JP2004125762A - 放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 - Google Patents
放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004125762A JP2004125762A JP2002323159A JP2002323159A JP2004125762A JP 2004125762 A JP2004125762 A JP 2004125762A JP 2002323159 A JP2002323159 A JP 2002323159A JP 2002323159 A JP2002323159 A JP 2002323159A JP 2004125762 A JP2004125762 A JP 2004125762A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- buffer
- inner container
- outer cylinder
- rod
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
【課題】放射性物質格納容器の外筒内に設けた中性子遮蔽体の損傷を防止すること。
【解決手段】緩衝体550と外筒503との間に補助遮蔽体560を挟み込み、緩衝体550の衝撃は、補助遮蔽体560を介して外筒503に伝わり、反対の補助遮蔽体560を介して他方の遮蔽体550に伝わる。これにより、外筒503が荷重を受けることがなくなるので、内部の中性子遮蔽体502に損傷を与えることがない。
【選択図】 図13
【解決手段】緩衝体550と外筒503との間に補助遮蔽体560を挟み込み、緩衝体550の衝撃は、補助遮蔽体560を介して外筒503に伝わり、反対の補助遮蔽体560を介して他方の遮蔽体550に伝わる。これにより、外筒503が荷重を受けることがなくなるので、内部の中性子遮蔽体502に損傷を与えることがない。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、原子力発電に用いる燃料棒の集合体をリサイクルのために収納する放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体に関する。
【0002】
【従来の技術】
リサイクル燃料集合体を原子力発電所から貯蔵施設まで輸送して、一定期間貯蔵しておくための所謂キャスクと呼ばれる放射性物質格納容器が知られている。通常キャスクは、PWR用またはBWR用のリサイクル燃料集合体を内部に設けたバスケットの各セル内に収納し、このバスケットの周囲にはγ線遮蔽の胴本体と、その周囲にレジン層からなる中性子遮蔽体が設けた構造である。胴本体には伝熱フィンが複数設けられ、且つこれが前記中性子遮蔽体内を貫通して外容器の内面に接続されている。
【0003】
また、従来のキャスクの一例としては、バスケットが薄肉の内容器に収納され、この内容器を厚肉の外容器内に収容したものが知られている(例えば特許文献1参照)。図18は、係るキャスクの構成図である。このこのキャスク500では、内容器501及び外容器502により実質的に前記γ線を遮蔽する胴本体503を構成する。密封性は内容器501により維持されるので、外容器502はγ線遮蔽機能を有していれば良い。従って、前記外容器502は、複数の構成材料をボルトにより固定して容器状に組み立てられ、また内容器501は、ステンレス製の筒体に底板を溶接した構造であり、そのフランジ部504にて外容器502の端面に固定される。また、バスケット505は、例えば、中性子減速材を含む板材を交互に組み合わせて菓子折り状にし、これにより形成した格子内にステンレス製の角パイプを挿入した構造のものである。
【0004】
更に、外容器502と外筒506とは複数の伝熱フィン(図示省略)で接続され、この外容器502、外筒506および伝熱フィンにより区画される空間には、中性子遮蔽体507が充填されている。また、外筒506の軸方向両側には端板506aが設けられ、中性子遮蔽体507の充填空間を閉にしてある。更に、キャスク500の両側には、輸送時に緩衝体510が取り付けられる。緩衝体510は、板金製であり、内部に緩衝用の木材511がその木目方向を変えながら内設されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−131491号公報(第3頁〜5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のキャスク500では、輸送時に緩衝体をロッドにより接続する場合があり、係る場合には、キャスクの水平ハンドリングの際、トラニオンにワイヤを掛けて吊り上げる必要があるところ、このワイヤが前記ロッドに干渉して邪魔になるという問題点があった。また、前記緩衝体510の端板512と前記外筒506の端板506aとが離れているため、キャスク500が落下したとき当該緩衝体510が変形して外筒506に接触し、外筒506は軸方向に支持されていない箱状板金構造のため、そのまま変形し中性子遮蔽体507に損傷を与える可能性がある。
【0007】
そこで、この発明は、中性子遮蔽体に損傷を与えないような放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による緩衝体を有する放射性物質格納容器は、容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、前記ロッドの一部または全部が長手方向で分割可能な構造のロッドとなっていることを特徴とする。
【0009】
ロッドを分割可能にしておけば、輸送時に吊り具やワイヤと干渉する位置に当該ロッドが存在しても、ロッドを分解することで、吊り具等との干渉を防止できる。また、緩衝体と緩衝体との距離は数mにも及ぶため、長手方向に分割可能とすることで、取り外しを容易にできる。
【0010】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記ロッドは、中央の円筒材の両側に互いに逆のねじを切り、これにロッド材が螺合したターンバックル結合となっており、前記緩衝体の対向面に設けた固定部の穴にロッド材の端部が貫通し且つ当該端部が固定部に係止しており、円筒材の回転による締め付けで両端のロッド材が固定部に固定され、緩衝体同士の間にロッドを渡すことで当該緩衝体同士を固定したことを特徴とする。
【0011】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、緩衝体同士をワイヤにより接続して当該緩衝体を固定したことを特徴とする。
【0012】
ワイヤにより固定する場合、ロッドのような長尺物に比べてフレキシブルに変形するので、取り扱いが容易である。
【0013】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記ワイヤは、緩衝体の対向面に設けた滑車に掛けられて、単数または複数のワイヤにより緩衝体を固定していることを特徴とする。滑車によりワイヤを掛けることで連結部分を少なくでき、それゆえワイヤの取り外しも容易になる。このため、容器輸送時の作業が楽になる。
【0014】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記滑車には、ワイヤの脱落防止部材が設けられていることを特徴とする。また、つぎの発明による放射性物質格納容器は、容器本体の側面に設けたトラニオンの外部に開口した穴に中性子遮蔽体が挿入脱可能であり、且つこの中性子遮蔽体を装着する穴には、吊り具の突起が挿入可能であることを特徴とする。
【0015】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射性物質格納容器は、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、緩衝体と外筒との間に挟み込む荷重伝達部材とを備える。
【0016】
この発明において、一方の緩衝体に加わる荷重は荷重伝達部材により外筒に伝わり、反対側の荷重伝達部材から他方の緩衝体に伝わる。即ち、緩衝体同士により荷重伝達部材を介在させて外筒を挟み込んでいるので、外筒で荷重を受けることがなくなるから、中性子遮蔽体の損傷などを防止できる。
【0017】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れ、更に胴本体の軸方向両側に設けられた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、緩衝体と外筒との間に挟み込むと共に内部に中性子遮蔽体を入れた補助遮蔽体とを備えることを特徴とする。
【0018】
補助遮蔽体を挟み込むことで、中性子の遮蔽を行うことができると共に、緩衝体の荷重を外筒に伝え、反対側の補助遮蔽体を介して他方の緩衝体に伝えることができる。このため、外筒が荷重を受けなくなるので、中性子遮蔽体の損傷を防止できる。
【0019】
つぎの発明による放射性物質格納容器の輸送方法は、輸送対象である放射性物質格納容器が、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えており、この放射性物質格納容器の前記胴本体の軸方向両側に緩衝体を取り付け、且つ緩衝体と外筒との間に荷重伝達部材を挟み込んで輸送を行うことを特徴とする。
【0020】
