JP4783197B2 - 金属キャスクおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放射性物質の輸送や貯蔵に用いる金属キャスクおよびその製造方法に関するものである。
原子炉から取り出された放射性物質としての使用済燃料集合体は、原子力発電所内の冷却プールにおいて一定期間冷却されて、放射線量や発熱量を減衰させた後、燃え残りのウランや核反応で生成したプルトニウムを回収するために燃料再処理工場に輸送される。また、近年では、使用済燃料燃料集合体を集中貯蔵施設(乾式貯蔵施設)に輸送して、貯蔵することも検討されている。使用済燃料集合体を原子力発電所からこれらの施設まで輸送し、さらに貯蔵するために用いられる放射性物質貯蔵容器としては、金属キャスクが知られている。金属キャスクによる使用済燃料の貯蔵期間は、最長で50年程度である。
金属キャスクは、容器を構成する外筒内に内筒を設けられており、内筒の内側に設けられた金属製バスケットに放射性物質が収納される。放射性物質が沸騰水型軽水炉燃料である場合には、最大約70体の使用済燃料集合体が収納される。内筒は、上方が開口した炭素鋼製の筒であり、ガンマ線を遮へいする機能を備えている。内筒と外筒との間には、熱伝導性が高い銅等の金属板で構成された伝熱フィンが周方向に間隔を置いて取り付けられている。そして、これらの内筒、外筒および伝熱フィンで囲われる領域に、中性子遮へい材としてレジンが充填されている。
このような金属キャスクは、内筒の開口部に放射性物質の漏洩を防止する一次蓋が取り付けられ、さらにその外側に二次蓋が取り付けられる。
中性子遮へい材としてのレジンは、水素原子を多数含む、すなわち水素数密度が高い物質であり、一般に高分子化合物が使用される。種々の高分子化合物のうち、金属キャスクでは、耐熱性と水素数密度のバランスがよいという特徴を活かして、エポキシ樹脂が多く用いられている。この場合には、液状のエポキシ主剤と硬化剤、これに難燃性を付与する水酸化アルミニウム、および中性子吸収体である炭化ホウ素が均一になるように混合される。このようなレジンは、前記領域に充填して常温において硬化させて使用される(例えば、特許文献1参照)。
特許第3150672号公報
前記したように、レジンは、液状で前記領域に充填され、常温にて硬化させて使用されるが、硬化する過程において、体積収縮を生じやすく、その一方で、エポキシ系であるために、周囲の内筒、外筒あるいは伝熱フィンに対して接着するという作用をなす。
このため、レジンが硬化する過程において、例えば、内筒と伝熱フィンとの溶接部の凹凸によって、レジンに局所的な引っ張り応力が生じるおそれがあり、その部分からヘアクラックが形成されるおそれがあった。
通常、レジン充填にあたっては、レジン充填のモックアップ試験を繰り返し行うことで、このようなヘアクラックが発生する可能性は小さいことを確認した上で、仮に発生したとしても遮へい性能に対する影響が無視し得ることを遮へい解析などで確認しているが、念には念を入れて、このようなヘアクラックが発生する可能性を皆無にすることが望まれている。
そこで、本発明の目的は、中性子遮へい材に微細なクラックが発生するのを防止することができる金属キャスクおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、実際の金属キャスクで想定される条件を網羅するような広い温度範囲で中性子遮へい材の強度を鋭意研究した結果、遮へい材充填部の内面に中性子遮へい材を接着させる必要がないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明では、遮へい材充填部内における、内筒と伝熱フィンとの溶接部の全て、および外筒と伝熱フィンとの溶接部の全てに離型剤が塗布されているとともに、前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、前記溶接部を挟んで隣合う一方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、または、両方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、離型剤が塗布されている構成とすることにより、中性子遮へい材が硬化する過程において体積収縮を生じても、少なくとも、内筒と伝熱フィンとの溶接部の凹凸、および外筒と伝熱フィンとの溶接部の凹凸から中性子遮へい材が剥離され、これらの凹凸に対して中性子遮へい材が滑る状態となる。これにより、中性子遮へい材に局所的な引っ張り応力が生じることがない。したがって、中性子遮へい材の硬化収縮や熱膨張・収縮の過程において、溶接部の凹凸が起点となって中性子遮へい材にヘアクラックが形成されるのを回避することができる。
