JP2002160992A - ガス発生剤 - Google Patents

ガス発生剤

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JP2002160992A
JP2002160992A JP2001243088A JP2001243088A JP2002160992A JP 2002160992 A JP2002160992 A JP 2002160992A JP 2001243088 A JP2001243088 A JP 2001243088A JP 2001243088 A JP2001243088 A JP 2001243088A JP 2002160992 A JP2002160992 A JP 2002160992A
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JP2001243088A
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English (en)
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Kenji Kunikata
賢治 国方
Hidefumi Sato
英史 佐藤
Hiromichi Kubo
大理 久保
Kenjiro Ikeda
健治郎 池田
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼速度は速いが、着火性が悪いPSAN−B
HT・アンモニウム系のガス発生剤の、着火性を良好に
する成形物の混合物の提供。 【解決手段】PSAN−BHTアンモニウムを含有する
ガス発生剤の成形物と、硝酸ストロンチウム−5−アミ
ノテトラゾールを含有するガス発生剤の成形物の混合
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアーバッグ用ガ
ス発生剤に関する。詳しくは、自動車等の交通機関に搭
載された人体保護のために供せられるエアーバッグシス
テムにおいて作動ガスとなる低残渣エアーバッグ用ガス
発生剤組成物成形物の混合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、エアーバッグシステムに用いられ
ているガス発生剤としては、アジ化ナトリウムをベース
としているが、アジ化ナトリウムは、毒性が極めて強
く、組成物の製造、廃棄の際に特別な取り扱いをする必
要がある。従って、非アジ化ナトリウムのガス発生剤の
研究が、盛んになり、多くの特許が出願されている。し
かし、その多くは、ガス発生剤の燃焼速度を高める為、
ガス発生剤を構成する酸化剤として、硝石、硝酸ナトリ
ウム、硝酸ストロンチウム、過塩素酸カリ等が多用さ
れ、その結果、燃焼残渣が多くなり、ガス化率が低くな
っていた。エアーバッグシステムのコンパクト化の要請
に伴い、ガス発生剤としては、ガス化率のアップ、ガス
発生量の増大、燃焼熱の低下が、望まれるようになっ
た。硝酸アンモニウム(硝安)は、酸化剤として、完全
燃焼すると、窒素、水のみを生成し、固体残渣は、生じ
ないので、いずれの要求も満たされる酸化剤と考えられ
ているが、多くの難問も抱えている。硝安は、燃料との
混合物は一般的に着火性が悪く燃焼速度が遅いか、もし
くは,爆轟する性質を持っており取り扱いにくい。燃料
としては米国特許5,531,941、5,783,7
73には、燃料として、硝酸トリアミノグアニジン(T
AGN)が、米国特許5,641,938、5,54
5,272、特表平11−502497、WO98/0
4507には、ニトログアニジン(NQ)が、米国特許
5,872,329には、5,5'−ビ−1H−テト
ラゾール. ジアンモニウム塩(BHT・2NH)が
それぞれ提案されている。しかし、硝安との組み合わせ
で、TAGNは燃焼速度は速いものの、爆轟性があり、
また、TAGNは染色体異常の毒性があり、使いづら
い。また、NQは、やはり、着火性が良くなく、また、
硝安と共融混合物を作り、硝安の融点より低くなり、結
果として、耐熱性がやや劣ってくる。BHT・2NH
は、耐熱性は良好であるが、極めて着火性が悪い。BH
Tは、極めて、着火性が良いが、爆轟性があり、BHT
自身、BM式摩擦感度が1.6kgと極めて感度が高
く、BHTの製造時に、事故の起こる可能性があり、市
場より、調達できない。5−アミノテトラゾール(5A
TZ)は、燃焼速度が速く、硝安との組み合わせでも、
燃焼するが、5ATZは、硝安と共融混合物を作り、融
点が下がって、107℃×400時間の耐熱試験に耐え
る保証がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料と硝安からなるガ
ス発生剤が、良好な着火性、充分な燃焼速度、高いガス
化率、多いガス発生量、充分な耐熱性を要求されている
が、以上述べたように、組み合わされるべき、窒素含有
化合物(燃料)が、いまだ、見出されていない。本発明
は、このように組み合わせるのが困難な成分同士を用い
