JP5356198B2 - 使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼を終えた使用済燃料を輸送あるいは貯蔵する使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットに関する。
使用済燃料輸送貯蔵キャスクに使用されるバスケットは、複数のバスケット格子を有しており、各バスケット格子には、使用済燃料が収納される。各バスケット格子の周囲には、未臨界制御を行うための空間(水ギャップ)が設けられている。これにより、隣り合う使用済燃料同士の相互干渉を防止し、中性子による反応度を低くして使用済燃料が臨界になることを防いでいる。
特許文献1には、スリットが設けられた板状のプレートを格子状に縦横に組み合わせることで形成されたバスケットが開示されている。
また、特許文献2には、1/4深さの溝が設けられたH断面の押出材を溝の部分で嵌め合わせることで形成されたバスケット構造が開示されている。
特開2005−274237号公報 特開2007−33242号公報
しかしながら、特許文献1のバスケットにおいては、板状のプレートにスリットを設けることで、バスケットの強度が低下するという問題があり、これを防ぐためには、プレートの板厚を厚くしなければならず、バスケットが大型化する。
また、特許文献2のバスケットにおいては、押出材の断面視において、水ギャップを形成する短辺方向の寸法が示されていないため、未臨界制御の維持が不十分となる恐れがある。
本発明の目的は、未臨界制御を維持しながら軽量化、コンパクト化することが可能な使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットを提供することである。
本発明における使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットは、アルミ合金からなる押出材を複数組み合わすことで格子状に形成された、使用済燃料輸送貯蔵キャスクに使用されるバスケットにおいて、前記押出材は、断面が略H形状であって、断面視において、長辺同士が対向する2枚の平板と、前記2枚の平板間に設けられたリブと、前記平板の長辺方向において前記平板の端から前記平板と前記リブとの接続箇所までの部分をブレードとしたときに、前記長辺方向に沿って前記ブレードに形成され、他の押出材が組み合わされるスリットと、を有し、前記断面視において、前記押出材の前記長辺方向の長さをhとし、前記スリットの深さをcとすると、cはhの1/4相当であり、前記断面視において、各ブレードの前記長辺方向の長さをaとし、対向する2本のブレード間の間隔をbとすると、a≧cの関係、および、a/b≦4の関係を満足しており、
前記バスケットの中央部に位置する前記押出材において対向する2本のブレード間の間隔は、前記バスケットの周辺部に位置する前記押出材において対向する2本のブレード間の間隔よりも大きく、前記リブは、前記2枚の平板間に複数設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、押出材の断面を略H形状とし、断面視において、スリットの深さcを押出材の長辺の長さhの1/4相当とする。そして、断面視における各ブレードの長辺方向の長さaについて、a≧cの関係を満足させることで、押出材同士を組み合わせるためのスリットをリブに形成する必要がない。よって、リブにより押出材の強度が増して、スリットによる押出材の強度低下が最小に抑えられるので、強度が増している分、押出材の板厚を薄くすることができる。また、断面視における2本のブレード間の間隔bに対して、a/b≦4の関係を満足させることで、断面の寸法精度に優れた押出材を押出加工することができるとともに、ブレード間の隙間を好適な水ギャップとすることができる。これにより、未臨界制御を維持しながらバスケットを軽量化、コンパクト化することができる。また、バスケットの中央部における水ギャップがバスケットの周辺部における水ギャップよりも大きくなるので、未臨界制御を好適に維持することができる。また、バスケットの周辺部における水ギャップをバスケットの中央部における水ギャップよりも小さくすることにより、バスケットをコンパクト化することができる。
また、本発明における使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットにおいて、前記アルミ合金が、マンガンを1%以上2%以下、マグネシウムを1%以上2%以下、ボロンを0.6%以上1.3%以下でそれぞれ含有していてよい。上記の構成によれば、このような成分系のアルミ合金は、機械強度が優れるとともに、未臨界制御に有効なボロンを含んでいるので、このようなアルミ合金からなる押出材を用いることで、バスケットの強度を高めることができるとともに、未臨界制御を好適に維持することができる。