つぎの発明による放射性物質格納容器の補助遮蔽体は、放射性物質格納容器の外周に取り付けられる環状体であり、その内部に中性子遮蔽体が入れられており、取付対象の容器軸方向の寸法が、その放射性物質格納容器が備える中性子遮蔽体を入れた外筒の端板、および放射性物質格納容器の軸方向両側に取り付けることになる緩衝体の端板、との間に嵌り込む長さであることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、所謂当業者が置換可能かつ容易なもの或いは実質的同一のものが含まれる。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す側面図およびA−A断面図である。金属キャスク100の輸送時には、その両端に緩衝体1を取り付ける必要がある。緩衝体1は、キャスク100の蓋側および底側に配置され、複数のロッド2によりキャスク100自体を挟み込むようにして固定される。このロッド2の材料寸法や数等は、必要な固定力に応じて適宜設計すればよい。緩衝体1は、その内部に緩衝作用を有する木材が封入されており、外側は金属板金で覆われている。或いは、緩衝体1の構造は、金属板材を立体状に溶接成形したものとしても良い(図示省略)。
【0023】
緩衝体1同士の対向面1aには、それぞれ複数の固定部3が設けられている。この固定部3は円周方向に所定数均等配置されており、この対向する固定部3の間にロッド2を渡し、当該固定部3にてロッド2の端部を固定するようになる。図2は、固定用のロッドを示す詳細な説明図である。このロッド2は、同図(a)に示すように、中間位置に円筒材21が配置されている。この円筒材21は、その両端にボルト22が溶接されており、両ボルト22は互いに逆ネジとなっている。このボルト22に対してロッド材23の端部に形成したネジ24を螺合し、所定位置にてロックナット25で固定する。ロッド材23の他端には、ピン26を挿通するピン穴27が設けられている。
【0024】
固定部3は、同図(b)に示すように、鞍形状になりその座面31の裏側には球状のくぼみ32が形成されている。このくぼみ32には、端部に球状の摺動面を有するスリーブ33が押し当てられる。固定部3は、その足34が緩衝体1の外板(1a)に溶接される。同図(c)に、ロッド2を固定した状態を示す。具体的には、固定部3の座面31を貫通したロッド材23の先端からスリーブ33を入れ、且つピン26をピン穴27に入れる。両側のロッド材23について同様の作業を行い、この状態で中央の円筒材21を回転させ、ロッド材23を締め付ける。これにより、ロッド材23の端部のピン26によりスリーブ33が押され、スリーブ33の摺動面が座面31のくぼみ32に押し当てられる。この摺動面は、球状になっているので、調心機能が働き、当該固定部3とロッド2とを適切な位置にて固定できる。
【0025】
また、上記3分割構造のロッド2は、キャスク100を吊り上げる場合、吊り上げのためのワイヤやチェーンの邪魔になる位置にあるロッド2に対して適用する。即ち、キャスク100の吊り上げの際、キャスク100に設けたトラニオン4に吊り具5を取り付け、その吊り具5にはワイヤ6が接続されており、このワイヤ6をクレーンにより引き上げるが、そのとき、ワイヤ6等の張り具合や長さなどにより、ロッド2に干渉してしまうことがある。そのような恐れのあるロッド2は、上記3分割のロッド2を適用し、キャスク100の吊り上げ時には、分解して取り外すようにする。図面の例では、上方のロッド2xとなる。上記ロッド2の分割は、まず中央の円筒材21を上記締め付け時とは逆方向に回転させ、全体を緩める。次に、円筒材21をロッド材23から分離させ、ロッド材23の端部のピン26を外して当該ロッド材23を固定部3から取り外す。このように、当該ロッド2は容易に分解することが可能であるから、キャスク100を吊り上げる作業を極めて容易にできる。また、キャスク100の水平ハンドリングを可能とする。
【0026】
なお、上記3分割のロッド2が適用される位置は、吊り条件により異なるので、いずれの位置が好適であるかは輸送状態により異なるものとなる。好ましくは、全てのロッド2を上記3分割構造としておくほうが、いずれの位置を上方にできるのでハンドリングが楽であるが、上下方向が固定されており明らかに下方に位置することとなるのロッド2は、単なる1本のロッドのものとするのがコスト面から好ましい。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す側面図である。このキャスクでは、キャスク200の両側に配置した緩衝体1をワイヤ201で接続した点に特徴がある。緩衝体1の対向面には、複数の滑車202が設けられている。この複数の滑車202に1本のワイヤ201を和太鼓状に掛けて緩衝体1を固定している。滑車202の構造や個数は適宜選定すればよい。ワイヤ201の端部同士は、所定の接続具203により張力を与えた状態で固定される。図4は、滑車の一例を示す斜視図である。この滑車202は、滑車台203の軸に固定されており、この滑車台203にはワイヤ脱落防止用のカバー204が回転可能に取り付けられている。このカバー204と滑車台203にはカバー204を滑車202の周囲に位置させた状態で維持するピン穴205が設けられている。具体的には、滑車202にワイヤ201を渡した状態でカバー204をワイヤ201ごと滑車202に被せ、このピン穴205にピン206を差し込むことでカバー204を滑車台203に固定する。このようにすれば、一旦渡したワイヤ201が脱落し難くなり、キャスク輸送時に緩衝体1が外れるのを防止できる。
【0028】
このキャスクでは、ワイヤ201で緩衝体1を固定することで、キャスク100を水平に吊り上げる場合、当該ワイヤ201を外すことで緩衝体1をキャスク100から簡単に取り外すことができる。あるいは、完全に取り外さなくても、ワイヤ201の張りを多少緩めることで、吊り具5やワイヤ201との干渉を防止することもできる。
【0029】
また、図5に示すように、緩衝体同士の対向面に設けた複数の滑車202を所定の組として、当該組ごとにワイヤ201a,201bを張るようにしてもよい。このようにすれば、吊り具5やワイヤ201との干渉を起こす位置のワイヤ201のみを外せば済むので、作業が楽になる。
【0030】
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3に係るキャスクの固定部を示す説明図である。このキャスクでは、実施の形態1に記載した固定部3を着脱式にした点に特徴がある。キャスクには吊り上げるためのトラニオン4が複数設けられているが、このトラニオン4が緩衝体1と近接位置している場合、実際に吊り上げる際、同図(a)に示すように両者が干渉することがある。そのとき、固定部3を着脱構造にしておけば、吊り具5を干渉することなく取り付けることができる。具体的には、同図(b)に示すように、鞍形の固定金具301を差込金具302に挿通してピン穴303にピン304を入れ、これら固定金具301と差込金具302とを固定状態にする。固定状態を同図(c)に示す。
【0031】
実際にキャスクを輸送する際に吊り具5をトラニオン4に取り付ける際、前記ピンを抜いて固定金具301を差込金具302から引き抜くことで分解できる。これにより、吊り具5を取り付ける場合、干渉する固定部3を取り外すことができるので、これらに干渉することなくハンドリングができる。
【0032】
図7は、固定部の別の変形例を示す説明図である。この固定部305は、同図(a)に示すように、ヒンジ構造になっており、一支点306が回転可能に固定され、他支点307がピン308の挿入または引き抜きにより連結または解除が可能となっている。輸送時にトラニオン4に吊り具5を取り付ける際、同図(b)に示すように、ピン308を引き抜いて連結を解除し、ヒンジ部309を開く。これにより、吊り具5との干渉が防止される。また、この固定具305によれば、ヒンジ部309は一支点306側に連結されたままなので、部品を別途収納する必要がない(同構成ではピン308を保管する程度である)。なお、ピン式でなくても、一時的に強固にヒンジ部309を他支点307に固定できれば、公知の別構造を採用できる。もっとも簡易な構造は、図8の固定部の別の変形例に示すように、固定部310自体を緩衝体1にボルト固定するものである。
【0033】
(実施の形態4)
図9は、この発明の実施の形態4に係るキャスクのトラニオンの構造を示す説明図である。通常、トラニオン4はキャスク100の胴本体に直付けされ、その内部には中性子遮蔽体が封入されている。この実施の形態4に係るトラニオン401は、内部の中性子遮蔽体402を着脱構造にした点に特徴があり、同図(a)に示すように、このトラニオン401では軸方向の穴403に(b)に示すような円柱状の中性子遮蔽体402を挿入した構造である。中性子遮蔽体402の端部には、カバープレート404が取り付けてあり、このカバープレート404とトラニオン401の端面とがボルト固定される。
【0034】
同図(c)に示すように、トラニオン401を用いてキャスク100を吊り上げる場合、このトラニオン401の中性子遮蔽体403を取り外し、この穴403に吊り具5に設けた円柱状の突起405を差し込む。そして、この突起405をトラニオン401に係止してキャスク100を吊り上げる。このトラニオン401の利点は、キャスク100を横置き支持している場合、その支持部406がトラニオン401の外側となり、吊り具5を係止する場所がないときでも、吊り具5によりトラニオン401を吊ることができることである。
【0035】
図10は、このトラニオンの別の変形例を示す断面図である。このトラニオンでは、吊り具5の突起405の端部につば406を設け、このつば406を係止できる段部407を穴403内に設けた点に特徴がある。同図(a)では、穴403内に環状の摺動材408を差し込んで段部407を形成する。摺動材408はピン409により緩み止めがされ、抜け落ちないようになっている。或いは、この摺動材408は、同図(b)に示すように、外周がテーパ形状となり穴403内にて外側に抜けないようにしてもよい。また、上記トラニオンは、図10(c),(d)に示すように、中性子遮蔽体402にフランジ410を設けて当該フランジ410に外板411を設けた構造でもよい。以上の構造では、中性子の遮蔽を確実に行える。
