JP3978210B2 - キャスク - Google Patents

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Description

この発明は、燃焼を終えた使用済み燃料集合体を収容、貯蔵するものであって、使用済み燃料集合体の崩壊熱を効率よく大気中へ放出できる放熱性能に優れたキャスク及びキャスクの製造方法に関する。
核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み燃料集合体という。使用済み燃料集合体は、FPなど高放射能物質を含むので熱的に冷却する必要があるから、原子力発電所の冷却ピットで所定期間(1〜3年間)冷却される。その後、遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラック等で再処理施設に搬送、貯蔵される。使用済み燃料集合体は、キャスク内に設置したバスケットのセルにそれぞれ1体ずつ挿入され、これにより、輸送中の振動などに対する適切な保持力を確保している。
このようなキャスクの従来例としては、「原子力eye」(平成10年4月1日発行:日刊工業出版プロダクション)や特開平1−86098号公報等に様々な種類のものが開示されている。以下に本発明の開発にあたり、その前提となったキャスクについて説明する。なお、下記内容は、説明の便宜のために示すものであり、いわゆる公知、公用に該当することを意味するものではない。
第52図は、キャスクの一例を示す斜視図である。第53図は、第52図に示したキャスクの軸方向断面図である。キャスク500は、筒形状の胴本体501と、胴本体501の外周に設けた中性子遮蔽体であるレジン502と、その外筒503、底部504及び蓋部505から構成されている。胴本体501及び底部504は、γ線遮蔽体である炭素鋼製の鍛造品である。また、蓋部505は、ステンレス鋼製等の一次蓋506及び二次蓋507からなる。胴本体501と底部504は、突合せ溶接により結合してある。一次蓋506及び二次蓋507は、胴本体501に対してステンレス製等のボルトにより固定されている。蓋部505と胴本体501との間には、金属製のOリングが介在し、内部の気密を保持している。
胴本体501と外筒503との間には、熱伝導を行う複数の伝熱フィン508が設けられている。レジン502は、この伝熱フィン508により形成される空間に流動状態で注入され、冷却することで固化形成する。第53図に示すように、バスケット509は、複数の角パイプ510を束状に集合させた構造であり、胴本体501のキャビティ511内に挿入してある。
当該角パイプ510は、挿入した使用済み燃料集合体が臨界に達しないように中性子吸収体(ホウ素:B)を混合したアルミニウム合金からなる。なお、キャスク本体512の両側には、キャスク500を吊り下げるためのトラニオン513が設けられている(一方は省略)。また、キャスク本体512の両端部には、内部に緩衝材として木材などを組み込んだ緩衝体514が取り付けられている(一方は省略)。
ところで、バスケット509内に収納される使用済み燃料集合体は、貯蔵中に崩壊熱を発生する。この崩壊熱は、キャスク500の外筒503から大気中に放出されるが、十分な放熱性能が得られないと蓋部505と胴本体501との間に介在するOリングのクリープを進行させることがある。また、外筒503からの放熱が十分でない場合には、バスケット509を構成する材料にも耐熱性に優れたものを使用する必要があるので、キャスク500の製造コスト増加を招く場合もある。特に高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体は発熱量が高く、これを収納するキャスク500には高い放熱性能が求められる。
かかる問題点を解決するために、EP0843318A1には、外筒に溝を備えたキャスクが開示されている。このキャスクは、外側に溝を形成した筒状の一体型外筒をキャスクの胴本体に嵌め込み、キャスクの胴本体と伝熱フィンとを熱的に結合させた構造である。そして、外筒に溝を形成する方法としては、鋳造や切削が挙げられている。しかし、伝熱フィンを介して外筒をキャスクの胴本体に取り付ける具体的な製法は開示されておらず、実現できるかどうかについては不明であった。
したがって、この発明は、使用済み燃料集合体が発する崩壊熱を効率よく大気中へ放出すること、放熱性能に優れたキャスクを効率的に製造することのうち、少なくとも一つを達成できるキャスク及びキャスクの製造方法を提供することを目的としている。
本発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面両側には端縁部を残して前記伝熱フィンが溶接されており、且つ前記帯状部材に隣接する他の帯状部材がそれぞれの端縁部付近で溶接されていることを特徴とする。
このキャスクは、外筒の外側に胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成されているので、外筒の表面積を溝がない場合よりも大きくできる。これによって、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できるので、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、溝を形成した帯状部材を複数組み合わせて外筒を構成するので、鋳造や曲げ加工によらず容易に外筒を製造できる。さらに、胴本体の断面形状が円形のみならず多角形である場合にも、複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成するので、容易にキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面両側には端縁部を残して前記伝熱フィンを溶接することでユニットを構成し、このユニットを所定間隔で前記胴本体に前記伝熱フィンをもってユニット外側から溶接し、且つ隣合うユニットの帯状部材同士の間に別の帯状部材を渡して外側から溶接してあることを特徴とする。
このキャスクでは、外筒の外側に溝が形成されているので、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できる。その結果、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、ユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接する際に、狭く長い空間で溶接することなく、すべて開放されている外側から行うことができるので、容易に外筒に溝を形成したキャスクを構成できる。なお、このキャスクには、胴本体に伝熱フィンを溶接してから帯状部材を溶接する場合も、先に帯状部材に伝熱フィンを溶接してからユニットを胴本体に溶接する場合も含まれる(以下同じ)。また、別の帯状部材を渡すとは、隣り合うユニットを構成する帯状部材同士の間に嵌め込む場合や、別の帯状部材の端縁部がユニットを構成する帯状部材の端縁部と重なって載っているような場合も含むものとする。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が外側に形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面略中央には伝熱フィンを溶接することでユニットを構成し、このユニットを所定間隔で胴本体に前記伝熱フィンをもって溶接し、且つ隣合うユニットの帯状部材同士の間に別の帯状部材を渡して外側から溶接してあることを特徴とする。
このキャスクでは、外筒の外側に溝が形成されているので、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出でき、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなくすべて開放されている外側から行うことができるので、容易に製造できる。また、帯状部材の略中央に伝熱フィンを溶接することで、帯状部材と別の帯状部材との溶接部と、伝熱フィンと帯状部材との溶接部とを離すことができるから、熱影響部が局所的に集中するのを防止することができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が外側に形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面略中央には伝熱フィンを溶接すると共に、当該伝熱フィンをもって胴本体に片側から溶接してあり、且つ隣接する帯状部材同士がその端縁部付近で溶接されていることを特徴とする。
このキャスクでは、外筒の外側に溝が形成されているので、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できる。その結果、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいは伝熱フィンをもって帯状部材を胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなくすべて開放されている外側から行うことができるので、容易に外筒に溝を形成したキャスクを製造できる。また、帯状部材の略中央に伝熱フィンを溶接することで、帯状部材同士の溶接部と、伝熱フィンと帯状部材との溶接部とを離すことができる。これにより、熱影響部が局所的に集中するのを防止することができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記帯状部材は断面山形又は谷形に曲げ形成されていることを特徴とする。このように、表面に溝を形成した帯状部材をさらに山形又は谷形に折り曲げているので、外筒の表面積をさらに大きくできる。これによって、さらに多くの熱を大気中に放出できるので、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、さらに高い安全性を確保できる。また、表面に溝を形成した帯状部材を複数組み合わせて外筒を構成するので、鋳造等の製法を利用するよりも容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体と、この胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された板状部材を折り曲げて構成されるユニットが、前記胴本体の周囲に前記溝を前記胴本体の外側に向けて複数配置されることにより構成される外筒とを有し、前記ユニットの一方の端部は前記胴本体に接合され、もう一方の端部は隣接する他のユニットの側面に接合されており、且つ前記胴本体と前記外筒との空間には中性子吸収体が設けられることを特徴とする。
このキャスクは、表面に溝が形成された板状部材を折り曲げてユニットを構成し、このユニットを組み合わせて外筒を構成する。このため、伝熱フィンと外筒とを一体で構成できるので、伝熱フィンと外筒を構成する帯状部材とを溶接する工程を省略して、さらに容易に外筒を製造できる。また、板状部材の表面には溝が形成されているので、外筒の表面積を大きくして放熱性能を向上させることができる。その結果、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても高い安全性を発揮することができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体と、内部に中性子吸収体を設けた筒状ユニットを前記胴本体の周囲に複数配置して構成した外筒とを有し、この外筒を構成する筒状ユニットの外側には前記胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が形成されており、且つ前記筒状ユニットの外側に対向する側は前記胴本体と接しており、さらに前記筒状ユニットの残る両側がそれぞれ隣り合う他の筒状ユニットの側部側と接することを特徴とする。
このキャスクは、外側表面に溝が形成された筒状ユニットを複数組み合わせて構成した外筒を備える。このため、表面に形成された溝によって外筒外側の表面積を大きくできるので、より多くの崩壊熱を大気中に放出でき、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納した場合でも高い安全性を発揮できる。また、筒状ユニットを組み合わせて外筒を構成するので、組立ての際には隣のユニットと溝の位置を半ピッチずらせることで、容易に複雑なパターン(第32図(b))を構成できる。さらに、溶接工程が少なくて済み、外筒を比較的容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は軸に垂直な方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を表面に有する複数のリング板をこのリング板の軸方向に溶接した構造であり、前記リング板の内面略中央部にリング状の伝熱フィンを溶接してユニットを構成し、このユニットを伝熱フィンをもって片側から胴本体に溶接してあり、且つ隣接するユニットのリング板の端縁同士を外側から溶接したことを特徴とする。
このキャスクでは、外側に溝を形成したリング板を複数組み合わせて外筒を構成するので、外筒の表面積を大きくして放熱性を高くできる。また、リング板と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなく、すべて開放されている外側から行うことができるので、外側に溝を形成した外筒を容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は軸に垂直な方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を表面に有する複数のリング板を軸方向に溶接した構造であり、一つのリング板の両側に端縁部を残してリング状の伝熱フィンを溶接することでユニットを構成し、このユニットを所定間隔で胴本体に前記伝熱フィンをもってユニット外側から溶接し、且つ隣合うユニットのリング板同士の間に別のリング板を配置して外側から溶接してあることを特徴とする。
このキャスクでは、外側に溝を形成したリング板を複数組み合わせて外筒を構成するので、外筒の表面積を大きくして放熱性を高くできる。また、リング板と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなく、すべて開放されている外側から作業できる。また、隣のユニットと溝の位置を半ピッチずらすことで、容易に複雑なパターン(第32図)も構成できる。これによって、表面に溝を形成した外筒を容易に製造できる。また、リング板の両側に端縁部を残して伝熱フィンを溶接している。このため、当該リング板と別のリング板とをその端縁部付近で溶接することで、伝熱フィンとリング板との溶接部を、リング板同士の溶接部から離すことができる。これにより、熱影響部が局所的に集中するのを防止することができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された複数の板状部材をそれぞれの端部同士で溶接して構成されると共に、それぞれの前記板状部材には、少なくとも一つの前記伝熱フィンが取り付けられることを特徴とする。
このキャスクは、外筒の外側に、胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成されているので、外筒の表面積を溝がない場合よりも大きくできる。これによって、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できるので、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、溝を形成した板状部材を複数組み合わせて外筒を構成するので、容易に外筒を製造できる。さらに、胴本体の断面形状が円形のみならず多角形である場合にも、複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成するので、容易にキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記溝の形成方向に垂直な上記溝の断面形状又は上記溝によって区切られる突起の形成方向に垂直な当該突起の断面形状のうち少なくとも一方は円弧状であることを特徴とする。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒には、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成されており、前記溝の形成方向に垂直な前記溝の断面形状又は前記溝によって区切られる突起の形成方向に垂直な前記突起の断面形状のうち少なくとも一方は円弧状であることを特徴とする。
このような構成により、このキャスクでは外筒の表面積を大きくして放熱性能を向上させると共に、溝又はこの溝で区切られる突起のうち少なくとも一方の断面形状が円弧状であるから溝に放射性物質が蓄積し難い。これによって、除洗の際には外筒表面に付着した放射性物質を効率よく洗い落とすことができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記溝の形成方向に垂直な断面形状は上記外筒の径方向外側が開いた台形形状であることを特徴とする。
つぎの発明にかかるキャスクは、使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、前記外筒には、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成されており、当該溝の形成方向に垂直な当該溝の断面形状は前記外筒の径方向外側が開いた台形形状であることを特徴とする。
このような構成によって、このキャスクは、放熱フィンの役割を果たす突起の側面における輻射の方向を外筒の外側に向けることができる。その結果、突起の側面同士間における輻射の影響を低減して、大気中に輻射される熱エネルギーをさらに大きくできるので、さらに放熱効率を高くできる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記胴本体の軸方向に向かう溝は、上記胴本体の軸方向に対して傾斜していることを特徴とする。このため、外筒の表面近傍を上昇する、外筒からの熱によって温められた空気は、傾きをもった溝によって上昇する流れが乱されるので、空気と外筒との伝熱が促進される。これによって、さらに放熱性能を向上させることができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、角パイプと、長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ内側面には長手方向に向かう突起部が設けられたエレメントとを有し、前記角パイプの外側面と前記エレメントの内側面に設けられた突起部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成し、さらに一のセルを構成する角パイプの外側面及びこのセルを構成するエレメントの端部を、他のセルを構成するエレメントの外側面と当接させて前記セル同士を組み合わせることで構成したバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、使用済み燃料集合体を収納する角パイプと、内側面に突起部を設けた断面L字状のエレメントとを組み合わせてセルを構成し、さらにこのセルを複数組み合わせたバスケットを備えている。また、前記セルは、エレメントに設けられた突起部によって角パイプとエレメントとの間に空間を作り、これをフラックストラップとしている。このフラックストラップによって、このバスケットは、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納しても、十分な安全性を確保できる。また、このバスケットに格納する高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料からは多くの崩壊熱が発生するが、このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、崩壊熱を効率よく大気中に放出して十分な安全性を確保できる。
