと当接す
る面10a(図1(a)参照)を作業面というものとす
る。なお、作業面は、つぎに説明する接合ツール210
の胴部212と接触する面である(以下同様)。そし
て、この角状パイプ10においては、接合面と作業面と
のなす角度θが90度となっている。図3は、摩擦攪拌
接合に使用する接合ツールを示す説明図である。接合ツ
ール210は、胴部212と攪拌子214とで構成され
ている。そして、胴部212をモータ等(図示せず)に
よって回転させることによって、攪拌子214も胴部2
12とともに回転する。攪拌子214の有効長さx(図
3(b)参照)は接合深さに応じて任意に選択すること
ができ、この例では板状材100同士の接合部における
厚さh(図1(a)参照)よりやや長い程度である。た
だし、この場合には、接合ツール210の移動とともに
バックアップ冶具201が移動するか、バックアップ冶
具210と板状材100との間に攪拌子214が突き出
る隙間を設けておく必要がある。
【0053】接合ツール210を回転させながら板状材
100の接合部100aに押し込んでいくと、摩擦によ
って板状材100の温度が上昇する。そして、板状材1
00の温度が約400℃まで上昇すると板状材100の
内部組織は変形抵抗を失う。この状態になると、接合ツ
ール210の胴部212および攪拌子214の回転方向
に合わせて塑性流動が起こり、板状材100同士の組織
が攪拌される。このとき、B−Alの板状材100は塑
性流動を生ずるものの、溶解はしていない。接合ツール
210による組織の攪拌が終了して板状材100の接合
部100aが冷却すると、攪拌された組織が一体化して
摩擦攪拌接合による接合が終了する。
【0054】このようにして二枚の板状材100同士を
摩擦攪拌接合によって接合し、L字状の部材100bを
製造する。つぎに、冶具202によってL字状の部材1
00b同士を向かい合わせて固定する。そして、接合ツ
ール210によって、L字状の部材100bの接合部1
00aを摩擦攪拌接合によって接合する(図2(b)参
照)。この接合部100aを接合したら、一旦冶具20
2からL字状の部材100bを取り外し、まだ接合して
いない方の接合部100aを接合ツール210側に向け
て冶具202に固定する。この後は、同様の手順によっ
て接合部100aを接合ツール210によって接合し、
角状パイプ10(図1参照)が完成する。なお、この角
状パイプ10を千鳥状に配置してバスケットを構成する
ときに、斜め隣の角状パイプと当接する面10a(図1
(a)参照)は、仕上がり具合に応じて切削加工等によ
って仕上げてもよい。
【0055】図4は、板状材を摩擦攪拌接合によって接
合する他の方法を示す説明図である。この接合方法は、
接合対象である部材同士を突き合わせた接合部であっ
て、摩擦攪拌接合用の接合ツールの胴部が接する側とは
反対側に、Al用ろう材等を配置して、摩擦攪拌接合す
る点に特徴がある。図4(a)に示すように、摩擦攪拌
接合時においては接合対象の変形を抑えるために、接合
対象である板状材100同士をバックアップ201冶具
で支え、バックアップ冶具201の反対側から接合ツー
ル210で摩擦攪拌接合する。このため、接合ツール2
10の攪拌子214とバックアップ冶具との干渉を避け
るために、接合対象の接合深さhよりも接合ツール21
0の攪拌子214の長さxをやや短くする。これによっ
て、攪拌子214の先端近傍、すなわち接合ツール21
0の胴部212と反対側における板状材100の接合部
分は、h−xだけ攪拌子214が到達しない部分が生ず
る。このため、Al母材が十分に攪拌されず接合線が生
ずる場合がある。
【0056】この接合方法においては、図4(a)に示
すように、板状材100は接合面同士が突合わされる形
で、冶具200およびバックアップ冶具201によって
固定されている。そして、接合ツール210の胴部21
2が接する板状材100の面10a、すなわち作業面で
ある面10a側とは反対側の接合部に、箔状のAl用ろ
う材150が二枚の板状材100で挟み込まれて配置さ
れている(図4(a))。
【0057】配置の方法は、図4(a)に示すように板
状材100の接合面で挟み込む方法や、同図(c)に示
すようにバックアップ冶具201と板状材100との間
にAl用ろう材151を配置する方法がある。また、図
示はしないが、図4(a)および(b)に示したAl用
ろう材150の位置に、粉末状にしたAl用ろう材をバ
インダ等に溶いて塗工してもよい。また、この例におい
ては箔状のAl用ろう材150を用いたが、Al用ろう
材の形状はこれに限定されるものではなく、例えば線状
のAl用ろう材も使用できる。さらに、Al用ろう材1
50等の代わりに、Alシート、Al箔、Al線あるい
はAl粉を使用することもできる。
【0058】接合ツール210によって摩擦攪拌接合を
開始すると、摩擦熱によってAl用ろう材の箔150も
板状材100のAl母材とともにシャーベット状になっ
てAl母材と一体になる。なお、接合ツールは図4
(b)に示す矢印Z方向に進む。Al用ろう材150を
使用しない場合には、摩擦攪拌接合が終了すると二枚の
板状材100で構成された角部内側10bには接合線が
残ることがあった。しかし、この製造方法によれば、A
l用ろう材150が接合時にシャーベット状となって板
状材100の母材と一体となって接合線を塞ぐので、バ
ックアップ冶具210側である角部内側10bには接合
線がほとんど発生しなくなる。
【0059】その結果、接合線が少ない健全性の高い角
状パイプ10(図1参照)を得ることができる。また、
後述するように、複数の部材を組み合わせて使用済み燃
料集合体を収納するバスケットを作ることもできるが、
その際にこの接合方法を適用すれば、溶接船の少ない堅
牢なバスケットを作ることができる。また、攪拌子21
4の長さxが接合対象の板状材100の接合深さhより
も小さいので、接合ツール210の回転トルクも少なく
でき、送り速度も速くできる。その結果、より少ないエ
ネルギーで高速に接合できる。さらに、攪拌子214は
二枚の板状材100で構成された角部内側10bの内側
へ突き出ることはない。このため、バックアップ冶具2
01の角部外形を当該角部内側10bの形状と合わせ
て、寸法精度を高くすることができる。これによって、
接合後の機械加工が不要になるので、角状パイプ10を
製造する手間を軽減できる。なお、この接合方法を適用
する場合には、不活性ガス雰囲気中、特にアルゴンガス
雰囲気中で接合すると、接合部100aの酸化を低減で
きるので、より健全な接合部100aを得ることができ
るので好ましい。
【0060】B−Al合金は、硬度の高いB化合物を含
むため、押出し加工によって上記角状パイプ10を製造
すると、押出しダイスが摩耗しやすく、長い距離を押出
した場合には押出し初期と同程度の寸法精度を保つこと
が困難である。また、押出しに要する推力も硬度の高い
B化合物を使用する分だけ大きくなる。特に、加工対象
である角状パイプ10の寸法が大きくなると押出しダイ
スの表面積が大きくなるので、押出し加工に要する推力
はより大きくなる。これらの理由から、製品の寸法が大
きくなるほど押出し加工は困難になる。
【0061】この発明の実施の形態1に係る角状パイプ
10は、複数のB−Al板材を摩擦攪拌接合によって接
合する。押出し加工による製造が困難になる程角状パイ
プ10の寸法が大きくなっても、角状パイプ10を構成
する板状材100は押出し加工によって製造できる。し
たがって、この方法によれば、寸法が大きく、ビレット
の押出し加工によっては製造ができない角状パイプ10
であっても製造できる。
【0062】また、この角状パイプ10はB−Alの粉
体焼結ビレットを押出し成形した成形体で作られている
が、粉体焼結材同士の結合においては母材であるAlを
溶かさないで成形することが重要である。ここで、一般
に溶融池ができる溶接は母材同士を溶かして接合するた
め、B−Alの粉体焼結材に適用すると、凝固の際に母
材中に分散しているBやB化合物が凝集してしまう。こ
のため、溶接継ぎ手部は、BやB化合物等の均一な分散
によって得られていたもとの材料が持つ性質が変化して
しまう。その結果、中性子吸収能および機械的強度(特
に靭性)が低下して、使用済み燃料集合体を収納する部
材としての性能を発揮できなくなってしまう。そして、
溶製法によって製造したビレットを押出し成形した部材
でも同様の問題を有している。
【0063】ここで、摩擦攪拌接合は摩擦熱によって接
合対象である母材の組織内部を攪拌して一体化させるこ
とで、母材同士を接合する。このように、母材を溶かさ
ず、半溶融状態で接合するため、一般的な溶融池を生ず
る溶接とは異なり、熱影響による接合部周辺の強度低下
が極めて小さいという特長がある。したがって、摩擦攪
拌接合においては接合継ぎ手部の機械的性質はほとんど
変化しない。このため、B−Alの粉体焼結材を接合し
ても、接合継ぎ手部における中性子吸収能および機械的
性質は母材とほとんど変化しない。したがって、板状材
100を接合して角状パイプ10を製造しても、使用済
み燃料集合体を収納する部材としての性能はほとんど変
化しない。
【0064】さらに、摩擦攪拌接合では母材の融点より
も低い温度で接合するため、母材の融点以上まで加熱す
る溶接とは異なり、熱の影響を小さくできる。このた
め、熱変形を非常に小さくできる。ここで、使用済み燃
料集合体を収納する角状パイプ10は、軸方向に垂直な
断面寸法に対して軸方向に平行な方向の寸法が極めて大
きい物である。このような物を一般的な溶融池を生ずる
溶接によって接合すると、軸方向に対して反ってしまう
が、摩擦攪拌接合によればこのような変形はほとんど発
生しない。板状材100を摩擦攪拌接合によって接合し
角状パイプ10を製造した場合には、寸法精度の高い角
状パイプ10を製造できるので、接合後の修正をほとん
ど要さず、製造の手間を低減できる。
【0065】粉体焼結B−Al材の場合でも、溶製法に
よるB−Al材の場合でも、上述した作用・効果は奏す
る。ここで、粉体焼結B−Al材は母材であるAlを溶
かさないで製造するものであり、溶製法と比較してより
多くのB等の分散粒子を均一に母材中へ分散させること
ができる。このため、溶融に起因するB等の凝集による
性能劣化は、溶製法によるものよりも、より顕著に表れ
ることになる。溶融池を作らずに母材を半溶融の状態で
接合できる摩擦攪拌接合であれば、加熱あるいは溶融に
よる性能劣化を最小限に抑えて接合できる。したがっ
て、性能劣化を抑える効果も、粉体焼結B−Al材の方
が溶製法によるB−Al材より大きく表れる。このよう
に、母材を半溶融状態で接合できる摩擦攪拌接合は、粉
体焼結B−Al材の接合に適するものである。
【0066】なお、板状材100の接合には摩擦攪拌接
合が好適であるが、この他にも接合部100aを溶かさ
ないで、半溶融状態で接合できる方法であれば、B−A
l成形材の性質を損なわずに角状パイプ10を組み立て
ることができる。このような接合方法としては、例え
ば、先行するレーザーヘッドによって攪拌子214の直
前にレーザーを照射し、母材であるAlを半溶融直前の
状態にして、その後を攪拌子214によって攪拌接合す
る方法がある。この場合には、レーザーを照射しない場
合よりも攪拌子の送り速度を高速にできるので、より短
時間で製品を製造することができる。
【0067】また、上記説明においては、複数の板状材
100の長手方向すべてにわたり、摩擦攪拌接合によっ
て接合することで角状パイプ10を構成していた。ここ
で、角状パイプ10は内部に崩壊熱を発生する使用済み
燃料集合体を収納するため、角状パイプ10にはこの崩
壊熱を効率よく外部に伝える伝熱性能が要求される。ま
た、落下の衝撃等に耐え得るだけの強度も角状パイプ1
0には要求される。このような伝熱性能および強度が十
分許容されるのであれば、板状材100の長手方向すべ
てにわたって接合する必要はなく、例えば一定間隔をあ
けて短い接合長さの摩擦攪拌接合を繰り返す、いわゆる
タップ接合としてもよい。さらには、タップ接合の一例
として、板状材100の両端のみを摩擦攪拌接合によっ
て接合してもよい。以下の例でも同様である。
【0068】(第一変形例)図5は、実施の形態1の第
一変形例に係る角状パイプを示す断面図である。この変
形例に係る角状パイプ11は、実施の形態1に係る上記
角状パイプ10(図1参照)と略同様であるが、角状パ
イプ11の内側角部11cに、角状パイプ11の軸方向
に向かうU字状の溝11aを設けた点に特徴がある。そ
の他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略
するとともに、同一の構成要素には同一の符号を付す
る。
【0069】図5(c)に示すように、板状材101の
接合部101aは、その角部内側に軸方向へ向かう溝1
01cが形成されている。そして、複数の板状材101
を組み合わせて角状パイプ11を構成すると、角状パイ
プ11の角部内側には軸方向に向かう溝11aが形成さ
れる(図5(a)および(b)参照)。ここで、軸方向
とは図5の紙面に垂直な方向である。なお、板状材10
1同士は摩擦攪拌接合によって接合されるが、この接合
方法については実施の形態1に示した方法がそのまま適
用できるので、説明を省略する。
【0070】接合ツール210の攪拌子214の長さx
(図3(b)参照)が十分に確保できない場合には、板
状材101の接合部101aに接合されない部分(図5
(d)中A)が発生する。そして、接合されない部分と
接合部分との境目に応力集中が生じて、角状パイプ11
の損傷を招くおそれがある。この角状パイプ11では、
図5(a)および(b)に示すように、内側角部11c
に形成されているU字状の溝11aの内側まで接合され
るようになっている。このため、U字状の溝11aの曲
面部で角状パイプ11の角部に生ずる応力集中を緩和で
きる。これによって、角状パイプ11が損傷等する危険
性を低減して、健全な角状パイプ11を提供できる。な
