JP4221042B2 - 放射性物質格納容器 - Google Patents

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Description

この発明は、原子力発電に用いる燃料棒の集合体をリサイクルのために収納する放射性物質格納容器に関する。
リサイクル燃料集合体を原子力発電所から貯蔵施設まで輸送して、一定期間貯蔵しておくための所謂キャスクと呼ばれる放射性物質格納容器が知られている。通常キャスクは、PWR用またはBWR用のリサイクル燃料集合体を内部に設けたバスケットの各セル内に収納し、このバスケットの周囲にはγ線遮蔽の胴本体と、その周囲にレジン層からなる中性子遮蔽体が設けた構造である。胴本体には伝熱フィンが複数設けられ、且つこれが前記中性子遮蔽体内を貫通して外容器の内面に接続されている。
また、従来のキャスクの一例としては、バスケットが薄肉の内容器に収納され、この内容器を厚肉の外容器内に収容したものが知られている(例えば特許文献1参照)。この内容器及び外容器により実質的に前記γ線を遮蔽する胴本体を構成する。密封性は内容器により維持されるので、外容器はγ線遮蔽機能を有していれば良い。従って、前記外容器は、複数の構成材料をボルトにより固定して容器状に組み立てられ、また内容器は、ステンレス製の筒体に底板を溶接した構造であり、そのフランジ部にて外容器の端面に固定される。また、バスケットは、例えば、中性子減速材を含む板材を交互に組み合わせて菓子折り状にし、これにより形成した格子内にステンレス製の角パイプを挿入した構造のものである。外容器と外筒および伝熱フィンとの間には、中性子遮蔽体が充填されている。
特開2000−131491号公報(第3頁〜5頁、図1)
ところで、上記従来のキャスクでは、中性子遮蔽体を伝熱フィンおよび外筒と外容器とで区画する空間に充填しているのであるところ、リサイクル燃料集合体を収納したキャビティ内は200℃前後にまで温度が上昇するため、中性子遮蔽体が軟化して、内部で流動化し、重力の影響で下に下がることで逆に上方に中性子遮蔽体が存在しない部分が生じ得る。
また、温度上昇により中性子遮蔽体が熱伸びを起こしてしまう。特に、リサイクル燃料集合体はその全長が5m近くあり、当該中性子遮蔽体自身の長さも5m以上に達し、キャスク軸方向の熱伸びは相当なものになる。しかしながら、上記キャスクの構成では、中性子遮蔽体の軸方向の伸びについて対策が不十分でその熱伸びを十分に吸収できないという問題点がある。
この発明は、中性子遮蔽体の欠損を防止できる、または中性子遮蔽体の軸方向の熱伸びを効果的に吸収できる放射性物質格納容器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、この発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間を分割板により軸方向に分割し、この分割空間に封入され且つプレキャストした中性子遮蔽体であるレジンと、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、中性子減速材を含む材料からなり、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。また、好ましくは、前記分割板は斜め又は階段状に設ける。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に充填される中性子遮蔽体であるレジンと、前記空間を形成する部材の貯蔵姿勢において上部に設けたレジン注入口と、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、中性子減速材を含む材料からなり、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に配置されると共に、プレキャストされており且つ一面にプレートを設け、当該プレートと前記胴本体または外筒との間に位置する弾性体を有する中性子遮蔽体であるレジンと、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、中性子減速材を含む材料からなり、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間にプレキャストレジンを配置すると共に、このプレキャストレジンの周囲に注入固化されたレジンとから構成された中性子遮蔽体と、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、中性子減速材を含む材料からなり、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間の内面に設けた離型材と、前記空間に入れた中性子遮蔽体と、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、中性子減速材を含む材料からなる複数の角パイプを面合わせしてリサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。