また、このバスケットを構成する角パイプ及びエレメントの表面積は無闇に大きくならないので、押し出し機の推力がそれ程大きくなくとも十分に製造できる。また、エレメントの形状もそれ程複雑ではないので、押し出しダイスの寿命も確保できる。その結果、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料を格納するキャスクを容易に製造でき、また、製造コストも低く抑えることができる。特に、BやB化合物を含有したAl材のような難押し出し材でバスケットを構成する場合に、この発明の効果は顕著である。なお、突起部の端部とは、エレメントの側面に設けられた突起部の開放端をいい、角パイプと当接する部分である(以下同様)。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、角パイプと、長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ内側面には長手方向に向かう突起部が設けられ、さらに外側面は平面に形成されたエレメントとを有し、前記角パイプの外側面と前記エレメントの内側面に設けられた突起部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成し、さらに一のセルを構成する角パイプの外側面及びこのセルを構成するエレメントの端部を、他のセルを構成するエレメントの外側面と平面で当接させて前記セル同士を組み合わせることで構成したバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、エレメントの外側面を平面に形成し、一のセルを構成するエレメントの外側面と他のセルを構成する角パイプの外側面及び他のセルを構成するエレメントの端部とを平面で当接させて構成したバスケットを備える。このため、伝熱面積を大きくできるので、発熱量が大きい高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を収納した場合には、バスケットの内部から外部へ効率よくこの熱が伝えられる。そして、このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、大量の崩壊熱を効率よく大気中に放出して十分な安全性を確保できる。これによって、バスケットの温度上昇を抑えることができるので、キャスク全体の安全性を高くでき、また、バスケットを構成する材料には無闇に耐熱温度が高いものを使用しなくともよいので、バスケットを設計する際の自由度を大きくできる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記エレメントのコーナー部外側を上記エレメントの長手方向全領域にわたって平面に形成し、且つ当該平面と組み合わされるように当該平面と平行にこのエレメントの一方の端部を平面に形成して、上記セルを組合せる際に一のエレメントのコーナー部外側と他のエレメントの前記一方の端部とを当接させることで構成したバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、エレメントのコーナー部外側にエレメントの長手方向に向かう平面を設け、また、エレメントの一方の端部には、前記平面と平行な平面を形成する。そして、使用済み燃料集合体収納用バスケットを組み立てる際には、前記二つの平面同士を当接させて構成したバスケットを備える。前記バスケットを構成するエレメントのコーナー部外側等に形成された平面は、エレメントの長手方向に垂直な断面で見るとコーナー部外側が斜めに切り取られた形に形成されているので、エレメント同士が当接する面積を大きくできる。これによって、伝熱面積が大きくなるので、より効率よく使用済み燃料の崩壊熱をバスケットの外部へ逃がすことができる。そして、このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、大量の崩壊熱を効率よく大気中に放出して、キャスクの十分な安全性を確保できる。また、バスケットを構成するエレメント同士が当接する面積は上記バスケットよりも大きくなるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応力も小さくできる。これによって、応力伝達の際における負担を小さくできるので、キャスクの安全性、信頼性をより高くできる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、上記エレメントのコーナー部外側を上記エレメントの長手方向に垂直な断面が階段状となるように形成して上記エレメントの長手方向に向かう段部を設け、且つ階段状に形成した前記コーナー部外側の少なくとも一の段部と噛み合うようにこのエレメントの端部を階段状に形成して、上記セルを組み合わせる際に一のエレメントのコーナー部外側と他のエレメントの一方の端部とを噛み合わせることで構成したバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、バスケットを構成するエレメントのコーナー部外側と端部とを階段状に形成し、セルを構成するエレメントのコーナー部と端部とを噛み合わせて組み立てたバスケットを備える。このため、上記バスケットと比較してエレメント同士が当接する面積をさらに大きくできるので、伝熱面積がより大きくなる。その結果、さらに効率よく使用済み燃料の崩壊熱がバスケットの外部へ伝わった場合でも、このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、大量の熱を効率よく大気中に放出して、キャスクの十分な安全性を確保できる。また、エレメント同士の当接する面積がより大きくなるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応力もより小さくできる。これによって、応力伝達の際における負担を小さくできるので、バスケットの信頼性をより高くできる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、角パイプと、長手方向に垂直な断面形状がL字状で、且つ外側面には長手方向に向かう突起部が設けられたエレメントとを有し、前記角パイプの内部に前記エレメントを配置し、且つ前記角パイプの内側面と前記エレメントに設けられた突起部の端部とを当接させて使用済み燃料集合体を収納するセルを構成して、さらに複数の当該セルを、エレメントが存在する側の角パイプ外側面と角パイプの壁面のみの角パイプ外側面とを当接させて組み合わせることで構成したバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、長手方向に向かう溝を外側面に設けた、横断面が略L字状のエレメントを角パイプの内部へ配置して使用済み燃料集合体を収納するセルを構成し、このセルを複数組み合わせて構成したバスケットを備える。そして、エレメントの溝と角パイプの内壁とで仕切られた空間をフラックストラップとする。このフラックストラップによって、このバスケットは、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納しても、十分な安全性を確保できる。また、このバスケットに格納する高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料からは多くの崩壊熱が発生するが、このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、崩壊熱を効率よく大気中に放出して十分な安全性を確保できる。
また、角パイプやエレメントにB−Al材のような難押し出し材を使用しても押出し成形機の能力内でこれらを製造できる。これによって、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納するために、フラックストラップを備えた複雑な形状のバスケットであっても容易に製造できる。また、角パイプやエレメントを無理なく押出し成形できるので傷や肌荒れ等も低減でき、製品の歩留まりも向上する。
さらに、溶接によらず角パイプとエレメントとを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部における性能劣化のおそれもなく、また使用済み燃料集合体収納用バスケットの製造も容易になる。また、エレメントを角パイプの内部に配置すれば、自動的にエレメントの動きが規制されるので、バスケットは角パイプを組み合わせるだけで構成できる。これによって高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を収納するバスケットをキャスクのキャビティ内に設置する際の手間が軽減されるので、キャスクを組み立てる際の手間を軽減できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、さらに、角部外側を階段状に形成し、且つ側面内部に当該側面外壁側と内壁側とを隔てる空間を設けた角パイプを複数組み合わせることにより構成されるバスケットであって、前記角パイプの角部外側同士を突合せて前記角パイプ同士を千鳥状に組み合わせ、さらに前記角パイプ内の空間及び当該角パイプの側面で囲まれた空間にそれぞれ使用済み燃料集合体を格納するバスケットを備えたことを特徴とする。
このキャスクは、側面内部に当該側面外壁側と内壁側とを隔てる空間をフラックストラップとして設けた複数の角パイプ同士を千鳥状に組み合わせて構成したバスケットを備える。このフラックストラップによって、このキャスクに収納されるバスケットは、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納することができる。このとき、角パイプ同士を千鳥状に配置しているので、角パイプの側面同士を合わせて構成するバスケットと比較して角パイプ側面の肉厚を薄くできる。これによって、伝熱性能が従来よりも向上するので、より多くの熱をバスケットの外に伝えることができる。このバスケットを収納するキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、バスケットから伝わる多くの熱を効率よく大気中に放出して十分な安全性を確保できる。
なお、この使用済み燃料収納用角パイプは角部を階段状に形成してあるため、厳密には角パイプとはいえない。しかし、このパイプの軸方向に垂直な断面内形状は四角形であり、外形も全体的に見ると略四角形であるため本発明においては角パイプの概念に含めるものとする。また、「角パイプ同士を千鳥状に組み合わせて」とは、「角パイプ同士を互いに斜めに組み合わせる」ことをいい、例えば第10図に示すような配列をいう。以下同様である。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、前記角パイプの角部外側は少なくとも二段の階段状に形成されていることを特徴とする。
このキャスクは、上記各キャスクにおいて、キャビティ内に格納するバスケットを構成する角パイプの角部外側を、少なくとも二段の階段状に形成してある。これによって、角部における肉厚を角パイプの側面における肉厚の半分以上確保でき、その分伝熱性能が向上するが、このキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、バスケットから伝わる多くの熱を効率よく大気中に放出して十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記に記載のキャスクにおいて、上記バスケットは、中性子吸収性能を有する矩形の板状部材の両縁に一定間隔をもって切込部を設けると共に当該切込部同士を相互に差し込むように前記板状部材を直交して交互に積み重ねて構成した角断面形状のバスケットであり、
前記胴本体内に形成されるキャビティ内を前記バスケットの外形に合わせた形状として前記バスケットの外周面を略密着状態で挿入し、且つ前記バスケットを構成する外側の板状部材の角断面形状の部分が前記キャビティ内面に接触した状態とすることを特徴とする。
使用済み燃料集合体は、放射線を発生すると共に崩壊熱を伴う。この使用済み燃料集合体は、板状部材を組み合わせた格子状(菓子折り状)のバスケットのセル内に収容することになるが、ここで、胴本体のキャビティ内をバスケットの外形に合わせた形状にすることで、当該バスケットをキャビティ内に挿入した場合に、外側の板状部材(特に角断面形状の部分)がキャビティの内面に接触した状態になる。また、キャビティ内の形状をバスケットの外形に合わせることで、バスケットとキャビティとの空間をなくすか或いは微小にできる。このため、前記崩壊熱は、内部に導入するヘリウムガスや直接接触部分を介して、バスケットから胴本体へと効率的に伝導する。これによって、使用済み燃料集合体からの崩壊熱を効率よく胴本体に伝えることができると共に、外筒に形成した溝によってこの崩壊熱を胴本体から大気中へ効率よく放出できるので、キャスクの十分な安全性を確保できる。
また、キャビティ内の空間を微小或いは無くしたことにより、胴本体の外径を小さくすることができる。反対に、胴本体の外径が同じであれば、より多くのセルを形成できる。なお、上記接触状態とは、完全且つ常時、キャビティ内面とバスケット外面とが接触している必要はなく、僅かな隙間が存在したり一時的に接触が解かれたりする場合があることを含むものとする。また、上記板状部材には、図13〜図15に示すような中空構造のものも含まれる。
つぎの発明にかかるキャスクは、上記バスケットは、中性子吸収性能を有する矩形の板状部材の両縁に一定間隔をもって切込部を設けると共に当該切込部同士を相互に差し込むように前記板状部材を直交して交互に積み重ねて構成し、さらに外周面は伝熱板が設けられた角断面形状のバスケットであり、前記胴本体内に形成されるキャビティ内を前記バスケットの外形に合わせた形状とし、且つ前記キャビティの内形状が前記伝熱板と略密着状態になるようにすることを特徴とする。
このキャスクは、菓子折り形のバスケットの外形に合わせてキャビティを形成したので、バスケットから胴本体への熱伝導効率が向上する。特に、バスケット外周面に設けた伝熱板を介して胴本体に崩壊熱が効率的に伝わり、また、バスケットの角断面部分においては一部が胴本体に面接触していることでバスケットを確実に保持すると共に熱伝導効率の向上に寄与している。これによって、使用済み燃料集合体からの崩壊熱を効率よく胴本体に伝えることができると共に、外筒に形成した溝によってこの崩壊熱を胴本体から大気中へ効率よく放出できるので、キャスクの十分な安全性を確保できる。このキャスクは、特に発熱量の大きい使用済燃料集合体を収納する場合に好ましい構造である。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、帯状部材A及び帯状部材Bの片面に、前記キャスク胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝を形成する工程と、前記帯状部材Aの前記溝を形成した反対面の両側に端縁部を残して伝熱フィンを溶接してユニット化する工程と、複数のユニットを胴本体に対して前記伝熱フィンをもってユニット外側から溶接する工程と、前記帯状部材Aと隣合う帯状部材Aとの間に帯状部材Bを嵌め込み、帯状部材A、Bそれぞれの端縁部付近で外側から溶接する工程とを含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクを組み立てる場合に好適である。まず、片面に複数の溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらを溶接しやすくする。これに対し、伝熱フィンを胴本体に溶接してから片面に複数の溝を形成した帯状部材を溶接してもよいが、この場合には当該帯状部材Aの裏側から溶接することになるので、作業が多少面倒になる(以下同じ)。なお、上記キャスクに後者の方法を用いても構わない。
次に、ユニットを胴本体に溶接するにあたり、ユニットの外側から溶接するようにし、続いて帯状部材Bを帯状部材Aの間に嵌め込んで溶接するときも、外側から溶接するようにする。これにより、従来のような狭くて長い空間内で専用溶接機を用いて溶接する必要がなくなり、すべて外側から溶接できるから、外筒に複数の溝を形成したキャスクの組立て作業を容易にすることができる。特に、組立て技術が未発達の外国においても既存の通常の溶接技術をもってキャスクを組み立てることが可能になる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、大掛かりな鋳造設備や曲げ装置が不要となり、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。さらに、胴本体の断面形状が円形のみならず多角形である場合にも、複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成するので、容易にキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、帯状部材A及び帯状部材Bの片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝を形成する工程と、帯状部材Aの前記溝を形成した反対面の略中央に伝熱フィンを溶接することでユニット化する工程と、少なくとも2つのユニットを所定間隔で胴本体に対して並べ、前記伝熱フィンをもって溶接する工程と、隣合うユニットの帯状部材Aと帯状部材Aとの間に別の帯状部材Bを渡して外側から溶接する工程とを含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクを組み立てる場合に好適である。まず、片面に溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらを溶接しやすくする。次に、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、ユニットの断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側からの溶接作業が可能となる。また、帯状部材A、Aの間に帯状部材Bを渡して溶接するときも、外側から溶接する。このため、従来のような狭くて長い空間内で専用溶接機を用いて溶接する必要がなくなり、すべて外側から溶接できるから、外筒に複数の溝を有するキャスクの組立て作業が容易にできる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、大掛かりな鋳造設備や曲げ装置が不要となり、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。さらに、胴本体の断面形状が円形のみならず多角形である場合にも、複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成するので、容易にキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、帯状部材A及び帯状部材Bの片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝を形成する工程と、帯状部材Aの前記溝を形成した反対面の略中央に伝熱フィンを溶接する工程と、帯状部材Aを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から溶接する工程と、次の帯状部材Aを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から溶接すると共に、隣接する帯状部材A同士をその端縁部付近で溶接する工程とを含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクを組み立てる場合に好適である。まず、片面に複数の溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接することで、溶接作業を容易にする。次に、帯状部材Aを伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側から溶接することができる。また、帯状部材A、A同士を溶接するときも外側から溶接する。このため、従来のような狭くて長い空間内で専用溶接機を用いて溶接する必要がなくなり、すべて外側から溶接できるから、複数の溝が形成された外筒を有するキャスクの組立て作業を容易にすることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、大掛かりな鋳造設備や曲げ装置が不要となり、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。さらに、胴本体の断面形状が円形のみならず多角形である場合にも、溝を形成した複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成するので、容易にキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、帯状部材の片面に、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝を形成する工程と、前記溝が形成されている面が外側になるように前記帯状部材を曲げて、この帯状部材の長手方向における両端縁部を溶接して環状のリング板Aを形成する工程と、このリング板Aの内面略中央部にリング状の伝熱フィンを溶接してユニット化する工程と、このユニットを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から軸方向に溶接する工程と、次のユニットを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から軸方向に溶接すると共に、隣接するリング板Aの端縁同士を外側から溶接する工程とを含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクを組み立てる場合に好適である。