お、この溝11aの断面は少なくとも弧を有する形状で
あって、且つ上記接合線がこの弧に接するようにしてあ
ればよい。
【0071】角状パイプ11内部に収納される使用済み
燃料集合体が発生する崩壊熱は、角状パイプ11を伝わ
って、キャスク等(図示せず)の外部へ放出される。こ
のため、角状パイプ11は、できるだけ伝熱性能を高く
する必要がある。ここで、角状パイプ11の接合部にお
ける伝熱性能は、接合部の面積が大きい方が高くなる。
このため、接合部の伝熱性能をできるだけ低下させない
ように、U字状の溝11aの深さh−h1(図5
(b))は、接合ツール210の攪拌子214(図3
(b))の長さが確保できる範囲で、できるだけ小さく
することが望ましい。
【0072】(第二変形例)図6は、実施の形態1の第
二変形例に係る角状パイプを示す断面図である。この変
形例に係る角状パイプ12は、実施の形態1に係る上記
角状パイプ10等(図1等参照)と略同様であるが、軸
方向に垂直な断面がL字状のL形部材102を2個摩擦
攪拌接合によって接合して構成する点が異なる。その他
の構成は実施の形態1と同様なのでその説明を省略する
とともに、同一の構成要素には同一の符号を付する。
【0073】図6(a)に示すように、角状パイプ12
は、L形部材102の接合部102a同士が摩擦攪拌接
合によって接合されて製造されている。また、図6
(b)に示すように、軸方向に垂直な断面がコの字形状
をした部材102bと、板状の部材102cとを組み合
わせて、角状パイプ12aが構成されている。これらの
角状パイプ12および12aは、実施の形態1に係る角
状パイプ10(図1参照)と比較して接合部が半分にな
るため、それだけ容易に製造できる。また、強度も接合
部が少ない分だけ高くできるので、バスケットを組み立
てた場合にはより堅牢なバスケットを構成することがで
きる。なお、実施の形態1に係る角状パイプ10と比較
して部品の分割数が少ないため、角状パイプの寸法が比
較的小さい場合に適する。
【0074】なお、第一変形例に係る角状パイプ11
(図5参照)のように、角状パイプ12等の内側角部で
あって、L形部材102等を接合する部分に、角状パイ
プ12等の軸方向に向かう断面U字状の溝部を設けても
よい。このようにすると、接合部の応力集中を低減して
より堅牢な角状パイプを製造できるので、より落下等の
衝撃に強い堅牢なバスケットを構成できる。
【0075】(実施の形態2)図7は、この発明の実施
の形態2に係る角状パイプを示す断面図である。この角
状パイプ13は、パイプ構成部材である複数の板状材1
03を摩擦攪拌接合によって接合し、且つ角部外側に斜
め隣の角状パイプとかみ合う段部13aを備えている点
に特徴がある。つぎに、この角状パイプ13の製造方法
について説明する。図7に示すように、この角状パイプ
13は短手方向の両端が階段状に形成された板状材10
3を4枚組み合わせて、接合部103aを摩擦攪拌接合
によって接合することで構成されている。
【0076】図8は、実施の形態2に係る角状パイプの
製造方法を示す説明図である。同図に示すように、冶具
203によって板状材103の接合面同士が付き合わさ
れるように固定し、さらに板状材103の内側からはバ
ックアップ冶具204によって接合時の変形を抑えるよ
うになっている。つぎに、接合ツール210を回転させ
ながら板状材103の接合部103a(図7(a))に
押し込んで、板状材103同士を接合する。接合が終了
したら冶具203およびバックアップ冶具204から接
合した板状材103を取り外し、90度向きを変えて同
様にもう一つの板状材103を接合する。そして、4枚
の板状材103を接合して、角状パイプ13が完成す
る。なお、板状材103の長手方向すべてにわたって接
合しなくともよく、例えば板状材103の両端のみを接
合して角状パイプ13を構成してもよい。このようにす
ると、接合部分が少なくなるのでより容易に角状パイプ
13を製造できる(以下同様)。
【0077】図9は、この角状パイプを千鳥状に配列し
て、使用済み燃料集合体を収納するバスケットを組み立
てた状態を示す説明図である。また、図10は、実施の
形態2に係る角状パイプを主としてBWR使用済み燃料
集合体を収納するバスケットに適用した例を示す説明図
である。図9および10に示すように、このバスケット
50および50'を構成する角状パイプ13および13'
は、これらの角部に形成された段部13aおよび13
a'が、斜め隣に配置されている角状パイプ13等の角
部に形成された段部13a等とかみ合うように配置され
る。このため、組み立てが容易で、また、角状パイプ1
3等同士の動きがお互いに拘束されるのでバスケット5
0等全体も堅牢になり、衝撃に強い信頼性の高いバスケ
ット50等を構成できる。
【0078】また、隣り合う角状パイプ13等同士の角
部が接する面積は、段部13a等がない場合よりも大き
くできるので、角状パイプ13等同士の伝熱面積を大き
くできる。これによってバスケット50等全体の伝熱性
能を高くできるので、より効率的に使用済み燃料の崩壊
熱をバスケット50等の外部へ逃がすことができる。ま
た、バスケット50の外周には伝熱板50aが設けられ
ているが、この伝熱板50aを摩擦攪拌接合によってバ
スケット50に接合してもよい。このようにするとより
伝熱性能が向上するので好ましい。なお、伝熱性能が十
分担保できる場合には、接合しなくともよい(以下同
様)。
【0079】さらに、バスケット50等を構成する場合
には、角状パイプ13等の両端部のみを摩擦攪拌接合に
よって接合してもよい。このようにすると、角状パイプ
13等の動きが拘束されるので、バスケット50等を組
み立てやすくなる。また、両端部のみの接合なので、接
合作業も比較的容易である。また、上記伝熱板50aに
よって、バスケット50等の外周部のみ摩擦攪拌接合し
てバスケット50等を構成してもよい。このようにする
と、外周部で内部の角状パイプ13等をある程度拘束で
きるので、組み立てが容易になる。また、キャスク本体
胴のキャビティ内にバスケット50等を設置する作業も
容易にできる。以下の例においても同様である。
【0080】(第一変形例)図11は、実施の形態2の
第一変形例に係る角状パイプを示す断面図である。この
角状パイプ14は、軸方向に垂直な断面内において、板
状材104同士の接合線104aがこの断面内における
対角線の交点に対して角度βを有している。そして、角
状パイプ14の角部には、角状パイプ14を千鳥状に配
置した際に斜め隣に配置される角状パイプ14の角部を
係止する段部14aが形成されている点に特徴がある。
この角状パイプ14の角部に形成される平面(作業面)
と接合線104aとのなす角θは90度である点で、実
施の形態1に係る角状パイプ10(図1参照)と共通す
る。このため、この角状パイプ14は実施の形態1に係
る角状パイプ10と同様の製造方法で製造できるので、
角状パイプ14の製造方法についてはその説明を省略す
る。
【0081】図12は、この角状パイプを千鳥状に配列
して、使用済み燃料集合体を収納するバスケットを組み
立てた状態を示す説明図である。同図に示すように、こ
のバスケット51は、千鳥状に配置された角状パイプ1
4の角部同士が当接している。さらに一方の角状パイプ
14の角部に設けられた段部14aによって、もう一方
の角状パイプ14の動きを規制する。このように、段部
14aによって角状パイプ14の動きを規制できるの
で、落下等の衝撃による角状パイプ14のずれを抑える
ことができる。これによって、信頼性の高いバスケット
51を構成することができる。なおBWR用の使用済み
燃料集合体を収納するときにも同様バスケット構成をと
ることができる。なお、この角状パイプ14は、実施の
形態1に係る角状パイプ10(図1(a)参照)とは異
なり、軸方向に垂直な断面内において、接合線(図11
(a)中104aが示す線)は対角線(図11(a)中
の一点鎖線)と一定の角度βをなしている。
【0082】(第二変形例)図13は、実施の形態2の
第二変形例に係る角状パイプを示す断面図である。この
角状パイプ15は、上記第二変形例に係る角状パイプと
略同様の構成であるが、斜め隣に配置された角状パイプ
15の角部を係止する段部15aを複数設けた点が異な
る。その他の構成は上記第一変形例と同様なのでその説
明を省略するとともに、同一の構成要素には同一の符号
を付する。
【0083】図14は、この角状パイプを千鳥状に配列
して、使用済み燃料集合体を収納するバスケットを組み
立てた状態を示す説明図である。同図に示すように、こ
のバスケット52は、千鳥状に配置された角状パイプ1
5の角部同士が当接している。さらに一方の角状パイプ
15の角部に設けられた二つの段部15aによって、も
う一方の角状パイプ15の動きを規制する。このよう
に、複数(この例では二つ)の段部15aによって角状
パイプ15の動きを規制できるので、XおよびY方向に
対して角状パイプ15の動きを規制できる。このため、
上記第一変形例に係る角状パイプ14よりも、落下等の
衝撃によるずれをさらに抑えることができる。これによ
って、さらに信頼性の高いバスケット52を構成するこ
とができる。また、XおよびY方向に対して角状パイプ
15の動きを規制できるので、バスケット52の組み立
てもより容易になる。
【0084】図15は、主としてBWR用の使用済み燃
料集合体を収納するバスケットに第二変形例に係る角状
パイプを適用した例を示す説明図である。この図に示す
ように、BWR用の使用済み燃料であっても、この変形
例に係る角状パイプを適用できる。このときには、フラ
ックストラップ15b(図13(a)参照)が不要にな
るので、図15に示すような角状パイプ15'となる。
この場合も、落下等の衝撃によるずれを抑えた堅牢なバ
スケット52'を提供できる。なお、このバスケット5
2'は、設計次第でPWRに使用することも可能であ
る。
【0085】(第三変形例)図16は、実施の形態2の
第三変形例に係る角状パイプを示す断面図である。この
角状パイプ16は、複数の板状材を摩擦攪拌接合によっ
て接合し、且つ角部外側に斜め隣の角状パイプとかみ合
う段部16aを複数段備えている。さらに、この角状パ
イプ16の軸方向に垂直な断面内における角部の接合線
が同じ断面内における対角線と角度β1をもって傾いて
いる点に特徴がある。つぎに、この角状パイプ16の製
造方法について説明する。図17は、実施の形態2の第
三変形例に係る角状パイプの製造方法を示す説明図であ
る。
【0086】この角状パイプ16は、軸方向に垂直な断
面内における角部の接合線が、当該断面内における対角
線と一定の角度を持っており、且つ角部には段部16a
が複数設けられている。そして、この段部16aによっ
て角部には谷状の部分が存在し平面が構成されないた
め、これまで説明した角状パイプを接合した接合ツール
210(図3参照)は使用できない。このため、図17
(c)に示すような接合ツール211を使用する。この
接合ツール211は、胴部213の円錐状をした頂部に
攪拌子215が設けられている。なお、この接合ツール
211は、作業面が谷状をしている対象物に対して摩擦
攪拌接合する際に適用するものである。
【0087】この胴部213の角度αは、角状パイプ1
6の角部における角度βと略等しくしてある。これによ
って、接合ツール211の胴部213が板状材106と
接触して摩擦熱を発生し、接合ツール211を板状材1
06の長手方向へ押し込むことで摩擦攪拌接合が進行す
る。そして、4枚の板状材106を接合して、角状パイ
プ16を製造する。ここで、この角状パイプ16は、実
施の形態1に係る角状パイプ10(図1(a)参照)と
は異なり、軸方向に垂直な断面内における角部の接合線
16bの向かう方向が、当該断面内における対角線16
cに対して角度β1をもっている(図16(a)参
照)。このように、角度β1を持たせることで、板状材
106同士の接合面における面積をより大きくできる。
そして、この接合面の面積が大きいとそれだけ接合強度
を大きくでき、また伝熱面積も大きくできるのでより好
ましい。なお、接合線16bの向かう方向は、板状材1
06の短手方向における端部形状によって角状パイプ1
6の軸方向に垂直な断面内における対角線16cと一致
させることもできる。
【0088】図18は、実施の形態2の第三変形例に係
るバスケットを示す説明図である。このバスケット53
は、角状パイプ16の角部に設けられた段部16aが、
斜め隣に配置された角状パイプ16の段部とかみ合って
いる。角部に設けられた段部16aは複数(この例では
三個)であるので、段部が二個ある実施の形態2に係る
バスケット52(図14参照)と比較して、角部の接触
面積を大きくできる。これによって、伝熱面積を大きく
できるので、より効率的に使用済み燃料の崩壊熱を外部
に伝えることができる。また、角状パイプ16同士は複
数の段部でかみ合っているので、一段の段部でかみ合う
よりもずれに対して強い。このため、角状パイプ16を
所定の位置に保ちやすくなるので、より堅牢なバスケッ
トを提供できる。図19は、実施の形態2の第三変形例
に係る角状パイプをバスケットに適用した他の例を示す
説明図である。この図に示すように、BWR用の使用済
み燃料であっても、この変形例に係る角状パイプを適用
できる。
【0089】上記角状パイプ16の角部に形成された段
部の角度βは鋭角であるが、βの大きさはこれに限定さ
れるものではない。図20は、実施の形態2の第三変形
例に係る角状パイプの他の例を示す断面図である。同図
に示すように、例えば、角状パイプ16eのように、角
部の角度βを直角にしてもよいし、あるいは同図(b)
に示す角状パイプ16fのように鈍角としてもよい。β
を鈍角にするには、接合ツール211の胴部213の角
度α(図17(c)参照)を鈍角にして接合すればよ
い。また、胴部213の角度αは鋭角として、摩擦攪拌
接合による接合後に切削加工等によって成形してもよ
