JP3150674B1 - キャスクおよびキャスク製造方法 - Google Patents
キャスクおよびキャスク製造方法Info
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Abstract
結合している。また、胴部1および底板2の結合部分で
あってその内側および外側には、オメガシール6、7が
形成されている。このオメガシール6、7には、TIG
溶接が施されている。オメガシール6、7は、そのシー
ル部の肉厚が小さいため、完全な溶接を容易に行うこと
ができると共に機械的・熱的応力を吸収することができ
るから、キャスク100に気密性を高めることができ
る。
Description
用済燃料集合体を収容、貯蔵するものであって、製造が
容易で溶接の影響を受けにくいキャスクおよびキャスク
製造方法に関する。
を示す軸方向断面図である。このキャスク500は、炭
素鋼製の筒状体である胴本体501と、胴本体501の
キャビティ102内に設けた断面格子形状のバスケット
130と、胴本体501の外側に設けた外筒105と、
胴本体501と外筒105との間に充填した中性子遮蔽
体であるレジン106とを備えている。前記バスケット
130は、複数のアルミニウム製角パイプ502を束状
にし、それぞれの角パイプ502の間に中性子吸収材か
らなる板状体503を設けた構成である。
有するステンレス製の底板504が溶接されている。ま
た、胴本体501の上側には、ステンレス製であって一
次蓋110および二次蓋111から成る蓋部109を取
り付けるフランジ部505がTIG溶接されている。
ためのレジン112が設けられている。一次蓋110お
よび二次蓋111は、胴本体501に溶接したフランジ
部505に対してボルト113により固定されている。
また、耐圧容器としての密閉性能を確保するため、一次
蓋110および二次蓋111とフランジ部505との間
には金属ガスケットが設けられている(図示省略)。な
お、同図は搬送時のキャスクを示しているから、キャス
ク500の両側に緩衝体118が取り付けてある。この
緩衝体118は、外筒120内に木材119を封入した
構造である。また、胴本体501の両側には、トラニオ
ン117が設けられている。
00では、胴本体501に対して底板504およびフラ
ンジ部505を溶接しているため、溶接した後に当該溶
接部の周囲にヒーターを設置し、局部焼鈍を施す必要が
ある。また、溶接によりキャビティ102内が収縮する
から、必要により当該収縮分を再加工しなければならな
い。このため、胴本体501を組み立て難いという問題
点があった。
あって、製造が容易なキャスクおよびキャスク製造方法
を提供することを目的とする。
めに、請求項1にかかるキャスクは、γ線の遮蔽を行う
胴本体およびその底板と、胴本体の外側に設けられ中性
子の遮蔽を行う中性子遮蔽体と、胴本体のキャビティ内
に設けられ中性子吸収能を有するバスケットとを備えた
キャスクにおいて、前記胴本体に対して底板を螺合する
ネジ部を、胴本体および底板の端部に設けたものであ
る。また、請求項9にかかるキャスク製造方法は、筒状
の胴部の内面をバスケットの外形に合わせて機械加工す
る工程と、蓋部を取り付けるためのフランジ部または底
板を胴部にねじ込む工程とを含むものである。
ていたが、この発明では、胴本体および底板の端部にネ
ジ部を設け、当該胴本体および底板をねじ込むことによ
り結合するようにした。このため、肉厚部分の溶接が無
くなること、局部焼鈍や再加工が不要になることなどか
ら、キャスクの製造を容易に行うことができるようにな
る。
の遮蔽を行う胴部および胴部に設けられ蓋部を取り付け
るためのフランジ部からなる胴本体と、胴本体の外側に
設けられ中性子の遮蔽を行う中性子遮蔽体と、胴本体の
キャビティ内に設けられ中性子吸収能を有するバスケッ
トとを備えたキャスクにおいて、前記胴部に対してフラ
ンジ部を螺合するネジ部を、胴部およびフランジ部の端
部に設けたものである。
とを溶接により結合していたが、この発明では、胴部お
よびフランジ部の端部にネジ部を設け、当該胴部および
フランジ部どうしをねじ込むことにより結合するように
した。このため、上記同様、肉厚部分の溶接が無くなる
