JP5537353B2 - 使用済燃料貯蔵ラック - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉から取り出された使用済燃料を燃料貯蔵プール内に収容して保管するための使用済燃料貯蔵ラックに関する。
一般に、原子力発電プラントにおいては、原子炉を一定期間運転した後に、炉心から取り出された使用済燃料を再処理に移行するまでの間、燃料貯蔵プールに設置された使用済燃料貯蔵ラックに収納して保管しておき、冷却することで使用済燃料の崩壊熱を除去している。
近年では、燃料貯蔵プールの貯蔵容量を増加する要望があり、既存スペースをさらに有効活用する必要がある。この要望に応えるため、使用済燃料貯蔵ラックに中性子吸収能力に優れた材料を用い、燃料相互間の未臨界性を保持しつつ、燃料間隔を狭くするような構造としている。また、このような中性子吸収能力に優れた材料は、地震時における使用済燃料ラックの高強度構造材としても利用している。このような技術を用いて貯蔵する使用済燃料の稠密度を増大可能な使用済燃料貯蔵ラックとしては、例えば特許文献1に記載された技術がある。
このように従来では、上記特許文献1の他、特許文献2に記載された技術のように使用済燃料貯蔵ラックの材料に中性子吸収能力に優れ、かつ構造強度も高いボロン濃度が1%までのボロン添加ステンレス鋼を適用し、格子状に溶接構成された燃料貯蔵セル構造のものがある。
特開平10−213693号公報 特開2007−024609号公報
ところで、燃料貯蔵プールに貯蔵する使用済燃料のさらなる稠密化の要望に応えるには、従来の1%以下のボロン添加ステンレス鋼板よりも中性子吸収能力に優れた1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板を使用する必要性が生じてきている。
しかしながら、1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼は、溶接部の強度が低下するとともに、靭性が低下することにより、溶接加工や曲げ加工が困難になるため、従来のラックのように溶接により格子状に形成されるセルを製作することが困難になるという問題がある。
また、海外では、中性子遮蔽材が高強度構造材を兼ねることを法律で禁じている国がある。そのため、中性子遮蔽材として高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板により形成される角筒を使用し、地震などの横荷重を受けても使用済燃料を適切に保持するための高強度構造材とはしていない。したがって、横荷重の増加に応じて強度を高めることが困難であるという問題がある。
さらに、従来では、横荷重の増加に対応するために高強度構造材を使用済燃料貯蔵ラックの中央部にも配置することが考えられるものの、高強度構造材として独立したものを使用済燃料貯蔵ラックの中央部に配置するためには、上、中、下部にそれぞれ設置する格子状の枠板へ取り付ける必要があり、そのため燃料貯蔵セル間への施工作業は、高い精度を必要とし、製造が難しいという問題が新たに発生する。
同様に、高地震帯などにおいて高強度のものが要求される場合、使用済燃料貯蔵ラックの各セル間に高強度構造材を配置すると、セル間の距離の増加につながる可能性があり、使用済燃料貯蔵ラックの外形を大きくしてしまうため、稠密化の要求に反してしまう問題がある。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであり、外形を大きくすることなく、製造が容易で、地震などの横荷重の増加に応じた強度要求に対して柔軟に対応可能な使用済燃料貯蔵ラックを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックは、使用済燃料を角筒状に形成した多数のセルに収納して保管する使用済燃料ラックであって、前記多数のセルにおいて中性子遮蔽材を組み立てて形成した中性子遮蔽セルと、前記中性子遮蔽材と高強度構造材を組み合わせて形成した複合セルと、前記中性子遮蔽セル及び前記複合セルを互いに一定間隔に保持するように位置決めする枠板と、を備え、前記複合セルを少なくとも一本前記多数のセル内に配置したことを特徴とする。