この発明では、角パイプを用いてバスケットを構成すれば、角パイプ同士の面が互いに接触し、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を効率的に伝達して胴本体に伝えることができる。このため、中性子遮蔽体の熱伸びを吸収する必要があり、係る要請に対して、空間内面に設けた離型材により中性子遮蔽体が軸方向に熱伸びを起こしても、当該離型材により中性子遮蔽体自体が滑ることで、当該熱伸びを吸収するようにする。また、この発明では、輸送中における落下等で内部に衝撃が加わった場合、角パイプが面合せして集まっているので、荷重に耐えやすくなる。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、外容器の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記外容器、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間の内面に設けた離型材と、前記空間に入れた側方の中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットと、前記外容器の底部および内容器の開口に取り付ける蓋に設ける、両端側の中性子遮蔽体とを備えることを特徴とする。
この発明では、側方に設けた中性子遮蔽体の軸方向の熱伸びを吸収する構造により、当該側方の中性子遮蔽体の健全性を確保し、更に外容器の底部および内容器の開口に取り付ける蓋に中性子遮蔽体を設けることで、中性子のトラップを確実に行うことができる。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記中性子遮蔽体は、熱伸び前の状態で少なくとも前記リサイクル燃料集合体からの中性子を外部に一定量以上出さないような長さに設定され、且つ外筒と短板とで形成する軸方向の熱伸びしろが、当該中性子遮蔽体の熱伸び量に適した寸法となっていることを特徴とする。
離型材により積極的に中性子遮蔽体を滑らせる場合、伸び前後おいて中性子のトラップが確実に行われなければならない。このため、熱伸び前の状態でも中性子を外部に一定量以上出さないような長さに設定するようにしている。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記中性子遮蔽体は、多数の小空間を有する保持体をレジンでモールド成型したものであることを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記伝熱フィンは、断面がカップ状でそのカップ内に離型材が設けられており、前記外筒に接するカップの頂部から所定ギャップをもって中性子遮蔽体の露呈面が存在することを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れられ、且つ多数の小空間を有する保持体をレジンでモールド成型した構成の中性子遮蔽体と、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えることを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、前記胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に入れられた中性子遮蔽体と、前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備え、前記伝熱フィンは、断面がカップ状であり、前記外筒に接するカップの頂部から所定ギャップをもって前記中性子遮蔽体の露呈面が存在することを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器の製造方法は、放射性物質格納容器を構成するγ線を遮蔽する胴本体、この胴本体の周囲に熱的に接続する伝熱フィンおよび当該伝熱フィンに熱的に接続する外筒により区画される空間、に相当する形状の型内に、多数の小空間を有する保持体を挿入し、この中にレジンを充填することで前記小空間内にレジンを侵入させて、中性子遮蔽体を成型し、この中性子遮蔽体を前記空間内に挿入することを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器の製造方法は、胴本体とその周囲に設けた外筒との間の空間にカップ状の伝熱フィンを複数配置して、その伝熱フィンが胴本体および外筒の両方に接触するようにする前に、伝熱フィンを床置きし、その状態でレジンを注入固化させて中性子遮蔽体を成型すると共に、その中性子遮蔽体の露呈面が伝熱フィンの頂部との間で所定のギャップを有するようにし、前記空間に当該伝熱フィンを挿入した状態で、前記伝熱フィンの頂部が外筒と接触し、且つ外筒と中性子遮蔽体との露呈面との間に熱膨張しろを形成させることを特徴とする。
以上からこの発明の放射性物質格納容器によれば、胴本体、伝熱フィンおよび外筒により区画される空間に離型材を設けることで、中性子遮蔽体自体が軸方向に滑るようになり、当該中性子遮蔽体の熱伸びをそれ自体の滑りにより吸収できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、所謂当業者が置換可能かつ容易なもの或いは実質的同一のものが含まれる。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図および径方向一部断面図である。このキャスクは、γ線を遮蔽する胴本体1と、胴本体1の周囲に配置した中性子遮蔽体2と、中性子遮蔽体2を収納する外筒3と、胴本体1のキャビティ4内に配置したバスケット5とから構成される。バスケット5は、複数の角パイプ6をキャビティ4内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル7を構成する。角パイプ6は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ6は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