また、本発明における使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットにおいて、前記アルミ合金にはボロンが添加されており、前記ボロンが、10B/(10B+11B)≧50%の関係を満足する濃縮ボロンであってよい。上記の構成によれば、中性子吸収能力の高い10Bの比率を高めた濃縮ボロンを添加したアルミ合金からなる押出材を用いることで、未臨界制御を好適に維持することができる。
また、本発明における使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットにおいて、前記スリットの幅が、組み合わせ相手である押出材の幅相当であってよい。上記の構成によれば、スリットの幅をブレードの板厚相当として、ブレード同士をスリットで組み合わせるのではなく、スリットの幅を押出材の幅相当として、押出材同士をスリットで組み合わせる。これにより、スリットの幅が大きくなるので、その分、押出材を軽量化することができる。
また、本発明における使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットにおいては、前記断面視において、対向する2本のブレードの前記長辺方向の長さが、互いに異なっていてよい。上記の構成によれば、断面視において、2本のブレードの長辺方向の長さを互いに異ならせることにより、ブレード同士の接合面を段違いにする。これにより、ブレード間の隙間を通過した中性子を隣りのブレードで吸収することができるから、未臨界制御を好適に維持することができる。
本発明の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケットによると、リブにより押出材の強度が増して、スリットによる押出材の強度低下が最小に抑えられるので、強度が増している分、押出材の板厚を薄くすることができる。また、断面の寸法精度に優れた押出材を押出加工することができるとともに、ブレード間の隙間を好適な水ギャップとすることができる。これにより、未臨界制御を維持しながらバスケットを軽量化、コンパクト化することができる。
使用済燃料輸送貯蔵キャスクを示す一部切欠斜視図である。 バスケットの構成を示す平面図である。 押出材の構成を示す断面図である。 押出材を組み合わせる様子を示す斜視図である。 押出材を組み合わせた様子を示す斜視図である。 マンガンの添加率と強度との相関関係を示したグラフである。 マグネシウムの添加率と強度との相関関係を示したグラフである。 押出材を組み合わせる様子を示す斜視図である。 押出材の構成を示す断面図である。 押出材を組み合わせた様子を示す斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(使用済燃料輸送貯蔵キャスク)
使用済燃料輸送貯蔵キャスク(キャスク)10は、図1に示すように、有底無蓋筒状の容器本体41と、その蓋42とを有している。このキャスク10は、使用済燃料の輸送および貯蔵に用いられるものであって、その内部にバスケット1を有している。
容器本体41は、炭素鋼製の胴47と、胴47を取り巻く複数の中性子遮蔽材46と、中性子遮蔽材46を覆う炭素鋼製の外筒45と、を有している。胴47の底部分には、中性子遮蔽材からなり、炭素鋼で覆われた底遮蔽板(図示せず)が設けられている。外筒45には、複数のトラニオン55が設けられている。また、中性子遮蔽材46同士の間には、伝熱フィン51がそれぞれ設けられている。
蓋42は、炭素鋼製の一次蓋43と二次蓋52との二重蓋構造にされている。二次蓋52は、中性子遮蔽材からなる蓋遮蔽板53を炭素鋼で覆った構成にされている。蓋42には、密封監視装置54が設けられている。また、バスケット1には、使用済核燃料等の使用済燃料2が収納されている。
(バスケット)
バスケット1は、図2に示すように、容器本体41の胴47内に収容されている。バスケット1は、アルミ合金からなる押出材5が格子状に縦横に組まれることで、多数のバスケット格子3を備えるように形成されている。このバスケット格子3には、使用済燃料2が収納される。本実施形態において、バスケット格子3は、縦5列、横6列で並べられている。なお、図2においては、バスケット格子3を便宜的にハッチングを用いて示している。
PWR燃料用のバスケット1は、使用済燃料2の未臨界設計のために、バスケット格子3間に空間を設ける必要がある。ここで、臨界解析では、キャスク10の内部を満水にした状態が、使用済燃料2の反応度が最も高い状態であることから、この空間を水ギャップという。
(押出材)
