JP2000009897A - 放射性廃棄物処分用オーバーパック - Google Patents

放射性廃棄物処分用オーバーパック

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JP2000009897A
JP2000009897A JP10175175A JP17517598A JP2000009897A JP 2000009897 A JP2000009897 A JP 2000009897A JP 10175175 A JP10175175 A JP 10175175A JP 17517598 A JP17517598 A JP 17517598A JP 2000009897 A JP2000009897 A JP 2000009897A
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lid
container
radioactive waste
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Akihiko Osako
顕彦 大迫
Hirokazu Tanaka
宏和 田中
Osamu Shimoda
収 下田
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程数が少なく、高強度で高耐食性能を
有した放射性廃棄物処分用オーバーパックを提供するこ
とを目的としている。 【解決手段】 オーバーパック1は、後方押し出し加工
により有底円筒状に形成された外層容器2と、その内部
に設けられた高強度の金属からなる内層容器2と、内蓋
4及び外蓋5とを備えている。外層容器2と外蓋5とは
耐食性能を有した金属から形成されており、それぞれは
電子ビーム溶接によって接合されている。このため、外
層容器2は容易かつ少ない工程で形成されるとともに、
それぞれの接合には電子ビーム溶接が用いられたため、
溶接部分には不純物が混入されず、耐食性能は向上され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
ト等の原子炉において使用後の放射性廃棄物を、安定し
た状態で地層処分することができるようにした放射性廃
棄物処分用オーバーパックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 原
子力発電所の使用済み燃料又は使用済み燃料から有用な
ウランとプルトニウムを回収した後に残る放射性廃棄物
を取扱い易く安定なガラス固化体に処理したものは、例
えば30年から50年間地上で貯蔵した後に地下深い地
層に埋設するという地層処分が行われ、生活圏から隔離
される。
【0003】この使用済み燃料又はガラス固化体に処理
された放射性廃棄物は、地層処分される際、金属又はセ
ラミックス等のオーバーパックに収納されてから、地下
約1000mの地層処分場に搬入される。そして前記使
用済み燃料又はガラス固化体を収納したオーバーパック
は、地層処分場に設けられた収納穴に収納され、オーバ
ーパックと収納穴との隙間にはベントナイト等から成る
緩衝材が充填される。
【0004】この地層処分で用いられるオーバーパック
としては、例えば図6に示すようなものがある。図6に
おいて、オーバーパック60は、耐食性のある銅製の側
壁部51と外側底部56とから成る外層容器50と、オ
ーバーパック60全体の強度を保持するための炭素鋼製
の内層容器52とを備えた円筒形状のものであり、ガラ
ス固化体は内層容器52の中空部52aに収納される。
【0005】側壁部51は、図7に示すように、銅の圧
延材が曲げ加工により半割り円筒状に形成された複数の
部材51aの端部51bどうしを、電子ビーム溶接で接
合させることによって円筒状に形成される。そして、側
壁部51の内部に内層容器52を嵌合させた後、その上
端と下端とに、炭素鋼から成る内蓋53と内側底部54
とを固定し、さらにその外側に、銅から成る外蓋55と
外側底部56とをそれぞれ電子ビーム溶接によって接合
させる。このとき、外蓋55と外側底部56との溶接部
分には、図8に示すように、電子ビーム57の延長線上
に位置する部分にアンカ58が設けられている。このア
ンカ58は、電子ビーム57が照射された際、その延長
線上に位置する炭素鋼からなる内側底部54(内蓋5
3)に、電子ビーム57が照射されないようにするため
に設けられている。つまり、銅から成る側壁部51と外
側底部56(外蓋55)との溶接時に、炭素鋼成分の溶
融を防いで、銅製分と炭素鋼成分とが混合されないよう
にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなオーバーパ
ック60においては、側壁部51を形成するためは、銅
の圧延材を曲げ加工して半割り円筒状の複数の部材51
aを形成し、更にこれらを溶接よってそれぞれ接合しな
ければならないため、製造工程数が多くなる。また、溶
接される部分も多くなるため、地層処分された際、その
溶接された部分から地層中に存在する水分を始めとする
様々な不純物が浸入し、オーバーパック60の腐食は促
進されてしまう。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、製造工程数が少なく、高強度で高耐食性能を
有した放射性廃棄物処分用オーバーパックを提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、原子力発電所から発生する使用済み燃料
又は放射性廃棄物をガラスに封入固化してなるガラス固
化体を収納し、深地層内に埋設処分するための放射性廃
棄物処分用オーバーパックであって、有底円筒状に形成
され前記使用済み燃料又はガラス固化体を収納するため
の中空部を有する強度材製内層容器と、該内層容器の外
側を覆うように有底円筒状に形成された耐食材製外層容
器と、前記内層容器の開口部に嵌合される強度材製内蓋
と、前記内蓋上面に当接するように配置され、前記外層
容器の開口部を封止する耐食材製外蓋とを備えるととも
に、前記外層容器の側壁部と底部とは一体成形されてい
ることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、耐食性能を有する外層容
器の側壁部と底部とを一体成形としたため、従来のよう
な底部と側壁部との溶接工程が省略され、製造工程や検
査工程が簡略化される。また、地層処分された際、溶接
された部分から水分をはじめとする不純物が浸入し、該
溶接部分から腐食が促進される場合が多いが、溶接され
る部分が低減されたことにより、腐食が促進される部分
も低減され、高い耐食性能を実現することができる。
【0010】また、前記外層容器は、後方押し出し加工
によって形成されたことにより、有底円筒形状の外層容
器は容易かつ少ない工程で形成される。また、後方押し
出し加工される際、外層容器はその開口部側からダイス
外部に押し出されることにより開口部近傍の加熱時間は
短縮されるが、この場合、外層容器の開口部近傍の結晶
粒は微細化される傾向にあるため、外蓋と溶接される部
分である開口部近傍の溶接状態を検査する場合、検査は
安定して行われる。つまり、外蓋と外層容器との溶接部
分の検査には超音波探傷試験法が用いられる場合が多い
が、検査対象部分の結晶粒が大きいと、検査に用られる
超音波は乱反射されるため検査は安定して行われない。
しかし、後方押し出し加工によって、検査対象部分であ
る開口部近傍の結晶粒が大きくなることを抑制すること
により、検査性を向上させることができる。
【0011】前記外層容器の口縁部は前記外蓋上面より
上方に延びるように形成されるとともに、前記口縁部に
はハンドリング用の複数の貫通穴が半径方向に設けられ
たことにより、オーバーパックをハンドリングする時
は、前記貫通穴にロープ等を通すことによって安定して
搬送させることができる。仮に、ハンドリング部分とし
て、外蓋上面にフック形状等のものが設けられた場合、
オーバーパック全体をハンドリングした際、外蓋が自重
で歪んだりする場合が生じるが、ハンドリング部分が外
層容器の口縁部に設けられたことにより、ハンドリング
時においてもオーバーパックには歪む部分が生じない。
【0012】更に、オーバーパックのハンドリング部分
は、外層容器の口縁部に半径方向に設けられた貫通穴で
あるため、オーバーパックは外方に突出された部分が無
い円筒形状に維持されている。つまり、ハンドリング部
分がフック等の突出形状のものによって形成された場
合、オーバーパックが地層処分される際、オーバーパッ
ク周囲に充填される緩衝材はその突出部分と干渉し、緩
衝材は安定して配置されないが、オーバーパックの外形
が、突出部分の無い円筒形状であるため、緩衝材は安定
してオーバーパックの周囲に配置される。更に、オーバ
ーパックの上端面も、面一に形成された外蓋が設けられ
ているため、該上端面にも安定して緩衝材を配置するこ
とができる。
【0013】前記外蓋は、少なくとも前記内蓋の外径よ
り大きく形成されるとともに、前記外蓋と外層容器と
は、前記外蓋の側面と外層容器の開口部近傍に設けられ
た段部とが係合される部分近傍に電子ビームを上方より
照射することによって溶接されたことにより、該溶接部
分は脆弱化されること無く、前記外蓋は安定して外層容