こと、局部焼鈍や再加工が不要になることなどから、キ
ャスクの製造を容易に行うことができるようになる。
キャスクにおいて、さらに、前記結合部分にオメガシー
ルを設けたものである。また、請求項11にかかるキャ
スク製造方法は、上記キャスク製造方法において、さら
に、前記フランジ部もしくは底板と胴部との結合部分に
オメガシールを施す工程を含むようにしたものである。
これにより、胴本体および底板、或いは胴部およびフラ
ンジ部の結合部分を完全にシールできるから、キャスク
の気密性を高めることができる。また、オメガシールを
溶接してもシール部の肉厚が小さいため、機械的、熱的
応力を吸収できるから、溶接による影響がほとんどな
い。
キャスクにおいて、さらに、前記フランジ部に対して蓋
部を螺合するネジ部を、蓋部およびフランジ部に設けた
ものである。また、請求項10にかかるキャスク製造方
法は、上記キャスク製造方法において、前記蓋部をフラ
ンジ部に対してねじ込む工程を含むようにしたものであ
る。さらに、請求項11のキャスク製造方法では、蓋部
とフランジ部との結合部分にオメガシールによるシール
を施す工程を含むようにしている。通常、胴本体内のバ
スケットに使用済燃料集合体を収容した後、蓋部をボル
ト止めするようにしているが、これをネジ式にすること
で蓋部を簡単に取り付けることが可能になる。
り出すことがない場合には、蓋部とフランジ部との結合
部分をオメガシールで密封するようにしてもよい。この
構成であれば、蓋と胴部との間に金属ガスケットを設け
る必要がない。さらに、オメガシール部分の肉厚が小さ
いため、TIG溶接、レーザー溶接などの各種の溶接を
適用できると共に当該溶接を完全に行うことができる。
キャスクにおいて、前記胴本体もしくは底板、または前
記胴部もしくはフランジ部の一方が炭素鋼製である場
合、その部材にステンレス鋼の肉盛りをし、この肉盛り
部分を機械加工してオメガシールを形成したものであ
る。
械加工を施してオメガシールを形成した場合、当該部分
に熱処理を施す必要があるが、この発明では、ステンレ
ス鋼の肉盛りをして当該肉盛り部分を機械加工してオメ
ガシールを形成するようにしたので、熱処理が不要であ
る。すなわち、精度が必要な加工を行った後に熱処理を
しないので、その分手間が省けると共に再加工の必要が
ないためキャスクの製造を容易にすることができる。な
お、当該部材に結合する部材(たとえば、底板)は、炭
素鋼製の部材であっても(この場合にはステンレス鋼の
肉盛りをする)、ステンレス鋼製の部材であってもよ
い。
キャスクにおいて、さらに、前記胴本体のキャビティ内
面に凹部を設け、当該凹部内にオメガシールを設けたも
のである。オメガシールがキャビティ内から突出してい
ると、バスケットを挿入しにくくなるため、凹部を設け
てそこにオメガシールを形成するようにした。このよう
にすれば、バスケットを挿入するのに邪魔にならない。
キャスクにおいて、さらに、キャスクのγ線遮蔽能に余
裕がある部分に前記凹部を設けたものである。凹部を設
けることによりその部分の肉厚が小さくなる。このた
め、当該部分を必要厚とすると他の部分が厚さ過剰にな
りキャスクの総重量が増してしまう。一方、胴本体と底
板とが結合する角部分などは斜め方向で肉厚が余分に存
在するから、前記凹部を形成しても必要厚さを確保する
ことができる。そこで、この発明では凹部をキャスクの
γ線遮蔽能に余裕がある部分に設けるようにした。これ
により、他の部分の肉厚を過剰にすることなく、凹部内
にオメガシールを設けることができる。
キャスクにおいて、さらに、前記底板を二重構造とし、
少なくともキャビティを構成する底板を鍛造製とし、当
該底板を前記胴本体に対して螺合するネジ部を、胴本体
および底板の端部に設けたものである。底板を二重構造
にしてキャビティを構成する底板のみを鍛造製とするこ
とにより、製造コストを削減することができる。
およびキャスク製造方法の実施の形態につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
す斜視図である。図2は、図1に示したキャスクの軸方
向断面図である。図3は、図1に示したキャスクの径方
向断面図である。この実施の形態1にかかるキャスク1
00では、胴部1のキャビティ102内面をバスケット