胴本体1は、主に密封機能を持つ内容器8と、主にγ線遮蔽機能を持つ外容器9とから構成される。内容器8は、外容器9に対して薄肉となっており且つ有底一体容器として成形されている。開口側端面には、蓋10を取り付けるためのフランジ11が形成されている。また、内容器8は、ステンレス鋼等の耐食性に優れた材料により構成される。内容器8は、密封性を有する必要があるところ、薄肉であるため有底容器として一体成形が可能なため継ぎ目が存在せず、且つ構造材料の健全性が保たれる限りで十分な密封性を有し、放射性物質が漏洩する等の問題が生じさせることがない。更に、底部分を筒部分に溶接しないことで、HAZの溶接硬化部の発生やステンレス鋼に多く見られる溶接割れ等の放射性物質の漏洩につながる問題を起こさない。なお、溶接により有底筒形状を形成する場合、溶接施工後の各種試験等の実施により溶接の健全性を十分に確認すればキャスクに適用できる。
外容器9は、安価な炭素鋼製であり且つ内容器8に比べて厚肉の有底容器形状であり、内容器8は外容器9の内側にシュリンクフィットされる。また、外容器9はγ線遮蔽機能を有すればよく、内容器8のような密封機能は要求されない。このため、外容器9は全てを一体成形する必要はなく、且つ構成部材同士を完全に溶接接合する必要もない。
このように、胴本体1を内容器8と外容器9から構成し、且つ内容器8にステンレス鋼等の耐食性を有し且つ密封機能を与え、その一方で外容器9には密封機能を与えず遮蔽機能を与え且つ安価な炭素鋼を用いることで、キャスク100を簡単かつ安価に製造できる。また、外容器9の強度と密閉性を高めるために、底板13を筒体12に突合せ溶接するとなお良い。突合せ溶接には、高周波誘導溶接、高周波抵抗溶接或いはフラッシュ溶接等を用いる。この溶接により筒体12と底板13との当接面の略全面で溶接が行われるので、外容器9の密封性を向上させ且つ機械的強度を向上させる。
中性子遮蔽体2は、所定量の水素を含有したレジン102から構成され、胴本体1、外筒3および伝熱フィン17により区画した空間(レジン充填空間105)に充填される。この空間1056は、軸方向に複数に分割されている。分割板101は、斜めに溶接されており、その材料は伝熱フィンと同じである。分割板101が斜めに溶接されているのは、次の理由による。図2は、中性子遮蔽体の軟化流動を示す説明図である。分割板101により区画された分割空間105には、同図(a)に示すように、予め別の場所でプレキャストされたレジン102が封入される。この状態では、分割板101が斜めになっているため、プレキャストレジン102は外容器9の外面に当接状態である。外筒3との間はボイド層106となっている。
次に、レジン102に熱が加わることでレジン102が軟化し、流動状態となる。このため、ボイド層106にレジン102が移動すると共に、重力の影響で下方に移動する。このため、上部に多少の空間107が発生することになるが、分割板101を斜めにしているので、当該空間107の分割板101を隔てた上側にもレジン102が存在することになるから、中性子が漏れることがない。同様の効果を奏する形状として、図3に示すように、分割板104を階段状にしても良い。この場合も、レジン102が流動化して上方に空間が発生しても、分割板104を隔てた上側にもレジン102が存在するため、中性子が漏れることがない。
また、外筒3と外容器9との間の分割空間105を複数に分割することで、上方にまとまったレジン102の欠損空間が生じるのを防止できる。即ち、分割板101のない状態で生じ得る上方の欠損空間を分割空間105で分担しており、小さくも生じ得るレジン欠損空間に起因したストリーミングは、分割板101を斜めに形成したり、階段状に形成することで解消できる。また、プレキャストレジン102を用いることでキャスクの製造を簡略化できる。レジン充填空間の全部にわたり液状のレジンを注入固化することは、鋳込み時間が長くなり、鋳込み装置も大型のものが必要になる。ところが、プレキャストレジン102は、個々は小型であるから成形しやすく鋳込み時間も短時間で済む。鋳込み装置も小型のもので足りる。そして、このプレキャストレジン102は、実際のキャスクの組立の際にはレジン充填空間105に挿入するだけでよい。
リサイクル燃焼集合体の崩壊熱は、まず角パイプ6により構成したバスケット5を伝わり、スペーサ16を介して胴本体1に伝わる。胴本体1に伝わった熱は主に伝熱フィン17を介して外筒3に伝わり、外部に放熱される。角パイプ6を用いてバスケット5を構成すると、相互に面接触していることから、熱伝達が効率的に行われる。また、スペーサ16により胴本体1に対して実質的に接触状態となり、胴本体1への熱伝達も十分に行われる。中性子減速材からなる板材を交互に組んでその格子内にステンレス製の角パイプを挿入してバスケットを製作する場合、接触界面が多く存在することになるので、アルミニウム製の角パイプ6を面接触状態で集合したバスケット5に比べて、熱伝達性が劣るものとなる。
また、ボロンアルミニウム材を押出し成形した角パイプ6を集合させた構造のバスケット5を用いれば、内容器8のキャビティ形状が筒状であってもセル数を増やすことができる。例えばBWR燃料のリサイクル燃料集合体の場合は、一辺が150mm程度と既知である。このため、中性子減速材により構成した板材を格子状に組み合わせて、その格子内にステンレス製の角パイプを挿入するものに比べて、バスケット5を構成する材料の板厚を小さくでき、同じ内径のキャビティ4であれば、それだけセル数を増やすことができる。また、同じ収納体数であれば外径を小さくできる。即ち、外形が小さくなれば胴本体1の径を小さくできるので、キャスク100を飛躍的に軽量化できるという利点がある。PWR用のリサイクル燃料集合体の場合でも同様である。また、衝撃荷重を受けた場合、角パイプ6同士を集合し互いに面で密着した状態であれば、板材を格子状に組んだバスケットに比べて応力集中の発生部分が少なくなり、破損の危険性を極小化できる。
