JP2008107361A - 放射性物質格納容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】深絞り加工により一体成形した内容器8の外側に外容器9を設ける。外容器9は、炭素鋼製でありガンマ線遮蔽機能を有するが密封性は要求されない。内容器8は、一体成形により有底容器形状に成形されているので、内部の放射性物質の漏洩を防止できる。特に、前記容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋を備え、一次蓋よりも容器の外側に配置される二次蓋と容器端部とが接触する階段状の面に、シール面と合せ面とをそれぞれ設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図2は、図1に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク100は、γ線を遮蔽する胴本体1と、胴本体1の周囲に配置した中性子遮蔽体2と、中性子遮蔽体2を収納する外筒3と、胴本体1のキャビティ4内に配置したバスケット5とから構成される。バスケット5は、複数の角パイプ6をキャビティ4内に収納した構成であり、原子力発電の燃料として用いたリサイクル燃料集合体を収納する複数のセル7を構成する。角パイプ6は、例えばアルミニウム材またはアルミニウム合金にボロン又はボロン化合物を添加した材料から構成される。ボロン添加は、アルミニウム母材と共に溶融しても良いし、アルミニウム粉末にボロン粉末を混合し、ミキサーによる混合またはメカニカルアロイングによる機械的合金化を施すようにしても良い。この角パイプ6は、ボロンアルミニウム合金のビレットをポートホールダイス等により押し出し成形される。
図9は、この発明の実施の形態2に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図10は、図9に示したキャスクの組立手順を示す説明図である。このキャスク200は、ステンレス製の内容器201が深絞り加工による一体成形により有底容器形状として製作され、その内容器201の外部に分割された外容器202が差し込まれた構造である。外容器202は、図9に示す例では5分割されており、分割体202のキャスク両側および中央が若干厚肉となっている。これは、当該部位におけるγ線の線量が大きく、その他の部分に比べて十分な遮蔽性能が必要となるからである。外容器202は炭素鋼製であり安価に製造できる。
図11は、この発明の実施の形態3に係るキャスクを示す軸方向断面図である。図12は、図11に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク300は、胴本体301を構成する外容器302を薄肉とし、内容器303を厚肉にした点に特徴がある。外容器302はステンレス鋼等の防錆材料で構成された有底容器形状であり、熱間深絞り加工にて一体成形されている。また、外容器302の開口側にはフランジ304が溶接されている。このフランジ304には、蓋305を取り付ける段部304aが形成されている。この外容器302は、内部の放射性物質が漏洩しないような密封性を有するものである。更に、ステンレス鋼等の防錆性の高い材料を用いることで、外面の防錆処理が不要となる。
図15は、この発明の実施の形態4に係るキャスクを示す軸方向断面図である。このキャスクは、図9に示したキャスク200の外容器の底板と内容器の底板との間に中性子遮蔽材を封入した構成である。その他の構成は、図9に示したキャスクと同じであるからその説明を省略する。このキャスク200’は、外容器202の底板202bに中性子遮蔽材208を封入する凹部202cを形成すると共に、その凹部202c内に中性子遮蔽材208を充填し、内容器201を外容器202内に嵌め入れることで、中性子遮蔽材208を封止するようにしている。なお、中性子遮蔽材208は、凹部202cに入れた状態で固化させるのが好ましい。また、図示しないが、図1に示したキャスク100において、底部に相当する外容器13と内容器9との境界部分に中性子遮蔽材を封入するようにしても良い。
図16は、この発明の実施の形態5に係るキャスクを示す径方向断面図である。このキャスク300’は、図12に示したキャスク300の内容器303を分割構造にしたものであり、且つその各分割体303a,303c同士が互いに嵌り合って拘束されるようになっている点に特徴がある。その他の構成は、図12に示したキャスク300と同様であるのでその説明を省略する。
