JP2019032241A - キャスクおよび中性子遮蔽部の作製方法 - Google Patents

キャスクおよび中性子遮蔽部の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中性子遮蔽材の熱膨張により外筒等に生じる応力を低減する。【解決手段】キャスク1は、胴本体2と、外筒3と、複数のフィン4と、複数の中性子遮蔽部5とを備える。胴本体2は、中心軸を中心とする筒状であり、燃料集合体を収容可能である。外筒3は、胴本体2の周囲を囲む筒状である。複数のフィン4は、胴本体2と外筒3との間に形成される筒状空間41において周方向に配列され、胴本体2の外周面211と外筒3の内周面311とを接続することにより、筒状空間41を複数の分割空間42に分割する。複数の中性子遮蔽部5は、複数の分割空間42に充填された中性子遮蔽材を含む。各中性子遮蔽部5は、中心軸に沿う軸方向に延びるボイド部59を備える。これにより、燃料集合体をキャスク1の内部に収容した際に、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒3等に生じる応力を低減することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、キャスクおよび中性子遮蔽部の作製方法に関する。
従来、原子炉から取り出された使用済燃料集合体(以下、単に「燃料集合体」という。)は、建屋内の貯蔵プールに保管され、数年〜十数年に亘って冷却される。その後、燃料集合体は、数十年に亘って中間貯蔵施設等で乾式貯蔵される。燃料集合体は、中性子やガンマ線等の放射線を放出し続けるため、専用の容器であるキャスクに収容された状態で輸送や乾式貯蔵が行われる。キャスクは、燃料集合体を収容する胴本体と、胴本体の周囲を囲む外筒と、胴本体と外筒との間において周方向に配列される複数のフィンとを備え、樹脂を含む中性子遮蔽材が、胴本体、外筒およびフィンにより区画される空間に充填される。中性子遮蔽材により、燃料集合体から発生する中性子がキャスク外に放出されることが抑制される。
なお、特許文献1および2では、燃料集合体の崩壊熱を効率的に外筒に伝えることが可能なキャスクが開示されている。当該キャスクでは、胴本体、外筒および伝熱フィンにより区画される空間に、別の場所で成形した中性子遮蔽体が挿入される。中性子遮蔽体は、アルミニウムまたは銅製のハニカム材の内部空間にレジン(中性子遮蔽材)を充填することにより形成される。
特開2004−125763号公報 特開2001−318187号公報
ところで、キャスクでは、中性子遮蔽材の熱膨張率が、胴本体および外筒に用いられる材料(例えば、炭素鋼)よりも大きいため、燃料集合体を内部に収容した際に、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒等に大きな応力が生じる場合がある。このような応力は、キャスクの設計上、小さいことが好ましい。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒等に生じる応力を低減することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、キャスクであって、中心軸を中心とする筒状であり、燃料集合体を収容可能な胴本体と、前記胴本体の周囲を囲む筒状の外筒と、前記胴本体と前記外筒との間に形成される筒状空間において周方向に配列され、前記胴本体の外周面と前記外筒の内周面とを接続することにより、前記筒状空間を複数の分割空間に分割する複数のフィンと、前記複数の分割空間に充填された中性子遮蔽材を含む複数の中性子遮蔽部とを備え、各中性子遮蔽部が、前記中心軸に沿う軸方向に延びるボイド部を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のキャスクであって、前記各中性子遮蔽部が、前記ボイド部である中空部を有する成形パイプ部と、前記成形パイプ部と分割空間の外縁との間に充填された中性子遮蔽材である充填部とをさらに備える。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のキャスクであって、前記成形パイプ部が、中性子遮蔽材の成形部材により形成される。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のキャスクであって、前記成形パイプ部が、前記軸方向に垂直な断面において、前記ボイド部の一方側に配置される第1プレキャスト部材と、前記断面において前記ボイド部の他方側に配置され、前記第1プレキャスト部材と結合することにより、前記第1プレキャスト部材と共に前記ボイド部の周囲を囲む第2プレキャスト部材とを備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のキャスクであって、前記第1プレキャスト部材と前記第2プレキャスト部材との結合部が、ラビリンス構造を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のキャスクであって、前記軸方向に垂直な断面において、前記ボイド部が前記周方向に沿って延びる形状を有する。
