JP4703837B2 - ガス発生剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、航空機等に搭載される人体保護のために供せられるエアバッグシステムにおいて、作動ガスとなるガス発生剤の耐熱性が向上されたガス発生剤組成物に関する。
【0002】
また本発明は、前記ガス発生剤組成物の使用方法、前記ガス発生剤組成物を用いたガス発生器及び前記ガス発生器を用いたインフレータシステムに関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在のエアバッグシステムでは、ガス発生器は運転席のハンドル内や助手席のダッシュボード内に格納されているが、真夏には車内はかなりの高温になるため、ガス発生器も同様に高温にさらされる。また、車の寿命は10〜15年位と考えられるので、最低でもこの期間内では性能の保証ができなければならない。このような条件の中でエアバッグシステムの性能を安定させるには、ガス発生器内のガス発生剤を劣化させないことが重要となる。ガス発生剤が熱等により劣化すると、ガス発生剤の燃焼挙動が変化し、それに伴いエアバッグの展開挙動も変化してしまい、エアバックシステムに対する信頼性が損なわれてしまう。
【0004】
一般にガス発生剤の耐熱性は分解温度と密接な関係があり、分解温度が高いと耐熱性は良い傾向となる。アジ化ナトリウム系ガス発生剤は、基本的に無機物により構成されているため高い分解温度及び耐熱性を持つが、非アジ化ナトリウム系ガス発生剤は、普通、有機物である燃料を使うため、必然的に分解温度が低くなり、アジ化ナトリウム系ガス発生剤より耐熱性が悪くなる傾向にある。実際に、アジ化ナトリウム系ガス発生剤は約400℃以上で分解が開始されるのに比べて、ほとんどの非アジ化ナトリウム系ガス発生剤は250℃以下に分解開始温度がある。これらの耐熱性の善し悪しは、ガス発生剤に含まれる成分の種類及び組成比によって決まり、ガス発生剤の種類や組成比を変えることなしに、耐熱性を向上させることは困難である。
【0005】
特開平8−12481号公報には、ガス発生剤の分解を防止し、耐熱性を向上させる方法として、アゾジカルボンアミド(ADCA)と酸化剤のCuOの接触で起こる分解を防止するため、どちらか一方又は両方に表面被覆処理を施すことが開示されている。しかし、ここに例示されているADCA/KClO4/CuO/デンプンのような組成では、燃焼温度が高すぎるためガス発生器のフィルターやエアバッグが熱により損傷を受けることや、このガス発生剤が燃焼後に発生させる微粒子状のKClミストが多量にガス発生器外に放出されるため、そのままではエアバッグ用ガス発生剤としての使用は困難である。これらの問題を解決するためには、酸化剤であるKClO4の一部をKNO3やSr(NO3)2のような硝酸塩に置き換える方法が考えられるが、そのような改変をなした場合には、特開平8−12481に記載されている方法では十分な耐熱性を持たせることはできなくなる。これはKNO3やSr(NO3)2が水に溶けるため、表面被覆処理剤であるデンプンがKNO3やSr(NO3)2中に取り込まれ、ADCAやCuOの表面を十分に被覆できなくなるためであると考えられる。
【0006】
そこで本発明は、ガス発生剤自体の種類や組成比を変えることなしに、非アジ化ナトリウム系燃料を含むガス発生剤の耐熱性を向上させることができるガス発生剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、前記ガス発生剤組成物の使用方法、前記ガス発生剤組成物を用いたガス発生器及び前記ガス発生器を用いたインフレータシステムを提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ADCAその他のガス発生剤の分解機構について研究を重ねたところ、ADCAの分解は確かにCuOとの接触により起こるが、それだけではなくADCAの分解により発生したCONH2ラジカル、NH2ラジカル、CO、アンモニアのような物質が更に分解を促進していることを見出し、更にこれらの分解を促進する物質を取り除くことで、耐熱性を格段に向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、テトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料と塩基性金属硝酸塩を含むガス発生剤並びに吸着剤を含有することを特徴とするガス発生剤組成物(以下「第1発明」と称する)を提供する。
【0010】
また本発明は、非アジ化ナトリウム系燃料と酸化剤を含むガス発生剤及び吸着剤を含有し、ガス発生剤と吸着剤が一体成型されていないことを特徴とするガス発生剤組成物(以下「第2発明」と称する)を提供する。
【0011】
また本発明は、非アジ化ナトリウム系燃料と酸化剤を含むガス発生剤を含有し、かつ下記の(a)〜(c)の要件の1以上を具備することを特徴とするガス発生剤組成物(以下「第3発明」と称する)を提供する。
【0012】
(a)ガス発生剤組成物を密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下であること
(b)燃焼により発生するガスに含まれる微量ガスの濃度が、2800Lタンクでの測定値としてで、COが400ppm以下、NOが40ppm以下、NO2が8ppm以下及びNH3が100ppm以下であること