図17は、この発明の実施の形態6に係るキャスクを示す径方向断面図である。この図17に示すキャスク300”は、図16に示したキャスク300’(内容器303が分割構造のもの)のバスケット307を千鳥配置(或いは市松形状配置)したものである。バスケット307は角パイプ308を千鳥配置することで、複数のセルを構成し、具体的には一つのセルは角パイプ308の内部により構成され、他のセルは角パイプ308の外面同士により区画された空間により構成されることになる。角パイプ308同士は、それぞれ角部分で隣接する角パイプ308と組み合わされるが、その拘束形状は、同図に示したような単なる傾斜面であっても良いし、階段状にしても良い(図示省略)。このようにすれば、角パイプ308の本数を少なくできる。なお、角パイプ308の厚さについては、所望の中性子吸収性能に基づいて、図16に示した角パイプよりも大きくする必要がある。
図18は、この発明の実施の形態7に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、上記図6に示すキャスクの蓋構造に関するものである。その他の構成は、上記キャスクと同様であるからその説明を省略する。まず、このキャスクの蓋構造は、図18に示すように、二次蓋27のシール面11eが二次蓋27と内容器8のフランジ11との合せ面11dより高い位置になるように構成した。なお、合せ面11dは、二次蓋27とフランジ11とが接触する階段状の面のうち、金属ガスケット29を介装したシール面11eを除いた面を指す(以下同じ)。具体的には、二次蓋27の裏面を機械加工して外周部が下方に突出するようにし、この突出部27aがフランジ11の外周縁に設けた凹部11kと接触して合せ面11dとなる。シール溝28は、二次蓋27の周縁に設けた突出部27aの内側に形成され、二次蓋27をフランジ11に取り付けた状態で、合せ面11dがシール面11eより下方となる。
図22は、この発明の実施の形態8に係るキャスクを示す一部断面図である。このキャスクは、一次蓋23の横ずれを防止するために、リング部材81を一次蓋23の周囲にかませた構成である。リング部材81の内側にはテーパ面81aが形成され、これに対応するように一次蓋23の側面にもテーパ面23bが形成されている。このリング部材81をボルト26によりフランジ11に固定することで、リング部材81のテーパ面81aが一次蓋23のテーパ面23bと接触して一次蓋23の調心作用と共に一次蓋23の径方向のギャップを吸収する。ここで、締め付けた場合に一次蓋23とリング部材81との各テーパ面81a,23bが加圧接触状態で維持されるように、ボルト穴の位置を設定しておく。また、テーパ面81a,23bの角度は、一次蓋23を固定できる程度必要である。リング部材81により一次蓋23を固定するようにすれば、このリング部材81の剛性が比較的低いため、ボルト26の締め付けによりわずかに撓みつつ、一次蓋23のテーパ面81a,23bに接触する。これにより、一次蓋23の横ずれが防止される。
図23は、この発明の実施の形態9に係るキャスクの一部断面図である。このキャスクは、図1に示したキャスクの内容器8のフランジ11と、外容器9の端部との間を溶接接合したものである(溶接部91)。内容器8と外容器9とは冷やし嵌め、焼嵌め或いはこれらの併用により略隙間なく固定されているが、ボルト固定を強固にするため、フランジ11と外容器9の端部との間に溶け込みが深い溶接を施すようにする。例えば係る溶接には、入熱を最小にして短時間で接合できる、電子ビーム溶接が好適である。なお、フランジ11と外容器9端部との間に所定の開先を形成して、TIG溶接などにより溶接しても良い。
1 胴本体
2 中性子遮蔽体
3 外筒
4 キャビティ
5 バスケット
6 角パイプ
7 セル
8 内容器
9 外容器
10 蓋
11 フランジ
12 筒体
13 底板
17 伝熱フィン
Claims (4)
- 放射性物質を収容する容器と、
前記容器の開口側に設けられた一次蓋及び二次蓋からなる二重蓋と、
を備え、前記一次蓋よりも容器の外側に配置される前記二次蓋と容器端部とが接触する階段状の面に、シール面と合せ面とをそれぞれ設けたことを特徴とする放射性物質格納容器。 - 前記シール面より高い位置に前記合せ面を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性物質格納容器。
- 前記シール面より低い位置に前記合せ面を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性物質格納容器。
- 更に、前記シール面と内容器の外側とを連通する水抜き穴が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の放射性物質格納容器。
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