本発明によれば、外形を大きくすることなく、製造が容易で、地震などの横荷重の増加に応じた強度要求に対して柔軟に対応して強度を高めることができる。
本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの第1実施形態の全体構成を示す斜視図である。 図1の使用済燃料貯蔵ラックから中性子遮蔽セルを取り除いた状態を示す斜視図である。 図1の中性子遮蔽セルの組立状態を示す斜視図である。 図3において中性子遮蔽セルを、クリップを用いて組み立てた状態を示す要部拡大断面図である。 本実施形態の中性子遮蔽セルにステンレス鋼板を重ね合せる状態を示す平面図である。 図5において中性子遮蔽セルにステンレス鋼板を重ね合せて構成した複合セルを示す平面図である。 第1実施形態の使用済燃料貯蔵ラックにおいて中央部に複合セルを設置した場合を示す平面図である。 本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの第2実施形態において中性子遮蔽セルの組立状態を示す斜視図である。 第2実施形態における複合セルの組立状態を示す要部拡大斜視図である。 第2実施形態における複合セルの組立後の状態を示す要部拡大斜視図である。 第2実施形態における組立後の複合セルを示す平面図である。
以下に、本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、使用済燃料貯蔵ラックの底部を水平に設置した姿勢に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの第1実施形態の全体構成を示す斜視図である。図2は図1の使用済燃料貯蔵ラックから中性子遮蔽セルを取り除いた状態を示す斜視図である。図3は図1の中性子遮蔽セルの組立状態を示す斜視図である。図4は図3において中性子遮蔽セルを、クリップを用いて組み立てた状態を示す要部拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態の使用済燃料貯蔵ラック1は、設置状態において全体が上下に縦長な四角柱状に形成されている。使用済燃料貯蔵ラック1は、多数の中性子遮蔽セル3を備えている。これらの中性子遮蔽セル3は、図3に示すように中性子遮蔽材である1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板2a,2bで構成されている。また、各中性子遮蔽セル3は、上端部、上下方向略中央部及び下端部において、格子状の枠板4として、上部枠板4a、中部枠板4b及び下部枠板4cがそれぞれ水平に固定されている。なお、以下の説明において、ボロン添加ステンレス鋼板2a,2bのいずれか一方を特定しない場合は、図1に示すようにボロン添加ステンレス鋼板2として説明する。
さらに、使用済燃料貯蔵ラック1は、四隅部に角筒状に形成された複合セル5がそれぞれ同一高さに立設されている。これら4本の複合セル5は、それぞれベース6の周縁隅角部に配置されている。このベース6は、使用済燃料貯蔵ラック1の底部を構成し、平坦な四角板状に形成されている。また、4本の複合セル5は、それぞれ中性子遮蔽材である1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板の外面にステンレス鋼板を重ね合わせた二重構造である。このステンレス鋼板は、側面が各枠板4a,4b,4cに溶接により固定されるとともに、底部がベース6に溶接により固定されている。
各枠板4a,4b,4cは、図2に示すように正方形状の周枠内に横長のステンレス鋼板を一定の間隔で縦横に交差させて正方格子に組み立てられている。これにより、各枠板4a,4b,4cには、上下方向に貫通する正方形状の多数の中性子遮蔽セル3同士が一定の間隔を保持するように挿入される。そして、各枠板4a,4b,4cの四隅部には、それぞれ各複合セル5が配置されることにより、多数のセルを有する角筒型の使用済燃料貯蔵ラック1が構成される。