請求項7に記載の発明は、キャスクにおける中性子遮蔽部の作製方法であって、前記キャスクが、中心軸を中心とする筒状であり、燃料集合体を収容可能な胴本体と、前記胴本体の周囲を囲む筒状の外筒と、前記胴本体と前記外筒との間に形成される筒状空間において周方向に配列され、前記胴本体の外周面と前記外筒の内周面とを接続することにより、前記筒状空間を複数の分割空間に分割する複数のフィンとを備え、前記中性子遮蔽部の作製方法が、前記中心軸に沿う軸方向に延びる中空部を有する成形パイプ部を分割空間内に配置する工程と、前記成形パイプ部と前記分割空間の外縁との間に、流動性を有する中性子遮蔽材を充填し、硬化させることにより充填部を形成する工程とを備える。
本発明によれば、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒等に生じる応力を低減することができる。
キャスクの外観を示す図である。 キャスクを示す断面図である。 キャスクを示す断面図である。 成形パイプ部を示す断面図である。 成形パイプ部を示す図である。 中性子遮蔽部の作製の流れを示す図である。 複数の分割空間を示す図である。 複数の分割空間を示す図である。 試験体において用いた成形パイプ部を示す図である。 成形パイプ部の他の例を示す図である。 成形パイプ部の他の例を示す図である。 成形パイプ部の他の例を示す図である。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るキャスク1の外観を示す図である。キャスク1は、燃料集合体9(すなわち、使用済燃料集合体)を収容可能な容器である。キャスク1は、例えば、図1中の上下方向を向く中心軸J1を中心とする略円柱状である。以下の説明では、中心軸J1に沿う図1中の上下方向を「軸方向」ともいう。
図2および図3は、キャスク1の断面の一部(後述の外筒3の近傍)を示す図である。図2では、中心軸J1に垂直なキャスク1の断面を示し、図3では、中心軸J1を含むキャスク1の断面を示す。
キャスク1は、胴本体2と、外筒3と、複数のフィン(伝熱フィン)4と、複数の中性子遮蔽部5とを備える。胴本体2は、中心軸J1を中心とする筒状の容器である。胴本体2は、炭素鋼等の金属にて形成される。胴本体2は、本体側壁部21と、2つの本体端部22a,22bとを備える。例えば、本体側壁部21は、軸方向に延びる略円筒状である。各本体端部22a,22bは、略円柱状または略円板状である。軸方向における本体側壁部21の両端開口は、2つの本体端部22a,22bによりそれぞれ閉塞される。図3の例では、双方の本体端部22a,22bが、着脱可能な蓋部である。本体端部22a,22bは、例えば、ボルト締めにより本体側壁部21に固定される。胴本体2の設計によっては、一方の本体端部が本体側壁部21と一体的に形成されてもよい。キャスク1では、蓋部である本体端部を取り外すことにより、胴本体2の内部に、複数の燃料集合体9(図1参照)が収容可能である。実際には、胴本体2の内部空間は、複数の燃料集合体9が互いに接触しないように、バスケットにより仕切られている。
外筒3は、中心軸J1を中心とする筒状であり、胴本体2の本体側壁部21の周囲を囲む。外筒3は、炭素鋼等の金属にて形成される。外筒3は、外筒側壁部31と、2つの外筒端部32a,32b(図3参照)とを備える。例えば、外筒側壁部31は、軸方向に延びる略円筒状であり、外筒側壁部31の直径は、本体側壁部21の直径よりも大きい。本体側壁部21と外筒側壁部31との間、すなわち、胴本体2の外周面211と外筒3の内周面311との間には、中心軸J1を中心とする筒状空間41が形成される。中心軸J1に垂直な断面における筒状空間41の形状は略円環状である。軸方向において筒状空間41は外筒側壁部31の全長に亘る。2つの外筒端部32a,32bは、略円環状であり、軸方向における筒状空間41の両端は、外筒端部32a,32bによりそれぞれ閉塞(ほぼ密閉)される。外筒端部32a,32bは、例えば溶接等により外筒側壁部31および本体側壁部21に接合される。
複数のフィン4は、筒状空間41において中心軸J1を中心とする周方向に配列される。複数のフィン4は、銅等の金属にて形成される。各フィン4は、胴本体2の外周面211と外筒3の内周面311とを接続する伝熱部材である。各フィン4は、例えば、本体側壁部21および外筒側壁部31に対して溶接される。胴本体2の外周面211に対する複数のフィン4の接続位置は、周方向にほぼ一定の間隔で配置される。外筒3の内周面311に対する複数のフィン4の接続位置も、周方向にほぼ一定の間隔で配置される。キャスク1では、複数のフィン4により筒状空間41が複数の分割空間42(図2参照)に分割される。各分割空間42は、後述の中性子遮蔽材が充填される空間である。軸方向におけるフィン4の長さは、外筒3の長さよりも小さい。図3の例では、軸方向における外筒3の両端部にはフィン4は設けられず、外筒3の中央部のみにフィン4が設けられる。