本発明によれば、中性子遮へい材に微細なクラックが発生するのを防止することができる金属キャスクおよびその製造方法が得られる。
次に、本発明の金属キャスクを適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態では、金属キャスクとして原子力発電所から発生する使用済燃料集合体を収納するための金属キャスクCについて説明する。また、以下の説明において、「上」「下」は、金属キャスクCが立てられた状態(図1(b)の状態)を基準とする。
図1(a)(b)に示すように、金属キャスクCは、放射性物質としての使用済燃料集合体(不図示)を収納する内筒1と、この内筒1の外周に伝熱フィン2(図1(a)参照)を介して設けられた外筒3と、これらの内筒1、伝熱フィン2および外筒3で少なくとも囲まれて金属キャスクCの軸線方向に延設される状態に形成された遮へい材充填部4と、この遮へい材充填部4に充填されて硬化される中性子遮へい材としてのレジンRとを備えて構成される。
ここで、内筒1および外筒3は、放射線(主としてガンマ線等)を遮へいすることが可能な炭素鋼ないしステンレス鋼製である。
内筒1の上部開口には、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび二次蓋1Bが取り付けられる。なお、外筒3の上部および下部には、金属キャスクCの吊上げ吊下し等に使用される図示しないトラニオンが周方向に所定の間隔を置いて複数個設けられている。
図1(a)(b)に示すように、内筒1の内側には、使用済燃料集合体(不図示)を収納するための収納部5が設けられている。収納部5には、中性子吸収材を含む平板状の金属板を平面視で格子状に組んでなるバスケット5aが設けられている。金属板としては、ボロン含有ステンレス鋼の他、熱伝導率の大きいボロン含有アルミニウム合金等が用いられる。
遮へい材充填部4は、前記したように、内筒1、伝熱フィン2および外筒3で少なくとも囲まれて金属キャスクCの周方向略全体に設けられており、それぞれが平面視で扇形を呈している。伝熱フィン2は、熱伝導性に優れた材料、例えば、銅、炭素鋼と銅とのクラッド材等からなる。伝熱フィン2の一端が内筒1の外周面に溶接され、また、他端が外筒3の内周面に溶接されている。
遮へい材充填部4に充填されるレジンRは、中性子線を遮へいすることが可能であり、例えば、耐熱性と水素数密度のバランスがよいという特徴を活かして、エポキシ樹脂が利用される。この場合には、液状のエポキシ主剤と硬化剤、これに難燃性を付与する水酸化アルミニウム、および中性子吸収体である炭化ホウ素を均一になるように混合してなる。ここで、遮へい材充填部4の厚さ(大きさ)は、収納される使用済燃料集合体の特性等を考慮して適宜決定される。なお、本実施形態の金属キャスクCでは、図1(b)に示すように、一次蓋1Aおよび内筒1の底部1Cにも、同様のレジンRが充填されて硬化されている。
本実施形態では、この遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されている。つまり、遮へい材充填部4を構成する内筒1の外周面、外筒3の内周面および伝熱フィン2の側面はもとより、図2に示すように、内筒1と伝熱フィン2との溶接部Y1,Y1、および外筒3と伝熱フィン2との溶接部Y2,Y2にも離型剤10が塗布されている。また、図1(b)に示すように、離型剤10は、遮へい材充填部4の開口を塞ぐ蓋部6の下面6a、および底部1Cの上面1cにも塗布されている。
このような離型剤10は、遮へい材充填部4に充填されて硬化されるレジンRを遮へい材充填部4の内面から剥離するためのものであり、遮へい材充填部4の表面を改質し、接触面の摩擦を少なく、また接触面の接着を少なくするものである。本実施形態では、シリコーン系化合物をトルエンなどの溶剤に溶かしたもの、例えば、エポキシ用の公知の離型剤を採用することができる。
離型剤10の塗布は、スプレーによる方法や離型剤10を含浸させたウエスやスポンジ等を用いて塗布する方法を採用することができる。
次に、遮へい材充填部4への離型剤10の塗布およびレジンRの充填手順について説明する。