ながら、良好なガス発生剤を得ることを課題とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
たものである。即ち、本発明は、(1)少なくとも、a
成分を含有するガス発生剤組成物Aの成形物A'及びb
成分を含有するガス発生剤組成物Bの成形物B'からな
り、a成分とb成分とは−40℃〜120℃において相
互作用を生じるものであることを特徴とするガス発生
剤、(2)上記相互作用が、酸塩基反応、酸化還元反応
によるガス発生現象及び/又は共融化による融点降下の
為の融解現象を与える相互作用である(1)に記載のガ
ス発生剤、(3)成形物A',B'のいずれもが、表面積
/体積比が0.3〜6mm−1である(1)または
(2)に記載のガス発生剤、(4)a成分が硝酸アンモ
ニウムである(1)〜(3)のいずれかに記載のガス発
生剤、(5)b成分が、5−アミノテトラゾール、5−
アミノテトラゾール・金属塩、ニトログアニジン、硝酸
グアニジンから選ばれる1種または2種以上である
(1)〜(4)のいずれかに記載のガス発生剤、(6)
ガス発生剤組成物Aが、相安定化硝安と、5,5'−ビ
−1H−テトラゾール、5,5'−ビ−1H−テトラゾ
ール・モノアンモニウム塩及び5,5'−ビ−1H−テ
トラゾール・ジアンモニウム塩から選ばれる1種または
2種以上を含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の
ガス発生剤、に関する。
【0005】
【発明の実施形態】本発明のガス発生剤は、少なくと
も、a成分を含有するガス発生剤組成物Aの成形物A'
及びb成分を含有するガス発生剤組成物Bの成形物B'
からなり、a成分とb成分とは相互作用を生じするもの
である。a成分とb成分との相互作用とは、一緒に混合
することにより、物性の変化などが生じて初期の燃焼特
性が得られなくなるような作用を示す。この相互作用は
本発明においては−40℃〜120℃の範囲内で生じる
ものを意味し、−40℃以下の極低温や120℃以上の
高温時において相互作用が生じようともガス発生剤の製
造から使用にかけて問題となることはない。
【0006】具体的な相互作用としては、酸塩基反応、
酸化還元反応及び共融化などが例示できる。酸塩基反応
を生じるa,b成分としては種々のものがあるが、酸化
剤としての硝安と燃料成分としての5−アミノテトラゾ
ールカリウム塩との組み合わせなどが例示できる。硝安
と5−アミノテトラゾールカリウム塩は一緒に混合する
と、酸塩基反応により硝酸カリウムと5−アミノテトラ
ゾールとアンモニアとになる。また、酸塩基反応により
水を生成するような組み合わせも、本発明でいうところ
の相互作用に含まれる。酸化還元反応を起こすa,b成
分としては種々のものがあり、火炎を発する燃焼反応の
如き酸化還元反応から緩やかに時間をかけて起こる酸化
還元反応まで含む。共融化を生じるa,b成分としては
種々のものがあるが、例えば、硝安と5−アミノテトラ
ゾールとの組み合わせでは108℃で、硝安と硝酸アミ
ノグアニジンとの組み合わせでは、109℃でそれぞれ
共融化による融点降下によって融解してしまう。
【0007】a,b成分を含有するガス発生剤組成物
A,Bは、a,b成分を含め燃料成分及び酸化剤成分を
含有するものであることが好ましい。例えば、ガス発生
剤組成物Aは酸化剤成分だけ、ガス発生剤組成物Bは燃
料成分だけでなる場合でもあって本発明においては成形
物同士を組み合わせて用いるため良好に燃焼するが、ガ
ス発生剤組成物A,Bに燃料成分と酸化剤成分の双方が
含まれていると単独で燃焼できるため、容易に着火させ
ることができる。また、更にスラグ形成剤やバインダー
などの添加剤を加えることができる。
【0008】本発明で用いる燃料成分としては、含窒素
化合物が好ましく、グアニジン誘導体、テトラゾール誘
導体、ビテトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ヒ
ドラジン誘導体、トリアジン誘導体、アゾジカルボンア
ミド誘導体、ジシアナミド誘導体、含窒素遷移金属錯体
から成る群から選ばれる1種又は2種以上の混合物など
が挙げられる。これらの具体例としては、ニトログアニ
ジン、硝酸グアニジン、5−アミノテトラゾール、ビテ
トラゾールジアンモニウム塩、5−オキソ−1,2,4
−トリアゾール、シアノグアニジン、トリアミノグアニ
ジン硝酸塩、トリヒドラジノトリアジン、ビウレット、
アゾジカルボンアミド、ビウレア、カルボヒドラジド、
カルボヒドラジド遷移金属錯体硝酸塩、蓚酸ジヒドラジ
ド、ヒドラジン金属錯体硝酸塩、ナトリウムジシアナミ
ド、ビス(ジシアンジアミド)銅(I)硝酸塩、5−アミ
ノテトラゾールの銅錯体等を挙げることができる。
【0009】本発明に係わるガス発生剤組成物に用いら
れる酸化剤としては種々のものが使用できるが、アンモ
ニウム、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金
属又は遷移金属から選ばれたカチオンを含む硝酸塩、亜