い。
【0090】図21は、実施の形態2の第三変形例に係
る他のバスケットを示す説明図である。なお、この図は
βが直角である場合の角状パイプ16eによってバスケ
ット53eを構成したものである。βを直角または鈍角
にすると、βが鋭角の場合よりも角状パイプ16e等の
ずれに対してやや弱くなる。しかし、バスケット53e
を組み立てやすくなるので、バスケット53eの生産性
を向上できる。また、図22は、実施の形態2の第三変
形例に係る角状パイプをバスケットに適用した他の例を
示す説明図である。この図に示すように、BWR用の使
用済み燃料であっても、この変形例に係る角状パイプを
適用できる。
【0091】(実施の形態3)図23は、この発明の実
施の形態3に係る角状パイプを示す断面図である。この
角状パイプ17は、角状パイプ17を構成する複数のL
形部材107を、当該角状パイプ17の側面において摩
擦攪拌接合によって接合する点に特徴がある。図24
は、実施の形態3に係る角状パイプの製造方法を示した
説明図である。この角状パイプ17は、軸方向に垂直な
断面がL字形状をしたL形部材107を4個組み合わせ
て、接合部107aを摩擦攪拌接合によって接合するこ
とで構成されている。なお、この角状パイプ17は、角
部に平面が形成された形状を例にとって説明するが、角
部形状はこれに限定されるものではない。上記実施の形
態1および2で説明した角状パイプの形状が適用でき
る。
【0092】冶具205によって、2個のL形部材10
7が両者の接合部107a(図24(b)参照)同士を
突き合わせて固定されている。また、L形部材107の
内壁側はバックアップ部材206によって支えられてお
り、接合時の変形を抑えるようになっている。つぎに、
接合ツール210を回転させながらL形部材107の接
合部107aに押し込んでいき、L形部材107同士を
接合する。
【0093】つぎに、冶具205によって、2個のL形
部材107を接合して製造したコの字状の部材を、その
開口部側同士を向かい合わせて固定する。また、当該コ
の字状の部材は、バックアップ部材(図示せず)によっ
て内側から支えられている。この状態で、接合ツール2
10によって、コの字状部材の一部であるL形部材10
7の接合面107a同士を摩擦攪拌接合によって接合す
る。同様にして、まだ接合されていないL形部材107
の接合面107a同士を接合ツール210によって接合
し、角状パイプ17(図23参照)が完成する。なお、
L形部材107の長手方向すべてにわたって接合しなく
ともよく、例えば当該部材の両端のみを接合してもよ
い。このようにすると、接合部分が少なくなるので、角
状パイプ107をより容易に製造できる。
【0094】この角状パイプ17は、その側面でL形部
材107同士を接合するので、実施の形態1に係る角状
パイプ10のように角部で接合するよりも容易に製造で
きる。また、角状パイプ17を千鳥状に配列して使用済
み燃料集合体を収納するバスケット(図示せず)を組み
立てた場合には、角状パイプ17の側面における接合部
と荷重の集中する角部とが重ならないので、より堅牢な
バスケットを構成できる。なお、この角状パイプ17は
実施の形態1に係る角状パイプ10と同様に、複数のL
形部材107を摩擦攪拌接合によって接合して製造す
る。このため、押出し成形によって一体成形できない程
大きい角状パイプであっても製造できる。
【0095】ここで、角状パイプ17はPWR用であ
り、図23に示すように側壁にフラックストラップ17
cを設けてあるが、摩擦攪拌接合で接合するために接合
部となるリブ17Lの厚みをある程度大きくする必要が
ある。このため、フラックストラップ17cは実施の形
態1等に係る角状パイプ10等よりも小さくなる。ただ
し、図23(c)に示すような、主としてBWR用使用
済み燃料集合体を収納するために使用される角状パイプ
17'であればフラックストラップ17cは不要である
ため、この方式の利点を十分に生かすことができるため
好ましい。
【0096】(変形例)図25は、実施の形態3の変形
例に係る角状パイプを示す断面図である。この変形例に
係る角状パイプ17bは、実施の形態3に係る上記角状
パイプ17(図23参照)と略同様であるが、断面がコ
の字形状の部材107b同士を組み合わせた点が異な
る。その他の構成は実施の形態1と同様なのでその説明
を省略するとともに、同一の構成要素には同一の符号を
付する。
【0097】この角状パイプ17bは、断面コの字形状
の部材107b同士をその開口部同士を向かい合わせ、
接合部107dを摩擦攪拌接合によって接合して製造す
る。この角状パイプ17bも、実施の形態3に係る角状
パイプ17と同様に、角状パイプ17bの側面で部材1
07bを接合している。このため、使用済み燃料集合体
を収納するバスケットを組み立てた場合には、荷重の集
中する角部と接合部とが重ならないので、より堅牢なバ
スケットを構成できる。なお、この角状パイプ17b
は、実施の形態3に係る角状パイプ17よりも分割数が
少ないため、角状パイプ17bの寸法が比較的小さい場
合に適する。
【0098】(実施の形態4)図26は、実施の形態4
に係る使用済み燃料集合体を収納するバスケットの一部
を示す説明図である。このバスケット54は、複数の部
材を摩擦攪拌接合によって接合して製造した軸方向に垂
直な断面が十字形状をしたバスケット構成材18を組み
合わせて構成する点に特徴がある。図27は、実施の形
態4に係るバスケットを構成するバスケット構成材を示
す断面図である。図27(a)に示すように、このバス
ケット構成材18は、二種類の板状材108aおよび1
08bを二枚づつ使用し、これらを摩擦攪拌接合によっ
て接合して製造される。そして、板状材108aおよび
108bは、短手方向の一方の側面における断面形状
が、頂角90度の三角形状となっている(図27(b)
および(c)参照)。なお、図26に示したバスケット
54は主としてPWR用の使用済み燃料集合体を収納す
るため、バスケット構成材18で囲まれるセル54cの
側壁を軸方向(図26中紙面に垂直な方向)に貫く孔が
設けられている。BWR用に適用する場合には、中実の
板状材(図示せず)によってバスケット構成材を製造す
る。
【0099】図28は、実施の形態4に係る板状材を摩
擦攪拌接合によって接合する方法を示す説明図である。
二枚の板状材108aは、一方の側面同士が円錐状の胴
部213を持つ接合ツール211によって摩擦攪拌接合
される。接合の際には、冶具207によって板状材10
8aが拘束される。なお、前記接合ツール211の胴部
213における頂角αは90度である。そして、順次四
枚の板状材108aおよび108bを接合して、バスケ
ット構成材18(図27参照)が完成する。なお、板状
材108a等の長手方向すべてにわたって接合しなくと
もよく、例えば、板状材108aの両端のみを接合する
ようにしてもよい。このようにすると、接合部分が少な
くなるので、より容易にバスケット構成材18を製造で
きる。バスケット54を組み立てる際には、バスケット
構成材18の端部が隣り合うバスケット構成材18の端
部と組み合わさって、使用済み燃料集合体を格納するセ
ル54cが形成される。ここで、バスケット構成材18
の端部には、凸部18aとこの凸部18aがはまる凹部
18bとが順に設けられている。そして、バスケット5
4を組み立てる際には、これらの凸部18aと凹部18
bとがはまり合うようになっている。
【0100】このバスケット54は、荷重の集中する十
字状断面の交差部分18cを摩擦攪拌接合によって接合
している。このため、上記実施の形態で説明した角状パ
イプ10等(図1等参照)を千鳥状に配置したバスケッ
トと比較して、この部分の強度が高い。したがって、落
下の衝撃や振動等に対してもより強いので、堅牢なバス
ケット54を作ることができる。また、接合部の18
c'あるいは18c''の少なくとも一方を摩擦攪拌接合
によって接合してもよい。こうすると、より堅牢なバス
ケット54を作ることができる。なお、バスケット構成
材18の長手方向すべてにわたって接合しなくともよ
い。例えば、バスケット構成材18の両端部のみを接合
して、製造を容易にしてもよい。
【0101】ここで、板状材108同士の接合部につい
て説明する。図29は、実施の形態4に係るバスケット
構成材を構成する板状材同士の接合部の一例を示す説明
図である。同図(a)は、図27(a)に示したバスケ
ット構成材18と同じものである。同図(b)〜(d)
に示すように、十字状断面の交差部分18cである接合
部には、バスケット構成材18cの軸方向に貫通する貫
通孔18h−1〜18h−3を設けてもよい。このとき
には、板状材108の短手方向における側面には、板状
材108の長手方向に向かう溝が設けられることにな
る。このようにすると、貫通孔18h−1等をフラック
ストラップとして利用できるため、斜め隣のセルへ透過
する中性子量をここで低減できるので好ましい。ここ
で、摩擦攪拌接合は、溶接と比較して接合部の変形やビ
ードの形成は極めて少ないため、この貫通孔18h−1
等を設けなくとも寸法精度は高いものを得ることができ
る。しかし、この貫通孔18h−1等を設けると、攪拌
ツール210(図3参照)の送り速度を速くできるの
で、さらに寸法精度の高いバスケット構成材を得ること
ができる。
【0102】つぎに、それぞれの接合部について説明す
る。図29(a)に示す接合部は最も伝熱面積が大きい
ので、使用済み燃料の崩壊熱を最も効率的に外部へ伝え
ることができる。その反面、接合の際には接合ツールの
送り速度を低くしないと、十分に接合できない。同図
(b)に示す接合部は、接合ツールの攪拌子先端部が自
由になるので、同図(a)に示した接合部よりも送り速
度を速くできる。同図(c)に示した接合部は、伝熱面
積は小さくなるが、接合時における歪を小さくでき、ま
た、応力集中も起こりにくい。同図(d)に示した接合
部も伝熱面積は小さくなるが、接合時における歪を小さ
くでき、また、応力集中も起こりにくい。さらに、貫通
孔18h−3の断面積を大きくできるので、フラックス
トラップを大きくできる。その結果、中性子の通過をよ
り低減できる。
【0103】図30は、実施の形態4に係るバスケット
構成材を構成する板状材同士を接合する部分の他の例を
示す説明図である。同図(a)および(b)に示すよう
に、板状材108の短手方向における側面部は、断面形
状が段状となっている。そして、バスケット構成材とし
て組み立てたときには、十字状断面の交差部分で板状材
108同士がかみ合うようになっている。このため、板
状材108同士を組み合わせやすく、摩擦攪拌接合によ
って接合する際にもずれにくくなるので、バスケット構
成材を組み立てる手間を低減できる。なお、図中ハッチ
ングの部分が、摩擦攪拌接合によって接合した部分であ
る。同図(a)の接合部は、角度が90度以下の鋭角部
分を持たないので、板状材108の押出し成形が比較的
容易である。同図(b)に示す接合部はかみ合い部を有
しているので、衝撃や振動等に起因するずれに対してよ
り強くなる。
【0104】なお、上記バスケット構成材18は複数の
板状材108等を摩擦攪拌接合によって接合して製造し
た。バスケット構成材18の寸法が小さい場合や、主と
してBWR用の使用済み燃料集合体格納用に使用される
セル壁面内にフラックストラップを持たないバスケット
では、断面十字状のバスケット構成材を一体で押出し成
形できる場合もある。このような場合には、一体で押出
し成形した断面十字状のバスケット構成材(図示せず)
を組み合わせて、使用済み燃料集合体を収納するバスケ
ットを構成してもよい。このようにすると、一体で成形
するため強度をより確保でき、また摩擦攪拌接合による
接合も不要であるので、製造に手間を要さない。さら
に、図示はしないが、バスケットの剛性を高めるために
は組み合わせ部の両側または片側を、摩擦攪拌接合すれ
ばよい。
【0105】(第一変形例)図31は、実施の形態4の
変形例に係る使用済み燃料集合体を収納するバスケット
の一部を示す一部断面図である。このバスケット55
は、実施の形態4に係るバスケット54と略同様の構成
であるが、2個のL形部材109を摩擦攪拌接合によっ
て接合して、軸方向に垂直な断面が十字形状をしたバス
ケット構成材19を構成した点が異なる。図31(a)
に示すように、L形部材109の接合面同士が当接して
おり、この部分が接合ツールによって摩擦攪拌接合され
てバスケット構成材19が製造される。そして、断面十
字状のバスケット構成材19の端部同士が組み合わさっ
て、バスケット55を構成する。
【0106】このバスケット55を構成するバスケット
構成材19は、実施の形態4に係るバスケット構成材1
8と比較して構成部品が半分でよいので、それだけ接合
部分も少なくて済む。このため、強度的により有利にな
るので、このバスケット構成材19で構成したバスケッ
ト55も落下の衝撃や振動等に対してより強く、信頼性
を高くできる。また、部品点数が少なくて済むので、製
造が容易である。
【0107】なお、図31(b)や(c)に示すよう
に、このバスケット構成材19においても、十字断面の
交差部分19cにバスケット構成材19をその軸方向に
貫く貫通孔19h−1または19h−2を設けてもよ
い。このようにすると、この貫通孔19h−1等がフラ
ックストラップとなって、使用済み燃料集合体から放射
される中性子量をより低減できるので好ましい。また、
摩擦攪拌接合においては、溶接と比較して接合部の変形
やビードの形成は極めて少ないが、この貫通孔19h−
1等によって前記変形等を吸収できる。このため、さら
に寸法精度の高いバスケット構成材19を得ることがで
きる。
【0108】(第二変形例)図32は、実施の形態4の
第二変形例に係るバスケットを示す一部断面図である。
このバスケット56は、複数の部材110a〜110c
を接合してバスケット構成材20を作り、この端部同士