はじめに、遮へい材充填部4に異物等が入っていないかを目視等によって確認する。このとき、内部に結露水があれば、必要に応じてブロアー等によって乾燥する。
その後、レジンRの充填に先立って遮へい材充填部4に離型剤10を塗布する。本実施形態では、前記したように遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10を塗布する。特に、溶接部Y1,Y2の上(表面)には、離型剤10の塗り残しがないように留意する。これは、溶接部Y1,Y2に対してレジンRが接着せずに剥離される状態にすることが、ヘアクラックの形成防止に効果的であるからである。なお、図1(b)に示すように、遮へい材充填部4の上部には、レジンRが充填されない空隙部Sが形成されるが、この部分にも離型剤10を隙間なく塗布する。また、蓋部6の下面6aおよび底部1Cの上面1cにも離型剤10を塗布する。
離型剤10を塗布した後、目視等によって遮へい材充填部4の内面に一様に離型剤10が塗布されていることを確認し、必要に応じて余剰の離型剤10をウエス等で拭き取る。特に、側面を伝わって底部1Cの上面1cに流れ落ちて溜まった離型剤10がある場合には、これを拭き取って除去することが望ましい。その後、所定時間放置して、離型剤10に含まれる溶剤を揮発させる。
その後、遮へい材充填部4にレジンRを充填する。レジンRは、図示しない配合装置内でエポキシ主剤、硬化剤、難燃剤および中性子吸収材を混練して、真空脱泡した後、加圧しながらホース等によって遮へい材充填部4に充填する。ホースを用いる場合には、遮へい材充填部4の底まで挿入してから充填を開始し、充填中は、上昇してくるレジンRの液面高さにあわせてホースの吐出口の高さ調節を行う操作をする。
その後、常温においてレジンRを硬化させる。硬化する過程においてレジンRは、体積収縮を起こし、その一方で、エポキシ系であるために、遮へい材充填部4内の内筒1の外周面、伝熱フィン2の各側面、外筒3の内周面および各溶接部Y1,Y2に対して接着する作用をなす。しかしながら、遮へい材充填部4の内面全てには、前記したように離型剤10が塗布されているので、レジンRは、体積収縮に伴って内面から自然に剥離する状態になる。つまり、硬化する過程において、レジンRには局所的な引っ張り応力が生じるおそれがない。これにより、硬化収縮や熱膨張・収縮の過程において、溶接部Y1,Y2の凹凸が起点となってヘアクラックが形成されることを回避することができる。
ところで、レジンRは、前記のように、体積収縮に伴って内面から自然に剥離する状態にされることで、結果として、遮へい材充填部4内において、遮へい材充填部4が上部に空隙部Sを有している分、その長手方向に移動可能に収容される状態にされる。ここで問題になるのが、搬出入クレーン等からの金属キャスクCの落下事象を想定した場合に、その衝撃によってレジンRが分断される可能性があるかどうかということである。
そこで、本発明者らは、実際の金属キャスクCで想定される条件を網羅するような広い温度範囲でレジンRの強度を鋭意研究し、落下強度に耐えられることを見出した。
つまり、遮へい材充填部4の内面にレジンRが接着されない状態(遮へい材充填部4の長手方向に移動可能な状態)において、落下事象を想定しても、レジンRはその衝撃に耐え得るに十分な強度を有しており、衝撃によって分断される等の放射線遮へい上問題となるギャップを生じることが皆無であった。
レジンRの硬化後には、レジンRの体積収縮分の高さ調節を行うため少量のレジンRを追加充填し、常温で硬化させる。図1(b)に示すように、最終的には、レジンRの熱膨張分を考慮して、遮へい材充填部4の上部に、空隙部Sが形成される状態にレジンRを硬化させる。そして、硬化後にレジンRの高さや表面状態を検査する。
検査後、蓋部6を遮へい材充填部4の開口縁に溶接して固定し、遮へい材充填部4を密閉し、離型剤10の塗布およびレジンRの充填に係る作業を終了する。
以下では、本実施形態において得られる効果を説明する。
(1)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、レジンRが硬化する過程において体積収縮を生じても、内筒1と伝熱フィン2との溶接部Y1,Y1や外筒3と伝熱フィン2との溶接部Y2,Y2の凹凸からレジンRが剥離され、該凹凸に対してレジンRが滑る状態となる。これにより、レジンRに局所的な引っ張り応力が生じることがない。したがって、レジンRの硬化収縮や使用済燃料集合体を収納した後の熱膨張・収縮の過程において、溶接部Y1,Y2の凹凸が起点となってレジンRにヘアクラックが形成されるのを回避することができる。これにより、使用済燃料の輸送および長期貯蔵の間、金属キャスクCの遮へい性能を安定して維持することができる。