130の外周形状に合わせて機械加工してある。キャビ
ティ102内面の機械加工は、後述する専用の加工装置
によってフライス加工する。
鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を
用いることもできる。底板2およびフランジ部3はステ
ンレス製あるいは炭素鋼製である。底板2およびフラン
ジ部3は、胴部1に対してネジ結合してあり、この結合
部分にはオメガシールが施されている(詳しくは後述す
る)。なお、胴本体101は、胴部1およびフランジ部
3から構成される。
素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を
有するレジン106が充填されている。また、胴本体1
01と外筒105との間には熱伝導を行う複数の銅製内
部フィン107が溶接されており、前記レジン106
は、この内部フィン107によって形成される空間に流
動状態で注入され、固化される。なお、内部フィン10
7は、放熱を均一に行うため、熱量の多い部分に高い密
度で設けるようにするのが好ましい。
は、数mmの熱膨張しろ108が設けられる。この熱膨
張しろ108は、ホットメルト接着剤等にヒーターを埋
め込んだ消失型を外筒105内面に配し、レジン106
を注入固化した後、ヒーターを加熱して溶融排出するこ
とにより形成する(図示省略)。
1により構成される。この一次蓋110は、γ線を遮蔽
するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状であ
る。また、二次蓋111もステンレス鋼製または炭素鋼
製の円盤形状であるが、その上面には中性子遮蔽体とし
てレジン112が封入されている。一次蓋110および
二次蓋111は、ステンレス製または炭素鋼製のボルト
113によって胴本体101に取り付けられている。さ
らに、一次蓋110および二次蓋111とフランジ部3
との間にはそれぞれ金属ガスケットが設けられ、内部の
密封性を保持している。また、蓋部109の周囲には、
レジン114を封入した補助遮蔽体115が設けられて
いる。
100を吊り下げるためのトラニオン117が設けられ
ている。なお、図1および図2では補助遮蔽体115を
設けたものを示したが、キャスク100の搬送時には補
助遮蔽材115を取り外して緩衝体118を取り付ける
(図18参照)。バスケット130は、使用済燃料集合
体を収容するセル131を構成する69本の角パイプ1
32からなる。角パイプ132には、AlまたはAl合
金粉末に中性子吸収性能を持つBまたはB化合物の粉末
を添加したアルミニウム複合材またはアルミニウム合金
を用いる。また、中性子吸収成分としては、ボロンの他
にカドミウムを用いることができる。なお、バスケット
には、上記角パイプで構成したもののみならず、板状体
を交互に組んで菓子折り状に形成したバスケットなどを
使用することもできる。
す拡大図である。胴部1および底板2にはそれぞれネジ
部4が形成されており、胴部1と底板2とはこのネジ部
4をもって互いに結合している。ネジ部4には、たとえ
ば、2条ネジを用いる。さらに、胴部1と底板2とは、
荷重を受けるための当接面5をもつ。また、胴部1およ
び底板2の結合部分には、その内側および外側にオメガ
シール6、7が形成されている。オメガシール6、7
は、シール部の肉厚が2mm程度であり、その全周をT
IG溶接してある。
接、シーム溶接、高周波抵抗溶接などの各種溶接法を用
いることができる。オメガシール6、7は、そのシール
部の肉厚が小さいため、溶接を完全に行うことができる
と共に機械的・熱的応力を吸収することができる。この
ため、キャスク100内を気密に保つことができる。ま
た、このオメガシール6、7は、まわり止めとしても作
用する。
工装置により機械加工する。このとき、底板2はステン
レス鋼製にしているから、そのまま機械加工しても精度
良く仕上げることができる。しかし、胴部1には炭素鋼
を用いているため、そのまま溶接すると熱影響を受けて
しまうから、局部的に熱処理を施す必要が生じる。
品で焼鈍を施す工程を経ることになっているから、胴部
1にステンレス鋼の肉盛り8、9を施して当該焼鈍工程
において同時に熱処理するようにする。そして、当該肉