まず、外側に複数の溝を形成したリング板Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらを溶接しやすくする。次に、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、ユニットの断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側から溶接できる。また、外側に複数の溝が形成されたリング板A同士を溶接するときも、外側から溶接する。このため、従来のような狭くて長い空間内で専用溶接機を用いて溶接する必要がなくなり、すべて外側から溶接できるから、複数の溝が形成された外筒を有するキャスクの組立てが容易になる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、大掛かりな鋳造設備や曲げ装置が不要となり、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、帯状部材の片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝を形成する工程と、前記溝が形成されている面が外側になるように前記帯状部材を曲げて、この帯状部材の長手方向における両端縁部を溶接して環状のリング板Aを形成する工程と、このリング板Aの内面略中央部にリング状の伝熱フィンを溶接してユニット化する工程と、このユニットを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から軸方向に溶接する工程と、リング状に成形した成形中性子吸収体の略半分をユニット内に収める工程と、次のユニットを胴本体に対して伝熱フィンをもって開放側から軸方向に溶接すると共に隣接するリング板Aの端縁同士を外側から溶接し且つ前記成形した成形中性子吸収体の残り半分をユニット内に収める工程と、を含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクを組み立てる場合に好適である。このキャスクでは、上記同様、外側に複数の溝を形成したリング板Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化し、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するため、開放状態にある外側から溶接ができる。続いて、リング状に成形した成形中性子吸収体をユニット内に収めた状態で、次のユニットを外側から溶接すると共に前記成形中性子吸収体をユニット内に収め、リング板Aの端縁同士を外側から溶接する。これにより、従来のような狭くて長い空間内で専用溶接機を用いて溶接する必要がなくなり、すべて外側から溶接できるから、表面に複数の溝を有する外筒を備えたキャスクを容易に組み立てることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、大掛かりな鋳造設備や曲げ装置が不要となり、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、前記外筒を構成するための板状部材の片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を形成する工程と、前記複数の溝が形成されている面が前記胴本体の外側に位置するように、前記板状部材を前記胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げ成形する工程と、曲げ成形した前記板状部材の端部同士を接合して、筒状の外筒を構成する工程と、前記胴本体へ前記外筒を嵌め込む工程と、前記外筒の内面と前記胴本体の外面とを前記伝熱フィンによって連結する工程と、を含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、予め表面に溝を形成した板状部材を曲げ加工し、この板状部材同士をそれぞれの端部で溶接して筒状の外筒を製造する。そして、胴本体にこの外筒を嵌め込んだ後、伝熱フィンと胴本体の外面及び伝熱フィンと外筒内面とを溶接する。このように、板状部材を胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げるため、外筒を構成する板状部材の個数を低減でき、キャスクの製造工程を簡略化できる。なお、外筒の内面と胴本体の外面とを伝熱フィンによって連結するにあたっては、伝熱フィンを予め外筒内面に接合してから伝熱フィンの残りの一端を胴本体外面に接合してもよいし、伝熱フィンを予め胴本体外面に接合してから伝熱フィンの残りの一端を外筒内面に接合してもよい。また、外筒を胴本体に嵌め込んでから、外筒の内面と胴本体の外面との間に伝熱フィンを配置して、伝熱フィンの端部を外筒の内面及び胴本体の外面と接合してもよい。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、前記外筒を構成するための板状部材の片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を形成する工程と、前記複数の溝が形成されている面が前記胴本体の外側に位置するように、前記板状部材を前記胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げ成形する工程と、曲げ成形した前記板状部材の前記溝が形成されている面とは反対面と、前記胴本体の外面とを前記伝熱フィンによって連結する工程と、前記伝熱フィンによって前記胴本体に取り付けた前記板状部材の端部同士を接合して、筒状の外筒を構成する工程と、含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、予め表面に溝を形成した板状部材を曲げ加工し、この板状部材を伝熱フィンを介して胴本体の外面に取り付ける。そして、胴本体に取り付けた板状部材の端部同士を接合して、筒状の外筒を構成する。このように、板を胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げるため、外筒を構成する板状部材の個数を低減でき、キャスクの製造工程を簡略化できる。なお、板状部材の溝が形成されている側と反対面(溝側反対面)と胴本体の外面とを伝熱フィンによって連結するにあたっては、伝熱フィンを予め板状部材の溝側反対面に接合してから伝熱フィンの残りの一端を胴本体外面に接合してもよいし、伝熱フィンを予め胴本体外面に接合してから伝熱フィンの残りの一端を板状部材の溝側反対面に接合してもよい。また、板状部材と胴本体とを伝熱フィンによって接合しながら、隣り合う板状部材の端部同士を接合することによって外筒を形成してもよい。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、使用済み燃料集合体を収納する胴本体の外周に伝熱フィンを複数設け、その伝熱フィンの外周に外筒を取り付けたキャスクを製造するにあたり、板状部材の片面に、前記キャスクの軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を形成する工程と、前記複数の溝が形成されている面が外側になるように前記板状部材を円弧状に曲げる工程と、円弧状に曲げた前記板状部材の端部同士を接合して、筒状の外筒を構成する工程と、予め外周部へ放射状に複数の伝熱フィンを設けた胴本体へ前記外筒を嵌め込む工程と、前記外筒の内面と前記伝熱フィンの端部とを溶接する工程とを含むことを特徴とする。
このキャスクの製造方法は、予め表面に溝を形成した板状部材を曲げ加工し、この板状部材同士をそれぞれの端部で溶接して円筒状の外筒を製造する。そして、放射状に伝熱フィンを設けた胴本体に円筒状の外筒を嵌め込んだ後、伝熱フィンの端部と外筒内面とを溶接する。このように、板を円弧状に曲げるため、断面が円形の胴本体を持つキャスクを製造する場合に好適である。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、上記に記載のキャスクの製造方法において、上記溝の配列方向に上記溝の配列ピッチで複数の切削工具を配列して、上記帯状部材又は板状部材に複数の上記溝を同時に形成することを特徴とする。このため、複数の溝を同時に形成できるので、複数の溝を形成する手間を大幅に短縮できる。特に、表面に複数の溝を形成した複数の帯状部材を組み合わせて構成した外筒を備えたキャスクを製造する場合には、多くの複数の溝を形成した帯状部材を効率的に製造できるので、製造時間を大幅に短縮できる。
第1図は、この発明の実施の形態1にかかるキャスクを示す斜視図であり、第2図は、第1図に示したキャスクを示す径方向断面図であり、第3図は、一次蓋及び二次蓋と胴本体との密閉構造を示す断面図であり、第4図は、溝の部分の拡大図であり、第5図は、第4図のB−B断面図であり、第6図は、第2図に示したバスケットの一部拡大図であり、第7図は、角パイプと横断面L字状のエレメントとを組み合わせて構成した他のバスケットの一部を示す説明図であり、第8図は、角パイプと横断面L字状のエレメントとを組み合わせて構成した他のバスケットの一部を示す説明図であり、第9図は、角パイプの内部に横断面L字状のエレメントを配置したセルを組み合わせたバスケットの一部を示す説明図であり、第10図は、角パイプを千鳥状に組んだバスケットを示す説明図であり、第11図は、角パイプを千鳥状に組んだバスケットの他の例を示す説明図であり、第12図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットを備える本発明のキャスクを示す径方向断面図であり、第13図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットの構成を示す説明図であり、第14図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットの構成を示す説明図であり、第15図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットの構成を示す説明図であり、第16図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットを備える本発明のキャスクの他の例を示す径方向断面図であり、第17図は、この発明の実施の形態1にかかる外筒及び伝熱フィンの構造を示すキャスクの軸方向に垂直な一部断面図であり、第18図は、この発明の実施の形態1にかかる外筒の一部を示す拡大図であり、第19図は、この発明にかかる帯状部材の放熱面に溝を形成する加工装置を示す説明図であり、第20図は、この発明にかかる溝の形成方法を示すフローチャートであり、第21図は、上記バスケットを構成する板状部材の製造方法を示すフローチャートであり、第22図は、キャビティの加工装置を示す概略斜視図であり、第23図は、キャビティの加工方法を示す概略説明図であり、第24図は、外筒及び伝熱フィンの組立て手順を示す説明図であり、第25図は、上記外筒及び伝熱フィンの変形例を示す説明図であり、第26図は、上記外筒及び伝熱フィンの変形例を示す説明図であり、第27図は、上記外筒及び伝熱フィンの変形例を示す説明図であり、第28図は、実施の形態1の第1変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図であり、第29図は、実施の形態1の第2変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図であり、第30図は、実施の形態1の第3変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図であり、第31図は、実施の形態1の第4変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図であり、第32図は、実施の形態2にかかるキャスクの外筒を示す説明図であり、第33図は、この発明の実施の形態3にかかるキャスクの説明図であり、第34図は、第33図に示したキャスクの変形例であり、第35図は、この発明の実施の形態4にかかるキャスクを示す説明図であり、第36図は、第35図のキャスクの変形例を示す説明図であり、第37図は、第35図に示すキャスクの外筒の変形例を示す説明図であり、第38図は、この発明の実施の形態5にかかるキャスクの外筒を示す平面図であり、第39図は、第38図に示した外筒の変形例を示す平面図であり、第40図は、この発明の実施の形態6にかかるキャスクを示す組立て図であり、第41図は、第40図のA−A断面図であり、第42図は、この発明の実施の形態6にかかるキャスクを示す組立て図であり、第43図は、第42図のA−A断面図であり、第44図は、この発明の実施の形態6にかかる変形例を示す組立て図であり、第45図は、第44図に示したキャスクの一部断面図であり、第46図は、この発明の実施の形態7にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図であり、第47図は、実施の形態7の第1変形例にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図であり、第48図は、実施の形態7の第2変形例にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図であり、第49図は、この発明の実施の形態8にかかるキャスクを示す説明図であり、第50図は、この発明の実施の形態8にかかるキャスクを示す説明図であり、第51図は、実施の形態8の変形例にかかるキャスクを示す説明図であり、第52図は、キャスクの一例を示す斜視図であり、第53図は、第52図に示したキャスクを示す軸方向断面図である。
以下、この発明にかかるキャスクにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。なお、この発明にかかるキャスクは、発熱量の大きいPWR(Pressurized Water Reactor:加圧水型原子炉)用の使用済み燃料集合体を収納する場合に特に適するが、適用対象はこれに限られるものではない。
(実施の形態1)
第1図は、この発明の実施の形態1にかかるキャスクを示す斜視図である。第2図は、第1図に示したキャスクの径方向断面図である。このキャスク100は、胴本体の軸方向に向かう溝30sが形成された複数の帯状部材105a、105bによって構成した外筒10を備えた点に特徴がある。なお、第1図では、外筒10及び胴本体102を簡略に記載しているが、実際の外筒10及び胴本体102は、第2図に示すような形状・構成である。次に、この実施の形態1にかかるキャスク100の構成について説明する。
このキャスク100は、胴本体101のキャビティ102内面をバスケット301aの外周形状に合わせて機械加工したものである。キャビティ102内面の機械加工は、後述する専用の加工装置によってフライス加工する。バスケット301aは、角パイプ320と横断面形状がL字状のエレメント330とを組み合わせたもので、格子状のセル310が複数形成される。そして、使用済み燃料集合体は、セル310内に格納される。バスケット310aについては、後述する。
胴本体101及び底板104は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品である。なお、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。前記胴本体101と底板104は、溶接により結合する。また、耐圧容器としての密閉性能を確保するため、一次蓋110と胴本体101との間には金属ガスケットを設けておく。
胴本体101と外筒10との間には、中性子吸収体106が備えられている。この中性子吸収体は、製造のし易さを考慮して、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するレジンを使用することが好ましい。また、胴本体101と外筒10との間には熱伝導を行う複数の銅製の伝熱フィン107が溶接されており、前記中性子吸収体106は、この伝熱フィン107によって形成される空間に流動状態で注入され、冷却固化される。なお、当該空間内にアルミニウム製或いは銅製のハニカム体を配置し、このハニカム内に中性子遮蔽体を圧入充填するようにしてもよい(図示省略)。また、伝熱フィン107は、放熱を均一に行うため、熱量の多い部分に高い密度で設けるようにするのが好ましい。中性子吸収体106と外筒10との間には、数mmの熱膨張しろが設けられる。
蓋部109は、一次蓋110と二次蓋111とにより構成される。この一次蓋110は、γ線を遮蔽するステンレス鋼又は炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋111もステンレス鋼製又は炭素鋼製の円盤形状であるが、その上面には中性子吸収体112が封入されている。一次蓋110及び二次蓋111は、ステンレス製又は炭素鋼製のボルトによって胴本体101に取り付けられている。さらに、一次蓋110及び二次蓋111と胴本体101との間にはそれぞれ環状の金属ガスケット(図示せず)が設けられ、内部の密封性を保持している。キャスク本体の両側には、キャスク100を吊り下げるためのトラニオン117が設けられている。
このトラニオン117は、胴本体101に対して直接取り付けられる。このとき、トラニオン117の取り付け位置は、胴本体101の第2図に示す位置に設けるようにするのが好ましい。当該位置では、面一部分301aよりも胴本体101の厚みに多少の余裕があるため、トラニオン座を加工してもγ線遮蔽の観点から影響が少ないからである。また、トラニオン117内には中性子吸収体117aが充填される。
第3図は、一次蓋及び二次蓋と胴本体との密閉構造を示す断面図である。第4図は、溝の部分の拡大図である。また、第5図は、第4図のB−B断面図である。一次蓋110及び二次蓋111には周方向に向かう溝620が設けられており、この溝620に環状の金属ガスケット610が収められている。使用済み燃料集合体は水の満たされた使用済み燃料ピットで除熱されてからキャスク100内に収納される。そして、キャスク100を水の満たされたキャスクピット内に沈めて使用済み燃料集合体をキャスク100内に収納した後、一次蓋110と二次蓋111とをキャスク100の胴本体101に取り付けて密封する。このため、溝620内に水が残留するので、貯蔵前にこの水を取り除く必要がある。この手順について説明する。
一次蓋110及び二次蓋111には、溝620に気体を送り込む通気孔190が設けられており、胴本体101には、溝620内の水を外部に排出するための排水孔192が設けられている。また、第4図及び第5図に示すように、通気孔190と排水孔192との間には軟質金属等の密封部材194が設けられている。溝620内に残留した水を取り除くときには、通気孔190から高圧の気体を溝620内に送り込む。溝620内は密封部材194によって仕切られているため、溝620内に残留した水が第5図(b)の矢印D方向に向かって移動して、排水孔192からキャスクの外部へ排出される。排水孔192は胴本体101側に設けられているので、溝620内の水は密封部材194の近傍に残留することなく溝620の外部へ排出される。溝620内の水を取り除いたら、通気孔190と排水孔192の入口にねじ式の止め栓を取り付けて密封する。
次に、キャスク100のキャビティ102内に収納される使用済み燃料集合体を格納するバスケット301aについて説明する。第6図は、第2図に示したバスケットの一部拡大図である。この発明にかかるバスケットの構成を示す説明図である。このバスケット301aは、長手方向に向かう溝部が設けられたエレメント330を角パイプ320の外側へ当接させて使用済み燃料集合体を収納する一つのセル310を作り、このセル310を複数組み合わせて構成した点に特徴がある。
使用済み燃料集合体を収納するセル310を構成する角パイプ320は、AlやAl合金粉末に中性子吸収性能を持つB(ボロン)やB化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材又はアルミニウム合金(以下B−Al材という)によって製造されている。これは、使用済み燃料集合体収納用バスケットには挿入した使用済み燃料集合体が臨界に達することを防止する機能が求められるからである。また、このようなB−Al材は強度と伸びとのバランスをとっており、耐衝撃性能が要求されるキャスク用の使用済み燃料集合体収納用バスケットに適している。
