JP4241869B2 - 放射性物質格納容器 - Google Patents

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Description

この発明は、原子力発電に用いる燃料棒の集合体をリサイクルのために収納する放射性物質格納容器に関する。
リサイクル燃料集合体を原子力発電所から貯蔵施設まで輸送して、一定期間貯蔵しておくための所謂キャスクと呼ばれる放射性物質格納容器が知られている。通常キャスクは、PWR用またはBWR用のリサイクル燃料集合体を内部に設けたバスケットの各セル内に収納し、このバスケットの周囲にはγ線遮蔽の胴本体と、その周囲にレジン層からなる中性子遮蔽体を設けた構造である。胴本体には伝熱フィンが複数設けられ、且つこれが前記中性子遮蔽体内を貫通して外容器の内面に接続されている。
また、従来のキャスクの一例としては、バスケットが薄肉の内容器に収納され、この内容器を厚肉の外容器内に収容したものが知られている(例えば特許文献1参照)。この内容器及び外容器により実質的に前記γ線を遮蔽する胴本体を構成する。密封性は内容器により維持されるので、外容器はγ線遮蔽機能を有していれば良い。従って、前記外容器は、複数の構成材料をボルトにより固定して容器状に組み立てられ、また内容器は、ステンレス製の筒体に底板を溶接した構造であり、そのフランジ部にて外容器の端面に固定される。また、バスケットは、例えば、中性子減速材を含む板材を交互に組み合わせて菓子折り状にし、これにより形成した格子内にステンレス製の角パイプを挿入した構造のものである。
特開2000−131491号公報(第3頁〜5頁、図1)
しかしながら、上記従来のキャスクでは、次のような問題点があった。内筒のフランジに蓋が嵌合され、蓋と容器端部とが接触するシール面と合わせ面は、フランジの平坦な面に共に接触しているため、水分が内筒内に侵入する虞があり長期間の保管に適さない。
この発明は、本特許出願人の発明者らの鋭意研究によるものであり、上記構成のキャスクが我が国の法規制を満たし得る性能を有するように創作されたものである。また、上記問題点を解決するものである。
有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、外容器の外側に設けた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、アルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料からなる複数の角パイプを面合わせしてリサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えるとよい。
有底一体容器形状の内容器により密封性を確保し、厚肉の外容器によりγ線等の放射線を遮蔽する。この外容器は厚肉であるが、密封機能を有する溶接等は不要であり、全体で一体でなくてもよく(分割構造でボルト締結などでも良い)、放射線の遮蔽機能を有していれば良い。このため、密封性を要求される内容器は、薄肉で加工しやすいものになり、耐食性、防錆性を有する高価な材料を用いてもコスト高にならない。更に、この発明は、複数の角パイプを合せてバスケットを構成している点に特徴がある。角パイプを用いてバスケットを構成すれば、角パイプ同士の面が互いに接触し、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を効率的に伝達して胴本体に伝えることができる。また、輸送中における落下等で内部に衝撃が加わった場合、角パイプが面合せして集まっているので、荷重に耐えやすくなる。
また、型を用いて底一体成形した有底容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、外容器の外側に設けた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えるとよい。
内容器を型(例えば深絞り加工のダイス及びポンチなど)を用いて一体成形するので、密封性の高い有底容器が成形できる。これにより、内部から放射性物質が漏洩するのを確実に防止できる。なお、型を用いて成形するものには、底を溶接する場合は含まない。溶接を行うと溶接部の健全性に多大な労力を割くことになるためである。また、上記同様に厚肉の外容器は放射線遮蔽機能に重点を置いて密封性を要求されない加工組立を行い、内容器は密封に重点を置いて薄肉で加工しやすいものとし、高価な材料を用いてもコスト高にならないようにしている。
また、型を用いて底一体成形した有底容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉の外容器と、外容器の外側に設けた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、アルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料からなる複数の角パイプを面合わせしてリサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを構成するバスケットとを備えるとよい。
また、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より厚肉であると共に、筒体と底板から構成され、筒体に対して底板を当接しこの当接面略全面にて溶接する構造の外容器と、外容器の外側に設けた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えるとよい。