また、炭素鋼製の外容器9の表面は、ステンレス鋼のオーバレイによる防錆処理を施すのが好ましい。更に、外容器9の筒体12に対して底板13をボルト固定する場合は、内部への水分侵入を防止するため、接合部分に銅等の軟質金属を介在させ且つ外部にシリコン等によるシールを施すのが好ましい(図示省略)。これにより、内容器8と外容器9との間に水分が侵入し電食を起こすのを防止できる。更に、外容器9の底板13を筒体12に溶接する場合、電子ビーム溶接によりある程度の溶接深度を確保し、ある程度の密封性を持たせるようにしても良い。フランジ11と外容器9端部との溶接も同様である。キャスク100の密封性を更に高めると共に溶接負荷を軽減できる。
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す一部軸方向断面図である。このキャスク200では、実施の形態1にて説明したように中性子遮蔽材であるレジンの流動により、レジン充填空間の上方にレジンの欠損空間201が生じ得る。そこで、キャスク200を貯蔵した後、一定期間経過してからレジン充填空間に欠損空間201が生じた場合、端板3aに設けたレジン注入口202から液状のレジンを注入し、当該欠損空間201にレジンを補充するようにする。端板3aのレジン注入口202はボルト203により栓ができるようになっている。このようにすれば、レジン欠損空間201を消滅させ得るので、中性子の遮蔽を確実に行える。
(実施の形態3)
図5は、この発明の実施の形態3に係るキャスクの中性子遮蔽体を示す斜視図および一部断面図である。このキャスクは、上記実施の形態1のキャスク100の中性子遮蔽体であるレジン301を別の場所で予めプレキャストし、同図(a)に示すように、一面(外筒側の面)にプレート302を張着し、そのプレート302に弾性体303が設けたものである。この弾性体303は、例えば同図に示したような断面がC形状の棒状体303aであり、この開口側がプレート302に略平行な方向に取り付けられている。
この中性子遮蔽体301を、同図(b)に示すように、外容器9、外筒3および伝熱フィン17により形成するレジン充填空間304に挿入し、弾性体304の弾性力によりレジン301を外容器9に押し付けるようにする。また、この弾性体303は、熱伝導性の良い材料によって製作することで放熱性の向上にも寄与できる。この弾性体303は、キャスク内の温度上昇によりレジン301が軟化して流動状態になっても、その弾性力によりプレート302を介してレジン301を押し付けているので、レジン301が流動化しても初期状態を維持することができる。即ち、レジン301の流動化によりボイド層となっている部分にレジン301が流入するのを、前記プレート302により抑制し、これによりボイド層に流動する体積分だけ欠損空間が生じるのを結果的に防止している。
このため、レジン充填空間304の上方に大きな欠損空間が生じないから、中性子の遮蔽を確実に行える。また、弾性体303の形状は、断面C形状の上記棒状体303aに限定されない。例えば図6(a)に示すように、断面が波形状の板材303bであっても良い。この中性子遮蔽体301をレジン充填空間304に挿入することで、同図(b)に示すように、弾性体303がプレート302を介してレジン301を外容器9に押し付けるように作用する。このため、レジン301が流動化しても上部に大きな欠損空間を生じさせない。また、波形状の板材303bによれば、プレート302と外筒3との接触面積が大きくなるので、これらの間での熱伝導効率が良くなる。なお、上記実施の形態では、レジン301と外筒2との間に弾性体303を配置挿入したが、外容器9とレジン301との間に弾性体303を配置してもよい。
(実施の形態4)
図7は、この発明の実施の形態4に係るキャスクを示す一部軸方向断面図である。図8は、図7に示したキャスクの一部径方向断面図である。このキャスク400は、実施の形態1のキャスクと略同様の構成であるが、レジン充填空間404にプレキャストしたレジン401を挿入し、充填空間404とレジン401との間の空間を液状のレジン402を注入することで埋めるようにした点が異なる。プレキャストレジン401は、軸方向に数個に分割されており、別の場所で製作され、レジン充填空間404に挿入される。プレキャストレジン401の上部に突起403が設けられている。突起403により上側のレジン401との間に所定の間隔をあけることで、図9に示すように、液状のレジン402が当該プレキャストレジン401とプレキャストレジン401との間に流入し易くできる。
このように、プレキャストレジン401をレジン充填空間404に挿入し、その充填空間404とプレキャストレジン401との隙間に液晶のレジン402を注入固化させることで、当該レジン充填空間404内には、隙間なくレジン401,402を充填することができる。液状のレジン402は、端板3aのレジン注入口405から注入される。また、プレキャストしたものをレジン充填空間404に挿入してから隙間を埋めるようにすれば、レジン402の鋳込み時間を大幅に短縮できる。即ち、レジン充填空間404の全部に液状のレジンを注入固化させる場合、その可使時間を考慮しながら大型の鋳込み装置により作業を行う必要があるが、この発明によれば、別途小型のプレキャストレジン401を成形しておき、隙間の鋳込みは少量の液状のレジン402で済むので、鋳込み装置を小型化できるし、鋳込み時間は大幅に削減される。