図2に示すように、複数の中性子遮蔽部5は、複数の分割空間42にそれぞれ設けられる。実際には、全ての分割空間42に、中性子遮蔽部5が設けられる。各中性子遮蔽部5は、成形パイプ部50と、充填部55とを備える。成形パイプ部50は、中性子遮蔽材により形成される。中性子遮蔽材は、例えば、水素を多く含有する高分子材料であり、「レジン」とも呼ばれる。中性子遮蔽材は、中性子を遮蔽することが可能である。中性子遮蔽材の一例は、ボロンカーバイド(BC)および水酸化アルミニウムを混合したエポキシ樹脂である。中性子遮蔽材は、熱可塑性を有する。成形パイプ部50は、軸方向に延びており、外筒3とほぼ同じ長さを有する。成形パイプ部50は、軸方向の全長に亘って延びる中空部59を有する。後述するように、成形パイプ部50は、複数のプレキャスト部材51,52の組立体である。
充填部55は、成形パイプ部50と、本体側壁部21、外筒側壁部31およびフィン4との間、すなわち、成形パイプ部50と分割空間42の外縁との間に充填された中性子遮蔽材である。常温では、充填部55は、中性子遮蔽材の硬化体である。好ましくは、充填部55を構成する中性子遮蔽材は、成形パイプ部50の中性子遮蔽材と同じ種類である。この場合、成形パイプ部50および充填部55は、ほぼ一体的であると捉えることができる。両者の境界は、必ずしも明確でなくてもよい。中性子遮蔽部5は、中性子遮蔽材により形成される中空構造体である。既述のように、軸方向における外筒3の両端部にはフィン4は設けられていないため、当該両端部では、複数の中性子遮蔽部5において充填部55が周方向に連続する。以下の説明では、充填部55の中性子遮蔽材と、成形パイプ部50の中性子遮蔽材とが同じ種類であるものとするが、両者は、異なる種類であってもよい。
図4および図5は、1つの成形パイプ部50を示す図である。図4では、軸方向に垂直な成形パイプ部50の断面を示し、図5では、周方向に沿って見た成形パイプ部50を示している。成形パイプ部50は、複数のプレキャスト部材51,52を備える。各プレキャスト部材51,52は、外部の装置における中性子遮蔽材の成形(鋳造)により予め得られた長尺の成形部材であり、中性子遮蔽材の硬化体である。図4に示すように、軸方向に垂直な成形パイプ部50の断面では、2つのプレキャスト部材51,52により中空部59が囲まれる(形成される)。すなわち、成形パイプ部50では、中空部59の一方側に配置される第1プレキャスト部材51と、中空部59の他方側に配置され、第1プレキャスト部材51と結合することにより、第1プレキャスト部材51と共に中空部59の周囲を囲む第2プレキャスト部材52とが設けられる。第1プレキャスト部材51において、中空部59と反対側の外面511は、円弧状の外形を有する。分割空間42では、第1プレキャスト部材51の外面511が、外筒3の内周面311(図2参照)に沿うように配置される。また、第2プレキャスト部材52において、中空部59と反対側の外面521は、直線状の外形を有する。
図4に示す成形パイプ部50の断面において、第1プレキャスト部材51における外面511とは反対側の内面512には、略円弧状の凹部513が形成される。凹部513は、第2プレキャスト部材52とは反対側に窪む。内面512において凹部513の両外側には、段差部514が設けられる。段差部514では、凹部513から離れた部位が、外面511とは反対側に突出する。段差部514の縁の形状は、Z字状(蟻溝状)である。第2プレキャスト部材52において外面521とは反対側の内面522には、略円弧状の凹部523が形成される。凹部523は、第1プレキャスト部材51とは反対側に窪む。内面522において凹部523の両外側には、段差部524が設けられる。段差部524では、凹部523から離れた部位が、外面521側に窪む。段差部524の縁の形状は、Z字状である。例えば、第1プレキャスト部材51および第2プレキャスト部材52の断面の形状は、軸方向に沿って一定である。
成形パイプ部50では、第1プレキャスト部材51の段差部514と、第2プレキャスト部材52の段差部524とが互いに係合することにより、結合部53が形成される。成形パイプ部50の断面において、段差部514と段差部524との境界線は、Z字状に複数回かつ鋭角に折り返されており、結合部53はラビリンス構造を有する。第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52とが結合した状態では、第1プレキャスト部材51の凹部513と、第2プレキャスト部材52の凹部523とが互いに対向し、既述の中空部59が形成される。軸方向に垂直な成形パイプ部50の断面において、中空部59は、周方向(図4中の略横方向)に沿って延びる形状を有する。周方向に垂直な径方向(図4中の略縦方向)における中空部59の幅は、周方向の中央部において最大となり、各結合部53に向かうに従って漸次減少する。各分割空間42では、原則として、中空部59および後述の補助ボイド部58を除き、中性子遮蔽材が満たされている。以下の説明では、中空部59を「ボイド部59」と呼ぶ。