【0036】
図11は、トラニオンの更に別の変形例を示す断面図である。このトラニオンは、中性子遮蔽体402の固定をねじにより行うようにしたものである。中性子遮蔽体402の先端には雄ねじ412が形成され、トラニオンの穴奥には雌ねじ413が形成されている。具体的には、同図(a)に示すように、トラニオンの穴に摺動材408が取り付けられ、中性子遮蔽体402を穴403内に挿通して先端の雄ねじを穴奥の雌ねじ412に螺合する。螺合は、中性子遮蔽体402のカバープレート404により規制される。或いは、図(b)に示すように、中性子遮蔽体402のフランジ410により螺合の量が規制される。次に、トラニオンに対して吊り具5を係止する場合、上記とは反対に中性子遮蔽体402を回転させてねじ結合を解き、中性子遮蔽体402をトラニオン401の穴403から抜き出し、当該穴403内に吊り具5の突起405を差し込む。突起先端のつば406は、穴403内の段部407で係止されて突起405を抜け難くしている。
【0037】
また、図12に示すように、中性子遮蔽体402の先端にねじ414を取り付け、トラニオンの穴奥にねじ穴415を設け、上記同様に中性子遮蔽体402を穴403に入れて回転させることで、前記ねじ414をねじ穴415に螺合させ、当該中性子遮蔽体402をトラニオン401の穴403に取り付けてもよい。
【0038】
(実施の形態5)
図13は、この発明の実施の形態に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図14は、図13に示すキャスクの一部拡大図である。図15は、図13に示したキャスクの径方向断面図である。キャスク500を輸送するときは、その両側に緩衝体550を取り付けることが必要である。このキャスク500は、γ線を遮蔽する胴本体501と、胴本体501の周囲に配置した中性子遮蔽体502と、中性子遮蔽体502を収納する外筒503と、胴本体501のキャビティ504内に配置したバスケット505とから構成される。バスケット505は、複数の角パイプ506をキャビティ504内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル507を構成する。角パイプ506は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ506は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
【0039】
胴本体501は、主に密封機能を持つ内容器508と、主にγ線遮蔽機能を持つ外容器509とから構成される。内容器508は、外容器509に対して薄肉となっており且つ有底一体容器として成形されている。開口側端面には、蓋510を取り付けるためのフランジ511が形成されている。また、内容器508は、ステンレス鋼等の耐食性に優れた材料により構成される。内容器508は、密封性を有する必要があるところ、薄肉であるため有底容器として一体成形が可能なため継ぎ目が存在せず、且つ構造材料の健全性が保たれる限りで十分な密封性を有し、放射性物質が漏洩する等の問題が生じさせることがない。更に、底部分を筒部分に溶接しないことで、HAZの溶接硬化部の発生やステンレス鋼に多く見られる溶接割れ等の放射性物質の漏洩につながる問題を起こさない。なお、溶接により有底筒形状を形成する場合、溶接施工後の各種試験等の実施により溶接の健全性を十分に確認すればキャスクに適用できる。
【0040】
外容器509は、安価な炭素鋼製であり且つ内容器508に比べて厚肉の有底容器形状であり、内容器508は外容器509の内側にシュリンクフィットされる。また、外容器509はガンマ線遮蔽機能を有すればよく、内容器508のような密封機能は要求されない。このため、外容器509は全てを一体成形する必要はなく、且つ構成部材同士を完全に溶接接合する必要もない。例えば図16の(a)に示すように、筒体512に対して底板513を隅肉溶接(溶接部514)により固定するようにできる。また、図示しないが、筒体512に対して底板513をボルト固定しても良い。
【0041】
このように、胴本体501を内容器508と外容器509から構成し、且つ内容器508にステンレス鋼等の耐食性を有し且つ密封機能を与え、その一方で外容器509には密封機能を与えず遮蔽機能を与え且つ安価な炭素鋼を用いることで、キャスク500を簡単かつ安価に製造できる。また、外容器509の強度と密閉性を高めるために、底板513を筒体512に突合せ溶接するとなお良い。突合せ溶接には、高周波誘導溶接、高周波抵抗溶接或いはフラッシュ溶接等を用いる。この溶接により筒体512と底板513との当接面の略全面で溶接が行われるので、外容器509の密封性を向上させ且つ機械的強度を向上させる。また、外容器509の底板513には、中性子遮蔽体551が封入される。
【0042】
内容器8のフランジ511は、図16の(b)に示すように、外容器509の端面509bに当接し且つ隅肉溶接(溶接部515)により固定されている。更に、フランジ側にシール溝を設けて、当該シール溝に金属ガスケットを配置しても良い(図示省略)。また、フランジ511の内側には、蓋510のインロー部(510a)を挿入するため、段部511a設けられている。フランジ511は、有底容器を一体成形した後、開口側端部に溶接される。なお、熱間にて深絞り加工する際にダイスで拘持しておくことで一体成形することもできる。この場合は、内容器508の全体から溶接部を除去できるので、内容器508の密封性等の性能が更に向上する。
【0043】
バスケット505を構成する角パイプ506と胴本体501のキャビティ504との間には、スペーサ516が介装されている。このスペーサ516は、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を角パイプ506から胴本体501に効率的に伝熱させ得る。角パイプ6同士の結束は、外部で予めバンド等で結束してキャビティ504内に挿入しても良いし、前記スペーサ516を用いてキャビティ504内部で角パイプ506を拘束するようにしても良い。また、内容器508の内側に予めスペーサ516をスポット溶接しても良い。
【0044】
中性子遮蔽体502は、所定量の水素を含有したレジンから構成され、胴本体501と外筒503との間に設けた複数の伝熱フィン517により区画された空間に充填成形される。伝熱フィン517は、熱伝導性の高い材料、例えば銅やアルミニウムにより製作される。また、中性子遮蔽体502と外筒503との間には、熱膨張の吸収する熱膨張しろ518が設けられている。熱膨張しろ518は、例えば、予め離型または消失型を入れておきレジンを充填することで形成できる。また、この熱膨張しろ518に、熱膨張の吸収に加えて伝熱性を高めるためハニカム材を介装しても良い。ここで、リサイクル燃焼集合体の崩壊熱は、まず角パイプ506により構成したバスケット505を伝わり、スペーサ516を介して胴本体501に伝わる。胴本体501に伝わった熱は主に伝熱フィン517を介して外筒503に伝わり、外部に放熱される。角パイプ506を用いてバスケット505を構成すると、相互に面接触していることから、熱伝達が効率的に行われる。また、スペーサ516により胴本体501に対して実質的に接触状態となり、胴本体501への熱伝達も十分に行われる。中性子減速材からなる板材を交互に組んでその格子内にステンレス製の角パイプを挿入してバスケットを製作する場合、接触界面が多く存在することになるので、アルミニウム製の角パイプ506を面接触状態で集合したバスケット505に比べて、熱伝達性が劣るものとなる。
【0045】
蓋510は、2枚の円形板材510a,510bを張り合わせた構造であり、インロー部を構成する板材510aの径が小さくなっている。この2枚の円形板材510a,510bは外部から溶接されている。蓋510は、インロー部をフランジ511の段部511aに入れ込み、その周縁においてフランジ511に対し複数のボルト521で固定されている。ボルト521は、フランジ511のみに螺合しており前記外容器509の端部には至っていない。
【0046】
また、蓋510は、円形板材510a,510bの一方に中性子遮蔽材522を充填封入した構造である。例えば、図13の例では、中性子遮蔽材522を円形板材510bに封入し、図14の例(図15に詳細を示す)では、中性子遮蔽材522を円形板材510aに封入するようにしている。また、図17に示すように、円形板材510aの一部を円形板材510bの凹部510cに入れ込むようにするのが好ましい。径方向の荷重が加わった場合、図13に示す蓋510のように、円形板材510a,510bを重ねて溶接した構造のみでは、当該溶接部に応力が集中することになり、蓋510全体の機械的強度が低下するからである。図14に示す蓋510の構造では、径方向の応力は嵌め合い部分510dに集中し、溶接部510eへの負担は殆ど無くなるので、機械的強度を向上し、蓋510の健全性を高めることができる。
【0047】
また、ボロンアルミニウム材を押出し成形した角パイプ506を集合させた構造のバスケット505を用いれば、内容器508のキャビティ形状が筒状であってもセル数を増やすことができる。例えばBWR燃料のリサイクル燃料集合体の場合は、一辺が150mm程度と既知である。このため、中性子減速材により構成した板材を格子状に組み合わせて、その格子内にステンレス製の角パイプを挿入するものに比べて、バスケット505を構成する材料の板厚を小さくでき、同じ内径のキャビティ504であれば、それだけセル数を増やすことができる。また、同じ収納体数であれば外径を小さくできる。即ち、外形が小さくなれば胴本体501の径を小さくできるので、キャスク500を飛躍的に軽量化できるという利点がある。PWR用のリサイクル燃料集合体の場合でも同様である。また、衝撃荷重を受けた場合、角パイプ506同士を集合し互いに面で密着した状態であれば、板材を格子状に組んだバスケットに比べて応力集中の発生部分が少なくなり、破損の危険性を極小化できる。