外容器を筒体と底板から構成し、外容器自体の気密性を高めるために底板と筒体との当接面を全面で溶接する。これにより、外容器自体にも機密性を与えることができ、放射性物質格納容器全体の機密性を向上できる。また、外容器の機械的強度を向上できる。なお、筒体と底板との当接面の全面で溶接する方法としては、例えば高周波抵抗溶接等の突合せ溶接を挙げることができる。
また、上記構成において、前記内容器の開口側にフランジを有し、このフランジに蓋を二重に取り付けるとよい。フランジに対して蓋を二重に設けることで、内容器と二重蓋によりキャビティ内部の気密を高め、且つ内部の放射性物質の漏洩を防止できるようになる。
また、上記構成において、前記内容器の開口側にフランジを有し、このフランジに板材を重ね合わせ、これら板材の間に中性子遮蔽体を封入した蓋を取り付けるとよい。
蓋は、板材を重ね合わせて接合した構成の場合があり、板材の内部に中性子遮蔽体を封入することで、軸方向端部の補助遮蔽体の取り付けが全部または一部で省略できる。
また、上記構成において、前記外容器は、径方向に分割した複数の分割体から構成され、これら分割体は前記内容器の外周に配置されるとよい。外容器は放射線の遮蔽に重点が置かれるので、分割体を内容器の外周に配置するような構成でも構わないし、反対に分割して内容器外周に配置するほうが組み立て易いものになる。また、外容器を分割したほうが製作しやすい。
また、上記構成において、前記外容器を構成する複数の分割体のうち、軸方向中央付近に位置する分割体が厚くなることがよい。
放射線量は中央付近が比較的多くなるので、その軸方向中央付近の分割体を厚くした。この場合、外容器を分割構造にしているので、一体ものの外容器の厚さを中央付近のみで変える場合に比べて、各分割体の厚さを調整すれば済むので製作しやすいものになる。即ち、放射線量の多い部分に相対的に厚い分割体を配置して胴本体の厚さを全体に渡って適正とする。
また、上記構成において、更に、前記中性子遮蔽体の軸方向中央付近に位置する部分を厚くするとよい。同様に、中性子についても軸方向中央付近に位置する部分が多くなるので、当該部分の中性子遮蔽体が厚くなるようにした。
また、有底一体容器形状の内容器と、内容器と共に放射線を遮蔽する胴本体を構成し且つ内容器の外側に設けた当該内容器より薄肉の外容器と、外容器の外側に設けた中性子遮蔽体と、前記内容器のキャビティ内に設けられると共に、リサイクル燃料集合体を収納する複数のセルを有するバスケットとを備えるとよい。外容器を薄肉にして密封機能に重点を置くようにし、内容器は放射線の遮蔽に重点を置くようにしたものである。
また、上記構成において、前記内容器のキャビティは、角断面形状を含む前記バスケットの外形に合せた形状であるとよい。
内容器を厚肉としたので、当該形状をバスケットの外形に合せて加工できる。内容器のキャビティ形状をバスケットの形状に合せる場合、胴本体の厚さがバスケットの形状に沿って比較的均一になり、放射性物質格納容器の重量を軽減し、かつ寸法を小さくできる。また、内容器をバスケットの外形に合せることで、当該バスケットと内容器との接触面積が飛躍的に拡大し、熱伝達性を向上できる。
また、上記構成において、前記内容器は、複数の分割体から構成され、バスケットを挿入することで前記外容器内にて拘束されるとよい。内容器を分割状態で外容器に入れてバスケットを詰め込むことで、内容器を外容器内で固定する。これにより、内容器の固定を簡単に行うことができる。
また、上記構成において、前記分割体は、前記外容器内で相互に自己拘束されるとよい。また、上記構成において、前記内容器と外容器との間であって、容器の底に相当する部分に中性子遮蔽材を封入するとよい。
また、上記構成において、前記内容器は開口側にフランジを有し、そのフランジ側面と当該内容器を内部に嵌め入れた外容器の端部側面との接合面を略平面的に溶接するとよい。
上述の目的を達成するために、この発明による放射性物質格納容器は、放射性物質を収納する容器と、容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋とを備え、前記一次蓋よりも容器の外側に配置される前記二重蓋と容器端部とが接触する階段状の面に、シール面と合せ面とをそれぞれ設けたことを特徴とする。また、つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記シール面より高い位置に前記合せ面を有することを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、前記シール面より低い位置に前記合せ面を有することを特徴とする。
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記構成において、更に、前記シール面と容器の外側とを連通する水抜き穴が設けられていることを特徴とする。
また、放射性物質を収納する容器と、容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋とを備え、前記二重蓋は、一次蓋の周縁がテーパ面であり、且つその周囲にリング部材を配置し、このリング部材は、容器端部に対して固定されると共にその内側に設けたテーパ面が前記一次蓋のテーパ面に接触するとよい。