図5に示すように、成形パイプ部50では、複数の第1プレキャスト部材51が軸方向に連結され、複数の第2プレキャスト部材52も軸方向に連結される。複数の第1プレキャスト部材51は、互いに同じ構造を有する。軸方向に隣接する2つの第1プレキャスト部材51の端部は、接着剤により互いに接合され、当該2つの第1プレキャスト部材51が連結される。接着剤は、中性子遮蔽材を含むことが好ましく、プレキャスト部材51,52および充填部55と同種の中性子遮蔽材を含むことがより好ましい。複数の第2プレキャスト部材52は、互いに同じ構造を有する。軸方向に隣接する2つの第2プレキャスト部材52の端部は、接着剤により互いに接合され、当該2つの第2プレキャスト部材52が連結される。軸方向において、複数の第1プレキャスト部材51における各連結位置は、複数の第2プレキャスト部材52におけるいずれの連結位置とも相違する。
図3に示すように、分割空間42では、一方の外筒端部32aの近傍を除き、成形パイプ部50の周囲に、中性子遮蔽材が充填部55として充填される。分割空間42において外筒端部32aと充填部55の端面との間には、中性子遮蔽材が存在しない空間である補助ボイド部58が設けられる。各分割空間42において、ボイド部59および補助ボイド部58には空気が充填される。
キャスク1では、本体端部22a,22bにも、図示省略の中性子遮蔽材の部材(例えば、円板状の部材)が設けられる。燃料集合体9が胴本体2の内部に収容された際に、燃料集合体9から発生する中性子の外部への放出が、中性子遮蔽部5および本体端部22a,22bの中性子遮蔽材により遮蔽される。実際には、胴本体2の内部の燃料集合体9を中心とする全方向に対して中性子遮蔽材が配置される訳ではなく、例えば、補助ボイド部58は、中性子が遮蔽されない遮蔽欠損部となる。
燃料集合体9が収容されたキャスク1では、燃料集合体9の崩壊熱等により胴本体2の温度が高くなり、これに伴い、複数の中性子遮蔽部5、複数のフィン4および外筒3の温度も高くなる。例えば、中性子遮蔽部5の温度は、中性子遮蔽材のガラス転移点よりも高い温度(120〜130℃)まで上昇する。このとき、中性子遮蔽材の熱膨張係数は、胴本体2、フィン4および外筒3を形成する金属材料の熱膨張係数よりも高く、中性子遮蔽材の体積は当該金属材料よりも大きく膨張する。また、中性子遮蔽材は、その温度がガラス転移点よりも高くなると、ゴム状態となる性質を有する。実際のキャスク1では、中性子遮蔽材の熱膨張により、図4中に二点鎖線にて示すように、軸方向に垂直なボイド部59の断面積が小さくなるように中性子遮蔽部5(成形パイプ部50および充填部55)が変形する。詳細には、径方向におけるボイド部59の幅の変化量は、周方向の中央部において最大となり、各結合部53に向かうに従って漸次減少する。したがって、変形後におけるボイド部59では、当該幅が周方向にほぼ一定、すなわち、ボイド部59が、周方向に沿う略線状となる。
以上のように、中性子遮蔽部5では、ボイド部59が潰れるように中性子遮蔽材が膨張することにより、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒側壁部31および本体側壁部21に生じる応力が比較的小さくなる。換言すると、外筒側壁部31および本体側壁部21における熱応力が、ボイド部59の収縮により吸収される。実際には、中性子遮蔽材は軸方向にも膨張する。このとき、補助ボイド部58が小さくなるように、中性子遮蔽材が軸方向に伸びるため、外筒端部32a,32bに対して過度に大きな応力が生じることはない。
キャスク1の内部への燃料集合体9の収容から、数年〜数十年が経過すると、燃料集合体9の崩壊熱等が少なくなり、キャスク1の全体の温度も低下する。これにより、中性子遮蔽部5の中性子遮蔽材が収縮する。このとき、ボイド部59内の空気の存在により、軸方向に垂直なボイド部59の断面積が大きくなるように、ゴム状態の中性子遮蔽材が収縮する。すなわち、ボイド部59が再生される。中性子遮蔽材の収縮により、補助ボイド部58も同様に広がる。そして、中性子遮蔽部5の温度が、中性子遮蔽材のガラス転移点よりも低くなると、中性子遮蔽材が硬化する。中性子遮蔽材が硬化した状態では、中性子遮蔽部5の形状は、燃料集合体9の収容前とほぼ同じであり、予期しない大きな遮蔽欠損部が生じることはない。