盛り8、9部分に機械加工を施し、オメガシール6、7
を形成する。この方法によれば、オメガシール6、7を
削り出した後に熱処理をせずに済むから、胴部の加工精
度をそのまま保つことができる。
ィ102内に設けた凹部10内に設ける。これはバスケ
ット挿入の邪魔にならないようにするためである。ま
た、外側のオメガシール7については比較的自由度が高
いが、図4の場合には凹部11を形成してその中にオメ
ガシール7を設けている。これは、固縛金具104(図
1参照)によってキャスク100を固定する際、当該固
縛金具104の取り付けの邪魔にならないようにするた
めである。
分を示す拡大図である。この胴部1とフランジ部3とを
結合する場合も上記同様にネジ部15を用いて行うよう
にし、さらに、この結合部分にオメガシール16、17
を形成してある。各オメガシール16、17は、凹部1
8、19内に設けられている。なお、図4および図5で
は、オメガシール6、7、16、17を半円形状や1/
4円形状としているが、シール部が薄肉であればこれら
と異なる形状にしてもよい。たとえば、オメガシールの
形状を、楕円形状や三角形状などにすることもできる。
まず、AlまたはAl合金粉末とBまたはB化合物の粉
末とを混合してこれをラバーケース内に封入し、CIP
(Cold Isostatic Press)により常温で全方向から均一
に高圧をかける。続いて、この粉末成形品をHIP(Ho
t Isostatic Press )により再成形し、缶の除去をした
後、当該ビレットを熱間押出しして、角パイプとする。
視図である。なお、胴本体101の詳細構造は省略す
る。上記工程により製造した角パイプ132は、キャビ
ティ102内の加工形状に沿って順次挿入される。ここ
で、角パイプ132に曲げとねじれが生じていると、角
パイプの製作公差の累積や曲げの影響を受けて挿入しに
くくなり、無理に挿入すると角パイプ132に過剰な応
力が加わることになる。
プ132の曲げ及びねじれをレーザ測定器などにより予
め測定し、コンピュータを用いることで、当該測定デー
タに基づき最適な挿入位置を割り出すようにする。この
ようにすれば、キャビティ102内に角パイプ132を
容易に挿入することができるし、それぞれの角パイプ1
32にかかる応力を均一にすることができる。
ビティ102のうちセル数が5個または7個となる角パ
イプ列の両側には、それぞれダミーパイプ133が挿入
されている。このダミーパイプ133は、胴本体101
の重量を軽減すると共に、角パイプ132を確実に固定
することを目的とする。このダミーパイプ133にもボ
ロン入りアルミニウム合金を用い、上記同様の工程によ
り製作する。なお、このダミーパイプ133は省略する
こともできる。
160を示す概略構成図である。胴部1は、ローラから
なる回転支持台154上に載せられており、径方向に回
転自在となる。この加工装置160は、胴部1の正面に
設置されるベース161と、ベース161上を胴部1の
軸方向に移動するコラム162と、コラム162に設け
られ上下移動するサドル163と、サドル163に設け
られ軸方向に移動制御されるヘッド164とから構成さ
れている。
ねじ切りバイト166が固定されている。ヘッド164
は、サドル163に設けたサーボモータ167により移
動制御される。また、サドル163は、コラム162上
のサーボモータ168により上下方向に移動制御され
る。ネジ部4を加工するには、回転支持台154上で胴
部1を回転させつつ、ねじ切りバイト166を胴部1の
端部内面に押し付ける。ねじ切りバイト166の切り込
み量および送り量は、図示しない制御装置により制御す
る。
体は、核分裂性物質および核分裂生成物などを含み、放
射線を発生すると共に崩壊熱を伴うため、キャスク10
0の除熱機能、遮蔽機能および臨界防止機能を貯蔵期間
中(60年程度)、確実に維持する必要がある。この実
施の形態1にかかるキャスク100では、胴部1のキャ
ビティ102内を機械加工して角パイプ132で構成し
たバスケット130の外側を密着状態(空間領域なし)
で挿入するようにしており、さらに、胴部1と外筒10
5との間に内部フィン107を設けている。
32或いは充填したヘリウムガスを通じて胴部1に伝導