硝酸塩、過塩素酸塩、塩素酸塩、水酸化物及び酸化物か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤が好まし
く、その具体例として、硝酸アンモニウム(硝安)、硝
酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸
ストロンチウム、塩基性硝酸銅等が挙げられる。また、
ジアンミン銅(II)硝酸塩、ヘキサアンミンコバルト(II
I)等の遷移金属錯体も使用できる。硝安は、硝石を5−
20重量%添加して安定化した相安定化硝安(PSA
N)が好ましい。また、遷移金属アミン硝酸塩、特にジ
アンミン銅(II)硝酸塩、ジアンミン亜鉛(II)硝酸塩、ジ
アンミンニッケル(II)硝酸塩等で安定化したPSAN
や、その他の、物質で、安定化したPSANも使用でき
る。
【0010】本発明に係わるガス発生剤組成物中のスラ
グ形成剤の機能は、ガス発生剤組成物中の特に酸化剤成
分の分解によって生成するアルカリ金属又はアルカリ土
類金属の酸化物をミストとしてインフレータ外へ放出す
ることを避けるため液状から固体状に変えて燃焼室内に
止める機能であり、金属成分の違いによって最適化され
たスラグ形成剤を選ぶことができる。
【0011】スラグ形成剤の具体例としては、酸性白
土、シリカ、ベントナイト系、カオリン系等のアルミノ
ケイ酸塩を主成分とする天然に産する粘土;合成マイ
カ、合成カオリナイト、合成スメクタイト等の人工的粘
土;含水マグネシウムケイ酸塩鉱物の1種であるタルク
等;アルミナ、水酸化アルミニウム等の少なくとも1種
から選ばれたスラグ形成剤が挙げられ、これらの中では
酸性白土、アルミナ又はシリカが好ましい。
【0012】本発明においてスラグ形成剤は必須ではな
いがガス発生剤組成物中に適量加えることは非常に効果
がある。スラグ形成剤を加える場合の配合割合はガス発
生剤組成物A,Bそれぞれについて1〜20重量%の範囲
で変えることができるが、好ましくは3〜10重量%の範
囲である。多すぎると線燃焼速度の低下及びガス発生効
率の低下をもたらし、少なすぎるとスラグ形成能を十分
発揮することができない。
【0013】本発明に係わるガス発生剤組成物中のバイ
ンダーは、組成物の燃焼挙動に大幅な悪影響を与えない
ものであれば何れでも使用可能である。本発明に用いら
れるバインダーの具体例としては、カルボキシメチルセ
ルロースの金属塩、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸
セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、ポリビ
ニルアルコール、グアガム、澱粉等の多糖誘導体、ステ
アリン酸カルシウム、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸の金属塩、ポリビニールピロリド
ン等の有機バインダーまたは二硫化モリブデン、酸性白
土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、シ
リカ、アルミナ、合成ヒドロタルサイト等の無機バイン
ダーが挙げられる。本発明においてバインダーは必須で
はないがガス発生剤組成物中に適量加えることは非常に
効果がある。バインダーを加える場合の配合割合はガス
発生剤組成物A,Bそれぞれについて0〜15重量%の範
囲が好ましい。量的には多い側でより成型体の破壊強度
が強くなるが、量が多いほど組成物中の炭素元素及び水
素元素の数が増大し、炭素元素の不完全燃焼生成物であ
る微量COガスの濃度が増大したり、線燃焼速度を低下
させるため好ましくない。
【0014】また、本発明においてはガス発生剤組成物
にガス発生剤の燃焼を調節するための燃焼調節剤を添加
することができる。用いうる燃焼調節剤としては、ガス
発生剤の燃焼を調節できるものであればよいが、具体的
には、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化
マンガン、酸化クロム、酸化コバルト、酸化モリブデ
ン、酸化バナジウム、酸化タングステン等の遷移金属酸
化物や、活性炭、グラファイト、カーボンブラック等の
炭素類等を例示することができる。燃焼速度調節剤の配
合割合は、ガス発生剤組成物A,Bそれぞれに対して、
通常0−10重量%、好ましくは0−5重量%である。
【0015】ガス発生剤組成物A,Bに燃料成分及び酸
化剤を配合する場合、ガス発生剤組成物A,B各々単独
で酸素バランスがとられている必要性は必ずしもなく、
成形物A',B'として混合しガス発生剤として酸素バラ
ンスが適当なものになっているようにすればよい。その
ため、例えば、ガス発生剤組成物Aを酸素バランス負
に、ガス発生剤組成物Bを酸素バランス正にして、成形
物A',B'を混合することにより酸素バランスを調整す
ることができる。このため、ガス発生剤組成物Aとガス
発生剤組成物Bの酸素バランスは適宜設定することがで
きるが、-0.2〜0.0g/gと0.0〜+0.2g/gであることが好ま