を組み合わせてバスケット56を構成する点に特徴があ
る。なお、説明の便宜上、フラックストラップは省略す
るが、PWR用の使用済み燃料集合体を収納する場合に
は、セル56cを囲むバスケット構成材20の側壁に軸
方向に貫く貫通孔を設けてフラックストラップとするこ
とができる(以下同様)。バスケット構成材を構成する部
材110a、110bおよび110cは摩擦攪拌接合に
よって接合されて、バスケット構成材20を構成する。
そして、このバスケット構成材20の端部は、もう一つ
のバスケット構成材の開放端と組み合わさって、使用済
み燃料集合体を収納するバスケットを構成する(図32
(a))。ここで、バスケット構成材20で囲まれる空
間が、使用済み燃料集合体を収納するセル56cであ
る。なお、部材110a、110bおよび110cはそ
の長手方向すべてにわたって接合しなくともよく、例え
ば上述したタップ接合や、部材110a等の両端のみを
接合してもよい。このようにすると、よりバスケット構
成材20を組み立て易くなる。
【0109】このように、上記バスケット構成材18等
(図26、27参照)と比較してバスケット構成材の単
位が大きいので、バスケット構成材20同士を組み合わ
せるための開放端の数をより少なくすることができる。
このため、衝撃や振動に対するずれに対してより強くな
るので、堅牢なバスケット56を得ることができる。な
お、上記バスケット構成材20の他に、バスケット構成
材の単位を図32(b)に示すような単位としてもよ
い。この場合には、上記バスケット構成材20よりもさ
らに構成単位が大きくなるので、より堅牢なバスケット
56aを得ることができる。
【0110】なお、バスケット構成材20aの製造をよ
り簡単にするため、このバスケット構成材20aでは、
一箇所接合していない部分56dがある。しかし、この
周囲における部材110c等は接合してあるため、全体
としての強度は十分維持できる。このように、製造を簡
略化するために、一部の部材同士を接合しないでバスケ
ット構成材20aを組み立ててもよい。このようにする
と、製造に要する手間を軽減しつつ、十分な強度を維持
できる。
【0111】図33は、実施の形態4の第二変形例に係
るバスケットのもう一つの例を示す一部断面図である。
同図に示すように、バスケット構成材21や21aを構
成する部材111a〜111cを、上記バスケット構成
材20等よりも細かくしてもよい。このようにすると、
接合の手間はやや増えるが、部材110a等の押出し加
工が容易になる。このため、押出しダイスの寿命が短い
場合や、押出し成形機の能力が十分でない場合等には、
このバスケット57等を適用すると好ましい。
【0112】(第三変形例)図34は、実施の形態4の
第二変形例に係るバスケットの他の例を示す一部断面図
である。このバスケット58は、複数の部材112等に
おけるすべての端部同士を接合して、使用済み燃料集合
体を収納するセル58cを格子状に構成する点に特徴が
ある。なお、接合には摩擦攪拌接合等の母材であるAl
を半溶融の状態にして接合する接合方法が適用できる。
【0113】このバスケット58は、バスケットを構成
するすべての部材112を接合し、バスケット58全体
を一体として形成している。このため、バスケット58
の剛性を極めて高くできるので、落下の衝撃や振動等に
対して非常に堅牢なバスケット58を得ることができ
る。また、すべての部材112を接合しているので伝熱
性能も優れている。このため、使用済み燃料の崩壊熱を
効率的にバスケット58の外部へ逃がすことができる。
なお、伝熱性能および強度が許容できれば、部材112
の長手方向すべてにわたって摩擦攪拌接合しなくとも、
例えば部材112の両端のみを摩擦攪拌接合してもよ
い。このようにすると、接合部分を少なくできるので、
バスケット58を容易に製造ができる。
【0114】なお、図34(b)に示すバスケット58
aのように部材を組み合わせてもよい。このようにする
と、接合箇所は多くなるが、部材112aの寸法が小さ
くなる分、より部材112aを製造しやすくなる。PW
R用使用済み燃料集合体を収納するバスケットはフラッ
クストラップを設けるが、この場合にはフラックストラ
ップの分だけ表面積が大きくなるので、部材112aは
押出しにくくなる。したがって、PWR用のバスケット
を構成する場合には、バスケット58aを適用すると、
より容易に部材112aが押し出せるので好ましい。
【0115】(実施の形態5)ここでは、使用済み燃料
集合体を収容するラックとして、上記角パイプ式に代え
て平板式とした例について説明する。この場合は角パイ
プではなく、平板状の部材を押し出すことになる。図3
5は、平板式のラックを示す斜視図である。この平板式
ラック60では、まず、B−Al粉末焼結材のビレット
を押出すことによって幅が300mm〜350mm程度
の板状部材61を成形する。続いて、機械加工等によっ
てそれぞれの板状部材61に複数のスリット62を連設
する。そして、この板状部材61をスリット62部分で
縦横交互に係合させて格子状断面を形成する。そして、
平板式ラック60を複数重ねることで、長さが4m程度
の使用済み燃料集合体を収納できる程度の高さとする。
【0116】この平板式ラック60の最外周には平板式
ラック60と同じ材料か、同様の材料で作られた伝熱板
63が取り付けられている(図35(b))。この伝熱
板63は、板状部材61と伝熱板63との接合部64を
摩擦攪拌接合することによって取り付けられている。そ
して、使用済み燃料の崩壊熱を平板式ラック60の外へ
放出する。伝熱板63は摩擦攪拌接合によって平板式ラ
ック60に取り付けられているため、BやB化合物の凝
集が起こらず、良好な接合ができる。また、図35
(c)に示す平板式ラック60aでは、伝熱板63aを
セル間に渡して摩擦攪拌接合によって接合し、板状部材
61aと一体化させて平板式ラック60aを構成する。
このように、平板式ラック60(図35(b))と比較
して使用する板の数を少なくでき、また、接合箇所も少
なくできるので、平板式ラック60aの製造が容易にな
る。また、接合後の変形も小さくできる。ここで、接合
ツール210は、紙面に垂直な方向に進行して、伝熱板
63aと板状部材61aとを摩擦攪拌接合する。なお、
この平板式ラック60または60aは、キャスクやキャ
ニスタ内に設置して、使用済み燃料集合体を収納するバ
スケットとして使用する他、使用済み燃料プールのラッ
クなどに用いることができる。
【0117】(実施の形態6)この実施の形態において
は、角状パイプ15'(図15参照)で構成したバスケ
ット52'(図15参照)を放射性物質格納容器の一種
であるキャスクに収納する場合を例にとって説明する
が、適用できるバスケットはこれに限られるものではな
い。上記実施の形態1〜5において説明した角状パイプ
やバスケット構成材あるいはラックで構成した使用済み
燃料を収納するバスケットはすべて適用できる。また、
キャスクのみならず、キャニスタに上記バスケット5
2'を組み込んでもよい。
【0118】図36は、この発明の実施の形態6に係る
キャスクを示す斜視図である。図37は、図36に示し
たキャスクの径方向断面図である。このキャスク250
において、胴本体251および胴本体251の底板25
4は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品である。
なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもで
きる。前記胴本体251と底板254は、溶接により結
合する。また、耐圧容器としての密閉性能を確保するた
め、一次蓋230と胴本体251との間には金属ガスケ
ットを設けておく(図示省略)。
【0119】胴本体251の外周には、複数の板状部材
301が取り付けられている。この板状部材301は、
矩形状の鉄板、アルミニウム板、銅板、鉄と銅とのクラ
ッド板または鉄とアルミニウムとのクラッド板等の、熱
の良導材料を折り曲げ成形したものであり、キャスク2
50の外筒に相当する部分が山形(山形部307)に成
形されている。また、板状部材301の端縁302は、
隣接する板状部材301の折り曲げ稜部分303に溶接
されている。
【0120】また、板状部材301と胴本体251の外
面とで構成されるボイド層312の空間を除いた空間に
は、中性子を吸収するため、水素を多く含有する高分子
材料であって中性子遮蔽機能を有するレジン、ポリウレ
タン、またはシリコンその他の中性子吸収材料(以下同
様)が充填してある。さらに、収納する使用済み燃料の
崩壊熱量が多い場合には、板状部材301と胴本体25
1の外面とで形成されるボイド層を含む空間に、熱伝導
性に優れたアルミニウム製または銅製のハニカム材31
0を設ける。このハニカム材310のセルは、キャスク
250の軸方向に形成し、その周囲は前記空間の内面3
11に接触させる。胴本体251からの伝熱効率を向上
させるためである。また、このハニカム材310の一部
には、中性子吸収材料256を充填する。その一方で、
ハニカム材310の外周側には、中性子吸収材料256
などの熱膨張を吸収するため、中性子吸収材料256を
充填しないボイド層312を設ける。前記ハニカム材3
10と中性子吸収材料256とは別の場所で充填複合化
され、前記空間に挿入固定される。また、前記空間にハ
ニカム材310を挿入した状態で、流動状態の中性子吸
収材料256を注入し、熱硬化反応等で固化させるよう
にしてもよい。
【0121】蓋部209は、一次蓋230と二次蓋23
1により構成される。この一次蓋230は、γ線を遮蔽
するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状であ
る。また、二次蓋231もステンレス鋼製または炭素鋼
製の円盤形状であるが、その上面には中性子遮蔽体とし
て上記中性子吸収材料(代表的にはレジン:図示省略)
が封入されている。一次蓋230および二次蓋231
は、ステンレス製または炭素鋼のボルトによって胴本体
251に取り付けられている。さらに、一次蓋230お
よび二次蓋231と胴本体251との間にはそれぞれ金
属ガスケットが設けられ、内部の密封性を保持してい
る。キャスク250本体の両側には、キャスク250を
吊り下げるためのトラニオン217が設けられている。
なお、キャスク250の搬送時にはその両側に緩衝体2
18を取り付ける。
【0122】胴本体251の内面は、使用するバスケッ
ト52'の外形に合わせた形状となり、使用済み燃料集
合体を収納したときには、当該バスケット52'の外面
が胴本体251に対して略密着状態となる(ただし、現
実的には微小な隙間が生じることがある)。なお、胴本
体251の内面を略完全にバスケット52'の外形に合
わせる必要はなく、バスケット52'の外面の一部が接
触しないような形状にすることもでき、これらの割合は
熱伝導率を考慮しながら適宜設計することができる。
【0123】この実施の形態に係るバスケット52'
は、角状パイプ15'(図15参照)を千鳥状に配列して
ある。そして、この角状パイプ15'の内部および角状
パイプ15'で囲まれる空間が、使用済み燃料集合体を
収納するセル52cとなる。このセル52cは37個形
成されているため、このバスケット52'は、計37体
の使用済み燃料集合体(PWR用)を収容することがで
きる。なお、セル52cの個数は37個に限られるもの
ではない。また、このキャスク250はBWR用使用済
み燃料集合体格納用としても使用することができる。B
WR用の燃料はPWR用の燃料よりも寸法が小さいた
め、収納できる使用済み燃料集合体の本数はPWR用よ
りも多くできる。
【0124】バスケット52'の外周には、角状パイプ
15'同士をつなぐ伝熱板52fが摩擦攪拌接合によっ
て接合されている。これによって伝熱板52fで連結さ
れた角状パイプ15'間の伝熱性能を高くできる。ま
た、角状パイプ15'同士が固定されることになるの
で、バスケット52'もその分強く拘束されてより堅固
なものとできる。なお、キャスク100の胴本体251
の内面を凸状に成形し、この部分で角状パイプ15'を
支えるようにしてもよい。また、バスケット52'の製
造を容易にする観点からは、伝熱板52fを角状パイプ
15'に接合しなくともよい。
【0125】バスケット52'の外形は8角形に近い形
状となるので、胴本体251の内面も大まかに見て8角
形となる。このキャスク250においては、バスケット
52'の外側各面に対向するように胴本体251の外面
を8角形に形成する。これにより、胴本体251の厚み
が全体的に略均一になり、余分な厚みがなくなるこの
で、キャスク100の重量を軽減できる。また、γ線遮
蔽性能は必要十分な範囲で確保されることになる。
【0126】胴本体251の内面および外面の加工は、
専用の機械加工装置を用いて行う。詳しくは、本願出願
人による特願平11−249314号公報を参照された
い。なお、この実施の形態では胴本体251の形状を8
角形にしているが、これに限定されるものではない。す
なわち、バスケット52'の外形に合わせて胴本体25
1の形状を角に丸みをもたせた4角形や12角形などに
することもできる(図示省略)。
【0127】このキャスク250は、この発明に係る角
状パイプやバスケット構成材等によって構成されたバス
ケットを格納する。このため、使用済み燃料集合体を収
納するキャスク等を比較的安価で容易に提供できる。ま
た、上記バスケットは堅牢な構造であるので、衝撃や振
動に強いキャスク等を提供できる。
【0128】(実施の形態7)上記実施の形態1から4
に係る角状パイプやバスケットを構成するための板状材
等は、B−Alの粉体焼結材を押出し成形して製造され
る。つぎに、上記角状パイプやバスケットを構成するた
めの板状材等の製造方法について説明する。
【0129】(製造例1)本発明の実施の形態1〜5に
係る板状材100等(図1等参照)は、AlまたはAl