図10は、このキャスクの別の変形例を示す軸方向断面図である。このキャスク450では、レジン充填空間404の内面に離型材406を塗布した点に特徴がある。この離型材406は、例えば、シリコン系のものや、ポリビニルアルコール(PVA)を原料としたものなどからなる。離型材406の他、中性子遮蔽体2であるレジン401,402を全体的に軸方向に滑らせることができること、200℃付近までの高温に耐えうることの条件を満たす材料を用いることができる。離型材406を設けることで、中性子遮蔽体2の熱伸びは、当該中性子遮蔽体2自体が軸方向に滑ることで吸収できる。このため、中性子遮蔽体2の軸方向の熱伸びに起因した構造体の応力を緩和できる。
離型材406としては、例えば「MOULD RELEASE QZ13」(商品名:ナガセケムテックス株式会社)などを挙げることができる。
(実施の形態5)
図11は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図12は、図11に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク500は、γ線を遮蔽する胴本体501と、胴本体501の周囲に配置した中性子遮蔽体502と、中性子遮蔽体502を収納する外筒503と、胴本体501のキャビティ504内に配置したバスケット505とから構成される。バスケット505は、複数の角パイプ506をキャビティ504内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル507を構成する。角パイプ506は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ506は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
胴本体501は、主に密封機能を持つ内容器508と、主にγ線遮蔽機能を持つ外容器509とから構成される。内容器508は、外容器509に対して薄肉となっており且つ有底一体容器として成形されている。開口側端面には、蓋510を取り付けるためのフランジ511が形成されている。また、内容器508は、ステンレス鋼等の耐食性に優れた材料により構成される。内容器508は、密封性を有する必要があるところ、薄肉であるため有底容器として一体成形が可能なため継ぎ目が存在せず、且つ構造材料の健全性が保たれる限りで十分な密封性を有し、放射性物質が漏洩する等の問題が生じさせることがない。更に、底部分を筒部分に溶接しないことで、HAZの溶接硬化部の発生やステンレス鋼に多く見られる溶接割れ等の放射性物質の漏洩につながる問題を起こさない。なお、溶接により有底筒形状を形成する場合、溶接施工後の各種試験等の実施により溶接の健全性を十分に確認すればキャスクに適用できる。
外容器509は、安価な炭素鋼製であり且つ内容器508に比べて厚肉の有底容器形状であり、内容器508は外容器509の内側にシュリンクフィットされる。また、外容器509はγ線遮蔽機能を有すればよく、内容器508のような密封機能は要求されない。このため、外容器509は全てを一体成形する必要はなく、且つ構成部材同士を完全に溶接接合する必要もない。例えば図14の(a)に示すように、筒体512に対して底板513を隅肉溶接(溶接部514)により固定するようにできる。また、図示しないが、筒体512に対して底板513をボルト固定しても良い。
更に図12において点線で示すように、外容器509は軸方向に分割されており、各分割体509a同士をボルトや溶接により固定するようにすることもできる。この場合、内容器508の外側から外容器509の分割体509aを貼り付けるようにして固定できるので、内容器508の外容器509に対するシュリンクフィット作業の必要はない。このように、胴本体501を内容器508と外容器509から構成し、且つ内容器508にステンレス鋼等の耐食性を有し且つ密封機能を与え、その一方で外容器509には密封機能を与えず遮蔽機能を与え且つ安価な炭素鋼を用いることで、キャスク500を簡単かつ安価に製造できる。また、外容器509の強度と密閉性を高めるために、底板513を筒体512に突合せ溶接するとなお良い。突合せ溶接には、高周波誘導溶接、高周波抵抗溶接或いはフラッシュ溶接等を用いる。この溶接により筒体512と底板513との当接面の略全面で溶接が行われるので、外容器509の密封性を向上させ且つ機械的強度を向上させる。
内容器508のフランジ511は、図14の(b)に示すように、外容器509の端面509bに当接し且つ隅肉溶接(溶接部515)により固定されている。更に、フランジ側にシール溝を設けて、当該シール溝に金属ガスケットを配置しても良い(図示省略)。また、フランジ511の内側には、蓋510のインロー部(510a)を挿入するため、段部511a設けられている。フランジ511は、有底容器を一体成形した後、開口側端部に溶接される。なお、熱間にて深絞り加工する際にダイスで拘持しておくことで一体成形することもできる。この場合は、内容器508の全体から溶接部を除去できるので、内容器508の密封性等の性能が更に向上する。