(c)ガス発生剤燃焼時におけるガス発生器内の最大内圧が7840〜14700kPaであること。
【0013】
また本発明は、前記のガス発生剤組成物を用いたことを特徴とするガス発生器及び前記のガス発生器を用いたことを特徴とするインフレータシステムを提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、第1発明について説明する。第1発明において、ガス発生剤はテトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料と塩基性金属硝酸塩を含むものである。
【0015】
テトラゾール誘導体は、一分子中の窒素原子の含有量が高く、毒性も低く、塩基性金属硝酸塩と組み合わせた場合には燃焼速度が大きくなるので好ましく、例えばモノテトラゾール化合物、ビテトラゾール化合物等があり、具体的には、テトラゾール、5―アミノテトラゾール、5,5’−ビ−1H−テトラゾール、5−ニトロアミノテトラゾール、5―アミノテトラゾールの亜鉛塩、5−アミノテトラゾールの銅塩、ビテトラゾール、ビテトラゾールカリウム塩(BHTK)、ビテトラゾールナトリウム塩、ビテトラゾールマグネシウム塩、ビテトラゾールカルシウム塩、ビテトラゾールジアンモニウム塩(BHTNH3)、ビテトラゾール銅塩及びビテトラゾールメラミン塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0016】
これらの中でも、窒素原子含有量が81.4重量%、LD50(oral−rat)が2000mg/kgであり、燃焼効率が良いため、ビテトラゾールジアンモニウム塩が好ましい。ここでいうビテトラゾール化合物には、2つのテトラゾール環の5−5’結合体と1−5’結合体が含まれ、価格と入手の容易さから5−5’体が好ましい。
【0017】
グアニジン誘導体としては、グアニジン、モノ、ジ又はトリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、ニトログアニジン(NQ)、ジシアンジアミド(DCDA)及びニトロアミノグアニジン硝酸塩から選ばれる1種以上が挙げられ、れらの中でもニトログアニジン、ジシアンジアミドが好ましい。
【0018】
ガス発生剤中における燃料の含有量は、酸化剤の種類及び酸素バランスにより異なるが、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
【0019】
塩基性金属硝酸塩としては、次のような式で示される一連の化合物が挙げられる。また、さらに水和水を含む化合物も存在する場合がある。式中、Mは金属を、x’は金属数を、y、y’はNO3イオン数を、z’はOHイオン数を、nはM(NO3)y部分に対するM(OH)z部分の比を示すものである。
【0020】
M(NO3)y・nM(OH)z又はMx'(NO3)y'(OH)z'
前記式に相当するものの例としては、金属Mとして銅、コバルト、亜鉛、マンガン、鉄、モリブデン、ビスマス、セリウムを含む、Cu2(NO3)(OH)3、Cu3(NO3)(OH)5・2H2O、Co2(NO3)(OH)3、Zn2 (NO3)(OH)3、Mn(NO3)(OH)2、Fe4(NO3)(OH)11・2H2O、Bi(NO3)(OH)2、Ce(NO3)3(OH)・3H2Oが挙げられる。
【0021】
塩基性金属硝酸塩としては、塩基性硝酸銅(BCN)、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸マンガン、塩基性硝酸鉄、塩基性硝酸モリブデン、塩基性硝酸ビスマス及び塩基性硝酸セリウムから選ばれる1種以上が挙げられ、これらの中でも塩基性硝酸銅が好ましい。
【0022】
塩基性硝酸銅は、酸化剤としての硝酸アンモニウムに比べると、使用温度範囲において相転移がなく、融点が高いので、熱安定性が優れている。さらに、塩基性硝酸銅は、ガス発生剤の燃焼温度を低くするように作用するので、窒素酸化物の生成量も少なくできる。
【0023】
ガス発生剤中における塩基性金属硝酸塩の含有量は、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
【0024】
第1発明においては、更に結合剤等の添加物を配合することができる。この結合剤等の添加物は特に限定されるものではなく、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa)、カルボキシメチルセルロースカリウム塩、カルボキシメチルセルロースアンモニウム塩、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(CAB)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、微結晶性セルロース、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミドのアミノ化物、ポリアクリルヒドラジド、アクリルアミド・アクリル酸金属塩共重合体、ポリアクリルアミド・ポリアクリル酸エステル化合物の共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルゴム、グアガム、デンプン、シリコーン、二硫化モリブデン、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、ステアリン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ケイ酸ナトリウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ヒドロタルサイト、マイカ、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、塩基性金属炭酸塩及びモリブデン酸塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0025】