【0048】
また、炭素鋼製の外容器509の表面は、ステンレス鋼のオーバレイによる防錆処理を施すのが好ましい。更に、外容器509の筒体512に対して底板513をボルト固定する場合は、内部への水分侵入を防止するため、接合部分に銅等の軟質金属を介在させ且つ外部にシリコン等によるシールを施すのが好ましい(図示省略)。これにより、内容器508と外容器509との間に水分が侵入し電食を起こすのを防止できる。更に、このような処理は、外容器509を複数の分割体509aで構成する場合において、これらを相互にボルト固定するときにも、同様に行うのが好ましい。更に、外容器509の底板513を筒体512に溶接する場合、電子ビーム溶接によりある程度の溶接深度を確保し、ある程度の密封性を持たせるようにしても良い。フランジ511と外容器509端部との溶接も同様である。キャスク500の密封性を更に高めると共に溶接負荷を軽減できる。
【0049】
また、このキャスク500では、蓋510を装着した状態の胴本体501の両側に緩衝体550が装着されている。この緩衝体550は、製罐構造でありその箱552内部に木材553が充填されている。木材553の木目は、荷重の受け方等の諸条件に基づいて緩衝体550内部の所定箇所ごとに適宜決定される。緩衝体50は、短円筒形状の一方側に凹部554を設け、この凹部554に胴本体1の端部を嵌め込み、当該端部の径方向の周囲にも覆い被さる。図14では蓋510側の拡大図を示したが、同図に示すように、緩衝体550の凹部554が蓋510および内容器508のフランジ511の側面を覆うようになる。
【0050】
また、緩衝体550の周縁内側には固定部555が設けられ、キャスク500の両側の緩衝体550同士を接続するロッド556が当該固定部555間に渡されている。このロッド556は、必要に応じて複数設けられる。外筒503の端板503aと、緩衝体550の端板557との間には、補助遮蔽体560が嵌り込んでいる。補助遮蔽体560は、板材を中空リング状に構成したものであり、箱561の内部には中性子遮蔽体562が充填されている。緩衝体550をロッド556により固定することで、緩衝体550の端板557が補助遮蔽体560に当接し、更にこの補助遮蔽体560が外筒503の端板503aに当接し、これがキャスク500の両方から行われるので、結果的に補助遮蔽体560をかました状態で外筒503が緩衝体550同士の間で挟み込まれる格好になる。このため、キャスク500の落下により一方の緩衝体550に衝撃が加わった場合、補助遮蔽体560を介して外筒3に伝わり、更に反対の補助遮蔽体560を介して他方の緩衝体550に荷重が伝わる。即ち、外筒503のみで荷重を受ける事態を回避できるので、落下等による衝撃で外筒503や中性子遮蔽体502が損傷することがない。
【0051】
また、補助遮蔽体560を当該部分にかますことで、中性子の遮蔽を行うことができる。なお、同図の例では木材を充填した形式の緩衝体550を示したが、金属板を板金したのみの緩衝体の場合にも適用できる。また、補助遮蔽体560が荷重伝達を行うようにしたが、別途荷重伝達のための環状板材等をかますようにしても良い(図示省略)。
【0052】
【発明の効果】
以上からこの発明の放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体によれば、放射性物質格納容器の落下等に起因して緩衝体に衝撃が加わった場合でも、外筒内の中性子遮蔽体の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す側面図およびA−A断面図である。
【図2】固定用のロッドを示す詳細な説明図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す側面図である。
【図4】滑車の一例を示す斜視図である。
【図5】図3のキャスクの変形例である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るキャスクの固定部を示す説明図である。
【図7】固定部の別の変形例を示す説明図である。
【図8】固定部の別の変形例である。
【図9】この発明の実施の形態4に係るキャスクのトラニオンの構造を示す説明図である。
【図10】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図11】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図12】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。
【図14】図13に示すキャスクの一部拡大図である。
【図15】図13に示したキャスクの径方向断面図である。
【図16】キャスク各部の拡大図である。
【図17】図13に示したキャスクの蓋の変形例を示す断面図である。
【図18】従来のキャスク一例を示す構成図である。
【符号の説明】
100 キャスク
1 胴本体
2 中性子遮蔽体
3 外筒
4 キャビティ
5 バスケット
6 角パイプ
7 セル
8 内容器
9 外容器
10 蓋
11 フランジ
12 筒体
13 底板
17 伝熱フィン
50 緩衝体
【発明の属する技術分野】
この発明は、原子力発電に用いる燃料棒の集合体をリサイクルのために収納する放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体に関する。
【0002】
【従来の技術】
リサイクル燃料集合体を原子力発電所から貯蔵施設まで輸送して、一定期間貯蔵しておくための所謂キャスクと呼ばれる放射性物質格納容器が知られている。通常キャスクは、PWR用またはBWR用のリサイクル燃料集合体を内部に設けたバスケットの各セル内に収納し、このバスケットの周囲にはγ線遮蔽の胴本体と、その周囲にレジン層からなる中性子遮蔽体が設けた構造である。胴本体には伝熱フィンが複数設けられ、且つこれが前記中性子遮蔽体内を貫通して外容器の内面に接続されている。
【0003】
また、従来のキャスクの一例としては、バスケットが薄肉の内容器に収納され、この内容器を厚肉の外容器内に収容したものが知られている(例えば特許文献1参照)。図18は、係るキャスクの構成図である。このこのキャスク500では、内容器501及び外容器502により実質的に前記γ線を遮蔽する胴本体503を構成する。密封性は内容器501により維持されるので、外容器502はγ線遮蔽機能を有していれば良い。従って、前記外容器502は、複数の構成材料をボルトにより固定して容器状に組み立てられ、また内容器501は、ステンレス製の筒体に底板を溶接した構造であり、そのフランジ部504にて外容器502の端面に固定される。また、バスケット505は、例えば、中性子減速材を含む板材を交互に組み合わせて菓子折り状にし、これにより形成した格子内にステンレス製の角パイプを挿入した構造のものである。
【0004】
更に、外容器502と外筒506とは複数の伝熱フィン(図示省略)で接続され、この外容器502、外筒506および伝熱フィンにより区画される空間には、中性子遮蔽体507が充填されている。また、外筒506の軸方向両側には端板506aが設けられ、中性子遮蔽体507の充填空間を閉にしてある。更に、キャスク500の両側には、輸送時に緩衝体510が取り付けられる。緩衝体510は、板金製であり、内部に緩衝用の木材511がその木目方向を変えながら内設されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−131491号公報(第3頁〜5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のキャスク500では、輸送時に緩衝体をロッドにより接続する場合があり、係る場合には、キャスクの水平ハンドリングの際、トラニオンにワイヤを掛けて吊り上げる必要があるところ、このワイヤが前記ロッドに干渉して邪魔になるという問題点があった。また、前記緩衝体510の端板512と前記外筒506の端板506aとが離れているため、キャスク500が落下したとき当該緩衝体510が変形して外筒506に接触し、外筒506は軸方向に支持されていない箱状板金構造のため、そのまま変形し中性子遮蔽体507に損傷を与える可能性がある。
【0007】
そこで、この発明は、中性子遮蔽体に損傷を与えないような放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による緩衝体を有する放射性物質格納容器は、容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、前記ロッドの一部または全部が長手方向で分割可能な構造のロッドとなっていることを特徴とする。
【0009】
ロッドを分割可能にしておけば、輸送時に吊り具やワイヤと干渉する位置に当該ロッドが存在しても、ロッドを分解することで、吊り具等との干渉を防止できる。また、緩衝体と緩衝体との距離は数mにも及ぶため、長手方向に分割可能とすることで、取り外しを容易にできる。
【0010】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記ロッドは、中央の円筒材の両側に互いに逆のねじを切り、これにロッド材が螺合したターンバックル結合となっており、前記緩衝体の対向面に設けた固定部の穴にロッド材の端部が貫通し且つ当該端部が固定部に係止しており、円筒材の回転による締め付けで両端のロッド材が固定部に固定され、緩衝体同士の間にロッドを渡すことで当該緩衝体同士を固定したことを特徴とする。