以上からこの発明の放射性物質格納容器によれば、シール面よりも低い位置に合せ面を有すると、長期間保管する場合、結露水がシール面に浸入し難い。また、シール面より高い位置に合せ面を有すると、シール材を充填してシール効果を向上できる。この結果、シール効果と相まって内部への水分の侵入を効果的に防止できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要件には、所謂当業者が置換可能かつ容易なもの或いは実質的同一のものが含まれる。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図2は、図1に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク100は、γ線を遮蔽する胴本体1と、胴本体1の周囲に配置した中性子遮蔽体2と、中性子遮蔽体2を収納する外筒3と、胴本体1のキャビティ4内に配置したバスケット5とから構成される。バスケット5は、複数の角パイプ6をキャビティ4内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル7を構成する。角パイプ6は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ6は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
胴本体1は、主に密封機能を持つ内容器8と、主にγ線遮蔽機能を持つ外容器9とから構成される。内容器8は、外容器9に対して薄肉となっており且つ有底一体容器として成形されている。開口側端面には、蓋10を取り付けるためのフランジ11が形成されている。また、内容器8は、ステンレス鋼等の耐食性に優れた材料により構成される。内容器8は、密封性を有する必要があるところ、薄肉であるため有底容器として一体成形が可能なため継ぎ目が存在せず、且つ構造材料の健全性が保たれる限りで十分な密封性を有し、放射性物質が漏洩する等の問題が生じさせることがない。更に、底部分を筒部分に溶接しないことで、HAZの溶接硬化部の発生やステンレス鋼に多く見られる溶接割れ等の放射性物質の漏洩につながる問題を起こさない。なお、溶接により有底筒形状を形成する場合、溶接施工後の各種試験等の実施により溶接の健全性を十分に確認すればキャスクに適用できる。
外容器9は、安価な炭素鋼製であり且つ内容器8に比べて厚肉の有底容器形状であり、内容器8は外容器9の内側にシュリンクフィットされる。また、外容器9はガンマ線遮蔽機能を有すればよく、内容器8のような密封機能は要求されない。このため、外容器9は全てを一体成形する必要はなく、且つ構成部材同士を完全に溶接接合する必要もない。例えば図4の(a)に示すように、筒体12に対して底板13を隅肉溶接(溶接部14)により固定するようにできる。また、図示しないが、筒体12に対して底板13をボルト固定しても良い。更に図2において点線で示すように、外容器9は軸方向に分割されており、各分割体9a同士をボルトや溶接により固定するようにすることもできる。この場合、内容器8の外側から外容器9の分割体9aを貼り付けるようにして固定できるので、内容器8の外容器9に対するシュリンクフィット作業の必要はない。このように、胴本体1を内容器8と外容器9から構成し、且つ内容器8にステンレス鋼等の耐食性を有し且つ密封機能を与え、その一方で外容器9には密封機能を与えず遮蔽機能を与え且つ安価な炭素鋼を用いることで、キャスク100を簡単かつ安価に製造できる。また、外容器9の強度と密閉性を高めるために、底板13を筒体12に突合せ溶接するとなお良い。突合せ溶接には、高周波誘導溶接、高周波抵抗溶接或いはフラッシュ溶接等を用いる。この溶接により筒体12と底板13との当接面の略全面で溶接が行われるので、外容器9の密封性を向上させ且つ機械的強度を向上させる。
内容器8のフランジ11は、図4の(b)に示すように、外容器9の端面9bに当接し且つ隅肉溶接(溶接部15)により固定されている。更に、フランジ側にシール溝を設けて、当該シール溝に金属ガスケットを配置しても良い(図示省略)。また、フランジ11の内側には、蓋10のインロー部(10a)を挿入するため、段部11aが設けられている。フランジ11は、有底容器を一体成形した後、開口側端部に溶接される。なお、熱間にて深絞り加工する際にダイスで拘持しておくことで一体成形することもできる。この場合は、内容器8の全体から溶接部を除去できるので、内容器8の密封性等の性能が更に向上する。
バスケット5を構成する角パイプ6と胴本体1のキャビティ4との間には、スペーサ16が介装されている。このスペーサ16は、リサイクル燃料集合体の崩壊熱を角パイプ6から胴本体1に効率的に伝熱させ得る。角パイプ6同士の結束は、外部で予めバンド等で結束してキャビティ4内に挿入しても良いし、前記スペーサ16を用いてキャビティ4内部で角パイプ6を拘束するようにしても良い。また、内容器8の内側に予めスペーサ16をスポット溶接しても良い。
中性子遮蔽体2は、所定量の水素を含有したレジンから構成され、胴本体1と外筒3との間に設けた複数の伝熱フィン17により区画された空間に充填成形される。伝熱フィン17は、熱伝導性の高い材料、例えば銅やアルミニウムにより製作される。また、中性子遮蔽体2と外筒3との間には、熱膨張の吸収する熱膨張しろ18が設けられている。熱膨張しろ18は、例えば、予め離型または消失型を入れておきレジンを充填することで形成できる。また、この熱膨張しろ18に、熱膨張の吸収に加えて伝熱性を高めるためハニカム材を介装しても良い。ここで、リサイクル燃焼集合体の崩壊熱は、まず角パイプ6により構成したバスケット5を伝わり、スペーサ16を介して胴本体1に伝わる。胴本体1に伝わった熱は主に伝熱フィン17を介して外筒3に伝わり、外部に放熱される。角パイプ6を用いてバスケット5を構成すると、相互に面接触していることから、熱伝達が効率的に行われる。また、スペーサ16により胴本体1に対して実質的に接触状態となり、胴本体1への熱伝達も十分に行われる。中性子減速材からなる板材を交互に組んでその格子内にステンレス製の角パイプを挿入してバスケットを製作する場合、接触界面が多く存在することになるので、アルミニウム製の角パイプ6を面接触状態で集合したバスケット5に比べて、熱伝達性が劣るものとなる。