器に接合される。つまり、電子ビームが外蓋以外の部分
に照射された場合、該部分の成分が変質したり、該部分
が溶解されて外蓋と混合されてしたりして、その部分は
脆弱化されるが、前記外蓋は、該外蓋の下方に当接され
た内蓋の外径より大きく形成されているため、上方から
電子ビームが前記外蓋の側面近傍に照射された場合で
も、該電子ビームの延長線には前記外蓋の材質と異なる
材質から成る内蓋は存在せず、電子ビームは溶接される
べき外蓋にのみ照射されるとともに、内蓋の溶融と、内
蓋と外蓋とのそれぞれの材質の混合を防止することがで
き、溶接部分の脆弱化を防ぐことができる。
【0014】また、溶接方法には電子ビーム溶接を用い
たことにより、溶接部分への不純物の混入や脆弱化を防
ぐことができる。つまり、溶接棒が使用されるアーク溶
接では、溶融した溶接棒が不純物として混入され、その
溶接部分の材質が不均一になったり脆弱化される場合が
あるが、溶接棒を用いない電子ビーム溶接によって溶接
が行われたことにより、不純物の混入や脆弱化を防ぐこ
とができる。更に、アーク溶接では、本実施形態のよう
な数10mmの銅を溶接させるためには数回の溶接工程
を必要とするが、電子ビーム溶接では1回の工程で溶接
可能なため製造時間を短縮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
放射性廃棄物処分用オーバーパックを図面を参照して説
明する。図1は本発明の放射性廃棄物処分用オーバーパ
ックの一実施形態を示す側方断面図であり、図2は図1
の上方から見た平面図である。
【0016】図1において、円筒状に形成されたオーバ
ーパック1は、外層容器2と、内層容器3と、内蓋4
と、外蓋5とを備えている。
【0017】オーバーパック1の最表面には、有底円筒
状に形成された外層容器2が設けられており、銅や銅合
金、或いはニッケル合金といった耐食性能の高い金属に
よって形成されている。この外層容器2は、後方押し出
し加工法によって加工されており、外層容器2の底部2
aと側壁部2bとは一体成形となっている。このため、
従来のような底部2aと側壁部2bとの溶接工程は省略
され、外層容器2は容易かつ少ない工程で形成される。
【0018】外層容器2の内側には、鉄や炭素鋼等の高
強度金属から成る有底円筒状に形成された内層容器3が
設けられており、内層容器3の内部にはガラス固化体を
収納するための中空部3bが形成されている。そして、
オーバーパック1は外層容器2と内層容器3とによる二
重構造となっており、これら二重構造にすることによっ
て、地層処分された際、地圧に耐える高い強度と、腐食
に耐える高い耐食性能とが同時に満たされている。
【0019】この内層容器3は、鍛造や穴ぐり加工によ
って加工されており、外層容器2より厚肉に形成されて
いる。また、内層容器3は高さ方向においては外層容器
2より小さく形成されており、内層容器3の上端面3a
が、外層容器2の内部で円環状に設けられ、一方、外層
容器2の上端には内壁面7が形成されている。
【0020】鉄や炭素鋼等の高強度金属からなる内蓋4
は断面凸状に形成されており、下方に向かって小径部4
aが形成されている。この内蓋4の小径部4aの径は、
内層容器3の内径と等しくなるように形成されており、
一方、大径部4bは内層容器3の外径と等しくなるよう
に形成されている。そして、内蓋4の大径部4bを内層
容器3の上端面3aに当接させつつ、小径部4aを内層
容器3の内壁に嵌合させ、更に複数のボルト11によっ
て固定することにより、内層容器3の開口部は内蓋4に
よって封止される。
【0021】内蓋4の上方には、銅や銅合金、或いはニ
ッケル合金等といった耐食性金属からなる、平面円形状
に形成された外蓋5が設けられている。この外蓋5は、
断面凸状に形成されており、図3に示すように、凸部が
下方に向けられて設けられている。この凸部である小径
部5aの径は、内蓋4の大径部4bの外径と等しくなる
ように形成されており、外蓋5の大径部5bの径は、内
蓋4の大径部4bより大きくなるように形成されてい
る。
【0022】一方、内層容器2の内壁面7には、外蓋5
の大径部5bが係合される係合部7aが形成されてお
り、外蓋5の凸形状に沿うように段部7bが形成されて
いる。そして、外蓋5の下面を内蓋4の上面に当接させ
るとともに、大径部5bを段部7bに当接させることに
よって、外層容器2の開口部は封止される。このとき、
外蓋5の上面と外層容器2の外層端面2cとは同一平面
に位置される。
【0023】前記外層容器の上端には口縁部12が、外
蓋5の上面より上方に延びるように形成されている。こ
の口縁部12は、外層容器2の側壁部2bより薄肉に形