【0011】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、緩衝体同士をワイヤにより接続して当該緩衝体を固定したことを特徴とする。
【0012】
ワイヤにより固定する場合、ロッドのような長尺物に比べてフレキシブルに変形するので、取り扱いが容易である。
【0013】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記ワイヤは、緩衝体の対向面に設けた滑車に掛けられて、単数または複数のワイヤにより緩衝体を固定していることを特徴とする。滑車によりワイヤを掛けることで連結部分を少なくでき、それゆえワイヤの取り外しも容易になる。このため、容器輸送時の作業が楽になる。
【0014】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記滑車には、ワイヤの脱落防止部材が設けられていることを特徴とする。また、つぎの発明による放射性物質格納容器は、容器本体の側面に設けたトラニオンの外部に開口した穴に中性子遮蔽体が挿入脱可能であり、且つこの中性子遮蔽体を装着する穴には、吊り具の突起が挿入可能であることを特徴とする。
【0015】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射性物質格納容器は、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、緩衝体と外筒との間に挟み込む荷重伝達部材とを備える。
【0016】
この発明において、一方の緩衝体に加わる荷重は荷重伝達部材により外筒に伝わり、反対側の荷重伝達部材から他方の緩衝体に伝わる。即ち、緩衝体同士により荷重伝達部材を介在させて外筒を挟み込んでいるので、外筒で荷重を受けることがなくなるから、中性子遮蔽体の損傷などを防止できる。
【0017】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れ、更に胴本体の軸方向両側に設けられた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、緩衝体と外筒との間に挟み込むと共に内部に中性子遮蔽体を入れた補助遮蔽体とを備えることを特徴とする。
【0018】
補助遮蔽体を挟み込むことで、中性子の遮蔽を行うことができると共に、緩衝体の荷重を外筒に伝え、反対側の補助遮蔽体を介して他方の緩衝体に伝えることができる。このため、外筒が荷重を受けなくなるので、中性子遮蔽体の損傷を防止できる。
【0019】
つぎの発明による放射性物質格納容器の輸送方法は、輸送対象である放射性物質格納容器が、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えており、この放射性物質格納容器の前記胴本体の軸方向両側に緩衝体を取り付け、且つ緩衝体と外筒との間に荷重伝達部材を挟み込んで輸送を行うことを特徴とする。
【0020】
つぎの発明による放射性物質格納容器の補助遮蔽体は、放射性物質格納容器の外周に取り付けられる環状体であり、その内部に中性子遮蔽体が入れられており、取付対象の容器軸方向の寸法が、その放射性物質格納容器が備える中性子遮蔽体を入れた外筒の端板、および放射性物質格納容器の軸方向両側に取り付けることになる緩衝体の端板、との間に嵌り込む長さであることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、所謂当業者が置換可能かつ容易なもの或いは実質的同一のものが含まれる。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す側面図およびA−A断面図である。金属キャスク100の輸送時には、その両端に緩衝体1を取り付ける必要がある。緩衝体1は、キャスク100の蓋側および底側に配置され、複数のロッド2によりキャスク100自体を挟み込むようにして固定される。このロッド2の材料寸法や数等は、必要な固定力に応じて適宜設計すればよい。緩衝体1は、その内部に緩衝作用を有する木材が封入されており、外側は金属板金で覆われている。或いは、緩衝体1の構造は、金属板材を立体状に溶接成形したものとしても良い(図示省略)。
【0023】
緩衝体1同士の対向面1aには、それぞれ複数の固定部3が設けられている。この固定部3は円周方向に所定数均等配置されており、この対向する固定部3の間にロッド2を渡し、当該固定部3にてロッド2の端部を固定するようになる。図2は、固定用のロッドを示す詳細な説明図である。このロッド2は、同図(a)に示すように、中間位置に円筒材21が配置されている。この円筒材21は、その両端にボルト22が溶接されており、両ボルト22は互いに逆ネジとなっている。このボルト22に対してロッド材23の端部に形成したネジ24を螺合し、所定位置にてロックナット25で固定する。ロッド材23の他端には、ピン26を挿通するピン穴27が設けられている。
【0024】
固定部3は、同図(b)に示すように、鞍形状になりその座面31の裏側には球状のくぼみ32が形成されている。このくぼみ32には、端部に球状の摺動面を有するスリーブ33が押し当てられる。固定部3は、その足34が緩衝体1の外板(1a)に溶接される。同図(c)に、ロッド2を固定した状態を示す。具体的には、固定部3の座面31を貫通したロッド材23の先端からスリーブ33を入れ、且つピン26をピン穴27に入れる。両側のロッド材23について同様の作業を行い、この状態で中央の円筒材21を回転させ、ロッド材23を締め付ける。これにより、ロッド材23の端部のピン26によりスリーブ33が押され、スリーブ33の摺動面が座面31のくぼみ32に押し当てられる。この摺動面は、球状になっているので、調心機能が働き、当該固定部3とロッド2とを適切な位置にて固定できる。
【0025】
また、上記3分割構造のロッド2は、キャスク100を吊り上げる場合、吊り上げのためのワイヤやチェーンの邪魔になる位置にあるロッド2に対して適用する。即ち、キャスク100の吊り上げの際、キャスク100に設けたトラニオン4に吊り具5を取り付け、その吊り具5にはワイヤ6が接続されており、このワイヤ6をクレーンにより引き上げるが、そのとき、ワイヤ6等の張り具合や長さなどにより、ロッド2に干渉してしまうことがある。そのような恐れのあるロッド2は、上記3分割のロッド2を適用し、キャスク100の吊り上げ時には、分解して取り外すようにする。図面の例では、上方のロッド2xとなる。上記ロッド2の分割は、まず中央の円筒材21を上記締め付け時とは逆方向に回転させ、全体を緩める。次に、円筒材21をロッド材23から分離させ、ロッド材23の端部のピン26を外して当該ロッド材23を固定部3から取り外す。このように、当該ロッド2は容易に分解することが可能であるから、キャスク100を吊り上げる作業を極めて容易にできる。また、キャスク100の水平ハンドリングを可能とする。
【0026】
なお、上記3分割のロッド2が適用される位置は、吊り条件により異なるので、いずれの位置が好適であるかは輸送状態により異なるものとなる。好ましくは、全てのロッド2を上記3分割構造としておくほうが、いずれの位置を上方にできるのでハンドリングが楽であるが、上下方向が固定されており明らかに下方に位置することとなるのロッド2は、単なる1本のロッドのものとするのがコスト面から好ましい。
【0027】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す側面図である。このキャスクでは、キャスク200の両側に配置した緩衝体1をワイヤ201で接続した点に特徴がある。緩衝体1の対向面には、複数の滑車202が設けられている。この複数の滑車202に1本のワイヤ201を和太鼓状に掛けて緩衝体1を固定している。滑車202の構造や個数は適宜選定すればよい。ワイヤ201の端部同士は、所定の接続具203により張力を与えた状態で固定される。図4は、滑車の一例を示す斜視図である。この滑車202は、滑車台203の軸に固定されており、この滑車台203にはワイヤ脱落防止用のカバー204が回転可能に取り付けられている。このカバー204と滑車台203にはカバー204を滑車202の周囲に位置させた状態で維持するピン穴205が設けられている。具体的には、滑車202にワイヤ201を渡した状態でカバー204をワイヤ201ごと滑車202に被せ、このピン穴205にピン206を差し込むことでカバー204を滑車台203に固定する。このようにすれば、一旦渡したワイヤ201が脱落し難くなり、キャスク輸送時に緩衝体1が外れるのを防止できる。
【0028】
このキャスクでは、ワイヤ201で緩衝体1を固定することで、キャスク100を水平に吊り上げる場合、当該ワイヤ201を外すことで緩衝体1をキャスク100から簡単に取り外すことができる。あるいは、完全に取り外さなくても、ワイヤ201の張りを多少緩めることで、吊り具5やワイヤ201との干渉を防止することもできる。
【0029】
また、図5に示すように、緩衝体同士の対向面に設けた複数の滑車202を所定の組として、当該組ごとにワイヤ201a,201bを張るようにしてもよい。このようにすれば、吊り具5やワイヤ201との干渉を起こす位置のワイヤ201のみを外せば済むので、作業が楽になる。
【0030】
(実施の形態3)
図6は、この発明の実施の形態3に係るキャスクの固定部を示す説明図である。このキャスクでは、実施の形態1に記載した固定部3を着脱式にした点に特徴がある。キャスクには吊り上げるためのトラニオン4が複数設けられているが、このトラニオン4が緩衝体1と近接位置している場合、実際に吊り上げる際、同図(a)に示すように両者が干渉することがある。そのとき、固定部3を着脱構造にしておけば、吊り具5を干渉することなく取り付けることができる。具体的には、同図(b)に示すように、鞍形の固定金具301を差込金具302に挿通してピン穴303にピン304を入れ、これら固定金具301と差込金具302とを固定状態にする。固定状態を同図(c)に示す。