次に、キャスク1における中性子遮蔽部5の作製について、図6を参照して説明する。中性子遮蔽部5の作製では、胴本体2の外周面211に複数のフィン4が取り付けられ、さらに、複数のフィン4に外筒3が取り付けられた製造途中のキャスク1が準備される(ステップS11)。製造途中のキャスク1では、外筒側壁部31および本体側壁部21の一方の端部(図3中の下側の端部)に、外筒端部32bが接合されており、他方の端部(図3中の上側の端部)には外筒端部32aは未だ接合されていない。製造途中のキャスク1は、外筒端部32bを外筒側壁部31よりも鉛直方向下側に配置した状態で保持される。上側から下方を向いて当該キャスク1を見た場合、図7に示すように、複数の分割空間42は上方に開放された状態である。実際には、図3に示すように、本体側壁部21の上部において径方向外側に突出するフランジ部212が設けられ、本体端部22aは、フランジ部212と軸方向に重なる部位を有する。図7および後述の図8では、複数の分割空間42と軸方向に重なるフランジ部212および本体端部22aの上記部位の図示を省略している。
続いて、成形パイプ部50が準備される(ステップS12)。既述のように、成形パイプ部50は、複数の第1プレキャスト部材51および複数の第2プレキャスト部材52の組立体である。成形パイプ部50の組立では、第1プレキャスト部材51および第2プレキャスト部材52の一方の部材を他方の部材に対して軸方向(長手方向)に移動することにより、当該一方の部材の段差部が、当該他方の部材の段差部に嵌め込まれる。これにより、第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52とが結合される。上記作業は、複数の第1プレキャスト部材51および複数の第2プレキャスト部材52に対して繰り返されるとともに、複数の第1プレキャスト部材51が軸方向に連結され、複数の第2プレキャスト部材52も軸方向に連結される。その結果、軸方向に延びるボイド部59を有する成形パイプ部50が組み立てられる。
成形パイプ部50の組立において、第1プレキャスト部材51同士の連結、および、第2プレキャスト部材52同士の連結には、接着剤が利用される。これにより、後述の充填部55の形成の際に、第1プレキャスト部材51同士の連結位置、および、第2プレキャスト部材52同士の連結位置から、ボイド部59内に中性子遮蔽材が浸入することが防止または抑制される。好ましい成形パイプ部50では、軸方向において、第1プレキャスト部材51同士の連結位置と、第2プレキャスト部材52同士の連結位置とが異なる。したがって、第1プレキャスト部材51同士を連結する際に、両者の段差部514を同じ第2プレキャスト部材52の段差部524に嵌め込むことにより、両者の位置合わせが完了する。第2プレキャスト部材52同士を連結する場合において同様である。なお、第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52との結合部53には、当該接着剤は利用されない。結合部53において当該接着剤が利用されてもよい。
成形パイプ部50が準備されると、図8に示すように、製造途中のキャスク1の各分割空間42内に成形パイプ部50が配置される(ステップS13)。既述のように、各分割空間42は上方に開放された状態であり、成形パイプ部50は、分割空間42の上側から(図3中のフランジ部212の外縁と外筒側壁部31の内周面311との間の隙間を介して)分割空間42内に挿入可能である。分割空間42内では、第1プレキャスト部材51の外面511が、外筒3の内周面311と対向する。好ましいキャスク1では、第1プレキャスト部材51の外面511の曲率が、外筒3の内周面311の曲率とほぼ同じであり、第1プレキャスト部材51の外面511と外筒3の内周面311とがほぼ隙間なく接する。なお、第1プレキャスト部材51と外筒3の内周面311との間に隙間が設けられてもよい。
続いて、筒状空間41内に液状(またはペースト状)の中性子遮蔽材が流し込まれる。このとき、筒状空間41の下方は、外筒端部32bにより覆われており、中性子遮蔽材が外部に漏れ出すことはない。また、複数のフィン4の上側および下側から、中性子遮蔽材が周方向、すなわち、全ての分割空間42に広がる。このとき、流し込まれた中性子遮蔽材により第2プレキャスト部材52の外面521が第1プレキャスト部材51に向かって押されるため、第1プレキャスト部材51の段差部514と第2プレキャスト部材52の段差部524(図4参照)とが密着する。その結果、段差部514,524間の隙間から中性子遮蔽材(詳細には、中性子遮蔽材に含まれる液状成分であり、クリアレジンとも呼ばれる。)がボイド部59内に浸入することが防止または抑制される。既述のように、第1プレキャスト部材51同士の連結位置、および、第2プレキャスト部材52同士の連結位置には接着剤が充填されるため、中性子遮蔽材が当該連結位置からボイド部59内に浸入することはない。なお、第1プレキャスト部材51の外面511と外筒3の内周面311との間に中性子遮蔽材が浸入してもよい。