しく、-0.1〜0.0g/gと0.0〜+0.1g/gであることが特に好
ましい。
【0016】より具体的には、本発明に係わるガス発生
剤組成物A,B中の燃料成分としての含窒素化合物の配
合割合は、分子式中の炭素元素、水素元素及びその他の
酸化される元素の数によって異なるが、成形物A'、B'
として混合しガス発生剤としたときに、通常10〜70
重量%の範囲になるように調整するのが好ましく、15
〜60重量%の範囲になるように調整するのが特に好ま
しい。一方、本発明に係わるガス発生剤組成物A,B中
の酸化剤の配合割合は用いられる燃料成分その他の種類
と量により絶対数値は異なるが、成形物A'、B'として
混合しガス発生剤としたときに、30〜90重量%の範
囲になるように調整するのが好ましく、特に40〜85重
量%の範囲になるように調整するのが好ましい。
【0017】本発明のガス発生剤組成物A,Bは、燃料
成分、酸化剤等を粉末状で混合する乾式法又は水や有機
溶剤等の存在下で混合する湿式法により製造することが
できる。このガス発生剤組成物A,Bを成形物A',B'
とする成形方法としては、例えば、打錠機を用いて圧縮
成形してペレットにしたり、ディスク成形機を用いて圧
縮成形してディスクにしたり、ペレットやディスクを粉
砕するか又はグラニュレータを用いて顆粒にしたり、圧
伸機(押出成形機)を用いて押出成形(無孔、単孔、多
孔)することができる。さらに、圧延してフィルム状又
は板状に成型することもできる。
【0018】これらの成型方法は、ガス発生剤組成物の
成型品に対して付与しようとする性質等に応じて適宜選
択することができる。例えば、圧縮成形法を適用した場
合、成形にバインダーを必要としないか又は少量でよい
ので、燃焼性の低下がない傾向がある。また、押出成形
法を適用した場合、ウェブが薄いものを成形することが
圧縮成形法よりも容易であるので、燃焼速度の遅い組成
でも成形品を得ることができる。さらに、押出成形法は
成形が比較的短時間ですむため大量生産に向いている。
また、燃焼速度が速い組成の場合は成形品のサイズを大
きくできるために、より製造効率を上げることができ
る。そのほか、押出成形法を適用した場合には、無孔、
単孔、多孔等の複雑な形状の成形品を製造できるため、
種々の燃焼特性を付与することができる。
【0019】本発明のガス発生剤のおいては、前述のよ
うな相互作用を生じるa成分とb成分をそれぞれ含有す
るガス発生剤組成物AとBとを別々に成形し成形物
A',B'となし、これらを混合してガス発生剤とするも
のであり、これにより、a成分とb成分とが直接接触す
ることを有効に抑えることができ、相互作用の低減を果
たすことができる。これは、a成分とb成分との接触は
成形物A'と成形物B'との成形物表面上におけるものに
限られ、成形物内部にあるa成分とb成分とは接触する
ことがないからである。このため、成形物の形状は重量
(体積)あたりの表面積が小さいほうが有利であり、表
面積/体積比が好ましくは0.3−6mm 、好まし
くは1.0−5.0mm−1、特に好ましくは1.2−
4.0mm になるように調整するのがよい。また、
成形物の形状は、体積あたりの表面積がもっとも小さい
球形がよいが、成形等が困難である場合があるので、球
形に近い形状である円柱形状が好ましい。
【0020】本発明のガス発生剤は、上記のように成形
物A',B'を混合することにより得られるものである
が、さらに別のガス発生剤組成物の成形物や、燃焼調整
剤やスラグ成形剤などの添加剤などを成形物A',B'の
混合物に加えることもできる。別のガス発生剤組成物と
しては、ガス発生剤組成物A又はB中の成分と相互作用
を生じるa成分、b成分以外の第3の成分(以下c成分
と記す)を含有するガス発生剤組成物(以下ガス発生剤
組成物Cを記す)を用いることができ、上記のa成分、
b成分を関する説明に準じてガス発生剤組成物Cを成形
物とし(以下成形物C'と記す)、成形物A'〜C'を混
合してガス発生剤とすることができる。なお、第4の成
分(d成分)も同様である。
【0021】次に具体例として、a成分として相安定化
硝安を、b成分としてテトラゾール類などを用いたガス
発生剤を示しながら、更に詳細に説明する。前述したよ
うにこの組み合わせでガス発生剤組成物を製造した場
合、共融化による融点降下が生じ120℃以下でPSA
Nが溶解する。
【0022】ガス発生剤組成物Aは酸化剤成分として、
相安定化硝安(PSAN)を主成分とするガス化率80
%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%
以上、特に好ましくは94%以上のガス発生剤組成物で
ある。他の酸化剤成分としては、硝酸カリウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸ストロンチウム、過塩素酸カリウム、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、ジアンミン
銅(II)硝酸塩、トリニトロトリアンミンコバルト(III)