図3は、胴本体に蓋を取り付けた状態を示す断面図である。蓋10は、図4の(c)に示すように、2枚の円形板材10a,10bを張り合わせた構造であり、インロー部を構成する板材10aの径が小さくなっている。この2枚の円形板材10a,10bは外部から溶接されている(溶接部19)。また、内容器8のフランジ11に当接する面10cには、金属ガスケットを介装するシール溝20が形成されている。蓋10は、インロー部をフランジ11の段部11aに入れ込み、その周縁においてフランジ11に対し複数のボルト21で固定されている。ボルト21は、フランジ11のみに螺合しており前記外容器9の端部には至っていない。
また、蓋10は、図5に示すように、円形板材10a,10bの一方に中性子遮蔽材22を充填封入した構造であっても良い。その場合、図示しない補助遮蔽体はフランジ11の周囲のみに装着すれば良い。また、図6に示すように、蓋を二重に構成しても良い。具体的には、内容器8のフランジ11に2段の当接面11b,11cを加工形成し、第一の当接面11bに一次蓋23のシール面23aが密着する。一次蓋23には、シール溝24内に金属ガスケット25を介装して、その周縁にて複数のボルト26で固定されている。また、二次蓋27も同様に、シール溝28内に金属ガスケット29を介装し、その周縁にて複数のボルト30で固定されている。更に二次蓋27には、中性子遮蔽材31が封入されている。一次蓋23と二次蓋27との間は、若干の空間32が形成され且つ当該空間32にはヘリウムガスが空気圧より高い圧力を持って封入される。この空間32内の圧力は図示しない圧力センサにより監視されている。このように、蓋を二重構造にして空間にヘリウムガス等の検査ガスを導入することで、キャスク内部の放射性物質の漏洩を確実に防止できる。また、キャビティ4の内部は負圧ととなり、前記空間32が正圧となることから、キャビティ4の内部からのリークが防止され且つそのリークは空間内の圧力により検出できる。更に、内容器8のフランジ11に二重蓋を設けることで、内容器8による密封性を確実なものとする。
また、図7に示すように、二次蓋27(または一次蓋;図示省略)に突起33を設け、キャスク100の落下などで二次蓋27に荷重が加わるときに、二次蓋27および一次蓋23が互いに接触するようにすることで、二次蓋27および一次蓋23の両方で荷重を受けられる構造としても良い。また、突起33を設けることで蓋同士の間に空間32を確保することもできるので、内部に検査ガスを充填できる。また、図示しないが、突起33となる部材を別途製作し、前記二次蓋27または一次蓋23に取り付けるようにしても良い。例えば二次蓋27の当接面27aを基準とし、突起33の頂部33aはマイナス公差で加工することで、上記荷重が加わった場合に両蓋23,27が接触するようになる。具体的には、60体前後のリサイクル燃料集合体を収納するキャスクの場合、突起33の頂部33aと対向面23bとの隙間が0.5mm以下となるようにするのが好ましい。突起33は、径方向に放射状に設けてもよいし、渦巻状に設けても良い。また、散点的または規則的に複数の突起33を設けても良い。
また、ボロンアルミニウム材を押出し成形した角パイプ6を集合させた構造のバスケット5を用いれば、内容器8のキャビティ形状が筒状であってもセル数を増やすことができる。例えばBWR燃料のリサイクル燃料集合体の場合は、一辺が150mm程度と既知である。このため、中性子減速材により構成した板材を格子状に組み合わせて、その格子内にステンレス製の角パイプを挿入するものに比べて、バスケット5を構成する材料の板厚を小さくでき、同じ内径のキャビティ4であれば、それだけセル数を増やすことができる。また、同じ収納体数であれば外径を小さくできる。即ち、外形が小さくなれば胴本体1の径を小さくできるので、キャスク100を飛躍的に軽量化できるという利点がある。PWR用のリサイクル燃料集合体の場合でも同様である。また、衝撃荷重を受けた場合、角パイプ6同士を集合し互いに面で密着した状態であれば、板材を格子状に組んだバスケットに比べて応力集中の発生部分が少なくなり、破損の危険性を極小化できる。
また、炭素鋼製の外容器9の表面は、ステンレス鋼のオーバレイによる防錆処理を施すのが好ましい。更に、外容器9の筒体12に対して底板13をボルト固定する場合は、内部への水分侵入を防止するため、接合部分に銅等の軟質金属を介在させ且つ外部にシリコン等によるシールを施すのが好ましい(図示省略)。これにより、内容器8と外容器9との間に水分が侵入し電食を起こすのを防止できる。更に、このような処理は、外容器9を複数の分割体9aで構成する場合において、相互にボルト固定するときにも同様に行うのが好ましい。更に、外容器9の底板13を筒体12に溶接する場合、電子ビーム溶接によりある程度の溶接深度を確保し、ある程度の密封性を持たせるようにしても良い。フランジ11と外容器9端部との溶接も同様である。キャスク100の密封性を更に高めると共に溶接負荷を軽減できる。
図8は、上記キャスクの変形例を示す径方向断面図である。このキャスク110では、同図(a)に示すように、角パイプ6により構成したバスケット5が平面部分5aと角断面部分5bを有しており、この平面部分5aの平面部分40aと内容器40が面接触するように形状を変形した構成である。内容器40の角断面形状5bに対応する部分40bは、円弧形状となる。この内容器40は、深絞り加工の際に当該形状に成形できるような形状のダイスを用いることで容易に成形できる。また、外容器41は、平面部分41aと円弧部分41bとを分割して製作して前記内容器40の外周で組み立て、分割体41a,41bを相互にボルト又は溶接で固定すれば良い。