合金粉末に中性子吸収性能を持つBまたはB化合物の粉
末を添加したアルミニウム複合材またはアルミニウム合
金により構成されている。これは、バスケットは挿入し
た使用済み燃料集合体が臨界に達することを防止する機
能が必要だからである。
【0130】ここで、天然ボロンには中性子の吸収に寄
与するB10と中性子の吸収には寄与しないB11がある。
したがって、中性子吸収能を有するB10を濃縮したもの
を使用すると、同じボロンの添加量であれば天然ボロン
をそのまま使用した場合と比較してB10が多くなる分だ
け中性子吸収能は高くできる。したがって濃縮ボロンを
使用すると、同じ中性子吸収能であれば、天然ボロンを
そのまま使用した場合よりも薄い板厚の角パイプで済
む。このため、濃縮ボロンを使用するとより薄い板圧で
同じ中性子吸収能を持たせることができるので、バスケ
ットを軽量化したい場合は濃縮ボロンを使用することが
好ましい。
【0131】B以外の中性子吸収材としては、ボロンの
他にカドミウム、ハフニウム、希土類元素などの中性子
吸収断面積の大きなものを用いることができる。希土類
元素には、ユーロピウム、ディスプロシウム、サマリウ
ム、ガドリニウムなどの酸化物を用いることができる。
ここで、沸騰水型炉(BWR)の場合には、主にBまた
はB化合物が用いられるが、加圧水型炉(PWR)の場
合には、Ag−In−Cd合金が用いられる。Bを分散
形材料として用いる場合は、加工しやすくするため7重
量%以下にするのが好ましい。また、Ag−In−Cd
合金の組成は、Inを15重量%、Cdを5重量%にす
るのが一般的である。
【0132】つぎに、板状材100等の具体的な製造方
法の一例について説明する。図38は、この発明にかか
る角パイプの製造方法を示すフローチャートである。ま
ず、アトマイズ法などの急冷凝固法によりAlまたはA
l合金粉末を作製するとともに(ステップS201)、
BまたはB化合物の粉末を用意し(ステップS20
2)、これら両粒子をクロスロータリーミキサー、Vミ
キサー、リボンミキサー、パグミキサー等によって10
〜20分間混合する(ステップS203)。なお、混合
は、アルゴン雰囲気中で行うようにしてもよい。また、
用いるアルミニウム粉末の平均粒径は35μm、B4
の平均粒径は10μm程度である。
【0133】前記AlまたはAl合金には、純アルミニ
ウム地金、Al−Cu系アルミニウム合金、Al−Mg
系アルミニウム合金、Al−Mg−Si系アルミニウム
合金、Al−Zn−Mg系アルミニウム合金、Al−F
e系アルミニウム合金などを用いることができる。ま
た、前記BまたはB化合物には、B4C、B23などを
用いることができる。ここで、アルミニウムに対するボ
ロンの添加量は、1.5重量%以上、9重量%以下とす
るのが好ましい。1.5重量%以下では十分な中性子吸
収能が得られず、9重量%より多くなると引っ張りに対
する延びが低下するためである。さらに、加工しやすく
する観点からは、ボロンの添加量を7重量%以下にする
のが好ましい。
【0134】つぎに、混合粉末をラバーケース内に入れ
て封入し、CIP(Cold IsostaticPress)により常温
で全方向から均一に高圧をかけ、粉末成形を行う(ステ
ップS204)。CIPの成形条件は、成形圧力を10
00kg/cm2〜2000kg/cm2とする。CIP
処理により、粉状体の体積は約2割減少し、その予備成
形体の直径が600mm、長さが1500mmになるよ
うにする。CIPによって全方向から均一に圧力を加え
ることにより、成形密度のばらつきが少ない高密度な成
形品を得ることができる。また、CIP工程において、
予備成形体の重量密度が75%〜95%となるように成
形する。
【0135】また、CIPに代えて、一軸方向の高圧プ
レスによって予備成形体を成形することもできる。具体
的には、上記混合粉末をプレス機にセットした型内に入
れ、5000tonから10000tonの高い成形圧
力をもって予備成形体を成形する。このように極めて高
い圧力をもってプレスすることで、予備成形体の成形密
度が均一化される。この成形密度の均一化の程度は、上
記CIP工程によって得られる程度と略同等となるよう
にするのが好ましく、そのときは目的の成形密度を基準
として上記成形圧力を決定すればよい。また、CIPと
比較して、ラバーケース内に混合粉末を入れて真空引き
する必要がなく、型内に混合粉末を入れて押し固めれば
済むので、比較的簡単に予備成形作業を行うことができ
る。
【0136】つぎに、予備成形体を焼結炉内に入れて真
空引きし、無加圧状態で焼結を行う(ステップS20
5)。真空焼結時の真空度は10-1Torr程度とし、
温度は550℃〜600℃とする。焼結温度の保持時間
は5時間〜10時間の間で適宜設定する。ここで、焼結
温度は、脱気しつつ100℃ピッチでステップ昇温させ
る。加熱には、焼結炉に設けた黒鉛ヒータを用いる。こ
の真空焼結によって仮に固めた粉末同士が融合してネッ
クを形成し、押出用のビレットとなる。また、真空焼結
の際にHIPやホットプレスのような加圧は行わないの
で、焼結体の重量密度は予備成形時と殆ど変わらず、7
5%〜95%の状態を維持している。さらに、真空焼結
によってビレットの酸化が防止され、且つキャニングを
省略できるため、缶代が節約でき、缶除去のための外
削、端面削等の切削工程が不要になるとともに、それに
付随する缶封入等の製造工程を省略することができる。
【0137】そして、ポートホール押出機を用いて当該
ビレットを熱間押出しする(ステップS206)。この
場合の押出条件として、加熱温度を500℃〜520
℃、押出速度を5m/minとする。なお、この条件
は、Bの含有量により適宜変更する。ポートホール押出
機の押出力は、5000ton〜6000tonとす
る。ポートホール押出機は、コンテナの周囲に誘導加熱
用の高周波コイルを備えており、この高周波コイルにR
F電流を流すことで、ダイス内のビレットを誘導加熱す
ることができる。
【0138】前記誘導加熱は、ビレットに誘導電流を発
生させることで加熱するものであるが、加熱対象である
ビレットは上記真空焼結工程において各混合粉末を融合
させた状態としているため、誘導電流がビレット全体と
して発生し効率的な加熱が可能となる。実際に供試材と
して、重量2510g、寸法φ89mm×175mm、
体積1100mm3、相対密度85%となる2つの予備
成形体をCIPにより作成し、その一方にのみに真空焼
結処理を施し両者を比較した。この結果、CIPのみで
固めた供試材の電気伝導度は7%であったが、真空焼結
を施した供試材は37%となり5倍以上の電気伝導度を
示した。
【0139】さらに、この供試材を誘導加熱したとこ
ろ、真空焼結を施した供試材の場合、誘導加熱の昇温プ
ログラム(200℃/minで520℃まで昇温後、一
定時間保持)通りに温度上昇し、供試材のエッジ部、中
間部の表面および内部中心における温度のばらつきが少
なく、どの位置でも略均一に温度上昇していることが判
った。一方、CIPのみで固めた供試材の場合、昇温プ
ログラム通りに昇温できず昇温速度が50℃/min程
度に留まった。これにより、電気伝導度の向上が押出時
の誘導加熱時間に関係し、本発明のように真空焼結を施
すことで昇温プログラムに追従して温度上昇させること
が可能であることが判った。その結果、真空焼結するこ
とで誘導加熱の効率が飛躍的に高まり、ビレットの押出
速度を向上できるという利点が得られる。
【0140】そして、コンテナ内で誘導加熱されたビレ
ットは、後方からポンチにより押され、ダイスで所定の
押出形状をした板状材100等として押し出される。こ
のとき、ビレットの重量密度は75%〜95%である
が、押出成形することで押出時に粉末粒子間の空隙がつ
ぶされるため、板状材100等の重量密度は略100%
となる。つぎに、押出成形後、引張矯正を施すとともに
(ステップS207)、非定常部および評価部を切断
し、製品とする(ステップS208)。なお、上記製造
工程は、ビレットの成形工程と押出工程とが別の場所で
行われるか、または時間をおいて行われる場合に有用で
ある。
【0141】また、真空焼結ラインと押出ラインが連続
した製造ライン等のように真空焼結工程と押出工程とが
時間的に近接して行われる場合、真空焼結時に550℃
〜600℃まで温度上昇させているため、焼結終了後、
少なくとも押出温度である500℃以上となる熱領域で
コンテナ内に挿入し、そのまま押出すようにしてもよ
い。具体的には、真空炉内からビレットを取り出し、こ
のビレットの温度が下がらないうちに押出機まで搬送す
る。そして、押出機によって板状材100等に押出成形
する。なお、加熱したビレットを空気中に曝しても、短
時間であれば酸化による影響を殆ど無視できるので、板
状材100等の性能に影響することは殆どない。好まし
くは、ビレットを真空炉から取り出し、15分以内に押
し出すようにすれば、酸化の影響が殆ど問題ではなくな
る。以上のようにすれば、誘導加熱によってビレットを
再加熱する必要がないため、さらに製造工程を簡略化す
ることができる。
【0142】この場合も、真空焼結によってビレットの
酸化が防止され、且つキャニングを省略できるため、缶
代が節約でき、缶除去のための切削工程が不要になると
ともに、それに付随する缶封入等の製造工程を省略する
ことができる。また、真空焼結時の温度が下がらないよ
うな保温チャンバー内に一時的かつ短時間保管し、少な
くとも500℃以上の温度領域でビレットを押出機のコ
ンテナ内に移すようにしてもよい。この場合は、真空焼
結ラインと押出ラインとが連続している必要はなく、場
所的に離れていても問題ない。さらに、真空焼結ライン
と押出ラインとの距離が小さく、ビレットの搬送時間が
短かければ、上記同様に真空加熱の熱によって押出成形
を行うことができることはいうまでもない。
【0143】また、上例では押出機に、圧縮率が高く、
アルミニウムなどの軟質材の複雑形状押出しに適したポ
ートホール押出機を用いたが、これに限定されない。た
とえば、固定または移動マンドレル方式を採用してもよ
い。また、直接押出しの他、静水圧押出しを行うように
してもよく、当事者の可能な範囲で適宜選択することが
できる。さらに、生産効率は低いが、上記誘導加熱に代
えて、ビレットを加熱炉内でバッチ処理するようにして
もよい。
【0144】(製造例2)つぎに、板状材100等の具
体的な製造方法の一例について説明する。図39は、こ
の発明に係る板状材等の他の製造方法を示すフローチャ
ートである。まず、アトマイズ法などの急冷凝固法によ
りAlまたはAl合金粉末を作製するとともに(ステッ
プS401)、BまたはB化合物の粉末を用意し(ステ
ップS402)、これら両粒子をクロスロータリーミキ
サー、Vミキサー、リボンミキサー、パグミキサー等に
よって10〜20分間混合する(ステップS403)。
なお、得ようとする合金の性質によっては、アルゴン雰
囲気中で混合するようにしてもよい。また、用いるAl
粉末の平均粒径は35μm、B4Cの平均粒径は10μ
m程度である。
【0145】つぎに、混合粉末をラバーケース内に入れ
て10-2Torr程度まで真空引きした後、気密テープ
により真空封入し、CIP(Cold Isostatic Press)に
より常温で全方向から均一に高圧を与え、粉末成形する
(ステップS404)。CIPの成形条件は、成形圧力
を100MPa〜200MPaとする。CIP処理によ
って粉状体の体積は2割ほど減少し、その予備成形体の
直径が600mm、長さが1500mmになるようにす
る。CIPによって全方向から均一に圧力を加えること
により、成形密度のばらつきが少ない高密度な成形品を
得ることができる。
【0146】続いて、前記予備成形体をアルミニウム缶
(アルミニウム合金継目無缶:JIS6063)に真空
封入する。缶内は、10-4Torr程度まで真空に引か
れて、300℃まで昇温する(ステップS405)。こ
の脱ガス工程で缶内のガス成分および水分を除去する。
つぎの工程では、真空脱ガスした成形品をHIP(Hot
Isostatic Press )により再成形する(ステップS40
6)。HIPの成形条件は、温度400℃〜450℃、
時間30sec、圧力6000tonとし、成形品の直
径が400mmになるようにする。
【0147】続いて、缶を除去するために機械加工によ
り外削、端面削を施し(ステップS407)、ポートホ
ール押出機を用いて機械加工後の成形品(ビレット)を
熱間押出しする(ステップS408)。この場合の押出
条件として、加熱温度を500℃〜520℃、押出速度
を5m/minとする。なお、この条件は、Bの含有量
と押出し成形品の寸法・形状により適宜変更する。つぎ
に、押出成形後、引張矯正を施すとともに(ステップS
409)、非定常部および評価部を切断し、製品とする
(ステップS410)。
【0148】なお、上記例では押出機に、圧縮率が高
く、Alなどの軟質材の複雑形状押出しに適したポート
ホール押出しを用いたが、押出し機はこれに限定されな
い。例えば、固定または移動マンドレル方式を採用して
もよい。また、直接押出しの他、静水圧押出しを行うよ
うにしてもよく、当事者の可能な範囲で適宜選択するこ
とができる。さらに、上記HIPを用いることによりニ
ヤネットシェイプ成形が可能になるが、後に押出し工程
があることに鑑み、これに代えて擬似HIPを用いるよ
うにしても十分な精度を確保することができる。具体的
には、一軸方向に圧縮する金型内に圧力伝達媒体である
セラミック粒状体を入れ、焼結するものである。この方
法によっても、良好な板状材100等を製造することが
できる。
【0149】また、上記HIPに代えて、ホットプレス
を使用することもできる。ここで、ホットプレスとは、
耐熱型を加熱して一軸加圧下で焼結する方法をいう。上
記例の場合、予備成形体を缶に封入して真空脱ガスした
後、400℃〜450℃の温度で10秒〜30秒間加熱
し、6000tonの圧力条件下でホットプレスする。