同様の理由から、長手方向に向かう溝が設けられたエレメントであるエレメント330も、Al又はAl合金粉末に中性子吸収性能を持つB(ボロン)又はB化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材又はアルミニウム合金によって製造することが好ましい。但し、この実施の形態においては必ずしもB−Al材を使用する必要はなく、角パイプ320のみで中性子吸収性能が確保できれば、他の材料を使用してもよい。
第6図(b)に示すように、角パイプ320の断面内形状は正方形であり、その内部に使用済み燃料集合体を収納できるようになっている。そして、この角パイプ320は断面内寸法も使用済み燃料集合体の外形寸法に合わせてある。また、エレメント330は長手方向に垂直な断面がL字形状となっている。そして、第6図(b)に示すように、エレメント330の角パイプ320と接する側には、エレメント330の長手方向に向かう突起部330tが設けられている。そして、この突起部330tによって仕切られた部分が、エレメント330の長手方向に向かう溝部330sを形成する。
なお、この例において突起部330tの個数は断面L字形のエレメント330の一辺当たり2個であるが、突起部330tの個数は2個に限定されない。突起部330tの個数を増やした場合には、角パイプ320とエレメント330との接する面積を大きくできるので、伝熱性能を高くでき好ましい。エレメント330のコーナー部内側330ciには、エレメント330の長手方向に向かう段部330aが設けられている。これにより、エレメント330のコーナー部内側330ciは階段状に形成されて、この段部330aが角パイプ320のコーナー部外側320coと当接する。この段部330aによって、角パイプ320とエレメント330とのずれが防止できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット301aを容易に組み立てることができる。また、この段部330aによってセル310及びこれに収納される使用済み燃料集合体の荷重をより確実に伝達できるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット330aの信頼性も向上する。
使用済み燃料集合体を収納するセル310は、角パイプ320の外側面320sとエレメント330の突起部330tの端部、及び角パイプ320のコーナー部外側320coとエレメント330の段部330aが当接して構成される。ここで、使用済み燃料集合体は、角パイプ320の内部に収納される。また、エレメント330に設けられた溝部330sがフラックストラップを形成して、角パイプ320の内部に収納された使用済み燃料集合体から放射される中性子を遮蔽する。
一のセル310を構成するエレメント330の外側面330bと他のセル310を構成する角パイプ320の外側面320sとが当接して複数のセル10同士が組み合わされる。このようにして複数のセル10を組み合わせて、使用済み燃料集合体を収納する使用済み燃料集合体収納用バスケット301a(第2図、第6図参照)が構成される。このとき、エレメント330の外側面330bと角パイプ320の外側面320sとは平面で当接させることが好ましい。角パイプ320の内部に収納される使用済み燃料集合体は崩壊熱を発生するので高温になるが、上記のようにすればエレメント330と角パイプ320との伝熱面積を大きくできるからである。
このバスケット301a(第2図、第6図参照)は、角パイプ320とエレメント330とを組み合わせたセル310を複数組み合わせて構成されている。このため、難押し出し材であるB−Al材を使用しても押出し成形機の能力内で角パイプ320とエレメント330とを製造できる。これによって、フラックストラップを備えた複雑な形状の使用済み燃料集合体収納用バスケット301aであっても容易に製造できる。また、溶接によらず角パイプ320とエレメント330とを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部における性能劣化のおそれもなく、またバスケット301aの製造も容易になる。さらに、角パイプ320とエレメント330とは容易に分離できるので、一度組み立てたバスケット301aを容易に分解して補修、再利用でき、経済的である。
第7図は、角パイプと横断面L字状のエレメントとを組み合わせて構成した他のバスケットの一部を示す説明図である。このバスケット301bは、エレメント331のコーナー部外側331coをエレメント331の長手方向全領域にわたって平面に形成してコーナー部当接面331cpを設け、隣に配置されているエレメント331の端部331fにおけるコーナー部当接面331cpを平行に形成して端部当接面331fpを設け、コーナー部当接面331cpと端部当接面331fpとを当接させる点に特徴がある。
第7図(b)に示すように、エレメント331のコーナー部外側331coは、長手方向に垂直な断面で見ると斜めに切り取られた形に形成されている。すなわち、当該コーナー部外側331coはエレメント331の長手方向全域にわたって平面に形成されており、この平面がコーナー部当接面331cpとなる。また、エレメント331の端部331fは、コーナー部当接面331cpと平行な平面に形成されており、この平面が端部当接面331fpとなる。第9図(a)に示すように、使用済み燃料集合体収納用バスケット301bを組み立てた際には、コーナー部当接面331cpと端部当接面331fpとが当接するようになっている。なお、コーナー部当接面331cp及び端部当接面331fpは、隣に配置されているエレメント331の端部331fに形成された端部当接面331fpと当接して、応力を伝達し、また、崩壊熱を伝える。
この使用済み燃料集合体収納用バスケット301bは、エレメント331に形成されたコーナー部当接面331cpと端部当接面331fpとを当接させて組み立てられる。これらの当接面は、エレメント331の長手方向に垂直な断面で見るとエレメント331のコーナー部外側331coが斜めに切り取られた形に形成されている。このため、上記エレメント330と比較して、エレメント331同士が当接する面積を大きくできる。これによって、伝熱面積が大きくなるので、より効率よく使用済み燃料集合体の崩壊熱をバスケット301bの外部へ逃がすことができる。また、エレメント331同士の当接する面積がより大きくなるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応力も上記エレメント330よりも小さくなる。これによって、応力伝達の際における負担を小さくできるので、使用済み燃料集合体収納用バスケット301bの信頼性をより高くできる。
第8図は、角パイプと横断面L字状のエレメントとを組み合わせて構成した他のバスケットの一部を示す説明図である。この使用済み燃料集合体収納用バスケット301cは、エレメント332のコーナー部外側332coに段部を設け、これと噛み合うように隣に配置されているエレメント332の端部332fにも段部を設ける。そして、両者を噛み合わせて使用済み燃料集合体収納用バスケット301cを構成する点に特徴がある。
第8図(b)に示すように、エレメント332のコーナー部外側332coには段部332cyが設けられている。また、同図(c)に示すように、エレメント332の端部332fにも、隣に配置されたエレメント332のコーナー部332coと噛み合うように、段部332fyが設けられている。そして、第8図(a)に示すように、使用済み燃料集合体収納用バスケット301cを組み立てた際には、コーナー部332cと端部332fとが噛み合う。
この使用済み燃料集合体収納用バスケット301cは、階段状に形成されたエレメント332のコーナー部332cと端部332fとを噛み合わせて組み立てられる。このため、上記エレメント331と比較して、X及びY方向(第8図(a)参照)に対する動き、すなわち、エレメント332の長手方向に垂直な方向に向かう動きを規制できる。これによって、キャスクが落下等した場合における衝撃によるずれをさらに抑えることができる。その結果、さらに信頼性の高いバスケット301cを構成することができる。また、X及びY方向に対してエレメント332の動きを規制できるので、バスケット301cの組立てもより容易になる。
また、このエレメント332は、上記エレメント331と比較して、エレメント332同士が当接する面積をさらに大きくできる。これによって、伝熱面積が大きくなるのでより効率よく使用済み燃料集合体の崩壊熱をバスケット301cの外部へ逃がすことができる。また、エレメント332同士の当接する面積がより大きくなるので、荷重が作用した場合にこの部分に発生する応力も、上記エレメント331よりも小さくなる。これによって、応力伝達の際における負担を小さくできるので、バスケット301cの信頼性をより高くでき、キャスクの安全性・信頼性向上に寄与する。
第9図は、角パイプの内部に横断面L字状のエレメントを配置したセルを組み合わせたバスケットの一部を示す説明図である。このバスケット301dは、長手方向に向かう溝を設けたエレメント337を角パイプ320の内部へ配置して使用済み燃料集合体を収納するセル316を構成する点に特徴がある。
角パイプ320及びエレメント337は、B−Al材を押出し成形することによって製造されている。第9図(b)に示すように、エレメント337の長手方向に垂直な断面はL字形状である。エレメント337の外側面337bには長手方向に向かう突起部337tが一辺につき2本設けられている。そして、この突起部337tによって仕切られた空間が溝部337sとなる。なお、突起部337tの個数は一辺当たり2個に限定されるものではなく、第9図(c)に示すように、突起部337tの個数を一辺当たり3個としてもよい。また、図示はしないがさらに多くの突起部337tを設けてもよい。
また、第9図(d)に示すように、エレメント332のコーナー部外側337coに、エレメント337の長手方向に向かう段部337cxを設けてもよい。このようにすると、バスケット301dを組み立てた場合には、この段部337cxと角パイプ320のコーナー部内側320ciとで囲まれる空間をフラックストラップとして利用できる。このフラックストラップによって、斜め隣のセルへ向かう中性子も遮蔽できるので、よりバスケット301dの安全性を高くできる。
第9図(e)に示すように、角パイプ320の内部にエレメント337が配置されて、使用済み燃料集合体を収納するセル316が作られる。このとき、エレメント337の突起部337t及びコーナー部外側337coが角パイプ320の内壁320iと当接する。このようにして構成された複数のセル316同士が組み合わされてバスケット301dが構成される。
このバスケット301dは、角パイプ320とエレメント337とを組み合わせたセル316を複数組み合わせて構成されている。このため、難押し出し材であるB−Al材を使用しても押出し成形機の能力内で角パイプ320とエレメント337とを製造できる。これによって、フラックストラップを備えた複雑な形状のバスケット301dであっても容易に製造できる。
また、溶接によらず角パイプ320とエレメント337とを組み合わせるだけなので、溶接継ぎ手部における性能劣化のおそれもなく、またバスケット301dの製造も容易になる。さらに、角パイプ320とエレメント337とは容易に分離できるので、一度組み立てたバスケット301dを容易に分解して補修、再利用でき、経済的である。また、エレメント337を角パイプ20の内部に配置すれば、自動的にエレメント337の動きが規制されるので、バスケット301dは角パイプ320を組み合わせるだけで構成できる。これによってバスケット301d及びキャスク100をさらに容易に製造できる。
第10図は、角パイプを千鳥状に組んだバスケットを示す説明図である。このバスケット301eは、横断面内形状が略正方形であり、パイプの角部(図中Aで示す領域)は階段状に形成した角パイプ321を千烏状に配置して構成した点に特徴がある。この角パイプ321でバスケット301eを構成するときには、第10図に示すように、角パイプ321同士を千鳥状に配置してコーナー部外側に設けられた段部同士を組み合わせる。すると、角パイプ321の内部及び角パイプ321の側面321sによって四方を囲まれた空間が、それぞれ燃料棒集合体を収納するセル317a、317bとなる。
この角パイプ321はフラックストラップ370が側面内に設けられているので、側面の板厚が大きい。したがって、角パイプ321同士のコーナー部外側をより広い面積で組み合わせることができるのでずれに対して強く、また容易に組立てることができる。また、突合せ部(図中Aで囲んだ領域)の伝熱面積も大きくできるので、使用済み燃料集合体から発生する熱を、効率よくバスケット301eの外部へ伝えることができる。
第11図は、角パイプを千鳥状に組んだバスケットの他の例を示す説明図である。このバスケット301fは、コーナー部外側の段部の数を増やしてコーナー部外側を多段の階段状に成形した角パイプ322を千鳥状に配置して構成した点に特徴がある。一段の階段状に成形した角パイプ321においては、第10図に示すように、応力が集中する角部の板厚tが壁面部の半分になる。しかしコーナー部を多段の階段状に形成すると、コーナー部の板厚tとして角パイプ321の側面における板厚の半分以上を確保することもできる。このため、コーナー部を一段の階段状に成形した角パイプ321と比較して、応力集中の影響を小さくできるので、より信頼性の高いバスケット301fを構成することができる。
以上、この発明に適用できるバスケットの例について説明したが、この発明に適用できるバスケットは、上記バスケットに限られるものではない。例えば、次に説明するような、帯状の板状部材同士を直交させて交互に積み重ねたバスケットもこの発明にかかるキャスク100に収納することができる。
第12図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットを備える本発明のキャスクを示す径方向断面図である。また、第13図〜第15図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットの構成を示す説明図である。また、第16図は、板状部材を組み合わせて構成したバスケットを備える本発明のキャスクの他の例を示す径方向断面図である。このキャスク100aはPWR用であり、菓子折り形のバスケット301gを当該バスケット301gの外形に合わせた内形状を持つキャビティ102内に収容したものである。なお、キャスク100aを構成する外筒10、胴本体101、伝熱フィン107等については、上記キャスク100と同様なのでその説明を省略する。
キャビティ102内は、バスケット301gの外形に合わせた形状となっている。このバスケット301gは、第13図に示すように、貫通孔311を有する矩形の板状部材309に切込部312を設け、板状部材309を直交させて交互に積み重ねることで構成されている。これによって、使用済み燃料集合体を収納する複数のセル307が形成される。前記貫通孔311は、板状部材309の長手方向にその断面が日の字になるように形成され、その中央のリブ313には、複数の連通孔が形成されている。
前記貫通孔311は、切込部312をもって他の板状部材309の貫通孔311と連通する。さらに、板状部材309の長手方向端面には、上下に位置する板状部材309の貫通孔311同士を連通するための連通孔314が設けられている。なお、ここでは断面が日の字状の板状部材309を用いたが、リブを増やして目の字形状の板状部材としてもよい。このようにすれば、板状部材の剛性を高めることができる。
また、板状部材309の上下端縁には、凹部315及び凸部316が形成されている。この凹部315と凸部316によって上下に位置する板状部材309同士の位置決めがなされる(第14図参照)。これによって、セル307内に段差が発生するのが防止されるから、使用済み燃料集合体をセル307内にスムーズに収納することができる。また、板状部材309の端縁には凸部317が形成されている。また、図15図に示すように、凸部317を設けることで板状部材309の端縁に段差ができるので、この隣接する段差の間に伝熱板318を渡す。これによってバスケット301の外周面が形成される。上記板状部材309及び伝熱板318の材料は、実施の形態1と同様の材料であるアルミニウム或いはアルミニウム合金にボロンを添加したものを用いる。なお、伝熱板318の取り付けは、同図に示すような凸部317を設ける方式に限定されない。例えば板状部材309の端縁に渡って伝熱板318を当て、スポット的な溶接などにより固定するようにしてもよい。
この伝熱板318は、キャビティ102の内面に略密着状態となるので、バスケット301gとキャビティ102との伝熱面積を極めて大きくすることができる。これにより、使用済燃料からの崩壊熱は、バスケット309gの外周面に設けた伝熱板318から直接、あるいはキャビティ102の内部に導入するヘリウムガスをかいして胴本体101へ効率的に伝わり、バスケット309gから胴本体101への伝熱性能を飛躍的に向上させることができる。
バスケット301gの外形は、その4面301aが伝熱板318によって面一となり、他の4箇所が角断面形状の部分301gbとなる。キャビティ102の内形状は、バスケット301gの面一部分301gaと略密着状態になるように面一となり(キャビティ面一部分102a)、バスケット301gの角断面形状の部分301gb(キャビティ角断面部分102b)に対応する部分は、略当該形状に合わせたものになるが隅部分に空間Sを残したものとなる。
胴本体101のキャビティ内102を、バスケット301gの外形に合わせた形状にすることで、当該バスケット301gをキャビティ102内に挿入した場合には、外側の板状部材309(特に角断面形状の部分301gb)がキャビティ102の内面に接触した状態になる。また、キャビティ102内の形状をバスケット301gの外形に合わせたことで、バスケット301gとキャビティ102との空間をなくすか或いは微小にできる。このため、前記崩壊熱は、キャビティ102の内部に導入するヘリウムガスや直接接触部分を介して、バスケット301gから胴本体101へと効率的に伝導する。このように、バスケット309gの角断面部分301gbにおいては、その一部が胴本体102内におけるキャビティ角断面部分102bに面接触することで、バスケット309gを確実に保持すると共に、熱伝導効率の向上に寄与するという効果も奏する。
次に、この空間Sを埋めるように、断面が三角形のダミーパイプ308を挿入する。このダミーパイプ308により、胴本体302の重量を軽減すると共に胴本体302の厚みを均一化することができる。また、バスケット301gのがたつきを抑えて確実に固定することができる。なお、断面三角形のダミーパイプ308に代えて、第16図に示すような断面が四角形のダミーパイプ308aを用いることもできる。この場合、キャビティ102の内形状も当該ダミーパイプ308aに合わせた角断面形状となる。また、第16図に示すように、外筒10の外側曲がり部10cは、断面曲面状でもよい。
トラニオン117は、胴本体302に対して直接取り付けられる。このとき、トラニオン117の取り付け位置は、胴本体101の角断面部分101bに設けるようにするのが好ましい。角断面部分101bでは、面一部分101aよりも胴本体101の厚みに多少の余裕があるため、トラニオン座を加工してもγ線遮蔽の観点から影響が少ないからである。また、トラニオン117内にはレジン117aが充填されるが、空間Sに設けたダミーパイプ308内にレジンを充填することで、トラニオン117のレジン非充填部分117bからの中性子の透過をある程度阻止できる。
以上、このキャスク100aによれば、菓子折り形のバスケット301gの外形に合わせてキャビティ102を形成したので、バスケット301から胴本体302への熱伝導効率が向上する。特に、バスケット外周面に設けた伝熱板318を介して胴本体302に崩壊熱が効率的に伝わり、また、バスケット301gの角断面部分301bにおいては、一部が胴本体302に面接触していることでバスケット301gを確実に保持すると共に熱伝導効率の向上に寄与する。さらに、空間Sにダミーパイプ308を挿入することで、バスケット301gの変形に抗することができるので、より良い保持ができる。また、熱伝導効率がさらに良くなる。なお、上記構成において、伝熱板318を省略してもある程度熱伝導効率を向上できることは言うまでもない。