押出材5は、ボロンが添加されたアルミ合金を押出加工したものである。押出材5は、図3に示すように、断面が略H形状であって、断面視において、短辺方向に並設された2本のブレード5a,5aと、2本のブレード5a,5a間に設けられたリブ5bと、を有している。図3(a)に示す押出材5におけるリブ5bの数は「1」であり、図3(b)に示す押出材5におけるリブ5bの数は「2」である。本実施形態においては、図3(a)、図3(b)に示す押出材5の断面形状を、略H形状と定義している。なお、押出材5が有するリブ5bの数は3以上であってもよい。
また、押出材5は、図4に示すように、他の押出材5が組み合わされるスリット5c,5cを有している。スリット5c,5cは、図3に示す断面視において、長辺方向に沿って形成されている。ここで、断面視において、押出材5の長辺の長さをhとし、スリット5cの深さをcとすると、c=h/4である。また、スリット5cの幅はブレード5aの板厚相当である。このような押出材5は、図4に示すように、スリット5cに他の押出材5のスリット5cが嵌め合わされることで、格子状に縦横に組まれる。これにより、図5に示すように、複数のバスケット格子3を有するバスケット1が形成される。
また、図3に示すように、断面視において、各ブレード5a,5aの長辺方向の長さをaとし、2本のブレード5a,5a間の間隔をbとすると、a≧cの関係、および、a/b≦4の関係を満足している。つまり、断面視における各ブレード5a,5aの長辺方向の長さaは、スリット5cの深さcと同じか、それよりも長い。
このように、断面視における各ブレード5a,5aの長辺方向の長さaについて、a≧cの関係を満足させることで、押出材5,5同士を組み合わせるためのスリット5c,5cをリブに形成する必要がない。よって、リブ5bにより押出材5の強度が増して、スリット5cによる押出材5の強度低下が最小に抑えられるので、強度が増している分、押出材5の板厚を薄くすることができる。
また、断面視における2本のブレード5a,5a間の間隔bに対して、a/b≦4の関係を満足させることで、断面の寸法精度に優れた押出材5を押出加工することができるとともに、ブレード5a,5a間の隙間を好適な水ギャップとすることができる。
これにより、未臨界制御を維持しながらバスケット1を軽量化、コンパクト化することができる。
また、図2において、バスケット1の中央部における使用済燃料の反応度は、バスケット1の周辺部における使用済燃料の反応度よりも高い。そこで、図2に示すように、バスケット1の中央部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔は、バスケット1の周辺部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔よりも大きくされている。つまり、バスケット1の中央部に位置する押出材5におけるリブ5bの長さは、バスケット1の周辺部に位置する押出材5におけるリブ5bの長さよりも長くされている。
具体的には、図2を横方向にみて、バスケット1の中央部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔Y1が最も大きくされており、その隣りに位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔Y2がその次に大きくされており、その隣りに位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔Y3が最も小さくされている。また、図2を縦方向にみて、バスケット1の中央部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔X1は、その隣りに位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔X2よりも大きくされている。
このように、バスケット1の中央部における使用済燃料の反応度は、バスケット1の周辺部における使用済燃料の反応度よりも高いので、バスケット1の中央部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔を、バスケット1の周辺部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔よりも大きくする。これにより、バスケット1の中央部における水ギャップがバスケット1の周辺部における水ギャップよりも大きくなるので、未臨界制御を好適に維持することができる。また、バスケット1の周辺部における水ギャップをバスケット1の中央部における水ギャップよりも小さくすることにより、バスケット1をコンパクト化することができる。