成されており、側壁部2bと口縁部12とは同じ外径を
有しながら滑らかにつながるように形成されている。
【0024】口縁部12には、該口縁部12を半径方向
に貫くようにハンドリング用の貫通穴6が、図2に示す
ように、等間隔に8つ形成されている。
【0025】このようなオーバーパック1においては、
まず、放射性廃棄物をガラスに封入固化してなるガラス
固化体を開口部から内層容器3の中空部3bに収納す
る。
【0026】内部にガラス固化体を収納したオーバーパ
ック1の内層容器3の開口部に内蓋4を係合させ、ボル
ト11によって固定させる。そして、外蓋5を内蓋4の
上面に当接させるように係合させる。
【0027】開口部に係合された外蓋5は、図3に示す
ように、電子ビーム溶接によって、外層容器2の内壁面
7と接合される。このとき、電子ビーム10の延長線上
には段部7bが設けられているため、電子ビーム10
は、内蓋4に照射されないようになっている。つまり、
電子ビーム10が溶接されるべき外蓋5以外の部分であ
る内蓋4に照射された場合、内蓋4の材質が変質してし
まったり、或いは内蓋4の照射された部分が溶解して、
内蓋4の材質と外蓋5の材質とが混合されたりする。す
るとその部分は脆弱化してしまう場合が生じるが、電子
ビーム10の照射延長線上に、段部7bを設けその部分
に内蓋4の径より大きい径を有する外蓋5の大径部5b
を係合させ、電子ビーム10の延長線上には内蓋4が存
在しないようにしたため、電子ビーム10は溶接される
べき外蓋5と外層容器2の当接部分のみ照射されるた
め、溶接部分の脆弱化を防ぐことができる。
【0028】また、段部7bに外蓋5の大径部5bが係
合されるようになっているため、外蓋5の位置合わせは
容易に行われる。
【0029】また、溶接方法には電子ビーム溶接を用い
たことにより、溶接部分の不純物の混入や脆弱化を防ぐ
ことができる。つまり、溶接棒が使用されるアーク溶接
では、溶融した溶接棒が不純物として混入され、その溶
接部分の材質が不均一になったり脆弱化される場合があ
るが、溶接棒を用いない電子ビーム溶接によって溶接が
行われたことにより、不純物の混入や脆弱化を防ぐこと
ができる。更に、アーク溶接では、本実施形態のような
数10mmの銅を溶接させるためには数回の溶接工程を
必要とするが、電子ビーム溶接では1回の工程で溶接可
能なため製造時間を短縮することができる。
【0030】なお、この溶接部分の検査を行う場合、超
音波探傷試験法が用いられる場合が多いが、外層容器2
は後方押し出し加工によって成形されたため、検査は安
定して行われる。つまり、外層容器2が後方押し出し加
工される際、図4に示すように、外層容器2は、例えば
800〜900℃程度に加熱されて、その開口部側から
ダイス20外部に押し出される。このため、開口部近傍
の加熱時間は短縮されるが、この場合、外層容器2の開
口部近傍の結晶粒は微細化される傾向にある。仮に検査
対象部分の結晶粒が大きいと、検査に用られる超音波は
乱反射されるため検査は安定して行われないが、後方押
し出し加工によって、検査対象部分である開口部近傍の
結晶粒が大きくなることを抑制することにより、検査性
を向上させることができる。
【0031】内層容器3の中空部3bにガラス固化体が
収納されたオーバーパック1は、外蓋5上面より上方に
延びるように形成された口縁部12の貫通穴6に、ロー
プや棒などを挿入することにより安定してハンドリング
される。仮に、ハンドリング部分として、外蓋5上面等
にフック状のものが設けられた場合、オーバーパック1
全体をハンドリングした際、外蓋5が自重で歪んだりす
る場合が生じるが、ハンドリング部分が外層容器2の口
縁部12に設けられたことにより、ハンドリング時にお
いてもオーバーパック1には歪む部分が生じない。
【0032】こうしてオーバーパック1は、地層処分場
に搬送され埋設される。地層処分としては、例えば図5
に示すように、地上30から地下約1000m程度の位
置にある地中岩盤31に向けて縦穴32を掘削する。そ
して、地中岩盤31中に、縦穴32の下端からほぼ水平
方向に広がり、床面34に円筒状のオーバーパック収納
穴35が複数形成された地層処分場36を設ける。
【0033】昇降機40に設置されたオーバーパック1
は、地上30に設けられた巻取装置38のワイヤーロー
プ39に接続されて、縦穴32を下降する。そして、地
層処分場36に到達したオーバーパック1は、搬送台車
44に載置されることによって水平方向に移動可能とな
る。その後オーバーパック1は地層処分場の天井部42
に前後・左右方向に移動自在に支持された挿入装置43
に接続され、挿入装置43によってオーバーパック1