第17図は、この発明の実施の形態1にかかる外筒及び伝熱フィンの構造を示すキャスクの軸方向に垂直な一部断面図である。また、第18図は、この発明の実施の形態1にかかる外筒の一部を示す拡大図である。この外筒10は、胴本体101の軸方向(第17図中紙面に垂直な方向)に向かう溝30sを複数備えた複数の帯状部材105a、105bからなる分割構造である点に特徴がある。第17図及び第18図に示すように、外筒10を構成する帯状部材105a及び105bには、放熱面105p側に胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されている。また、この溝30sの形成方向に垂直な断面内形状は、溝30sの形成の容易さを考慮して矩形としてある。
この溝30sによって、帯状部材105a等の放熱面105p側には放熱フィン30fが形成される。また、この溝30sの幅lは5〜15mm程度で、深さhは5〜15mm程度である。帯状部材105a、105bの短手方向の長さLは大体180〜220mm程度なので、溝30sの幅lが10mmの場合には、9〜11本の溝30sと放熱フィン30fが帯状部材105a等の放熱面105pに形成される。
帯状部材105a及び105bの材料は、炭素鋼やステンレス鋼を使用するが、第18図(b)に示すように、炭素鋼又はステンレス鋼と熱の良導体(銅やアルミニウム等)とのクラッド材を使用してもよい。この場合には、放熱面105p側に炭素鋼又はステンレス鋼を配置する。これにより、帯状部材105aや105bの温度分布を小さくして放熱性を改善できる。そして、後述するように、放熱面105pの反対面には、使用済み燃料集合体の崩壊熱を外筒10に伝えるための伝熱フィン107が溶接される。この伝熱フィン107は熱伝導性の高い銅やアルミニウム等で製造されているので、このようなクラッド材を使用すれば、伝熱フィン107との溶接性を向上させることができる。このため、安価な溶接手段でも溶接部の信頼性を高くできる。これらの作用によって作業性を改善し、安価にキャスクを製造できる。
第19図は、この発明にかかる帯状部材の放熱面に溝を形成する加工装置を示す説明図である。また、第20図は、この発明にかかる溝の形成方法を示すフローチャートである。この溝30sの形成方法においては、溝30sの配列方向(この場合は帯状部材105aの短手方向)に溝30sの本数だけ切削用のバイト321を並べて配置した加工機械300を使用する。このヘッド325は、第19図(b)に示すようにヘッド325の進行方向(紙面に対して垂直方向)に対して垂直な方向に向かって、溝30sの数だけバイト321が取り付けられている。なお、同図(c)に示すように、バイト321の代わりに、溝30sの幅に等しい幅のフェースミル322を並べたヘッド325によって溝30sを形成してもよい。また、後述する第30図、第28図に示すような溝33sや34s等は、これらの形状に合わせたバイトやフェースミルで加工すると、工具の交換回数を少なくできる。また、第32図に示す外筒15や15’は、第19図(d)に示すように、ヘッド325の前後に工具を取り付けると、ヘッド325の走行を最小にして加工できる。
まず、加工機械300のベッド302に加工対象である帯状部材105aを固定する(ステップS101)。次に、加工機械300のヘッド325を所定の切込量だけ帯状部材105aの方向へ動かす(ステップS102)。バイト321の切込量は、切削速度と帯状部材105aの材質との関係によって、最適な量を選択する。その後、溝30sを形成する方向(帯状部材105aの長手方向、すなわち胴本体101の軸方向)へヘッド325を動かし、帯状部材105aを切削して溝30sを形成する(ステップS103)。そして、溝30sの深さhが所定の深さになるまで上記ステップを繰り返して(ステップS104)、溝30sの加工が終了する(ステップS105)。
この加工方法によれば、複数の溝30sを同時に形成できるので、加工に要する時間を大きく短縮できる。この発明にかかるキャスク100の外筒10は複数の帯状部材105a、105bを連結して構成するので、多数の帯状部材105a等を加工する必要があるため、この加工方法は極めて有効である。なお、本発明における溝30sの形成方法においては、溝30sを一本ずつ形成する形成方法を排除するものではない。また、板材の切削加工の他、圧延によって帯状部材105a等に溝30sを一体として成形してもよい。なお、圧延による場合には、第30図や第31図に示す外筒13や14等を切削よりも容易に製造できる。
また、この発明にかかるキャスク100の外筒10は、複数の溝30sが放熱面105p側に形成されているので、溝30sが形成されていない場合と比較して放熱面105pの表面積を大きくできる。例えば、溝30sの深さhを10mm、溝30sの幅を20mmとして、幅200mmの帯状部材105aに溝30sを10本形成した場合には、溝30sが形成されていない場合と比較して放熱面105pの面積をおよそ2倍とすることができる。これによって、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を収納するキャスク100であっても、十分な安全性を確保できる。
ここで、第17図に戻って説明する。帯状部材105aの放熱面105p側に溝30sを形成したら、伝熱フィン107を帯状部材105aの両端縁を残してその両側に夫々溶接する(溶接部205)。そして、帯状部材105aの長手方向に垂直な断面が鳥居形状となる。また、伝熱フィン107は、胴本体101の表面の肉盛部201に対して溶接されている(溶接部206)。ここで、胴本体101が炭素鋼である場合には肉盛部201を純鉄で形成し、銅製の伝熱フィン107との溶接性を向上させる。帯状部材105aと伝熱フィン107、107は、断面コの字形状のユニット105cとなり、胴本体101表面に一定間隔で複数溶接されている。
第17図(b)に示すように、帯状部材105aの両端縁には段部202が形成されており、この段部202に帯状部材105bの段部203が嵌め込まれ、溶接されている(溶接部204)。また、同図から明らかなように、帯状部材105a、105b同士の溶接部204と、伝熱フィン107と帯状部材105aとの溶接部205とがある程度離されていることで、熱影響部の局所的な集中が防止されている。これにより、外筒10や伝熱フィン107の熱変形が防止され内部応力が緩和される。上記溶接には、TIG溶接、MIG溶接など従来から慣用されている溶接法を用いることができる。なお、外筒10の内側には、中性子吸収体等の熱伸びを吸収するためのボイド層207bを形成するためのアルミニウム製のハニカム材207が取り付けられている。また、第17図(c)のに示すように帯状部材105bを作ると、帯状部材105a、bの端部203’、204’同士の溶接部204’を突合せ溶接にできるので、外筒10を軽量にできる。
(バスケットを構成する部材の製造方法)
第21図は、上記バスケットを構成する部材(角パイプ310等)の製造方法を示すフローチャートである。まず、アトマイズ法などの急冷凝固法によりAl又はAl合金粉末を作製すると共に(ステップS401)、B(ボロン)又はB化合物の粉末を用意し(ステップS402)、これら両粒子をクロスロータリーミキサー等によって10〜15分間混合する(ステップS403)。
前記Al又はAl合金には、純アルミニウム地金、Al−Cu系アルミニウム合金、Al−Mg系アルミニウム合金、Al−Mg−Si系アルミニウム合金、Al−Zn−Mg系アルミニウム合金、Al−Fe系アルミニウム合金などを用いることができる。また、前記B又はB化合物には、BC、Bなどを用いることができる。ここで、アルミニウムに対するボロンの添加量は、1.5重量%以上、7重量%以下とするのが好ましい。1.5重量%以下では十分な中性子吸収性能が得られず、7重量%より多くなると引っ張りに対する延びが低下するためである。
次に、混合粉末をラバーケース内に封入し、CIP(Cold Isostatic Press)により常温で全方向から均一に高圧をかけ、粉末成形を行う(ステップS404)。CIPの成形条件は、成形圧力を200MPaとし、成形品の直径が600mm、長さが1500mmになるようにする。CIPによって全方向から均一に圧力を加えることにより、成形密度のばらつきが少ない高密度な成形品を得ることができる。
続いて、前記粉末成形品を缶に真空封入し、300℃まで昇温する(ステップS405)。この脱ガス工程にて缶内のガス成分及び水分を除去する。次の工程では、真空脱ガスした成形品をHIP(Hot Isostatic Press)により再成形する(ステップS406)。HIPの成形条件は、温度400℃〜450℃、時間30sec、圧力6000tonとし、成形品の直径が400mmになるようにする。続いて、缶を除去するために外削、端面削を施し(ステップS407)、ポートホール押出機を用いて当該ビレットを熱間押出しする(ステップS408)。この場合の押出条件として、加熱温度を500℃〜520℃、押出速度を5m/minとする。なお、この条件は、Bの含有量により適宜変更する。次に、押出成形後、引張矯正を施すと共に(ステップS409)、非定常部及び評価部を切断し、板角パイプ310とする(ステップS410)。
(胴本体の加工方法)
次に、胴本体101のキャビティ102の加工について説明する。第22図は、キャビティの加工装置を示す概略斜視図である。この加工装置140は、胴本体101内を貫通すると共にキャビティ102内に載置固定される固定テーブル141と、固定テーブル141上を軸方向に摺動する可動テーブル142と、可動テーブル142上にて位置決め固定されているサドル143と、サドル143上に設けられスピンドル144及び駆動モータ145からなるスピンドルユニット146と、スピンドル軸に設けたフェースミル147とから構成されている。また、スピンドルユニット146上には、キャビティ102内形状に従って当接部を成形した反力受け148が設けられている。この反力受け148は、着脱自在であって蟻溝(図示省略)に沿って図中矢印方向にスライドする。また、反力受け148は、スピンドルユニット146に対するクランプ装置149を有しており、所定位置にて固定することができる。
さらに、固定テーブル141の下部溝内には、複数のクランプ装置150が取り付けられている。このクランプ装置150は、油圧シリンダ151と、油圧シリンダ151の軸に設けたくさび状の移動ブロック152と、当該移動ブロック152と傾斜面で当接する固定ブロック153とから構成されており、図中斜線部側を固定テーブル141の溝内面に取り付けるようにする。油圧シリンダ151の軸を駆動すると、移動ブロック152が固定ブロック153に当接し、くさびの効果により移動ブロック152が多少下方に移動する(図中点線で示す)。これにより、移動ブロック152の下面がキャビティ102内面に押し当てられるから、固定テーブル141をキャビティ102内で固定することができる。
また、胴本体101はローラからなる回転支持台154上に載せられており、径方向に回転自在となる。また、スピンドルユニット146とサドル143との間にスペーサ155をかますことにより、固定テーブル141上のフェースミル147の高さを調整することができる。スペーサ155の厚さは、セルの寸法と略同じである。サドル143は、可動テーブル142に設けたハンドル156を回転させることにより胴本体101の径方向に移動する。可動テーブル142は、固定テーブル141の端部に設けたサーボモータ157とボールネジ158により移動制御される。なお、加工が進むにつれてキャビティ102内の形状が変わるので、反力受け148やクランプ装置150の移動ブロック152を適当な形状のものに変更する必要がある。
第23図は、キャビティの加工方法を示す概略説明図である。まず、クランプ装置150及び反力受け148により固定テーブル141をキャビティ102内の所定位置にて固定する。次に、同図(a)に示すように、固定テーブル141に沿ってスピンドルユニット146を所定の切削速度にて移動させ、フェースミル147によるキャビティ102内の切削を行う。当該位置での切削が完了すると、クランプ装置150を外して固定テーブル141を解放する。次に、同図(b)に示すように、回転支持台154上で胴本体101を90度回転させ、クランプ装置150にて固定テーブル141を固定する。そして、上記同様にフェースミル147にて切削を行う。以降、前記同様の工程をさらに2回繰り返す。
次に、スピンドルユニット146を180度回転させ、同図(c)に示すように、順次、キャビティ102内の切削を行う。この場合も、上記同様に胴本体101を90度回転させながら加工を繰り返す。次に、同図(d)に示すように、スピンドルユニット146にスペーサ155をかませることで当該スピンドルユニットの位置を高くする。そして、当該位置にてフェースミル147を軸方向に送り、キャビティ102内の切削を行う。これを90度回転させながら繰り返すことで、バスケット301aを挿入するのに必要な形状がほぼ完成する。なお、ダミーパイプ308を挿入する部分の切削も、同図(d)に示すのと同様にして行えばよい。但し、スピンドルユニット146の高さを調整するスペーサ厚は、ダミーパイプ308の一辺と同じにする。
第24図は、外筒及び伝熱フィンの組立て手順を示す説明図である。まず、同図(a)に示すように、帯状部材105aを作業面に置き、その両側に伝熱フィン107を立て支持する。このとき、帯状部材105aの両端縁は多少外側に出る程度残しておく。この幅によって溶接部204と溶接部205(第9図(b)参照)の間隔が決まる。次に、同図(b)に示すように、作業者Wにより伝熱フィン107を溶接し、これらを断面コの字形状のユニット105cとする。このユニット105cは、胴本体101の周囲に所定間隔で配置できるだけの個数を予め製作しておくか、タイムリーに製作する。
次に、同図(c)及び(d)に示すように、ユニット105cを胴本体101に溶接する。ユニット105cはその伝熱フィン107部分を肉盛部201に乗せて溶接する。このとき、作業者Wは、ユニット105cの外側から溶接するが、自動溶接機があればそれで溶接してもよい。また、隣接するユニット105cが溶接されていてもまずこれらは所定間隔で溶接されるので、当該隙間Lからトーチや電極棒(T)を入れて溶接を行うことができる。また、胴本体101は回転支持台208と治具209により支持され、これらにより胴本体101を回転させながらユニット105cの溶接ができるようになっている。
そして、同図(e)及び(f)に示すように、帯状部材105bを隣接する帯状部材105a、105aの間に渡してその段部203を帯状部材105aの段部202に嵌め込み、帯状部材105aと帯状部材105bとの表面側の境目を溶接する(溶接部204)。そして、隣接する帯状部材105aの間すべてに帯状部材105bを溶接することでキャスク100の外筒10が完成する。
外筒10及び伝熱フィン107を組み立てるに当たり、上記手順に従って製造することで外筒10と伝熱フィン107とから構成される狭く長い空間内での溶接が不要になる。すなわち、従来例では外筒503及び伝熱フィン508で形成した空間内に自走式溶接機を走行させて溶接するようにしていたが、上記構造の外筒10及び伝熱フィン107を上記手順に従って組み立てることですべての溶接が外部から行うことが可能になり、専用の溶接機がなくても通常の溶接設備でキャスクを組み立てることができる。このため、キャスクの組立て作業が極めて容易になる。また、通常の溶接設備によってキャスクを組み立てることができるので、新たな設備投資が不要となりキャスクの製造コストを低減できる。
第1図及び2に戻り説明する。キャスク100に収容する使用済み燃料集合体は、核分裂性物質及び核分裂生成物などを含み、放射線を発生すると共に崩壊熱を伴うため、キャスク100の除熱機能、放射線の遮蔽機能及び臨界防止機能を貯蔵期間中(60年程度)、確実に維持する必要がある。この実施の形態1にかかるキャスク100では、胴本体101のキャビティ102内を機械加工してバスケット301aの外周面を密着状態(略空間なし)で挿入するようにしており、さらに、胴本体101と外筒10との間に伝熱フィン107を設けている。このため、使用済み燃料集合体からの崩壊熱は、バスケット或いは充填したヘリウムガスを通じて胴本体101に伝導し、主に伝熱フィン107を通じて外筒10の放熱面105から放出されることになる。以上から、バスケット301aからの熱伝導率が向上し、崩壊熱を効率的に除熱できるようになる。
また、使用済み燃料集合体から発生するγ線は、炭素鋼あるいはステンレス鋼からなる胴本体101、底板104、外筒10、蓋部109等において遮蔽される。また、中性子は中性子吸収体106によって遮蔽され、放射線業務従事者に対する被ばく上の影響をなくすようにしている。具体的には、表面線当量率が2mSv/h以下、表面から1mの線量当量率が100μSv/h以下になるような遮蔽機能が得られるように設計する。さらに、セルを構成する角パイプ320及びエレメント330には、ボロン入りのアルミニウム合金を用いているので、中性子を吸収して臨界に達するのを防止することができる。
(外筒及び伝熱フィンの変形例)
第25図〜第27図は、上記外筒及び伝熱フィンの変形例を示す説明図である。このように、伝熱フィン210を斜めに傾斜させるようにしてもよい。その他の構成は上記キャスクと同一である。伝熱フィン210を斜めに設置することで使用済み燃料集合体からの中性子放出方向(図中矢印)に必ず中性子吸収体106が存在することになるので、中性子が伝熱フィン210を貫通して外部に漏れるのを抑制することができる。なお、同図では伝熱フィン210の傾斜を交互にしたが、すべての伝熱フィンを一方向に傾斜させるようにしてもよい(図示省略)。
また、第26図に示すように、帯状部材211aの端縁に帯状部材211bを重ねるようにして溶接してもよい。この場合も帯状部材211a及び伝熱フィン107により断面コの字形状のユニットを製作してそれぞれ胴本体101に溶接し、隣接する帯状部材211aの間すべてに帯状部材211bを溶接する。かかる構成でも、上記同様にキャスクの組立てを容易にでき、且つ溶接部212、213を離すことで熱影響部の局所的な集中が防止できる。また、帯状部材端縁の段加工や開先加工を省略できるから外筒211の構造を簡単にできる。
また、第27図に示す構成では、伝熱フィン214自体を断面コの字形状に作り、当該伝熱フィン214の上面に帯状部材105aを載せ、伝熱フィン214の角縁部にて帯状部材105aと溶接している(溶接部215)。このようにすれば、伝熱フィン214を帯状部材105aに載せて溶接できるので組立てが容易になる。また、上記同様、狭く長い空間内での溶接をなくし、すべて外側から溶接できるのでキャスクの組立てを容易にでき、且つ溶接部204、215を離すことで熱影響部の局所的な集中を防止できる。さらに、銅製の伝熱フィン214を帯状部材105aに面接触させているからキャスク内部の崩壊熱を効率的に外筒10に伝達し、外部に放熱することができる。なお、放熱経路を図中一点鎖線で示す。また、帯状部材105aと接する部分と、胴本体101と帯状部材105aまでの部分とで、伝熱フィン214の厚さを変えることによって、より合理的な形状としてもよい(図示せず)。
以上、この実施の形態1にかかるキャスク100によれば、キャスク100の軸方向に向かう複数の溝30sが外筒10の放熱面105p側に形成されているので、溝30sが形成されていないキャスクと比較して放熱面105pの表面積を大きくできる。これによって、溝30sが形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できるので、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を収納するキャスク100であっても、十分な安全性を確保できる。また、キャスク100を垂直に立てて保管する場合には、外筒10の周囲において空気が対流する方向と、溝30s及び放熱フィン30fの方向とが一致するので、放熱効率をより高くできる。
次に、外筒10を分割構造にして予め溝30sを形成した帯状部材105aと伝熱フィン107とで構成したユニット105cを複数製作し、これを所定間隔で胴本体101に対して外側から溶接すると共に、隣接する帯状部材105aの間すべてに帯状部材105bを渡して外側から溶接してある。このため、狭くて長い空間内での溶接を不要としているので、溶接作業を容易に行うことができ、特別な専用溶接機などは必要ない。また、広く慣用されている溶接設備でキャスク100の組立てが可能であるので、大方の企業で容易に外筒10に溝を形成して放熱効果を高めたキャスク100を組み立てることができる。さらに、外筒10を細かく分割して構成するので、特に、第2図に示すような断面外形状が略八角形の胴本体101であっても、胴本体101の外形形状に合わせて放熱性に優れた外筒10を作ることができる。また、溝30sを形成した帯状部材105aを複数溶接して外筒10を構成するので、溝を形成した板状部材を折り曲げる必要もなく、また、大掛かりな鋳造設備も必要としないので、容易に外筒10を製造できる。さらに、外筒10を大量に製造する際には切削のみによらず、圧延で製造すればより安価に外筒10の主要部材である帯状部材105a、105bを製造できる。