し、主に内部フィン107を通じて外筒105から放出
されることになる。以上から、角パイプ132からの熱
伝導率が向上し、崩壊熱の除熱を効率的に行うことがで
きるようになる。
素鋼あるいはステンレス鋼からなる胴本体101、外筒
105、蓋部109などにおいて遮蔽される。また、中
性子はレジン106によって遮蔽され、放射線業務従事
者に対する被ばく上の影響をなくすようにしている。具
体的には、表面線当量率が2mSv/h以下、表面から
1mの線量当量率が100μSv/h以下になるような
遮蔽機能が得られるように設計する。さらに、セル13
1を構成する角パイプ132には、ボロン入りのアルミ
ニウム合金を用いているので、中性子を吸収して臨界に
達するのを防止することができる。
100によれば、胴部1に対して底板2およびフランジ
部3をネジ部4、15により結合したので、容易に組み
立てることができる。また、厚肉部分の溶接が無いの
で、局部焼鈍などの熱処理をする必要がない。このた
め、キャスク100の製造が容易になる。さらに、胴部
1および底板2、胴部1およびフランジ部3の結合部分
にオメガシール6、7、16、17を設けたので、キャ
スク100の気密性を確保することができる。また、シ
ール部の肉厚が小さいので溶接の自由度が高く、完全な
溶接が可能になる。また、当該溶接の熱影響は前記シー
ル部が吸収するので、胴部1への影響が極めて少ない。
内を機械加工しバスケット130の外周を構成する角パ
イプ132を密に挿入するようにしたので、角パイプ1
32からの熱伝導率を向上させることができる。また、
キャビティ102内の空間領域をなくすことができるか
ら、胴本体101をコンパクトかつ軽量にすることがで
きる。なお、この場合であっても、角パイプ132の収
容数が減少することはない。
キャスクと同じにすれば、それだけセル数を確保できる
から、使用済燃料集合体の収納数を増加することができ
る。具体的に当該キャスク100では、使用済燃料集合
体の収容数を69体にでき、かつキャスク本体116の
外径を2560mm、重量を120tonに抑えること
ができる。また、現実の問題として、上記構成を採用す
ることにより、要求される重量制限、寸法制限を満たし
た上で69本の使用済燃料集合体を収容することが可能
になった。
す一部拡大図である。なお、同図では、説明の便宜のた
めネジ部およびオメガシールを大きく示している。この
キャスク200では、フランジ部3と一次蓋201およ
び二次蓋202とにネジ部203、204を設け、当該
ネジ部203、204により一次蓋201および二次蓋
202を固定するようにした。このようにすれば、一次
蓋201および二次蓋202を容易に取り付けることが
できる。ただし、同図では、結合部分にオメガシール2
05、206を設けているので、収容した使用済燃料集
合体を再び取り出す場合には適さない。
には、その上部にネジ部203およびオメガシール20
5が設けられている。一次蓋201は、ステンレス鋼製
であるから上記のような肉盛りは不要であるが、炭素鋼
製にした場合には上記同様に肉盛りをしてから機械加工
を施すようにする。同じく、二次蓋202の周縁にも、
ネジ部204およびオメガシール206が設けられてい
る。
よび二次蓋202に対応する部分にネジ部203、20
4およびオメガシール205、206が形成されてい
る。オメガシール205、206のシール部は、上記同
様にTIG溶接やシーム溶接などを用いて溶接する。な
お、上記では、一次蓋201および二次蓋202をネジ
部203、204により固定するようにしたが、両者の
一方のみをネジ部により固定するようにしてもよい。
す一部拡大図である。このキャスク300では、胴部1
と底板2との結合部分に斜め方向で凹部301を設け、
この凹部301の中に内側のオメガシール302を形成
している。キャビティ102内に凹部を形成するのはバ
スケット挿入の邪魔にならないためである(図5のオメ
ガシール17など)。
より当該部分の肉厚が小さくなってしまうため、凹部を
設けた部分に必要な肉厚を確保しようとすると他の部分
の肉厚が過剰になってしまう。そこで、肉厚に余裕があ
る部分に凹部301を設けて、他の部分の肉厚が過剰に
なるのを防止するようにした。なお、外側のオメガシー