【0031】
実際にキャスクを輸送する際に吊り具5をトラニオン4に取り付ける際、前記ピンを抜いて固定金具301を差込金具302から引き抜くことで分解できる。これにより、吊り具5を取り付ける場合、干渉する固定部3を取り外すことができるので、これらに干渉することなくハンドリングができる。
【0032】
図7は、固定部の別の変形例を示す説明図である。この固定部305は、同図(a)に示すように、ヒンジ構造になっており、一支点306が回転可能に固定され、他支点307がピン308の挿入または引き抜きにより連結または解除が可能となっている。輸送時にトラニオン4に吊り具5を取り付ける際、同図(b)に示すように、ピン308を引き抜いて連結を解除し、ヒンジ部309を開く。これにより、吊り具5との干渉が防止される。また、この固定具305によれば、ヒンジ部309は一支点306側に連結されたままなので、部品を別途収納する必要がない(同構成ではピン308を保管する程度である)。なお、ピン式でなくても、一時的に強固にヒンジ部309を他支点307に固定できれば、公知の別構造を採用できる。もっとも簡易な構造は、図8の固定部の別の変形例に示すように、固定部310自体を緩衝体1にボルト固定するものである。
【0033】
(実施の形態4)
図9は、この発明の実施の形態4に係るキャスクのトラニオンの構造を示す説明図である。通常、トラニオン4はキャスク100の胴本体に直付けされ、その内部には中性子遮蔽体が封入されている。この実施の形態4に係るトラニオン401は、内部の中性子遮蔽体402を着脱構造にした点に特徴があり、同図(a)に示すように、このトラニオン401では軸方向の穴403に(b)に示すような円柱状の中性子遮蔽体402を挿入した構造である。中性子遮蔽体402の端部には、カバープレート404が取り付けてあり、このカバープレート404とトラニオン401の端面とがボルト固定される。
【0034】
同図(c)に示すように、トラニオン401を用いてキャスク100を吊り上げる場合、このトラニオン401の中性子遮蔽体403を取り外し、この穴403に吊り具5に設けた円柱状の突起405を差し込む。そして、この突起405をトラニオン401に係止してキャスク100を吊り上げる。このトラニオン401の利点は、キャスク100を横置き支持している場合、その支持部406がトラニオン401の外側となり、吊り具5を係止する場所がないときでも、吊り具5によりトラニオン401を吊ることができることである。
【0035】
図10は、このトラニオンの別の変形例を示す断面図である。このトラニオンでは、吊り具5の突起405の端部につば406を設け、このつば406を係止できる段部407を穴403内に設けた点に特徴がある。同図(a)では、穴403内に環状の摺動材408を差し込んで段部407を形成する。摺動材408はピン409により緩み止めがされ、抜け落ちないようになっている。或いは、この摺動材408は、同図(b)に示すように、外周がテーパ形状となり穴403内にて外側に抜けないようにしてもよい。また、上記トラニオンは、図10(c),(d)に示すように、中性子遮蔽体402にフランジ410を設けて当該フランジ410に外板411を設けた構造でもよい。以上の構造では、中性子の遮蔽を確実に行える。
【0036】
図11は、トラニオンの更に別の変形例を示す断面図である。このトラニオンは、中性子遮蔽体402の固定をねじにより行うようにしたものである。中性子遮蔽体402の先端には雄ねじ412が形成され、トラニオンの穴奥には雌ねじ413が形成されている。具体的には、同図(a)に示すように、トラニオンの穴に摺動材408が取り付けられ、中性子遮蔽体402を穴403内に挿通して先端の雄ねじを穴奥の雌ねじ412に螺合する。螺合は、中性子遮蔽体402のカバープレート404により規制される。或いは、図(b)に示すように、中性子遮蔽体402のフランジ410により螺合の量が規制される。次に、トラニオンに対して吊り具5を係止する場合、上記とは反対に中性子遮蔽体402を回転させてねじ結合を解き、中性子遮蔽体402をトラニオン401の穴403から抜き出し、当該穴403内に吊り具5の突起405を差し込む。突起先端のつば406は、穴403内の段部407で係止されて突起405を抜け難くしている。
【0037】
また、図12に示すように、中性子遮蔽体402の先端にねじ414を取り付け、トラニオンの穴奥にねじ穴415を設け、上記同様に中性子遮蔽体402を穴403に入れて回転させることで、前記ねじ414をねじ穴415に螺合させ、当該中性子遮蔽体402をトラニオン401の穴403に取り付けてもよい。
【0038】
(実施の形態5)
図13は、この発明の実施の形態に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図14は、図13に示すキャスクの一部拡大図である。図15は、図13に示したキャスクの径方向断面図である。キャスク500を輸送するときは、その両側に緩衝体550を取り付けることが必要である。このキャスク500は、γ線を遮蔽する胴本体501と、胴本体501の周囲に配置した中性子遮蔽体502と、中性子遮蔽体502を収納する外筒503と、胴本体501のキャビティ504内に配置したバスケット505とから構成される。バスケット505は、複数の角パイプ506をキャビティ504内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル507を構成する。角パイプ506は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ506は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
【0039】
胴本体501は、主に密封機能を持つ内容器508と、主にγ線遮蔽機能を持つ外容器509とから構成される。内容器508は、外容器509に対して薄肉となっており且つ有底一体容器として成形されている。開口側端面には、蓋510を取り付けるためのフランジ511が形成されている。また、内容器508は、ステンレス鋼等の耐食性に優れた材料により構成される。内容器508は、密封性を有する必要があるところ、薄肉であるため有底容器として一体成形が可能なため継ぎ目が存在せず、且つ構造材料の健全性が保たれる限りで十分な密封性を有し、放射性物質が漏洩する等の問題が生じさせることがない。更に、底部分を筒部分に溶接しないことで、HAZの溶接硬化部の発生やステンレス鋼に多く見られる溶接割れ等の放射性物質の漏洩につながる問題を起こさない。なお、溶接により有底筒形状を形成する場合、溶接施工後の各種試験等の実施により溶接の健全性を十分に確認すればキャスクに適用できる。
【0040】
外容器509は、安価な炭素鋼製であり且つ内容器508に比べて厚肉の有底容器形状であり、内容器508は外容器509の内側にシュリンクフィットされる。また、外容器509はガンマ線遮蔽機能を有すればよく、内容器508のような密封機能は要求されない。このため、外容器509は全てを一体成形する必要はなく、且つ構成部材同士を完全に溶接接合する必要もない。例えば図16の(a)に示すように、筒体512に対して底板513を隅肉溶接(溶接部514)により固定するようにできる。また、図示しないが、筒体512に対して底板513をボルト固定しても良い。
【0041】
このように、胴本体501を内容器508と外容器509から構成し、且つ内容器508にステンレス鋼等の耐食性を有し且つ密封機能を与え、その一方で外容器509には密封機能を与えず遮蔽機能を与え且つ安価な炭素鋼を用いることで、キャスク500を簡単かつ安価に製造できる。また、外容器509の強度と密閉性を高めるために、底板513を筒体512に突合せ溶接するとなお良い。突合せ溶接には、高周波誘導溶接、高周波抵抗溶接或いはフラッシュ溶接等を用いる。この溶接により筒体512と底板513との当接面の略全面で溶接が行われるので、外容器509の密封性を向上させ且つ機械的強度を向上させる。また、外容器509の底板513には、中性子遮蔽体551が封入される。
【0042】
内容器8のフランジ511は、図16の(b)に示すように、外容器509の端面509bに当接し且つ隅肉溶接(溶接部515)により固定されている。更に、フランジ側にシール溝を設けて、当該シール溝に金属ガスケットを配置しても良い(図示省略)。また、フランジ511の内側には、蓋510のインロー部(510a)を挿入するため、段部511a設けられている。フランジ511は、有底容器を一体成形した後、開口側端部に溶接される。なお、熱間にて深絞り加工する際にダイスで拘持しておくことで一体成形することもできる。この場合は、内容器508の全体から溶接部を除去できるので、内容器508の密封性等の性能が更に向上する。
【0043】
バスケット505を構成する角パイプ506と胴本体501のキャビティ504との間には、スペーサ516が介装されている。このスペーサ516は、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を角パイプ506から胴本体501に効率的に伝熱させ得る。角パイプ6同士の結束は、外部で予めバンド等で結束してキャビティ504内に挿入しても良いし、前記スペーサ516を用いてキャビティ504内部で角パイプ506を拘束するようにしても良い。また、内容器508の内側に予めスペーサ516をスポット溶接しても良い。
【0044】