金属水酸化物としては、水酸化コバルト、水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上が挙げられ、金属炭酸塩及び塩基性金属炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸コバルト、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸鉄、塩基性炭酸ビスマス、塩基性炭酸マグネシウムから選ばれる1種以上が挙げられ、モリブデン酸塩としては、モリブデン酸コバルト及びモリブデン酸アンモニウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
【0026】
ガス発生剤中における結合剤等の添加剤の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜12重量%である。
【0027】
第1発明において上記のガス発生剤と共に配合する吸着剤は、ガス発生剤中の燃料成分その他の分解により発生する分解生成物、即ちガス発生剤中の燃料成分その他の分解を促進するCONH2ラジカル、NH2ラジカル、CO、アンモニア等の気体成分のほか、液体成分を吸着保持するためものである。吸着剤は、より高い吸着効果を発揮させるため、十分に乾燥させることが好ましい。このような吸着剤としては、合成ゼオライト(モレキュラシーブ)、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、活性炭及び粘土(例えば、酸性白土、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、タルク)、硫酸ジルコニア等の固体超強酸、固体リン酸、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア等の固体酸等から選ばれる1種以上を挙げることができ、これらの中でも特に合成ゼオライトが好ましい。
【0028】
合成ゼオライトは、低い分圧でも他の吸着剤より多量に吸着するので、加圧されていないガス発生器でも有効に働き、高い温度でも多量に吸着するので、エアバッグ用ガス発生器のように高温にさらされる場合でも十分に効果を発揮できる。更に、極性物質を優先的に吸着するため、アンモニアのような分解促進作用を有する最も好ましくない物質を効果的に取り除くことができるし、機械的強度や熱安定性にも優れている。
【0029】
合成ゼオライトとしては、細孔径が約3Åの3Aタイプ(例えば、東ソー(株)製の合成ゼオライト吸着剤である商品名ゼオラムA−3;球状でサイズは8〜10メッシュ)、細孔径が約4Åの4Aタイプ(例えば、東ソー(株)製の合成ゼオライト吸着剤である商品名ゼオラムA−4;球状でサイズは8〜10メッシュ)、細孔径が約5Åの5Aタイプ(例えば、東ソー(株)製の合成ゼオライト吸着剤である商品名ゼオラムA−5;球状でサイズは8〜10メッシュ)、細孔径が約10Åの13Xタイプ(例えば、東ソー(株)製の合成ゼオライト吸着剤である商品名ゼオラムF−9;球状でサイズは8〜10メッシュ)等を挙げることができる。合成ゼオライトは、細孔径の大きさにより吸着できる物質が変わってくるため(例えば、3Aタイプは、水やアンモニア等を吸着し、4Aタイプは、水、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、メタノール、エタノール等を吸着し、5Aタイプや13Xタイプは、更に分子量の大きい物質も吸着する。)、どのタイプの合成ゼオライトを使用するかは、除去したい物質を取り除く能力を持つもののうちから適当に選択すればよい。
【0030】
第1発明のガス発生剤組成物におけるガス発生剤と吸着剤の含有量は、ガス発生剤が好ましくは60〜99.5重量%、より好ましくは60〜98重量%、更に好ましくは70〜96重量%であり、吸着剤が好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは2〜40重量%、更に好ましくは4〜30重量%である。
【0031】
第1発明におけるガス発生剤組成物は、例えば、燃料、酸化剤等を粉末状で混合する乾式法又は水や有機溶剤等の存在下で混合する湿式法によりガス発生剤を製造し、更に吸着剤を混合して一体成型することができる。しかし、第1発明における好ましい形態は、ガス発生剤と吸着剤を、それぞれ別々にペレット、ビーズ、メッシュ、パウダー、ディスク状等に成型したものを混合することである。なお、ガス発生剤と吸着剤を一体成型した場合は、ガス発生剤の燃焼性等に悪影響を及ぼす場合もあるため必ずしも好ましい形態というわけではないが、第1発明においては組成物をこのような一体成型にすることを排除するものではない。
【0032】