また、胴本体101のキャビティ102内を機械加工しバスケット301aの外周面を略密着状態で挿入するようにしたので、バスケット301aからの伝熱を向上させることができる。特に、バスケット最外周に配置された角パイプ320やエレメント330が胴本体101のキャビティ102内に接触するので、バスケット301aを確実に保持すると共に伝熱性能の向上に寄与している。
さらに、キャビティ102内の不要な空間をなくすことができるから、胴本体101をコンパクト且つ軽量にすることができる。なお、この場合であっても、使用済み燃料集合体の収容数が減少することはない。逆に、胴本体101の外径を第46図に示すキャスク500と同じにすれば、それだけセル数を確保できるから、使用済み燃料集合体の収納本数を増加することができる。具体的に当該キャスク100において、BWR用よりも外形寸法の大きいPWR用使用済み燃料集合体では、使用済み燃料集合体の収容数を21体にできる。このとき、キャスク本体の外径は2500mm程度、質量は120ton以下に抑えることができる。
(変形例1)
第28図は、実施の形態1の第1変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図である。このキャスクの外筒11は、実施の形態1にかかるキャスクの外筒10と略同様の構造であるが、キャスクの胴本体101の軸方向(図中矢印Z方向)に対して傾き角θをもった溝31sを、外筒11の放熱面側(図中紙面上方の面)に複数設けた点が異なる。その他の構成は実施の形態1と同一であるので説明を省略すると共に、同一の符号を使用する。
第28図に示すように、外筒11を形成する帯状部材105aの放熱面側には、キャスクの胴本体101の軸方向に対して傾き角θをもって複数の溝31sが形成されている。溝31sの深さhと幅lとは、実施の形態1で説明した通りである。また、溝31sは実施の形態1で説明した形成方法により、帯状部材105aを傾けて固定して加工することで形成できる。また、傾き角θは、特にキャスクの貯蔵に重点をおくと、15度〜30度が好ましい。
溝31sの傾き角θが0度付近の場合には、外筒周囲の冷却空気がキャスク下部から上部まで乱れずに上昇するので、キャスク上部においては放熱量が少なくなる。一方、この外筒11においては、外筒11からの熱によって温められた空気は外筒11の放熱面近傍を上昇するが、傾きをもった放熱フィン31fによってその流れが乱されるので、空気と放熱フィン31fとの伝熱が促進される。すなわち、空気は外筒11の放熱面近傍を上昇する際に、傾きをもった放熱フィン31fに沿って流れる際に放熱フィン31f端から剥離しやすく、この剥離によって周囲の冷たい空気が流れ込むので効率よく放熱できる。これによって、実施の形態1にかかる外筒10と比較して、さらに放熱性能を向上させることができる。また、帯状部材105a、105bの溝31sの位置を半ピッチずらすことにより、さらに高い放熱性能を発揮するパターンを作ることもできる。
(変形例2)
第29図は、実施の形態1の第2変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図である。このキャスクの外筒12は、実施の形態1にかかるキャスクの外筒10と略同様の構造であるが、胴本体101の周方向に向かう溝32sを外筒12の放熱面側(図中紙面上方の面)に設けた点が異なる。その他の構成は実施の形態1と同一であるので説明を省略すると共に、同一の符号を使用する。
第29図(a)に示すように、外筒12を形成する帯状部材105aの放熱面側には、溝32sが複数本形成されている。この溝32sによって、帯状部材105a等の放熱面側には放熱フィン32fが形成される。なお、溝32sの深さhと幅lとは、実施の形態1で説明した通りである。また、溝32sは実施の形態1で説明した形成方法によって形成できる。さらに、同図(b)に示すように、帯状部材105a、105bの溝31sの位置を半ピッチずらせることで、さらに放熱性能を向上できるパターンを構成できる。
この実施の形態1の第2変形例にかかるキャスクの外筒12では、キャスクの周方向に向かう溝32sを外筒12の放熱面側に設けたので、外筒12の表面積を大きくして放熱性能を高くできる。また、キャスク100を横置きして保管する場合には、外筒12の周囲において空気が対流する方向と、溝32s及び放熱フィン32fの方向とが一致するので、放熱効率をより高くできる。
(変形例3)
第30図は、実施の形態1の第3変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図である。このキャスクの外筒13は、実施の形態1にかかるキャスクの外筒10と略同様の構造であるが、溝33s又は溝33sによって区切られる突起である放熱フィン33fをのうち少なくとも一方の横断面形状を円弧状に形成した点が異なる。その他の構成は実施の形態1と同一であるので説明を省略すると共に、同一の符号を使用する。
第30図に示すように、外筒13を形成する帯状部材105aの放熱面105p側には、断面内形状が円弧状に形成された溝33sが複数本形成されている。この溝33sによって、帯状部材105a等の放熱面21p側には放熱フィン33fが形成される。また、第30図(c)に示すように、溝33’sのみならず、放熱フィン33’fの形成方向に垂直な断面形状も円弧状に形成してもよい。このようにすれば、外筒13の外側から鋭角部分をなくすことができるので、除染が容易となる。また、外筒13の表面に塗装等の保護膜も塗布しやすく、且つ剥がれ難いものにできる。なお、溝33及び33’の半径rは5〜15mm程度であり、また、帯状部材105aの幅ついては実施の形態1で説明した通りである。また、図示はしないが、放熱フィンの先端のみを断面円弧状に形成し、溝は実施の形態1で説明した外筒10(第17図、第18図参照)のようにしてもよい。このようにすると、放熱フィン部分の面積を実施の形態1にかかる外筒10よりも大きくできるので、放熱性能を向上させることができる。
溝33sを形成するには実施の形態1にかかる形成方法及び加工機械300が適用できるが、使用する工具を変更する。この溝30sを加工するためのバイト324は、第30図(b)に示すように、刃の外形状を溝33sの断面内形状と同じ形状としたものである。このようなバイト324を使用することによって、帯状部材105aの放熱面105p側に、断面内形状が円弧状に形成された溝33sを形成することができる。
また、圧延によって帯状部材105a等に溝33sを一体として形成してもよい。圧延によれば、切削よりも容易に溝33sを成形できるので、断面が半円状の溝33sであっても容易に形成できる。また、第30図(c)に示すように、フィン33’fの形成方向に垂直な断面形状を円弧状とする場合であっても、容易に帯状部材105a等を製造できる。
この実施の形態1の第3変形例にかかるキャスクの外筒13、13’では、溝33s等の断面内形状が円弧状であるので放射性物資が蓄積し難い。このため、外筒13に付着した放射性物質を効率よく洗い落とすことができるので、除洗作業を効率よく進めることができる。また、溝33s等の形成方向に垂直な断面内形状は円弧状であるため、外筒13等の表面積を従来例よりも大きくできるので、放熱性能も高くできる。
(変形例4)
第31図は、実施の形態1の第4変形例にかかるキャスクの外筒を示す説明図である。このキャスクの外筒14は、実施の形態1の第3変形例にかかるキャスクの外筒13と略同様の構造であるが、溝34sの形成方向に垂直な断面形状を台形に形成した点が異なる。その他の構成は実施の形態1の第3変形例と同一であるので説明を省略すると共に、同一の符号を使用する。
第31図に示すように、外筒14を形成する帯状部材105aの放熱面105p側には、胴本体101の軸方向に垂直な断面内形状が放熱面105p側に広がった台形に形成された溝34sが複数本形成されている。このため、溝34sによって区切られる放熱フィン34fの軸方向に垂直な断面形状は、外側が狭い台形形状となる。なお、溝34sの深さh及び溝34sの平均幅lについては実施の形態1で説明した通りである。また、溝34sの広がり角αは、45度〜60度程度が好ましい。
第31図に示すように、外筒14からの輻射を線で表示すると、a点の輻射熱がd点の近傍に寄りすぎた場合には、d点からの放熱が小さくなる。また、a点及びc点の輻射熱がe点の近傍を通ると、e点の周辺における空気が熱せられてe点からの放熱が少なくなる。e点とf点とを比較すると、f点の温度が低くなるので、f点からの放熱は少なくなる。したがって、f点の領域を広くとった場合には、放熱量が小さくなるため不経済であるが、f点周辺の空気は比較的冷たいので、広がり角αは、応分の領域を与えられる上記45度〜60度が好ましい。
溝34sを形成するには実施の形態1にかかる形成方法及び加工機械300が適用できるが、使用する工具を変更する。この溝34sを加工するためのバイト(図示せず)は、刃の外形状を溝34sの断面内形状と同じ形状としたものを使用すればよい。また、圧延によって帯状部材105a等に溝34sを一体として形成してもよい。
この実施の形態1の第4変形例にかかるキャスクの外筒14は、外側(放熱面105p側)が狭い台形形状の放熱フィン34fが形成されているので、当該放熱フィン34fの側面における輻射の方向を外筒14の外側に向けることができる(第31図(b)中の上方向)。これによって、隣り合う放熱フィン34fの側面同士における輻射の影響を低減して、大気中に輻射される熱エネルギーを大きくできるので、実施の形態1にかかるキャスクの外筒10よりもさらに放熱効率を高くできる。なお、実施の形態1及びその変形例で説明した溝の構成、溝の形成方法その他の発明の構成は、以下の実施の形態においても適用できる。
(実施の形態2)
第32図は、実施の形態2にかかるキャスクの外筒を示す説明図である。このキャスクの外筒15は、実施の形態1にかかるキャスクの外筒10と略同様の構造であるが、胴本体101の軸方向(図中Z方向)に向かう溝35sのみならず、キャスク100の周方向に向かう溝35sも形成した点が異なる。その他の構成は実施の形態1と同一であるので説明を省略すると共に、同一の符号を使用する。
帯状部材105aの放熱面(図中紙面の上方向)には、胴本体101の軸方向に向かう溝35sと胴本体の周方向に向かう溝35sとが形成されている。この溝35sと溝35sとによって区切られた部分が放熱フィン35fとなる。溝35sと35sと、実施の形態1で説明したように、溝35s又は35sの配列方向に切削工具を並べた工作機械によって形成できる。
このように胴本体101の軸方向に垂直な方向に向かう溝35sをさらに形成してあるので、外筒15の表面を流れる空気の流れを、実施の形態1にかかる外筒10(第1図等参照)よりもさらに乱流にできる。これによって、実施の形態2にかかるキャスクの外筒15は放熱性能をさらに向上させることができる。また、キャスク100が縦置きであっても横置きであっても、溝35s又は35sを重力の方向に対して平行にできるので、キャスク100の設置方向を問わず、自然対流の作用を十分に発揮させて効率的に放熱できる。また、第32図(b)に示すように、外筒15’の放熱面にはフィン35’f千鳥状に形成してもよい。このような構成によっても外筒15’の表面を流れる空気の流れの乱れを大きくできるので、放熱性能を向上させることができる。なお、実施の形態2で説明した溝の構成、溝の形成方法その他の発明の構成は、以下の実施の形態においても適用できる。
(実施の形態3)
第33図は、この発明の実施の形態3にかかるキャスクの説明図である。このキャスクは、断面山形に形成された帯状部材の伝熱面に、胴本体101の軸方向に向かう複数の溝30sを設けて構成した外筒16を備えた点に特徴がある。板状の帯状部材216a及び216b等は、放熱面216p側に溝30sが形成された後、曲げ装置によって断面山形に曲げ成形される。この帯状部材216aの両端縁に伝熱フィン107を溶接(溶接部205)することでユニット化され、胴本体101の肉盛部201上に溶接されている(溶接部206)。また、帯状部材216bも同様に曲げ成形されており、当該帯状部材216bの段部203を帯状部材216aの段部202に嵌め込み、外側から溶接されている(溶接部204)。帯状部材216a、bの内側面には、ボイド層を形成するハニカム材207が設けられている。当該帯状部材216a、bと伝熱フィン107との空間には、中性子の吸収を行う中性子吸収材(例えばレジン)が充填されている。前記ハニカム材207で形成されるボイド層は、中性子吸収材の熱膨張を吸収して、溶接部の剥離や外筒16の変形を防止する(以下同様)。
このような構成においても、すべての溶接作業を外側から行うことができるため、上記同様にキャスクの組立てを容易にでき、且つ溶接部204、205を離すことで熱影響部の局所的な集中が防止できる。また、帯状部材216a、bが山形になっていることから、さらに外筒16の表面積が大きくできるので放熱効果をさらに向上することができる。また、外筒に対して複数の板状の放熱フィンを突き出したキャスクでは、放熱フィンと外筒との隅を清掃しにくいが、この山形形状の外筒16の場合には狭い隅がないので外筒表面の清掃を行いやすいという利点がある。なお、山形ではなく谷形にしても同様の効果がある(図示省略)。
また、第34図に示すように、伝熱フィン107の端縁頂部に帯状部材217の端縁を載せると共に隣接する帯状部材217の端縁と突合せ、当該突合部分を溶接するようにしてもよい(溶接部219)。帯状部材217の端縁には開先を形成しておく。このように外筒16’を断面山形形状にし、さらに複数の溝30sを設けることによって外筒16’の表面積をさらに大きくできるので、キャスクの放熱性能をさらに向上できる。
(実施の形態4)
第35図は、この発明の実施の形態4にかかるキャスクを示す説明図である。このキャスクは、胴本体101の軸方向に向かう複数の溝30sを形成した帯状部材105aの中央に伝熱フィン107を溶接して(溶接部222)断面T字形状のユニット220aとし、このユニット220aを複数組み合わせて構成した外筒17を備えた点に特徴がある。溝30sの形成手順及び溶接手順は実施の形態1と略同様である。まず帯状部材105aの放熱面105p側に複数の溝30sを形成した後、帯状部材105aに伝熱フィン107を溶接してユニット220aとする。この伝熱フィン107と帯状部材105aとの溶接は、片側から行っても良く、また強度を確保するため両側から行なうようにしてもよい(溶接部222)。次に、このユニット220aを所定間隔で胴本体101に溶接する。なお、胴本体101には肉盛部201が設けられ、当該肉盛部201上に伝熱フィン107が溶接される。また、前記溶接は、伝熱フィン107の両側から行うことができる。そして、隣接する帯状部材105aの間すべてに帯状部材105bを嵌め込んで溶接をする(溶接部204)。
かかる構造においても、外筒17の放熱面105p側に形成した溝30sと放熱フィン30fとによって放熱面105pの表面積を大きくできるので、放熱性能を高くできる。また、狭く長い空間内での溶接をなくし、すべての溶接作業を外側から行うことができるため、上記同様にキャスクの組立てを容易にできる。さらに、断面をTの字形状とすることで、帯状部材105a、105bの幅を小さくできるので、円形の胴本体101に配置しても略円形の外筒17を構成できる。また、上記実施の形態1及び2に比べて溶接部222、204との距離をさらに離すことができるので、熱影響部の局所的な集中がより防止される。
なお、第36図に示す外筒17’のように、伝熱フィン224の端部を曲げ加工して断面L字形状とし、帯状部材105aに対して面接触するようにしてもよい。この場合、伝熱フィン224と帯状部材105aとの溶接は、伝熱フィン224の角縁部にて帯状部材105aと溶接する(溶接部223)。このようにすれば、伝熱フィン224を帯状部材105aに載せて溶接できるので組立てが容易になる。また、伝熱フィン224を帯状部材105aに面接触させているからキャスク内部の崩壊熱を効率的に外筒17’に伝達し、放熱することができる。なお、放熱経路を図中一点鎖線で示す。
第37図は、第35図に示すキャスクの外筒の変形例を示す説明図である。このキャスクの外筒17’’は、外筒17’’が放熱面226p側に複数の溝30sを形成した複数の帯状部材226a、b、c、dから構成され、それぞれがその中央部で伝熱フィン107と溶接されており(溶接部227)、断面Tの字形状のユニット228となっている。この外筒17’’の組立ては、まずユニット228aの伝熱フィン107を胴本体101に片側から溶接する(溶接部229a)。次に、ユニット228bの伝熱フィン107を胴本体101に開放されている片側から溶接すると共に(溶接部229b)、帯状部材226a、226b同士を溶接する(溶接部230a)。
続いて同様にユニット228cの伝熱フィン107を胴本体101に開放されている片側から溶接すると共に(溶接部229c)、帯状部材226b、226c同士を溶接する(溶接部230b)。ユニット228dについても溶接部229dをもって伝熱フィン107を胴本体101に溶接し、溶接部230cをもって帯状部材226c、226dを溶接する。ここで、第37図(b)に示すように、最後の帯状部材229と溶接される帯状部材226dは幅が小さいものを用い、最後に溶接するユニットの伝熱フィン107を胴本体101に溶接しやすくすると作業の効率が向上し好ましい。
このようにすれば、帯状部材206a〜dや伝熱フィン107を、すべて胴本体101の外側から溶接でき、狭く長い空間での溶接が不用であるから、キャスクの組立て作業を容易に行うことができる。また、溶接部230と溶接部227とを十分に離しているので、熱影響部が局所的に集中するのを防止することができる。
(実施の形態5)
第38図は、この発明の実施の形態5にかかるキャスクの外筒を示す平面図である。上記実施の形態では複数の帯状部材を溶接して外筒を形成するようにしているが、胴本体101の軸方向(図中のZ方向)に向かう複数の溝30sを形成した帯状部材105aをキャスク軸方向端部で連結した形状にしてもよい。伝熱フィン107(図中点線で示す)は、一つの板状部材231に対して所定間隔で4つ溶接される。さらに、帯状部材105aは、伝熱フィン107とともに所定間隔を持って胴本体に溶接され、その抜き部105d及び隣接する板状部材231の間隔には、胴本体101の軸方向に向かう複数の溝30sが形成された帯状部材105bが嵌め込まれ、溶接される。なお、連結部233に対向する位置には伝熱フィン107が配置されていないので、溶接作業の邪魔になることはない。
また、第39図に示すように、胴本体101の軸方向(図中のZ方向)に向かう複数の溝30sが形成された板状部材234を略コの字形状にして、隣接する板状部材234と連結部235をもって連結するようにしてもよい。この構成では、板状部材234により形成された抜き部236に、胴本体101の軸方向(図中のZ方向)に向かう複数の溝30sが形成された帯状部材105bを嵌め込んで溶接する。これにより、外筒237が形成される。
(実施の形態6)
第40図は、この発明の実施の形態6にかかるキャスクを示す組立て図である。第41図は、第40図のA−A断面図である。このキャスク400は、外筒401を構成するリング状に形成したユニット402の外側に、キャスク400の胴本体101の軸方向(図中Z方向)に向かう複数の溝30sを形成し、当該ユニット402を胴本体101の軸方向に順次挿入して溶接形成したものである。また、第42図、第40図に示すように、外筒401を構成するリング状に形成したユニット402の外側に、キャスク400の胴本体101の周方向に向かう複数の溝30sを形成し、当該ユニット402を胴本体101の軸方向に順次挿入して溶接形成してもよい。さらに図示はしないが、実施の形態1の変形例で説明したように、ユニット402の外側には、胴本体101の軸方向に向かう溝と周方向に向かう溝とを両方形成してもよい。また、第40図に示す例では、隣接する403の山を半ピッチずらして組立てると、第32図(b)に示すような冷却フィンのパターンを容易に作ることができる。
まず、実施の形態1で説明した方法によって、帯状板の表面に溝30sを形成する。この溝30sは、外筒401を構成したときにキャスクの胴本体101の軸方向(図中Z方向)に向かうように形成される。なお、キャスク400の胴本体101の周方向に向かって溝30sを形成する場合(第42図、第40図参照)には、外筒401を構成したときにキャスクの胴本体101の周方向に向かうように溝30sを形成する。