同図に示す構成によれば、キャスク110をよりコンパクトに構成できる。また、胴本体1の容積が小さくなるのでキャスク110の軽量化に寄与できる。更に、同図(b)に示すように、内容器43を断面8角形状にしても良い。その場合、4面43aで角パイプ6のバスケット5の平面部分5aと面接触し、他の4面43bはバスケット5の角断面部分5bの頂点を結ぶ線に沿って位置し、角パイプ6との間に若干の隙間6Sを形成する。この隙間6Sには、上記同様にスペーサを介装するのが好ましい(図示省略)。更に、外容器44は、内容器43の形状に沿った断面8角形状となり、板状の分割体44aを各面に取り付けるようなものとなる。分割体44a相互は溶接またはボルトにより固定される。係る構成でも、キャスク120のコンパクト化および軽量化を実現できる。
(実施の形態2)
図9は、この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図10は、図9に示したキャスクの組立手順を示す説明図である。このキャスク200は、ステンレス製の内容器201が深絞り加工による一体成形により有底容器形状として製作され、その内容器201の外部に分割された外容器202が差し込まれた構造である。外容器202は、図9に示す例では5分割されており、分割体202のキャスク両側および中央が若干厚肉となっている。これは、当該部位におけるγ線の線量が大きく、その他の部分に比べて十分な遮蔽性能が必要となるからである。外容器202は炭素鋼製であり安価に製造できる。
また、外容器202の分割体202aは、内容器201に対してシュリンクフィットして固定されているが、分割体202a同士を外部から溶接により固定しても良い。また、図10に示すように、外容器202の各分割体202aの周面には、複数の伝熱フィン203が設けられている。当該伝熱フィン203は、実際には外容器202の各分割体202aを焼嵌めした後に当該分割体202aの外周に溶接される。また、この伝熱フィン203は、キャスク200を組み立てた状態で外筒204に接合される。次に、中性子遮蔽体205は、図9の左半分に示す例では、外容器202の分割体202a毎に中性子遮蔽体205と外筒204を形成し、これらと共に内容器201に嵌めた構造である。この場合、中性子遮蔽体205もキャスク200の両側および中央で中性子の遮蔽能が必要になるから、両側および中央の分割体202に設ける中性子遮蔽体205の厚さが大きくなる。また、図9の右半分に示す例では、外筒204を外容器202の分割体202aに共通にして設け、外容器202と外筒204および伝熱フィン203とにより区画する空間にレジンを充填して中性子遮蔽体206を形成する。この構成では、キャスク200の構成を簡単にできる。
線量の分布に応じて外容器202の外面を自由曲面にすることもできる。例えば中央付近を厚くして全体的に樽形状となるようにしても良い。このとき、外容器202は分割体202aを組み合わせた構成としても、非分割の構成としても良い。
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態3に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図12は、図11に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク300は、胴本体301を構成する外容器302を薄肉とし、内容器303を厚肉にした点に特徴がある。外容器302はステンレス鋼等の防錆材料で構成された有底容器形状であり、熱間深絞り加工にて一体成形されている。また、外容器302の開口側にはフランジ304が溶接されている。このフランジ304には、蓋305を取り付ける段部304aが形成されている。この外容器302は、内部の放射性物質が漏洩しないような密封性を有するものである。更に、ステンレス鋼等の防錆性の高い材料を用いることで、外面の防錆処理が不要となる。
外容器302の内側には、放射状に分割された炭素鋼製の内容器303が嵌め込まれる。内容器303は、γ線の遮蔽に用いられ、例えば8つの分割体303aから構成されており、フランジ304との干渉を避けつつ内部に挿入される。また、内容器303のキャビティ306は、バスケット307の外形に合うように角断面形状と平面形状を組み合わせた形状に加工されている。バスケット307は、複数の角パイプ308を集合させた構成となっており、各角パイプ308は、上記実施の形態1に記載のものと同様のものを用いる。このため、バスケット307の平面部分307aには内容器303の平面部分303aが面接触する。同様に、バスケット307の角断面部分307bには内容器303の角断面部分303bが面接触する。これにより、リサイクル燃料集合体の崩壊熱は、バスケット307を介して面接触している内容器303に効率的に伝熱する。
一方、外容器302には複数の伝熱フィン308が接合されており、この伝熱フィン312は円筒形状に成形された外筒309に接合されている。この伝熱フィン312と胴本体301および外筒309とで区画する空間には、中性子遮蔽体310が充填固化される。また、内容器303の底には、底板311が溶接固定される。なお、底板311は、内容器303の底に配置しても良い。上記のように、内容器303を内部に入れることで、外側に露出する接合部分が殆ど無くなるので、分割体同士の接触部分にシールを施す必要がない。また、バスケット307を挿入することで、内容器303が外容器302内で拘束状態となり、分割体303a相互の接合は特に必要ない。