等の遷移金属錯体等を添加してもよい。ガス発生剤組成
物A中の酸化剤成分の量は、通常30−95重量%、好
ましくは40−90重量%、より好ましくは50−80
重量%である。また、酸化剤成分中のPSANの重量%
は、通常40−100%、好ましくは70−100%で
ある。燃料成分としては、硝安と組み合わせて、耐熱性
が良好なものがよく、5,5'−ビ−1H−テトラゾー
ル(BHT)、5,5'−ビ−1H−テトラゾール・ジ
アンモニウム塩(BHT・2NH)、5,5'−ビ−
1H−テトラゾール・モノアンモニウム塩(BHT・N
)、ニトログアニジン(NQ)、5−アミノテトラ
ゾール・亜鉛塩、5−ヒドロキシテトラゾール、5−ヒ
ドロキシテトラゾール・亜鉛塩、5−シアノテトラゾー
ル、5−シアノテトラゾール・亜鉛塩、5−シアノテト
ラゾール・アンモニウム塩、5−ニトロテトラゾール、
5−ニトロテトラゾール・アンモニウム塩、5−ニトロ
テトラゾール・亜鉛塩、5−ニトロアミノテトラゾー
ル、5−ニトロアミノテトラゾール・亜鉛塩、5−カル
バモイルテトラゾール、ビス(ジシアンジアミド)銅
(I)硝酸塩、5−アミノテトラゾールの銅錯体、カルボ
ヒドラジド遷移金属錯体硝酸塩等から1種以上選択され
る。ガス発生剤組成物A中の燃料成分の量は、通常10
−70重量%、好ましくは15−60重量%、より好ま
しくは20−50重量%である。また、燃焼速度を調節
する為に、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、
酸化マンガン、酸化クロム、酸化チタン、酸化コバル
ト、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウ
ム等の遷移金属酸化物や、活性炭等の燃焼速度調節剤を
くわえてもよい。燃焼速度調節剤は、ガス発生剤組成物
A中、通常0−10重量%、好ましくは0−5重量%で
ある。
【0023】ガス発生剤組成物Bは酸化剤成分として、
相安定化硝安(PSAN)を含有しないガス発生剤組成
物であり、耐熱性が良好で、着火性が良く、燃焼速度が
速く、燃焼持続性が良いガス発生剤の成形物である。ま
た、窒素70kg/cm下、ストランド燃焼線速度が
通常10mm/sec以上、好ましくは20mm/se
c以上、より好ましくは30mm/sec以上、燃焼熱
は2000−6000J/g、好ましくは2500−5
000J/g、より好ましくは3000−4500J/
gとなるように調整しておくのがよい。酸化剤成分とし
て、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ土類金属硝酸塩、過
塩素酸アルカリ、過塩素酸アンモニウム、塩基性金属硝
酸塩から1種以上選択できる。例えば、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウム、硝酸ストロンチウム、過塩素酸カリ
ウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、塩
基性硝酸銅等が挙げられる。酸化剤成分の量はガス発生
剤組成物B中、通常30−90重量%、好ましくは40
−80重量%、より好ましくは50−70重量%であ
る。燃料成分としては、主燃料となる第1燃料成分と助
燃料となる第2燃料成分を用いることが好ましい。第1
燃料成分としては、硝安と組み合わされたとき、共融化
による融点降下やガス発生等が生じる5−アミノテトラ
ゾール、5−アミノテトラゾール・カリウム塩、5−ア
ミノテトラゾール・ナトリウム塩等のテトラゾール類、
3−アミノー1,2,4−トリアゾール、3−アミノー
5−ニトロー1,2,4−トリアゾール等のトリアゾー
ル類、ニトログアニジン、硝酸グアニジン、硝酸アミノ
グアニジン、硝酸ジアミノグアニジン、硝酸トリアミノ
グアニジン等のグアニジン類等が挙げられる。これらよ
り、1種以上選択できる。第2燃料成分として、燃焼速
度を増加させる為に、次に挙げる燃料を1種以上、加え
てもよい。即ち、5−ニトロ−1,2,4−トリアゾー
ル−3−オン、3−ニトロアミノー1,2,4−トリア
ゾール、3-ニトロ−1,2,4−トリアゾール等のトリ
アゾール類、5−アミノテトラゾール・亜鉛塩、5−ア
ミノテトラゾール・マグネシウム塩、5−ヒドロキシテ
トラゾール、5−ヒドロキシテトラゾール・カリウム
塩、5−ヒドロキシテトラゾール・ナトリウム塩、5−
ヒドロキシテトラゾール・亜鉛塩、5−ヒドロキシテト
ラゾール・マグネシウム塩、5−ニトロテトラゾール、
5−ニトロテトラゾール・カリウム塩、5−ニトロテト
ラゾール・ナトリウム塩、5−ニトロテトラゾール・亜
鉛塩、5−ニトロテトラゾール・マグネシウム塩、5−
ニトロテトラゾール・アンモニウム塩、5−ニトロアミ
ノテトラゾール、5−ニトロアミノテトラゾール・カリ
ウム塩、5−ニトロアミノテトラゾール・ナトリウム
塩、5−ニトロアミノテトラゾール・亜鉛塩、5−ニト
ロアミノテトラゾール・マグネシウム塩、5−シアノテ
トラゾール、5−シアノテトラゾール・カリウム塩、5