中性子遮蔽体502は、所定量の水素を含有したレジンから構成され、胴本体501と外筒503との間に設けた複数の伝熱フィン517により区画された空間に充填成形される。伝熱フィン517は、熱伝導性の高い材料、例えば銅やアルミニウムにより製作される。また、中性子遮蔽体502と外筒503との間には、熱膨張の吸収する熱膨張しろ518が設けられている。熱膨張しろ518は、例えば、予め離型または消失型を入れておきレジンを充填することで形成できる。また、この熱膨張しろ518に、熱膨張の吸収に加えて伝熱性を高めるためハニカム材を介装しても良い。ここで、リサイクル燃焼集合体の崩壊熱は、まず角パイプ506により構成したバスケット505を伝わり、スペーサ516を介して胴本体501に伝わる。胴本体501に伝わった熱は主に伝熱フィン517を介して外筒503に伝わり、外部に放熱される。角パイプ506を用いてバスケット505を構成すると、相互に面接触していることから、熱伝達が効率的に行われる。また、スペーサ516により胴本体501に対して実質的に接触状態となり、胴本体501への熱伝達も十分に行われる。中性子減速材からなる板材を交互に組んでその格子内にステンレス製の角パイプを挿入してバスケットを製作する場合、接触界面が多く存在することになるので、アルミニウム製の角パイプ506を面接触状態で集合したバスケット505に比べて、熱伝達性が劣るものとなる。
【0045】
蓋510は、2枚の円形板材510a,510bを張り合わせた構造であり、インロー部を構成する板材510aの径が小さくなっている。この2枚の円形板材510a,510bは外部から溶接されている。蓋510は、インロー部をフランジ511の段部511aに入れ込み、その周縁においてフランジ511に対し複数のボルト521で固定されている。ボルト521は、フランジ511のみに螺合しており前記外容器509の端部には至っていない。
【0046】
また、蓋510は、円形板材510a,510bの一方に中性子遮蔽材522を充填封入した構造である。例えば、図13の例では、中性子遮蔽材522を円形板材510bに封入し、図14の例(図15に詳細を示す)では、中性子遮蔽材522を円形板材510aに封入するようにしている。また、図17に示すように、円形板材510aの一部を円形板材510bの凹部510cに入れ込むようにするのが好ましい。径方向の荷重が加わった場合、図13に示す蓋510のように、円形板材510a,510bを重ねて溶接した構造のみでは、当該溶接部に応力が集中することになり、蓋510全体の機械的強度が低下するからである。図14に示す蓋510の構造では、径方向の応力は嵌め合い部分510dに集中し、溶接部510eへの負担は殆ど無くなるので、機械的強度を向上し、蓋510の健全性を高めることができる。
【0047】
また、ボロンアルミニウム材を押出し成形した角パイプ506を集合させた構造のバスケット505を用いれば、内容器508のキャビティ形状が筒状であってもセル数を増やすことができる。例えばBWR燃料のリサイクル燃料集合体の場合は、一辺が150mm程度と既知である。このため、中性子減速材により構成した板材を格子状に組み合わせて、その格子内にステンレス製の角パイプを挿入するものに比べて、バスケット505を構成する材料の板厚を小さくでき、同じ内径のキャビティ504であれば、それだけセル数を増やすことができる。また、同じ収納体数であれば外径を小さくできる。即ち、外形が小さくなれば胴本体501の径を小さくできるので、キャスク500を飛躍的に軽量化できるという利点がある。PWR用のリサイクル燃料集合体の場合でも同様である。また、衝撃荷重を受けた場合、角パイプ506同士を集合し互いに面で密着した状態であれば、板材を格子状に組んだバスケットに比べて応力集中の発生部分が少なくなり、破損の危険性を極小化できる。
【0048】
また、炭素鋼製の外容器509の表面は、ステンレス鋼のオーバレイによる防錆処理を施すのが好ましい。更に、外容器509の筒体512に対して底板513をボルト固定する場合は、内部への水分侵入を防止するため、接合部分に銅等の軟質金属を介在させ且つ外部にシリコン等によるシールを施すのが好ましい(図示省略)。これにより、内容器508と外容器509との間に水分が侵入し電食を起こすのを防止できる。更に、このような処理は、外容器509を複数の分割体509aで構成する場合において、これらを相互にボルト固定するときにも、同様に行うのが好ましい。更に、外容器509の底板513を筒体512に溶接する場合、電子ビーム溶接によりある程度の溶接深度を確保し、ある程度の密封性を持たせるようにしても良い。フランジ511と外容器509端部との溶接も同様である。キャスク500の密封性を更に高めると共に溶接負荷を軽減できる。
【0049】
また、このキャスク500では、蓋510を装着した状態の胴本体501の両側に緩衝体550が装着されている。この緩衝体550は、製罐構造でありその箱552内部に木材553が充填されている。木材553の木目は、荷重の受け方等の諸条件に基づいて緩衝体550内部の所定箇所ごとに適宜決定される。緩衝体50は、短円筒形状の一方側に凹部554を設け、この凹部554に胴本体1の端部を嵌め込み、当該端部の径方向の周囲にも覆い被さる。図14では蓋510側の拡大図を示したが、同図に示すように、緩衝体550の凹部554が蓋510および内容器508のフランジ511の側面を覆うようになる。
【0050】
また、緩衝体550の周縁内側には固定部555が設けられ、キャスク500の両側の緩衝体550同士を接続するロッド556が当該固定部555間に渡されている。このロッド556は、必要に応じて複数設けられる。外筒503の端板503aと、緩衝体550の端板557との間には、補助遮蔽体560が嵌り込んでいる。補助遮蔽体560は、板材を中空リング状に構成したものであり、箱561の内部には中性子遮蔽体562が充填されている。緩衝体550をロッド556により固定することで、緩衝体550の端板557が補助遮蔽体560に当接し、更にこの補助遮蔽体560が外筒503の端板503aに当接し、これがキャスク500の両方から行われるので、結果的に補助遮蔽体560をかました状態で外筒503が緩衝体550同士の間で挟み込まれる格好になる。このため、キャスク500の落下により一方の緩衝体550に衝撃が加わった場合、補助遮蔽体560を介して外筒3に伝わり、更に反対の補助遮蔽体560を介して他方の緩衝体550に荷重が伝わる。即ち、外筒503のみで荷重を受ける事態を回避できるので、落下等による衝撃で外筒503や中性子遮蔽体502が損傷することがない。
【0051】
また、補助遮蔽体560を当該部分にかますことで、中性子の遮蔽を行うことができる。なお、同図の例では木材を充填した形式の緩衝体550を示したが、金属板を板金したのみの緩衝体の場合にも適用できる。また、補助遮蔽体560が荷重伝達を行うようにしたが、別途荷重伝達のための環状板材等をかますようにしても良い(図示省略)。
【0052】
【発明の効果】
以上からこの発明の放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体によれば、放射性物質格納容器の落下等に起因して緩衝体に衝撃が加わった場合でも、外筒内の中性子遮蔽体の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す側面図およびA−A断面図である。
【図2】固定用のロッドを示す詳細な説明図である。
【図3】この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す側面図である。
【図4】滑車の一例を示す斜視図である。
【図5】図3のキャスクの変形例である。
【図6】この発明の実施の形態3に係るキャスクの固定部を示す説明図である。
【図7】固定部の別の変形例を示す説明図である。
【図8】固定部の別の変形例である。
【図9】この発明の実施の形態4に係るキャスクのトラニオンの構造を示す説明図である。
【図10】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図11】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図12】トラニオンの別の変形例を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。
【図14】図13に示すキャスクの一部拡大図である。
【図15】図13に示したキャスクの径方向断面図である。
【図16】キャスク各部の拡大図である。
【図17】図13に示したキャスクの蓋の変形例を示す断面図である。
【図18】従来のキャスク一例を示す構成図である。
【符号の説明】
100 キャスク
1 胴本体
2 中性子遮蔽体
3 外筒
4 キャビティ
5 バスケット
6 角パイプ
7 セル
8 内容器
9 外容器
10 蓋
11 フランジ
12 筒体
13 底板
17 伝熱フィン
50 緩衝体
Claims (10)
- 容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、
前記ロッドの一部または全部が長手方向で分割可能な構造のロッドとなっていることを特徴とする緩衝体を有する放射性物質格納容器。 - 前記ロッドは、
中央の円筒材の両側に互いに逆のねじを切り、これにロッド材が螺合したターンバックル結合となっており、
前記緩衝体の対向面に設けた固定部の穴にロッド材の端部が貫通し且つ当該端部が固定部に係止しており、
円筒材の回転による締め付けで両端のロッド材が固定部に固定され、緩衝体同士の間にロッドを渡すことで当該緩衝体同士を固定した
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝体を有する放射性物質格納容器。 - 容器の両側に緩衝体を配置すると共にこの緩衝体同士を複数のロッドにより接続して緩衝体を固定するにあたり、