ル303は、凹部304内に形成される。
厚さを有し且つ高品質な鍛造材を用いて製作する。当該
底板2にはさらに底板305が設けられており、この底
板305は、鋳物などの安価な材料を用いて製作する。
この底板305は、胴部1に対してボルト306で固定
されている。また、底板305は、γ線を遮蔽するのに
十分な厚さを有すると共に中性子を遮蔽するためのレジ
ン307を内部に封入している。このように底板2と底
板305とを分割構造にすることにより、キャスク10
0の製造コストを下げることができる。
て胴部1と底板2との結合角部分としたが、これに限ら
れず、γ線遮蔽能に余裕がある部分であればどこでもよ
い。たとえば、図10に示すように、胴部1とフランジ
部3との結合部分のみを肉厚にし(図中T)、当該部分
の内側および外側に凹部401、402を設けるように
してもよい。各凹部401、402内には、オメガシー
ル403、404が設けられる。かかる構成にすること
により、胴本体101が肉厚過剰になってその重量が増
加するのを防止することができる。
立方法について説明する。図11は、キャスクの組み立
てに用いるねじ込み装置を示す概略構成図である。ま
ず、胴部1に底板2をねじ込む際には、胴部1を回転支
持台401’上に載せ、ねじ込み装置400の回転軸4
02の一端に底板2を仮固定する。回転軸402は、軸
受部403により回転自在に支持されており、当該回転
軸403の他端にはバランスウエイト404が取り付け
られている。このバランスウエイト404には、複数の
ハンドル405が取りつけてある。軸受部403は、支
持台406上に固定されており、この支持台406は下
部の車輪407により工場フロアF上を移動することが
できる。
持台406を図中矢印方向に移動させ、当該底板2を胴
部1の端部に当てる。そして、作業者によってハンドル
405を図中矢印方向に回転させ、底板2を胴部1に対
して螺合する。底板2を胴部1に取り付けたら、底板2
から回転軸402を取り外し、支持台406を退避させ
る。このようなねじ込み装置400を用いることによ
り、重量の大きな底板2を胴部1に対して容易に取りつ
けることができるようになる。なお、同図では、胴部1
に底板2をねじ込む方法を示したが、フランジ部3を胴
部1にねじ込む場合にも、当該ねじ込み装置400を用
いて上記同様に行うようにすればよい。
挿入方法の変形例について説明する。図12は、バスケ
ット挿入に用いる冶具を示す斜視図である。図13は、
図12に示した冶具によりバスケットを仮固定した状態
を示す斜視図である。この冶具500は、バスケット1
30を固定ブロック501、502により挟んで固定す
る構造であり、固定ブロック501、502の挟持面周
縁には、角パイプ132を挿入して固定する凸部503
が複数設けられている。固定ブロック501、502の
形状は、上記胴本体101のキャビティ102内の形状
と略同じである。また、固定ブロック501、502同
士は、連結棒504により連結されている。連結棒50
4は、中心部に位置する角パイプ132を貫通し、その
両端部において取付ナット505で固定されている。
合、好ましくは一方の固定ブロック501を作業平面上
に置き、上方から角パイプ132の一端を固定ブロック
501の凸部503に挿入する。また、中心部の角パイ
プ132には、連結棒504を貫通させる。凸部503
に角パイプ132を挿入し終わったら、これら角パイプ
132の内側にさらに角パイプ(図示省略)を整列させ
る。そして、他方の固定ブロック502の凸部(図示省
略)を、前記整列させた角パイプ132に挿入し、さら
に固定ブロック502の中心部に連結棒504を貫通さ
せて固定する。連結棒504の端部には、取付ナット5
05を螺合しこれを締め付ける。これにより、固定ブロ
ック501、502によりバスケット130を挟持する
ことができる(図13参照)。
ケットを挿入する方法を示す説明図である。同図(a)
に示すように、上記冶具500により固定したバスケッ
ト130を胴部1の一方側から所定位置まで挿入する。
つぎに、同図(b)に示すように、取付ナット505を
外して固定ブロック501、502による拘束を解き、
連結棒504を角パイプ132から完全に抜き取る。そ
して、同図(c)に示すように、底板2およびフランジ