更に、第1発明のガス発生剤組成物は、別の形態としてガス発生剤と吸着剤が接触しないように保持することができる。この場合の「接触しないように」とは、例えば、ガス発生剤と吸着剤とを別々に包装した場合あるいは同一包装内又は同一燃焼室内において、両成分が混合しないよう仕切られている場合等のように、ガス発生剤と吸着剤とが接触していない状態をいうものである。
【0033】
また、第1発明のガス発生剤組成物は、ガス発生剤組成物(ガス発生剤40gを含む)を密閉した状態、具体的には内容積118.8mlのステンレス製容器に入れ、密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.7%以下であるものが望ましい。
【0034】
次に、第2発明について説明する。第2発明において、ガス発生剤は非アジ化ナトリウム系燃料と酸化剤を含むガス発生剤及び吸着剤を含有するものである。
【0035】
非アジ化ナトリウム系の燃料は特に限定されるものではなく、一般にガス発生剤用の燃料として汎用されている含窒素化合物を用いることができる。このような含窒素化合物としては、上記の第1発明と同じテトラゾール誘導体、グアニジン誘導体のほか、アゾジカルボンアミド等のアミド化合物、オキサミド、シュウ酸アンモニウム、ヒドラゾジカルボンアミド等が挙げられる。
【0036】
ガス発生剤中における燃料の含有量は、酸化剤の種類及び酸素バランスにより異なるが、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。
【0037】
酸化剤は特に限定されるものではなく、酸素酸塩、金属酸化物、金属複酸化物及び上記の第1発明と同じ塩基性金属硝酸塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0038】
酸素酸塩としては、アンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれたカチオンと、硝酸、亜硝酸、塩素酸及び過塩素酸から選ばれる水素を含まないアニオンとからなるものを挙げることができる。このような酸素酸塩としては、例えば、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム等の硝酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;亜硝酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸ストロンチウム等の亜硝酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム等の塩素酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸バリウム等の過塩素酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、塩基性金属硝酸塩等が挙げられる。
【0039】
金属酸化物及び金属複酸化物としては、銅、コバルト、鉄、マンガン、ニッケル、亜鉛、モリブデン及びビスマスの酸化物又は複酸化物が挙げられる。このような金属酸化物及び金属複酸化物としては、例えば、CuO、Cu2O、Co2O3、CoO、Co3O4、Fe2O3、FeO、Fe3O4、MnO2、Mn2O3、Mn3O4、NiO、ZnO、MoO3、CoMoO4、Bi2MoO6又はBi2O3が挙げられる。
【0040】
ガス発生剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
【0041】
第2発明のガス発生剤には、第1発明と同じ結合剤等の添加物を同じ割合で配合することができる。なお、第2発明のガス発生剤においては、テトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料と、塩基性金属硝酸塩から選ばれる酸化剤を同時には含むことはない。よって、テトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料を使用した場合は、酸化剤として塩基性金属硝酸塩は使用せず、酸化剤として塩基性金属硝酸塩を使用した場合には、燃料としてテトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体は使用しない。
【0042】
第2発明において上記したガス発生剤と共に配合する吸着剤は、第1発明と同じものを用いることができるが、第2発明のガス発生剤組成物においては、ガス発生剤と吸着剤は一体成型されていない。よって、第2発明のガス発生剤組成物は、例えばガス発生剤と吸着剤を、それぞれ別々にペレット、ビーズ、メッシュ、パウダー、ディスク状等に成型したものを混合して得ることができる。
【0043】
また、第2発明のガス発生剤組成物は、第1発明のガス発生剤と同様にして、ガス発生剤と吸着剤が接触しないように保持する形態にすることができる。
【0044】
更に、第2発明のガス発生剤組成物は、ガス発生剤組成物(ガス発生剤40gを含む)を密閉した状態、具体的には内容積118.8mlのステンレス製容器に入れ、密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.7%以下であるものが望ましい。
【0045】