また、バスケット材料となるアルミ合金としては、押出性と強度とのバランスを考慮すると、3000系のアルミ合金が優れている。特にA3004合金は、3000系のアルミ合金の中で比較的に強度が高いので、バスケット材料として優れているが、このアルミ合金のマンガン、マグネシウムの添加率を高くすることで、さらに高強度のバスケット材料とすることができる。
また、バスケット材料には、未臨界維持のために、中性子を吸収して臨界になることを抑制する中性子吸収材料が必要不可欠である。中性子吸収材料としては、ボロン(ほう素)が優れている。アルミ合金に添加するボロンには、B−10とB−11の同位体があり、B−10の方が中性子吸収性能に優れている。天然のボロンでは、B−10の比率が約20%であるが、この比率を高めると臨界設計に有効である。B−10の比率を高めたボロンを濃縮ボロンといい、濃縮ボロンにおけるB−10の比率を濃縮度という。濃縮度が高いほど臨界制御機能に優れるが、必要な濃縮度は使用済燃料の仕様によってさまざまであり、PWR燃料の場合には、少なくとも50%以上の濃縮度が必要である。
また、ボロン添加アルミ合金には幾つかの種類があり、アルミ合金マトリクス中に添加されるボロン化合物の形態として、例えば、AlB、TiB、BCがあるが、バスケット材料としてのアルミ合金には、いずれのボロン化合物が添加されていてもよい。
本実施形態において、押出材5を構成するアルミ合金は、A3004合金であって、マンガンを1%以上2%以下、マグネシウムを1%以上2%以下、ボロンを0.6%以上1.3%以下でそれぞれ含有している。このような成分系のアルミ合金は、機械強度が優れるとともに、未臨界制御に有効なボロンを含んでいる。よって、このようなアルミ合金からなる押出材5を用いることで、バスケット1の強度を高めることができるとともに、未臨界制御を好適に維持することができる。
また、押出材5を構成するA3004合金に添加されたボロンは、10B/(10B+11B)≧50%の関係を満足する濃縮ボロンである。中性子吸収能力の高い10B(B−10)の比率を高めた濃縮ボロンを添加したA3004合金からなる押出材5を用いることで、未臨界制御を好適に維持することができる。
(製造試験)
次に、アルミ合金を押出加工して押出材5にする製造試験を行った。表1は、製造試験を実施したアルミ合金の化学成分である。
ここで、コンパクトなバスケットを設計するためには、押出材5の強度が高い方が望ましい。また、実際のバスケット設計においては、その使用環境として約200℃程度の高温を考慮する必要があり、また、数十年間に渡る使用期間中に、押出材5がこのような高温に曝されることによる強度低下を考慮する必要がある。非熱処理系のアルミ合金は、使用期間中の強度低下が少ないので、バスケット材料として優れている。
マンガン(Mn)およびマグネシウム(Mg)の添加率と強度との相関関係を示したグラフを図6および図7に示す。本実施形態で使用するアルミ合金は、引張強さSuが200MPa以上、耐力Syが110MPa以上を満たす成分設計としている。一方、これらの添加率を高くしすぎると、アルミ合金の溶着性が悪くなり、中空断面形状の押出材を製造しにくくなる。以上のことから、マンガンの添加率は1%以上2%以下、マグネシウムの添加率は1%以上2%以下である必要があり、望ましくは、マンガンの添加率は1.2%以上1.8%以下、マグネシウムの添加率は1.2%以上1.8%以下である。
(臨界解析)
次に、燃料の収納体数が24体および26体のキャスクについて、従来設計例(1)、従来設計例(2)、本実施形態の設計例(1)、および、本実施形態の設計例(2)の4つの設計例の各々で、臨界解析を実施した。計算条件としては以下のとおりである。燃料形式はPWR17×17燃料とし、U−235濃縮度は4.2%とした。計算にあたっては、燃料有効部のみをモデル化して、上下端部は30cmで水反射とした。モデル化したキャスクは無限配列とし、キャスク内部は、臨界上厳しい条件である1g/cmの満水状態とした。
従来設計例(1)、および、従来設計例(2)におけるバスケット材料(板材)の材質は、1%ボロン添加A6061−T6(B−10濃縮度:95%)であり、本実施形態の設計例(1)、および、本実施形態の設計例(2)におけるバスケット材料(押出材)の材質は、1%ボロン添加A3004N(B−10濃縮度:95%)である。バスケット格子の内幅は、いずれも223mmである。従来設計例(1)、従来設計例(2)、本実施形態の設計例(1)、および、本実施形態の設計例(2)における燃料の収納体数、バスケット材料の板厚、および、バスケットの最外径を表2に示す。