外筒側壁部31の上端面(図3参照)から所定距離だけ下方の位置に、液状(またはペースト状)の中性子遮蔽材の液面が形成されるまで、複数の分割空間42内に中性子遮蔽材が流し込まれ、その後、中性子遮蔽材の流し込みが停止される。液状の中性子遮蔽材には硬化剤が添加されており、所定時間が経過することにより、中性子遮蔽材が硬化する。以上のように、各分割空間42の外縁と成形パイプ部50との間に、流動性を有する中性子遮蔽材を充填し、硬化させることにより充填部55が形成される(ステップS14)。これにより、複数の中性子遮蔽部5の作製が完了する。実際には、軸方向においてフィン4が設けられていない範囲では、複数の中性子遮蔽部5において充填部55が周方向に連続する。複数の中性子遮蔽部5は、複数の分割空間42に充填された中性子遮蔽材をそれぞれ含む。中性子遮蔽部5の作製後、外筒側壁部31および本体側壁部21の上側の端部に、外筒端部32aが接合され、分割空間42の上方が閉塞される。
次に、中性子遮蔽部5を模擬した試験体を用いた実験について述べる。試験体は、金属製の所定の容器内に成形パイプ部を配置し、その周囲に中性子遮蔽材を充填して充填部を形成したものである。ここでは、図9に示す成形パイプ部50を用いた。図9では、軸方向に沿って見た成形パイプ部50を示している。当該成形パイプ部50では、細長い矩形のボイド部59が設けられ、図4の段差部514,524は省略される。詳細には、第2プレキャスト部材52の内面522において、一定の深さの凹部523が設けられ、第1プレキャスト部材51の内面512には、凹部は設けられない。また、第2プレキャスト部材52の内面522において、当該凹部523の両外側には切欠き部525が設けられ、切欠き部525に接着剤を塗布することにより、第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52とが結合される。試験体を収容する容器には、成形パイプ部50のボイド部59が観察可能な窓が設けられる。
本実験では、燃料集合体9を収容したキャスク1において生じる温度変化と同様の温度変化を、試験体に対して再現した。具体的には、まず、試験体を恒温槽内で20℃から150℃まで加熱し、その後、所定時間の間、150℃で保持した。このとき、容器の窓を介して成形パイプ部50のボイド部59が小さくなることを確認した。実際には、図9の縦方向におけるボイド部59の幅は、図9の横方向における中央部において、端部よりも小さくなった。また、容器に生じるひずみから算出した圧力(熱膨張する中性子遮蔽材が容器に及ぼす圧力)は、1MPa未満であった。続いて、恒温槽の温度を150℃から20℃まで下げた。このとき、ボイド部59の大きさが元に戻る(実験前の大きさに戻る)ことを確認した。
一方、容器の内部を中性子遮蔽材で満たした場合、すなわち、中性子遮蔽部5にボイド部59を設けない場合の同様の実験では、熱膨張する中性子遮蔽材が容器に及ぼす圧力は8MPa以上であった。したがって、ボイド部59を設けた試験体では、中性子遮蔽材の熱膨張により容器に生じる応力を低減することができるといえる。
ここで、成形パイプ部50を省略した比較例のキャスクを想定する。比較例のキャスクでは、補助ボイド部58を除き、分割空間42の全体に中性子遮蔽材が隙間なく充填されて中性子遮蔽部が構成される。当該中性子遮蔽部では、軸方向に垂直な断面が中実である。したがって、燃料集合体9が胴本体2の内部に収容された際に、中性子遮蔽部の中性子遮蔽材の熱膨張により、外筒側壁部31および本体側壁部21において大きな応力が生じる。また、軸方向における中性子遮蔽材の伸びも大きくなるため、補助ボイド部58も予め大きく設計する必要がある。換言すると、中性子遮蔽部が熱膨張していない状態において、大きな遮蔽欠損部(補助ボイド部58)を設ける必要があり、比較例のキャスクの中性子遮蔽性能が低下する。また、燃料集合体9の崩壊熱等が少なくなり、中性子遮蔽部の温度が低下すると、軸方向に垂直な中性子遮蔽部の断面積(中実の断面の面積)が小さくなるように、中性子遮蔽材が収縮する。このとき、フィン4と中性子遮蔽部との間に隙間が生じて、予期しない遮蔽欠損部が発生する可能性がある。
一方、図2のキャスク1では、各中性子遮蔽部5が、軸方向に延びるとともに、周囲が中性子遮蔽材により直接的に囲まれるボイド部59を備える。これにより、中性子遮蔽材の熱膨張がボイド部59により吸収され、中性子遮蔽材の熱膨張により外筒3等に生じる応力を低減することができる。また、遮蔽欠損部である補助ボイド部58の大きさ(体積)を小さくすることができる。さらに、キャスク1の温度が上昇した後、低下した際に、ボイド部59が再生されて中性子遮蔽部5が膨張前の形状に戻ることにより、予期しない遮蔽欠損部が生じることを抑制することができる。
キャスク1では、軸方向に垂直な断面において、ボイド部59が周方向に沿って延びる形状を有する。これにより、中性子遮蔽部5において、中性子の遮蔽率に関係する中性子遮蔽材の径方向の合計厚さが、周方向に大きくばらつくことを抑制することができる。また、周方向の中央部における幅が、周方向の端部における幅よりも大きい図4のボイド部59は、中性子遮蔽材の熱膨張により周方向に沿う略線状となる。これにより、不必要に大きなボイド部59の形成を抑制して、キャスク1の大型化を抑制することができる。