上記構成によれば、外容器302内に内容器303の分割体303aおよび角パイプ308を挿入して内部で組み立てるようにしているので、熱膨張を利用して嵌め入れる等の工程が不要であり、キャスク300を簡単に組み立てられるようになる。また、外側に接合部分が殆ど存在しなくなるので、外部からの水が接合面に浸入することがなく、電食等の防止が可能となる。また、内容器303を厚肉としたので、胴本体301の内容器302のキャビティ形状をバスケット307の外形に合せるように加工できる。このため、伝熱性を高め且つ衝撃をバスケット307から直接胴本体に伝えることができる。更に、胴本体301の容積を小さくできるので、キャスク300を軽量化できる。
また、同図に示すようなフランジ304を内側に張り出すのではなく、外側に張り出すようにすれば、内容器303を分割しなくても外容器302内に挿入できる。或いは、内容器303の分割形態の自由度が高まる。即ち、内容器303の挿入に障害が無くなるので、製作しやすい形状で内容器303の分割体303aを製造できる。
図13は、上記実施の形態3のキャスクの変形例を示す径方向断面図である。このキャスク310ように、内容器303の一部をバスケット307の外形に合せるようにしても良い。内容器303の一部をバスケット307の外形に合わせ、バスケット307の一部が内容器303の溝313に接触するようにしても、伝熱性を向上でき、荷重を胴本体301に伝え易くできる。また、バスケット307とキャビティ306の間の隙間306Sには、スペーサを挿入しても良い(図示省略)。
また、図示しないが、上記実施の形態1に係るキャスクの内容器の一部に複数の軸方向の溝を設け、この溝にバスケットの角部分が噛み込むようにしても良い。即ち、薄肉の内容器の一部をバスケットの外形に合せることで、伝熱性や荷重伝達性を向上させることができる。次に、実施の形態1〜3では、角パイプを隙間なく集合させてバスケットを構成したが、角パイプを千鳥状に配列してバスケットを構成しても良い。その場合、角パイプの内部および角パイプ同士の間でセルを形成することになる。この構成では、厚肉になるが角パイプの本数を少なくできる。
図14は、上記キャスクの別の変形例を示す一部断面図である。このキャスクは、図1に示したキャスク100と略同様の構成であるが、内容器8の底板8aと筒体8bとから構成され、筒体8bの端部と底板8aとの間に断面がU字形状の金属製のシール8cを溶接し、当該内容器8の機密性を高めるようにしても良い。このシール8cは、内部の機密性を保持すると共に、ある程度の弾性変形により内容器8のフランジ11が外容器9の端面に接触させやすくできる。また、絞り加工により内容器8を成形することなく、通常の板金作業で済むので製造が容易である。
(実施の形態4)
図15は、この発明の実施の形態4に係るキャスクを示す軸方向断面図である。このキャスクは、図9に示したキャスク200の外容器の底板と内容器の底板との間に中性子遮蔽材を封入した構成である。その他の構成は、図9に示したキャスクと同じであるからその説明を省略する。このキャスク200’は、外容器202の底板202bに中性子遮蔽材208を封入する凹部202cを形成すると共に、その凹部202c内に中性子遮蔽材208を充填し、内容器201を外容器202内に嵌め入れることで、中性子遮蔽材208を封止するようにしている。なお、中性子遮蔽材208は、凹部202cに入れた状態で固化させるのが好ましい。また、図示しないが、図1に示したキャスク100において、底部に相当する外容器13と内容器9との境界部分に中性子遮蔽材を封入するようにしても良い。
(実施の形態5)
図16は、この発明の実施の形態5に係るキャスクを示す径方向断面図である。このキャスク300’は、図12に示したキャスク300の内容器303を分割構造にしたものであり、且つその各分割体303a,303c同士が互いに嵌り合って拘束されるようになっている点に特徴がある。その他の構成は、図12に示したキャスク300と同様であるのでその説明を省略する。
この内容器303は8つの分割体303a,303cに分割されており、4つの分割体303aは、バスケット307の平面部分に接触するように位置し、残りの4つの分割体303cは、バスケット307の角断面部分に接触するように且つ前記分割体の間にそれぞれ位置する。隣接する分割体303a,303c同士は、段部303d,303eを有しており、具体的には最初に4つの分割体303aを外容器302内に挿入配置し、残りの分割体303cを既に配置した分割体303aと分割体303aとの間に差し込むようにし、そのとき、それぞれ隣接する分割体303a,303cの段部303d,303eが互いに嵌合させる。これにより、分割体303a,303c同士によりそれぞれ拘束し合い、内容器303が外容器内にて固定される。各分割体303a,303cが互いに嵌合している部分の形状は図17に示したような階段形状に限定されない。例えば分割体303a,303c同士の嵌合をあり溝により行うようにしても良いし、鉤形状により行うようにしても良い(何れも図示省略)。即ち、この分割体303a,303c同士が自己拘束されるような形状であれば良い。
(実施の形態6)
図17は、この発明の実施の形態6に係るキャスクを示す径方向断面図である。この図17に示すキャスク300”は、図16に示したキャスク300’(内容器303が分割構造のもの)のバスケット307を千鳥配置(或いは市松形状配置)したものである。バスケット307は角パイプ308を千鳥配置することで、複数のセルを構成し、具体的には一つのセルは角パイプ308の内部により構成され、他のセルは角パイプ308の外面同士により区画された空間により構成されることになる。角パイプ308同士は、それぞれ角部分で隣接する角パイプ308と組み合わされるが、その拘束形状は、同図に示したような単なる傾斜面であっても良いし、階段状にしても良い(図示省略)。このようにすれば、角パイプ308の本数を少なくできる。なお、角パイプ308の厚さについては、所望の中性子吸収性能に基づいて、図16に示した角パイプよりも大きくする必要がある。