−シアノテトラゾール・ナトリウム塩、5−シアノテト
ラゾール・亜鉛塩、5−シアノテトラゾール・マグネシ
ウム塩、5−シアノテトラゾール・アンモニウム塩、5
−カルバモイルテトラゾール等のテトラゾール類、ビス
(ジシアンジアミド)銅(I)硝酸塩、5−アミノテトラ
ゾールの銅錯体、カルボヒドラジド遷移金属錯体硝酸塩
等が挙げられる。ガス発生剤組成物B中の燃料成分の量
は、通常10−70重量%、好ましくは20−60重量
%、より好ましくは30−50重量%である。また、燃
焼速度を調節する為に、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化
銅、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化クロム、酸化コバル
ト、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化バナジウ
ム等の遷移金属酸化物や、活性炭、グラファイト、カー
ボンブラック等の炭素類をくわえてもよい。燃焼速度調
節剤は、ガス発生剤組成物B中、通常0−10重量%、
好ましくは0−5重量%である。
【0024】更に、上記のガス発生剤組成物A,Bの具
体的組み合わせ例を次に示す。 1) ガス発生剤組成物A:PSAN、BHT・2NH ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、5−アミノ
テトラゾール 2)ガス発生剤組成物A:PSAN、BHT・NH ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム,5−アミノ
テトラゾール 3)ガス発生剤組成物A:PSAN、NQ ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、5−アミノ
テトラゾール 4)ガス発生剤組成物A:PSAN、BHT・NH
BHT・2NH ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、NQ、硝酸
グアニジン 5)ガス発生剤組成物A:PSAN、BHT・2NH ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、5−アミノ
テトラゾール・カリウム塩 6)ガス発生剤組成物A:PSAN、5−ヒドロキシテ
トラゾール ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、5−アミノ
テトラゾール、硝酸グアニジン 7)ガス発生剤組成物A:PSAN、BHT・2NH ガス発生剤組成物B:硝酸ストロンチウム、塩基性硝酸
銅、硝酸グアニジン
【0025】上記のガス発生剤組成物A,Bを成形し成
形物A',B'とした後、混合しガス発生剤を得る。ガス
発生剤中の成形物A'の割合は、通常50−99重量
%、好ましくは50−95重量%、より好ましくは70
−93重量%、特に好ましくは80−90重量%であ
り、成形物B'の割合は、通常1−50重量%、好まし
くは5−50重量%、より好ましくは7−30重量%、
特に好ましくは10−20重量%である。
【0026】上記の成形物A',B'に加えて第3のガス
発生剤組成物の成形物を用いてガス発生剤とすることが
できる。第3のガス発生剤組成物としては燃焼性向上、
発生ガス中のNOX、CO等の低減を目的にした組成物
の成形物を用いることが好ましい。また、ガス発生剤の
性能を高める補助的な化合物、あるいは、組成物でもよ
い。
【0027】通常、成形物A',B'は、均一に混合して
ガス発生剤とするが、成形物A',B'間に着火性などの
などの燃焼特性に差がある場合、ガス発生器へ不均一に
充填することより、従来の1種の組成物からなるガス発
生剤では不可能であった燃焼調整が可能となる。例え
ば、上記の具体例ではガス発生剤組成物Bはガス発生剤
組成物Aに比べて着火性がよいので、ガス発生器の点火
器の近くにより多く配置することにより、ガス発生器の
作動時におけるガス発生剤の着火燃焼を全体的に早める
ことができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。尚、例中の%は特記しないかぎり
重量%である。
【0029】実施例1 硝安/硝石=85/15(wt比)で安定化した硝安
(PSAN15):74.51%、BHT・NH:2
5.49%を乳鉢で充分混合し、油圧プレスにより成形
した。直径8mm、高さ2.4mmの円柱状成形物が得
られた。(表面積/体積=1.33mm−1)。燃焼実
験は、ガス発生剤評価用の40cc ステンレススチー
ル製ボンベを使用した。直径11mmのオリフィスの上
に置かれた約2.6ccのアルミ製のカップに、上記円
柱状成形物を、約0.8gを精秤して加え、更に、日本
化薬製ガス発生剤ATSN(5−アミノテトラゾール/
硝酸ストロンチウム系、直径 5mm、高さ 1.5mm
の円柱状成形物(表面積/体積=2.13mm−1))
約0.2gを精秤して加えた。その後、日本化薬製スク