(2)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、仮に、遮へい材充填部4の内面に錆等の異物が存在するような場合でも、これを離型剤10で覆うことができ、錆等の異物がレジンRに直接的に作用することを防止することができる。離型剤10の介在がない状態で錆等の異物が存在すると、レジンRが硬化収縮する際に、その部分が周囲よりも先に面から剥離する可能性があり、ボイド発生の起点になり易い。これに対して、遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10を塗布する構成では、仮に錆等の異物が存在していたとしても、これを起点としてボイドが発生するおそれがない。
(3)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、内面の状態が略一定になり、レジンRと内面との接着力一定にすることができる。これによって、レジンRに対する衝撃力が緩和され、レジンRの破損防止に寄与する。
(4)遮へい材充填部4の内面の全てに離型剤10が塗布されているので、レジンRの硬化収縮に伴う内面からの剥離性が均一になる。このことは、ボイド発生の防止に寄与する。
図3は本発明に係る金属キャスクCの変形例であり、この例では、遮へい材充填部4内における、内筒1と伝熱フィン2との溶接部Y1の全て、および外筒3と伝熱フィン2との溶接部Y2の全てに、離型剤10が塗布されているとともに、遮へい材充填部4内における、内筒1の外周面1a、伝熱フィン2の側面2aおよび外筒3の内周面3aのうち、溶接部Y2を挟んで隣合う、2つの側面、つまり、伝熱フィン2の側面2aおよび外筒3の内周面3aに、離型剤10が塗布されている。
この例では、溶接部Y1,Y2の全てに、離型剤10が塗布されているので、レジンRの硬化収縮や使用済燃料集合体を収納した後の熱膨張・収縮の過程において、溶接部Y1,Y2の凹凸に対してレジンRが滑る状態となり、レジンRに局所的な引っ張り応力が生じることがない。
また、溶接部Y2を挟んで隣合う、伝熱フィン2の側面2aおよび外筒3の内周面3aに離型剤10が塗布されているので、レジンRが硬化する過程において、これらの側面2aおよび内周面3aからレジンRが剥離する。これに対して、内筒1の外周面1aおよびもう一方の伝熱フィン2の側面2aに対して、レジンRが直接的に接着する状態となり、レジンRと遮へい材充填部4との固定状態が確保される。なお、前記のように、遮へい材充填部4内において、内筒1側に比べて周長の長くなる側である外筒3側の内周面3aが離型剤10により剥離される構成であるので、レジンRが硬化する過程において硬化反応が均一に進むようになり、レジンRの内部に残留応力が生じることがない。
したがって、使用済燃料の輸送および長期貯蔵の間、金属キャスクCの遮へい性能を安定して維持することができる。
なお、この例では、溶接部Y2を挟んで隣合う2面に離型剤10を塗布したが、さらに、もう一方の伝熱フィン2の側面2aに対しても離型剤10を塗布するように構成してもよい。この場合にも、離型剤10の塗布されない内筒1の外周面1aに対して、レジンRが直接的に接着する状態となり、レジンRと遮へい材充填部4との固定状態が確保される。
また、図4(a)(b)に示すように、遮へい材充填部4内における、内筒1の外周面1aに、遮へい材充填部4の内側へ向けて突出する略台形状を呈するアンカー部7を設けてもよい。
このようなアンカー部7は、硬化されたレジンRに食い込む状態となって、遮へい材充填部4内の所定位置にレジンRを保持する役割をなす。これにより、金属キャスクCの落下事象を想定した場合に、レジンRが遮へい材充填部4内で移動するのを防止することができる。なお、前記のように離型剤10を塗布する効果によって、レジンRにヘアクラックが形成されることがないので、落下事象を想定した場合に、その衝撃によってアンカー部7からレジンRが分断されるおそれはない。
なお、アンカー部7の角部は丸く形成されており、衝撃時に、レジンRに対してダメージが付与されないようにされている。