また、燃料の収納体数が26体のキャスクについて、本実施形態の設計例(3)で、臨界解析を実施した。計算条件としては以下のとおりである。燃料形式はPWR14×14燃料とし、U−235濃縮度は3.5%とした。計算にあたっては、燃料有効部のみをモデル化して、上下端部は30cmで水反射とした。モデル化したキャスクは無限配列とし、キャスク内部は、臨界上厳しい条件である1g/cmの満水状態とした。
本実施形態の設計例(3)におけるバスケット材料(押出材)の材質は、1%ボロン添加A3004N(B−10濃縮度:50%)であり、バスケット格子の内幅は、206mmである。本実施形態の設計例(3)における燃料の収納体数、バスケット材料の板厚、および、バスケットの最外径を表2に示す。
以上の計算条件で、SCALEコードシステムの臨界計算コードであるKENO−V.aを用いて、中性子の実効増倍率(keff)を計算した。通常、キャスクの臨界設計における基準は、標準偏差をσとしてkeff+3σ<0.95である。従って、本計算ではバスケット格子間の空間をパラメータにして、keff+3σの値がほぼ0.95となる空間の幅を調べた。本計算はモンテカルロ法によるコードなので、keffに統計誤差として3σが考慮される。
なお、中性子の実効増倍率とは、計算体系での中性子の増倍率であり、keff=1.0で臨界、keff>1.0で超臨界となる。基準値としては、統計誤差として3σを考慮し、更に0.05の余裕が考慮された0.95が採用されている。
計算結果を表2に示す。表2に示したとおり、従来設計例(1)、(2)では、板材を組み合わせたバスケットであるため、バスケット材料の板厚が17mm必要であり、バスケットの最外径も大きくなる。一方、本実施形態の設計例(1)、(2)では、押出材を組み合わせたバスケットであるため、バスケット材料の板厚が5mmであり、従来設計例(1)、(2)のバスケット材料の板厚に比べて約1/3に抑えられていることがわかる。また、バスケットの最外径も従来設計例(1)、(2)に比べて小さいことがわかる。
また、本実施形態の設計例(3)では、異なる型式の燃料を用いたが、この例から、バスケット材料に添加するボロンの濃縮度を50%にしても、臨界設計が成立することがわかる。よって、ボロン濃縮度は50%以上であれぱよい。
以上から、本実施形態のバスケットを採用すれば、未臨界制御を維持しながらバスケットを軽量化、コンパクト化することができることがわかる。従って、キャスク本体もコンパクトに設計することができることがわかる。
[第2実施形態]
(押出材)
次に、本発明の第2実施形態による使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット21について、図8を用いて説明する。第2実施形態によるバスケット21が、第1実施形態によるバスケット1と異なる点は、図8(a)に示すように、押出材25に形成されたスリット25cの幅が、組み合わせ相手である押出材25の幅相当である点である。
このように、スリット25cの幅をブレードの板厚相当として、ブレード同士をスリット25c,25cで組み合わせるのではなく、図8(b)に示すように、スリット25cの幅を押出材25の幅相当として、押出材25,25同士をスリット25c,25cで組み合わせる。これにより、スリット25cの幅が大きくなるので、その分、押出材25を軽量化することができる。
その他の構成は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
[第3実施形態]
(押出材)
次に、本発明の第3実施形態による使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット31について、図9を用いて説明する。第3実施形態によるバスケット31が、第1実施形態によるバスケット1と異なる点は、断面視において、押出材35が有する2本のブレード35aの長辺方向の長さが、互いに異なっている点である。なお、押出材35に形成されたスリットの幅はブレード35aの板厚相当である。
図9(a)において、押出材35のリブ35bの数は「1」であり、2本のブレード35a,35aの長辺方向の長さはそれぞれa1,a2であって、a1はa2よりも長い。また、スリットの深さc1,c2は、押出材35の長辺の長さhの1/4相当である。具体的には、長さがa1のブレード35aにおけるスリットの深さc1は、(h/4)+(a1−a2)/2であり、長さがa2のブレード35aにおけるスリットの深さc2は、(h/4)−(a1−a2)/2である。a1は、a1≧c1の関係、および、a1/b≦4の関係を満足している。また、a2は、a2≧c2の関係、および、a2/b≦4の関係を満足している。