これら中性子遮蔽セル3及び複合セル5内には、図示しない使用済燃料が装荷され、中性子遮蔽セル3、複合セル5及び使用済燃料の荷重は、全てベース6で支持される。
さらに、図2に示すように、ベース6上に4本の複合セル5が配置され、これらの複合セル5を位置決めするため、複合セル5の上端部、上下方向略中央部及び下端部に、それぞれ上部枠板4a、中部枠板4b及び下部枠板4cが取り付けられている。
中性子遮蔽セル3は、図3に示すように1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板2a,2bを一対ずつ向き合わせて角筒状に組み合せることにより構成されている。これらのボロン添加ステンレス鋼板2a,2bは、それぞれ長方形の平板であり、互いに同一の長さで、同一の幅に形成されている。
一方のボロン添加ステンレス鋼板2aは、幅方向の両端近傍であって、長さ方向に沿って複数の縦長のスリット7が形成されている。他方のボロン添加ステンレス鋼板2bは、複数のスリット7に対応した上下位置であって、幅方向両端に差込み部8が張り出すように一体に形成されている。これらの差込み部8は、それぞれ長さ方向に沿って縦長のスリット9が形成されている。
スリット9は、一方のボロン添加ステンレス鋼板2aのスリット7に他方のボロン添加ステンレス鋼板2bの差込み部8が差し込まれたとき、スリット7を通過して一方のボロン添加ステンレス鋼板2aの外面側に露出するように差込み部8内における位置が設定されている。
したがって、ボロン添加ステンレス鋼板2a,2bにより中性子遮蔽セル3を組み立てるには、ボロン添加ステンレス鋼板2a,2bを一対ずつ向き合わせて井桁(角筒)状に組み合せる。具体的には、図3に示すようにボロン添加ステンレス鋼板2aの幅方向一端に形成された複数のスリット7に、ボロン添加ステンレス鋼板2bにおいて幅方向一端に形成された複数の差込み部8をそれぞれ差し込む工程を一対ずつ行う。
次いで、ボロン添加ステンレス鋼板2bにおいて幅方向他端に形成された複数の差込み部8を、ボロン添加ステンレス鋼板2aの幅方向他端に形成された複数のスリット7にそれぞれ差し込むことにより、平面角形状に組み合わされて中性子遮蔽セル3が形成される。
このように角形状に組み合わされた状態では、差込み部8のスリット9は、上述したようにボロン添加ステンレス鋼板2aの外面側に露出するように位置しているので、図4に示すように、スリット9を通してステンレス鋼製のクリップ10を装着することにより、ボロン添加ステンレス鋼板2aとボロン添加ステンレス鋼板2bとの角部(交点部)を固定し、中性子遮蔽セル3の角形状を保持するようにしている。
次に、中性子遮蔽セル3にステンレス鋼板を重ね合せた複合セル5について説明する。図5は本実施形態の中性子遮蔽セルにステンレス鋼板を重ね合せる状態を示す平面図である。図6は図5において中性子遮蔽セルにステンレス鋼板を重ね合せて構成した複合セルを示す平面図である。
図5に示すように、中性子遮蔽セル3は、二対のステンレス鋼板12,14が互いに対向するように重ね合せて角筒状に組み合わせることにより複合セル5が構成される。一対のステンレス鋼板(第1のステンレス鋼板)12,12には、それぞれボロン添加ステンレス鋼板2に重ね合わせる側であって、幅方向両端近傍に長手方向全長に亘ってスリット11,11が形成されている。また、一対のステンレス鋼板(第2のステンレス鋼板)14,14には、それぞれボロン添加ステンレス鋼板2に重ね合わせる側であって、幅方向両端に長手方向全長に亘りスリット11,11と同様の幅の切欠き部13,13が形成されている。ここで、スリット11,11及び切欠き部13,13の幅は、ボロン添加ステンレス鋼板2の板厚と同等である。