後に押出し工程があるので、ホットプレスによっても十
分な品質のビレットを製作できるが、ビレットのサイズ
その他の条件により焼結状態が好ましくない場合は、H
IPを用いるようにすれば良い。ホットプレスの利点
は、生産性が良く、安価である点にある。さらに、ホッ
トプレスの他に常圧焼結法を用いる場合もある。
【0150】(製造例3)図40は、板状材等のもう一
つの製造方法を示すフローチャートである。この板状材
100等の製造方法は、同図に示すように、上記例にお
ける缶封入および真空加熱脱ガス(ステップS40
5)、HIP(ステップS406)、外削および端面削
(ステップS407)に代えて、真空ホットプレスを用
いた点に特徴がある(真空ホットプレス工程:S30
5)。その他の工程は、上記製造例1と略同様であるか
らその説明を省略する(ステップS301〜S304、
S306〜S308)。
【0151】図41は、この板状材等の製造方法に用い
る真空ホットプレス装置を示す構成図である。この真空
ホットプレス装置70は、ダイ71と、ダイ71の内面
に設けたダイリング72と、ベース73と、パンチ74
とから構成されている。これらはいずれもグラファイト
製である。ダイリング72、ベース73およびパンチ7
4により構成される成形室内には、CIP工程において
製作した予備成形体Pを挿入する。ダイ71の周囲に
は、加熱用の黒鉛ヒータ75が配置されている。
【0152】また、ダイリング72、ベース73および
パンチ74などは、真空ベッセル76内に収容されてい
る。真空ベッセル76には、真空引き用のポンプ77が
取り付けられている。前記パンチ74は、真空ベッセル
76の上部に設けた油圧シリンダ78により駆動され
る。前記ダイ71の内側にダイリング72を設けたの
は、加圧後にビレットが抜けやすいようにするためであ
る。なお、ダイ71の内径は直径350mm程度であ
る。また、実際にホットプレスを行う際には、摺動部位
に潤滑材を塗布または噴霧するようにする。潤滑材に
は、BNなどを用いることができる。なお、上記では片
押し法を例示しているが、両押し法あるいはフローティ
ング法を用いることもできる。
【0153】真空ホットプレスを行うには、まず、ダイ
71内に潤滑材を塗布した後に予備成形体Pを挿入し、
その上からパンチ74をセットする。つぎに、真空ベッ
セル76内を所定圧力まで真空引きするとともに黒鉛ヒ
ータ75により室内を400℃〜500℃まで昇温す
る。また、当該温度帯域は、30分〜60分維持するよ
うにし、加圧は200℃程度で開始するようにする。そ
して、予備成形体Pを加圧焼結後、真空ベッセル76内
からダイ71ごと取り出して当該ダイ71からビレット
Bを取り出す。この際、ビレットBを外側から押し出す
ことになるが、ダイリング72もビレットBとともに多
少押し出されて、当該ビレットBが容易に取り出せるよ
うに作用する。取り出したビレットBは、つぎの押出工
程(ステップS306)にて押し出され、引張矯正(ス
テップS307)、切断工程(ステップS308)を経
て、最終品の板状材100等となる。
【0154】以上、この板状材100等の製造方法によ
れば、キャニングを省略するとともに真空ホットプレス
を用いてビレットBを成形するようにしたので、缶代が
節約でき、また缶除去のための切削工程(ステップS4
07)が不要になるとともに、それに付随する製造工程
(ステップS405)を省略することができる。このた
め、角状パイプ10(図1参照)やバスケット54(図
26参照)等を効率的且つ低コストで製造することがで
きるようになる。
【0155】(製造例4)図42は、板状材等の第三の
製造方法を示すフローチャートである。この板状材10
0等の製造方法は、同図に示すように、上記例における
缶封入および真空加熱脱ガス(ステップS405)、H
IP(ステップS406)、外削および端面削(ステッ
プS407)に代えて、放電プラズマ焼結を用いた点に
特徴がある(放電プラズマ焼結工程:ステップS50
5)。放電プラズマ焼結は、過渡アーク放電現象の火花
放電エネルギーを利用して加圧下で焼結するものであ
る。その他の工程は、上記適用例1と略同様であるから
その説明を省略する(ステップS501〜S504、S
506〜S508)。
【0156】図43は、この板状材等の製造方法に用い
る放電プラズマ焼結装置を示す構成図である。この放電
プラズマ焼結装置80は、グラファイト製のダイ81
と、上部電極および下部電極を兼ねた上下のパンチ8
2、83と、上下のパンチ82、83にパルス電流を供
給する電源84と、電源84を制御する制御部85と、
ダイ81およびパンチ82、83を収容する真空ベッセ
ル89と、真空ベッセル89内の真空を引くポンプ86
と、パンチ82、83を駆動する油圧シリンダ87、8
8とから構成される。CIPによる予備成形体Pは、ダ
イ81およびパンチ82、83により形成した成形室に
挿入する。
【0157】放電プラズマ焼結は、焼結エネルギーを制
御しやすいこと、取り扱いが容易であること等の種々の
利点があるが、高速で焼結できる点がこの製造方法にお
いて重要である。すなわち、上記ホットプレスでは、例
えば、焼結時間が約5時間かかるのに対し、放電プラズ
マ焼結では約1時間で済む。このように、高速焼結が可
能であるので、製造時間を短縮できる。
【0158】上記放電プラズマ焼結の条件は、真空ベッ
セル89内の真空度を10-2Torrとし、約10分で
500℃まで立ち上げる。そして、この温度領域を10
分〜30分間維持し、5〜10tonで加圧する。上下
のパンチ82、83間にパルス電流を印加すると、予備
成形体P内で放電点が移動し、全体に分散する。火花放
電の部分では、局所的に高温状態(1000℃〜100
00℃)になって粒子間接触部が点から面に成長し、ネ
ックを形成して溶着状態となる。これにより、硬い酸化
皮膜を形成するAl系材料であっても、放電プラズマの
スパッタ作用によってAl表面の酸化皮膜を破壊するか
ら、ビレットを容易に焼結することができる。
【0159】以上、この板状材100等の製造方法によ
れば、ホットプレスを用いる場合に比べて焼結時間を短
縮化できる。また、放電作用によりアルミニウムの不動
体皮膜を破壊するから、容易に焼結することができる。
なお、キャニングを省略したことによる利点について
は、上記適用例2の場合と同様である。なお、放電プラ
ズマ焼結の他、熱プラズマ焼結法を用いることもでき
る。熱プラズマ焼結法は、超高温のプラズマ熱を用いて
無加圧焼結を行うものである。さらに、通常の放電焼結
により製造することもできる。
【0160】(製造例5)ここでは、MA(メカニカル
アロイング)を適用してAl粉末にB4C粉末を微細且
つ均一に分散させてAl合金粉末を作り、この粉末を焼
結させてできるビレットを本発明に係る押出しダイスを
用いて角パイプを製造する例について説明する。
【0161】上記製造例においては、使用済み燃料集合
体格納用角状パイプ等を構成する板状材100等の材料
としてボロンを添加したAl合金を用いている。ここ
で、添加元素であるB4Cの平均粒径が大きいと板状材
100等の強度が低くなり、その一方、B4Cの平均粒
径を小さくするとB4C同士が凝集して偏析するため、
中性子吸収能の低下や加工性の悪化が生じてしまう。し
たがって、Al粉末の平均粒径は80μmでありB4
粉末の平均粒径は9μmが好ましく、当該B4Cの粒径
を9μmとしたのは、これ以上粒径を小さくするとB4
C粉末の凝集が進んで偏析が生じやすくなるからであ
る。そこで、この製造例5では、上記製造例1〜4にお
ける混合機に代えて、高エネルギーボールミリング(メ
カニカルアロイング)を用いることで、Al粉末とB4
C粉末との微細化および均一分散化を図るようにした。
【0162】当該高エネルギーボールミリングには、一
般的な転動ミル、揺動ミルおよびアトライターミルを用
いることができるが、次の説明ではアトライターミルを
使用した場合について例示する。図44は、製造例5に
係る板状材等の製造方法に用いるアトライターミルの構
成図である。アトライターミル90の容器91には15
0リットルの容量のものを用いる。当該容器91の壁内
にはウォータージャケット92が形成されている。ウォ
ータージャケット92内にはポンプなどの給水器93か
ら適量の冷却水を供給する。アトライター94は、上方
に配置した駆動モータ95と減速機96を介して結合し
ている。容器91の上面には、容器91中を不活性ガス
であるアルゴン(Ar)雰囲気にするため、流入口97
および流出口98が設けられている。流入口97にはア
ルゴンガスのガスボンベ99が接続され、流出口98に
はホース98aを接続して水中に入れ、大気の逆流を防
止する。また、このボールミリングに使用するボール9
4aには、炭素鋼ベースの軸受鋼(SUJ−2)に所定
の被覆を施したボールを用いる。
【0163】実際にAl粉末を製造する場合の条件とし
て、前記容器91内に入れるボール94aの量を450
kg、当該ボール94aの径を3/8インチとした。ま
た、アトライター94の回転数は300rpmとし、さ
らに、0.5リットル/minのアルゴンを連続的に流
して容器91内を不活性ガス雰囲気とした。さらに、ボ
ールミリングの前に、その助剤として粉末1kgに対し
て30ccのエタノールあるいはメタノールを投入し
た。前記容器91内に投入する粉末の量は、15kgと
し、このうち、B4Cの投入量は0.75kg(5重量
%)とした。また、使用するAl粉末には、平均粒径が
35μmのものを用い、B4C粉末には、平均粒径が9
μmのものを用いた。そして、ボールミリングの時間は
1時間から10時間の範囲で適宜選択するようにした。
【0164】ボールミリングの過程において、投入した
Alは、ボール94aの衝撃を受けることによってつぶ
され、且つ折りたたまれ、扁平形状になる。このため、
Alの外径は一面方向に広がって80μm程度になる。
一方、B4C粉末は、ボールミリングによって破砕さ
れ、その粒径が0.5μm〜1.0μm程度まで小さく
なるとともにAlマトリックス中に均一にすり込まれて
ゆく。このため、微細な分散粒子が母材中に均一に分散
することになるので、この粉末を焼結したAl合金は、
強度に優れたものとなる。
【0165】つぎに、ボールミリングの過程で、ボール
94a同士の衝突により当該ボール94aが磨耗してそ
の成分が不純物として混じることがある。そこで、ボー
ル94aの成分に予め不純物として添加する元素を含め
ておき、ボールミリングの過程で当該元素を添加するよ
うにしてもよい。この元素としては、例えば、ジルコン
などを挙げることができる。ボールミリングの終了後
は、容器91内からAl粉末を取りだし、ホットプレス
工程、押出し工程に進み、板状材100等を成形する。
【0166】以上、この板状材100等の製造方法によ
れば、B4C粉末を微細化、均一化してAl粉末のマト
リックス中に分散させることができるので、板状材10
0等の強度を向上させることができる。具体的には、上
記適用例1〜3の方法により得た板状材100等と比較
して、その強度を約1.2〜1.5倍まで向上させるこ
とができる。このように、MAによれば強度が向上する
結果、より押出し成形しにくくなる。したがって、MA
によるB-Al材でこの発明に係る角状パイプやバスケ
ットを製造する場合には、押出し成形が比較的容易な形
状の部材を母材であるAlを半溶融状態として接合する
ことが望ましい。特にMAによるB-Al材でフラック
ストラップを設けたPWR用の角状パイプを一体で押出
し成形することは、実操業上ほとんど不可能である。こ
のような角状パイプは、本発明に係る角状パイプのよう
な構造としないと、現状ではほとんど製造不可能であ
り、本発明に係る角パイプの効果は非常に大きい。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る使
用済み燃料集合体格納用角状パイプ(請求項1)では、
B−Al材料を構成する複数の材料のうち溶融温度が低
い方の材料の溶融温度以下で、B−Al材のパイプ構成
部材同士を接合した。このため、接合継ぎ手部の靭性は
接合前とほとんど変わらず、また、中性子吸収能も接合
前と略同等とすることができる。さらに、熱歪も小さく
接合後の修正もほとんど要さないので、製造効率を高く
できる。
【0168】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項2)では、B−Al材料のパ
イプ構成部材同士を、母材であるAlが半溶融の状態で
接合するようにした。このため、接合部の熱歪が小さ
く、接合後における修正の手間も少なくてすむので製造
効率を高くできる。また、分散粒子であるBやB化合物
は凝固の際にほとんど凝集しないので、接合継ぎ手部に
おいてはもとの材料とほとんど変わらない靭性および中
性子吸収能を維持できる。その結果、これまで押出し成
形が困難であったB−Al材でも、寸法の大きな角状パ
イプや、断面形状の複雑な角状パイプを得ることができ
る。
【0169】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項3)では、材料を溶融させな
いで接合する摩擦攪拌接合によってB−Al材のパイプ
構成部材同士を接合するようにした。このため、これま
で押出し成形が困難であった寸法の大きいB−Al角状
パイプ等を、複数の部材を接合することで製造できる。
また、熱変形も小さいので接合後の修正も軽微であり、
製造の手間も軽減できる。
【0170】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項4)では、上記角状パイプの
外側角部を落として平面を形成した。そして、この角状
パイプを千鳥状に配置して使用済み燃料集合体を収納す
るバスケットを構成したときには、斜め隣の角状パイプ
がこの平面同士を当接した状態で組み立てられるように