バスケット505を構成する角パイプ506と胴本体501のキャビティ504との間には、スペーサ516が介装されている。このスペーサ516は、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を角パイプ506から胴本体501に効率的に伝熱させ得る。角パイプ506同士の結束は、外部で予めバンド等で結束してキャビティ504内に挿入しても良いし、前記スペーサ516を用いてキャビティ504内部で角パイプ506を拘束するようにしても良い。また、内容器508の内側に予めスペーサ516をスポット溶接しても良い。
中性子遮蔽体502は、所定量の水素を含有したレジンから構成され、図18に示すように、胴本体501と外筒503との間に設けた複数の伝熱パイプ517の中に充填成形される。伝熱パイプ517は、熱伝導性の高い材料、例えば銅やアルミニウムにより製作される。また、伝熱パイプ517の内側表面には、離型材541が設けられている。この離型材541は、例えば、シリコン系のものや、ポリビニルアルコール(PVA)を原料としたものなどからなる。離型材541の他、中性子遮蔽体502を全体的に軸方向に滑らせることができること、200℃付近までの高温に耐えうることの条件を満たす材料を用いることができる。離型材406としては、例えば「MOULD RELEASE QZ13」(商品名:ナガセケムテックス株式会社)などを挙げることができる。
また、離型材541は、伝熱パイプ541の内面の一部のみに設けても良い。この離型材541を設けることで、中性子遮蔽体502の熱伸びは、当該中性子遮蔽体502自体が軸方向に滑ることで吸収できる。このため、中性子遮蔽体502の軸方向の熱伸びに起因した構造体の応力を緩和できる。また、この中性子遮蔽体502の熱伸び分だけ、外筒503の一方側(起立状態で上になる側)には、外筒503とその端板503aで区画した、図11に示すような逃げ空間542が設けられている。また、中性子遮蔽体502は、熱伸びしていない状態でも中性子を確実に遮蔽して、キャスク端部で中性子が一定量以上外部に出ないようにする。
ここで、リサイクル燃焼集合体の崩壊熱は、まず角パイプ506により構成したバスケット505を伝わり、スペーサ516を介して胴本体501に伝わる。胴本体501に伝わった熱は主に伝熱パイプ517を介して外筒503に伝わり、外部に放熱される。角パイプ506を用いてバスケット505を構成すると、相互に面接触していることから、熱伝達が効率的に行われる。また、スペーサ516により胴本体501に対して実質的に接触状態となり、胴本体501への熱伝達も十分に行われる。中性子減速材からなる板材を交互に組んでその格子内にステンレス製の角パイプを挿入してバスケットを製作する場合、接触界面が多く存在することになるので、アルミニウム製の角パイプ506を面接触状態で集合したバスケット505に比べて、熱伝達性が劣るものとなる。
図13は、胴本体に蓋を取り付けた状態を示す断面図である。蓋510は、図14の(c)に示すように、2枚の円形板材510a,510bを張り合わせた構造であり、インロー部を構成する板材510aの径が小さくなっている。この2枚の円形板材510a,510bは外部から溶接されている(溶接部519)。また、内容器508のフランジ511に当接する面510cには、金属ガスケットを介装するシール溝520が形成されている。蓋510は、インロー部をフランジ511の段部511aに入れ込み、その周縁においてフランジ511に対し複数のボルト521で固定されている。ボルト521は、フランジ511のみに螺合しており前記外容器509の端部には至っていない。
また、蓋510は、図15に示すように、円形板材510a,510bの一方に中性子遮蔽材522を充填封入した構造であっても良い。その場合、図示しない補助遮蔽体はフランジ511の周囲のみに装着すれば良い。また、図16に示すように、蓋を二重に構成しても良い。具体的には、内容器508のフランジ511に2段の当接面511b,511cを加工形成し、第一の当接面511bに一次蓋523のシール面523aが密着する。一次蓋523には、シール溝524内に金属ガスケット525を介装して、その周縁にて複数のボルト526で固定されている。
また、二次蓋527も同様に、シール溝528内に金属ガスケット529を介装し、その周縁にて複数のボルト530で固定されている。更に二次蓋527には、中性子遮蔽材531が封入されている。一次蓋523と二次蓋527との間は、若干の空間532が形成され且つ当該空間532にはヘリウムガスが空気圧より高い圧力を持って封入される。この空間532内の圧力は図示しない圧力センサにより監視されている。このように、蓋を二重構造にして空間にヘリウムガス等の検査ガスを導入することで、キャスク内部の放射性物質の漏洩を確実に防止できる。また、キャビティ504の内部は負圧ととなり、前記空間532が正圧となることから、キャビティ504の内部からのリークが防止され且つそのリークは空間内の圧力により検出できる。更に、内容器508のフランジ511に二重蓋を設けることで、内容器508による密封性を確実なものとする。
また、図17に示すように、二次蓋527(または一次蓋;図示省略)に突起533を設け、キャスク500の落下などで二次蓋527に荷重が加わるときに、二次蓋527および一次蓋523が互いに接触するようにすることで、二次蓋527および一次蓋523の両方で荷重を受けられる構造としても良い。また、突起533を設けることで蓋同士の間に空間532を確保することもできるので、内部に検査ガスを充填できる。また、図示しないが、突起533となる部材を別途製作し、前記二次蓋527または一次蓋523に取り付けるようにしても良い。例えば二次蓋527の当接面527aを基準とし、突起533の頂部533aはマイナス公差で加工することで、上記荷重が加わった場合に両蓋523,527が接触するようになる。具体的には、560体前後のリサイクル燃料集合体を収納するキャスクの場合、突起533の頂部533aと対向面523bとの隙間が0.5mm以下となるようにするのが好ましい。突起533は、径方向に放射状に設けてもよいし、渦巻状に設けても良い。また、散点的または規則的に複数の突起533を設けても良い。