図6に示すように、複合セル5は、中性子遮蔽セル3の角部にステンレス鋼板12,14のスリット11及び切欠き部13をそれぞれ嵌め込むことにより重ね合わされ、このようにして組み付けた後は、ステンレス鋼板12,14の接合部15a,15b,15c,15dの外周部分を溶接などの結合手段により結合する。
次に、上記の構成要素の具体的な寸法関係について説明する。
本実施形態の使用済燃料貯蔵ラック1を例えば、加圧水型原子炉(PWR)に適用した場合について説明する。
加圧水型原子炉向けの使用済燃料貯蔵ラックでは、ボロン添加ステンレス鋼板2の板厚を3mm、中性子遮蔽セル3の内径を225mmとした場合、セル外径は225+3×2=231mmとなるものの、組立用の差込み部8がボロン添加ステンレス鋼板2aの外面より約10mm突出しており、外形板幅最大寸法が231+10×2=251mm程度となる。この中性子遮蔽セル3の突出部を覆うため、ステンレス鋼板12,14の板厚は、14mm程度とするのが望ましい。
このとき、中性子遮蔽セル3の外形板幅最大寸法が251mmであるのに対し、複合セル5の外形寸法が231+14×2=259mm程度となるが、上述したように中性子遮蔽セル3の突出部を覆うために枠板4の各開口部の四隅には、丸穴の逃げ部を設ける必要があり、その最大内径寸法は261mm程度であるので、複合セル5を設置したことで約285mmのセル間ピッチへ及ぼす影響はない。
図7は第1実施形態の使用済燃料貯蔵ラックにおいて中央部に複合セルを設置した場合を示す平面図である。
図7に示すように、本実施形態の複合セル5の断面寸法は、中性子遮蔽セル3と略同等であるため、複合セル5を図1及び図2に示すように使用済燃料貯蔵ラック1の四隅部に配置する以外に、枠板4に空けられた任意の位置の格子穴に少なくとも一本を挿入して設置するようにしてもよい。このように複合セル5を使用済燃料貯蔵ラック1内に少なくとも一本設置することにより、使用済燃料貯蔵ラック1の構造強度を容易に向上させることができる。
なお、図7では、本実施形態のように中性子遮蔽セル3の角部を、クリップ10を装着して固定するのではなく、中性子遮蔽セル3の突出部の先端側が切欠きバー16により覆われて固定されている。この切欠きバー16は、例えば円柱体の周方向4分の1の領域をそれぞれ全長に亘って90度切欠いて形成されている。このように中性子遮蔽セル3の角部(交点部)は、上記いずれかの固定手段により固定されればよい。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の使用済燃料貯蔵ラック1では、使用済燃料を中性子遮蔽セル3及び複合セル5の内部に保管し、枠板4により各中性子遮蔽セル3及び複合セル5の位置決めを行うことにより、使用済燃料間の距離を適切に維持し、未臨界性及び使用済燃料の冷却性を保証することが可能となる。
本実施形態の使用済燃料貯蔵ラック1は、中性子遮蔽材であるボロン添加ステンレス鋼板2と高強度構造材であるステンレス鋼板12,14を一体として複合セル5を形成したことにより、従来は中性子遮蔽セル3とは別の位置に高強度構造材を配置していたのに対し、中性子遮蔽セル3とほぼ同スペースにおいて同等以上の構造強度とすることができ、高強度構造材がセル間ピッチに影響を与えることがなくなる。
また、従来では、高強度構造の要求に対応するとき、中性子遮蔽セル3間に中性子遮蔽材と構造的に独立した高強度構造材を配置する場合があり、この場合にはセル間ピッチを大きくする必要性が生じる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、複合セル5を中性子遮蔽セル3とほぼ同スペース内に収容することができるため、セル間ピッチを拡大させる必要がなく、構造強度を向上させる場合において使用済燃料貯蔵ラック1の外形寸法を複合セル5の収容前と同様に維持することができる。
さらに、従来では、高強度構造材以外にもラック外周部に補強用の梁を設置していたが、本実施形態では、高強度構造材と中性子遮蔽材を兼ね備えた複合セル5を任意の位置に容易に配置することで構造強度の向上が図れるため、これらの補強用の梁が不要となり、構造強度の要求に柔軟に対応することができるとともに、構造を簡素化することができる。