は、オーバーパック収納穴35に収納される。そして、
オーバーパック1とオーバーパック収納穴35との隙間
には、ベントナイトを主成分とするブロック状の緩衝材
45が充填される。
【0034】このとき、オーバーパック1のハンドリン
グ部分である貫通穴6は、外層容器2の口縁部12に半
径方向に貫通するように設けられたため、オーバーパッ
ク1には、外方に突出された部分が無い円筒形状に維持
されている。つまり、ハンドリング部分がフック等の突
出形状のものによって形成された場合、オーバーパック
1が地層処分される際、オーバーパック1周囲に充填さ
れるブロック状の緩衝材45はその突出部分と干渉し、
緩衝材45は安定して配置されないが、オーバーパック
1の外形が、突出部分の無い円筒形状であるため、緩衝
材45は安定してオーバーパック1の周囲に配置され
る。更に、オーバーパック1の上面は、外蓋5と外層容
器2の第1端面とで平面状に設けられているため、オー
バーパック1の上面にも安定して緩衝材45を配置する
ことができる。
【0035】このように、耐食性能を有する外層容器2
の底部2a側壁部2bとを一体成形としたため、従来の
ような底部と側壁部との溶接工程が省略され、製造工程
や検査工程が簡略化される。また、地層処分された際、
溶接された部分から水分をはじめとする不純物が浸入
し、該溶接部分から腐食が促進される場合が多いが、溶
接される部分が低減されたことにより、腐食が促進され
る部分も低減され、高い耐食性能を実現することができ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明の放射性廃棄物処分用オーバーパ
ックは、以下のような効果を有するものである。 (1)耐食性能を有する外層容器の側壁部と底部とを一
体成形としたため、従来のような底部と側壁部との溶接
工程が省略され、製造工程や検査工程が簡略化される。
また、地層処分された際、溶接された部分から水分をは
じめとする不純物が浸入し、該溶接部分から腐食が促進
される場合が多いが、溶接される部分が低減されたこと
により、腐食が促進される部分も低減され、高い耐食性
能を実現することができる。 (2)前記外層容器は、後方押し出し加工によって形成
されたことにより、有底円筒形状の外層容器は容易かつ
少ない工程で形成される。また、後方押し出し加工され
る際、外層容器はその開口部側からダイス外部に押し出
されることにより開口部近傍の加熱時間は短縮される
が、この場合、外層容器の開口部近傍の結晶粒は微細化
される傾向にあるため、外蓋と溶接される部分である開
口部近傍の溶接状態を検査する場合、検査は安定して行
われる。つまり、外蓋と外層容器との溶接部分の検査に
は超音波探傷試験法が用いられる場合が多いが、検査対
象部分の結晶粒が大きいと、検査に用られる超音波は乱
反射されるため検査は安定して行われない。しかし、後
方押し出し加工によって、検査対象部分である開口部近
傍の結晶粒が大きくなることを抑制することにより、検
査性を向上させることができる。 (3)前記外層容器の口縁部は前記外蓋上面より上方に
延びるように形成されるとともに、前記口縁部にはハン
ドリング用の複数の貫通穴が半径方向に設けられたこと
により、オーバーパックをハンドリングする時は、前記
貫通穴にロープ等を通すことによって安定して搬送させ
ることができる。仮に、ハンドリング部分として、外蓋
上面にフック形状等のものが設けられた場合、オーバー
パック全体をハンドリングした際、外蓋が自重で歪んだ
りする場合が生じるが、ハンドリング部分が外層容器の
口縁部に設けられたことにより、ハンドリング時におい
てもオーバーパックには歪む部分が生じない。 (4)オーバーパックのハンドリング部分は、外層容器
の口縁部に半径方向に設けられた貫通穴であるため、オ
ーバーパックは外方に突出された部分が無い円筒形状に
維持されている。つまり、ハンドリング部分がフック等
の突出形状のものによって形成された場合、オーバーパ
ックが地層処分される際、オーバーパック周囲に充填さ
れる緩衝材はその突出部分と干渉し、緩衝材は安定して
配置されないが、オーバーパックの外形が、突出部分の
無い円筒形状であるため、緩衝材は安定してオーバーパ
ックの周囲に配置される。更に、オーバーパックの上端
面も、面一に形成された外蓋が設けられているため、該
上端面にも安定して緩衝材を配置することができる。 (5)前記外蓋は、少なくとも前記内蓋の外径より大き
く形成されるとともに、前記外蓋と外層容器とは、前記
外蓋の側面と外層容器の開口部近傍に設けられた段部と
が係合される部分近傍に電子ビームを上方より照射する
ことによって溶接されたことにより、該溶接部分は脆弱