溝30sが形成された帯状板は、溝30sを外側にして曲げ装置によって曲げられた後、両端部が溶接その他の手段によって接合されてリング板403となる。そして、このリング板403の内周面にリング状の伝熱フィン404を溶接して、リング状のユニット402が構成される(溶接部405)。このユニット402は、その伝熱フィン404を胴本体101の周方向に設けた肉盛部406上に溶接することで固定される。また、ユニット402は胴本体101に対して複数取り付けられ、隣接するユニット402のリング板403の周縁同士は溶接されており(溶接部407)、このリング板403の周縁同士を溶接することで形成される空間には、予め型を用いて固化させたリング状の中性子吸収体408が配置される(第41図、第40図参照)。
このキャスク400を組み立てる場合、まず胴本体101に最初のユニット402aを挿入し、その伝熱フィン404を胴本体101の肉盛部406に溶接する。次に、レジン等でできたリング状の中性子吸収体408aを胴本体101に挿入し、約半分を既に溶接固定したユニット402aに収める。続いて次のユニット402bを胴本体101に挿入すると共にその内部に前記中性子吸収体408aの約半分を収め、最初のユニット402aのリング板403と次のユニット402bのリング板403とを溶接する(溶接部407)。このとき、ユニット402bの伝熱フィン404の溶接は開放されている片側からのみ行う(溶接部409)。これを所定の数だけ繰り返し、最後のユニット402を取り付けることで外筒401の組立てが完了する。なお、リング状の中性子吸収体408を挿入し難い場合は、リング状の中性子吸収体408を周方向に分割し、円弧状の中性子吸収体408xを前記空間に収容するようにしてもよい。ここで、外筒401の両側には蓋410が設けられている。
また、中性子吸収体408aでは埋めきれない隙間Sに流体状態の中性子吸収体(例えばレジン)を注入して固化させると、より効果的な中性子の遮蔽が可能となる(第41図(b))。この場合には、第41図(b)に示すように、伝熱フィン404に設けた中性子吸収材注入用の孔404hから、液状の中性子吸収材を注入する。さらに、第41図(c)は、リング状の中性子吸収体408を使用しないで、外筒401を胴本体101に取り付けた後で中性子吸収体を注入する場合を示している。この方式では、外筒401を胴本体101に取り付けた後、中性子吸収材を伝熱フィン404に設けた孔404hから注入する。なお、リング板403の内面にはハニカム材207が取り付けられてボイド層を構成しており、中性子吸収体の熱膨張を吸収する。
このような構成にすれば、複数のリング板403の外側に形成された溝30sと放熱フィン30fとによって外筒401の表面積を大きくできるので、放熱性能を向上させることができる。また、狭く長い空間内での溶接作業をなくし、すべて外側から溶接できるようになるため、溶接作業を容易に行うことができ、特別な専用溶接機などは必要なくなる。さらに、広く慣用されている溶接設備でキャスク400の組立てが可能であるので、大方の企業で容易に組み立てることができる。これによって、放熱性に優れたキャスク400を容易に製造できる。また、溶接部405と溶接部407とが離れているので、熱影響部の局所的な集中を防止することができる。
第44図は、この発明の実施の形態6にかかる変形例を示す組立て図である。第45図は、第44図に示したキャスクの一部断面図である。このキャスク450は、上記実施の形態4において、外筒451のユニット452を円弧状の2分割構造にした点に特徴がある。円弧板453は、表面に複数の溝30sを形成した板状部材を半円状に曲げて作られる。円弧板453の内面端縁には多少の余裕を残してそれぞれ伝熱フィン454が溶接され(溶接部455)、一つのユニット452を形成している。また、このユニット452は、所定間隔で胴本体101に溶接されており、且つユニット452の円弧板453と円弧板453との間には円弧板456が嵌め込まれて溶接されている(溶接部457)。また、ユニット452同士、円弧板456同士は胴本体101の周方向で溶接され、リング状の一体構造となる。ユニット452により形成される空間、ユニット452及び円弧板456により形成される空間には、円弧状に成形した中性子吸収体458が配置されている。なお、第44図(a)に示すように、円弧板453と円弧板456とを、放熱フィン30fの半ピッチだけずらすと、容易に放熱フィン30fを千鳥状に配置することができる。
このキャスク450を組み立てる場合、まず胴本体101に中性子吸収体458を載せて、この中性子吸収体458を内部に収容するようにユニット452aを被せる。そして、ユニット452aの伝熱フィン454を胴本体101の周囲に設けた肉盛部459上に載せ、開放されている両側から溶接する(溶接部460)。続いて残り半分の中性子吸収体458を胴本体101に載せ、前記同様中性子吸収体458を内部に収容するようにユニット452を被せると共に、各ユニットの円弧板端部同士を溶接する。また、胴本体101の軸方向に所定間隔をあけて中性子吸収体458bとともにユニット452bを溶接し、これを必要数繰り返す。
ここで、ユニット452bを取り付ける場合、ユニット452a、452b同士の間に中性子吸収体458cを予め配置しておく。なお、中性子吸収体458cは、第44図(b)に示すように厚さ方向に3分割されており、ユニット452a及びユニット452bの影の部分に配置しやすくしてある。この分割した中性子吸収体458c〜458cを取り付けた後は、中性子吸収体458cは両側のユニット452a、452bの円弧板端縁で係止され、外れないようになる。
そして、各ユニット452の間すべてに円弧板456を嵌め込み、円弧板453と円弧板456とを外側から溶接する。これにより外筒451の組立てが完了する。なお、成形した中性子吸収体を用いず、円弧板453に設けた穴から中性子吸収体を充填するようにしてもよい(図示省略)。上記構成であっても、円弧板453の放熱面453p側に形成された溝30sと放熱フィン30fとによって外筒451の表面積を大きくできるので、放熱性能を向上させることができる。また、狭く長い空間内での溶接作業をなくし、すべて外側から溶接できるようになるため、溶接作業を容易に行うことができ、特別な専用溶接機などは必要なくなる。この方法によっても、放熱性に優れたキャスク450を容易に製造できる。さらに、溶接部455と溶接部457が離れているので、熱応力の局所的な集中を回避することができる。なお、上記中性子吸収体458(458c)を周方向に分割し、ユニット452a、452bを溶接してから当該ユニット452a、452bの間に前記分割した中性子吸収体458cを順次入れ込み、円弧板456を被せて溶接するようにしてもよい(図示省略)。
(実施の形態7)
第46図は、この発明の実施の形態7にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図である。このキャスクは、胴本体101から外筒19に崩壊熱を伝える放熱フィン550fと外筒19とを一体で構成し、さらに放熱面550pには胴本体101の軸方向へ向かう溝30sを複数形成した点に特徴がある。
外筒19は、板状部材を断面L字状に折り曲げたユニット550を組み合わせて構成される。このユニット550の放熱面550p側には、胴本体101の軸方向に向かう複数の溝30sが形成されており、溝30sによって区切られる突起が放熱フィン30fとなる。なお、上述したように、溝30sは胴本体101の周方向に向かって設けてもよいし、胴本体101の軸方向と周方向との両方向に向かって設けてもよい。
ユニット550の一方の端部550tは、胴本体101に溶接されている。また、ユニット550のもう一方の端部550tは、隣に配置されたユニット550の側面と溶接部560で溶接されている。また、外筒19と胴本体101との間に形成される空間には、中性子吸収体570を設ける。このように、複数のユニット550を胴本体101の全周にわたって接合することによって、外側に胴本体101の軸方向に向かう溝30sが形成された外筒19が構成される。
実施の形態7にかかるキャスクの外筒19は、外側に複数の溝30sが形成されているので、外筒19の表面積を大きくして放熱性能を高くできる。また、放熱フィン550fと外筒19とを一体で構成しているので、実施の形態1〜5にかかるキャスクの外筒10等と比較して、溶接箇所が少なくて済むので、放熱性に優れたキャスクをより容易に製造できる。なお、第46図(b)に示すように、外筒19を構成するユニット550’のように、外筒19の外側となる部分の断面を山形形状に形成してもよい。このようにすると、さらに外筒19の表面積を大きくできるので、さらに放熱性能を高くできる。なお、図示はしないが、当該部分を断面谷型や断面円弧状に形成してもよく、これらの場合であっても外筒19の表面積をより大きくできるので、放熱性能をより高くできる。第46図(c)は、耐熱性と熱伝導性とを具備するために、クラッド材を使用したものである。第46図(d)は、胴本体101側を溶接しない例を示す。この構造においては、通常の温度では(第46図(e))、接触面Aには押付け力が残るようにして組立てられており、火災時(第46図(b))には冷却フィンが胴本体101から離れるようにしてある。このようにすれば、万一火災が発生して外筒19側が熱せられても、冷却フィンは胴本体101から離れるので、胴本体101を通ってキャスク内部に流入する熱を最小限に抑えることができる。これにより、火災時におけるキャスクの安全性を確保できる。
(変形例1)
第47図は、実施の形態7の第1変形例にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図である。この外筒20は、放熱面551p側に胴本体101の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝30sを複数形成した筒状ユニット551を胴本体101の全周にわたって配置して構成した点に特徴がある。
外筒20を構成する筒状ユニット551は、押出しやすい金属(例えばアルミニウム)を押出し成形した筒状の部材であり、外筒20の外側となる部分、すなわち放熱面551p側の断面が山形形状に形成されている。なお、この部分の断面形状は山形に限られず、谷形や円弧状、あるいは直線状であってもよい。また、外筒20の外側となる部分には、胴本体101の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう溝30sが複数形成されている。なお、図示はしないが、実施の形態1で説明したように、溝30sの断面は円弧状や台形形状であってもよい。筒状ユニット551の放熱面551pに対向する面は、キャスクの胴本体101の外側に取り付けてある。
筒状ユニット551は押出し成形によって製造することができるが、この場合には、溝30sを押出し成形と同時に形成できる。さらに、予め溝30sを形成した板材を折り曲げ、端部同士を溶接して筒状ユニット551を製造してもよい。また、押出し成形等とは別工程によって溝30sを形成してもよい。溝30sの形成には、実施の形態1で説明した方法が適用できる。
筒状ユニット551を胴本体101に取り付けるには、溶接その他の接合手段を用いる他、筒状ユニット551の内部から胴本体101にねじ止め等の締結手段を用いることができる。また、隣り合う筒状ユニット551同士は、それぞれの側面同士が接するように組み合わされた後、溶接部560で溶接されて、外筒20を構成する。
筒状ユニット551の内部には、中性子吸収体570が備えられており、胴本体101内部に収納した使用済み燃料から放出される中性子を吸収する。外筒20の組立てを容易にするために、この中性子吸収体570は、筒状ユニット551を胴本体101に取り付けた後に、筒状ユニット551内へ配置することが好ましい。また、第47図(a)に示すように、隣り合う筒状ユニット551と接する筒状ユニット551の側面は、胴本体の径方向に対して傾き角βだけ傾いている。これによって、放射状に中性子が放出される場合でも、必ず中性子吸収体570に吸収されるようになるので、安全性を高めることができる。
さらに、第47図(b)に示す外筒20’のように、隣り合う筒状ユニット552と接する筒状ユニット552の側面に、ユニット551の長手方向に向かう段部552aを設けて、この部分を階段状に形成してもよい。この段部552aによって、隣り合う筒状ユニット552同士の間に隙間が生じた場合であっても、より確実に中性子を捕らえることができる。
この外筒20を備えたキャスクは、外筒20の放熱面551pの断面が山形形状に形成され、且つ放熱面551pには胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されている。このため、放熱面551pの表面積を大きくできるので、より多くの崩壊熱を大気中に放出できる。また、筒状ユニット551を組み合わせて外筒20を構成するので、実施の形態1等にかかる外筒10等と比較して溶接工程が少なくて済み、放熱性に優れたキャスクを比較的容易に製造できる。
(変形例2)
第48図は、実施の形態7の第2変形例にかかるキャスクの外筒部分を示す一部断面図である。この外筒21は、上記変形例1にかかる外筒20と略同様の構成であるが、筒状ユニット553の側面に設けた突起553t同士を当接させて複数の筒状ユニット553を組み合わせて構成し、隣り合う筒状ユニット553同士の間に形成された空間553aにも中性子吸収体570を配置する点が異なる。その他は上記変形例1と同様なので説明を省略する。
第48図(b)に示すように、筒状ユニット553は筒状の部材であり、その側面には2本の突起553tが形成されている。そして、隣り合う筒状ユニット553の突起553tが当接して組み合わせられて、胴本体101の周囲に外筒21が形成される。また、筒状ユニット553の放熱面553p側には、胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されており、放熱面553pの表面積を大きくしてある。なお、図示はしないが、実施の形態1で説明したように、溝30sの断面は円弧状や台形形状であってもよい。また、第48図(a)に示すように、筒状ユニット553の内部には、ハニカム材207が配置されてボイド層を形成する。
筒状ユニット553は、内部からのねじ止め等の締結手段によって胴本体101に取り付けることもできる。また、筒状ユニット553同士は、外側の端部553tのみを溶接部560で溶接して、外筒21を構成することができる。また、第48図(c)に示すように、筒状ユニット553の胴本体101側においては端部553tを設けず、隣り合う筒状ユニット553と接しないように構成してもよい。
筒状ユニット553の内部及び隣り合う筒状ユニット553同士の間に形成される空間553aには中性子吸収体570が設けられており、使用済み燃料集合体から放出される中性子を吸収する。中性子吸収体570には、中性子吸収能を持ったレジン等が使用される。このレジンは混練後においては流動性を持つが所定の時間経過すると硬化する樹脂である。空間553aは、ある程度の開口面積を有しているので、中性子吸収体は比較的容易にこの部分へ流し込むことができる。筒状ユニット553は、外筒21の外面で溶接されているのみなので、キャスクを解体する際には、この溶接部を除去するだけで筒状ユニット553は取り外せる。
この外筒21を備えたキャスクにおいても、外筒21の放熱面553pには胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されているので、放熱面553pの表面積を大きくでき、これによってより多くの崩壊熱を大気中に放出できる。また、筒状ユニット553を組み合わせて外筒21を構成するので、実施の形態1等にかかる外筒10等と比較して溶接工程が少なくて済み、放熱性に優れたキャスクを比較的容易に製造できる。さらに、外筒21を構成する筒状ユニット553同士の間にも中性子吸収体570が充填されているので、筒状ユニット553同士の間に生ずる隙間を埋めることができる。これにより、空間553aに充填された中性子吸収体570が中性子漏れを防止するので、安全性を十分に確保できる。
(実施の形態8)
第49図及び第50図は、この発明の実施の形態8にかかるキャスクを示す説明図である。このキャスク480は、外周に胴本体101の軸方外周に胴本体101の軸方向に向かう溝30sを複数形成した外筒482の内周と、胴本体101に放射状に設けられた複数の伝熱フィン485の端部とを接合して構成した点に特徴がある。
このキャスクの外筒482は、断面円弧状の外筒構成部材482aと482bとを、それぞれの端部で接合して構成してある。そして、外筒480を構成する外筒構成部材482aと482bとの放熱面482pには、キャスクの胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されている。次に、このキャスク480の製造方法について説明する。
外筒構成部材482a及び482bは、一方の面に溝30sを形成した後、曲げ機によって溝30sを形成した面が外側になるように断面円弧状に成形する。すなわち、一方の面に溝30sを形成した板状部材を、胴本体101の外形の一部形状に合わせて曲げることにより、外筒構成部材482a及び482bを製造することができる。なお、溝30sの形成には、実施の形態1で説明した方法が適用できる。断面円弧状に曲げられた外筒構成部材482a及び482bは、それぞれの端部同士を溶接その他の接合手段によって接合されて、外側に溝30sが形成された円筒状の外筒482が完成する。
なお、本実施の形態では、外筒482を2分割し、2個の外筒構成部材482aと482bとによって外筒482を構成したが、外筒482の分割は2分割に限定されるものではない。ここで、外筒482の分割数が増加すると外筒構成部材が増える結果、それぞれの外筒構成部材同士を接合する手間は要する。しかし、個々の外筒構成部材の幅は小さくできるので、溝30sの形成が容易になる。したがって、溶接の手間が煩雑にならない程度の数に外筒482を分割して、外筒482を構成することが好ましい。
外筒482を組み立てたら、伝熱フィン485を外周に溶接したキャスクの胴本体101に外筒482を嵌め込む。外筒482を嵌め込んだら、外筒482の内面と伝熱フィン485の端部とを接合する。また、第50図に示すように、外筒構成部材482aと482bとを接合する前に、まず外筒構成部材482a及び482bを伝熱フィン485の端部と接合してから両者を溶接してもよい。さらに、外筒構成部材482aを、伝熱フィン485を介して胴本体101に取り付け、次に外筒構成部材482bを、伝熱フィン485を介して胴本体101に取り付けてから、両外筒構成部材482a、482b同士を接合してもよい。また、実施の形態8にかかるキャスク480では、外筒482を構成するそれぞれの外筒構成部材482a、482bに、少なくとも一つの伝熱フィン485が取り付けられる。
伝熱フィン485と外筒482の内面とを溶接するときには、隣り合う伝熱フィン485と外筒482の内面とで形成される空間内を、伝熱フィン485の長手方向に向かって接合することになるので、専用の接合ロボットを使用する。すべての伝熱フィン485を外筒482の内面に接合した後、隣り合う伝熱フィン485と外筒482の内面とで形成される空間に中性子吸収体を充填して、キャスク480が完成する。
このキャスク480は、外筒482の外側に胴本体101の軸方向へ向かう溝30sが複数形成されているので、放熱面482pの表面積を大きくできる。これによって、キャスク480内に収納される使用済み燃料集合体の崩壊熱をより効率よく大気中へ放出できる。また、板状部材を円弧状に曲げて外筒482を構成するため、断面が円形の胴本体を持つキャスクを製造する場合に好適である。
(変形例)
第51図は、実施の形態8の変形例にかかるキャスクを示す説明図である。このキャスク480は、実施の形態8にかかるキャスク480と略同様の構成であるが、キャスク480を構成する外筒482及び胴本体101の軸方向に垂直な断面形状が略八角形である点が異なる。他の構成は上記キャスク480と同様である。
このキャスクの外筒482は、第51図(a)、(b)に示すように、断面略八画形状の外筒482を2分割した外筒構成部材482cと482cとを、それぞれの端部482tで接合して構成してある。そして、外筒482を構成する外筒構成部材482cと482cとの放熱面482pには、キャスクの胴本体101の軸方向に向かう溝30sが複数形成されている。次に、このキャスク480の製造方法について説明する。
外筒構成部材482c及び482cは、上記一方の面に溝30sを形成した後、曲げ装置によって溝30sを形成した面が外側になるように上記形状に成形する。すなわち、一方の面に溝30sを形成した板状部材を、胴本体101の外形形状の一部に合わせて曲げ成形することで、外筒構成部材482c及び482cを製造することができる。なお、溝30sの形成には、実施の形態1で説明した方法が適用できる。上記形状に曲げられた外筒構成部材482c及び482cは、それぞれの端部482t同士を溶接その他の接合手段によって接合されて、外側に溝30sが形成された断面略八角形の筒状の外筒482が完成する。