各中性子遮蔽部5では、中性子遮蔽材の成形部材により形成され、ボイド部59である中空部を有する成形パイプ部50と、成形パイプ部50と分割空間42の外縁との間に充填された中性子遮蔽材である充填部55とが設けられる。これにより、ボイド部59を有する中性子遮蔽部5を容易に作製することができる。成形パイプ部50の中性子遮蔽材と、充填部55の中性子遮蔽材とが同じ種類であることにより、成形パイプ部50と充填部55との親和性を向上することができ、両者の間に、予期しない隙間(遮蔽欠損部)等が生じることを防止または抑制することができる。
ところで、例えば、特開2004−125763号公報および特開2001−318187号公報(上記特許文献1および2)のように、アルミニウムまたは銅製のハニカム材の内部空間に中性子遮蔽材を充填した中性子遮蔽体を、キャスクの分割空間において用いることも考えられる。しかしながら、このような中性子遮蔽体では、中性子遮蔽材の熱膨張によりハニカム材が変形することがあり、中性子遮蔽体の温度の低下により中性子遮蔽材が収縮した際に、ハニカム材と中性子遮蔽材との間に、予期しない隙間(遮蔽欠損部)が生じてしまう。また、分割空間では、ハニカム材の分だけ中性子遮蔽材の合計厚さが小さくなる。
これに対し、キャスク1では、成形パイプ部50自体が中性子遮蔽材により形成されるため、他の種類の材料により形成された部材の存在により、中性子遮蔽材の合計厚さ(中性子の遮蔽率)が小さくなることを防止することができる。また、既述のように、中性子遮蔽材が収縮する際に、ボイド部59が再生するため、予期しない遮蔽欠損部が発生することを抑制することができる。
中性子遮蔽部5の作製では、成形パイプ部50が分割プレキャスト(複数のプレキャスト部材51,52)により形成されることにより、成形パイプ部50を一体的に形成する場合に比べて、成形パイプ部50を容易に取り扱うことができる。また、段差部514と段差部524とを嵌め合わせることにより、第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52とが結合されるため、両者の位置合わせを容易に行うことができる。
第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52との結合部53が、ラビリンス構造を有することにより、充填部55の形成時に液状(またはペースト状)の中性子遮蔽材がボイド部59内に浸入することを防止または抑制することができる。また、結合部53において接着剤を使用しないことにより、接着剤の使用量を少なくして、中性子遮蔽部5の作製に要するコストを削減することができる。さらに、接着剤の塗布や硬化等に要する時間を短縮して、成形パイプ部50の組立に要する時間を短縮することができる。なお、図9の成形パイプ部50では、切欠き部525に接着剤を隙間なく塗布することにより、第1プレキャスト部材51と第2プレキャスト部材52との間の隙間から中性子遮蔽材がボイド部59内に浸入することが防止または抑制される。
上記キャスク1および中性子遮蔽部5の作製方法では様々な変形が可能である。
成形パイプ部50において、ボイド部59の幅が周方向の中央部において最大となり、周方向の端部に向かうに従って漸次減少する他の形状が採用されてもよい。図10は、このような成形パイプ部50の一例であり、当該成形パイプ部50では、ボイド部59が周方向に沿って延びる菱形である。このように、ボイド部59の形状は適宜変更されてよい。ボイド部59が周方向に沿って延びる形状を有する図4、図9および図10の成形パイプ部50(並びに、後述の図11および図12の成形パイプ部50)では、中性子遮蔽材の径方向の合計厚さが、周方向に大きくばらつくことを抑制することができる。
成形パイプ部50において複数のボイド部59が設けられてもよい。図11に示す例では、それぞれが軸方向に延びる2つのボイド部59が周方向に並んで設けられる。また、図12に示すように、各分割空間42において複数の(図12では、2つの)成形パイプ部50が周方向に配列されてもよい。成形パイプ部50の設計によっては、軸方向の位置に応じて、ボイド部59の断面形状および大きさが変更されてもよい。
分割空間42において、ボイド部59は、必ずしも外筒3近傍に設けられる必要はなく、例えば、胴本体2の近傍に設けられてもよい。このような中性子遮蔽部5は、図6のステップS13において、分割空間42内における成形パイプ部50の位置を変更するのみで容易に作製可能である。