化されること無く、前記外蓋は安定して外層容器に接合
される。つまり、電子ビームが外蓋以外の部分に照射さ
れた場合、該部分の成分が変質したり、該部分が溶解さ
れて外蓋と混合されてしたりして、その部分は脆弱化さ
れるが、前記外蓋は、該外蓋の下方に当接された内蓋の
外径より大きく形成されているため、上方から電子ビー
ムが前記外蓋の側面近傍に照射された場合でも、該電子
ビームの延長線には前記外蓋の材質と異なる材質から成
る内蓋は存在せず、電子ビームは溶接されるべき外蓋に
のみ照射されるとともに、内蓋の溶融と、内蓋と外蓋と
のそれぞれの材質の混合を防止することができ、溶接部
分の脆弱化を防ぐことができる。 (6)溶接方法には電子ビーム溶接を用いたことによ
り、溶接部分への不純物の混入や脆弱化を防ぐことがで
きる。つまり、溶接棒が使用されるアーク溶接では、溶
融した溶接棒が不純物として混入され、その溶接部分の
材質が不均一になったり脆弱化される場合があるが、溶
接棒を用いない電子ビーム溶接によって溶接が行われた
ことにより、不純物の混入や脆弱化を防ぐことができ
る。更に、アーク溶接では、本実施形態のような数10
mmの銅を溶接させるためには数回の溶接工程を必要と
するが、電子ビーム溶接では1回の工程で溶接可能なた
め製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射性廃棄物処分用オーバーパックの
実施形態の一例を示す側方断面図である。
【図2】図1の上方から見た平面図である。
【図3】外蓋の溶接部分を説明する図である。
【図4】後方押し出し加工を説明する図である。
【図5】地層処分を説明する図である。
【図6】従来の放射性廃棄物処分用オーバーパックを説
明する図である。
【図7】従来の放射性廃棄物処分用オーバーパックの外
層容器の加工を説明する図である。
【図8】従来の放射性廃棄物処分用オーバーパックの溶
接部分を説明する図である。
【符号の説明】
1 オーバーパック 2 外層容器 2a 外層容器底部 2b 外層容器側壁部 2c 外層端面 3 内層容器 3a 上端面 3b 中空部 4 内蓋 4a 内蓋小径部 4b 内蓋大径部 5 外蓋 5a 外蓋小径部 5b 外蓋大径部 6 貫通穴 7 内壁面 7a 係合部 7b 段部 10 電子ビーム 11 ボルト 12 口縁部 36 地層処分場 45 緩衝材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下田 収 東京都文京区小石川1−3−25 小石川大 国ビル 三菱マテリアル株式会社原子力事 業センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子力発電所から発生する使用済み燃料
    又は放射性廃棄物をガラスに封入固化してなるガラス固
    化体を収納し、深地層内に埋設処分するための放射性廃
    棄物処分用オーバーパックであって、有底円筒状に形成
    され前記使用済み燃料又はガラス固化体を収納するため
    の中空部を有する強度材製内層容器と、該内層容器の外
    側を覆うように有底円筒状に形成された耐食材製外層容
    器と、前記内層容器の開口部に嵌合される強度材製内蓋
    と、前記内蓋上面に当接するように配置され、前記外層
    容器の開口部を封止する耐食材製外蓋とを備えるととも
    に、前記外層容器の側壁部と底部とは一体成形されてい
    ることを特徴とする放射性廃棄物処分用オーバーパッ
    ク。
  2. 【請求項2】 前記外層容器は、後方押し出し加工によ
    り形成されたことを特徴とする請求項1に記載の放射性
    廃棄物処分用オーバーパック。
  3. 【請求項3】 前記外層容器の口縁部は前記外蓋上面よ
    り上方に延びるように形成されるとともに、前記口縁部
    にはハンドリング用の複数の貫通穴が半径方向に設けら
    れたことを特徴とする請求項1または2に記載の放射性
    廃棄物処分用オーバーパック。
  4. 【請求項4】 前記外蓋は、少なくとも前記内蓋の外径
    より大きく形成されるとともに、前記外蓋と外層容器と
    は、前記外蓋の側面と外層容器の開口部近傍に設けられ
    た段部とが係合される部分近傍に電子ビームを上方より
    照射することによって溶接されたことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の放射性廃棄物処分用オーバ
    ーパック。
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