した。このため、バスケットを組み立てる作業が容易に
できるので、バスケットの製造に手間を要さない。
【0171】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項5)では、上記角状パイプの
角部に段部を設けた。そして、この角状パイプを千鳥状
に配置して使用済み燃料集合体を収納するバスケットを
構成したときには、斜め隣の角状パイプの角部に形成さ
れた段部とこの段部とがかみ合うようにした。このた
め、角状パイプ同士がずれにくくなるので、より堅牢な
バスケットを得ることができる。
【0172】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項6)では、その角部において
パイプ構成部材同士を接合してなるようにした。このた
め、フラックストラップを設ける場合のリブの形成に影
響を与えない。したがって、最も適した位置に最適な大
きさのリブを形成して、効率のよい設計ができる。
【0173】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項7)では、角状パイプの軸方
向に垂直な断面内における角部の接合線が、この断面内
における対角線の交点に向かうようにした。このため、
比較的簡単な冶具でパイプ構成部材を拘束できるので比
較的容易に製造できる。
【0174】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項8)では、パイプ構成部材の
接合線が対角線に対して角度を持つようにしたので、接
合線が対角線の交点に向かう場合と比較して接合面積を
大きくできる。これによって接合部の継ぎ手強度が向上
する。また接合部における伝熱面積も大きくできるの
で、使用済み燃料が発生する崩壊熱をより効率よく外部
に放出することができる。
【0175】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項9)では、角部内側に、角状
パイプの軸方向に向かう溝を設けるようにした。そし
て、この溝の断面が有する弧の部分に、パイプ構成部材
の接合部における接合線が接するようにした。このた
め、角部における応力集中を緩和できるので、落下の衝
撃や振動に対して強いバスケットを構成することができ
る。また、断面U字状としたので(請求項10)、溝の
開口部を大きくしないで溝の深さを調整できる。
【0176】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ(請求項11)では、その側面でパイ
プ構成部材同士を接合するようにした。このため、角状
パイプの側面でパイプ構成部材を接合するため容易に製
造できるので、製造に手間を要しない。
【0177】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項12)では、上記角状パイプ
を千鳥状に配置して構成した。このため、PWR用使用
済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体格納用バ
スケットを比較的安価で容易に提供できる。また、上記
角状パイプの接合継ぎ手部分においては、靭性劣化等は
ほとんど発生しないので、堅牢な構造のバスケットを得
ることができる。
【0178】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項13)では、すべてのバスケ
ット構成材同士を接合し、全体を一体として構成するよ
うにした。このため、バスケット全体の剛性を非常に高
くできるので、落下の衝撃や振動に対して、極めて堅牢
な構造とすることができる。
【0179】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項14)では、四個の上記セル
で囲まれる部分には、当該セルの軸方向に向かって貫通
する貫通孔を設けた。このため、斜め隣のセルに向かっ
て透過する中性子の線量を抑制できる。また、バスケッ
ト全体の重量を軽減できる。
【0180】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項15)では、バスケット全体
を一体として構成するのではなく、複数の部材を組み合
わせてバスケット構成材を作り、このバスケット構成材
を組み合わせてバスケットを構成するようにした。この
ため、接合部分が低減するので、製造の手間を大幅に低
減できる。また、バスケット構成材の単位をある程度大
きくとれば、バスケット全体の剛性も比較的大きくでき
るので、角状パイプを千鳥状に組み合わせて構成したバ
スケットよりも堅牢なバスケットを構成しやすい。
【0181】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項16)では、荷重の集中する
十字状断面の交差部分を、母材であるAlを半溶融状態
としてから接合するようにした。このため、上記角状パ
イプを千鳥状に配置したバスケットと比較して、この部
分の強度を高くできる。したがって、落下の衝撃や振動
等に対しても角状パイプによるバスケットよりも強くで
きるので、より堅牢なバスケットを作ることができる。
【0182】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項17)では、上記使用済み燃
料集合体格納用バスケットにおいて、さらに、上記バス
ケット構成材の少なくとも一つの端部を、このバスケッ
ト構成材の母材であるAlを半溶融状態としてから接合
し格子状のセルを構成した。このバスケットは、バスケ
ット構成材の端部同士を接合して、より大きなバスケッ
ト構成材の単位としてバスケットを構成できる。このた
め、上記角状パイプを千鳥状に配置したバスケットと比
較して、バスケット全体の剛性をより高くして、より堅
牢なバスケットを構成できる。
【0183】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項18)では、断面十字状であ
るバスケット構成材の交差部分に、このバスケット構成
材の軸方向に向かって貫通する貫通孔を設けるようにし
た。このため、この貫通孔によって斜め隣の使用済み燃
料集合体に向かって透過する中性子の線量を抑制でき
る。また、バスケット全体の重量を軽減できる。
【0184】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用バスケット(請求項19)では、B−Al材で構
成されたバスケット構成材の接合部を半溶融状態として
伝熱板を取り付けている。このため、BやB化合物が凝
集することなく接合できるので、靭性劣化を最小限に抑
えることができる。
【0185】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプ使用または使用済み燃料集合体格納用
バスケット(請求項20)では、B−Alのバスケット
構成材におけるB含有率を1.5重量%以上7.0重量
%以下とした。このため、十分な中性子吸収能を発揮さ
せつつ、十分な靭性を確保できる。さらに、接合に際し
ては接合部の母材であるAlを半溶融状態で接合して角
状パイプやバスケットを構成しているので、靭性の劣化
も最小限に抑えることができる。
【0186】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バス
ケット(請求項21)では、B−Alのバスケット構成
材に濃縮ボロンを使用するようにした。このため、天然
ボロンをそのまま使用した場合よりも薄い板厚の角状パ
イプあるいはバスケット構成材で、同じ中性子吸収能を
得ることができる。したがって、バスケットをよりコン
パクトにでき、さらにこのバスケットを収納するキャス
ク等の収納容器もよりコンパクトにできる。
【0187】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
22)では、B−Al材で作られた複数の部材同士を、
当該部材の母材であるAlを半溶融状態として接合する
ようにした。このため、接合部の熱歪が小さく、接合後
における修正の手間も少なくてすむので製造に手間を要
さない。また、分散粒子であるBやB化合物は接合の際
にほとんど凝集しないので、接合継ぎ手部においてはも
との材料とほとんど変わらない靭性および中性子吸収能
を維持した角状パイプを製造できる。その結果、複数の
部材を接合して角状パイプを製造できるので、これまで
押出し成形が困難であったB−Alのバスケット構成材
でも、寸法の大きな角状パイプや、断面形状の複雑な角
状パイプも製造できる。
【0188】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
23)では、この製造方法においては、材料を溶融させ
ないで接合する摩擦攪拌接合によってパイプ構成部材同
士を接合するようにした。このため、角状パイプの継ぎ
手部においては、もとの材料とほとんど変わらない靭性
および中性子吸収能を維持できる。これによって、これ
まで押出し成形が困難であった寸法の大きいB−Al角
状パイプ等を、複数の部材を接合することで製造でき
る。
【0189】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
24)では、円錐状の胴部を備えた接合ツールを使用す
るようにした。このため、作業面が谷状であっても接合
できるので、段部を設けることによって複雑な形状にな
った角状パイプも製造できる。
【0190】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
25)では、接合対象である部材同士を突き合わせた接
合部であって、摩擦攪拌接合用の接合ツールの胴部が接
する側とは反対側に、Al用ろう材等を配置して、摩擦
攪拌接合するようにした。摩擦攪拌接合の際には、この
Al用ろう材が半溶融状態となったAl母材と一体とな
るので、バックアップ冶具側における部材に発生する接
合線を低減できる。その結果、接合線の少ない、より健
全な角状パイプや使用済み燃料集合体格納用バスケット
を得ることができる。
【0191】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
26)では、粉体冶金や溶製法によって中性子吸収に対
する有効元素であるB、および強度付与に対する有効元
素をAl母材中へ均一に分散させたビレット材を押出し
成形した部材同士を、その母材であるAlが半溶融の状
態で接合するようにした。このため、もとの材料の持つ
特性を変化させないで接合ができるので、難押出し材で
あっても押出し成形可能な大きさの部材を接合すること
で、より大きな使用済み燃料集合体格納用の角状パイプ
やバスケットを組み立てることができる。
【0192】また、この発明に係る使用済み燃料集合体
格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法(請求項
27)では、高強度化に寄与する有効元素としてTi、
Zr、またはFeのうち少なくとも一つを粉体冶金や溶
製法によってAl母材中へ均一に分散させたビレット材
を押出し成形した部材同士を、その母材であるAlが半
溶融の状態で接合するようにした。このため、もとの材
料の持つ高強度特性を変化させないで接合ができるの
で、上記元素を分散させた強度の高い難押出し材であっ
ても、押出し成形可能な大きさの部材を接合すること
で、使用済み燃料集合体格納用の角状パイプやバスケッ
トを組み立てることができる。
【0193】また、この発明に係る放射性物質格納容器
(請求項28)では、上記バスケットを収納しているの
で、PWR用使用済み燃料集合体を収納するキャスク等
を比較的安価で容易に提供できる。また、上記バスケッ
トは堅牢な構造であるので、衝撃や振動に強いキャスク
等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る角状パイプの軸
方向に垂直な断面を表した断面図である。
【図2】板状材を摩擦攪拌接合によって接合する様子を
示す説明図である。
【図3】摩擦攪拌接合に使用する接合ツールを示す説明
図である。
【図4】板状材を摩擦攪拌接合によって接合する他の方
法を示す説明図である。
【図5】実施の形態1の第一変形例に係る角状パイプを
示す断面図である。
【図6】実施の形態1の第二変形例に係る角状パイプを
示す断面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る角状パイプを示
す断面図である。
【図8】実施の形態2に係る角状パイプの製造方法を示
す説明図である。
【図9】この角状パイプを千鳥状に配列して、使用済み
燃料集合体を収納するバスケットを組み立てた状態を示
す説明図である。
【図10】実施の形態2に係る角状パイプを主としてB
WR使用済み燃料集合体を収納するバスケットに適用し
た例を示す説明図である。
【図11】実施の形態2の第一変形例に係る角状パイプ
を示す断面図である。
【図12】この角状パイプを千鳥状に配列して、使用済
み燃料集合体を収納するバスケットを組み立てた状態を
示す説明図である。
【図13】実施の形態2の第二変形例に係る角状パイプ
を示す断面図である。
【図14】この角状パイプを千鳥状に配列して、使用済
み燃料集合体を収納するバスケットを組み立てた状態を
示す説明図である。
【図15】主としてBWR用の使用済み燃料集合体を収
納するバスケットに第二変形例に係る角状パイプを適用
した例を示す説明図である。
【図16】実施の形態2の第三変形例に係る角状パイプ
を示す断面図である。
【図17】実施の形態2の第三変形例に係る角状パイプ
の製造方法を示す説明図である。
【図18】実施の形態2の第三変形例に係るバスケット
を示す説明図である。