次に、第3発明について説明する。第3発明のガス発生剤組成物は、非アジ化ナトリウム系燃料と酸化剤を含むガス発生剤を含有するものである。第3発明においては、第2発明と同じ非アジ化ナトリウム系燃料、酸化剤及び結合剤等の添加物を同じ割合で用いることができ、テトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料と、塩基性金属硝酸塩から選ばれる酸化剤も併用することができる。
【0046】
第3発明のガス発生剤は、(a)〜(c)の要件の1以上を具備するものであり、(a)〜(c)のうち2つの要件を具備することが好ましく、3つの要件全てを具備することがより好ましい。
【0047】
要件(a)は、ガス発生剤組成物を密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下であることである。具体的には、ガス発生剤組成物を内容積118.8mlのステンレス製容器に入れ、密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.7%以下である;
要件(b)は、ガス発生剤の燃焼により発生するガスに含まれる微量ガスの濃度が、2800Lタンクでの測定値としてで、COが400ppm以下、NOが40ppm以下、NO2が8ppm以下及びNH3が100ppm以下であることである。あるいはNIOSHによって示されたIDLHの値である、COが1200ppm以下、NOが100ppm以下、NO2が20ppm以下、NH3が300ppm以下という値の30%前後、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%(CO=120ppm、NO=10ppm、NO2=2ppm、NH3=30ppm)以下であることである。
【0048】
なお、これらの各ガス濃度は、例えば、標準的なシングルタイプの運転席用パイロインフレータを用いて、20℃で出力130〜200kPaの条件で、2800Lタンク試験を行った場合の値である。このガス発生剤組成物は、測定条件とは関係なく、他のタイプのガス発生器にも使用できる。
【0049】
要件(c)は、ガス発生剤燃焼時におけるガス発生器内の最大内圧が、7840〜17640kPa、好ましくは8820〜14700kPaであることである。
【0050】
第3発明のガス発生剤組成物は、上記した燃料、酸化剤等を含むガス発生剤に、更に吸着剤を配合した場合、耐熱性を高めることができ、長期間保存した後においても燃焼温度、燃焼速度、タンク圧、燃焼内圧、発生ガス量、発生ガス中の有毒ガス量、重量減少率等の燃焼特性を維持することができるので、上記した要件(a)〜(c)を具備する上で好ましい。吸着剤としては、第1及び第2発明と同じものを用いることができる。
【0051】
ガス発生剤と吸着剤の含有量は、ガス発生剤が好ましくは60〜99.5重量%、より好ましくは60〜98重量%、更に好ましくは70〜96重量%であり、吸着剤が好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは2〜40重量%、更に好ましくは4〜30重量%である。
【0052】
第3発明のガス発生剤組成物は、例えば、燃料、酸化剤等を粉末状で混合する乾式法又は水や有機溶剤等の存在下で混合する湿式法によりガス発生剤を製造し、更に吸着剤を混合して一体成型することができる。好ましい形態は、ガス発生剤と吸着剤を、それぞれ別々にペレット、ビーズ、メッシュ、パウダー、ディスク状等に成型したものを混合することである。なお、ガス発生剤と吸着剤を一体成型した場合は、ガス発生剤の燃焼性等に悪影響を及ぼす場合もあるため必ずしも好ましい形態というわけではないが、第3発明においては組成物をこのような一体成型にすることを排除するものではない。
【0053】
上記した第1〜第3発明のガス発生剤組成物は、ガス発生という本来的な機能を発揮させるためにガスを発生させるための燃焼室におくが、ガス発生器内の連続空間系内であれば、ガス発生剤と吸着剤を別々に離した状態で置くこともできる。ここでいう「連続空間系内」とは、ガス発生剤の分解により発生するCONH2ラジカル、NH2ラジカル、CO、アンモニアのような燃料の分解促進物質を、吸着剤が吸着保持できる状態を意味するものである。従って、同一空間は勿論のこと、別々に画成された二つの空間が、気体の流通が可能程度な連通孔により連結されているような場合も含まれる。
【0054】
本発明のガス発生器は、上記した第1〜第3発明のガス発生剤組成物を用いるものである。ガス発生器自体の構造及び種類は特に限定されるものではなく、例えば、図1に示すような構造の電気着火式のエアバック用ガス発生器が挙げられる。
【0055】
ガス発生器100において、ガス発生剤115と吸着剤120からなるガス発生剤組成物は、ガス発生剤燃焼室110内に置かれている。このとき、上記した使用方法において説明したとおり、ガス発生剤115と吸着剤120は連続空間系内であればどこに置かれていてもよく、好ましい形態としては、一体成型されていない、即ち別々の成型体として置かれているものである。103はハウジング(101はディフューザシェル、102はクロージャシェル)、104は点火器、105は伝火薬、106はクーラントフィルター、107はガス排出口である。
【0056】