成形パイプ部50を構成する成形部材は、切削等の機械加工により形成されてもよい。成形パイプ部50は、1つの成形部材により構成されてもよい。また、軸方向の各位置において成形パイプ部50が、3以上の成形部材により構成されてもよい。成形パイプ部50が、中性子遮蔽材以外の材料により形成されてもよい。当該材料は、通常、中性子遮蔽材として用いられない材料であり、例えば、ボロンやカドミウムを含まない樹脂等である。当該材料も、中性子遮蔽材と同様に、温度の上昇によりゴム状態となる性質を有することが好ましい。これにより、キャスク1の温度が上昇した後、低下した際に、ボイド部59を再生して、遮蔽欠損部が発生することを抑制することができる。
上記キャスク1では、軸方向における外筒3の両端部において、複数の中性子遮蔽部5の充填部55が周方向に連続するが、各フィン4が外筒3の一端から他端まで延びる場合等、複数の中性子遮蔽部5が互いに不連続な状態で存在してもよい。
例えば、軸方向に垂直なキャスク1の断面において、胴本体2の外周面211に対する複数のフィン4の傾きが、周方向に漸次変更され、複数の分割空間42の形状が互いに相違してもよい。この場合でも、中性子遮蔽部5の上記作製方法では、成形パイプ部50を外部の装置にて作製し、成形パイプ部50と分割空間42の外縁との間に、流動性を有する中性子遮蔽材を充填して充填部55を形成するため、複数の中性子遮蔽部5を適切に作製することができる。キャスク1の設計によっては、外形が分割空間42に合わせて形成された成形パイプ部50を当該分割空間42に挿入することにより、中性子遮蔽部5が作製されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 キャスク
2 胴本体
3 外筒
4 フィン
5 中性子遮蔽部
9 燃料集合体
41 筒状空間
42 分割空間
50 成形パイプ部
51,52 プレキャスト部材
53 結合部
55 充填部
59 ボイド部(中空部)
211 (胴本体の)外周面
311 (外筒の)内周面
J1 中心軸
S11〜S14 ステップ

Claims (7)

  1. キャスクであって、
    中心軸を中心とする筒状であり、燃料集合体を収容可能な胴本体と、
    前記胴本体の周囲を囲む筒状の外筒と、
    前記胴本体と前記外筒との間に形成される筒状空間において周方向に配列され、前記胴本体の外周面と前記外筒の内周面とを接続することにより、前記筒状空間を複数の分割空間に分割する複数のフィンと、
    前記複数の分割空間に充填された中性子遮蔽材を含む複数の中性子遮蔽部と、
    を備え、
    各中性子遮蔽部が、前記中心軸に沿う軸方向に延びるボイド部を備えることを特徴とするキャスク。
  2. 請求項1に記載のキャスクであって、
    前記各中性子遮蔽部が、
    前記ボイド部である中空部を有する成形パイプ部と、
    前記成形パイプ部と分割空間の外縁との間に充填された中性子遮蔽材である充填部と、
    をさらに備えることを特徴とするキャスク。
  3. 請求項2に記載のキャスクであって、
    前記成形パイプ部が、中性子遮蔽材の成形部材により形成されることを特徴とするキャスク。
  4. 請求項2または3に記載のキャスクであって、
    前記成形パイプ部が、
    前記軸方向に垂直な断面において、前記ボイド部の一方側に配置される第1プレキャスト部材と、
    前記断面において前記ボイド部の他方側に配置され、前記第1プレキャスト部材と結合することにより、前記第1プレキャスト部材と共に前記ボイド部の周囲を囲む第2プレキャスト部材と、
    を備えることを特徴とするキャスク。
  5. 請求項4に記載のキャスクであって、
    前記第1プレキャスト部材と前記第2プレキャスト部材との結合部が、ラビリンス構造を有することを特徴とするキャスク。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のキャスクであって、
    前記軸方向に垂直な断面において、前記ボイド部が前記周方向に沿って延びる形状を有することを特徴とするキャスク。
  7. キャスクにおける中性子遮蔽部の作製方法であって、
    前記キャスクが、
    中心軸を中心とする筒状であり、燃料集合体を収容可能な胴本体と、
    前記胴本体の周囲を囲む筒状の外筒と、
    前記胴本体と前記外筒との間に形成される筒状空間において周方向に配列され、前記胴本体の外周面と前記外筒の内周面とを接続することにより、前記筒状空間を複数の分割空間に分割する複数のフィンと、
    を備え、
    前記中性子遮蔽部の作製方法が、
    前記中心軸に沿う軸方向に延びる中空部を有する成形パイプ部を分割空間内に配置する工程と、
    前記成形パイプ部と前記分割空間の外縁との間に、流動性を有する中性子遮蔽材を充填し、硬化させることにより充填部を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする中性子遮蔽部の作製方法。
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