緩衝体同士をワイヤにより接続して当該緩衝体を固定したことを特徴とする緩衝体を有する放射性物質格納容器。 - 前記ワイヤは、緩衝体の対向面に設けた滑車に掛けられて、単数または複数のワイヤにより緩衝体を固定していることを特徴とする請求項3に記載の緩衝体を有する放射性物質格納容器。
- 前記滑車には、ワイヤの脱落防止部材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の緩衝体を有する放射性物質格納容器。
- 容器本体の側面に設けたトラニオンの外部に開口した穴に中性子遮蔽体が挿入脱可能であり、且つこの中性子遮蔽体を装着する穴には、吊り具の突起が挿入可能であることを特徴とする放射性物質格納容器。
- 有底一体容器形状の内容器と、
内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、
胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、
前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、
前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、
前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、
緩衝体と外筒との間に挟み込む荷重伝達部材と、
を備えることを特徴とする放射性物質格納容器。 - 有底一体容器形状の内容器と、
内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、
胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、
前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れ、更に胴本体の軸方向両側に設けられた中性子遮蔽体と、
前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットと、
前記胴本体の軸方向両側に取り付けた緩衝体と、
緩衝体と外筒との間に挟み込むと共に内部に中性子遮蔽体を入れた補助遮蔽体と、
を備えることを特徴とする放射性物質格納容器。 - 輸送対象である放射性物質格納容器が、
有底一体容器形状の内容器と、
内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、
胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、
前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れた中性子遮蔽体と、
前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えており、
この放射性物質格納容器の前記胴本体の軸方向両側に緩衝体を取り付け、且つ緩衝体と外筒との間に荷重伝達部材を挟み込んで輸送を行うことを特徴とする放射性物質格納容器の輸送方法。 - 放射性物質格納容器の外周に取り付けられる環状体であり、その内部に中性子遮蔽体が入れられており、取付対象の容器軸方向の寸法が、その放射性物質格納容器が備える中性子遮蔽体を入れた外筒の端板、および放射性物質格納容器の軸方向両側に取り付けることになる緩衝体の端板、との間に嵌り込む長さであることを特徴とする放射性物質格納容器の補助遮蔽体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002323159A JP2004125762A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002323159A JP2004125762A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004125762A true JP2004125762A (ja) | 2004-04-22 |
Family
ID=32289803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002323159A Withdrawn JP2004125762A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004125762A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007292682A (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Hitachi Ltd | 金属キャスクおよびその製造方法 |
JP2015087325A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 三菱重工業株式会社 | 放射性物質収納容器支持機構 |
JP2016183876A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 三菱重工業株式会社 | 吊構造 |
JP2018173348A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 三菱重工業株式会社 | 放射性物質収納容器 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002323159A patent/JP2004125762A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007292682A (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Hitachi Ltd | 金属キャスクおよびその製造方法 |
JP2015087325A (ja) * | 2013-10-31 | 2015-05-07 | 三菱重工業株式会社 | 放射性物質収納容器支持機構 |
JP2016183876A (ja) * | 2015-03-25 | 2016-10-20 | 三菱重工業株式会社 | 吊構造 |
JP2018173348A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 三菱重工業株式会社 | 放射性物質収納容器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9672948B2 (en) | Cask apparatus, system and method for transporting and/or storing high level waste | |
JP3416657B2 (ja) | キャスクおよびキャスクの製造方法 | |
JP2924916B2 (ja) | 使用済み核燃料の輸送用バスケット及びこのバスケットを収納するキャスク | |
US10916355B2 (en) | Shipping container for unirradiated nuclear fuel assemblies | |
US9721688B2 (en) | Lift-based up-ender and methods using same to manipulate a shipping container containing unirradiated nuclear fuel | |
JP2004125762A (ja) | 放射性物質格納容器およびその製造方法、並びに補助遮蔽体 | |
WO2011148742A1 (ja) | 放射性物質格納容器 | |
JP4241869B2 (ja) | 放射性物質格納容器 | |
JP2004156930A (ja) | 放射性物質格納容器 | |
US6784444B2 (en) | Containment and transportation of decommissioned nuclear reactor pressure vessels | |
JP2004156997A (ja) | 使用済核燃料収納容器 | |
JP2008076408A (ja) | 放射性物質格納容器 | |
JP6129501B2 (ja) | 放射性物質収納容器用架台及び放射性物質収納容器の支持構造 | |
JP5808303B2 (ja) | 放射性物質輸送貯蔵容器 | |
JP4052450B2 (ja) | 放射性物質格納容器 | |
JP2003240890A (ja) | 放射性物質収納容器 | |
JP2003270382A (ja) | 放射性物質格納容器および放射性物質の格納方法 | |
JP3150674B1 (ja) | キャスクおよびキャスク製造方法 | |
JP4221043B2 (ja) | 放射性物質格納容器 | |
JP2022078597A (ja) | 貯蔵架台、姿勢変更装置及び放射性物質収納容器の貯蔵方法 | |
JP7039443B2 (ja) | 原子炉監視試験片ホルダ、シュラウドヘッドボルト及びシュラウドヘッドボルト用架台並びに原子炉監視試験片の設置方法 | |
JP2005214870A (ja) | リサイクル燃料集合体収納容器 | |
JP6053394B2 (ja) | 放射性物質収納容器 | |
JP6143573B2 (ja) | 放射性物質収納用バスケットおよび放射性物質収納容器 | |
JP4221042B2 (ja) | 放射性物質格納容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |