JP2004125535A - 金属ガスケットおよびその製造方法、並びに放射性物質格納容器 - Google Patents

金属ガスケットおよびその製造方法、並びに放射性物質格納容器 Download PDF

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Abstract

【課題】金属ガスケット内の水を抜き出しやすくすること。
【解決手段】この発明の金属ガスケット20では、コイルスプリング30を被覆する内被40の径方向内側に水抜き穴101を複数設ける。内被40は更に外被50により保持され、フープ径の異なる二重リングを当該外被50により一体化している。この水抜き穴101は、金属ガスケット20の内部に溜まった水を抜き出しやすくする。また、この水抜き穴101は、シール厚さ方向の中央付近に位置するようにし、シール面90との接近を避けるようにする。
【選択図】      図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リサイクル燃料集合体を収納するキャスク等の密封に用いる金属ガスケットおよびその製造方法、並びに放射性物質格納容器に関する。
【従来の技術】
【0002】
核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終えた核燃料集合体を、リサイクル燃料集合体という。リサイクル燃料集合体は、FPなど高放射能物質を含むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所の冷却ピットで長期間冷却される。その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラック等で再処理施設に搬送、貯蔵される。キャスク内には、高放射能物質が収容されているので、40〜60年が見込まれる貯蔵期間中における当該キャスクの密封には厳重なる注意が必要である。
【0003】
図5は、従来のキャスクの構造を示す断面図である。図6は、図5に示したキャスクの一部拡大図である。このキャスク500は、ステンレス製または炭素鋼製の胴本体501と、キャスク外面を構成する外筒502と、胴本体501と外筒502との間に充填される水素を含有した高分子材料のレジン503と、胴本体501の下部に溶接され、レジン504を封入した構造の底板505と、胴本体501に溶接一体化したフランジ部506に設けた一次蓋507及び二次蓋508とから構成される。リサイクル燃料集合体を収納するバスケット513は、胴本体501のキャビティ509内に配置される。前記一次蓋507と二次蓋508は、図7に示すように、ボルト510、511によってフランジ部506に固定され、二次蓋508にはレジン512が封入されている。
【0004】
前記バスケット513は、ボロン(B)とアルミニウムとの複合材料によって形成した複数のセルから構成されている。また、このキャスク500のキャビティ509内にはヘリウムガスが負圧状態で充填されている。その一方、一次蓋507と二次蓋508の間の空隙内は正圧となり、これによってキャスク500内部と外部との間に圧力障壁を形成している。また、二次蓋508には、蓋間空間の圧力を測定するための孔514が設けられており、この孔514の出口には圧力センサー515が設けられている。
【0005】
前記一次蓋507には、キャスク500内のガスを置換するためのバルブ516が設けられており、当該バルブ516はバルブカバー517によって覆われている。一次蓋507と胴本体501との間、二次蓋508と胴本体501との間の密封には、長期間に渡って密封機能を維持する観点から耐熱性、耐食性を有し耐久性の高い金属ガスケット518、519を用いる。
【0006】
図7は、キャスクのシールに使用する金属ガスケット及びキャスクのシール部を示す拡大図である。なお、一次蓋507と胴本体501との間及び二次蓋508と胴本体501との間のシール部は同様のシール構造となる。ガスケット溝525は機械加工により形成され、使用する金属ガスケット518、519は二連リング構造のものを用いる。この金属ガスケット518、519は、腐食や高温酸化に強いインコネル(商標名:ニッケル系合金)によって製作したコイルスプリング521に、同じくインコネル製の内被522で被覆し、さらに、アルミニウム製の外被523により内外輪をまとめて被覆した構成である。図7(a)に、金属ガスケット518(519)の使用前における状態を示す。金属ガスケット518(519)は、二次蓋508等と胴本体501等とが固定されると、その締付け力によって図7(b)のように変形し、密封機能を発揮する。
【0007】
ガスケット溝525に対しては、外被523部分に設けたボルト穴を用いて固定する。前記金属ガスケット518、519には、例えば原子力用キャスクに対する使用実績が多い、日本バルカー工業株式会社製「トライバック」やフランス国のCEFILAC社製の「ヘリコフレックスシール」などを用いることができる。また、このような金属ガスケットにおいて密封性を確保する構造は、シングルリングタイプの金属ガスケットではあるが、外被523と内被522との間に固体潤滑材被覆を形成して、リークを抑える金属ガスケットが特許文献1に開示されている。
【0008】
【特許文献】
実公平5−75154号公報 p1、図1、図2
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、キャスク500内にリサイクル燃料集合体を収納する場合、その作業はプール内で行われ、リサイクル燃料集合体を収納後、真空乾燥により内部の水を抜く必要がある。しかしながら、上記金属ガスケットは、二重構造となっており外被によりリング状のコイルスプリングを把持した構成であるため、内外のリング内に水が溜まって前記水抜き時に抜き難いという問題点がある。一方、この金属ガスケットは、コイルスプリングに板状の内被を巻きつけるようにしているので、製造上、開口部分を外側に向けて巻き付け作業を行う必要がある。このため、内部の水が抜けやすいように、両方の内被の開口を内側に向けることが困難である。
【0010】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、金属ガスケット中の水分を除去して長期間にわたって十分な密封性能を発揮させることができる金属ガスケットおよびその製造方法、並びに放射性物質格納容器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による金属ガスケットは、リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、この金属ガスケットが、環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被覆する内被と、この内被を被覆する外被とを有し、内被に水抜き穴を設けたことを特徴とする。好ましくは、内被は外被の径方向の側で露出しており、この露出した径方向側に水抜き穴を設けたことを特徴とする。
【0012】
水抜き穴により、内被により閉じ込められた水を外部に放出する。なお、前記径方向は、少なくともその径方向に対して±45°以内であるのが好ましい。これ以上大きくなると、シール面と外被との間に水が滞在して乾燥し難くなるからである。また、水抜き穴の形状は、丸または矩形のいずれでも良い。
【0013】
つぎの発明による金属ガスケットは、リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、金属ガスケットが、フープ径の異なる二個の環状のコイルスプリングを同心状に配置すると共に前記コイルスプリングを被覆して二重リングを構成し、更に、前記内被上に外被を被覆すると共にこの外被によりリング間を接続して一体化したものであり、金属ガスケットの内被の径方向側に水抜き穴を設けたことを特徴とする。このように、内被に水抜き穴を設ければ、内被の中の水を効果的に外部に出すことができる。
【0014】
つぎの発明による金属ガスケットは、リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、金属ガスケットが、板材をリング状かつ断面円環状に成形し且つその端部同士が重なりあうようにしてスプリングを形成すると共に、このスプリングに外被を設けた構造であり、更にこの金属ガスケットに水抜き穴を設けたことを特徴とする。
【0015】
この発明では、板材を断面が円環状になるように成形し、これをリング状にしてスプリングとする。次に、このスプリングの外側に外被を設ける。このスプリングは断面円環状に形成されており、内部に水が入り易いため、この金属ガスケットに水抜き穴を穿孔することで、内部の水を出しやすいようにしている。
【0016】
つぎの発明による金属ガスケットの製造方法は、板材に水抜き穴を穿孔し、この板材を環状に成形したコイルスプリングの表面に巻き付けることで当該板材により内被を構成し、その後、この内被に対して外被を巻き付けることを特徴とする。
【0017】
つぎの発明による放射性物質格納容器は、上記金属ガスケットを、リサイクル燃料集合体を収納するキャスクの胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在させたことを特長とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、本発明に係る金属ガスケットの適用範囲は特に限定されるものではなく、例えばキャスクのシールや原子炉格納容器のシール部分等にも適用できる。また、この金属ガスケットは、特に比較的高温環境下で数十年の単位で密閉性能を維持するような用途に適しており、その中でもリサイクル燃料集合体を収納して運搬し、長期間貯蔵するキャスクに好適である。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るキャスクにおけるシール構造を示す説明図である。図2は、この発明の実施の形態1に係る金属ガスケットを示す断面図である。このキャスクのシール構造10は、内被に水抜き穴101を設けた点に特徴がある。なお、次に説明する金属ガスケット20は、フープ径Dfの異なる二個のコイルスプリング30a,30bとを同心状に配置して、両者を外被50によって被覆しながら結合する、いわゆるダブルリングタイプのものである。しかし、本発明に適用できる金属ガスケットはこのタイプには限られず、図2(b)に示すように、外被50の上部が面一になっている金属ガスケット20’や(c)のシングルタイプのガスケットも含まれる。
【0020】
図1に示すように、このシール構造10は、例えばキャスク500の二次蓋508と胴本体501のフランジ部との間に設けられる。なお、キャスクの一次蓋と胴本体501との間にももちろんこの発明に係るシール構造及び金属ガスケットは適用できる(以下同様)。図2に示すように、金属ガスケット20は、環状のコイルスプリング30に内被40を被覆し、さらに、外被50により内外輪をまとめて被覆した構成である。外被50から外部に露出している内被40の径方向内側(外周のリングと内周のリングとの間を内側という)には、水抜き穴101が穿孔されている。また、この水抜き穴101は、外被50と干渉しない位置に穿孔される。このようにすれば、内被40のみに水抜き穴101を設ければ済むからである。また、内被40は、内被40に水抜き穴101を穿孔した後、コイルスプリング30a,30bに巻きつけるようにして円環状に成形すると共に当該コイルスプリング30a,30bの被覆を行う。
【0021】
また、金属ガスケット20のフープ径Df(胴本体501の中心Cから金属ガスケット20までの距離)は2m程度、内輪70及び外輪80それぞれの断面直径Dは5.5mm程度、外被50の厚さは0.4mm、内被40の厚さは0.2mmとなる。外被50の材料には、アルミニウム、銀、銅、ニッケルなどの軟質金属が用いられており、密封性能を確保する。また、内被40及びコイルスプリング30には腐食や高温酸化に強いインコネル(登録商標)やステンレス等のニッケル系合金を用いて、高温環境下においても弾性を維持できるようにしてある。より高温の耐久性を向上させたいときには、Co含有量の多いナイモニック(登録商標)等を使用することもできる。
【0022】
二次蓋508や一次蓋、及び胴本体501には、放射線を遮蔽すると共に機械的強度を保つためステンレス鋼や炭素鋼が用いられる。その一方、金属ガスケット20の外被50には密封性能を発揮させるため、アルミニウムや銀等の軟質金属が用いられている。このため、異種金属の接触により両者間に電位差が発生して、金属ガスケット20が電解腐食を起こし密封漏れの原因となる。このため、キャスクの二次蓋508や胴本体501の材料には、モリブデンを含むSUS317またはSUS625を使用して、電解腐食を防止するようにしている。
【0023】
また、SUS317またはSUS625は溶接性に優れているので、キャスクのように一般的に溶接部分が多いものに適している。さらに、SUS317及びSUS625のほかに、SUS314、SUS316、SUS326、SUS345などを用いることもできる。また、二次蓋508及び胴本体501にSUS317などを用いなくても、同材による肉盛りを施すことでシール面90を形成するようにしてもよい(図示省略)。
【0024】
また、キャスクの二次蓋508や胴本体501の材料として使用するモリブデンを含むSUS317またはSUS625よりも腐食電位の高いアルミニウムを外被50として使用してもよい。このようにすれば、二次蓋508や胴本体501よりも交換が容易な金属ガスケット20の外被50の方が腐食されやすくなるので、二次蓋508や胴本体501が電解腐食から守られる。
【0025】
次に、金属ガスケット20に使用される環状のコイルスプリング30について説明する。図3は、この発明の実施の形態1に係る金属ガスケットのコイルスプリングを示す説明図である。同図に示すように、このコイルスプリング30はニッケル基の合金であるインコネル(登録商標)またはステンレスや、より高温に耐え得るナイモニック(登録商標)等の線材を、隙間を設けないで巻くことによって作られている。これは、隣の線との間に隙間が開いていると、密封のため金属ガスケット20が押しつぶされたときに、均等な力で内被40と外被50(図2参照)とを押し返すことができなくなり、長期間の使用において所期の密封性能を発揮できなくなるからである。
【0026】
一般に、金属ガスケット20(図2参照)において密封圧力を得ようとすると、コイルスプリング30の素線径dが太いものを使用して、コイルスプリング30の曲げ剛性を高くする必要がある。コイルスプリング30の素線径dが太くなればそれだけ素線を巻き難くなるので、コイルスプリング30の巻き線径Dも大きくなる。その結果、高いシール圧力が求められる金属ガスケット20の断面直径Dは、シール圧力が低いものと比較して大きくなる。なお、コイルスプリング30の曲げ剛性とは、コイルスプリング30の径方向に力Pを加えた場合における、コイルスプリング30の径方向に対する変形のし難さをいう(以下同様)。
【0027】
次に、この水抜き穴101の作用について説明する。プール内においてキャスク500内にリサイクル燃料集合体を収納し、プールから出して真空乾燥により水抜きを行う。その際、コイルスプリング30内に水が浸入しており、特に金属ガスケット20の内側に内被40が開口40sしている場合、内被30aの内部に水が浸入しやすくなる。また、内側に開口しないまでも、外被50と内被40との間の隙間から水が浸入して内被30bの内部に水が溜まる。また、外皮50と内被40の合わせ面からも水が入り内部に溜まる。この金属ガスケット20の内部の水は、キャスク500内から水を抜くとき、前記水抜き穴101から外部に出る。また、内側に開口40sを有する内被40aは、その開口40sから内部の水が出るので、特に水抜き穴は必須ではない。例えば、開口40sが比較的上方(外被50の渡し部分50aの近傍)に位置しており、水が溜まり易い形状となっている場合に必要となる(図示省略)。また、外皮50と内被40の合わせ面に溜まる水を抜くには穴101’が必要である。
【0028】
次に、この金属ガスケット20を製造するにあたり、まず、内被40によりコイルスプリング30を巻いた状態で水抜き穴101,101’を穿孔する場合、当該コイルスプリング30を加工しないように注意する必要がある。このため、まず内被40をコイルスプリング30に巻きつける前に水抜き穴101,101’を穿孔しておき、その後、コイルスプリング30に対して巻きつける。このようにすれば、コイルスプリング30を傷つけることなく、容易に穿孔作業を行える。
【0029】
なお、上記実施の形態において、内被40の穴の位置が径方向内側(二個のリングの中心を繋いだ線L)に向かって穿孔されているのは、仮に斜め下方に向いている場合、シール面に合わさると開口が役に立たなくなるからである。具体的に好ましい水抜き穴101の位置は、内側方向の線Lを中心に±45°以内である。
【0030】
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2に係る金属ガスケットを示す断面図である。この金属ガスケットは、図4(a)に示すように、内被200が円環状に成形され、フープ径の異なる二個の内被210が同心状に配置されている。また、両者は外被50によって被覆され互いに結合し、全体としてダブルリング形状になっている。また、本発明に適用できる金属ガスケット200はこのタイプには限られず、図4(b)に示すような、1個の内被210と外被220とで被覆する、いわゆるシングルリングタイプの金属ガスケット250にも適用できる。
【0031】
外被220の材料には、アルミニウム、銀、銅、ニッケルなどの軟質金属が用いられており、密封性能を確保する。また、内被210には腐食や高温酸化に強いインコネル(登録商標)等のニッケル系合金を用いて、高温環境下においても弾性を維持できるようにしてある。より高温の耐久性を向上させたいときには、Co含有量の多いナイモニック(登録商標)等を使用することもできる。内被210は、一部が重なるように円環状に成形され、シール時の圧縮により重なり部分210sが摺動して全体的に内被210の径が小さくなる。即ち、内被210の径が小さくなるだけであるから、内被210による接触面が大きくならないので、確実なシールが可能になる。
【0032】
両方の内被210の内側には、周方向に多数の水抜き穴230,230’が穿孔されている。この水抜き穴230,230’は、内部に侵入した水を外部に出すためのものであり、その位置は、径方向内側で且つ厚さ方向(図中高さ方向)の略中央となる。例えば、下方に設けた場合は、外被50と干渉するので当該外被50にも穿孔加工を行う必要が生じるためである。また、シール面の近くに設けると、外被50とシール面との間に水が浸入し易くなり、水を抜き難い状態になるからである。具体的に好ましい水抜き穴210の位置は、径方向内側の線Lを中心に±45°以内である。一方、小径側の内被210aは、金属ガスケットの内側に重なり部分210sが位置するため、シール時の圧縮により重なり部分210sが摺動し、隠れないような位置に水抜き穴230を穿孔する必要がある。
【0033】
図4(b)に示す金属ガスケット250は、板状の内被210と外被220とを積層した後、円環状に成形する。そして、厚さ方向の略中央に水抜き穴230を穿孔する。その場合、内被210が外部に露出していないため、内被210および外被220の両方を貫通するように水抜き穴230を穿孔する。内被と外被とが独立した板の場合は、重なり面210sの反対面に水抜き穴230’を穿孔する。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、金属ガスケット内の水分を除去して長期間にわたって十分な密封性能を発揮させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るキャスクにおけるシール構造を示す説明図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る金属ガスケットを示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る金属ガスケットのコイルスプリングを示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2に係る金属ガスケットを示す断面図である。
【図5】従来のキャスクの構造を示す断面図である。
【図6】図5に示したキャスクの一部拡大図である。
【図7】キャスクのシールに使用する金属ガスケット及びキャスクのシール部を示す拡大図である。
【符号の説明】
10   シール構造
20   金属ガスケット
30   コイルスプリング
40   内被
50   外被
90   シール面
101 水抜き穴

Claims (7)

  1. リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、
    この金属ガスケットが、環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被覆する内被と、この内被を被覆する外被とを有し、
    内被に水抜き穴を設けたことを特徴とする金属ガスケット。
  2. リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、
    この金属ガスケットが、環状のコイルスプリングと、当該コイルスプリングを被覆する内被と、この内被を被覆する外被とを有し、
    内被は外被の径方向の側で露出しており、この露出した径方向側に水抜き穴を設けたことを特徴とする金属ガスケット。
  3. リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、
    金属ガスケットが、フープ径の異なる二個の環状のコイルスプリングを同心状に配置すると共に前記コイルスプリングを被覆して二重リングを構成し、更に、前記内被上に外被を被覆すると共にこの外被によりリング間を接続して一体化したものであり、
    前記外被は、金属ガスケットの内側の内被は外被から露出し、この露出した内被の径方向側に水抜き穴を設けたことを特徴とする金属ガスケット。
  4. リサイクル燃料集合体を収納する放射性物質格納容器の胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在してキャビティ内の密封を維持する金属ガスケットにおいて、
    金属ガスケットが、板材をリング状かつ断面円環状に成形し且つその端部同士が重なりあうようにしてスプリングを形成すると共に、このスプリングに外被を設けた構造であり、更にこの金属ガスケットに水抜き穴を設けたことを特徴とする金属ガスケット。
  5. 板材に水抜き穴を穿孔し、この板材を環状に成形したコイルスプリングの表面に巻き付けることで当該板材により内被を構成し、その後、この内被に対して外被を巻き付けることを特徴とする金属ガスケットの製造方法。
  6. 板材に水抜き穴を穿孔し、この板材を環状に成形したコイルスプリングの表面に巻き付けることで当該板材により内被を構成し、その後、この内被に対して前記水抜き穴を避けて外被を巻き付けることを特徴とする金属ガスケットの製造方法。
  7. 上記請求項1〜4のうちいずれか一つの金属ガスケットを、リサイクル燃料集合体を収納するキャスクの胴本体、およびその胴本体のキャビティ開口に取り付ける蓋、の間に介在させたことを特長とする放射性物質格納容器。
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