【図19】実施の形態2の第三変形例に係る角状パイプ
をバスケットに適用した他の例を示す説明図である。
【図20】実施の形態2の第三変形例に係る角状パイプ
の他の例を示す断面図である。
【図21】実施の形態2の第三変形例に係る他のバスケ
ットを示す説明図である。
【図22】実施の形態2の第三変形例に係る角状パイプ
をバスケットに適用した他の例を示す説明図である。
【図23】この発明の実施の形態3に係る角状パイプを
示す断面図である。
【図24】実施の形態3に係る角状パイプの製造方法を
示した説明図である。
【図25】実施の形態3の変形例に係る角状パイプを示
す断面図である。
【図26】実施の形態4に係る使用済み燃料集合体を収
納するバスケットの一部を示す説明図である。
【図27】実施の形態4に係るバスケットを構成するバ
スケット構成材を示す断面図である。
【図28】実施の形態4に係るバスケット構成材を構成
する板状材同士の接合部の一例を示す説明図である。
【図29】バスケット構成材を構成する板状材同士の接
合部の一例を示す説明図である。
【図30】実施の形態4に係るバスケット構成材を構成
する板状材同士を接合する部分の他の例を示す説明図で
ある。
【図31】実施の形態4の変形例に係る使用済み燃料集
合体を収納するバスケットの一部を示す一部断面図であ
る。
【図32】実施の形態4の第二変形例に係るバスケット
を示す一部断面図である。
【図33】実施の形態4の上記第二変形例に係るバスケ
ットのもう一つの例を示す一部断面図である。
【図34】実施の形態4の第二変形例に係るバスケット
の他の例を示す一部断面図である。
【図35】平板式のラックを示す斜視図である。
【図36】この発明の実施の形態6にかかるキャスクを
示す斜視図である。
【図37】図36に示したキャスクの径方向断面図であ
る。
【図38】この発明に係る角パイプの製造方法を示すフ
ローチャートである。
【図39】この発明に係る板状材等の他の製造方法を示
すフローチャートである。
【図40】板状材等のもう一つの製造方法を示すフロー
チャートである。
【図41】この板状材等の製造方法に用いる真空ホット
プレス装置を示す構成図である。
【図42】板状材等の第三の製造方法を示すフローチャ
ートである。
【図43】この板状材等の製造方法に用いる放電プラズ
マ焼結装置を示す構成図である。
【図44】製造例5に係る板状材等の製造方法に用いる
アトライターミルの構成図である。
【図45】キャスクの一例を示す斜視図である。
【図46】図45に示したキャスクの径方向断面図であ
る。
【符号の説明】
10、11、12、12a、13、14、15、16、
16e、16f、17、17b 角状パイプ 10c、15b、17c フラックストラップ 11c 内側角部 11a 溝 14a、13a、15a、16a 段部 16c 対角線 16b 接合線 17L リブ 18、19、20、20a、21 バスケット構成材 18a 凸部 18b 凹部 18c、19c 交差部分 18h−1〜3、19h−1、2 貫通孔 50、51、52、52'、53、53e、54、5
5、56、56a、57、58、58a バスケット 52c、54c、56c、58c セル 52f 伝熱板 100、101、103、104、106、108、1
08a 板状材 100a 接合部 102、107、109 L形部材 104a 接合線 107a 接合面 110a、110b、110c、112、112a 部
材 150、151 Al用ろう材 200、202、203、205、207 冶具 201、204、206 バックアップ冶具 210、211 接合ツール 212、213 胴部 214、215 攪拌子 250 キャスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 103:10 G21F 5/00 K (72)発明者 松岡 寿浩 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 大亀 信二 神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式 会社神菱ハイテック内 Fターム(参考) 4E067 AA01 DA13 DA17 EC06

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 B−Al材によって作られた複数のパイ
    プ構成部材同士を、前記B−Al材を構成する複数の材
    料のうち溶融温度が低い方の材料の溶融温度以下で接合
    して構成したことを特徴とする使用済み燃料集合体格納
    用角状パイプ。
  2. 【請求項2】 B−Al材によって作られた複数のパイ
    プ構成部材同士を、当該パイプ構成部材の母材であるA
    lを半溶融状態としてから接合して構成したことを特徴
    とする使用済み燃料集合体格納用角状パイプ。
  3. 【請求項3】 B−Al材によって作られた複数のパイ
    プ構成部材同士を、摩擦攪拌接合によって接合して構成
    したことを特徴とする使用済み燃料集合体格納用角状パ
    イプ。
  4. 【請求項4】 さらに、上記角状パイプを千鳥配置した
    ときに斜め隣に配置される他の角状パイプの角部外側に
    設けられた平面と当接する平面を、上記角状パイプの角
    部外側に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載の使用済み燃料集合体格納用角状パイプ。
  5. 【請求項5】 さらに、上記角状パイプを千鳥配置した
    ときに斜め隣に配置される他の角状パイプの角部外側に
    形成された段部とかみ合う段部を、上記角状パイプの角
    部外側に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一つに記載の使用済み燃料集合体格納用角状パイプ。
  6. 【請求項6】 さらに、上記角状パイプは、その角部に
    おいて上記パイプ構成部材同士を接合してなることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の使用済み
    燃料集合体格納用角状パイプ。
  7. 【請求項7】 さらに、上記角状パイプの軸方向に垂直
    な断面内における角部の接合線が、この断面内における
    対角線の交点に向かうことを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか一つに記載の使用済み燃料集合体格納用角状パ
    イプ。
  8. 【請求項8】 さらに、上記角状パイプの軸方向に垂直
    な断面内における角部の接合線が、この断面内における
    対角線に対して角度を有することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか一つに記載の使用済み燃料集合体格納用
    角状パイプ。
  9. 【請求項9】 さらに、上記角状パイプの角部内側には
    上記角状パイプの軸方向に向かう溝を設け、さらに当該
    溝の断面は少なくとも弧を有する形状とし、且つ上記接
    合線がこの弧に接するようにしたことを特徴とする請求
    項1〜8のいずれか一つに記載の使用済み燃料集合体格
    納用角状パイプ。
  10. 【請求項10】 さらに、上記溝の断面形状はU字形で
    あることを特徴とする請求項9に記載の使用済み燃料集
    合体格納用角状パイプ。
  11. 【請求項11】 さらに、上記角状パイプは、その側面
    において上記パイプ構成部材同士を接合してなることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の使用済
    み燃料集合体格納用角状パイプ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一つに記載
    の角状パイプを千鳥状に配置して構成したことを特徴と
    する使用済み燃料集合体格納用バスケット。
  13. 【請求項13】 B−Al材によって作られた部材の母
    材であるAlを半溶融状態としてすべての前記部材同士
    を接合することで、使用済み燃料集合体が収納される格
    子状のセルを構成したことを特徴とする使用済み燃料集
    合体格納用バスケット。
  14. 【請求項14】 さらに、四個の上記セルで囲まれる部
    分には、当該セルの軸方向に向かって貫通する貫通孔を
    設けたことを特徴とする請求項13に記載の使用済み燃
    料集合体格納用バスケット。
  15. 【請求項15】 B−Al材によって作られた複数の部
    材同士を、当該部材の母材であるAlを半溶融状態とし
    てから接合してバスケット構成材とし、さらに複数の当
    該バスケット構成材の端部同士を組み合わせて格子状の
    セルを構成したことを特徴とする使用済み燃料集合体格
    納用バスケット。
  16. 【請求項16】 B−Al材によって作られた複数の部
    材同士を、当該部材の母材であるAlを半溶融状態とし
    てから接合して断面十字状のバスケット構成材とし、さ
    らに複数の当該バスケット構成材の端部同士を組み合わ
    せて構成したことを特徴とする使用済み燃料集合体格納
    用バスケット。
  17. 【請求項17】 さらに、上記バスケット構成材の少な
    くとも一つの端部を、このバスケット構成材の母材であ
    るAlを半溶融状態としてから接合し格子状のセルを構
    成したことを特徴とする請求項15または16のうちい
    ずれか一つに記載の使用済み燃料集合体格納用バスケッ
    ト。
  18. 【請求項18】 さらに、上記断面十字状のバスケット
    構成材は、その交差部分にこのバスケット構成材を軸方
    向に貫く貫通孔を備えていることを特徴とする請求項1
    6または17のいずれか一つに記載の使用済み燃料集合
    体格納用バスケット。
  19. 【請求項19】 さらに、上記バスケットの外周部に
    は、当該バスケットを構成する材料の母材であるAlを
    半溶融状態として伝熱板を接合したことを特徴とする請
    求項12〜18のいずれか一つに記載の使用済み燃料集
    合体格納用バスケット。
  20. 【請求項20】 上記B−Al材のB含有率は1.5重
    量%以上7.0重量%以下であることを特徴とする請求
    項1〜19のいずれか一つに記載の使用済み燃料集合体
    格納用角状パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バス
    ケット。
  21. 【請求項21】 上記B−Al材には少なくとも濃縮ボ
    ロンが添加されていることを特徴とする請求項1〜20
    のいずれか一つに記載の使用済み燃料集合体格納用角状
    パイプまたは使用済み燃料集合体格納用バスケット。
  22. 【請求項22】 B−Al材で作られた複数の部材同士
    を、当該部材の母材であるAlを半溶融状態として接合
    することを特徴とする使用済み燃料集合体格納用角状パ
    イプまたはバスケットの製造方法。
  23. 【請求項23】 B−Al材で作られた複数の部材同士
    を摩擦攪拌接合によって接合することを特徴とする使用
    済み燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケットの製
    造方法。
  24. 【請求項24】 B−Al材で作られた複数の部材同士
    を接合して使用済み燃料集合体格納用角状パイプまたは
    バスケットを製造するにあたり、前記部材の接合面と作
    業面とのなす角度が90度よりも大きい場合には、円錐
    状の胴部先端に円筒状の攪拌子を備えた接合ツールによ
    って摩擦攪拌接合することを特徴とする使用済み燃料集
    合体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方法。
  25. 【請求項25】 さらに、接合対象である上記部材同士
    の接合部であって、胴部と攪拌子とからなる接合ツール
    の前記胴部が接する側とは反対側に、Al用ろう材また
    はAl材を配置して、前記接合部を摩擦攪拌接合するこ
    とを特徴とする請求項22〜24のいずれか一つに記載
    の使用済み燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケッ
    トの製造方法。
  26. 【請求項26】 さらに、上記部材は、粉体冶金法また
    は溶製法によって中性子吸収に対する有効元素である
    B、および他の有効元素をAl母材中に分散含有させた
    B−Alのビレット材を押出し成形加工したことを特徴
    とする請求22〜25のいずれか一つに記載の使用済み
    燃料集合体格納用角状パイプまたはバスケットの製造方
    法。
  27. 【請求項27】 さらに、上記他の有効元素はTi、Z
    r、またはFeのうち少なくとも一つであることを特徴
    とする請求項26に記載の使用済み燃料集合体格納用角
    状パイプまたはバスケットの製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項12〜21のいずれか一つに記
    載の使用済み燃料集合体格納用バスケットの外形に放射
    性物質格納容器本体のキャビティ内形状を合わせて当該
    バスケットを挿入し、前記格子内に使用済み燃料集合体
    を収納することを特徴とする放射性物質格納容器。
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