このようにしてガス発生器内の所望部位にガス発生剤組成物を置いた場合、ガス発生剤中の燃料成分その他の分解により発生したCONH2ラジカル、NH2ラジカル、CO、アンモニアのようなガス発生剤中の燃料成分その他の分解促進物質が、吸着剤により吸着保持される。その結果、分解促進物質が更にガス発生剤中の燃料成分その他の分解を促進することが抑制される。このようにしてガス発生剤中の燃料成分その他の分解が抑制される結果、ガス発生剤の耐熱性が向上される。
【0057】
本発明のインフレータシステムは、前記ガス発生器とエアバックが収納されたモジュールケース、判断回路(電気着火式のガス発生器の場合)、センサー等を備えるもので、自動車、航空機等に搭載されるものである。
【0058】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下において、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示した。なお、各試験方法は下記のとおりである。
(1)耐熱性試験(重量減少率)
ガス発生剤組成物(ガス発生剤40gを含む)をアルミニウム製容器に入れ、総重量を測定した。(総重量−アルミニウム製容器重量)を試験前のサンプル重量とした。サンプルの入ったアルミニウム製容器を、SUS製厚肉容器(内容積118.8ml)に入れ、ふたをした。この時、ゴムパッキンとクランプを使用して容器が密閉状態になるようにした。これを110℃の恒温槽に入れた。所定時間経過後に容器を恒温槽から取り出し、容器が室温にもどってから容器を開け、中からアルミニウム製容器を取り出した。アルミニウム製容器ごとの総重量を測定し、(総重量−アルミニウム製容器重量)を試験後のサンプル重量とした。そして、試験前後の重量変化を比較して重量減少率を求めることにより耐熱性を評価した。重量減少率は、〔(試験前のガス発生剤重量−試験後のガス発生剤重量)/試験前のガス発生剤重量〕×100から求めた。
(2)ガス濃度の測定
上記の耐熱性試験終了後の密閉容器を約2リットルの空気が入ったポリ塩化ビニル製の袋にいれた後に袋を密閉した。袋内でクランプを外し、密閉容器を開けて、容器中にあったガスを袋中に放出させた。袋中のガスを拡散させ、均一にした後に、検知管を袋に突き刺し、すみやかにガス濃度の測定を行った。
【0059】
製造例1
ニトログアニジン(NQ)44.9部、塩基性硝酸銅(BCN)52.1部、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)3部を約70℃に加熱した捏和機に入れ、10分間予備混合した。更に60部のイオン交換水を加え、約1時間捏和した。次に捏和混合物の水分量調整のために、捏和機のふたを開け、水分を揮発させながら捏和を続け、適当な硬さになったところで水分量の調整を終了した。そして、ふたを閉めて、捏和混合物の温度が40℃になるまで冷却した。次に、捏和混合物を圧伸機にいれ、外径2.4mm、内径0.7mmの金型を通して圧力5880kPaの加圧条件下で押し出し、単孔円筒状の紐状体を作った。更に、この紐状体を裁断機により2mmの長さに裁断し、水分を十分に乾燥してガス発生剤を得た。
【0060】
製造例2
ニトログアニジン(NQ)44.2部、塩基性硝酸銅(BCN)52.8部、グアガム3部を約70℃に加熱した捏和機に入れ、10分間予備混合した。更に60部のイオン交換水を加え、約1時間捏和した。次に捏和混合物の水分量調整のために、捏和機のふたを開け、水分を揮発させながら捏和を続け、適当な硬さになったところで水分量の調整を終了した。そして、ふたを閉めて、捏和混合物の温度が40℃になるまで冷却した。次に、捏和混合物を圧伸機にいれ、外径2.4mm、内径0.7mmの金型を通して圧力5880kPaの加圧条件下で押し出し、単孔円筒状の紐状体を作った。更に、この紐状体を裁断機により2mmの長さに裁断し、水分を十分に乾燥してガス発生剤を得た。
【0061】
比較例1〜4
製造例1のガス発生剤の圧伸薬40gを用い、110℃で耐熱性試験を行った。耐熱性試験終了後のガス濃度の測定結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
試験結果より、ガス発生剤の分解により多量のNH3及びCO2、場合によりCOが発生していることが分かった。
【0064】
比較例5
比較例1〜4でガス濃度測定後、密閉容器から取り出したガス発生剤の重量減少率を調べた。その結果、100時間でのガス発生剤の重量減少率は0.58%、200時間でのガス発生剤の重量減少率は21.43%、300時間でのガス発生剤の重量減少率は21.99%、400時間でのガス発生剤の重量減少率は22.82%であった。重量減少は激しく、そのままではエアバッグ用ガス発生剤としての使用は困難であることが確認された。
【0065】
実施例1〜4
製造例1のガス発生剤の圧伸薬40gと合成ゼオライト13Xタイプ(細孔径約10Å)の球状のもの5gからなるガス発生剤組成物(一体成型されていない)を用い、110℃で耐熱性試験を行った。合成ゼオライトはSUS製厚肉容器とガス発生剤の入ったアルミニウム製容器の隙間に入れ、ガス発生剤とは接触させなかった。耐熱性試験終了後のガス濃度の測定結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
注)CO2の室内での値(ブランク値)は500〜600ppmであった。
【0068】
試験結果より、密閉容器内にはわずかのCOが存在しているだけであり、合成ゼオライトを配合することによって、完全にNH3及びCO2を除去できたことが確認された。