また、ボロンアルミニウム材を押出し成形した角パイプ6を集合させた構造のバスケット505を用いれば、内容器508のキャビティ形状が筒状であってもセル数を増やすことができる。例えばBWR燃料のリサイクル燃料集合体の場合は、一辺が150mm程度と既知である。このため、中性子減速材により構成した板材を格子状に組み合わせて、その格子内にステンレス製の角パイプを挿入するものに比べて、バスケット505を構成する材料の板厚を小さくでき、同じ内径のキャビティ504であれば、それだけセル数を増やすことができる。また、同じ収納体数であれば外径を小さくできる。即ち、外形が小さくなれば胴本体501の径を小さくできるので、キャスク500を飛躍的に軽量化できるという利点がある。PWR用のリサイクル燃料集合体の場合でも同様である。また、衝撃荷重を受けた場合、角パイプ506同士を集合し互いに面で密着した状態であれば、板材を格子状に組んだバスケットに比べて応力集中の発生部分が少なくなり、破損の危険性を極小化できる。
また、炭素鋼製の外容器509の表面は、ステンレス鋼のオーバレイによる防錆処理を施すのが好ましい。更に、外容器509の筒体512に対して底板513をボルト固定する場合は、内部への水分侵入を防止するため、接合部分に銅等の軟質金属を介在させ且つ外部にシリコン等によるシールを施すのが好ましい(図示省略)。これにより、内容器508と外容器509との間に水分が侵入し電食を起こすのを防止できる。更に、このような処理は、外容器509を複数の分割体509aで構成する場合において、相互にボルト固定するときにも同様に行うのが好ましい。更に、外容器509の底板513を筒体512に溶接する場合、電子ビーム溶接によりある程度の溶接深度を確保し、ある程度の密封性を持たせるようにしても良い。フランジ511と外容器509端部との溶接も同様である。キャスク500の密封性を更に高めると共に溶接負荷を軽減できる。
図19は、上記キャスクの変形例を示す断面図である。同図(a)に示すように、上記伝熱パイプ543は、ストリーミング対策として断面が階段形状になっている。伝熱パイプ543の段部543aは、隣接する伝熱パイプ543の段部543bと嵌り合うようになる。また、伝熱パイプ543の内側面には、離型材544が当該伝熱パイプ543の形状に沿って設けられる。中性子遮蔽体545は、係る伝熱パイプ543の中に充填形成される。このようにすれば、中性子遮蔽体545の軸方向の熱伸びを吸収できると共に、中性子の遮蔽を確実に行うことができる。また、同図(b)に示すように、伝熱パイプ546を断面が略台形となるようにし、隣接する反対向きに設置した伝熱パイプ546と面接触するように配置する。また、伝熱パイプ546の内側面には、離型材547が設けられている。また、この離型材547を設けた伝熱パイプ546の中に中性子遮蔽体548を充填形成する。この場合も同様に、中性子遮蔽体545の軸方向の熱伸びを吸収できると共に、中性子の遮蔽を確実に行うことができる。
(実施の形態6)
図20は、この発明の実施の形態6に係るキャスクを示す斜視図である。このキャスク600では、内容器508と外容器509とから胴本体501を構成しており、外容器509の外周に複数の伝熱フィン550が接合しており、更にこの伝熱フィン550は外筒503の内面に接合されている。また、外容器509、外筒503および伝熱フィン550により区画される空間551には、別の場所で成形した中性子遮蔽体552が挿入される。また、空間551の内面には、離型材555が設けられている。この中性子遮蔽体552は、アルミニウム又は銅製のハニカム材の内部空間にレジンを充填した構成である。図21は、この中性子遮蔽体552の製造方法を示す説明図である。同図(a)に示すように、中性子遮蔽体552の形状を成形する筒状の割り型553内に、同形状のハニカム材554を入れる。
次に、同図(b)に示すように、割り型553内に2液混合用の所定の液状材料を充填し、内部のハニカム材554の内部空間に入り込ませる。なお、ハニカムの寸法は、レジンを構成する液体が内部に侵入できる程度のものとする。そして、所定の反応時間だけ待ち、同図(c)に示すように、割り型553を分割して内部で成形した中性子遮蔽体552を取り出す。このように成形した中性子遮蔽体552は、ハニカム材554の内部にレジンが充填された構造となる。
図22は、中性子遮蔽体552を空間551に挿入した状態を示す断面図である。このように、離型材555を設けた空間551内に中性子遮蔽体552を挿入することで、当該中性子遮蔽体552の軸方向の熱膨張は中性子遮蔽体552自体が滑ることで吸収される。また、ハニカム材554のハニカム内にレジンを充填した構造であるため、この中性子遮蔽体552自体の熱伝導性が極めて高いものとなり、キャスク内部の崩壊熱を効率的に外筒503に伝えることができるようになる。なお、上記例では離型材555を空間551内に設けた構成を示したが、中性子遮蔽体552を成形後に挿入するため、予め当該中性子遮蔽体552の周囲に離型材を塗布しておいても良い。また、離型材555を省略した構成を採用しても良い。即ち、ハニカム材554にレジンを充填する場合、中性子遮蔽体552の外周面にはハニカム材554の素材が露出しており、空間551の内面に対してある程度滑ることができるからであり、一方、ハニカム内にレジンを充填することでその膨張はまずハニカム材554により阻害され、レジンのみの場合に比べて膨張し難いためである。