なお、外筒482の分割は2分割に限定されるものではなく、第51図(c)に示すように4個の外筒構成部材482d〜482dをそれぞれの端部482tで接合して外筒482を構成してもよい。すなわち、外筒の分割は、4分割やそれ以上の分割でもよい。外筒の分割数が増加すると外筒構成部材が増える結果、それぞれの外筒構成部材同士を接合する手間は要する。しかし、個々の外筒構成部材の幅は小さくできるので、溝30sの形成が容易になる。したがって、接合の手間が煩雑にならない程度の数に外筒を分割して、これを構成することが好ましい。
外筒482を組み立てたら、伝熱フィン485を外周に溶接したキャスクの胴本体101に外筒482を嵌め込む。外筒482を嵌め込んだら、外筒482の内面と伝熱フィン485の端部とを溶接する。なお、外筒構成部材482c及び482c等を接合する前に、まず外筒構成部材482c及び482c等を伝熱フィン485の端部と溶接してから外筒構成部材482c及び482c等それぞれの端部で接合してもよい。さらに、外筒構成部材482c及び482c等を、伝熱フィン485を介して胴本体101の外側に順次取り付けてもよい。このように、実施の形態8の変形例にかかるキャスク480では、外筒482を構成するそれぞれの外筒構成部材482c及び482c等に、少なくとも一つの伝熱フィン485が取り付けられる(第51図(b)、(c))。
伝熱フィン485と外筒482の内面とを接合するとき、あるいは伝熱フィン485と胴本体101の外面とを接合するときには、隣り合う伝熱フィン485と外筒482の内面、あるいは伝熱フィン485と胴本体101の外面とで形成される空間内を、伝熱フィン485の長手方向に向かって接合することになる。このため、専用の接合ロボットを使用することが好ましい。すべての伝熱フィン485を外筒482の内面に溶接した後、隣り合う伝熱フィン485と外筒482の内面とで形成される空間に中性子吸収体を充填して、キャスク480が完成する。
このキャスク480は、外筒482の外側に胴本体101の軸方向へ向かう溝30sが複数形成されているので、放熱面482pの表面積を大きくできる。これによって、キャスク480内に収納される使用済み燃料集合体の崩壊熱をより効率よく大気中へ放出できる。また、板状部材を曲げて製造した複数の外筒構成部材482c及び482c等を接合して外筒482を構成するため、軸方向に垂直な断面外形状が略八角形の胴本体を持つキャスクを製造する場合に好適である。
以上、この発明にかかるキャスクでは、胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を形成した複数の帯状部材を組み合わせて構成した外筒を備えた。このため、外筒の表面積を溝がない場合よりも大きくできるので、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、溝を形成した帯状部材を複数組み合わせて外筒を構成するので、鋳造や曲げ加工によらず容易に外筒を製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、複数の溝を備えた帯状部材を複数組み合わせて構成した外筒を備えたので、より多くの熱を大気中に放出できる。その結果、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、ユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接する際に、狭く長い空間で溶接することなく、すべて開放されている外側から行うことができるので、容易に外筒に溝を形成したキャスクを構成できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、複数の溝を備えた帯状部材を複数組み合わせて構成した外筒を備えたので、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出でき、燃焼度の高い使用済み燃料集合体を収納する場合であっても、十分な安全性を確保できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなくすべて開放されている外側から行うことができるので、容易に外筒に溝を形成したキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、複数の溝を備えた帯状部材を複数組み合わせて外筒を構成したので、溝が形成されていない場合よりも多くの熱を大気中に放出できる。また、帯状部材と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいは伝熱フィンをもって帯状部材を胴本体に溶接するときには、狭く長い空間で溶接することなくすべて開放されている外側から行うことができるので、容易に外筒に溝を形成したキャスクを製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、表面に溝を形成した帯状部材をさらに山形又は谷形に折り曲げるようにしたので、外筒の表面積をさらに大きくできる。これによって、さらに多くの熱を大気中に放出できるので、さらに高い安全性を確保できる。また、表面に溝を形成した帯状部材を複数組み合わせて外筒を構成するので、鋳造等の製法を利用するよりも容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、表面に溝が形成された板状部材を折り曲げてユニットを構成し、このユニットを組み合わせて外筒を構成した。このため、伝熱フィンと外筒とを一体で構成できるので、さらに容易に外筒を製造できる。また、板状部材の表面には溝が形成されているので、外筒の表面積を大きくして放熱性能を向上させることができる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、外側表面に溝が形成された筒状ユニットを複数組み合わせて構成した外筒を備えたので、表面に形成された溝によって外筒外側の表面積を大きくして、より多くの崩壊熱を大気中に放出できる。また、筒状ユニットを組み合わせて外筒を構成するので溶接工程が少なくて済み、外筒を比較的容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、外側に溝を形成したリング板を複数組み合わせて外筒を構成したので、外筒の表面積を大きくして放熱性を高くできる。また、リング板と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、すべて開放されている外側から溶接できるので、外側に溝を形成した外筒を容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクは、外側に溝を形成したリング板を複数組み合わせて外筒を構成したので、外筒の表面積を大きくして放熱性を高くできる。また、リング板と伝熱フィンとを溶接するとき、あるいはユニット化した状態で伝熱フィンをもって胴本体に溶接するときには、すべて開放されている外側から作業できるので、表面に溝を形成した外筒を容易に製造できる。また、リング板の両側に端縁部を残して伝熱フィンを溶接しているので、熱影響部が局所的に集中するのを防止することができる。
つぎの発明にかかるキャスクは、外筒の外側に、胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝を形成したので、外筒の表面積を溝がない場合よりも大きくできる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、外筒の表面に形成される複数の溝又は突起のうち少なくとも一方の断面形状を円弧状とした。このため、外筒の表面積を大きくして放熱性能を向上できると共に、断面形状が円弧状であるから溝に放射性物質が蓄積し難くなる。これによって、除洗の際には外筒表面に付着した放射性物質を効率よく洗い落とすことができる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、外筒の表面に形成される複数の溝の断面形状は、外筒の径方向外側が開いた台形形状であることを特徴とする。これによって、溝によって区切られる突起の側面における輻射の方向を外筒の外側に向けることができる。その結果、フィンの役割を果たす突起の側面同士間における輻射の影響を低減して、大気中に輻射される熱をさらに大きくできるので、さらに放熱効率を高くできる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、外筒に形成される複数の溝を、上記胴本体の軸方向に対して傾斜させた。このため、外筒の表面近傍を上昇する空気は、傾きをもった溝によって流れが乱されるので、空気と外筒との伝熱が促進される。その結果、さらに放熱性能を向上させることができる。
また、この発明にかかるキャスクでは、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納するバスケットと、放熱性の高い外筒とを備えるようにした。このため、多くの崩壊熱を発生する高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納しても、崩壊熱を効率よく大気中に放出してキャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、一のセルを構成するエレメントの外側面と他のセルを構成する角パイプの外側面及び他のセルを構成するエレメントの端部とを平面で当接させて構成したバスケットを備えるようにした。このため、伝熱面積を大きくできるので、バスケットの内部から外部へ効率よくこの熱が伝えられる。そして、伝熱性能が向上した分だけ多く伝えられる崩壊熱は、放熱性の高い外筒によって効率よく大気中へ放出される。これによって、発熱量の大きい高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納しても、大量の崩壊熱を効率よく大気中に放出してキャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、バスケットを構成するエレメントのコーナー部外側に設けた平面と、エレメントの一方の端部に設けた平面とを当接させて構成したバスケットを備えるようにした。このため、エレメント同士の伝熱面積が大きくなるので、より効率よく使用済み燃料の崩壊熱をバスケットの外部へ逃がすことができる。そして、伝熱効率が向上した分多く伝えられる崩壊熱は、放熱性の高い外筒によって効率よく大気中へ放出されるので、大量の崩壊熱を効率よく大気中に放出して、キャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、バスケットを構成するエレメントのコーナー部外側と端部とを階段状に形成し、セルを構成するエレメントのコーナー部と端部とを噛み合わせて組み立てたバスケットを備えた。このため、上記バスケットと比較してエレメント同士の伝熱面積がより大きくなるので、より伝熱性能が向上する。そして、伝熱性能が向上した分の崩壊熱は、放熱性の高い外筒により効率よく大気中に放出されるので、発熱量の大きい高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納しても、キャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、長手方向に向かう溝を外側面に備える横断面が略L字状のエレメントを角パイプの内部へ配置したセルを有するバスケットを備え、高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を格納するようにした。そして、このキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、熱の発生の多い高燃焼度・短冷却期間の使用済み燃料集合体を安全に収納できる。
また、この発明にかかるキャスクでは、複数の角パイプ同士を千鳥状に組み合わせて構成し、角パイプの側面同士を合わせて構成するバスケットよりも角パイプ側面の肉厚を薄くしたバスケットを備えるようにした。これによって、伝熱性能が向上し、より多くの熱をバスケットの外に伝えることができる。このようなバスケットであっても、このキャスクは放熱性の高い外筒を備えているので、バスケットから伝わる多くの熱を効率よく大気中に放出してキャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、内部に格納するバスケットを構成する角パイプの角部外側を、少なくとも二段の階段状に形成した。これによって、角部における肉厚を角パイプの側面における肉厚の半分以上確保できるので、その分伝熱性能が向上する。そして、伝熱性能が向上した分の熱は、放熱性の高い外筒によって効率よく大気中に放出できるので、キャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、胴本体のキャビティ内をバスケットの外形に合わせた形状にすることで、当該バスケットをキャビティ内に挿入した場合に、外側の板状部材がキャビティの内面に接触した状態とした。これにより、前記崩壊熱は、内部に導入するヘリウムガスや直接接触部分を介して、バスケットから胴本体へと効率的に伝導する。これによって、使用済み燃料集合体からの崩壊熱を効率よく胴本体に伝えることができると共に、外筒に形成した溝によってこの崩壊熱を胴本体から大気中へ効率よく放出できるので、キャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクでは、バスケット外周面に設けた伝熱板を介して胴本体に崩壊熱が効率的に伝わり、また、バスケットの角断面部分においては一部が胴本体に面接触していることでバスケットを確実に保持すると共に熱伝導効率の向上に寄与するようにした。これによって、使用済み燃料集合体からの崩壊熱を効率よく胴本体に伝えることができると共に、外筒に形成した溝によってこの崩壊熱を胴本体から大気中へ効率よく放出できるので、キャスクの十分な安全性を確保できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法は、まず、片面に複数の溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらの溶接作業を行いやすくした。次に、ユニットを胴本体に溶接するにあたり、ユニットの外側から溶接するようにし、続いて帯状部材Bを帯状部材Aの間に嵌め込んで溶接するときも、外側から行うようにした。これにより、すべて外側から溶接できるから、外筒に溝を形成したキャスクの組立て作業を容易にすることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、まず、片面に溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらの溶接作業を行いやすくした。次に、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、ユニットの断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側からの溶接作業を可能とした。また、帯状部材A、Aの間に帯状部材Bを渡して溶接するときも、外側から溶接するようにした。このため、すべて外側から溶接できるから、外筒に溝を形成したキャスクの組立て作業を容易にすることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、まず、片面に溝を形成した帯状部材Aと伝熱フィンとを溶接することで、溶接作業を容易にした。次に、帯状部材Aを伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側からの溶接作業を可能とした。また、帯状部材A、A同士を溶接するときも外側から行うようにした。このため、すべて外側から溶接できるから、外筒に溝を形成したキャスクを容易に組立てることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、まず、外側に複数の溝を形成したリング板Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化することで、これらの溶接作業を行いやすくした。次に、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するが、ユニットの断面がT字形状であるためその両側が開放されており、それゆえ外側からの溶接作業を可能とした。また、リング板A同士を溶接するときも、外側から溶接した。このため、すべて外側から溶接できるから、外筒に複数の溝を形成したキャスクの組立て作業を容易にすることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、このキャスクでは、外側に複数の溝を形成したリング板Aと伝熱フィンとを溶接してユニット化し、ユニットの伝熱フィンをもって胴本体に溶接するようにしたため、開放状態にある外側から溶接作業が可能である。続いて、リング状に成形した成形中性子吸収体をユニット内に収めた状態で、次のユニットを外側から溶接すると共に前記成形中性子吸収体をユニット内に収め、リング板Aの端縁同士を外側から溶接するようにした。これにより、すべて外側から溶接できるから、複数の溝を有する外筒を備えたキャスクの組立て作業を容易にすることができる。また、鋳造や曲げ加工によらず外筒の表面に溝を形成できるので、表面に溝を備えた外筒を有するキャスクを容易に製造できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、板を胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げるため、外筒を構成する板状部材の個数を低減でき、キャスクの製造工程を簡略化できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、板を胴本体の外形の一部形状に合わせて曲げるため、外筒を構成する板状部材の個数を低減でき、キャスクの製造工程を簡略化できる。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、予め表面に溝を形成した板状部材を曲げ加工し、この板状部材同士を端部で溶接して円筒状の外筒を製造してから、放射状に伝熱フィンを設けた胴本体にこの外筒を嵌め込んだ後、伝熱フィンの端部と外筒内面とを溶接するようにした。このように、板を円弧状に曲げるため、断面が円形の胴本体を持つキャスクを製造する場合に好適である。
つぎの発明にかかるキャスクの製造方法では、帯状部材等に形成する溝の配列方向に、この溝の配列ピッチで複数の切削工具を配列して、帯状部材等に複数の溝を同時に形成するようにした。このため、帯状部材等に複数の溝を形成する手間を大幅に短縮できる。特に、複数の帯状部材を組み合わせて外筒を構成する場合には、多くの複数の溝を形成した帯状部材を効率的に製造できるので、製造時間を大幅に短縮できる。
以上のように、本発明にかかるキャスク及びキャスクの製造方法は、燃焼を終えた使用済み燃料集合体の収容、貯蔵に適し、特に、使用済み燃料集合体の崩壊熱を効率よく大気中へ放出できる放熱性能に優れたキャスクやその製造等に適している。

Claims (2)

  1. 使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、
    前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向の少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面両側には端縁部を残して前記伝熱フィンが溶接されており、且つ前記帯状部材に隣接する他の帯状部材がそれぞれの端縁部付近で溶接されていることを特徴とするキャスク。
  2. 使用済み燃料集合体を収容する複数のセルを形成したバスケットを内部に収容する胴本体を有し、この胴本体の外周に伝熱フィンを複数設けてその伝熱フィンの外周に外筒を取り付け、伝熱フィンと外筒との空間に中性子吸収体を設けたキャスクにおいて、
    前記外筒は、前記胴本体の軸方向又は周方向のうち少なくとも一方に向かう複数の溝が形成された複数の帯状部材をその端縁部で溶接した構成であり、一つの帯状部材の前記溝が形成されている面の反対面両側には端縁部を残して前記伝熱フィンを溶接することでユニットを構成し、このユニットを所定間隔で前記胴本体に前記伝熱フィンをもってユニット外側から溶接し、且つ隣り合うユニットの帯状部材同士の間に別の帯状部材を渡して外側から溶接してあることを特徴とするキャスク。
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