イブ(ジルコニウム/過塩素酸カリウム系):スクイブ
(薬量 0.24g)で着火した。燃焼反応の圧力−時
間曲線をオッシロスコープに記録させ、パソコンにてデ
ータ解析を行なった。 結果:tPmax(最大圧力に到達する時間)=78m
s、Pmax(最大圧力)=8.1MPa 107℃×400時間の耐熱性の試験をおこなったが、
重量減少率 0.02重量%であった。成形物の融着、
体積変化等は観察されなかった。耐熱試験の前後で、燃
焼速度の変化は無かった。
【0030】実施例2−5 表1に示す、PSAN15、BHT、BHT・NH
BHT・2NHの組成比で、実施例1と同様に試験を
行い、表2の結果を得た。
【0031】 表1 PSAN15 BHT BHT・NH BHT・2NH ―――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例2 69.50% 10.13% - 20.29% 実施例3 74.51% 2.75% 20.00% 2.75% 実施例4 68.84% 5.20% 20.76% 5.20% 実施例5 76.43% 23.57%
【0032】
【0033】107℃×400時間の耐熱性試験をおこ
なったが、重量減少率 0.02重量%であった。成形
物の融着、体積変化等は観察されなかった。耐熱試験の
前後で、燃焼速度の変化は無かった
【0034】実施例6 硝安/硝石=85/15(wt比)で安定化した硝安
(PSAN15):76.43%、BHT・2NH
23.57%を乳鉢で充分混合し、常法に従い、顆粒を
製造した(A)。平均粒径 0.7mmであった。球と
見なして、表面積/体積比を計算すると、8.6mm
−1であった。同様にしてATSNの顆粒を製造した
(B)。平均粒径が0.75mmであった。球と見なし
て、表面積/体積比を計算すると、8.0mm−1であ
った。(A)/(B)=0.8/0.2(WT比)で混
合しガス発生剤とした。このガス発生剤を耐熱性試験
(107℃×400時間)をおこなった結果、重量減少
率が0.5重量%であった。また、110℃では溶解し
なかった。
【0035】実施例7 硝安/硝石=85/15(wt比)で安定化した硝安
(PSAN15):76.43%、BHT・2NH
23.57%を乳鉢で充分混合し、常法に従い、円柱状
成形物を製造した(C)。表面積/体積比は、3.0m
−1であった。ATSNの顆粒を製造した(D)。平
均粒径が0.75mmであった。球と見なして、表面積
/体積比を計算すると、8.0mm−1であった。
(C)/(D)=0.8/0.2(WT比)で混合しガ
ス発生剤とした。このガス発生剤の耐熱性試験(107
℃×400時間)をおこなった結果、重量減少率が0.
2重量%であった。また、110℃では溶解しなかっ
た。
【0036】比較例1 硝安/硝石=85/15(wt比)で安定化した硝安
(PSAN15):76.43%、BHT・2NH
23.57%を乳鉢で充分混合し、油圧プレスにより成
形した。直径8mm、高さ2.4mmの円柱状成形物が
得られた。この成形物を約1g精秤し、アルミ製のカッ
プに入れた。ATSNを加えなかったことを除いて、実
施例1と同様に行なったところ、燃焼しなかった。
【0037】実施例8 PSAN15/BHT・2NH/BHT・NH/酸
性白土=73.3/11.9/11.9/2.9の重量
比で、湿式混合を行い、1mm以下に造粒し、105℃
で約15時間乾燥後、1mm以下に整粒し、得られた顆
粒に対し、0.4重量%の滑剤(グラファイト)を添加
し、よく混合して、打錠機で、円柱状成形物を得た。該
成形物を更に、110℃、15時間、乾燥し、直径 約
6mm、高さ 約1.7mmの円柱状成形物ガス発生剤
ペレット(表面積/体積=1.843mm−1)を得
た。スクイブ、エンハンサー、フィルター、ディフュー
ザーを備えた直径 60mmインフレータに、上記ガス
発生剤ペレット 25.3g、日本化薬製 ガス発生剤
ATSN(直径 約5mm 高さ 約2mm 表面
積/体積=1.80mm−1)を 1.33g加え、溶
接を行うことにより、密閉した後、60Lタンクに該イ
ンフレータを設置し、燃焼させた。燃焼反応の圧力−時
間曲線をオッシロスコープに記録させ、パソコンにてデ
ータ解析を行なった。 結果:tPmax(最大圧力に到達する時間)=56m
s、Pmax(最大圧力)=180kpa 最大燃焼速度(ライジング速度) 6.5kpa/ms
の望ましい P−tカーブが得られた。該成形物の混
合物のガス発生量は、3.77モル/100g、ガス化
率は、90.4%であった。107℃×400時間の耐
熱性の試験をおこなったが、重量減少率 0.02重量
%であった。成形物の融着、体積変化等は観察されなか
った。耐熱試験の前後で、燃焼速度の変化は無かった。
【0038】実施例9 PSAN15/BHT・2NH/活性炭/酸性白土=
80.4/13.57/3.13/2.91の重量比
で、湿式混合を行い、1mm以下に造粒し、105℃で
約15時間乾燥後、1mm以下に整粒し、得られた顆粒
に対し、0.4重量%の滑剤(グラファイト)を添加