(実施の形態7)
図18は、この発明の実施の形態7に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、上記図6に示すキャスクの蓋構造に関するものである。その他の構成は、上記キャスクと同様であるからその説明を省略する。まず、このキャスクの蓋構造は、図18に示すように、二次蓋27のシール面11eが二次蓋27と内容器8のフランジ11との合せ面11dより高い位置になるように構成した。なお、合せ面11dは、二次蓋27とフランジ11とが接触する階段状の面のうち、金属ガスケット29を介装したシール面11eを除いた面を指す(以下同じ)。具体的には、二次蓋27の裏面を機械加工して外周部が下方に突出するようにし、この突出部27aがフランジ11の外周縁に設けた凹部11kと接触して合せ面11dとなる。シール溝28は、二次蓋27の周縁に設けた突出部27aの内側に形成され、二次蓋27をフランジ11に取り付けた状態で、合せ面11dがシール面11eより下方となる。
このようにすれば、キャスクを立てて長期間保管する場合、結露水がシール面11eに浸入し難いので、シール効果と相まって内部への水分の侵入を効果的に防止できる。また、合せ面11dを形成する突出部27aと、フランジ11の凹部11kの機械加工を精度良く行うことで、二次蓋27とフランジ11とが嵌り合い、二次蓋27のずれ防止にも寄与できる。
図19は、この発明の別の実施の形態に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、上記図6に示すキャスクの蓋構造に関するものである。その他の構成は、上記キャスクと同様であるからその説明を省略する。まず、このキャスクの蓋構造は、図19に示すように、二次蓋27のシール面11eより二次蓋27と内容器8のフランジ11との合せ面11fが高い位置になるように構成した。具体的には、二次蓋27の裏面を機械加工して外周縁に凹部27bを形成し、この凹部27bがフランジ11の外周縁に設けた突出部11mと接触して合せ面11fとなる。シール溝28は、二次蓋27の周縁に設けた凹部27bの内側に形成され、二次蓋27をフランジ11に取り付けた状態で、合せ面11eがシール面11fより上方となる。
このようにすれば、金属ガスケット29によるシール性の低下によりシール性能を補強する必要が生じた場合、シール面11eより上方に在る合せ面11fからシール材を充填して、シール性能を向上させることができる。即ち、この合せ面11fから流動状態のシール材を注入することで、上方の合せ面11fからシール材が侵入し、垂直部分を経て金属ガスケット29を介装させたシール面11eに至る。この状態でシール材が固化すると新しいシール面が形成される。特に、一時的かつ緊急にシール性能を向上する必要がある場合に有効である。なお、シール面11eに進入した結露水等は、図20に示すように、水抜き穴70を設けることで外部に排出するのが好ましい。具体的には、この水抜き穴70は、フランジ11の側面からシール面11eに連通する排水路71を機械加工し、その外部に露出した開口は通常プラグ72により栓を施す。排水路71は、金属ガスケット29によるシール部分およびその外側のシール部分に形成するのが好ましい。上記シール材を充填する場合は、まず内部の水分を当該水抜き穴70から外部に放出しておく。なお、上記図18に示した構造と、図19に示した構造は、別の観点の発明であるため、その目的に応じていずれかを選択すれば良い。
図21は、この発明の別の実施の形態に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、一次蓋23の上面23aが二次蓋27とフランジ11とのシール面11e(このシール面11eは、合せ面11dより高い)よりも上方に在ることを特徴とする。その他の構成は、図6に示したキャスクと同じであるからその説明を省略する。このキャスクは、一次蓋23の上面23aがシール面11dより高く設定されているため、一次蓋23をプール内で仮置きして当該キャスクをプール内から取り出すとき、一次蓋23の上面23aにプールの水が残らない。即ち、一次蓋23を取り付けた状態では、この一次蓋23の上面23aがキャスクの最も高い位置となるので、プールの水は周囲にこぼれて一次蓋23の上面23aには残らない。このため、プールから取り出したときの除染を容易に行うことができる。なお、合せ面11dがシール面11eより低いのは、仮に合せ面11dがシール面11eより高い場合は、その合せ面11dを堤として内部にプール水が溜まってしまうからである。
(実施の形態8)
図22は、この発明の実施の形態8に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、一次蓋23の横ずれを防止するために、リング部材81を一次蓋23の周囲にかませた構成である。リング部材81の内側にはテーパ面81aが形成され、これに対応するように一次蓋23の側面にもテーパ面23bが形成されている。このリング部材81をボルト26によりフランジ11に固定することで、リング部材81のテーパ面81aが一次蓋23のテーパ面23bと接触して一次蓋23の調心作用と共に一次蓋23の径方向のギャップを吸収する。ここで、締め付けた場合に一次蓋23とリング部材81との各テーパ面81a,23bが加圧接触状態で維持されるように、ボルト穴の位置を設定しておく。また、テーパ面81a,23bの角度は、一次蓋23を固定できる程度必要である。リング部材81により一次蓋23を固定するようにすれば、このリング部材81の剛性が比較的低いため、ボルト26の締め付けによりわずかに撓みつつ、一次蓋23のテーパ面81a,23bに接触する。これにより、一次蓋23の横ずれが防止される。