【0069】
実施例5
実施例1〜4でガス濃度測定後、密閉容器から取り出したガス発生剤の重量減少率を調べた。その結果、100時間でのガス発生剤の重量減少率は0.23%、200時間でのガス発生剤の重量減少率は0.26%、300時間でのガス発生剤の重量減少率は0.31%、400時間でのガス発生剤の重量減少率は0.33%であった。比較例5に比べて重量減少率は著しく小さくなっており、合成ゼオライトの配合が耐熱性を改善することに大きな効果があることが分かった。110℃という高温状態に長時間さらした場合でも高い耐熱性を有しており、本発明のガス発生剤組成物を自動車のエアバッグ用ガス発生器に適用した場合には、実用上、十分な耐熱性を有していることが確認された。
【0070】
実施例6〜9
製造例1のガス発生剤の圧伸薬40gと硫酸ジルコニアの円柱状のもの5gからなるガス発生剤組成物(一体成型されていない。)を用い、110℃で耐熱性試験を行った。硫酸ジルコニアはSUS製厚肉容器とガス発生剤の入ったアルミニウム製容器の隙間に入れ、ガス発生剤とは接触させなかった。耐熱性試験終了後のガス濃度の測定結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
注)CO2の室内での値(ブランク値)は500〜600ppmであった。
【0073】
試験結果より、密閉容器内にはCO2とわずかのCOが存在しているが、硫酸ジルコニアを配合することによって、ほとんどのNH3を除去できたことが確認された。
【0074】
実施例10
実施例6〜9でガス濃度測定後、密閉容器から取り出したガス発生剤の重量減少率を調べた。その結果、100時間でのガス発生剤の重量減少率は0.22%、200時間でのガス発生剤の重量減少率は0.28%、300時間でのガス発生剤の重量減少率は0.34%、400時間でのガス発生剤の重量減少率は0.38%であった。比較例5に比べて重量減少は著しく小さくなっており、硫酸ジルコニアの配合が耐熱性を改善することに大きな効果があることがわかった。110℃という高温状態に長時間さらした場合でも高い耐熱性を有しており、本発明のガス発生剤組成物を自動車のエアバッグ用ガス発生器に適用した場合には、実用上、十分な耐熱性を有していることが確認された。
【0075】
実施例11
製造例1のガス発生剤34.5gと、合成ゼオライト13Xタイプ(細孔径約10Å)の球状のもの5.0gからなるガス発生剤組成物について、110℃で400時間の耐熱性試験を実施例1〜4と同様に行ったもの及び行わないもの、それぞれをエアバッグ用ガス発生器に入れ、このエアバッグ用ガス発生器を2800Lタンク内に置き、2800Lタンク燃焼試験を行った。なお、タンク燃焼試験に際しては、事前にガス発生器を20℃の恒温槽に放置し、組成物を含めたガス発生器構成部品が調温温度と平衡になるのに要する時間を含めて2時間以上放置したものを用いた。燃焼試験は、ガス発生器に通電し、作動させた後、3分後、15分後、30分後に検知管でNO2、NO、CO、NH3の濃度を測定し、3分後、15分後、30分後のガス濃度の平均値をそれぞれのガスの濃度とした。その結果、耐熱性試験を行わないもののNO2は0ppm、NOは14.7ppm、COは133ppm、NH3は20ppmであった。また、耐熱性試験を行ったもののNO2は0ppm、NOは13.3ppm、COは143ppm、NH3は17ppmであり、燃焼後のガスは非常に清浄で、人体に対して問題のないレベルであることが確認された。
【0076】
実施例12
製造例1のガス発生剤の圧伸薬34.5gと合成ゼオライト13Xタイプ(細孔径約10Å)の球状のもの5gからなるガス発生剤組成物(一体成型されていない)を用い、耐熱性試験前と110℃で400時間の耐熱性試験後の組成物をそれぞれ各1個、計2個の図1に示すエアバッグ用ガス発生器に入れ、このエアバッグ用ガス発生器を60Lタンク内に置き、60Lタンク燃焼試験を行った。なお、タンク燃焼試験に際しては、事前に耐熱性試験前と試験後の組成物を組み込んだガス発生器を20℃の恒温槽に放置し、組成物を含めたガス発生器構成部品が調温温度と平衡になるのに要する時間を含めて2時間以上放置したものを用いた。
【0077】
タンク燃焼試験の結果、耐熱性試験の前後において燃焼性能に変化は認められなかった(図2に燃焼試験の結果を示す)。図2において、実線は耐熱性試験前の燃焼試験結果であり、点線は耐熱性試験後の燃焼試験結果である。横軸は測定時間(t/msec)、縦軸は60Lタンク内でのガス発生器の出力(P/kPa)を示す。図2から明らかなとおり、ガス発生剤組成物が110℃で400時間という高温雰囲気に放置された場合でも、ガス発生剤の分解が抑制されたため、燃焼性能が変化しなかったことが確認された。また、上記の耐熱性試験前後のガス発生剤組成物の入ったガス発生器それぞれにおいて、内圧の測定も同時に行ったが、それぞれ10971kPa、10514kPaであった。
【0078】
実施例13〜16
製造例2のガス発生剤の圧伸薬40gと合成ゼオライト13Xタイプ(細孔径約10Å)の球状のもの2gからなるガス発生剤組成物(一体成型されていない)を用い、110℃で耐熱性試験を行った。合成ゼオライトはSUS製厚肉容器とガス発生剤の入ったアルミニウム製容器の隙間に入れ、ガス発生剤とは接触させなかった。耐熱性試験終了後のガス濃度の測定結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