し、よく混合して、打錠機で、円柱状成形物を得た。該
成形物を更に、110℃、15時間、乾燥し、直径 約
6mm、高さ約1.7mmの円柱状成形物ガス発生剤ペ
レット(表面積/体積=1.843mm−1)を得た。
スクイブ、エンハンサー、フィルター、ディフューザー
を備えた直径 60mmインフレータに、上記ガス発生
剤ペレット 23.5g、日本化薬製 ガス発生剤 A
TSN(直径 約5mm 高さ 約2mm 表面積/
体積=1.80mm−1)を 2.6g加え、溶接を行
うことにより、密閉した後、60Lタンクに該インフレ
ータを設置し、燃焼させた。燃焼反応の圧力−時間曲線
をオッシロスコープに記録させ、パソコンにてデータ解
析を行なった。 結果:tPmax(最大圧力に到達する時間)=62m
s、Pmax(最大圧力)=170kpa 最大燃焼速度(ライジング速度) 6.75kpa/m
s の望ましいP−tカーブが得られた。該成形物の混
合物のガス発生量は、3.84モル/100g、ガス化
率は、88.5%であった。107℃×400時間の耐
熱性の試験をおこなったが、重量減少率 0.02重量
%であった。成形物の融着、体積変化等は観察されなか
った。耐熱試験の前後で、燃焼速度の変化は無かった。
【0039】実施例10 硝安/ジアンミン銅(II)硝酸塩=85/15 重量比で
安定化させたPSAN(PSANCu15)を使ってつ
ぎのように、ガス発生剤ペレットを作成した。PSAN
Cu15/BHT・2NH/酸性白土=77.18/
19.9/2.91の重量比で、湿式混合を行い、1m
m以下に造粒し、105℃で約15時間乾燥後、1mm
以下に整粒し、得られた顆粒に対し、0.4重量%の滑
剤(グラファイト)を添加し、よく混合して、打錠機
で、円柱状成形物を得た。該成形物を更に、110℃、
15時間、乾燥し、直径 約6mm、高さ 約1.7m
mの円柱状成形物ガス発生剤ペレット(表面積/体積=
1.843mm−1)を得た。スクイブ、エンハンサ
ー、フィルター、ディフューザーを備えた直径 60m
mインフレータに、上記ガス発生剤ペレット 24.3
g、日本化薬製 ガス発生剤 ATSN(直径 約5m
m 高さ 約2mm 表面積/体積=1.80mm
−1)を 1.3g加え、溶接を行うことにより、密閉
した後、60Lタンクに該インフレータを設置し、燃焼
させた。燃焼反応の圧力−時間曲線をオッシロスコープ
に記録させ、パソコンにてデータ解析を行なった。 結果:tPmax(最大圧力に到達する時間)=58m
s、Pmax(最大圧力)=175kpa 最大燃焼速度(ライジング速度) 6.5kpa/ms
の望ましい P−tカーブが得られた。該成形物の混
合物のガス発生量は、3.91モル/100g、ガス化
率は、95.3%であった。107℃×400時間の耐
熱性の試験をおこなったが、重量減少率 0.02重量
%であった。成形物の融着、体積変化等は観察されなか
った。耐熱試験の前後で、燃焼速度の変化は無かった。
【0040】
【発明の効果】以上の結果が示す通り、本発明のガス発
生剤は、これまでに開示されたガス発生剤組成物に比較
して、安全に製造でき、且つ、ガス発生量が多く、ガス
化率が高く、燃焼熱が低いので、ガス発生器の小型化に
貢献できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C06D 5/06 C06D 5/06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、a成分を含有するガス発生剤
    組成物Aの成形物A'及びb成分を含有するガス発生剤
    組成物Bの成形物B'からなり、a成分とb成分とは−
    40℃〜120℃において相互作用を生じるものである
    ことを特徴とするガス発生剤。
  2. 【請求項2】上記相互作用が、酸塩基反応、酸化還元反
    応によるガス発生現象及び/又は共融化による融点降下
    の為の融解現象を与える相互作用である請求項1に記載
    のガス発生剤。
  3. 【請求項3】成形物A',B'のいずれもが、表面積/体
    積比が0.3〜6mm である請求項1または2に記
    載のガス発生剤。
  4. 【請求項4】a成分が硝酸アンモニウムである請求項1
    〜3のいずれかに記載のガス発生剤。
  5. 【請求項5】b成分が、5−アミノテトラゾール、5−
    アミノテトラゾール・金属塩、ニトログアニジン、硝酸
    グアニジンから選ばれる1種または2種以上である請求
    項1〜4のいずれかに記載のガス発生剤。
  6. 【請求項6】ガス発生剤組成物Aが、相安定化硝安と、
    5,5'−ビ−1H−テトラゾール、5,5'−ビ−1H
    −テトラゾール・モノアンモニウム塩及び5,5'−ビ
    −1H−テトラゾール・ジアンモニウム塩から選ばれる
    1種または2種以上を含有する請求項1〜5のいずれか
    に記載のガス発生剤。
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