なお、このリング部材81の調整機能を生かすため、リング部材81の下面81bとシール面11bとの間に所定の隙間が生じるようにする。また、リング部材81の上面81cと二次蓋27の下面27bとの間にも所定の隙間が生じるようにするのが好ましい。また、同図に示したキャスクは、上記実施の形態7で示したものと同様に、二次蓋27とフランジ11との合せ面11dがシール面11eより下方に位置するので、結露水等のシール面11eへの浸入が防止されると共に、二次蓋27がフランジ11に噛み合って二次蓋27の横ずれが防止される。即ち、上記リング部材81により一次蓋23の横ずれが防止され、且つ前記噛み合いにより二次蓋27の横ずれが防止されるので、全体としてキャスクの蓋構造のずれが防止される。
(実施の形態9)
図23は、この発明の実施の形態9に係るキャスクの一部断面図である。このキャスクは、図1に示したキャスクの内容器8のフランジ11と、外容器9の端部との間を溶接接合したものである(溶接部91)。内容器8と外容器9とは冷やし嵌め、焼嵌め或いはこれらの併用により略隙間なく固定されているが、ボルト固定を強固にするため、フランジ11と外容器9の端部との間に溶け込みが深い溶接を施すようにする。例えば係る溶接には、入熱を最小にして短時間で接合できる、電子ビーム溶接が好適である。なお、フランジ11と外容器9端部との間に所定の開先を形成して、TIG溶接などにより溶接しても良い。
また、図24に示すように、外容器9の端部とフランジ11との接合面を階段形状93にして、外側の接合面のみを溶接するようにしても良い(溶接部92)。このようにすれば、溶接深さが小さくて済む。要するにこの実施の形態では、溶接部分を平面的に行うことで、入熱を最小にして短時間で接合できる点に特徴がある。
この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。 図1に示したキャスクの径方向断面図である。 胴本体に蓋を取り付けた状態を示す断面図である。 キャスク各部の拡大図である。 図1に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 図1に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 図1に示したキャスクの変形例を示す説明図である。 図1に示したキャスクの変形例を示す径方向断面図である。 この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す軸方向断面図である。 図9に示したキャスクの組立手順を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係るキャスクを示す軸方向断面図である。 図11に示したキャスクの径方向断面図である。 上記実施の形態3のキャスクの変形例を示す径方向断面図である。 上記実施の形態1のキャスクの変形例を示す一部断面図である。 この発明の実施の形態5に係るキャスクを示す径方向断面図である。 この発明の実施の形態5に係るキャスクを示す径方向断面図である。 この発明の実施の形態6に係るキャスクを示す径方向断面図である。 この発明の実施の形態7に係るキャスクを示す一部断面図である。 この発明の別の実施の形態に係るキャスクを示す一部断面図である。 図19に示したキャスクの変形例を示す一部断面図である。 この発明の別の実施の形態に係るキャスクを示す一部断面図である。 この発明の実施の形態8に係るキャスクを示す一部断面図である。 この発明の実施の形態9に係るキャスクの一部断面図である。 この発明の実施の形態9に係るキャスクの一部断面図である。
符号の説明
100 キャスク
1 胴本体
2 中性子遮蔽体
3 外筒
4 キャビティ
5 バスケット
6 角パイプ
7 セル
8 内容器
9 外容器
10 蓋
11 フランジ
12 筒体
13 底板
17 伝熱フィン

Claims (3)

  1. 放射性物質を収容する容器と、
    前記容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋と、
    を備え、前記一次蓋よりも容器の外側に配置される前記二次蓋と容器端部とが接触する階段状の面に、シール面と合せ面とをそれぞれ設け、更に、前記シール面と容器の外側とを連通する水抜き穴が設けられていることを特徴とする放射性物質格納容器。
  2. 前記シール面より外側であって前記シール面より高い位置に前記合せ面を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性物質格納容器。
  3. 放射性物質を収容する容器と、
    前記容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋と、
    を備え、前記一次蓋よりも容器の外側に配置される前記二次蓋と容器端部とが接触する階段状の面に、シール面と合せ面とをそれぞれ設け、前記シール面より外側であって前記シール面より低い位置に前記合せ面を有し、更に、前記シール面と容器の外側とを連通する水抜き穴が設けられていることを特徴とする放射性物質格納容器。
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