また、アンカー部7は、遮へい材充填部4内の下部に設置されている。これは、下部の方が、中央部に設置した場合に比べて放射線量の減少を期待できることと、レジンRの熱膨張・収縮の影響を受け難い位置だからである。
さらに、アンカー部7の形状は、前記した台形状に限られることはなく、種々の形状を採用することができる。また、伝熱フィン2の側面2aや外筒3の内周面3aに対しても同様に、アンカー部7を設置してもよい。
また、図示はしないが、本発明の金属キャスクCの変形例として、溶接部Y1,Y2の全てにのみ、離型剤10を塗布するように構成してもよい。この場合にも、溶接部Y1,Y2の凹凸からレジンRが剥離され、該凹凸に対してレジンRが滑る状態となる。これにより、レジンRに局所的な引っ張り応力が生じることがなく、レジンRの硬化収縮や使用済燃料集合体を収納した後の熱膨張・収縮の過程において、溶接部Y1,Y2の凹凸が起点となるヘアクラックがレジンRに形成されるのを回避することができる。これにより、使用済燃料の輸送および長期貯蔵の間、金属キャスクCの遮へい性能を安定して維持することができる。
(a)は本発明の一実施形態に係る金属キャスクを示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。 要部の部分拡大図である。 変形例の金属キャスクにおける要部の部分拡大図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る金属キャスクのその他の例を示す模式横断面図、(b)は同じく模式縦断面図である。
符号の説明
1 内筒
2 伝熱フィン
3 外筒
4 遮へい材充填部
7 アンカー部
10 離型剤
C 金属キャスク
R レジン(中性子遮へい材)
Y1 溶接部
Y2 溶接部

Claims (3)

  1. 放射性物質を収納する内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、2つの前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成された遮へい材充填部と、この遮へい材充填部に充填されて硬化される中性子遮へい材と、を備えた金属キャスクであって、
    前記遮へい材充填部内における、前記内筒と前記伝熱フィンとの溶接部の全て、および前記外筒と前記伝熱フィンとの溶接部の全てに、離型剤が塗布されているとともに、
    前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、前記溶接部を挟んで隣合う一方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、または、両方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、前記離型剤が塗布されていることを特徴とする金属キャスク。
  2. 前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、少なくとも1つの側面には前記遮へい材充填部の内側へ向けて突出するアンカー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金属キャスク。
  3. 放射性物質を収納する内筒と、この内筒の外周に伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒で囲まれて形成された遮へい材充填部と、この遮へい材充填部に充填されて硬化される中性子遮へい材と、を備えた金属キャスクの製造方法であって、
    前記遮へい材充填部内における、前記内筒と前記伝熱フィンとの溶接部、および前記外筒と前記伝熱フィンとの溶接部に沿って、離型剤をそれぞれ塗布するとともに、前記遮へい材充填部内における、前記内筒、前記伝熱フィンおよび前記外筒の各側面のうち、前記溶接部を介して隣合う一方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、または、両方の前記伝熱フィンの側面および前記外筒の側面にのみ、前記離型剤を塗布する過程と、
    前記離型剤が塗布された前記遮へい材充填部内に前記中性子遮へい材を充填する過程と、を含むことを特徴とする金属キャスクの製造方法。
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