そして、従来では、高強度構造材が上端部、上下方向略中央部及び下端部の枠板4よりも外側に配置された場合があったが、本実施形態では、高強度構造材を兼ねた複合セル5が枠板4の内部に配置されているため、使用済燃料貯蔵ラック1間の距離をより短くすることができ、さらなる稠密化が可能である。
また、本実施形態によれば、高強度構造材と中性子遮蔽材とが一体の複合セル5により構造強度を担保する。この複合セル5は、中性子遮蔽セル3の周囲にステンレス鋼板12,14を重ね合わせた構造であるため、使用済燃料貯蔵ラック1の断面において中性子遮蔽セル3と略同じ断面積で構造強度を担保することができる。
さらに、本実施形態によれば、中性子遮蔽セル3をボロン添加ステンレス鋼板2にクリップ10を使用して溶接や曲げ加工を施さずに組み立てるため、高ボロン添加ステンレス鋼を使用した際の溶接部強度の低下や靭性の低下といった問題を未然に回避することができる。
また、本実施形態によれば、高強度構造材を複合セル5のステンレス鋼板12,14が担保し、中性子遮蔽材であるボロン添加ステンレス鋼板2には荷重が伝達されないので、海外における中性子遮蔽材と高強度構造材を分離しなければならないという法律に対応することができる。
そして、本実施形態によれば、中性子遮蔽材と高強度構造材が一体の複合セル5で構造強度を担保することにより、使用済燃料貯蔵ラック1の断面内における任意の位置に高強度構造材を配置することができる。
以上により、本実施形態では、使用済燃料貯蔵ラック1の外形を大きくすることなく、製造が容易で、地震などの横荷重の増加に応じて強度の向上を図ることが可能となる。
(第2実施形態)
図8は本発明に係る使用済燃料貯蔵ラックの第2実施形態において中性子遮蔽セルの組立状態を示す斜視図である。図9は第2実施形態における複合セルの組立状態を示す要部拡大斜視図である。図10は第2実施形態における複合セルの組立後の状態を示す要部拡大斜視図である。図11は第2実施形態における組立後の複合セルを示す平面図である。なお、前記第1実施形態と同一又は対応する部分には、同一の符号を付して異なる構成を説明する。
図8に示すように、1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板2Aは、長方形の平板であり、ボロン添加ステンレス鋼板2bと同一の長さで、同一の幅に形成されている。ボロン添加ステンレス鋼板2Aは、長さ方向に沿って幅方向の両端に切欠き部18が部分的に形成され、この切欠き部18が形成されていない部分にスリット19が形成されている。
ボロン添加ステンレス鋼板2bは、複数のスリット19に対応した上下位置であって、前記第1実施形態と同様に幅方向両端に差込み部8が張り出すように一体に形成されている。これらの差込み部8は、それぞれ長さ方向に沿って縦長のスリット9が形成されている。
したがって、ボロン添加ステンレス鋼板2A,2bにより中性子遮蔽セルを組み立てるには、ボロン添加ステンレス鋼板2A,2bを一対ずつ向き合わせて角筒状に組み合せる。具体的には、図8に示すようにボロン添加ステンレス鋼板2Aの幅方向一端に形成された複数のスリット19に、ボロン添加ステンレス鋼板2bにおいて幅方向一端に形成された複数の差込み部8をそれぞれ差し込む工程を一対ずつ行う。
次いで、ボロン添加ステンレス鋼板2bにおいて幅方向他端に形成された複数の差込み部8を、ボロン添加ステンレス鋼板2Aの幅方向他端に形成された複数のスリット19にそれぞれ差し込むことにより、平面角形状に組み合わされて中性子遮蔽セルが形成される。
図9及び図10に示すように、ボロン添加ステンレス鋼板2bには、ステンレス鋼板20が重ね合わされる一方、ボロン添加ステンレス鋼板2Aには、ステンレス鋼板21が重ね合わされる。ステンレス鋼板20の幅方向両端には、組み立てたとき、スリット19が形成されて切欠き部18が形成されていない部分を回避するために切欠き部22が形成されている。また、ステンレス鋼板21の幅方向両端には、組み立てたとき、差込み部8を回避するために切欠き部23が形成されている。