なお、上記ではハニカム材554を用いて中性子遮蔽体552をモールド成形したが、ハニカム材のほかに、レジンが侵入できる小空間を多数有するレジン保持体、あるいは内部空間を有するスケルトン状の構造体であれば用いることができる。例えば、矩形の板状体を格子状に組み合わせたものであってもよいし、長尺の波状板を並べて組み合わせたものでも良い。
(実施の形態7)
図23は、この発明の実施の形態7に係るキャスクを示す径方向の一部断面図である。このキャスク700は、中性子遮蔽体を長尺カップ状の伝熱フィン701内にレジンを充填固化した後、外容器509と外筒503との間に差し込んだ構成である。図24は、中性子遮蔽体の成形方法を示す説明図である。この中性子遮蔽体702は、同図(a)に示すように、長尺カップ状の伝熱フィン701を水平に置き、この中に液状の所定の溶剤を入れて混合固化させる。伝熱フィン701は、アルミニウムまたは銅等の熱伝導性の良い材料で製作する。
ここで、レジンを充填量は、同図(b)に示すように、伝熱フィン701の頂部701aから若干下の当たりまでとする(ギャップG)。これは、伝熱フィン701を外容器509と外筒503との間に差し込んだ状態で、伝熱フィン701の頂部701aは外筒503の内面に接触させようにするが、その一方で中性子遮蔽体702の露呈面(伝熱フィン701と接触していない部分)が外筒703の内面に接触せず、熱膨張しろ704が形成されるようにするためである。このようにすれば、熱膨張しろ704を容易に作ることができる。伝熱フィン701は隣接する伝熱フィン701同士で接触して、外容器509と外筒503との空間で固定される。なお、同図(a)に示した長尺カップ状の伝熱フィン701は、その両側の壁は仮のものとしても良い。即ち、レジンを流動充填するときは壁として用い、レジンが固化した後は取り外すようにしても良い。
また、同図(c)に示すように、伝熱フィン701の内面に離型材703を塗布してからレジンを充填するようにしても良い。このようにすれば、前記効果に加えて、中性子遮蔽体702の軸方向の熱膨張を中性子遮蔽体702自体が滑ることで吸収できるという効果がある。
この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図および径方向一部断面図である。 中性子遮蔽体の軟化流動を示す説明図である。 図1のキャスクの変形例を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す一部軸方向断面図である。 この発明の実施の形態3に係るキャスクの中性子遮蔽体を示す斜視図および一部断面図である。 図5に示すキャスクの変形例を示す説明図である。 この発明の実施の形態4に係るキャスクを示す一部軸方向断面図である。 図7に示したキャスクの一部径方向断面図である。 図7のキャスクのレジンの流動を示す説明図である。 キャスクの別の変形例を示す軸方向断面図である。 この発明の実施の形態5に係るキャスクを示す軸方向断面図である。 図11に示したキャスクの径方向断面図である。 胴本体に蓋を取り付けた状態を示す断面図である。 キャスク各部の拡大図である。 図11に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 図11に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 図11に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 中性子遮蔽体を挿入する伝熱パイプ等を示す説明図である。 図11に示したキャスクの変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態6に係るキャスクを示す斜視図である。 この中性子遮蔽体の製造方法を示す説明図である。 中性子遮蔽体を空間に挿入した状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態7に係るキャスクを示す径方向の一部断面図である。 中性子遮蔽体の成形方法を示す説明図である。
符号の説明
100 キャスク
1 胴本体
2 中性子遮蔽体
3 外筒
4 キャビティ
5 バスケット
6 角パイプ
7 セル
8 内容器
9 外容器
10 蓋
11 フランジ
12 筒体
13 底板
17 伝熱パイプ
41 離型材
42 逃げ空間

Claims (1)

  1. 放射線を遮蔽する有底一体形状の胴本体と、
    前記胴本体の周囲に複数の伝熱フィンを介して設けられた外筒と、
    前記胴本体、前記伝熱フィンおよび前記外筒により区画される空間において、軸方向に複数配置されたプレキャストレジンと、前記プレキャストレジンの周囲に注入固化されたレジンとから構成された中性子遮蔽体と、
    前記胴本体のキャビティ内に設けられると共に、アルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料からなり、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットと、を備え
    前記各プレキャストレジンは、軸方向の一端部に突起が設けられていることを特徴とする放射性物質格納容器。
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