【0080】
注)CO2の室内での値(ブランク値)は500〜600ppmであった。
【0081】
試験結果より、密閉容器内にはわずかのCOが存在しているだけであり、合成ゼオライトを配合することによって、完全にNH3及びCO2を除去できたことが確認された。
【0082】
実施例17
実施例13〜16でガス濃度測定後、密閉容器から取り出したガス発生剤の重量減少率を調べた。その結果、100時間でのガス発生剤の重量減少率は0.28%、200時間でのガス発生剤の重量減少率は0.36%、400時間でのガス発生剤の重量減少率は0.44%、600時間でのガス発生剤の重量減少率は0.52%であった。重量減少率は著しく小さくなっており、合成ゼオライトの配合が耐熱性を改善することに大きな効果があることが分かった。110℃という高温状態に長時間さらした場合でも高い耐熱性を有しており、本発明のガス発生剤組成物を自動車のエアバッグ用ガス発生器に適用した場合には、実用上、十分な耐熱性を有していることが確認された。
【0083】
実施例18〜21
製造例2のガス発生剤の圧伸薬40gと合成ゼオライト13Xタイプ(細孔径約10Å)の球状のもの3gからなるガス発生剤組成物(一体成型されていない)を用い、110℃で耐熱性試験を行った。合成ゼオライトはSUS製厚肉容器とガス発生剤の入ったアルミニウム製容器の隙間に入れ、ガス発生剤とは接触させなかった。耐熱性試験終了後のガス濃度の測定結果を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】
注)CO2の室内での値(ブランク値)は500〜600ppmであった。
【0086】
試験結果より、密閉容器内にはわずかのCOが存在しているだけであり、合成ゼオライトを配合することによって、完全にNH3及びCO2を除去できたことが確認された。
【0087】
実施例22
実施例18〜21でガス濃度測定後、密閉容器から取り出したガス発生剤の重量減少率を調べた。その結果、100時間でのガス発生剤の重量減少率は0.29%、200時間でのガス発生剤の重量減少率は0.37%、400時間でのガス発生剤の重量減少率は0.42%、600時間でのガス発生剤の重量減少率は0.49%であった。重量減少率は著しく小さくなっており、合成ゼオライトの配合が耐熱性を改善することに大きな効果があることが分かった。110℃という高温状態に長時間さらした場合でも高い耐熱性を有しており、本発明のガス発生剤組成物を自動車のエアバッグ用ガス発生器に適用した場合には、実用上、十分な耐熱性を有していることが確認された。
【0088】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明において、ガス発生剤組成物は、燃料の分解により発生するラジカルやアンモニア等の燃料の分解促進物質が吸着剤に吸着保持される。よって、かかる作用により、燃料のさらなる分解が抑制されるため、ガス発生剤の耐熱性を向上させることができる。従って、ガス発生器及びインフレータシステムの信頼性が向上され、長期にわたって安定した性能を維持することができる。
【0089】
また、本発明のガス発生剤組成物は、実施例に示した運転席用パイロタイプのシングルガス発生器のみでなく、広く多種類のガス発生器、例えば、助手席用、デュアルアウトプットタイプ又は加圧ガスとガス発生剤を併用するハイブリッドタイプにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 60Lタンク燃焼試験で使用したガス発生器の直径方向の概略断面図である。
【図2】 60Lタンク燃焼試験の結果を示した図である。
【符号の説明】
100 ガス発生器
101 ディフーザシェル
102 クロージャシェル
103 ハウジング
104 点火器
105 伝火薬
106 クーラントフィルタ
107 ガス排出口
110 ガス発生剤燃焼室
115 ガス発生剤
120 吸着剤
Claims (7)
- テトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種以上の燃料と塩基性金属硝酸塩を含むガス発生剤並びに吸着剤を含有することを特徴とするガス発生剤組成物であり、
前記吸着剤が、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル、活性炭、粘土、固体超強酸及び固体酸から選ばれる1種以上であるガス発生剤組成物。 - 吸着剤が、3Aタイプ(細孔径3Å)、4Aタイプ(細孔径4Å)、5Aタイプ(細孔径5Å)及び13Xタイプ(細孔径10Å)から選ばれる1種以上の合成ゼオライトである請求項1記載のガス発生剤組成物。
- ガス発生剤と吸着剤が一体成型されていないものである請求項1又は2記載のガス発生剤組成物。
- ガス発生剤成型体と吸着剤成型体が混合されている請求項1〜3の何れか1項記載のガス発生剤組成物。
- ガス発生剤組成物を密閉した状態で110℃で400時間保持した場合のガス発生剤の重量減少率が2%以下である請求項1〜4の何れか1項記載のガス発生剤組成物。
- 請求項1〜5の何れか1項記載のガス発生剤組成物を用いたことを特徴とするガス発生器。
- 請求項6の記載のガス発生器を用いたことを特徴とするインフレータシステム。
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