図9(b)において、押出材35のリブ35bの数は「2」であり、2本のブレード35a,35aの長辺方向の長さはそれぞれa1,a2であって、a1はa2よりも長い。また、スリットの深さc1,c2は、押出材35の長辺の長さhの1/4相当である。具体的には、長さがa1のブレード35aにおけるスリットの深さc1は、(h/4)+(a1−a2)/2であり、長さがa2のブレード35aにおけるスリットの深さc2は、(h/4)−(a1−a2)/2である。a1は、a1≧c1の関係、および、a1/b≦4の関係を満足している。また、a2は、a2≧c2の関係、および、a2/b≦4の関係を満足している。なお、リブ35bの数は3以上であってもよい。
図10に示すように、ブレード35a,35a同士をスリット35c,35cで組み合わせて、押出材35を格子状に縦横に組むことで、複数のバスケット格子3を有するバスケット31が形成される。このとき、ブレード35a,35a同士の接合面35dは一直線とならずに、段違いになる。これにより、ブレード35a,35a間の隙間を通過した中性子を隣りのブレード35aで吸収することができるから、未臨界制御を好適に維持することができる。
その他の構成は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、図2において、バスケット1の中央部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔は、バスケット1の周辺部に位置する押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔よりも大きくされているが、各押出材5における2本のブレード5a,5a間の間隔は一定であってよい。この構成であれば、スリット5cを一定間隔で押出材5に形成すればよいので、押出材5の加工が容易である。
また、第3実施形態において、押出材35に形成されたスリット35cの幅はブレード35aの板厚相当であるが、第2実施形態のように、スリットの幅を押出材35の幅相当として、押出材35,35同士をスリットで組み合わせてもよい。これにより、スリットの幅が大きくなるので、その分、押出材35を軽量化することができる。
1,21,31 バスケット
2 使用済燃料
3 バスケット格子
5,25,35 押出材
5a,35a ブレード
5b,35b リブ
5c,25c スリット
10 キャスク(使用済燃料輸送貯蔵キャスク)

Claims (5)

  1. アルミ合金からなる押出材を複数組み合わすことで格子状に形成された、使用済燃料輸送貯蔵キャスクに使用されるバスケットにおいて、
    前記押出材は、断面が略H形状であって、断面視において、長辺同士が対向する2枚の平板と、前記2枚の平板間に設けられたリブと、前記平板の長辺方向において前記平板の端から前記平板と前記リブとの接続箇所までの部分をブレードとしたときに、前記長辺方向に沿って前記ブレードに形成され、他の押出材が組み合わされるスリットと、を有し、
    前記断面視において、前記押出材の前記長辺方向の長さをhとし、前記スリットの深さをcとすると、cはhの1/4相当であり、
    前記断面視において、各ブレードの前記長辺方向の長さをaとし、対向する2本のブレード間の間隔をbとすると、a≧cの関係、および、a/b≦4の関係を満足しており、
    前記バスケットの中央部に位置する前記押出材において対向する2本のブレード間の間隔は、前記バスケットの周辺部に位置する前記押出材において対向する2本のブレード間の間隔よりも大きく、
    前記リブは、前記2枚の平板間に複数設けられていることを特徴とする使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット。
  2. 前記アルミ合金が、マンガンを1%以上2%以下、マグネシウムを1%以上2%以下、ボロンを0.6%以上1.3%以下でそれぞれ含有していることを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット。
  3. 前記アルミ合金にはボロンが添加されており、
    前記ボロンが、10B/(10B+11B)≧50%の関係を満足する濃縮ボロンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット。
  4. 前記スリットの幅が、組み合わせ相手である押出材の幅相当であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット。
  5. 前記断面視において、対向する2本のブレードの前記長辺方向の長さが、互いに異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用済燃料輸送貯蔵キャスクのバスケット。
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