部3を胴部1に取り付ける。この底板2およびフランジ
部3の取り付けは、上記ねじ込み装置400を用いて行
う。このようにすれば、角パイプ132を一本づつ挿入
する必要がないので、バスケット130の挿入が簡単に
なる。特に、上記実施の形態1〜3のキャスクは、底板
2およびフランジ部3を胴部1に直接溶接せず、ネジ固
定するようにしているので、胴部1の両側が開口してい
るからバスケット130を挿入しやすいこと、取付後の
熱処理などが不要であることから、上記挿入方法に適し
ているものといえる。
分割した構造の冶具を用いるようにしてもよい。図15
は、そのような冶具を示す説明図である。この冶具60
0は、複数の角ブロック601を角パイプ132の穴に
挿入すると共に角パイプ132から突出した部分に固定
ワイヤ602を通す溝603を設けた構造である。この
溝603は、バスケット130の外周部分に相当する角
パイプ132に挿入する角ブロック601にのみ設けら
れている(同図(a))。内側となる角パイプ132に
挿入する角ブロック601には設けられていない(同図
(b))。また、各角ブロック601には、隣接する角
ブロック601と結合しやすいように、凸部604或い
は凹部605が形成されている。同図(c)は、角ブロ
ック601を結合した状態を示し、前記固定ワイヤ60
2は点線で示す。
集める。つぎに、所定の角ブロック601を角パイプ1
32の両側から挿入する。そして、角ブロック601の
溝603に固定ワイヤ602を通し、締付部606にて
締め付ける。これを角パイプ132の両側にて行う。こ
れにより、図16に示すように、角パイプ132が拘束
されてバスケット形状を保持することができる。そし
て、この状態でバスケット130を胴本体101のキャ
ビティ102内に挿入し、その後、固定ワイヤ602に
よる拘束を解き、角ブロック601を抜き取る。このよ
うな冶具600によっても、胴本体101内にバスケッ
ト130を容易に挿入することができる。
合させたバスケット130を例に挙げて説明したが、こ
の発明に適用できるバスケットはこれに限定されない。
例えば、図17に示すようなバスケット700を用いる
ようにしてもよい。このバスケット700は、上記角パ
イプ132と略同様にアルミニウムとボロンを混合して
押出して矩形の板材701を成形し、この板材701に
複数の切れ込み702を設け、これを交互に積み重ねて
形成される。なお、上記実施の形態1〜5では、BWR
用のキャスクを用いて説明したが、本発明の構成はPW
R用のキャスクであっても適用することができる(図示
省略)。
キャスク(請求項1)では、胴本体に対して底板を螺合
するネジ部を、胴本体および底板の端部に設け、このネ
ジ部により胴本体および底板を結合するようにしたの
で、キャスクの製造を容易に行うことができる。また、
ネジ式であるから溶接の影響を受けない。
2)では、胴部に対してフランジ部を螺合するネジ部
を、胴部およびフランジ部の端部に設け、このネジ部に
より胴部およびフランジ部を結合するようにしたので、
キャスクの製造を容易に行うことができる。また、ネジ
式であるから溶接の影響を受けない。
3)では、たとえば、胴本体および底板、或いは胴部お
よびフランジ部の結合部分にオメガシールを設けること
により、キャスクの気密性を高めることができる。ま
た、オメガシールの溶接による影響がほとんどない。
4)では、フランジ部に対して蓋部を螺合するネジ部
を、蓋部およびフランジ部に設けたので、蓋部の取り付
けを容易に行うことができる。また、オメガシールを設
けた場合には、キャスクの気密性を高めることができ
る。
5)では、炭素鋼製の部材にステンレス鋼の肉盛りをし
て当該肉盛り部分を機械加工してオメガシールを形成し
たので、熱処理や再加工が不要になり、キャスクの製造
が容易になる。
6)では、胴本体のキャビティ内面であって前記部材ど
うしの結合部分に凹部を設け、当該凹部内にオメガシー
ルを設けたので、バスケットを挿入するのに邪魔になら
ない。
7)では、凹部をキャスクのγ線遮蔽能に余裕がある部
分に設けたので、キャスクの重量を増加させることなく
オメガシールを設けることができる。
8)では、底板を二重構造とし、少なくともキャビティ