そして、複合セル5Aを形成するには、ボロン添加ステンレス鋼板2bにステンレス鋼板20を、ボロン添加ステンレス鋼板2Aにステンレス鋼板21をそれぞれ重ね合わせた後、ステンレス鋼板20,21をそれぞれ図9において矢印方向にボロン添加ステンレス鋼板2A,2b上において接合部24で接合させ、この接合部24や切欠き部18において溶接などの結合手段によって結合する。これを図11に示す。
このように本実施形態によれば、高強度構造材であるステンレス鋼板20,21が中性子遮蔽材2A,2bで形成される四角筒の最外部よりも内側に位置するので、複合セル5Aの外形を小さくすることができ、複合セル5Aの挿入位置に相当する枠板4の穴径の増加を抑制することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。上記各実施形態では、複合セル5の上端部、上下方向略中央部及び下端部に、それぞれ上部枠板4a、中部枠板4b及び下部枠板4cを取り付けるようにしたが、これに限らず少なくとも一つ下端部以外に枠板を取り付けるようにすればよい。
また、上記各実施形態では、中性子遮蔽セルの外周4面にそれぞれステンレス鋼板を重ね合せた後、ステンレス鋼板同士を溶接による固定手段を用いて固定するようにしたが、これに限らずボルト、ナットなどの固定手段を用いてもよい。
1…使用済燃料貯蔵ラック
2,2a,2b…ボロン添加ステンレス鋼板
3…中性子遮蔽セル
4,4a,4b,4c…枠板
5,5A…複合セル
6…ベース
7…スリット
8…差込み部
9…スリット
10…クリップ
11…スリット
12…ステンレス鋼板(第1のステンレス鋼板)
13…切欠き部
14…ステンレス鋼板(第2のステンレス鋼板)
15a,15b,15c,15d…接合部
16…切欠きバー
18…切欠き部
19…スリット
20…ステンレス鋼板
21…ステンレス鋼板
22…切欠き部
23…切欠き部
24…接合部

Claims (5)

  1. 使用済燃料を角筒状に形成した多数のセルに収納して保管する使用済燃料ラックであって、
    前記多数のセルにおいて中性子遮蔽材を組み立てて形成した中性子遮蔽セルと、
    前記中性子遮蔽材と高強度構造材を組み合わせて形成した複合セルと、
    前記中性子遮蔽セル及び前記複合セルを互いに一定間隔に保持するように位置決めする枠板と、を備え、
    前記複合セルを少なくとも一本前記多数のセル内に配置したことを特徴とする使用済燃料ラック。
  2. 前記複合セルは、角筒状に組み立てられた前記中性子遮蔽材の外周4面に、前記中性子遮蔽材の板厚と同等幅のスリットが幅方向両端近傍に形成された一対の第1のステンレス鋼板と、幅方向両端に前記中性子遮蔽材の板厚と同等幅の切欠き部が形成された一対の第2のステンレス鋼板を重ね合わせ、前記各スリット及び前記各切欠き部をそれぞれ前記中性子遮蔽材の交点部に嵌め込み、前記第1及び第2のステンレス鋼板同士を結合手段により結合したことを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料貯蔵ラック。
  3. 前記複合セルは、幅方向両端に切欠き部が形成された中性子遮蔽材を四角筒形に組み立て、前記切欠き部の形状に合致するような形状のステンレス鋼板を外周4面に重ね合わせ、これらのステンレス鋼板同士を結合手段により結合したことを特徴とする請求項1に記載の使用済燃料貯蔵ラック。
  4. 前記中性子遮蔽材は、四角筒形に組み立てた4隅の交点部をクリップで固定したことを特徴とする請求項2又は3に記載の使用済燃料貯蔵ラック。
  5. 前記中性子遮蔽材は、1%を超える高ボロン濃度のボロン添加ステンレス鋼板としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の使用済燃料貯蔵ラック。
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