を構成する底板を鍛造製とし、当該底板を前記胴本体に
対し て螺合するネジ部を、胴本体および底板の端部に設
けたので、キャスクの製造コストを低減できる。
(請求項9)では、筒状の胴部の内面をバスケットの外
形に合わせて機械加工する工程と、蓋部を取り付けるた
めのフランジ部または底板を胴部にねじ込む工程とを含
むようにしたので、キャスクの製造を容易に行うことが
できる。また、ネジ式であるから溶接の影響を受けな
い。
(請求項10)では、蓋部をフランジ部に対してねじ込
む工程を含むようにしたので、蓋部の取り付けを容易に
行うことができる。
(請求項11)では、フランジ部もしくは底板と胴部と
の結合部分、または、前記蓋部とフランジ部の結合部分
にオメガシールによるシールを施す工程を含むようにし
たので、キャスクの気密性を高めることができる。ま
た、オメガシールの溶接による影響がほとんどない。
成を示す斜視図である。
ある。
ある。
ある。
図である。
す一部拡大図である。
成を示す一部拡大図である。
変形例を示す一部拡大図である。
示す概略構成図である。
ある。
定した状態を示す斜視図である。
ットを挿入する方法を示す説明図である。
ある。
角パイプを拘束した状態を示す斜視図である。
の変形例を示す斜視図である。
面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 γ線の遮蔽を行う胴本体およびその底板
と、胴本体の外側に設けられ中性子の遮蔽を行う中性子
遮蔽体と、胴本体のキャビティ内に設けられ中性子吸収
能を有するバスケットとを備えたキャスクにおいて、前記胴本体に対して底板を螺合するネジ部を、 胴本体お
よび底板の端部に設けたことを特徴とするキャスク。 - 【請求項2】 γ線の遮蔽を行う胴部および胴部に設け
られ蓋部を取り付けるためのフランジ部からなる胴本体
と、胴本体の外側に設けられ中性子の遮蔽を行う中性子
遮蔽体と、胴本体のキャビティ内に設けられ中性子吸収
能を有するバスケットとを備えたキャスクにおいて、前記胴部に対してフランジ部を螺合するネジ部を、 胴部
およびフランジ部の端部に設けたことを特徴とするキャ
スク。 - 【請求項3】 さらに、前記結合部分にオメガシールを
設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のキャ
スク。 - 【請求項4】 さらに、前記フランジ部に対して蓋部を
螺合するネジ部を、蓋部およびフランジ部に設けたこと
を特徴とする請求項2または3に記載のキャスク。 - 【請求項5】 前記胴本体もしくは底板、または前記胴
部もしくはフランジ部の一方が炭素鋼製である場合、そ
の部材にステンレス鋼の肉盛りをし、この肉盛り部分を
機械加工してオメガシールを形成したことを特徴とする
請求項3または4に記載のキャスク。 - 【請求項6】 さらに、前記胴本体のキャビティ内面に
凹部を設け、当該凹部内にオメガシールを設けたことを
特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のキャス
ク。 - 【請求項7】 さらに、キャスクのγ線遮蔽能に余裕が
ある部分に前記凹部を設けたことを特徴とする請求項6
に記載のキャスク。 - 【請求項8】 さらに、前記底板を二重構造とし、少な
くともキャビティを 構成する底板を鍛造製とし、当該底
板を前記胴本体に対して螺合するネジ部を、胴本体およ
び底板の端部に設けたことを特徴とする請求項1〜7の
いずれか一つに記載のキャスク。 - 【請求項9】 筒状の胴部の内面をバスケットの外形に
合わせて機械加工する工程と、 蓋部を取り付けるためのフランジ部または底板を胴部に
ねじ込む工程と、 を含むことを特徴とするキャスク製造方法。 - 【請求項10】 さらに、前記蓋部をフランジ部に対し
てねじ込む工程を含むことを特徴とする請求項9に記載
のキャスク製造方法。 - 【請求項11】 さらに、前記フランジ部もしくは底板
と胴部との結合部分、または、前記蓋部とフランジ部の
結合部分にオメガシールによるシールを施す工程を含む
ことを特徴とする請求項9または10に記載のキャスク
製造方法。
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